JP2001098064A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2001098064A
JP2001098064A JP26971499A JP26971499A JP2001098064A JP 2001098064 A JP2001098064 A JP 2001098064A JP 26971499 A JP26971499 A JP 26971499A JP 26971499 A JP26971499 A JP 26971499A JP 2001098064 A JP2001098064 A JP 2001098064A
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polyester
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polycondensation catalyst
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JP26971499A
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Hideshi Hori
秀 史 堀
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
Fujito Ebara
原 不二人 江
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い重合活性でアセトアルデヒド含有量が少な
いポリエステルが得られる、ポリエステルの製造方法を
提供すること。 【解決手段】本発明に係るポリエステルの製造方法は、
芳香族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールとを、下記重縮
合触媒(I)または(II)と、環状ラクトン系化合物お
よびヒンダードフェノール系化合物から選ばれる少なく
とも1種の化合物との存在下に重縮合させる; (I)(I-a)チタンハロゲン化物の加水分解物からな
る重縮合触媒または(I-b)チタンハロゲン化物とチタ
ン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の
化合物との混合物の加水分解物からなる重縮合触媒 (II)上記(I)と、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、
B、Al、Ga、Mn、Co、Zn、Ge、Sbから選
ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはリン酸塩も
しくは亜リン酸塩とからなる重縮合触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルの製
造方法に関し、さらに詳しくは、高い重合活性でアセト
アルデヒド含有量が少ないポリエステルが得られるポリ
エステルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエステル、例えばポリエチレ
ンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およ
びガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭
酸飲料等の飲料充填容器の素材をはじめとして種々の用
途に好適に使用されている。
【0003】このようなポリエステルは、通常、芳香族
ジカルボン酸などのジカルボン酸類と脂肪族ジオールな
どのジオール類とを原料として製造される。具体的に
は、まず、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエ
ステル化反応により低次縮合物(エステル低重合体)を
形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮合物を
脱グリコール反応(液相重縮合)させて高分子量化した
後、通常さらに固相重縮合を行って製造される。
【0004】ところで上記のようなポリエステルの製造
方法では、重縮合触媒として、従来、アンチモン化合
物、ゲルマニウム化合物などが使用されている。しかし
ながら、アンチモン化合物を使用した場合には、ゲルマ
ニウム化合物を使用する場合に比べ、得られるポリエス
テルが耐熱性、透明性の点で、若干問題があった。
【0005】また、ゲルマニウム化合物はかなり高価で
あるため、ポリエステルの製造コストが高くなるという
問題があり、製造コストを下げるために、例えば重合時
に飛散するゲルマニウム化合物を回収して再利用するな
どのプロセス上の改良が検討されている。
【0006】このような従来技術に鑑み本発明者が研究
した結果、チタンハロゲン化物を加水分解してなる加水
分解物またはチタンハロゲン化物とチタン以外の他の元
素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこ
の化合物の前駆体との混合物を加水分解してなる加水分
解物からなる重縮合触媒は、高い触媒活性でポリエステ
ルを製造できることを見い出した。しかしながらこの重
縮合触媒は、調製条件、重合条件等によっては、得られ
るポリエステル中のアセトアルデヒド含有量が多くなる
ことがある。
【0007】このような状況のもと本発明者がさらに研
究を重ねた結果、上記重縮合触媒と、環状ラクトン系化
合物およびヒンダードフェノール系化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物との存在下に重縮合を行うと、
高い重合活性でポリエステルが得られ、かつ得られたポ
リエステルはアセトアルデヒド含有量が少ないことを見
出して本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】すなわち本発明は、高い重合活性でアセ
トアルデヒド含有量が少ないポリエステルが得られる、
ポリエステルの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリエステルの製造方法
は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体
とを、下記(I)ないし(III)から選ばれる重縮合触
媒と、環状ラクトン系化合物およびヒンダードフェノー
ル系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物との存
在下に重縮合させることを特徴としている; (I)チタンハロゲン化物を加水分解してなる加水分解
物からなる重縮合触媒 (II)チタンハロゲン化物と、チタン以外の他の元素か
ら選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化
合物の前駆体との混合物を加水分解してなる加水分解物
からなる重縮合触媒 (III)上記(I)または(II)と、ベリリウム、マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホ
ウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、コバルト、
亜鉛、ゲルマニウム、アンチモンからなる群より選ばれ
る少なくとも1種の元素の化合物またはリン酸塩もしく
は亜リン酸塩とからなる重縮合触媒。
【0010】本発明では、さらにリン酸およびリン酸エ
ステルから選ばれる少なくとも1種のリン化合物を併用
してもよい。上記環状ラクトン系化合物およびヒンダー
ドフェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の化
合物としては、5,7-ジ-t-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェ
ニル)-3H-ベンゾフラン-2-オンと、テトラキス(メチ
レン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート)メタンと、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェ
ニル)フォスファイトとの混合物が好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】以下本発明に係るポリエステルの
製造方法について具体的に説明する。本発明ではポリエ
ステルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成
性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性
誘導体とを原料として製造する。
【0012】芳香族ジカルボン酸として具体的には、フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカ
ルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸などが挙げられる。
【0013】脂肪族ジオールとして具体的には、エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、プロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレン
グリコールなどが挙げられる。
【0014】本発明では、芳香族ジカルボン酸ととも
に、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジ
カルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料とし
て使用することができ、脂肪族ジオールとともに、シク
ロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビス
フェノール、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン類、1,3-ビス(2-ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエト
キシ)ベンゼンなどの芳香族ジオールなどを原料として
使用することができる。
【0015】また本発明では、トリメシン酸、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物
を原料として使用することができる。
【0016】上記したような芳香族ジカルボン酸または
そのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそ
のエステル形成性誘導体とを含む原料は、エステル化さ
れる。具体的にはまず、芳香族ジカルボン酸またはその
エステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエ
ステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
【0017】このスラリーには、芳香族ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体1モルに対して1.02
〜1.4モル、好ましくは1.03〜1.3モルの脂肪
族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれ
る。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供
給される。
【0018】エステル化反応は、好ましくは2個以上の
エステル化反応器を直列に連結した装置を用いて脂肪族
ジオールが還流する条件下で、反応によって生成した水
を精留塔で系外に除去しながら実施される。エステル化
反応を行う際の反応条件は、第1段目のエステル化反応
の温度が、通常240〜270℃、好ましくは245〜
265℃であり、圧力が、通常0.2〜3kg/cm2
G、好ましくは0.5〜2kg/cm2Gであり、また
最終段目のエステル化反応の温度が通常250〜280
℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が通常0
〜1.5kg/cm2G、好ましくは0〜1.3kg/
cm2Gである。
【0019】エステル化反応を2段階で実施する場合に
は、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそ
れぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合に
は、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応の
反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応
条件の間の条件である。
【0020】例えば、エステル化反応が3段階で実施さ
れる場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度
は、通常245〜275℃、好ましくは250〜270
℃であり、圧力は、通常0〜2kg/cm2G、好まし
くは0.2〜1.5kg/cm2Gである。これらのエ
ステル化反応の反応率は、それぞれの段階においては、
とくに制限はないが、各段階におけるエステル化反応率
の上昇の度合が滑らかに分配されることが好ましく、さ
らに最終段目のエステル化反応生成物においては通常9
0%以上、好ましくは93%以上に達することが望まし
い。
【0021】これらのエステル化工程によりエステル化
物(低次縮合物)が得られ、このエステル化物の数平均
分子量は、通常、500〜5000である。このような
エステル化反応は、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジ
オール以外の添加物を添加せずに実施することも可能で
あり、また後述する重縮合触媒の共存下に実施すること
も可能である。またトリエチルアミン、トリn-ブチルア
ミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン;水
酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn-ブチル
アンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム
などの水酸化第4級アンモニウム;炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基
性化合物を少量添加して実施すると、ポリエチレンテレ
フタレートの主鎖中のジオキシエチレンテレフタレート
成分単位の割合を比較的低水準に保持できるので好まし
い。
【0022】次いで得られたエステル化物は、液相重縮
合工程に供給される。この液相重縮合工程では、重縮合
触媒の存在下に減圧下で、得られるポリエステルの融点
以上の温度に加熱し、この際生成するグリコールを系外
に留去させてエステル化物を重縮合する。
【0023】このような液相での重縮合反応は、1段階
で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。複数段階
で行う場合、重縮合反応条件は、第1段階目の重縮合の
反応温度が、通常、250〜290℃、好ましくは26
0〜280℃であり、圧力が、通常、500〜20Tor
r、好ましくは200〜30Torrであり、また最終段階
の重縮合反応の温度が通常265〜300℃、好ましく
は270〜295℃であり、圧力が通常10〜0.1To
rr、好ましくは5〜0.5Torrである。
【0024】重縮合反応を2段階で実施する場合には、
第1段目および第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上
記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2
段目から最終段目の1段前までの重縮合反応の反応条件
は上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の
条件である。
【0025】例えば、重縮合反応が3段階で実施される
場合には、第2段目の重縮合反応の反応温度は通常26
0〜295℃、好ましくは270〜285℃であり、圧
力は通常、50〜2Torr、好ましくは40〜5Torrの範
囲である。これらの重縮合反応工程の各々において到達
される固有粘度(IV)は特に制限はないが、各段階に
おける固有粘度の上昇の度合が滑らかに分配されること
が好ましい。また、最終段目の重縮合反応器から得られ
るポリエステルの固有粘度は、通常0.35〜0.80
dl/g、好ましくは0.45〜0.75dl/g、さ
らに好ましくは0.55〜0.75dl/gの範囲であ
ることが望ましい。
【0026】本明細書において、固有粘度は、ポリエス
テル1.2gをo-クロロフェノール15cc中に加熱溶
解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算
出される。
【0027】またこのポリエステルの密度は、通常1.
33〜1.35g/cm3であることが望ましい。本明
細書において、ポリエステルの密度は、四塩化炭素およ
びヘプタンの混合溶媒を用いた密度勾配管により、23
℃の温度で測定される。
【0028】上記のような重縮合反応は、下記(I)な
いし(II)から選ばれる重縮合触媒と、環状ラクトン系
化合物およびヒンダードフェノール系化合物から選ばれ
る少なくとも1種の化合物との存在下に実施される。
【0029】本発明で用いられる重縮合触媒(I)は、
チタンハロゲン化物を加水分解してなる加水分解物から
なる。加水分解物の調製に用いられるチタンハロゲン化
物は、チタン原子とハロゲン原子との結合が少なくとも
1つ以上分子内に存在する化合物であり、具体的には四
塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタンなどの四ハ
ロゲン化チタン;三塩化チタンなどの三ハロゲン化チタ
ン;二塩化チタンなどの二ハロゲン化物および一ハロゲ
ン化チタンが挙げられる。
【0030】チタンハロゲン化物を加水分解する方法と
しては、特に限定されず、例えば水中にチタンハロゲ
ン化物を添加する方法、チタンハロゲン化物中に水を
添加する方法、水中にチタンハロゲン化物の蒸気を含
んだガスを通じる方法、チタンハロゲン化物中に水蒸
気を含んだガスを通じる方法、チタンハロゲン化物を
含んだガスと水蒸気を含んだガスとを接触させる方法な
どが挙げられる。
【0031】上記のように加水分解方法は特に限定され
ないが、いずれの場合でもチタンハロゲン化物に大過剰
の水を作用させて加水分解を完全に進行させることが必
要である。加水分解を完全に進行させず、得られた加水
分解物が特公昭51-19477項公報に記載されてい
るような部分加水分解物となる場合には、重縮合速度が
充分でないことがある。
【0032】加水分解を行う温度は、通常100℃以
下、特に0〜70℃の範囲であることが好ましい。本発
明で用いられる重縮合触媒(II)は、チタンハロゲン化
物と、チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1
種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体(以下「他
の元素の化合物」ということがある。)との混合物を加
水分解してなる加水分解物からなる。すなわち他の元素
の化合物を共存させてチタンハロゲン化物の加水分解を
行うことにより得られる。
【0033】チタンハロゲン化物の加水分解時に共存さ
せてもよい他の元素の化合物としては、ベリリウム、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
スカンジウム、イットリウム、ランタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニ
ウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、
銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、
ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよびリン(以下これ
らの元素を「他の元素」という。)からなる群より選ば
れる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の
前駆体が挙げられる。上記他の元素の化合物としては、
例えば、水酸化物などが挙げられる。
【0034】これらの他の元素の化合物は、1種単独で
または2種以上組み合わせて用いることができる。チタ
ンハロゲン化物と、他の元素の化合物との混合物を加水
分解する方法としては特に限定されず、例えば他の元
素の化合物が溶解または懸濁した水中にチタンハロゲン
化物を添加する方法、水中にチタンハロゲン化物と他
の元素の化合物との混合物を添加する方法、チタンハ
ロゲン化物と他の元素の化合物との混合物中に水を添加
する方法、チタンハロゲン化物中に他の元素の化合物
が溶解または懸濁した水を添加する方法、他の元素の
化合物が溶解または懸濁した水中にチタンハロゲン化物
の蒸気を含んだガスを通じる方法、水中にチタンハロ
ゲン化物の蒸気および他の元素の化合物の蒸気を含んだ
ガスを通じる方法、チタンハロゲン化物と他の元素の
化合物との混合物中に水蒸気を含んだガスを通じる方
法、チタンハロゲン化物中に水蒸気と他の元素の化合
物の蒸気を含んだガスを通じる方法、チタンハロゲン
化物を含んだガスと他の元素の化合物の蒸気を含んだガ
スと水蒸気を含んだガスを接触させる方法などが挙げら
れる。
【0035】加水分解の際には、チタンハロゲン化物中
のチタン(Ti)と、他の元素の化合物中の他の元素
(E)とのモル比(E/Ti)は、1/50〜50/1
の範囲であることが望ましい。また加水分解を行う温度
は、通常100℃以下、好ましくは0〜70℃の範囲で
あることが好ましい。
【0036】チタンハロゲン化物または、チタンハロゲ
ン化物と他の元素の化合物との混合物を加水分解する際
には、チタンハロゲン化物の加水分解により発生するハ
ロゲン化水素によって液性が酸性を呈する。この酸性に
よって加水分解が完結しないことがあるので塩基を添加
して中和してもよい。ここで用いられる塩基としては、
アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化マグネシウムなどの元素の周期表第1、2族元素の
水酸化物、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの元素の周期
表第1、2族元素の炭酸(水素)化合物、尿素、塩基性
有機化合物が挙げられる。中和の終点はpHが4以上が
好ましく、また中和は、70℃以下で行うことが好まし
い。
【0037】上記加水分解により得られる加水分解物
は、この段階ではオルソチタン酸とも呼ばれる含水水酸
化物のゲルまたは他の元素を含む含水複合水酸化物ゲル
である。この含水水酸化物ゲルまたは含水複合水酸化物
ゲルは、このまま重縮合触媒として用いることができる
が、脱水乾燥して固体状の加水分解物(固体状含チタン
化合物)とすることが好ましい。
【0038】加水分解物の乾燥は常圧または減圧下、固
相状態または水よりも高沸点の液相に懸濁した状態で行
うことができ、乾燥温度は特に限定されないが、30℃
以上350℃未満であることが好ましい。なお乾燥の前
に含水水酸化物ゲルまたは含水複合水酸化物ゲルを水洗
したり、乾燥後に固体状含チタン化合物を水洗すること
によって水溶性の成分を除去してもよい。また乾燥は速
やかに行うことが好ましい。
【0039】このようにして得られた固体状含チタン化
合物は、その組成は共存させる他の元素の有無や量、水
洗の有無、乾燥方法、乾燥の程度によって異なるが、水
酸基(OH)とチタン(Ti)とのモル比(OH/T
i)が通常0.09を超えて4未満、好ましくは0.1
〜3、より好ましくは0.1〜2の範囲にあることが重
縮合活性の点で望ましい。水酸基とチタンとのモル比
は、付着水分および加熱脱離水分の測定により求めるこ
とができる。
【0040】水酸基とチタンとのモル比は、具体的には
以下のようにして求める。固体状含チタン化合物中の水
酸基含量を求めるには、まずカールフィッシャー水分計
により付着水分量を測定する。次に、熱重量分析により
600℃まで加熱することによる加熱減量を測定する。
600℃まで加熱することにより付着水分が脱離し、水
酸基は水として脱離するものと考えられるため、加熱減
量から付着水分量を差し引いた値より水酸基含有量を求
める。固体状含チタン化合物中のチタン含有量は、高周
波プラズマ発光分析装置により求める。上記チタン含有
量と水酸基含有量とからOH/Ti比を求める。
【0041】より具体的には、例えば調製時に中和剤と
してアンモニアを使用した固体状含チタン化合物であっ
て、固体状含チタン化合物中のチタン含有量が46重量
%であり、付着水分量が6.73重量%であり、600
℃までの加熱減量が9.67重量%であり、窒素含量が
1.3重量%であり、塩素含量が14ppmである場合
OH/Ti比は以下のように計算する。なお、窒素含量
は微量全窒素分析装置(化学発光法)で、塩素含量はク
ロマトグラフィーで分析する。固体状含チタン化合物1
00g中のチタンのモル量は以下のように計算される。
【0042】
【数1】
【0043】また固体状含チタン化合物中の窒素および
塩素はそれぞれアンモニア、塩化水素として脱離するた
め、加熱脱離水分量(重量%)は以下のように求められ
る。
【0044】
【数2】
【0045】上記計算結果と付着水分量の測定値から水
酸基由来の加熱脱離水分量(重量%)は以下のように求
められる。 8.090−6.73=1.360 これより固体状含チタン化合物100g中に含まれる水
酸基のモル量は以下のように求められる。
【0046】(1.360/18)×2=0.1511 以上より、固体状含チタン化合物中のチタン含有量と水
酸基含有量とのモル比(OH/Ti比)が求められる。 0.1511÷0.9607=0.157
【0047】この固体状含チタン化合物は、重縮合反応
が行われる温度、例えば約280℃においても水酸基が
残留する。また固体状含チタン化合物が他の元素を含む
場合は、該化合物中のチタン(Ti)と、他の元素
(E)とのモル比(E/Ti)が、1/50〜50/
1、好ましくは1/40〜40/1、さらに好ましくは
1/30〜30/1であることが好ましい。
【0048】含水水酸化物ゲル、含水複合水酸化物ゲル
または固体状含チタン化合物は、塩素含量が通常0〜1
0000ppm、好ましくは0〜100ppmである。
この重縮合触媒(I)は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族
ジオールとの混合物の重量に対して、重縮合触媒(I)
中の金属原子換算で、通常0.0005〜0.2重量
%、好ましくは0.001〜0.05重量%の範囲とな
る量で用いられる。重縮合触媒の使用量が上記範囲にあ
ると、重縮合時間の短縮効果に優れる。
【0049】重縮合触媒(I)は、エステル化反応工程
において反応器に添加することもできるし、液相重縮合
反応工程の第1段目の反応器に添加することもできる。
本発明で用いられる重縮合触媒(III)は、上記重縮合
触媒(I)または(II)と下記のような助触媒化合物と
からなる。
【0050】助触媒化合物は、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、
アルミニウム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、
ゲルマニウム、アンチモンからなる群より選ばれる少な
くとも1種の元素の化合物またはリン酸塩もしくは亜リ
ン酸塩であり、具体的には、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、
アルミニウム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、
ゲルマニウム、アンチモンからなる群より選ばれる少な
くとも1種の元素の酢酸塩などの脂肪酸塩、これらの元
素の炭酸塩、これらの元素の硫酸塩、これらの元素の硝
酸塩、塩化物などのハロゲン化物、これらの元素のアセ
チルアセトナート塩、これらの元素の酸化物などが挙げ
られるが、酢酸塩または炭酸塩が好ましい。
【0051】また、リン酸塩、亜リン酸塩としては、元
素の周期表第1族、第2族、周期表上第4周期の遷移金
属、ジルコニウム、ハフニウムおよびアルミニウムから
選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩、亜リン酸塩
が挙げられる。
【0052】助触媒化合物としてより具体的には、アル
ミニウム化合物としては、酢酸アルミニウムなどの脂肪
酸アルミニウム塩、炭酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、アルミニウムのアセチルアセトナート塩などが挙げ
られ、特に酢酸アルミニウムまたは炭酸アルミニウムが
好ましい。
【0053】バリウム化合物としては、酢酸バリウムな
どの脂肪酸バリウム塩、炭酸バリウム、塩化バリウム、
バリウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸バリウムまたは炭酸バリウムが好ましい。
【0054】コバルト化合物としては、酢酸コバルトな
どの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、
コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
【0055】マグネシウム化合物としては、酢酸マグネ
シウムなどの脂肪酸マグネシウム塩、炭酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、マグネシウムのアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸マグネシウムまたは
炭酸マグネシウムが好ましい。
【0056】マンガン化合物としては、酢酸マンガンな
どの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、
マンガンのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸マンガンまたは炭酸マンガンが好ましい。
【0057】ストロンチウム化合物としては、酢酸スト
ロンチウムなどの脂肪酸ストロンチウム塩、炭酸ストロ
ンチウム、塩化ストロンチウム、ストロンチウムのアセ
チルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸ストロン
チウムまたは炭酸ストロンチウムが好ましい。
【0058】亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛などの脂肪
酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸亜鉛または炭酸亜鉛
が好ましい。
【0059】ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲル
マニウム、酢酸ゲルマニウムなどが挙げられる。アンチ
モン化合物としては、二酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ンなどが挙げられる。
【0060】リン化合物のうちリン酸塩としては、リン
酸リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素
カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ストロンチウ
ム、リン酸二水素ストロンチウム、リン酸水素二ストロ
ンチウム、リン酸ジルコニウム、リン酸バリウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛などが挙げられる。このう
ち、特にリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水
素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましく使用され
る。
【0061】また、亜リン酸塩としては、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、周期表第4周期の遷移金属、ジ
ルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムから選ば
れる少なくとも1種の金属の亜リン酸塩が使用され、具
体的には、亜リン酸リチウム、亜リン酸ナトリウム、亜
リン酸カリウム、亜リン酸ストロンチウム、亜リン酸ジ
ルコニウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸アルミニウ
ム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。このうち、特に亜
リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウムが、好ましく使用
される。
【0062】助触媒化合物としては、これらのなかでも
炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどのマグネシウ
ム化合物;炭酸カルシウム、酢酸カルシウムなどのカル
シウム化合物;塩化亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛化合物が
好ましい。
【0063】これらの助触媒化合物は、1種単独でまた
は2種以上組み合わせて用いることができる。このよう
な助触媒化合物は、上記重縮合触媒(I)中のチタン
と、助触媒化合物中の金属原子(M)とのモル比
〔(M)/(I)〕または上記重縮合触媒(II)中のチ
タンおよび他の元素と、助触媒化合物中の金属原子
(M)とのモル比〔(M)/(II)〕で、1/50〜5
0/1、好ましくは1/40〜40/1、より好ましく
は1/30〜30/1の範囲の量で用いられることが望
ましい。なお、リン酸塩や亜リン酸塩などのリン化合物
を使用する場合は、リン化合物に含まれる金属原子換算
である。
【0064】助触媒化合物(III)は、エステル化反応
工程において反応器に添加することもできるし、液相重
縮合反応工程の第1段目の反応器に添加することもでき
る。また重縮合触媒(I)または(II)と同時に添加し
てもよく、別個に添加してもよい。
【0065】重縮合反応の際に用いられる、環状ラクト
ン系化合物およびヒンダードフェノール系化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物としては、5,7-ジ-t-ブ
チル-3-(3,4-ジメチルフェニル)-3H-ベンゾフラン-2-
オン、テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、トリス
(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ビス
(2,6-ジ-t-ブチル-4-フェニルメチル)ペンタエリスリ
トール-ジ-フォスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシベンジルフォスフォリックアシッド ジステアリ
ルエステル、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシトルエン、n-オクタデシル-3-(4'
-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネ
ート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)フォスファイト、トリフェニルフォスファイト、テ
トラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)4,4'-ビフェニレ
ンジフォスファイトなどが挙げられる。
【0066】これらの環状ラクトン系化合物およびヒン
ダードフェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種
の化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0067】環状ラクトン系化合物およびヒンダードフ
ェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
としては、5,7-ジ-t-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニ
ル)-3H-ベンゾフラン-2-オンと、テトラキス(メチレ
ン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート)メタンと、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイトとの混合物が好ましい。
【0068】これらの環状ラクトン系化合物およびヒン
ダードフェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種
の化合物は、低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に
対して、通常10〜2000ppm、好ましくは30〜
1000ppmの範囲となる量で用いられる。このよう
な環状ラクトン系化合物およびヒンダードフェノール系
化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の使用が上
記範囲にあるとアセトアルデヒド含有量が少ないポリエ
ステルが得られる。
【0069】環状ラクトン系化合物およびヒンダードフ
ェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
は、エステル化反応工程において反応器に添加すること
もできるし、液相重縮合反応工程の第1段目の反応器に
添加することもできる。また重縮合触媒(I)または
(II)と同時に添加してもよく、別個に添加してもよ
い。
【0070】また本発明では、重縮合反応の際にはリン
酸およびリン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の
リン化合物を併用してもよく、リン酸エステルとして
は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリn-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフ
ェートなどが挙げられる。
【0071】上記リン化合物は、芳香族ジカルボン酸と
脂肪族ジオールとの混合物の重量に対して、リン原子換
算で、通常0.001〜0.1重量%、好ましくは0.
002〜0.02重量%の範囲となる量で用いられる。
【0072】リン酸エステルは、エステル化反応工程に
おいて反応器に供給することもできるし、重縮合反応工
程の第1段目の反応器に供給することもできる。このよ
うにして、最終重縮合反応器から得られたポリエステル
は、通常、溶融押出成形法によって粒状(チップ状)に
成形される。
【0073】このような粒状ポリエステルは、通常2.
0〜5.0mm、好ましくは2.2〜4.0mmの平均
粒径を有することが望ましい。このようにして液相重縮
合工程を経た粒状ポリエステルは、通常固相重縮合工程
に供給される。
【0074】粒状ポリエステルは、固相重縮合を行う場
合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った
後、固相重縮合工程に供給してもよい。このような予備
結晶化工程は、粒状ポリエステルを乾燥状態で、例えば
120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度
に、1分〜4時間加熱することによって行ってもよく、
あるいは粒状ポリエステルを水蒸気雰囲気下、水蒸気含
有不活性ガス雰囲気下または水蒸気含有空気雰囲気下
で、例えば120〜200℃の温度に1分間以上加熱す
ることによって行ってもよい。
【0075】このような粒状ポリエステルが供給される
固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、重縮合温
度が通常190〜230℃、好ましくは195〜225
℃であり、圧力が通常、1kg/cm2 G〜10Torr、
好ましくは常圧ないし100Torrの条件下で、窒素ガ
ス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下
で固相重縮合反応が実施される。これらの不活性ガスの
中では窒素ガスが好ましい。
【0076】このようして得られたポリエステルの固有
粘度は、通常0.50dl/g以上、好ましくは0.7
2dl/g以上であることが望ましい。このポリエステ
ルの密度は、通常1.37g/cm3 以上、好ましくは
1.38g/cm3以上、さらに好ましくは1.39g
/cm3 以上であることが望ましい。
【0077】上記のような方法で得られたポリエステル
は、アセトアルデヒド含有量が少ない。このようなポリ
エステルからは、悪臭または異臭が発生したり、内容物
の風味、香りが変化することの少ない成形物を得ること
ができる。
【0078】なおポリエステルのアセトアルデヒド含有
量は、試料2gを冷却粉砕し、室温に戻した後1gを採
取して容器に仕込み、この容器に内部標準液2ccを加
えて密閉し、次いで、120℃のオーブン中で1時間抽
出した後、氷冷し、上澄液5μリットルを島津製作所
(株)製 GC−6Aにて測定することにより決定され
る。
【0079】
【発明の効果】本発明によると、高い重合活性でポリエ
ステルが得られ、得られたポリエステルはアセトアルデ
ヒド含有量が少ない。
【0080】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0081】
【実施例1】固体状含チタン触媒の調製 1000mlのガラス製ビーカーに脱イオン水500m
lを秤取し、氷浴にて冷却した後、撹拌しながら四塩化
チタン5gを滴下した。塩化水素の発生が止まったら氷
浴より取り出し、撹拌しながら25%アンモニア水を滴
下し、液のpHを8にした。生成したチタン水酸化物の
沈殿を3kg/cm2 の圧力で加圧濾過器により濾過、
分別した。その後、得られたチタン水酸化物の沈殿を脱
イオン水で5回洗浄した。洗浄後の固液分離は上記と同
様に3kg/cm2 の圧力で加圧濾過により行った。洗
浄後のチタン水酸化物を70℃、10Torr、18時間の
減圧乾燥で水分を除去し、固体状含チタン化合物を得
た。
【0082】得られた、固体状含チタン化合物は使用す
る前に、10μm程度の粒子に粉砕した。ポリエステルの製造 定常運転時に33500重量部の反応液が滞留する反応
器に、高純度テレフタル酸とエチレングリコールとを混
合して調製されたスラリーを連続的に供給し、撹拌下、
窒素雰囲気で、260℃、0.9kg/cm2-Gの条件
下でエステル化反応を行った。高純度テレフタル酸とエ
チレングリコールとのスラリーは、高純度テレフタル酸
とエチレングリコールとをそれぞれ6458重量部/
時、2615重量部/時の割合で混合することにより調
製した。
【0083】エステル化反応では、水とエチレングリコ
ールとの混合液が留去された。エステル化反応物(低次
縮合物)は、平均滞留時間が3.5時間となるように制
御して連続的に系外に抜き出した。
【0084】上記で得られたエチレングリコールとテレ
フタル酸との低次重縮合物の数平均分子量は600〜1
300(3〜5量体)であった。こうして得られた低次
縮合物に、固体状含チタン化合物、酢酸マグネシウムお
よびテトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート)メタンを添加し28
5℃、1Torrの条件で液相重縮合反応を行った。固体状
含チタン化合物は、低次縮合物中のテレフタル酸単位に
対してチタン原子換算で0.021モル%となる量で、
酢酸マグネシウムは、低次縮合物中のテレフタル酸単位
1モルに対してマグネシウム原子換算で0.021モル
%となる量で、テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
は、低次縮合物に対して600ppmとなる量で添加し
た。
【0085】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
0.65dl/gに達するまでに要した時間は50分で
あり、得られたポリエチレンテレフタレート中のアセト
アルデヒド含有量は60ppmであった。
【0086】
【実施例2】テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンに
代えて、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-フェニルメチル)ペ
ンタエリスリトール-ジ-フォスファイトを低次縮合物に
対して300ppmとなる量で用いたこと以外は実施例
1と同様にして重縮合反応を行った。
【0087】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
0.65dl/gに達するまでに要した時間は48分で
あり、得られたポリエチレンテレフタレート中のアセト
アルデヒド含有量は52ppmであった。
【0088】
【実施例3】テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンに
代えて、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォ
スフォリックアシッド ジステアリルエステルを低次縮
合物に対して400ppmとなる量で用いたこと以外は
実施例1と同様にして重縮合反応を行った。
【0089】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
0.65dl/gに達するまでに要した時間は46分で
あり、得られたポリエチレンテレフタレート中のアセト
アルデヒド含有量は58ppmであった。
【0090】
【実施例4】テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンに
代えて、テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンと、5,7-
ジ-t-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニル)-3H-ベンゾフ
ラン-2-オンと、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フ
ォスファイトとの混合物(混合比率42.5:15:4
2.5)を用い、添加量を低次縮合物に対して500p
pmとしたこと以外は実施例1と同様にして重縮合反応
を行った。
【0091】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
0.65dl/gに達するまでに要した時間は49分で
あり、得られたポリエチレンテレフタレート中のアセト
アルデヒド含有量は55ppmであった。
【0092】
【実施例5】テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンに
加えて、トリブチルホスフェートを低次縮合物中のテレ
フタル酸単位に対してリン原子換算で0.0105モル
%となる量で用いたこと以外は実施例1と同様にして重
縮合反応を行った。
【0093】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
0.65dl/gに達するまでに要した時間は50分で
あり、得られたポリエチレンテレフタレート中のアセト
アルデヒド含有量は50ppmであった。
【0094】
【比較例1】テトラキス(メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンに
代えて、リン酸を低次縮合物中のテレフタル酸単位に対
してリン原子換算で0.0105モル%となる量で用い
たこと以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行っ
た。
【0095】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
0.65dl/gに達するまでに要した時間は70分で
あり、得られたポリエチレンテレフタレート中のアセト
アルデヒド含有量は70ppmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/521 C08K 5/521 C08L 67/02 C08L 67/02 (72)発明者 江 原 不二人 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CF061 GT00 4J029 AA03 AB05 AC01 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BB05A BB09A BD06A BF26 CA02 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CB12A CC05A CD03 EG04 FC02 FC04 FC05 FC08 FC36 HA01 HA02 HB01 HB02 JA011 JA061 JA091 JA121 JA161 JA201 JA251 JA261 JB151 JB171 JB193 JF121 JF131 JF141 JF151 JF161 JF181 JF211 JF221 JF231 JF321 JF331 JF341 JF361 JF471 JF541 JF571 KD02 KD07 KE03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
    形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形
    成性誘導体とを、下記(I)ないし(III)から選ばれ
    る重縮合触媒と、環状ラクトン系化合物およびヒンダー
    ドフェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の化
    合物との存在下に重縮合させてポリエステルを製造する
    ことを特徴とするポリエステルの製造方法; (I)チタンハロゲン化物を加水分解してなる加水分解
    物からなる重縮合触媒 (II)チタンハロゲン化物と、チタン以外の他の元素か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化
    合物の前駆体との混合物を加水分解してなる加水分解物
    からなる重縮合触媒 (III)上記(I)または(II)と、 ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
    ム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マン
    ガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、アンチモンから
    なる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物また
    はリン酸塩もしくは亜リン酸塩とからなる重縮合触媒。
  2. 【請求項2】 さらにリン酸およびリン酸エステルから
    選ばれる少なくとも1種のリン化合物を併用する請求項
    1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記環状ラクトン系化合物およびヒンダ
    ードフェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の
    化合物が、5,7-ジ-t-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニ
    ル)-3H-ベンゾフラン-2-オンと、テトラキス(メチレ
    ン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
    オネート)メタンと、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
    ル)フォスファイトとの混合物である請求項1または2
    に記載のポリエステルの製造方法。
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