JP5215074B2 - ポリエステル製造用触媒およびその触媒を用いるポリエステルの製造 - Google Patents
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(A)下記一般式(I)により表されるチタン化合物(1)と、
からなるチタン化合物成分と、
(B)下記一般式(III)で表され、モノアリールホスホン酸又はモノアルキルホスフェートから選ばれるリン化合物(3)
(C)下記一般式(IV)で表され、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酪酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酪酸カルシウム又は安息香酸カルシウムから選ばれるアルカリ土類金属化合物(4)
の反応生成物からなり、前記チタン化合物成分、前記リン化合物成分および前記アルカリ土類金属化合物成分の反応生成物において、前記チタン化合物成分のチタン原子換算モル量(mTi)と、前記アルカリ土類金属化合物成分のアルカリ土類金属原子換算モル量(mM)に対する反応モル比(mTi):(mM)が、(2:1)〜(1:3)の範囲内にあり、前記チタン化合物成分のチタン原子換算モル量(mTi)と、前記リン化合物成分のリン原子換算モル量(mP)の反応モル比(mTi):(mP)が、(1:1)〜(1:4)の範囲内にあり、一般式(I)で表されるチタン化合物(1)が、チタンテトラアルコキシド類、オクタアルキルトリチタネート類及びヘキサアルキルジチタネート類から選ばれるチタン化合物から選ばれ、一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物が、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸及びピロメリット酸又はそれらの無水物から選ばれる、ポリエステル製造用触媒によって達成することができる。
本発明において、ポリエステル製造用触媒は、前記チタン化合物成分、前記リン化合物成分及び前記アルカリ土類金属化合物成分の反応生成物を含むものであるが、以下、本発明のポリエステル製造用触媒を効率よく得るための製造方法を説明する。
そして、得られるポリエステル中の金属原子として、チタン、リン以外の金属原子は、金属元素濃度換算で10ppm以下が好ましく、更には5ppm以下が好ましい。
ポリエステル、例えば芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族グリコールとを重縮合させて製造することができる。
上記のようなエステル化工程で得られたオリゴマーは、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。
固相重縮合反応に供給される粒状ポリエステルは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給すると、固相重合反応中に粒状のポリエステル同士及び/又は反応容器内壁への融着を抑止することができるので好ましい。
上記のようなポリエステルの製造工程はバッチ式、半連続式、連続式のいずれでも行うことができる。
ポリエステル試料0.6gをo−クロロフェノール50cc中に加熱溶解した後、一旦冷却させた溶液をウベローデ式粘度計を用いて35℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出して求めた。
粒状のポリマーサンプルを160℃×90分乾燥機中で熱処理し、結晶化させた後、カラーマシン社製CM−7500型カラーマシンで測定して求めた。なお、固相重縮合反応後のサンプルについては、160℃×90分の熱処理工程を行わないこと以外は同様に測定して求めた。
ジエチレングリコール(以下、DEGと略記する。)含有量は、サンプルを抱水ヒドラジンにより分解し、ガスクロマトグラフィー(株式会社日立製作所製モデル「263−70」)を用いて測定して求めた。
ボトル形成用プリフォームを射出成形開始後、5ショット目以降のいずれか1個をサンプルとし、プリフォーム成形体胴部の長さ方向で中央箇所をサンプリングし、日本電色工業株式会社製濁度計(HD−1001DP)を用いて求めた。
アセトアルデヒド(以下、AAと略記する。)含有量は、サンプルを凍結粉砕しバイアル瓶に仕込み、150℃×60分間保持し、株式会社日立製作所製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて求めた。
触媒中のチタン、リン原子濃度は、乾燥したサンプルを走査電子顕微鏡(SEM;日立計測機器サービス株式会社製S570型)にセットし、それに連結したエネルギー分散型X線マイクロアナライザー(XMA;株式会社堀場製作所製EMAX−7000)を用い定量分析して求めた。
ポリエステル中の残留触媒金属濃度は、粒状のポリマーサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)を用いて求めた。
環状三量体量(以下、Cy−3と略記する。)は、サンプルを粉砕機で粉砕し、その一定量を秤量し、これを少量のヘキサフロロイソプロパノール/クロロホルム混合溶液中に溶解し、この溶液を、クロロホルムで一定濃度(50g/リットル)に希釈した。この試料溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;Waters社製ALC/GPC244型)に供して、低分子量領域を分離し、かつそのピークを検出し、Cy−3の標準サンプルから求めた検量線を基準にして求めた。
チタン化合物成分の調製:
溶液を混合撹拌できる機能を備え付けた2リットル容量の三ツ口フラスコを準備し、その中にエチレングリコール919gと無水トリメリット酸80gを入れて混合撹拌した中に、チタンテトラブトキシド71gをゆっくり徐々に添加し、透明なチタン化合物のエチレングリコール溶液を得た。
以下、この溶液を「TB溶液」と略す。本溶液のチタン濃度を蛍光X線を用い測定したところ、1.02wt%であった。
アルカリ土類金属化合物成分の調製:
加熱し混合撹拌できる機能を備え付けた2リットルの三ツ口フラスコを準備し、エチレングリコール400gに酢酸マグネシウム4水和物28.3gを加えて100℃まで加熱した。以下この溶液を「M1溶液」と略す。
リン化合物成分の調製:
加熱し混合撹拌できる機能を備え付けた2リットルの三ツ口フラスコを準備し、その中にエチレングリコール256gを入れて撹拌しながら100℃まで加熱した。その温度に達した時点で、モノラウリルホスフェートを34.5g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液を得た。以下、この溶液を「P1溶液」と略す。
ポリエステル製造用触媒の調製:
撹拌下で100℃に加熱コントロールした上記の「M1溶液」中に、先に準備した「TB溶液」310gをゆっくり徐々に添加し、全量を添加した後、100℃の温度で1時間撹拌保持し、チタン化合物とアルカリ土類金属化合物との混合溶液を作成した。更にこの中に上記のように作成した「P1溶液」全量を添加した後、100℃の温度で1時間撹拌保持した。この時の「P1溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子、リン原子、アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:2:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMP1−2/2触媒」と略す。
実施例1において、リン化合物成分の調製として、モノラウリルホスフェートからモノブチルホスフェートに変更して下記の通り「P2溶液」を調製して触媒調製に供したこと以外は、基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお、「P2溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール137gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点でモノブチルホスフェートを28.3g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「P2溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においてはTB溶液を435g用い、「P2溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子:リン原子:アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:2:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMP2−2/2触媒」と略す。
実施例1において、リン化合物成分の調製として、モノラウリルホスフェートの添加量を変更して、下記の通り、「P3溶液」を調製して触媒調製に供し、かつその割合を下記の通りに変更したこと以外は基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお、「P3溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール194gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点でモノラウリルホスフェートを31.3g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「P3溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においてはTB溶液を375g用い、「P3溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子:リン原子:アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:1.5:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMP1−1.5/2触媒」と略す。
実施例2において、リン化合物成分の調製として、モノブチルホスフェートの添加量を変更して、下記の通り、「P4溶液」を調製して触媒調製に供し、かつその割合を下記の通りに変更したこと以外は基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお、「P4溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール227gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点でモノブチルホスフェートを33.0g添加し加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「P4溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においては、TB溶液を340g用い、「P4溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子:リン原子:アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:3:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMP2−3/2触媒」と略す。
アルカリ土類金属化合物成分の調製:
加熱し混合撹拌できる機能を備え付けた2リットルの三ツ口フラスコを準備し、エチレングリコール687.5gに酢酸マグネシウム4水和物28.3gを加えて100℃まで加熱した。以下この溶液を「M2溶液」と略す。
ポリエステル製造用触媒の調製:
撹拌下で100℃に加熱コントロールした上記の「M2溶液」中に、チタンテトラブトキシド22.5gをゆっくりと添加し、全量を添加した後、100℃の温度で1時間撹拌保持し、チタン化合物とアルカリ土類金属化合物の混合溶液を作成した。更にこの中に実施例1で調製した「P1溶液」全量を添加した後、100℃の温度で1時間撹拌保持した。この時の「P1溶液」、「M2溶液」およびチタンテトラブトキシドの配合量比は、チタン原子、リン原子、アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:2:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMP3−2/2触媒」と略す。
ポリエステルの製造:
予め225部のオリゴマーが滞留する反応器内に、撹拌下、窒素雰囲気で255℃、常圧下に維持された条件下に、179部の高純度テレフタル酸と95部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを一定速度供給し、反応で発生する水とエチレングリコールを系外に留去しながら、エステル化反応を4時間し反応を完結させた。この時のエステル化率は、98%以上で、生成されたオリゴマーの重合度は、約5〜7であった。
このエステル化反応で得られたオリゴマー225部を重縮合反応槽に移し、重縮合触媒として、実施例1で得られた触媒(TMP1−2/2)溶液を0.832部投入した。引続き系内の反応温度を255から280℃、又、反応圧力を常圧から60Paにそれぞれ段階的に上昇及び減圧し、反応で発生する水、エチレングリコールを系外に除去しながら重縮合反応を行った。
重縮合反応の進行度合いを、系内の撹拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所望の重合度に達した時点で、反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、冷却、カッティングして、約3mm程度の粒状ペレットを得た。この時の重縮合反応時間は、110分間であった。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例2で調製した触媒(TMP2−2/2)溶液に変更し、投入量を0.593部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例3で調製した触媒(TMP1−1.5/2)溶液に変更し、投入量を0.413部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例4で調製した触媒(TMP2−3/2)溶液に変更し、投入量を2.277部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例5で調製した触媒(TMP3−2/2)溶液に変更したこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、調製した触媒溶液(TMP1−2/2)に加え、調色剤としてのテラゾールブルーを、得られるポリマー量を基準として、0.3ppm添加したこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例1において、リン化合物成分の調製として、モノラウリルホスフェートからフェニルホスホン酸に変更して下記の通り「PH1溶液」を調製して触媒調製に供したこと以外は、基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお、「PH1溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール270gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点で、フェニルホスホン酸を20.5g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「PH1溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においては、「TB溶液」を310g用い、「PH1溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子、リン原子、アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:2:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMPH1−2/2触媒」と略す。
実施例1において、リン化合物成分の調製として、フェニルホスホン酸からブチルホスホン酸に変更して下記の通り「PH2溶液」を調製して触媒調整に供したこと以外は、基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお、「PH2溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール147gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点で、ブチルホスホン酸を18g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「PH2溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においては、「TB溶液」を435g用い、「PH2溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子、リン原子、アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:2:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMPH2−2/2触媒」と略す。
実施例12において、リン化合物成分の調製として、フェニルホスホン酸の添加量を変更して、下記の通り「PH3溶液」を調製して触媒調整に供し、かつその割合を下記の通りに変更したこと以外は基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお「PH3溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール210gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点でフェニルホスホン酸を15.4g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「PH3溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においては、TB溶液を375g用い、「PH3溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子:リン原子:アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:1.5:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMPH1−1.5/2触媒」と略す。
実施例12において、リン化合物成分の調製として、フェニルホスホン酸の添加量を変更して、下記の通り「PH4溶液」を調製して触媒調整に供し、かつその割合を下記の通りに変更したこと以外は基本的に同様な装置及び手順で反応を実施した。なお「PH4溶液」は下記の通りに作成した。
エチレングリコール229gを撹拌しながら100℃まで加熱し、この温度に達した時点でフェニルホスホン酸を30.8g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液である「PH4溶液」を得た。
なお、ポリエステル製造用触媒調製においては、TB溶液を340g用い、「PH4溶液」、「M1溶液」および「TB溶液」の配合量比は、チタン原子:リン原子:アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:3:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMPH1−3/2触媒」と略す。
実施例5において、チタン化合物とアルカリ土類金属化合物との混合溶液の添加するリン化合物成分として、「P1溶液」から代えて、「PH1」溶液としたこと以外は同様の操作を行った。この時の「PH1溶液」、「M2溶液」及びチタンテトラブトキシドの配合量比は、チタン原子、リン原子、アルカリ土類金属原子のモル濃度比が1:2:2に調整されたものとなっており、得られた溶液は、以下「TMPH3−2/2触媒」と略す。
実施例6において、重縮合触媒として実施例12で調製した触媒(TMPH1−2/2)溶液に変更したこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例13で調製した触媒(TMPH2−2/2)溶液に変更し、投入量を0.593部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例14で調製した触媒(TMPH1−1.5/2)溶液に変更し、投入量を0.413部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例15で調製した触媒(TMPH1−3/2)溶液に変更し、投入量を2.277部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例16で調製した触媒(TMPH3−2/2)溶液に変更したこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例11において、重縮合触媒として実施例12で調製した触媒(TMPH1−2/2)溶液に変更したこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として、三酸化アンチモンの1.3%濃度エチレングリコール溶液に変更し、その投入量を4.83部とし、更に安定剤としてトリメチルホスフェートの25%エチレングリコール溶液を0.121部を投入したこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6において、重縮合触媒として実施例1で調製した「TB溶液」に変更し、その投入量を0.258部としたこと以外は同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示した。
実施例6、7、10、11、17、18、21、22及び比較例1、2において、それぞれ得られた粒状のポリエチレンテレフタレートを高速撹拌の流動式結晶化機で160℃、10分間処理して半結晶化させた後、窒素流通下160℃で4時間結晶化及び乾燥させて、予備結晶化を行った。続いて、ポリエチレンテレフタレートを充填塔式固相重合反応塔に移し、窒素流通下215℃で22〜25時間固相重縮合を行い、それぞれのポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.760dL/gになるように反応時間を調整した。これら得られたポリエチレンテレフタレートの品質を表2に示した。
ポリエチレンテレフタレート5kgを温度160℃、常圧、N2流入下条件で10時間以上棚段式の乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥ポリエチレンテレフタレートを射出成形機(株式会社名機製作所社製「M−100DM」)を用い、シリンダー温度275℃、スクリュー回転数160rpm、1次圧時間3.0秒、金型冷却温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、胴部肉厚4mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。得られたプリフォーム成形体の胴部中央箇所をサンプリングしてその固有粘度、ヘーズ、AA含有量、Cy−3量を測定した。これらの結果も、合わせて表2に示した。
Claims (7)
- (A)下記一般式(I)により表されるチタン化合物(1)と、
からなるチタン化合物成分と、
(B)下記一般式(III)で表され、モノアリールホスホン酸又はモノアルキルホスフェートから選ばれるリン化合物(3)
(C)下記一般式(IV)で表され、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酪酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酪酸カルシウム又は安息香酸カルシウムから選ばれるアルカリ土類金属化合物(4)
の反応生成物からなり、前記チタン化合物成分、前記リン化合物成分および前記アルカリ土類金属化合物成分の反応生成物において、前記チタン化合物成分のチタン原子換算モル量(mTi)と、前記アルカリ土類金属化合物成分のアルカリ土類金属原子換算モル量(mM)に対する反応モル比(mTi):(mM)が、(2:1)〜(1:3)の範囲内にあり、前記チタン化合物成分のチタン原子換算モル量(mTi)と、前記リン化合物成分のリン原子換算モル量(mP)の反応モル比(mTi):(mP)が、(1:1)〜(1:4)の範囲内にあり、一般式(I)で表されるチタン化合物(1)が、チタンテトラアルコキシド類、オクタアルキルトリチタネート類及びヘキサアルキルジチタネート類から選ばれるチタン化合物から選ばれ、一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物が、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸及びピロメリット酸又はそれらの無水物から選ばれる、ポリエステル製造用触媒。 - 前記チタン化合物成分、前記リン化合物成分および前記アルカリ土類金属化合物成分の反応生成物において、前記チタン化合物成分のチタン原子換算モル量(mTi)と、前記リン化合物成分のリン原子換算モル量(mP)の反応モル比(mTi):(mP)が、(1:1.5)〜(1:4)の範囲内にある、請求項1記載のポリエステル製造用触媒。
- 前記アルカリ土類金属化合物成分のアルカリ土類金属原子換算モル量(mM)に対する反応モル比(mTi):(mM)が、(1:1)〜(1:2)の範囲内にある、請求項1又は2記載のポリエステル製造用触媒。
- 前記式(III)のリン化合物(3)が、モノアルキルホスフェートから選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル製造用触媒。
- 前記式(IV)のアルカリ土類金属化合物(4)が、酢酸マグネシウム又は酢酸カルシウムから選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル製造用触媒。
- 芳香族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸エステル形成性誘導体と脂肪族グリコールを原料として用い、請求項1〜5のいずれか1項記載の触媒を用いて重縮合反応を行い製造され、チタン元素を1〜50ppm含有するポリエステルの製造方法。
- 芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールを原料として用いてエステル化反応を行い、次いで請求項1〜5のいずれか1項記載の触媒を用いて重縮合反応を行い製造される請求項6に記載のポリエステルの製造方法。
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