JP4660109B2 - ポリエステル製造用浮遊性チタン触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルの製造用の触媒及びこれを用いたポリエステルに関する。
ポリエステルは、機械的強度、耐熱性、透明性及びガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料又は炭酸飲料などの飲料充填容器の素材をはじめとしてフィルム、シート又は繊維などの素材として好適に使用されている。
このようなポリエステルは、通常テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類と、エチレングリコールなどの脂肪族ジオール類とを原料として製造される。具体的には、まず芳香族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類とのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮合物を脱グリコール反応(液相重縮合)させて、高分子量化している。また場合によっては固相重縮合を行い、さらに分子量を高めている。
ポリエステルの製造方法では、重縮合触媒として、従来アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物又はチタン化合物などが使用されている。しかしながら、アンチモン化合物を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートは透明性、耐熱性の点でゲルマニウム化合物を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートに劣ることが知られている。また、ゲルマニウム化合物はかなり高価であるため、ポリエステルの製造コストが高くなるという問題があった。このため製造コストを下げるため、重縮合時に飛散するゲルマニウム化合物を回収して再利用するなどのプロセスが検討されている。
またチタン化合物はエステルの重縮合反応を促進する作用のある化合物であることが知られており、チタンアルコキシド、四塩化チタン、シュウ酸チタニル又はオルソチタン酸などが重縮合触媒として公知であり、このようなチタン化合物を重縮合触媒として利用するために多くの検討が行われている。しかしながら、従来のチタン化合物を重縮合触媒に用いた場合、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物に比べ活性はあるものの、溶媒への溶解性が劣るため、触媒調製後に沈殿し容器、装置底部で堆積・凝結しやすいという問題がある。
ポリエステル製造用チタン触媒に関して、チタン化合物の加水分解によって得られた固体状チタン触媒をエチレングリコールの他、グリセリンのような溶解助剤、硫酸のような酸成分を添加の上120〜200℃で加熱溶解することによりチタン原子換算で3000〜10000ppmの濃度のエチレングリコール溶液を得る方法が述べられている(例えば特許文献1参照。)。しかし、この方法では固体状チタン触媒を調製するのに加水分解、脱水乾燥など非常に煩瑣な処理工程が必要である上、溶解助剤や酸成分などの余分な添加剤を必要としており、特に飲料充填用容器向けのポリエチレンテレフタレート樹脂を製造する際に充填飲料への溶出やフレーバー性への悪影響が懸念される。
また、チタンブトキシドとエチレングリコールの混合液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて黄色透明溶液を得る手法も紹介されている(例えば特許文献2参照。)。しかしアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の存在はポリエステル樹脂の色相に悪影響を与えることが広く知られている。事実特許文献2で得られているポリエチレンテレフタレートの色相はb値が最低でも3.7と黄色味が極めて強く、特に飲料充填容器の成形材料としては不適切である。また飲料充填容器の成形材料としては、得られるポリエステル中のアセトアルデヒド含有量を低減させることも要望されている。
国際公開第02/016467号パンフレット 国際公開第00/071252号パンフレット
本発明の課題は、安定剤であるリン化合物以外の溶解助剤などを含有することなく、触媒調製後に沈殿し容器、装置底部で堆積・凝結することが無く取り扱いが簡便なポリエステル製造用チタン触媒を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するためにポリエステルの製造に用いられる重縮合触媒について鋭意研究したところ、特定のチタン化合物及びリン化合物を原料として用い、これらの反応生成物を重縮合触媒として用いることによって、触媒調製後に沈殿し容器・装置底部で堆積・凝結することがなく、高い触媒活性で優れた品質のポリエステルを製造できることを見いだした。すなわち上記課題は下記一般式(I)により表されるチタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)
Figure 0004660109
記一般式(II)で表されるリン化合物
Figure 0004660109
[上記式中、Rブチル基を表す。]
及びエチレングリコールとの反応生成物からなるポリエステル製造用触媒によって解決することができる。
本発明によるポリエステル製造用触媒によれば、従来のチタン化合物触媒に比べ、触媒調製後に沈殿し容器、装置底部で堆積・凝結することが無いので取り扱いが簡便であり、
ポリエステル製造時の触媒の計量等も容易になることが期待できる。また上述の堆積物・凝結物がポリエステルの中に混入することもない。
以下、本発明を詳細に説明する。
(触媒)
本発明のポリエステル製造用の触媒は、この後に記述するチタン化合物とリン化合物を混合し、反応させることにより得ることが出来る。
チタン化合物は下記式(I)により表されるチタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)を用いることが必要である。
Figure 0004660109
またリン化合物としては、下記式(II)により表される化合物を用いることが必要である。
Figure 0004660109
[上記式中、m及びpは1〜3の整数、nは2以上の整数を表す。]
具体的には、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノラウリルホスフェート、モノオレイルホスフェート若しくはモノテトラデシルホスフェートなどのモノアルキルホスフェート又はモノフェニルホスフェートなどのモノアリールホスフェートを用いることが好ましい。
これらは混合物で用いてもよく、例えばモノアルキルホスフェートとモノフェニルホスフェートの混合物の組合わせをより好ましい例としてあげることができる。なかでも、モノアルキルホスフェートの比率が90%以上で構成されているものが特に好ましい。
本発明のポリエステル製造用の触媒は、上述したチタン化合物とリン化合物を混合し、反応させることにより得ることが出来る。しかしながら本発明の触媒を製造する場合、そのチタン化合物とリン化合物の配合比、反応方法及び反応条件等の製造方法が適切でないと、十分に反応が起こらず多くの未反応のチタン化合物や未反応のリン化合物が存在してしまう。そこで以下本発明のポリエステル製造用の触媒を効率よく反応させ、高い含有率のもの得るための製造方法をさらに詳細に説明する。
本発明のポリエステル製造用の触媒は、上述のチタン化合物とリン化合物とをグリコールを媒体として加熱することにより製造することができる。この際チタン化合物のグリコール溶液とリン化合物のグリコール溶液はそれぞれ均一透明溶液であるが、両者を混合し加熱するとチタン化合物とリン化合物が反応し、その反応生成物はグリコール中に懸濁物として得られる。
ここで用いるグリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール又はシクロヘキサンジメタノールを例示することができる。触媒の製造に用いるグリコールには、その後製造したその触媒を用いて製造するポリエステルの原料と同じグリコールを使用することが好ましい。
反応温度は、常温では反応が不十分であったり、反応に過大に時間を要する問題があるため、通常50℃〜200℃の温度で反応させることが好ましく、反応時間は1分〜4時間で完結させるのが好ましい。
例えば、グリコールとしてエチレングリコールを用いる場合50℃〜150℃が好ましく、ヘキサメチレングリコールを用いる場合100℃〜200℃が好ましい範囲であり、反応時間は30分〜2時間がより好ましい範囲となる。反応温度が高すぎたり、時間が長すぎると、触媒の劣化が起こるため好ましくない。
又本触媒を反応させるに当り、チタン原子に対するリン原子のモル比率として1.5以上2.5未満であることが好ましく、さらに1.7以上2.3未満であることが好ましい。一方1.5未満では未反応チタン化合物が多く存在し、逆に2.5以上では、過剰な未反応のリン化合物の存在が多く存在してしまう。
本発明の触媒を使用してポリエステル、特に芳香族ポリエステルを製造する場合においては、最終的に得られるポリエステル中にチタン金属原子換算で、1〜50ppmになる量で触媒として使用するのが好ましく、5〜30ppmになる量で使用するのがさらに好ましい。そして得られるポリエステル中の金属原子として、チタン以外の金属原子は、金属元素濃度換算で10ppm以下が好ましく、更には5ppm以下が好ましい。
なお、上記反応生成物は、重縮合反応時に存在していればよい。このため触媒の添加は、原料スラリー調製工程、エステル化工程又は液相重縮合工程等のいずれの工程で行ってもよい。また触媒全量を一括添加しても、複数回に分けて添加してもよい。
(ポリエステルの製造方法)
次に、本発明の触媒を使用したポリエステルの製造方法について説明する。本発明の触媒を用いて、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、脂肪族グリコールを重縮合させてポリエステルを製造することができる。
(原料)
芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸若しくはジフェノキシエタンジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体を用いることができる。なおエステル形成性誘導体と具体的には低級アルキルエステル又は酸ハライドを挙げることができる。これらの中でもテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を用いることが好ましい。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンメチレングリコール又はドデカメチレングリコールを用いることができる。これらの中でもエチレングリコールを用いることが好ましい。これら芳香族ジカルボン酸、そのエステル形成製誘導体及び脂肪族グリコールは単一種を用いても複数種を併用して用いても良い。
芳香族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸若しくはデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体を原料として使用することができる。また脂肪族グリコールとともに、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノール、ハイドロキノン又は2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族基を含むジオールなどを原料として使用することができる。さらにトリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン又はペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として使用することができる。
なおこれらの中でテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体は、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体100モル%に対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上となるような量で用いられ、エチレングリコールは脂肪族グリコール100モル%に対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上となるような量で用いられることが好ましい。
(エステル化工程)
まず、ポリエステルを製造するに際して、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と脂肪族グリコールをエステル化させる。以下芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールをエステル化させる場合について述べる。具体的には、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを含むスラリーを調製する。このようなスラリーには芳香族ジカルボン酸1モルに対して、通常1.1〜1.6モル、好ましくは1.2〜1.4モルの脂肪族グリコールが含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。
エステル化反応は、反応物を自己循環させなから一段で実施する方法又は2つ以上のエステル化反応器を直列に連結し実施する方法が好ましく、いずれも脂肪族グリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら行う。ここで本発明の触媒を用いるにあたっては、上述のように、最終的に得られるポリエステル中にチタン金属原子換算で、1〜50ppmになる量で触媒として使用するのが好ましく、5〜30ppmになる量で使用するのがさらに好ましい。
反応物を自己循環させなから一段で連続的にエステル化を行う場合の反応条件は、通常反応温度が240〜280℃、好ましくは250〜270℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaの条件下で行われ、エステル化率が通常90%以上、好ましくは95%以上になるまで反応させることが望ましい。芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体を用いる場合についてもこれに準じた手法によりエステル化させることができる。
このエステル化工程により、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとのエステル化反応物(オリゴマー)が得られ、このオリゴマーの重合度が4〜10程度である事が好ましい。上記のようなエステル化工程で得られたオリゴマーは、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。
(液相重縮合工程)
次に液相重縮合工程において、上記した本発明の重縮合触媒の存在下に、エステル化工程で得られたオリゴマーを、減圧下かつポリエステルの融点以上の温度(通常240〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応の脂肪族グリコール及び重縮合で発生する脂肪族グリコールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
重縮合反応は1槽で行ってもよく、複数の槽に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が2段階で行われる場合には、第1槽目の重縮合反応は反応温度が245〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力が100〜1kPa、好ましくは50〜2kPaの条件下で行われ、最終第2槽での重縮合反応は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜290℃、反応圧力は通常1000〜10Paで、好ましくは500〜30Paの条件下で行われる。
このようにして、本発明の触媒を用いてポリエステルを製造することができる。この重縮合工程で得られるポリエステルは、通常溶融状態で押出しながら冷却後粒状(チップ状)のものを得る。得られたポリエステルの極限粘度IVは0.40〜0.80dl/g、好ましくは0.50〜0.70dl/gであることが望ましい。
このようにして得られた粒状ポリエステルの極限粘度IVは、0.70dl/g以上であることが望ましい。上記のようなエステル化工程と重縮合工程とを含むポリエステルの製造工程はバッチ式、半連続式又は連続式のいずれでも行うことができる。
(固相重縮合工程)
上記液相重縮合工程で得られるポリエステルは、高極限粘度のポリエステルを所望する場合には、さらに固相重縮合することが望ましい。固相重縮合工程に供給される粒状ポリエステルは、予め固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
このような予備結晶化工程は、粒状ポリエステルを乾燥状態で通常120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で1分から4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、粒状ポリエステルを水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気下又は水蒸気含有空気雰囲気下で、120〜200℃の温度で1分間以上加熱することによって行うこともできる。予備結晶化されたポリエステルは、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。なおこの予備結晶化処理によっては、いわゆるポリエステルの固相重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエステルの極限粘度は、液相重縮合後のポリエステルの極限粘度とほぼ同じであり、予備結晶化されたポリエステルの極限粘度と予備結晶化される前のポリエステルの極限粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
固相重縮合工程は少なくとも1段からなり、温度が190〜230℃、好ましくは195〜225℃であり、圧力が200kPa〜1kPa、好ましくは常圧から10kPaの条件下で、窒素、アルゴン又は炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。使用する不活性ガスとしては窒素ガスが望ましい。
このような固相重縮合工程を経て得られた粒状ポリエステルには、必要に応じて水処理を行ってもよく、この水処理は、粒状ポリエステルを水、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス又は水蒸気含有空気などと接触させることにより行われる。
このようにして得られた粒状ポリエステルの極限粘度IVは、0.70dl/g以上であることが望ましい。上記のようなエステル化工程と重縮合工程とを含むポリエステルの製造工程はバッチ式、半連続式又は連続式のいずれでも行うことができる。
特に固相重縮合を行うポリエチレンテレフタレートは、一般的にボトルなどに利用する場合が多く、そのためにもIVが0.70dl/g以上であること、アセトアルデヒド含有量が少ないほうが好ましい。
尚、ポリエチレンテレフタレート中のアセトアルデヒド含有量は、通常固相重縮合工程で低減されるため、固相重縮合前の溶融縮合のIV及び固相重縮合の条件などを調整することで対応できる。
よって、上記の方法で得られたポリエチレンテレフタレートは、色相及び透明性に優れ、且つアセトアルデヒドの含有量も少なく、ボトル等の成形体材料として有用である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。評価は次のように行った。
〇極限粘度(IV)
ポリエステル0.6gをO-クロロフェノール50cc中に加熱溶解した後、一旦冷却させ、その溶液をウベローデ式粘度計を用いて35℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出した。
〇色相(Col)
粒状のポリマーサンプルを160℃×90分乾燥機中で熱処理し、結晶化させた後カラーマシン社製CM−7500型カラーマシンで測定した。
〇ジエチレングリコール(DEG)含有量
サンプルをヒドラジンハイドレート(抱水ヒドラジン)にて分解し、ガスクロマトグラフィー(GC)にて測定した。
〇金属含有濃度分析
ポリエステル中の触媒金属濃度は、粒状のサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業3270E型)にて、定量分析した。
[実施例1]
エチレングリコール175.7重量部とモノブチルホスフェート1.5重量部を入れて混合攪拌した中に、チタンテトララキス(2−エチルヘキソキシド)のエチレングリコール溶液22.8重量部(チタン濃度1重量%)をゆっくり添加し、徐々に昇温して100℃の温度で1時間攪拌保持したのち、得られた懸濁液を室温まで放冷した(以下、この懸濁液を「TEH触媒」と略す)。この液体100mLを100mLメスシリンダーに採取し120時間静置したところ、液面から57mLの容積部分に触媒粒子は雲状に浮遊し、底部に沈殿・凝結はしなかった。
[比較例1]
実施例1でのチタン化合物を、チタンテトララキス(2−エチルヘキソキシド)のエチレングリコール溶液22.8重量部(チタン濃度1重量%)の代わりにチタン(IV)ブトキシド22.8重量部(チタン濃度1重量%)を用いる以外は、ほぼ同様な装置及び手順で反応を実施した。この液体100mLを100mLメスシリンダーに採取し120時間静置したところ液面から95mLの容積部分に透明な上澄みが生じて底部5mLの容積の部分に触媒粒子は沈殿し凝結しており、液を振り混ぜてもこの凝結物は再度分散しなかった。
[実施例2]
予め225重量部のオリゴマーが滞留する反応器内に、攪拌下窒素雰囲気で255℃、常圧下に維持された条件下に、179重量部の高純度テレフタル酸と95重量部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを一定速度供給し、反応で発生する水とエチレングリコールを系外に留去ながら、エステル化反応を4時間し反応を完結させた。この時のエステル化率は98%以上で、生成されたオリゴマーの重合度は約5〜7であった。
このエステル化反応で得られたオリゴマー225重量部を重縮合反応槽に移し、重縮合触媒として、実施例1で調製したチタン/リン反応化合物(TEH触媒液)溶液を1.8重量部投入した。引続き系内の反応温度を255から280℃、又、反応圧力を常圧から60Paにそれぞれ段階的に上昇及び減圧し、反応で発生する水及びエチレングリコールを系外に除去しながら重縮合反応を行った。
重縮合反応の進行度合いを系内の攪拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所望の重合度に達した時点で反応を終了した。その後系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、冷却・カッティングして約3mm程度の大きさの粒状ペレットを得た。この時の重縮合反応時間は110分であった。又得られたポリエチレンテレフタレートは、IV0.516dl/g、DEG1.10重量%、Col−L値78、b値0.8であり、含有する触媒金属濃度はチタン13ppm、リン11ppmであった。
本発明によれば触媒調製後に沈殿し容器、装置底部で堆積・凝結することが無い取り扱いが簡便なポリエステル製造用触媒を得ることができる。この触媒を用いると従来のチタン化合物触媒に比べ取り扱いが簡便であるので、ポリエステル製造時の触媒の計量等も容易になり、より効率良くポリエステルを製造することができる。
本発明の触媒で製造されたポリエステルは、安定剤であるリン化合物以外の溶解助剤などを含有することなく、ヘーズが少なく、重金属及びアセトアルデヒド含有量が少なく異物の少ない成形品を得ることができるため、飲料充填ボトル用の成形容器の材料として有用である。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)により表されるチタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)、
    Figure 0004660109
    下記一般式(II)で表されるリン化合物
    Figure 0004660109
    [上記式中、Rはブチル基を表す。]
    及びエチレングリコールとの反応生成物からなるポリエステル製造用触媒。
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