JP5616062B2 - 固相重合を行わないポリエステルの製造方法 - Google Patents

固相重合を行わないポリエステルの製造方法 Download PDF

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Description

この出願は、2006年8月16日に出願された米国仮出願第60/838,057号に基づく優先権を主張し、この出願を引用することによってその全体を本明細書中に組み入れる。
発明の分野
本発明は、固相重合を行わなくても使用可能な充分に高い分子量を有する、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのようなエチレンアリーレート(arylate)反復単位を有するポリエステルの製造方法に関する。このポリエステルの重縮合はゲルマニウム触媒を用いて低温で実施し、ポリエステル生成物はアセトアルデヒドの発生が低い。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル並びに同様なポリマー及びコポリマーは、製造がよく知られ且つ熟成した主商品となっている。典型的なPET製造は、例えばエチレンとテレフタル酸との無触媒エステル化とその後の重縮合度の増大を含む。重縮合は触媒され、そしてこの重縮合の最終部分は、「高重合(high polymerizing)」及び「仕上げ(finishing)」とも称され、この用語「仕上げ」を本明細書中で使用するものとする。仕上げ段階は、最も高い温度、通常は270〜300℃と最も低い圧力を含む。得られるポリマーは水中に押出して、非晶質ペレットを形成し、次いでこれを結晶化に供する。このポリエステルポリマー生成物は、一般に、飲料ボトルのような多くの用途には分子量が低すぎる。ポリマーの極限粘度数(intrinsic viscosity)に反映される分子量は一般に0.40〜約0.67dL/gの範囲である。ポリエステルは、また、重合中に発生した無視できない量のアセトアルデヒドと、ボトルプレフォームの射出成形のようなその後の溶融加工の間にアセトアルデヒドを遊離させるおそれがあるアセトアルデヒド前駆体を含む。
従って、仕上げ機(finisher)から得られたポリエステルペレットは、融点未満、好ましくは180〜220℃の範囲の温度において真空又は不活性ガス流中で固相重合に供する。「固相化(solid stating)」には2つの主な利点がある。第一に、固相化は分子量を、例えば0.7〜1.1dL/gの範囲の極限粘度数まで有意に増加させ、第二に、ポリマーからアセトアルデヒドを除去する。しかし、これらの利点はかなりのコストをかけなければ得られず:固相重合はエネルギー集約的で且つ時間集約的である。固相重合は、また、ペレット内に大きいコアを作り出して分子量勾配を顕在化させ、その結果ペレットの溶融時にかなりの極限粘度数の損失をもたらす。固相重合の排除は大きな経済的メリットがある。
重縮合触媒の選択はポリエステルの製造において重要であり、多くの触媒系が提示されている。チタン触媒が最も効率的であり、低い触媒レベルで速い重合速度を提供する。しかし、チタンで触媒されたPETは、一般に高いアセトアルデヒドレベルを有すると共に、その後の溶融加工中にアセトアルデヒドの発生が増加する。飲料ボトル中では比較的少量のアセトアルデヒドであっても内容物に異臭を与えるおそれがあるので、アセトアルデヒドの発生が最小であることはかなり重要である。チタン触媒は、また、ポリエステルに黄色味を与える。アンチモン触媒は、チタンよりもかなり活性が低いにもかかわらず、一般に好まれる触媒となっている。燐化合物は、感湿性曇り(moisture sensitive haze)及び熱安定性を改善するために添加することが多い。燐安定剤を添加しない場合には、使用する溶融相条件によっては、PET溶融時のアセトアルデヒド発生度が問題となる場合がある。溶融時に発生するAAは、ポリエステルを専ら溶融相で、即ち固相重合を行わずに製造する場合に、特に問題となる。特許文献1及び2に開示されるように、燐含有化合物の添加は、ポリエステルの明澄度に影響を及ぼす析出物を形成するおそれがある。アンチモン触媒の一部は、重合条件下で金属に還元される。これは暗色のPETを生じるが、当業界ではブライトネス(brightness)が重視される。
ゲルマニウム触媒は提示されているが、完全には満足に行くものではない。例えば、特許文献3においては、二酸化ゲルマニウムを、コバルト、マンガン及びマグネシウムの化合物並びにホスフェート安定剤と併用する。ゲルマニウム触媒は、燐化合物をメルトに添加した後であって且つ極限粘度数が0.3dL/gに達した後に添加する。しかし、特許文献3は、実際のプロセスにおいては極限粘度数が仕上げ段階の間に0.50〜0.67にしか達することができず、従って有用な生成物を得るためには、ポリマーを固相重合に供する必要があることを強調している。0.7〜0.9の粘度までの固相重合も含む同様な方法が特許文献4に開示されている。しかし、特許文献4では、それによって製造されるポリエステルには結晶化の問題があった。結晶化を誘発するためにはポリトリメチレンテレフタレートの添加が必要であり、従ってプロセスのコスト及び複雑さが増すことが判明した。
特許文献5においては、PET/PENコポリマー用の重縮合触媒として、アンチモン又はゲルマニウムを選択的に開示している。重縮合温度は高いと記載されており、重縮合後には固相重合が行われる。製造されたままの、固相化前の状態では、ゲルマニウムを触媒として使用した場合の極限粘度数は0.56〜0.61であった。
米国特許第5,750,635号 米国特許第5,886,133号 米国特許第6,022,603号 特開2002−97353号公報(JP 2002 097353A) 米国特許第6,590,044号
ゲルマニウム触媒反応にある程度独特である更なる問題は、ゲルマニウム化合物の揮発性である。従って、先行技術の仕上げプロセスの高温及び高真空においては、ゲルマニウムのかなりの損失が発生する。ゲルマニウムはアンチモンよりもはるかに高価であるので、この損失は経済的に非常に不利である。この出費は、固相重合の必要性と相まって、ゲルマニウム触媒の使用を制限している。
エチレングリコールから得られたポリエステルを、固相重合を必要とせずにゲルマニウム触媒を用いて0.72dL/gより高い極限粘度数まで仕上げることができ、同時にゲルマニウム触媒の損失の減少、アセトアルデヒド発生度の改善又はその両者が可能であることを発見した。このようなポリエステルは、仕上げゾーン中で重縮合のかなりの部分で高温を用いないことによって、溶融相重縮合で製造できる。更に仕上げゾーン内部の圧力を低下させることによって、改善の増大を観察できる。意外にも、燐含有安定剤も結晶化促進剤も添加の必要がない。
また、本明細書及び添付した「特許請求の範囲」中で使用する単数形(a,an及びthe)は、前後関係からそうでないことが明白に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。例えば、1種の「ポリマー」、「プレフォーム」、「物品」、「容器」又は「ボトル」の加工又は製造への言及は、複数種のポリマー、プレフォーム、物品、容器又はボトルの加工又は製造を含むものとする。
「1つの」成分又は「1種の」ポリマーを含む組成物又は溶液への言及は、それぞれ、名前を挙げたものに加えて他の成分又は他のポリマーを含むものとする。
「含んでなる(comprising)」又は「含む(containing)」又は「有する」は、少なくとも名前を挙げた化合物、要素、粒子又は方法工程などは組成物、溶液若しくは物品又は方法に存在しなければならないが、他の化合物、触媒、材料、粒子、方法工程などの存在は、特許請求の範囲において明白に除外されるのでなければ、他のこのような化合物、材料、粒子、方法工程などが名前を挙げたものと同一の機能を有しているとしても、除外しないことを意味する。
また、1つ又はそれ以上の方法工程に関する言及は、列挙した工程の組合せの前若しくは後の追加の方法工程又ははっきりと識別されるこれらの工程の間の介在方法工程の存在を排除しないことを理解すべきである。更に、プロセス工程への文字の割り当ては、別個の作業又は工程を識別するための簡便な手段であり、特に断らない限り、列挙したプロセス工程は任意の順序で配列できる。
範囲の表示は、その範囲内の全ての整数及びその分数を含む。プロセス中の、又は反応混合物の、又はメルトの若しくはメルトに適用される、又はポリマーの若しくはポリマーに適用される温度又は温度範囲の表示は、いかなる場合でも、適用温度、メルト若しくはポリマーの実際温度又は両者が指定温度又は指定範囲内である場合に制限に適合することを意味する。
用語「組成物」は、列記した各成分が組成物又は溶液中に存在することを意味し、組成物又は溶液中の全ての成分が結合されていないか又は未反応であるという意味は含まない。組成物は固体又は液体であることができる。組成物中の記載成分は結合していても、未結合でも、反応していても、未反応でもよく、特に断らない限り、任意の酸化状態であることができる。
本明細書中で使用する用語「金属」又は「ゲルマニウム」は1つの原子であり、どのような酸化状態もその化学状態も含まない。ゲルマニウム金属は、塩又はキレート又は錯体として任意の化学状態であってもよいし、或いは元素として存在してもよく、特定の酸化状態を有するものとして特に明白に記載されない限り、任意の酸化状態であることができる。しかし、用語「元素状態(elemental)」は、ゼロの酸化状態を意味する。
本発明のゲルマニウム化合物は触媒活性がある。所望ならば、ゲルマニウム化合物が触媒活性であるか否かの測定を、実際の操作に望ましい濃度を用いて0.2〜0.4dL/gの始点から280℃及び0.8mmHgで適切に撹拌をしながら1時間後に又は任意の望ましい1組の操作条件で1時間後に測定した場合に、It.V.が少なくとも0.1dL/g増加されるか否か又は反応速度が増加されるか否かを測定することによって、行う。好ましくは、選択するゲルマニウム化合物は、実際の操作に望ましい濃度を用いて0.2〜0.4dL/gの始点から280℃及び0.8mmHgで適切に撹拌をしながら1時間後に又は任意の望ましい1組の操作条件で1時間後に測定した場合に、It.V.が少なくとも0.2dL/g増加されるか又は反応速度が増加されるような充分な触媒活性を有するものとする。
金属又はゲルマニウムの報告量(例えばppm)は、溶液、ポリマー又は物品中に存在する原子の量に基づき、化合物又は塩の量として明白に記載されない限り、化合物又は塩の量には基づかない。
「ポリエステルポリマー」は、アルキレンアリーレート反復単位を有する熱可塑性ポリエステルポリマーを意味する。熱可塑性ポリマーは液相(溶融相)にある間は感知できるほどの規則構造を有さず且つ再溶融及び成形品への再造形が可能であるので、本発明の熱可塑性ポリエステルポリマーは液晶ポリマー及び熱硬化性ポリマーとは区別できる。液晶ポリマー及び熱硬化性ポリマーは、容器を製造するための金型中における伸長又は包装のような目的用途には不適当である。
ポリエステルポリマーは直接エステル化法又はエステル交換(エステル置換プロセス)によって製造できる。直接エステル化が好ましい方法である。
ポリエステルポリマーは、望ましくはポリマー鎖中のモノマー単位がブロック式に配列されるのではなくランダムに配列されるようなランダムポリマーである。ポリエステルポリマーは、ポリマー鎖中にアルキレンテレフタレート又はアルキレンナフタレート反復単位のようなアルキレンアリーレート反復単位を含む。これらの反復単位のより具体的な例としては、エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートが挙げられる。
より好ましいのは、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分の残基100モル%及びヒドロキシル成分の残基100モル%に基づき、
(i)少なくとも80モル%のテレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(ii)少なくとも60モル%又は少なくとも80モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含むポリエステルポリマーである。
典型的には、エチレンテレフタレート反復単位を含むようなポリエステルは、エチレングリコールのようなジオールを遊離酸又はそのC1〜C4ジアルキルエステルとしてのジカルボン酸と反応させてエステルモノマー及び/又はオリゴマーを生成し、次いで重縮合させてポリエステルを生成することによって製造する。1つ若しくはそれ以上のカルボン酸基(carboxylic acid group(s))又は1つ若しくはそれ以上のその誘導体(derivative(s) thereof)を含む1種より多い化合物をこのプロセスの間に反応させることができる。前記ポリエステル生成物の一部となる1つ若しくはそれ以上のカルボン酸基又は1つ若しくはそれ以上のその誘導体を含む、このプロセスに入る化合物は全て、「カルボン酸成分」を構成する。1つ若しくはそれ以上のカルボン酸基又は1つ若しくはそれ以上のその誘導体を含む、このプロセスに入り且つ反応して生成物になる全ての化合物のモル%は合計100となる。前記ポリエステル生成物中に存在する1つ若しくはそれ以上のカルボン酸基又は1つ若しくはそれ以上のその誘導体を含む1種若しくはそれ以上の化合物の「残基」は、1種若しくはそれ以上の前記化合物を1つ又はそれ以上のヒドロキシル基を含む1種若しくはそれ以上の化合物と縮合させ且つ更に重縮合させて種々の鎖長のポリエステルポリマー鎖を形成した後に前記ポリエステル生成物中に残る、1種若しくはそれ以上の前記化合物の部分を意味する。
1つ若しくはそれ以上のヒドロキシル基又はその誘導体を含む1種より多い化合物は1種又はそれ以上のポリエステルポリマー生成物の一部となることができる。1種若しくはそれ以上の前記ポリエステル生成物の一部となる、1つ若しくはそれ以上のヒドロキシル基又はその誘導体を含む、前記プロセスに入る化合物は、全て、ヒドロキシル成分を構成する。1つ若しくはそれ以上のヒドロキシル基又はその誘導体を含む、このプロセスに入り且つ1種若しくはそれ以上の前記ポリエステル生成物の一部となる全ての化合物のモル%は合計100となる。前記ポリエステル生成物の一部となるヒドロキシル官能基又はその誘導体を含む1種若しくはそれ以上の化合物の「残基」は、1種若しくはそれ以上の前記化合物を1つ又はそれ以上のカルボン酸基又は1つ若しくはそれ以上のその誘導体を含む1種若しくはそれ以上の化合物と縮合させ且つ更に重縮合させて種々の鎖長のポリエステルポリマー鎖を形成した後に前記ポリエステル生成物中に残る、1種若しくはそれ以上の前記化合物の部分を意味する。
1種若しくはそれ以上の生成物中のヒドロキシル残基及びカルボン酸残基のモル%は、プロトンNMRによって測定できる。
別の好ましい実施態様において、ポリエステルポリマーは、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分の残基100モル%及びヒドロキシル成分の残基100モル%に基づき、
(a)少なくとも90モル%又は少なくとも92モル%又は少なくとも96モル%の、テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物、より好ましくはテレフタル酸又はテレフタル酸誘導体の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも90モル%又は少なくとも92モル%又は少なくとも96モル%の、エチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含んでなる。
ポリエステルポリマーの製造中におけるカルボン酸成分とヒドロキシル成分との反応は、所望ならば大過剰の、例えば使用するカルボン酸成分100モル%に対して200モル%までのヒドロキシル成分を使用できるので、前記モル百分率に限定しない。しかし、前記反応によって製造されるポリエステルポリマーは前記量の芳香族カルボン酸残基及びエチレングリコール残基を含む。
テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸の誘導体としては、C1〜C4ジアルキルテレフタレート及びC1〜C4ジアルキルナフタレート、例えばジメチルテレフタレート及びジメチルナフタレートが挙げられる。
改質剤は、前記ポリマー中の各成分の総モル%に基づき、40モル%以下又は20モル%以下又は10モル%以下又は8モル%以下又は4モル%以下の量で存在できる。一官能価、三官能価及びそれ以上の官能価の改質剤は、好ましくは約8モル%以下又は4モル%以下の量でのみ存在する。
テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物からなる二酸成分の他に、本発明のポリエステルの1種若しくはそれ以上のカルボン酸成分は1種又はそれ以上の追加の改質剤カルボン酸化合物を含むことができる。このような追加の改質剤カルボン酸化合物には、モノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物及びこれより多数のカルボン酸基を有する化合物がある。例としては、炭素数が好ましくは8〜14の芳香族ジカルボン酸、炭素数が好ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸又は炭素数が好ましくは8〜12の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。1種若しくはそれ以上の酸成分として有用な改質剤ジカルボン酸のより具体的な例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などであり、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸が最も好ましい。これらの酸の対応する酸無水物、エステル及び酸塩化物の使用も用語「カルボン酸」に含まれることを理解すべきである。また、トリカルボキシル化合物分岐剤及びこれより多数のカルボン酸基を有する化合物も、モノカルボン酸連鎖停止剤と共にポリエステルを改質できる。
エチレングリコールを含むヒドロキシル成分の他に、本発明のポリエステルのヒドロキシル成分は、追加の改質剤ポリヒドロキシル化合物、ジオール又はより多数のヒドロキシル基を有する化合物を含むことができる。改質剤ヒドロキシル化合物の例としては、炭素数が好ましくは6〜20の脂環式ジオール及び/又は炭素数が好ましくは3〜20の脂肪族ジオールが挙げられる。このようなジオールのより具体的な例としては、ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;プロパン−1,3−ジオール;ブタン−1,4−ジオール;ペンタン−1,5−ジオール;ヘキサン−1,6−ジオール;3−メチルペンタンジオール−(2,4);2−メチルペンタンジオール−(1,4);2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール−(1,3);2,5−エチルヘキサンジオール−(1,3);2,2−ジエチルプロパン−ジオール−(1,3);ヘキサンジオール−(1,3);1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン;2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン;2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン;2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパン;及び2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが挙げられる。
改質剤としては、ポリエステルポリマーは、好ましくはイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールのようなコモノマーを含むことができる。
ポリエステル組成物は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンナフタレートのブレンドを他の熱可塑性ポリマー、例えばポリカーボネート(PC)及びポリアミドと共に含むことができる。ポリエステル組成物は、好ましくは大部分がポリエステルポリマーであり、より好ましくは、全熱可塑性ポリマー(充填剤、無機化合物又は粒子、繊維、耐衝撃性改質剤、又は不連続相を形成する可能性のある他のポリマーを除外する)の重量に基づき、少なくとも80重量%又は少なくとも95重量%、最も好ましくは100重量%の量でポリエステルポリマーを含む。また、ポリエステルポリマーは充填剤、繊維若しくは耐衝撃性改良剤又は不連続相を形成する他のポリマーを含まないのが好ましい。
一実施態様においては、組成物は60重量%未満又は40重量%未満又は20重量%未満又は10重量%未満又は5重量%未満の使用済み再生ポリエステルポリマー(PCR)を含むか、或いはPCRは組成物中に全く存在しない。別の実施態様においては、組成物はPCRをゼロ重量%より多く且つ60重量%以下又は40重量%以下又は20重量%以下又は10重量%以下の量で含む。
溶融相法は、エステル化又はエステル交換ゾーン及び重縮合ゾーンを使用する。グリコールと酸とを最初にエステル化ゾーンで、ほとんどの場合は過剰のグリコールを用いてエステル化して、典型的には数平均分子量に基づく平均DPが2〜20又は2〜10又は2〜5の範囲にある低分子量のエステル又はオリゴマーを作成する。この反応は、直接エステルエステル化法で無触媒で行うことが多い。典型的には少なくとも80%の又は少なくとも90%の転化率までエステル化を完了させた後、モノマー混合物をエステル化ゾーンから取り除き、重縮合ゾーンに供給する。重縮合は、真空の適用の開始及び/又は分子量増加のためのエチレングリコールのようなアルキレングリコールの除去が顕著であることを特徴とする。いくつかの方法においては、重縮合は、「予備重合」及び「仕上げ」のような多数の下位段階(サブステージ)に概念的に分割することができるが、当業界で使用されるこれらの用語には一貫性がない。ほとんどの場合、重縮合は複数の反応器中又は複数の反応ゾーンを含む反応器中で行う。重縮合に供されたポリマーメルトが次の反応器及び/又は反応ゾーンに移るにつれて、温度及び真空の適用量は一般に、重縮合を完了に向けるように増加する。
重縮合プロセスは仕上げ反応器を有する。仕上げ反応器は、凝固前にメルト中でポリマーの分子量を増加させるための重縮合プロセスにおける最終反応器を意味する。仕上げ反応器において、従来の方法における温度は一般に290〜305℃である。しかし、本発明においては、仕上げ反応器中の温度は275℃又はそれ以下に保持する。従来の加工においては、仕上げ段階の最後におけるポリマーの極限粘度数は通常、0.45〜0.65dL/gである。しかし、本発明の方法においては、溶融相重合プロセスから得られるポリエステルポリマーの極限粘度数は0.72dL/g又はそれ以上である。極限粘度数は、分子量を更に増加させるためのプロセスに粒子を供することなく、仕上げ反応器から出たポリマーメルトが供給されたカッターの後で得られた非晶質の若しくは結晶化された粒子について、又は仕上げ反応器の排出物からのサンプルを採取することによって、測定できる。
ポリエステルポリマーメルトは仕上げ反応器/ゾーン中で、重縮合ゾーンに導入される成分の総重量に対してゲルマニウム原子として計算された少なくとも20ppm又は少なくとも30ppm又は少なくとも50ppmのゲルマニウム触媒(仕上げ反応器の前に若しくは仕上げ反応器に又は仕上げ反応器中に添加するが、好ましくはエステル化の間に90%の転化率が得られた後又はエステル化ゾーンの後であって且つ仕上げ又は最終重縮合反応器の前に添加する)の存在下で重縮合させる。ゲルマニウム触媒の量に特に上限はないが、ゲルマニウム触媒の量は典型的には250ppm又は200ppm又は175ppmを超えないであろう。ポリマー中に存在するゲルマニウムの量は、ゲルマニウムを回収するための、仕上げ機後のプロセスを大気圧未満で実施する場合には、それより著しく少なくすることができる。後述する完成ポリマーにおいて、ポリエステルポリマー粒子中に存在するGeの量は、ポリエステルの重量に基づき、少なくとも5ppm又は少なくとも10ppm又は少なくとも15ppm又は少なくとも20ppm又は少なくとも25ppm又は少なくとも30ppm又は少なくとも35ppm又は少なくとも40ppm又は少なくとも50ppmの範囲であることができる。その量に特に上限はないが、その量は典型的にはポリエステルの重量に基づき、250ppm又は200ppm又は175ppm又は100ppm又は75ppmを超えない。
任意の適当なゲルマニウム化合物を触媒として使用できる。しかし、溶解性の問題を減らす非晶質二酸化ゲルマニウムのような二酸化ゲルマニウム並びにゲルマニウムアルコキシド及びカルボン酸塩のような単純なゲルマニウム化合物が好ましい。ゲルマニウム化合物の後者の2つのタイプの例は、ゲルマニウムエトキシド及び酢酸ゲルマニウムである。ゲルマニウムグリコレート及び類似化合物も使用できる。ゲルマニウムは仕上げ機中に、望ましくは予備重合ゾーン及び仕上げゾーン中に存在しなければならない。ゲルマニウム触媒は、例えばポリマーの極限粘度数が0.2dL/gに達した後に添加すべきである。しかし、ゲルマニウム触媒は、重縮合ゾーンが始まる前に又は重縮合ゾーンの初め頃に添加することもでき、この添加方式は、特に重縮合速度がゲルマニウム触媒の存在下においてはるかに速く且つ前仕上げ(prefinishing)段階がより低温及びより高圧(より低真空)で行われるので、好ましい。例えばゲルマニウム触媒はエステル化ゾーンの最後と重縮合ゾーンの初めの間に添加できる。1回又は複数回の添加を使用できる。
仕上げゾーン/反応器中の反応温度を270℃から300℃に増加させると、固体ポリエステル粒子溶融時のAA発生量が増加する。また、圧力を0.2トルから2トルに増加させると、粒子溶融時のAA発生量が増加する。
意外なことに、ゲルマニウムレベルを75ppmから225ppmに増加させても、粒子溶融時のAA発生度は影響されない。ゲルマニウムは分解反応には効果的な触媒ではないようである。ゲルマニウムレベルを75ppmから225ppmに増加させると重縮合速度が増加する。製造においては、固体粒子溶融時のAA発生度を増加させずに重縮合速度を増加させるようにゲルマニウムレベルを調整するのが有用である。
本発明のポリエステルは仕上げゾーンにおいて、より好ましくは重縮合ゾーンにおいて、ゲルマニウムの存在下で生成させ且つ仕上げゾーン又は重縮合ゾーン中の温度設定値は285℃若しくはそれ以下又は280℃若しくはそれ以下、特に275℃若しくはそれ以下又は273℃若しくはそれ以下又は270℃若しくはそれ以下であるのが望ましい。別の実施態様においては、温度はいずれの場合にも250℃若しくはそれ以下又は260℃若しくはそれ以下である。本明細書中で使用する、「ある値以下若しくはそれ未満の温度」又は「ある値以下若しくはそれ未満の温度への加熱」又は「ある値以下若しくはそれ未満の温度において」の温度は、重縮合ゾーン中のポリマーメルトの実際の温度ではなく、温度設定値を意味する。別の実施態様において、このパラグラフ中の前述の温度のそれぞれは、実際のポリマー温度として表した場合には、実際のポリマー温度である。
ポリエステル製造温度、特に仕上げゾーンの温度がゲルマニウム触媒の存在下で増加するにつれて、ゲルマニウム損失率も増加する傾向がある。目標ゲルマニウムレベルが増加するにつれて、ゲルマニウム損失率が減少する傾向がある。ゲルマニウム損失率は、[(ゲルマニウム添加量)−(X線回折によって測定されたゲルマニウム量)]÷(ゲルマニウム添加量)×100によって計算する。ゲルマニウム量は、ポリエステルの重量に対する金属として計算する。このプロセスは、ゲルマニウム化合物を回収し且つ好ましくは再循還させる場合には経済的により魅力がある。
285℃より高い短時間の温度偏位を可能にすること又はIt.V.が0.72dL/gに達する前に任意の前記温度を可能にすることは、本発明の精神から逸脱するものではない。好ましい実施態様においては、適用温度は285℃以下であり、或いはIt.V.が0.72dL/gに達する点までは、仕上げ反応器(最後の又は最終重縮合反応器としても知られる)中の滞留時間の少なくとも90%若しくは少なくとも95%若しくは少なくとも98%において又は重縮合時間の少なくとも90%若しくは少なくとも95%若しくは少なくとも98%において前記温度範囲以下(例えば280、275、273、270℃)であるのが望ましい。重縮合時間及び重縮合ゾーンは、エステル化から得られたオリゴマー混合物を、エチレングリコールの分離による分子量増加の促進のために圧力を大気圧未満に低下させたゾーンに導入する時点で始まる。仕上げ反応器中の仕上げゾーン及び滞留時間は、バージンポリエステルポリマーの製造に使用する最終溶融相反応器中にポリマーメルトを供給する時点で測定する。
Ge損失が少なく且つAA発生度が低いポリマーを得るためには、仕上げゾーン/反応器中で適用する真空は低いのが望ましい。仕上げ反応器中の重縮合反応は、4トル若しくはそれ以下又は3トル若しくはそれ以下又は2トル若しくはそれ以下又は1トル若しくはそれ以下又は0.8トル若しくはそれ以下又は0.5トル若しくはそれ以下又は0.3トル若しくはそれ以下又は0.2トル若しくはそれ以下の圧力で実施する。275℃又はそれ以下においてGe損失が低く且つAA発生度が低い、高It.V.を有するポリエステルを得ることは可能であるが、好ましい実施態様においては、仕上げ反応器中の圧力が1トル若しくはそれ以下又は0.5トル若しくはそれ以下又は0.3トル若しくはそれ以下又は0.2トル若しくはそれ以下、より好ましくは0.5トル若しくはそれ以下又は0.3トル若しくはそれ以下又は0.2トル若しくはそれ以下である場合に最良の結果が得られる。
別の実施態様において、275℃若しくはそれ以下の温度において0.72dL/gのIt.V.に達したらすぐに、ポリマーメルトを280〜305℃のような275℃より高い温度に一般には比較的短時間供することによって触媒除去のための後仕上げプロセスを適用して、ポリエステル中のゲルマニウム触媒含量を最初に装入した量の40%又はそれ以下に低下させることが可能である。このような後仕上げ(仕上げ反応器後)によるゲルマニウム触媒の除去は、ゲルマニウムを回収し且つ好ましくは再循還できるように、反応器からの揮発分のルートを変更することによって実施できる。この時点で回収されたゲルマニウムは、ポリマーが0.72dL/gの粘度に達した時点で揮発する水及びグリコールの量は極めてわずかであるので、重縮合の前の時点で除去された揮発分よりもはるかに高濃度である。いずれのタイプの触媒残渣もその後の加工の間にアセトアルデヒドの発生を増加させると考えられるので、このような触媒除去はアルデヒドの発生をさらにいっそう低下させることができる。更に、ポリエステルは後仕上げにおいてのみ高温に暴露されるので、長期間の高温反応に関連することが多い退色が減少する。後仕上げ時間は30分以下、好ましくは20分以下であるのが望ましい。
一実施態様においては、ゲルマニウムが、重縮合中に使用する唯一の触媒である。しかし、助触媒、特にアンチモン助触媒を併用することも可能である。金属として計算される助触媒の量はゲルマニウム触媒の濃度を超えてはならず、好ましくはこの量の50モル%以下、より好ましくは20モル%未満である。最も好ましくは、アンチモン助触媒もチタン助触媒も使用しない。
本発明のポリエステルポリマー及び本発明の方法は、Ge損失として表される仕上げ反応器から揮発するゲルマニウムを、ポリエステル製造プロセスに供給されたゲルマニウムの30%未満又は20%若しくはそれ以下又は15%若しくはそれ以下又は12%若しくはそれ以下又は10%若しくはそれ以下とすることができる。
重縮合触媒を失活又は安定化させるための燐化合物のような添加剤が、これまでポリエステルの製造に使用されてきた。意外なことに、本発明のポリエステルポリマーは、重縮合触媒(例えばGe)を失活させる(部分的であれ完全であれ)処理を必要としない。既知の処理としては、P化合物のような添加剤の添加、又は触媒を失活させる温度において触媒を失活させる時間の間、浸水などによってポリエステル粒子と高温水とを接触させることが挙げられる。有利なことに、本発明の方法は触媒を失活させる処理を除外して実施でき、溶融相重合で得られる少なくとも0.72dL/gのIt.V.を有するポリエステルポリマー粒子が、触媒を失活させる処理を適用することなく生成される。
例えば、燐安定剤は、固相重合を行わずに使用できる充分に高い分子量を有する、ゲルマニウムで触媒されるポリエステル粒子の製造においては必要ではない。これらの粒子は、燐化合物を存在させなくても、溶融時のAA発生度が低い。従って、本発明の方法の利点は燐酸トリメチル又は燐酸のような燐化合物の添加が不必要なことである。燐安定剤は、重縮合ゾーンの間に添加する場合には重縮合速度に対する、或いは重縮合ゾーンの終了後若しくは終了間近又は重縮合ゾーン後に添加する場合には極限粘度数に対するそれらの往々にして有害な影響とそれらの価格の両面で、ポリエステル製造プロセスのコストを増す。また、高温水処理はコストを増すと共に、生産時間を遅くする。
従って、一実施態様において、ポリエステルメルトをゲルマニウム触媒の存在下で少なくとも0.72dL/gのIt.V.まで重縮合させることによってポリエステルポリマー粒子を得る、ゲルマニウム触媒を失活させる処理を行わないポリエステルポリマー粒子の製造方法を提供する。これらの粒子は、ペレットをボトルプレフォームのような物品に加工するための機械にポリマーを供給する前にゲルマニウム触媒を失活させるためのポリマー処理(メルトへの添加剤又はペレットの高温処理のいずれかによる)を行わずに前記機械にすぐに供給できる又は供給された完成粒子であることができる。
本発明のポリエステルポリマーは望ましくは溶融相重縮合で得られた少なくとも0.72dL/g又は少なくとも0.74dL/g又は少なくとも0.76dL/g又は少なくとも0.78dL/g又は少なくとも0.80dL/gで且つ約1.2dL/g以下のIt.V.を有し、好ましくは固相重合させない。
重縮合中のゲルマニウムの損失は言うまでもなく、粘度までの時間及び圧力並びに温度にも左右される。重縮合中の混合物を高温及び高真空に暴露する時間が長いほど、Geの損失は大きい。更に、温度が高いほど、また、圧力が低いほど、Geの損失は大きいであろう。触媒の損失は、重縮合において使用する触媒の百分率として表すことができる。
従って、別の実施態様において、ポリマーメルトを5時間未満又は3時間未満又は1.5時間若しくはそれ以下又は1時間若しくはそれ以下の間重縮合させ(0.3〜0.7dL/gの範囲のIt.V.の間で測定)、重縮合は仕上げ反応器中で240〜270℃又は260〜270℃の範囲の温度設定値において行う。別の実施態様における重縮合期間中の真空は、0.1〜4トル又は0.1〜2.5トル又は0.2〜2トルの範囲である。
先行技術の忠告に鑑みて、特にゲルマニウムで触媒される系においては固相縮合が必要であるという先行技術の開示を考えると、固相重合を用いることなく、ゲルマニウム触媒を用いて妥当な製造時間で高極限粘度数のポリマーを得ることができることは驚くべきことである。
別の実施態様においては、燐化合物を添加しなくても、アセトアルデヒドの発生が少ない、固相重合させていないポリエステルポリマーを得ることができる。粒子中の残留AA又は遊離AAも同様に低いと予想される。
本発明の方法の利点は、固相重合を回避でき、その結果としてかなりのコスト削減になることである。溶融相重合によって得られるポリエステルポリマーは、It.V,が少なくとも0.70dL/g又は少なくとも0.72dL/g又は少なくとも0.74dL/g又は少なくとも0.76dL/g又は少なくとも0.78dL/g又は少なくとも0.80dL/gである。しかし、所望ならば、特定の用途のための分子量の更なる増加を固相重合によって実現できる。多くの場合、追加の固相重合の時間は、仕上げ機中で既に到達したより高い分子量のためにかなり短縮でき、従って若干の全体的節約がそれでもなお達成できる。しかし、固相重合を実施しない場合には、ポリエステル粒子中にコア/シェル分子量勾配がないため、ポリエステルは、固相重合されたポリエステルに比較して溶融時に受けるIt.V.損失も少ない。本発明の非固相重合ポリエステルの更なる利点は、粒子の溶融に必要なエネルギーをより少なくするそれらのより低い融点である。固相重合も行わず、ポリエステル粒子を結晶アニールさせる他の高温条件も用いない場合には、より低い融点が生じる。更に、固相重合中の拡散はもはや考慮すべき問題ではないので、ポリエステル粒子又はペレットの形状に対する制約がより少ない。
別個に製造される結晶化助剤を、ポリマーの結晶化中に製造することも使用することも必要ない。結晶化助剤を必要としないのは、仕上げ機中における重縮合温度が比較的低いためである。一実施態様において、ポリマーは少なくとも25%又は少なくとも30%又は少なくとも35%又は少なくとも40%の結晶化度を有する。
低アセトアルデヒド(AA)発生、おそらくは低残留AAを得るのに燐添加剤は必要ないので、燐添加剤のコストが節約される。更に、燐化合物の遅い添加のよるインヘレント粘度のその後の損失を補うのに必要な仕上げ機中の時間はもはや必要ない。これにより、Geで触媒されるPET製造プロセスはより速い生産速度で進行させることができ、即ち、単位時間当たりより多くのポンド数のポリエステルを生産できる。また、燐添加剤は、ポリエステル触媒と反応してポリエステルに曇りを生じ且つ/又はフィルター中に蓄積する傾向がある種を形成することが知られている。金属燐酸塩はこのような種の一例である。燐添加剤、従って金属燐酸塩が存在しないとフィルター寿命が長くなるので、ポリエステルを生産するための運転コストが削減される。
ゲルマニウム原子を含む完成ポリエステルポリマー粒子は、溶融相重合において得られた少なくとも0.72dL/g又は0.74dL/g又は0.76dL/gの平均It.V.及び10ppm若しくはそれ以下又は5ppm若しくはそれ以下の残留アセトアルデヒドレベルを有することができる。このような粒子は固相重合させていないのが好ましい。また、このような完成粒子を含む輸送コンテナも提供する。輸送コンテナの例は、ゲイロード・ボックス、鉄道車両、トラック、船舶上の貨物倉などである。好ましくは、完成ポリエステル粒子はまた、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%の結晶化度を有する。「完成(finished)」粒子は、粒子製造業者によって(又は粒子製造業者に代わって)更なる加工工程が何ら行われることなく、粒子の物品への加工に使用される成形機に関係するドライヤーホッパーに注ぐ又は成形機に直接供給するための、粒子製造業者から顧客にすぐに輸送できる粒子の製造に必要な全ての加工条件に粒子製造業者によって供された粒子を意味する。言うまでもなく、加工業者は、物品を製造するための射出成形機において完成粒子を着色剤、紫外線阻害剤、酸素掃去系などと合するような、任意の数及び任意の型の加工工程を完成ポリマーに適用することができる。
本発明の組成物を用いて製造したポリエステルポリマー組成物から形成される適当な物品は、シート、ボトルプレフォーム、飲料ボトルプレフォーム及びそれらから製造されるブロー成形ボトルである。
本発明によって製造するポリエステルポリマーのアセトアルデヒドの発生は望ましくは、20ppm未満又は15ppm若しくはそれ以下又は13ppm若しくはそれ以下又は11ppm若しくはそれ以下又は10ppm若しくはそれ以下である。本発明のポリエステルを用いて製造したプレフォーム中のアセトアルデヒドレベルは、プレフォームAAが10ppm若しくはそれ以下又は8ppm若しくはそれ以下又は6ppm若しくはそれ以下又は4ppm若しくはそれ以下である。
アセトアルデヒドレベル、アセトアルデヒド発生及びIt.V.は、後述の試験法によって測定できる。
本出願のポリエステルは全ての汎用の添加剤、例えばトナー、顔料(適切な場合)、酸化防止剤、酸素掃去剤、熱安定剤、UV安定剤などと配合できる。ポリエステルは同様に、これらの成分のそれぞれを個別でも混合物としても用いずに、配合できる。ポリエステルの性質又は製造プロセスに悪影響がほとんど又は全く起こらない場合には、添加剤は溶融相ポリエステル製造プロセスの間に導入することができる。製造プロセスへの導入点は、添加剤の熱安定性、その物理的形態、最も効率的な場所及び混合効率によって決まる。
本発明を一般的に記載したが、更なる理解は、本明細書中に単に説明の目的で記載し且つ特に断らない限り限定的なものではない、いくつかの具体例を参照することによって得ることができる。
例1
遊離AAは、固体粒子又はプレフォームについて測定できる。ポリエステルポリマー組成物中の遊離AAレベルの測定に使用する方法は、試験法ASTM#F2013−00である。この試験方法は、粒子、粉末、プレフォーム、ボトル及びポリエステルポリマー組成物が取ることができる任意の他の形態中の遊離アセトアルデヒドレベルの測定に使用される。残留アセトアルデヒド又は遊離アセトアルデヒドを測定するために、サンプルを以下の方法に従って試験する。
この試験をポリエステル粉末について行う場合には、以下のプロトコルに従う必要がある。ポリマーディスクは、引っ張った後取り扱いが安全になったらすぐに(約12分)液体窒素中に入れなければならない。AAは揮発性であるので、ポリマーは試験まで低温に保持しなければならない。これは、極低温でポリマーを粉砕すること、粉末が使用されていない場合には常に冷凍庫に貯蔵すること、及びドライアイスに載せて試験室に届けることを含む。AAは微細粉末からよりもペレット及びプレフォームからの方がゆっくりと拡散するであろうが、長時間、特に高温で長時間は、最初はそうではなかったとしても、残留AA数を低下させ得る。
プレフォーム、ペレット、粉末又は他の形態のいずれであっても、サンプルについて遊離アセトアルデヒドレベルを測定するための試験方法は、ASTM#F2013−00試験法である。サンプルを、1.0メッシュのスクリーンを装着したWiley Millを通して極低温で粉砕する。最終的な粉砕材料は、800μm未満の粒度を有する。サンプルの一部(0.20g)を、20mLのヘッドスペース・バイアル中に量り入れ、シールし、次いで150℃で60分間加熱する。加熱後、シールしたPETポリマーサンプルの上方のガスをキャピラリーGCカラム上に注入する。アセトアルデヒドを分離し、次いでサンプル中に存在するアセトアルデヒドのppmを計算する。計算したアセトアルデヒドの量は、サンプル中に存在する遊離又は残留アセトアルデヒドの量に相当する。
プレフォームについてのアセトアルデヒド発生度を測定するためには、プレフォームの製造によってペレットは射出成形前に押出機中で溶融されるので、更なる溶融履歴にプレフォームを供することなく、前述したこのASTM#F2013−00法を使用すれば充分である。溶融押出又は射出成形によって、ポリマーメルト中のAA前駆体はアセトアルデヒドに変わる可能性がある。
アセトアルデヒド発生度を固体粒子について測定できる。しかし、アセトアルデヒド発生を測定するためには、サンプルは第2の溶融履歴を経て、アセトアルデヒドの発生レベルを測定する必要がある。サンプルが、前の溶融相重縮合工程以外に溶融工程を経ていない粒子又は粉末である場合には、サンプルはまず、下記の「サンプル製造」手順に従って処理し、その後にサンプルを分析のためにASTM#F2013−00試験法に供する。
サンプル製造:アセトアルデヒド発生度を測定するためには、溶融相のみで製造されたサンプルが溶融相重縮合の後に溶融履歴を経ていない場合には、サンプルはこの方法に従って製造してから、ASTM#F2013−00試験に供する。3mmのスクリーンを通るように粉砕したポリマー粉末のサンプルを、オーブン中で真空(24〜30in.Hg)下で115℃において少なくとも48時間、4SCFHの窒素パージを行いながら加熱する。固相化サンプルに唯一必要とされるのが水の除去だけならば、一晩の乾燥で充分であろうが、この延長されたオーブン処理はまた、溶融相のみでの合成後であって且つAA発生試験の前の高IV粉末中に存在する残留AAを約1ppm又はそれ以下まで脱着させる働きをする。ペレットから残留AAを約1ppm又はそれ以下まで脱着させるには、粒度がより大きいため(拡散経路がより長いため)、より長い時間を要するであろう。残留アセトアルデヒドを所望のレベルまで低下させるのに充分な時間、ペレット上に高温不活性ガスを通すことを含む、アセトアルデヒドレベルを約1ppm又はそれ以下に低下させる任意の適当なアセトアルデヒド脱蔵法を、ペレットに使用できる。アセトアルデヒド脱蔵温度は170℃以下でなければならない。次に、予熱したTinius Olsen押出式可塑度計中に鋼棒を用いてサンプルを充填する。オリフィスダイをASTM D 1238に従って較正する。少量の材料を底部からパージし、次いで底部にプラグを差し込む。ピストンロッドアセンブリをバレルの上部に挿入する。225gのおもりをピストンロッドの上部に載せて、バレルの内部にロッドを押し下げることができる。ポリマーを295℃に5分間保持する。次に、オリフィスプラグをバレルの底部から取り外す。大きいおもりと操作圧力によって、押出物をバレルから氷水浴中に押出す。押出物をたたくようにして水気を取り、バッグ中にシールし、ASTM#F2013−00試験の実施まで冷凍庫に入れておく。
別法として、CEAST Model 7027 Modular Melt Flow計測器を用いる。計測器のファームウェア中に定義されたようにして295℃の温度を保持し且つ一定流速で溶融PET材料を5分間で押出すであろうAA発生プログラムを開始する。押出物をバレルから氷水浴中に押出しながら、サンプルを採取し、叩くようにして水気を取り、バッグ中にシールし、そしてASTM#F2013−00試験の実施まで冷凍庫に入れておく。
アセトアルデヒドは、Ceast Model 7027 Modular Melt Flow又は任意の同様な押出式可塑度計を用いてポリエステル樹脂中に発生させることができる。この計測器の自動機能は、押出バレル内部におけるポリマーの一貫した接触時間を保持することによって、試験のばらつきを減少させる。このモデルの計測器は、試験操作の開始時における樹脂の自動充填を組み込んでいる。この計測器は、ピストンがバレルの底部の上方の所定の高さとなるまでバレルから材料を押出す電動プラットフォームを装着している。次いで、このプラットフォームがピストンロッドを所定の位置に固定し、樹脂を昇温させ且つアセトアルデヒドを発生させるであろう。所定の保持時間の最後に、プラットフォームは、一定速度で移動しながら、バレルから樹脂の残りを押出す。これらの工程は、最終押出工程の間中、材料の充填による結果のばらつきの可能性を排除する。ポリマーの装填のばらつきはバレルの設計によって減少されるが、ポリマーの装填は自動化されていない。
アセトアルデヒドは前述のようにして265〜305℃の温度範囲にわたって発生させることができる。最も一貫した結果は275〜295℃において得られる。樹脂がバレル内部に保持される時間長は、2〜15分である場合に良好な結果を示す。5〜10分の範囲が、最良の再現性及び材料間の相違を示す。本発明に関して記載したAA発生数値には、295℃及び5分を用いた。
このアセトアルデヒド発生及び試験方法を用いることによって、ボトルプレフォームの成形のように評価に多量の材料に必要とすることなく、アセトアルデヒド発生についてのポリエステル樹脂のスクリーニングが可能になる。この方法ではわずか10gの材料を用いて、実験室サンプルの試験に理想的なものとすることができる。
他のポリマーパラメーターは標準法によって測定できる。アンチモン若しくはゲルマニウム及び/又は燐を含むPETサンプルを、螢光X線(XRF)によって元素レベルについて試験した。
カラー値(color value)は、粉砕して3mmのスクリーンを通過する粉末としたポリエステルポリマーについて測定する。測色は、拡散/8°(照明/視野角)の球形光学的形状を使用するHunterLab UltraScan XE(Hunter Associates Laboratory,Inc.,Reston VA)を用いて反射率(正反射率を含む)で実施した。結果は、D65光源及び10°の観察角(observer)によってCIELABスケールを用いて報告した。HunterLabの推奨基準に従って、分光光度計を定期的に標準化し、UV対照を使用して較正状態に保持した。球の汚染を最小にするために、光学ガラス・ポートプレートを反射ポートに取り付ける。粉末を光学ガラスセル中に入れる。セルは、ガラス前部を除いてメタリックグレイである。光学グレードのガラスはセルの前部から0.062”引っ込めて取り付けられ、ガラス自体は厚さが0.092”である。サンプル領域は深さ0.71”、幅1.92”及び高さ2.35”である。
サンプルを実験室用Mini−Vortexer(VWR International,West Chester,PA)を用いて20秒間振動させることによって、粉末を固く詰める。ガラスセルを反射ポートにぴったり付いた状態に保持し、黒い不透明のカバーで覆う。1回のセル充填について評価し、セルを取り出し、各サンプル当たり3回の反復測定のために交換する。報告値は、三重反復試験の平均としなければならない。
この説明全体を通して記載したIt.V.値は、フェノール60重量%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%中で25℃において測定したインヘレント粘度から計算して、dL/g単位で示してある。ポリマーサンプルは、溶媒中に0.25g/50mLの濃度で溶解させる。
ポリマー溶液の粘度は、Viscotek Modified Differential Viscometerを用いて測定する。示差粘度計(differential viscometer)の動作原理についての説明はASTM D 5225に記載されている。インヘレント粘度(inherent viscosity)は、測定した溶液粘度(solution viscosity)から計算する。下記式は、このような溶液粘度測定値と、Ih.V.までの及びIh.V.からIt.V.までのその後の計算値を記載する:
溶液粘度はポリエステルの組成及び分子量に関連する。下記式は、PETについての溶液粘度測定値及びその後の計算値を記載している。
各サンプルの未補正インヘレント粘度(ηinh)を、Viscotek Model Y501 Relative Viscometerから下記式:
ηinh=[ln(P2/KP1)]/C
[式中、P2=毛細管P2中の圧力
1=毛細管P1中の圧力
ln=自然対数
K=ベースラインの読み取り値から得られる粘度定数
C=ポリマーの濃度(溶媒100mL当たりのg)]
を用いて計算する。
極限粘度数(intrinsic viscosity)は、ポリマーの比粘度(specific viscosity)の無限稀釈における極限値である。これは以下の式によって定義される:
ηint=lim(ηsp/C)=lim ln(ηr/C)
0 C
[式中、ηint=極限粘度数
ηr=相対粘度(relative viscosity)= s /t0
ηsp=比粘度=ηr−1]。
計測器の較正は、標準対照材料を三重反復試験し、次いで適当な数式を適用して「許容」値を得ることを含む。較正に用いた3つの値は、0.010の範囲内とし;そうでなければ、この範囲内の3つの連続した結果が得られるまで、問題を解消し且つ標準の試験を繰り返すものとする。
較正係数=対照材料の許容Ih.V./三重反復測定値の平均
補正Ih.V.=計算Ih.V.×較正係数
極限粘度数(It.V.又は int)は、Billmeyer式を用いて以下のように概算できる:
ηint=0.5[e0.5×補正Ih.V.−1]+(0.75×補正Ih.V.)。
極限粘度数の概算(Billmeyer関係式)に関する参考文献は、J.Polymer Sci.,4,83−86頁(1949)である。
別法として、It.V.は、前記溶媒及び濃度を用いてRheotek Glass Capillary粘度計によって測定できる。この粘度計の動作原理についての説明はASTM D 4603に記載されている。
未補正インヘレント粘度(ηinh)は下記式を用いて計算する:
ηinh=[ln(ts/t0)]/C
[式中、ηinh=0.50g/100mL(フェノール60%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40%)のポリマー濃度における25℃でのインヘレント粘度
ln=自然対数
s=毛細管を通るサンプルの流下時間
0=毛細管を通る溶媒ブランクの流下時間
C=溶媒100mL当たりのポリマー(g)の濃度(0.50%)]。
概ねシス35%/トランス65%の1,4−シクロヘキサンジメタノール約1.5モル%を更に含む、テレフタル酸及びエチレングリコールから製造したPETオリゴマー(部分重縮合させたもの)のサンプルを重縮合に用いた。オリゴマーは更に、エステル化の間に発生したジエチレングリコールを約1.2重量%含む。このオリゴマーはプロトンNMR及びカルボキシ末端基についての滴定(500.2Meq/kg)による転化率が約95%であり、Mnが約766g/モル、Mwが1478g/モルである。
非晶質酸化ゲルマニウム(IV)はAldrichから購入した。非晶質酸化ゲルマニウム(IV)(0.440g)を含むボトルにMillipore濾過水を、酸化ゲルマニウム(IV)及び水の重量が合計62.531gに達するまで加えた。溶液は、Geが0.4885wt./wt.と計算された。混合物を溶解するまで撹拌した。そのうちに、非晶質酸化ゲルマニウム(IV)(0.466g)を含むボトルにMillipore濾過水を、酸化ゲルマニウム(IV)及び水の重量が合計66.086gに達するまで加えることによって、別の溶液を作成した。触媒混合物容器を、約50℃の水を含むソニケーター中に15分間入れ、触媒混合物が透明になった。この溶液は、Geが0.4895wt./wt.%と計算された。
重縮合のために、粉砕オリゴマー(103g)を0.5Lの一口丸底フラスコ中に量り入れる。非晶質酸化ゲルマニウム(IV)を、ポリエステル中で目標値に達するのに適当な量でオリゴマーに加えた。目標値は、Ge損失%を求めるためのバックグラウンドワークに基づいて、上方に調整した。316Lのステンレス鋼パドル撹拌機及びガラスポリマーヘッドをフラスコに取り付けた。パージホース及びサイドアームへのポリマーヘッドの取り付け後、2回の窒素パージを完了させた。重合反応器を、以下の配列(array)を実行するようにプログラムされたCAMILE(登録商標)自動化システムの制御下で運転する。2つの実験装置を用いるが、結果は、圧力、温度及び他の変数が同一の場合には同等であると見られる。
Figure 0005616062
表II中の温度=300℃の場合、すべての270を300に変更(285に対しても同じ)。
表II中の仕上げ機の真空=2トルの場合、段階12&13の0.2を2に変更(1.1の場合と同じ)。
Belmont金属の溶融浴をフラスコを取り囲むように上昇させ、CAMILE(登録商標)配列を実行する。この配列において、「傾斜(ramp)」は、所定の段階の時間の間の真空、温度又は撹拌速度の直線的変化と定義する。バックグランドトルクは段階4と5の間で測定する。有意な分子量増加の前に存在するバックグランドトルクについて補正を行う。段階6の終了後、真空レベルを140トルまで上昇させ、次いで2分の燐添加段階(段階8)が始まる。補正撹拌機トルクが目標値(所定の温度及びポリマーリグについて前もって設定)に3回達した時点で、仕上げ段階(13)を終了させる。ポリマーを周囲温度まで冷却する。
ポリマーを細断し、3mmのスクリーンを通るように粉砕する。粉砕したポリマーをアセトアルデヒド発生度(AAGen)、インヘレント粘度、L*、a*及びb*カラーについて分析する。
実施例及び比較例の重縮合パラメーターを以下の表IIに要約する。「Ref」と表示した例は、比較のために標準アンチモン触媒Sb約210ppm及びP 16ppmを用いた参照例であり、比較例である。エチレングリコール中のグリコール酸アンチモン(III)は0.45ミクロンのフィルターを通して濾過し、XRFによってSbが0.82wt./wt.であることがわかった。燐溶液は、オリゴマー燐酸トリエステル26.38g、n−ブタノール50.08g及びEG 181.5gを充分に混合することによって作成した。この溶液はXRFによってPが1.02wt./wt.であることがわかった。「C」が前に付いた例は、Ref例と同様に、Cが前に付いた例が触媒としてGeを含む以外は比較例である。
Figure 0005616062
実施例1及び2は異なるが同等の実験装置で実施し、仕上げ段階の間に使用した真空には差があった。
約75ppmのGe触媒を含み且つ0.2トルの圧力で実施した比較例1は結果として約32%のGe損失を生じた。同様な又は同量のGe触媒及び0.2トルの同一仕上げ機圧力において、270℃のより低い温度で行った実施例1は、Ge損失の改善を示し、損失が約5.7%となった。実施例1の仕上げ機滞留時間が比較例1中の滞留時間よりも長いにもかかわらず、これは事実である。
同様に約75ppmのGe触媒を用いる比較例2を2トルの仕上げ機圧力で実施し、結果として約34%のGe損失が生じた。同様な又は同一触媒レベル及び仕上げ機圧力であるがわずか270℃のより低温で実施した実施例2は、結果として約21%のGe損失を生じ、これは比較例2のGe損失よりも改善された。また、重縮合反応を実施例1のように0.2トルのより低圧で実施するとGe損失は更に改善されるであろうことが理解できる。
ゲルマニウム触媒の損失は可能な限り少なくするのが望ましい。ポリエステルを製造するための生産プロセスにおいて、ゲルマニウム触媒の損失をより少なくすることは、再循還する必要のあるゲルマニウム触媒がより少ないこと、従ってより経済的なプロセスを意味する。
比較例3は、前記例よりも多量(約225ppm)の触媒を用いて0.2トルの仕上げ機圧力において製造したポリエステルを示し、それは結果として約19%のGe損失を生じる。他方、同様な又は同量のGe触媒を用いて同一仕上げ機圧力において行った実施例3は、損失が実質的にないポリエステルポリマーを生じた。更に、AA発生度も改善された。
比較例4は、約225ppmの触媒を用いて2トルの仕上げ機圧力において製造したポリエステルを示し、それは結果として約30.5%のGe損失を生じる。他方、同様な又は同量のGe触媒を用いて同一仕上げ機圧力において行った実施例4は、損失が実質的にないポリエステルポリマーを生じた。更に、AA発生度も改善された。
C6〜C8の例は、中間のGeレベル、温度及び真空を用いて製造したポリエステルの結果を示す。
例中のアセトアルデヒド発生の数字は、特に驚くべきものである。Ge触媒の存在下で実施した重縮合には燐化合物を存在させなかったが、それにもかかわらず、AA発生の数値のいくつかは非常に低かった。この能力、即ち、触媒失活剤を添加することなく、溶融時にわずかのアセトアルデヒドを発生する、EGのみを含む高IV溶融相ポリエステルを生成する能力はGe触媒に特有のようである。燐化合物の添加の必要性をなくすと、燐化合物を購入しない点、及びまた、増加させなければならないIVの観点から、即ち、燐添加を用いる場合には、燐酸のようなある種の燐化合物の遅い添加によって引き起こされるIV低下のために増加させるIVは目標IVを超える必要があるが、この場合は増加させるIVは目標IVを超える必要がないであろう点で、コストが削減される。
270℃において行った重縮合は全て、同様な真空及び触媒レベル条件下でより高い温度において実施された重縮合よりもアセトアルデヒドの発生がはるかに低く、アンチモンで触媒された対照ポリマーよりもかなり低かった。いずれの場合にも、同様に、真空が高いほどアセトアルデヒドの発生が少ないポリマーが得られた。低AA発生度及び低Ge損失の点で最良の結果は、温度が低く、例えば270℃に保たれ且つ圧力も低く、例えば0.2トルに保たれた場合に得られた。
以下の例は、前述と同一のオリゴマーを用いる。段階12&13の真空を0.5トルとした以外は、表Iに記載した重縮合条件を大部分用いる。例13に関しては、エチレングリコール中グリコール酸アンチモン(III)を0.45ミクロンのフィルターを通して濾過し、XRFによってSbが0.79wt./wt.%であることがわかった。例10に関しては、前述のオリゴマー燐酸トリエステル溶液を段階8の間に添加した。
例12においては、燐酸溶液の遅れた添加を行い(Ge 112ppm/P 106ppm)、表IIIの配列を用いた。この配列は時間終了させる(トルクに基づいて終了させない)。段階9における仕上げ機の時間(141分)は、より早くトルク終了させたラン(例13)に由来する。燐酸溶液は、85%燐酸5.4338g及び超純水44.57gを量り且つ磁気攪拌することによって作成した。XRFによれば、この溶液はPが2.9wt./wt.%であった。この燐酸溶液を表III中の配列の段階11において加えた。ゲルマニウム溶液は、Alrdichからの非晶質二酸化ゲルマニウム(IV)0.8768及び水125.04gを量り且つ透明になるまで57℃において音波処理することによって作成した。この溶液は、Geが0.487wt./wt.であることが計算された。
結果を表IVに示す。
Figure 0005616062
Figure 0005616062
燐化合物の不存在下において、Geが100ppmのケースは、Sbが210ppmのケースよりも発生されるAAがはるかに少ない。重合の間における少量のオリゴマー燐酸トリエステルの添加(例10)は、例11及び14に比較して、重縮合速度を遅らせ且つGe損失%を増加させたようである。
例12においては、比較的薄い燐酸溶液を遅れて相当量添加することによって、IVが大きく低下した。より濃い燐酸溶液(可能な限り純粋に近い、即ち、可能な限り水又は溶媒が少ない)を用いると、より少ないIV低下が期待される。触媒失活剤の遅い添加は、触媒失活剤の早い添加に比べて、より速い重合速度を生じることができる。また、触媒失活剤の遅い添加は、失活剤を添加しない類似ケースに比較して、色を減少させ且つ/又は溶融時に発生するAAの量を低下させることができる。ゲルマニウム触媒の場合には、例11及び14に従って燐化合物を存在させないと、発生するAA量が少なかった。
全体的に見て、例10〜14は、P安定剤がない場合でも得られるGe損失が小さいこと、及びさらに小さいAA発生度を得ることができることを示している。
本発明の実施態様を例示し且つ説明したが、これらの実施態様は本発明の全ての可能な形態を例示及び説明するものではない。むしろ、本明細書中で用いた用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神及び範囲から逸脱しないならば、種々の変更が可能であることが理解される。
以下に本発明及びその関連の態様を示す。
態様1.仕上げ反応器中でゲルマニウム触媒の存在下、仕上げ反応器中における重縮合の間は少なくとも0.72dL/gの極限粘度数に達するまで実質的に285℃未満であり続ける温度設定値において、ポリエステルポリマーメルトを重縮合させることを含んでなるポリエステルポリマー粒子の製造方法。
態様2.少なくとも0.76dL/gの極限粘度数に達する態様1に記載の方法。
態様3.少なくとも0.80dL/gの極限粘度数に達する態様1に記載の方法。
態様4.前記仕上げ反応器の前記温度設定値が280℃又はそれ以下である態様1に記載の方法。
態様5.前記仕上げ反応器の前記温度設定値が275℃又はそれ以下である態様1に記載の方法。
態様6.前記仕上げ反応器の前記温度設定値が273℃又はそれ以下である態様1に記載の方法。
態様7.前記仕上げ反応器の前記温度設定値が270℃又はそれ以下である態様1に記載の方法。
態様8.前記仕上げ反応器の最低温度が少なくとも250℃である態様1〜7のいずれか1項に記載の方法。
態様9.前記仕上げ反応器中の重縮合反応を1トル又はそれ以下の圧力で実施する態様1〜7のいずれか1項に記載の方法。
態様10.前記仕上げ反応器中の重縮合反応が0.5トル又はそれ以下である態様1〜7のいずれか1項に記載の方法。
態様11.前記ゲルマニウム濃度が、製造されるポリエステルの重量に基づき、20〜250ppmの範囲である態様1に記載の方法。
態様12.前記ゲルマニウム濃度が50〜150ppmである態様11に記載の方法。
態様13.前記ポリエステル製造方法に供給するゲルマニウムの30%未満が仕上げ反応器から揮発される態様1に記載の方法。
態様14.前記ポリエステル製造方法に供給するゲルマニウムの15%又はそれ以下が仕上げ反応器から揮発される態様1に記載の方法。
態様15.前記ポリエステルポリマーが溶融時に発生した15ppm未満の量のアセトアルデヒドを含む態様1に記載の方法。
態様16.前記ポリエステルポリマーが溶融時に発生した10ppm又はそれ以下の量のアセトアルデヒドを含む態様5に記載の方法。
態様17.前記ポリエステルポリマーがエチレンテレフタレート反復単位を含む態様15に記載の方法。
態様18.前記ポリエステルポリマーが、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%及びヒドロキシル成分残基100モル%に基づき、
(i)少なくとも80モル%のテレフタル酸の残基を含むカルボン酸成分、及び
(ii)少なくとも80モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含んでなる態様1に記載の方法。
態様19.前記ポリエステルポリマーを結晶化させ、且つ仕上げ反応器中のポリエステルメルト又は結晶化前のポリエステルポリマーに、結晶化助剤を添加しない態様1に記載の方法。
態様20.前記ポリエステルポリマー粒子に、ゲルマニウム触媒失活のための処理を行わない態様1に記載の方法。
態様21.0.72dL/gのIt.V.が得られる前にポリエステルメルトに燐化合物を添加せず且つゲルマニウム触媒失活のための水処理を前記粒子に行わない態様20に記載の方法。
態様22.前記ポリエステルポリマー粒子を輸送コンテナに入れ且つ前記輸送コンテナ中のポリエステルポリマーが固相重合されていない態様20に記載の方法。
態様23.前記仕上げ反応器の前記温度設定値が260〜275℃であり且つ前記圧力が1トル未満である態様20に記載の方法。
態様24.前記仕上げ反応器中の圧力を0.8トル又はそれ以下に設定する態様23に記載の方法。
態様25.0.30dL/gから0.72dL/gの極限粘度数に達するのに必要な時間が3時間未満である態様23に記載の方法。
態様26.0.40dL/gから0.72dL/gの極限粘度数に達するのに必要な時間が3時間未満である態様23に記載の方法。
態様27.前記溶融相プロセスから得られるポリエステルポリマーの極限粘度数が0.72〜1.1dL/gである態様1に記載の方法。
態様28.ゲルマニウム含有蒸気相から揮発性ゲルマニウム触媒の一部を回収し、そして前記の回収ゲルマニウムの一部又は全てをポリエステルメルトの重縮合ゾーンに再循還させることを更に含む態様1に記載の方法。
態様29.前記溶融相製造プロセスの遅い段階で前記ポリマーメルトを275℃より高い温度及び4トル未満の圧力に供することによってゲルマニウム触媒の一部をポリエステルから除去し、ゲルマニウム含有オーバーヘッド相を回収し、そして前記回収ゲルマニウムの一部又は全てをポリエステルメルトの重縮合ゾーンに再循還させることを更に含む態様28に記載の方法。
態様30.前記回収温度が290〜305℃である態様28に記載の方法。
態様31.前記ポリエステルポリマーが、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分の残基100モル%及びヒドロキシル成分の残基100モル%に基づき、
(i)少なくとも80モル%のテレフタル酸の残基を含むカルボン酸成分、及び
(ii)少なくとも80モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含む態様1に記載の方法。
態様32.前記ポリマーメルトを、It.V.0.3dL/gとIt.V.0.72dL/gとの間で測定された3時間又はそれ以下の間に重縮合させる態様31に記載の方法。
態様33.前記ポリマーメルトを1.5時間又はそれ以下の間、重縮合させる態様32に記載の方法。
態様34.前記最終反応器の温度設定値が260℃〜275℃未満の範囲である態様32に記載の方法。
態様35.前記温度が260〜275℃の範囲である態様34に記載の方法。
態様36.前記最終反応器に適用する真空が0.1〜2.5トルの範囲である態様34に記載の方法。
態様37.前記ポリエステルポリマーを固相重合させない態様34に記載の方法。
態様38.前記ポリエステルポリマーのIt.V.が少なくとも0.74dL/gの範囲である態様37に記載の方法。
態様39.前記ポリエステルポリマーの結晶化度が少なくとも30%である態様38に記載の方法。
態様40.前記ポリエステルポリマーの残留アセトアルデヒドが5ppm又はそれ以下である態様39に記載の方法。
態様41.前記ポリエステルポリマーのアセトアルデヒド発生が13ppm又はそれ以下である態様40に記載の方法。
態様42.285℃未満の仕上げ反応器中の温度において実施した溶融相重合によって得られた少なくとも0.72dL/gのIt.V.を有し、少なくとも5ppmの量でゲルマニウムを含み且つ20ppm又はそれ以下のアセトアルデヒド発生度を有する完成ポリエステル粒子。
態様43.前記粒子が、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%及びヒドロキシル成分残基100モル%に基づき、
(i)少なくとも80モル%のテレフタル酸の残基を含むカルボン酸成分、及び
(ii)少なくとも80モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含む態様42に記載の完成粒子。
態様44.前記粒子が輸送コンテナ中にある態様43に記載の完成粒子。
態様45.前記輸送コンテナ中の粒子が固相重合されていない態様44に記載の完成粒子。
態様46.前記粒子にゲルマニウム触媒失活のための処理が行われていない態様45に記載の完成粒子。
態様47.前記粒子が、ポリエステルポリマーが0.72dL/gのIt.V.を得る前に添加される、燐を含まない態様46に記載の完成粒子。
態様48.前記粒子が少なくとも30%の結晶化度を有し且つ溶融相重縮合から得られた少なくとも0.76dL/gのIt.V.を有する態様47に記載の完成粒子。
態様49.前記粒子の残留アセトアルデヒドが5ppm未満である態様48に記載の完成粒子。
態様50.態様6、10、20、21、22、45及び46のポリエステルポリマーのいずれか1項から得られたプレフォーム。

Claims (10)

  1. 仕上げ反応器中でゲルマニウム触媒の存在下、仕上げ反応器中における重縮合の間は少なくとも0.72dL/gの極限粘度数に達するまで285℃未満であり続ける温度設定値において、ポリエステルポリマーメルトを重縮合させることを含んでなり、0.72dL/gの極限粘度数が得られる前に溶融状態のポリエステルに燐化合物を添加せず、そしてポリエステルポリマー粒子をゲルマニウム触媒を失活させるための水による処理を行わず、かつ、固相重合しない、ポリエステルポリマー粒子の製造方法。
  2. 少なくとも0.80dL/gの極限粘度数に達する請求項1に記載の方法。
  3. 前記仕上げ反応器の前記温度設定値が275℃又はそれ以下である請求項1に記載の方法。
  4. 前記仕上げ反応器の最低温度が少なくとも250℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記仕上げ反応器中の重縮合反応が0.5トル又はそれ以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ゲルマニウム濃度が、製造されるポリエステルの重量に基づき、20〜250ppmの範囲である請求項1に記載の方法。
  7. 前記ポリエステルポリマーが10ppm又はそれ以下の量のアセトアルデヒドを含む請求項3に記載の方法。
  8. 前記ポリエステルポリマーが、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%及びヒドロキシル成分残基100モル%に基づき、
    (i)少なくとも80モル%のテレフタル酸の残基を含むカルボン酸成分、及び
    (ii)少なくとも80モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
    を含んでなる請求項1に記載の方法。
  9. 前記溶融相プロセスから得られるポリエステルポリマーの極限粘度数が0.72〜1.1dL/gである請求項1に記載の方法。
  10. ゲルマニウム含有蒸気相から揮発性ゲルマニウム触媒の一部を回収し、そして前記の回収ゲルマニウムの一部又は全てをポリエステルメルトの重縮合ゾーンに再循還させることを更に含む請求項1に記載の方法。
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