JP2003160655A - ポリエステルの製造方法及びポリエステル繊維 - Google Patents
ポリエステルの製造方法及びポリエステル繊維Info
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Abstract
に紡糸しても口金付着物の発生量が非常に少なく、成形
性に優れているという優れた性能を有する、鮮明性の改
善されたポリエステルの製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリアルキレンテレフタレートを解重合
して得られたテレフタル酸ジメチルを使用し、触媒とし
て特定のチタン化合物と特定のリン化合物とをグリコー
ル中で加熱することにより得られた析出物を用いて重縮
合反応させたエチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステル。
Description
方法及び繊維に関し、さらに詳しくは、ポリアルキレン
テレフタレートを解重合し、回収して得られるテレフタ
ル酸ジメチルを原料として用い、特定のチタン化合物と
リン化合物とを含むポリエステル製造用触媒を用いて、
色調に優れ、紡糸口金を通して長時間連続的に紡糸して
も口金付着物の発生量が非常に少なく、成形性に優れて
いるという優れた性能を有する、鮮明性の改善されたポ
リエステルの製造方法及び繊維に関する。
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレ
ンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレー
トは、その機械的、物理的、化学的性能が優れているた
め、繊維、フィルム、その他の成形物に広く利用されて
いる。
常テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル
化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのようなテレフ
タル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸とエチレ
ンオキサイドとを反応さて、テレフタル酸のエチレング
リコールエステル及び/又はその低重合体を生成させ、
次いでこの反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱し
て所定の重合度になるまで重縮合反応させることによっ
て製造されている。
種類によって、反応速度および得られるポリエステルの
品質が大きく左右されることはよく知られている。ポリ
エチレンテレフタレートの重縮合触媒としては、アンチ
モン化合物が、優れた重縮合触媒性能を有し、かつ、色
調の良好なポリエステルが得られるなどの理由から最も
広く使用されている。
触媒として使用した場合、ポリエステルを長時間にわた
って連続的に溶融紡糸すると、口金孔周辺に異物(以
下、単に口金異物と称することがある。)が付着堆積
し、溶融ポリマー流れの曲がり現象(ベンディング)が
発生し、これが原因となって紡糸、延伸工程において毛
羽及び/又は断糸などを発生するという成形性の問題が
ある。
て、チタンテトラブトキシドのようなチタン化合物を用
いることも提案されているが、このようなチタン化合物
を使用した場合、上記のような、口金異物堆積に起因す
る成形性の問題は解決できるが、得られたポリエステル
自身が黄色く変色しており、また、溶融熱安定性も不良
であるという新たな問題が発生する。
化合物をポリエステルに添加して黄味を抑えることが一
般的に行われている。確かにコバルト化合物を添加する
ことによってポリエステルの色調(カラーb値)は改善
することができるが、コバルト化合物を添加することに
よってポリエステルの溶融熱安定性が低下し、ポリマー
の分解も起こりやすくなるという問題がある。
8−2229号公報には水酸化チタンを、また特公昭4
7−26597号公報にはα−チタン酸を、それぞれポ
リエステル製造用触媒として使用することが開示されて
いる。しかしながら、前者の方法では水酸化チタンの粉
末化が容易でなく、一方、後者の方法ではα−チタン酸
が変質し易いため、その保存、取り扱いが容易でなく、
したがっていずれも工業的に採用するには適当ではな
く、さらに、良好な色調(カラーb値)のポリマーを得
ることも困難である。
チタン化合物とトリメリット酸とを反応させて得られた
生成物を、また特開昭58−38722号公報にはチタ
ン化合物と亜リン酸エステルとを反応させて得られた生
成物を、それぞれポリエステル製造用触媒として使用す
ることが開示されている。確かに、この方法によれば、
ポリエステルの溶融熱安定性はある程度向上しているも
のの、得られるポリマーの色調(カラーb値)が十分な
ものではなく、したがってポリマー色調(カラーb値)
のさらなる改善が望まれている。口金異物を抑制するに
は、前記のように触媒としてアンチモンを使用しないこ
とが有効な手段であるが、アンチモンを使用しない方法
では、糸のカラーが低下してしまうため、従来は使用に
供することができなかった。
ず、かつ色相に優れたポリエステル繊維が求められてい
た。
タレート等のポリエステルは例えばボトル(PETボト
ル)などを回収して洗浄、粉砕後、再溶融して衣料など
を中心とした繊維製品に再生利用されている。しかしな
がら、市場から回収されてくるPETボトルなどのポリ
エステルは様々な不純物を含んでいる事が多く、品質な
ども異なっていることが多い為、特に長繊維などに再生
利用する場合、混入している不純物やポリマー品質差な
どの影響で製糸工程が不安定となり、効率よく再生繊維
を製造することが困難であるという問題を抱えていた。
従来技術が有していた問題点を解消し、色調に優れ、紡
糸口金を通して長時間連続的に紡糸しても口金付着物の
発生量が非常に少なく、成形性に優れているという優れ
た性能を有する、色相の改善されたポリエステル繊維を
提供することにある。更に本発明の他の目的はリサイク
ルされた原料を用いることにより、より環境に優しい繊
維製品を提供することにある。
術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。
ボン酸のエステル形成性誘導体とアルキレングリコール
とを、触媒の存在下にエステル交換反応、次いで重縮合
反応させて得られる、エチレンテレフタレートを主たる
繰り返し単位とするポリエステルポリマーの製造方法で
あって、該芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体
として、ポリアルキレンテレフタレートをメタノール解
重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチ
ルを、ポリエステルを構成する全酸成分を基準として7
0重量%以上使用し、かつ、触媒として、下記式(I)
で表されるチタン化合物と下記式(II)で表されるリ
ン化合物とを、チタン元素のモル数に対するリン元素の
モル数(P/Ti)が1〜4となる範囲とし、グリコー
ル中で加熱することにより得られた析出物を用いて重縮
合反応させることを特徴とする、ポリエステルの製造方
法によって達成される。
のいずれか記載の方法によって製造されたポリエステル
を溶融紡糸することによって得られる、ポリエステル繊
維によって達成される。
する。
カルボン酸のエステル形成性誘導体とアルキレングリコ
ールとを、触媒の存在下にエステル交換反応、次いで重
縮合反応させて得られる、エチレンテレフタレートを主
たる繰返し単位とするポリエステルである。このポリエ
ステルは、エチレンテレフタレート単位を構成する成分
以外の第3成分を共重合した、共重合ポリエチレンテレ
フタレートであってもよい。上記第3成分(共重合成
分)は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のいず
れでもよい。第3成分として好ましく用いられるジカル
ボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、イソフタル酸、フタル酸等のような芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン
ジカルボン酸等のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等のような脂環式ジカルボン酸等、
グリコール成分としては、トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール等が例示でき、これらは単独または二種以上を
使用することができる。
ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としてポリアルキ
レンテレフタレートを解重合することによって得られた
テレフタル酸ジメチルを、ポリエステルを構成する全酸
成分を基準として70重量%以上使用する必要がある。
としてはポリエチレンテレフタレートが好ましく、特に
回収されたボトル、回収されたポリエステル繊維製品、
回収されたポリエステルフィルム製品、更にはこれら製
品の製造工程において発生する屑ポリマーなど回収され
たポリエステルが好ましく用いられる。
重合することによって得られたテレフタル酸ジメチルが
70重量%未満の場合、最終的に得られるポリエステ
ル、あるいはポリエステル繊維中に含まれる成分の内、
回収されたテレフタル酸ジメチルに由来する成分の比率
が50%を下回ってしまう為、環境にやさしい製品であ
るという印象が弱くなり好ましくない。ポリアルキレン
テレフタレートを解重合することによって得られたテレ
フタル酸ジメチルは好ましくは80重量%以上、さらに
好ましくは90重量%以上である。
レートを解重合することによって得られたテレフタル酸
ジメチルの製造方法については特に限定はないが、例え
ば、ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコール
で解重合した後、メタノールでエステル交換反応し、得
られたテレフタル酸ジメチルを再結晶や蒸留で精製する
方法が挙げられる。
レートを解重合することによって得られたテレフタル酸
ジメチル中の不純物ついては、2−ヒドロキシテレフタ
ル酸の含有量が2ppm以下であることが好ましい。
て、下記一般式(I)で表されるチタン化合物と下記一
般式(II)で表されるリン化合物とをチタン元素のモ
ル数に対するリン元素のモル数(P/Ti)が1〜4と
なる範囲の組成で反応せしめたチタン/リン反応物を用
いて重合されている必要がある。
素のモル数(P/Ti)が1より小さい場合、得られる
ポリエステルの色調が、不良になり、かつその耐熱性が
低下することがあり好ましくなく、4より大きい場合、
ポリエステル生成反応に対する触媒活性が不十分になり
好ましくない。チタン元素のモル数に対するリン元素の
モル数(P/Ti)は1.2〜3.5の範囲が好まし
く、1.5〜3.0の範囲がさらに好ましい。
物成分(II)との触媒調製は、エチレングリコール中
で加熱反応されている必要があるが、反応方法としては
例えばリン化合物(II)からなる成分とエチレングリ
コールとを混合して、リン化合物成分の一部又は全部を
溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物成分(I)
を滴下し、反応系を0℃〜200℃の温度に30分間以
上、好ましくは60〜150℃の温度に40〜90分
間、加熱することによって行われる。この反応におい
て、反応圧力については格別の制限はなく、通常常圧下
で行われる。
物としては例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテ
トライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チ
タンテトラエトキシドなどのチタンテトラアルコキシド
や、オクタアルキルトリチタネート、ヘキサアルキルジ
チタネート、アルキルチタネート、酢酸チタン等を挙げ
ることができる。
としては式中のpが0の場合は、例えば、フェニルホス
ホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピ
ルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホ
ン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェ
ニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホス
ホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カル
ボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホ
スホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、
2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジ
カルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシ
フェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホ
スホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、
2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,
3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,
6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−
トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリ
カルボキシフェニルホスホン酸等を挙げることができる
が、中でもモノアリールホスホン酸が好ましい。
ホスフェート、モノエチルホスフェート、モノトリメチ
ルホスフェート、モノ−n−ブチルホスフェート、モノ
ヘキシルホスフェート、モノヘプチルホスフェート、モ
ノノニルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノ
ドデシルホスフェート、モノフェニルホスフェート、モ
ノベンジルホスフェート、モノ(4−ドデシル)フェニ
ルホスフェート、モノ(4−メチルフェニル)ホスフェ
ート、モノ(4−エチルフェニル)ホスフェート、モノ
(4−プロピルフェニル)ホスフェート、モノ(4−ド
デシルフェニル)ホスフェート、モノトリルホスフェー
ト、モノキシリルホスフェート、モノビフェニルホスフ
ェート、モノナフチルホスフェート、モノアントリルホ
スフェート等が挙げられる。
め下記式(III)の多価カルボン酸及び/又はその無
水物と反応させて使用する方法も好ましく用いられる。
その場合、チタン化合物と多価カルボン酸及び/又はそ
の無水物の反応モル比は(2:1)〜(2:5)の範囲
が好ましい。特に好ましい範囲は(1:1)〜(1:
2)である。
て、チタン元素量は全ジカルボン酸成分に対し2〜40
ミリモル%の範囲にあるように添加することが好まし
い。チタン元素量が2ミリモル%未満の場合は重合反応
が遅くなり、40ミリモル%を超える場合は得られるポ
リエステルの色調が、不良になり、かつその耐熱性が低
下することがあり好ましくない。チタン元素量は5〜3
5ミリモル%の範囲が好ましく、10〜30ミリモル%
の範囲がさらに好ましい。
又はその全量をエステル交換反応開始前に反応系内に添
加し、エステル交換反応と重縮合反応触媒とに兼用する
方法が好ましく採用される。
0.20MPaの加圧下にて実施する方法が好ましく、
エステル交換反応時の圧力がこの範囲内にあるときに
は、チタン化合物の触媒作用による反応の促進は十分に
進み、副生成物として発生するジエチレングリコールの
ポリマー中の含有量も抑制され、ポリマーの熱安定性等
の特性が向上する。
をエステル交換反応触媒として用いてエステル交換反応
を完了させた後、該チタン化合物の全量を添加して重縮
合反応を行なってもよいが、その場合、該チタン化合物
を添加する前に、該エステル交換反応触媒を、リン酸や
亜リン酸、あるいはこれらのエステル化合物で失活させ
ておく必要がある。
は、0.40〜0.80の範囲にあることが好ましく、
さらに0.45〜0.75、特に0.50〜0.70の
範囲が好ましい。固有粘度が0.40未満であると、繊
維の強度が不足するため好ましくない。他方、固有粘度
が0.80を越えると、原料ポリマーの固有粘度を過剰
に引き上げる必要があり不経済である。
は、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、顔料、染
料、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防
止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮
光剤、艶消剤等を添加してもよく、特に艶消剤として酸
化チタンなどは好ましく添加される。
製造方法としては特に限定はなく、従来公知のポリエス
テルを溶融紡糸する方法を用いることができるが、例え
ばポリエステルを270℃〜300℃の範囲で溶融紡糸
して製造することが好ましく、溶融紡糸の速度は400
〜5000m/分で紡糸することが好ましい。紡糸速度
がこの範囲にあると、得られる繊維の強度も十分なもの
であると共に、安定して巻き取りを行うこともできる。
また延伸はポリエステル繊維を巻き取ってから、あるい
は一旦巻き取ることなく連続的に延伸処理することによ
って、延伸糸を得ることができる。さらに本発明のポリ
エステル繊維には風合いを高める為に、アルカリ減量処
理も好ましく実施される。
おいて、紡糸時に使用する口金の形状について制限は無
く、円形、異形、中実、中空等のいずれも採用すること
ができる。
的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により何
等限定を受けるものではない。尚、2−ヒドロキシテレ
フタル酸ジメチル量、固有粘度、色相、ジエチレングリ
コール量、チタン含有量及び紡糸口金に発生する付着物
の層については、下記記載の方法により測定した。
ロキシテレフタル酸ジメチル量:テレフタル酸ジメチル
をアセトン溶媒に溶解し、ガスクロマトグラフィー(装
置:ヒューレット・パッカード社製HP5890、キャ
ピラリーカラム:J&W社製DB−17)及び、質量分
析は、GC−MASS(装置:ヒューレット・パッカー
ド社製、GC/質量検出器=HP6890/HP597
3、キャピラリーカラム:J&W社製DB−17)を使
用して定量した。
固有粘度は、35℃オルソクロロフェノール溶液にて、
常法に従って35℃において測定した粘度の値から求め
た。
値):ポリマー試料を290℃、真空下で10分間溶融
し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mm
のプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、該プレー
トを160℃、1時間乾燥結晶化処理後、色差計調整用
の白色標準プレート上に置き、プレート表面のカラーL
値及びb値を、ミノルタ(株)社製ハンター型色差計C
R−200を用いて測定した。L値は明度を示し、その
数値が大きいほど明度が高いことを示し、b値はその値
が大きいほど黄色味の度合いが大きいことを示す。
共重合量:抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、
ガスクロマトグラフィ−(日立製作所(株)社製「26
3−70」)を用い、常法に従って測定した。
物中のチタン金属濃度は、(株)リガク社製蛍光X線測
定装置3270を用いて測定した。
リエステルをチップとなし、これを290℃で溶融し、
孔径0.15mmφ、孔数12個の紡糸口金から吐出
し、600m/分で2日間紡糸し、口金の吐出口外縁に
発生する付着物の層の高さを測定した。この付着物層の
高さが大きいほど吐出されたポリエステルメルトのフィ
ラメント状流にベンディングが発生しやすく、このポリ
エステルの成形性は低くなる。すなわち、紡糸口金に発
生する付着物層の高さは、当該ポリエステルの成形性の
指標である。
200部を500mlセパラブルフラスコに投入し、更
に炭酸ソーダ1.5部、粉砕されたPETボトル等から
なるポリエチレンテレフタレート屑50部を投入し、撹
拌しながら昇温して、185℃とした。この状態を4時
間保持したところ、ポリエチレンテレフタレート屑は溶
解し解重合反応が完結した。得られた解重合物を減圧蒸
留で濃縮し、留分としてエチレングリコール150部回
収した。
炭酸ソーダ0.5部とMeOH100部を投入し、常圧
で液温を75℃、1時間撹拌し、エステル交換反応を実
施した。
ス製フィルターで濾過した。フィルター上に回収できた
粗テレフタル酸ジメチルを100部のMeOH中に投入
し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィル
ターで濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
ジメチルを蒸留装置に仕込み、圧力6.65kPa還流
比0.5の条件で減圧蒸留を実施し、留分としてテレフ
タル酸ジメチルを得た。留分は47部回収できた。釜残
を測定しテレフタル酸ジメチル量を測定すると2部であ
り、投入したポリエステルを基準にするとテレフタル酸
ジメチルの反応率は93重量%であった。
メチル中には、2−ヒドロキシテレフタル酸ジメチルが
0.5重量ppm検出された。精製された回収テレフタ
ル酸ジメチルの品質は、純度99.9重量%以上であっ
た。
量部中にフェニルホスホン酸3.6重量部を120℃に
10分間加熱して溶解した。このエチレングリコール溶
液134.5重量部に、さらにエチレングリコール40
重量部を加えた後、これにチタンテトラブトキシド3.
8重量部を溶解させた。得られた反応系を120℃で6
0分間撹拌し、チタン化合物とフェニルホスホン酸とを
反応させ、反応生成物を含む触媒の白色スラリーを得
た。この触媒スラリーのチタン含量は0.3重量%、チ
タン元素のリン元素に対するモル比(P/Ti)は2.
0であった。
量部に無水トリメリット酸0.8重量部を溶解し、この
溶液にチタンテトラブトキシド0.7重量部(無水トリ
メリット酸のモル量を基準として0.5mol%)を滴
下し、この反応系を空気中、常圧下、80℃に60分間
保持してチタンテトラブトキシドと無水トリメリット酸
とを反応させ、反応生成物を熟成させた。その後反応系
を常温に冷却し、これにアセトン15重量部を加え、析
出物をNo.5ろ紙で濾過し、採取し、これを100℃
の温度で2時間乾燥した。得られた反応生成物のチタン
含有量は11.2重量%であった。
にフェニルホスホン酸3.6重量部を120℃に10分
間加熱して溶解した。このエチレングリコール溶液13
4.5重量部に、さらにエチレングリコール40重量部
を加えた後、これに上記チタン化合物5.0重量部を溶
解させた。得られた反応系を120℃で60分間撹拌
し、チタン化合物とフェニルホスホン酸とを反応させ、
反応生成物を含む触媒の白色スラリーを得た。この触媒
スラリーのチタン含量は0.3重量%、チタン元素のリ
ン元素に対するモル比(P/Ti)は2.0であった。
量部中にモノ−n−ブチルホスフェート3.5重量部を
120℃に10分間加熱して溶解した。このエチレング
リコール溶液134.5重量部に、さらにエチレングリ
コール40重量部を加えた後、これにチタンテトラブト
キシド3.8重量部を溶解させた。得られた反応系を1
20℃で60分間撹拌し、チタン化合物とモノ−n−ブ
チルホスフェートとを反応させ、反応生成物を含む触媒
の白色スラリーを得た。この触媒スラリーのチタン含量
は0.3重量%、チタン元素のリン元素に対するモル比
(P/Ti)は2.0であった。
量部に無水トリメリット酸0.8重量部を溶解し、この
溶液にチタンテトラブトキシド0.7重量部(後記ポリ
エステルの製造に用いられる無水トリメリット酸のモル
量を基準として0.5mol%)を滴下し、この反応系
を空気中、常圧下、80℃に60分間保持してチタンテ
トラブトキシドと無水トリメリット酸とを反応させ、反
応生成物を熟成させた。その後反応系を常温に冷却し、
これにアセトン15重量部を加え、析出物をNo.5ろ
紙で濾過し、採取し、これを100℃の温度で2時間乾
燥した。得られた反応生成物のチタン含有量は11.2
重量%であった。
にモノ−n−ブチルホスフェート3.5重量部を120
℃に10分間加熱して溶解した。このエチレングリコー
ル溶液134.5重量部に、さらにエチレングリコール
40重量部を加えた後、これに上記チタン化合物5.0
重量部を溶解させた。得られた反応系を120℃で60
分間撹拌し、チタン化合物とモノ−n−ブチルホスフェ
ートとを反応させ、反応生成物を含む触媒の白色スラリ
ーを得た。この触媒スラリーのチタン含量は0.3重量
%、チタン元素のリン元素に対するモル比(P/Ti)
は2.0であった。
ル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部との
混合物に、参考例2で調製したチタン触媒1.64部を
撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設け
た反応器に仕込み、140℃から240℃に昇温しなが
らエステル交換反応させた。
85℃まで昇温し、26.67Pa以下の高真空で重縮
合反応を行って、固有粘度0.63、ジエチレングリコ
ール量が0.7重量%であるポリエステルを得た。
化し、乾燥した。次にこの乾操したチップを用い、常法
に従って333dtex/36filの原糸を作り、
4.0倍に延伸して83.25dtex/36filの
マルチフィラメントを得た。結果を表1に示す。
いて、チタン化合物を表1記載のとおりに変更したこと
以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
ル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部との
混合物に、参考例2で調製したチタン触媒0.411部
を加圧反応が可能な撹拌機、精留塔及びメタノール留出
コンデンサーを設けた容器に仕込み、0.07MPaの
加圧を行い140℃から240℃に昇温しながらエステ
ル交換反応させた。
85℃まで昇温し、26.67Pa以下の高真空で重縮
合反応を行って、固有粘度0.63、ジエチレングリコ
ール量が0.9重量%であるポリエステルを得た。
化し、乾燥した。次にこの乾操したチップを用い、常法
に従って333dtex/36filの原糸を作り、
4.0倍に延伸して83.25dtex/36filの
マルチフィラメントを得た。結果を表1に示す。
て、チタン化合物を表1記載のとおりに変更したこと以
外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
ル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部との
混合物に、エステル交換反応触媒として二酢酸マンガン
四水和物0.0315部を撹拌機、精留塔及びメタノー
ル留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃
から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた。
ン酸トリメチル0.0202部、重合触媒として三酸化
二アンチモン0.0405部を添加し、反応生成物を重
合容器に移し、285℃まで昇温し、26.67Pa以
下の高真空で重縮合反応を行って、固有粘度0.63、
ジエチレングリコール量が0.7重量%であるポリエス
テルを得た。
化し、乾燥した。次にこの乾操したチップを用い、常法
に従って333dtex/36filの原糸を作り、
4.0倍に延伸して83.25dtex/36filの
マルチフィラメントを得た。結果を表1に示す。
媒として使用する際の欠点であった色相の悪化を解消
し、ポリエステルが持つ、優れた特性を保持しながら、
色相が優れたポリエステル繊維を提供することができ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘
導体とアルキレングリコールとを、触媒の存在下にエス
テル交換反応、次いで重縮合反応させて得られる、エチ
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエ
ステルポリマーの製造方法であって、 該芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体として、
ポリアルキレンテレフタレートをメタノール解重合して
得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルを、ポ
リエステルを構成する全酸成分を基準として70重量%
以上使用し、かつ、触媒として、下記式(I)で表され
るチタン化合物と下記式(II)で表されるリン化合物
とを、チタン元素のモル数に対するリン元素のモル数
(P/Ti)が1〜4となる範囲とし、グリコール中で
加熱することにより得られた析出物を用いて重縮合反応
させることを特徴とする、ポリエステルの製造方法。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 リサイクルされたテレフタル酸ジメチル
がポリエチレンテレフタレートを解重合して回収された
テレフタル酸ジメチルである、請求項1記載のポリエス
テルの製造方法。 - 【請求項3】 テレフタル酸ジメチル中に不純物として
含まれる2−ヒドロキシテレフタル酸の含有量が2pp
m以下である、請求項2記載のポリエステルの製造方
法。 - 【請求項4】 式(II)中のpの数値が0であるリン
化合物を用いる、請求項1記載のポリエステルの製造方
法。 - 【請求項5】 リン化合物がモノアリールホスホン酸で
ある請求項2記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項6】 式(II)中のpの数値が1であるリン
化合物を用いる、請求項1記載のポリエステルの製造方
法。 - 【請求項7】 リン化合物がモノアルキルホスフェート
である、請求項4記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項8】 前記式(I)のチタン化合物が、チタン
テトラアルコキシド類、オクタアルキルトリチタネート
類、及びヘキサアルキルジチタネート類から選ばれるポ
リエステル製造用触媒を用いる、請求項1記載のポリエ
ステルの製造方法。 - 【請求項9】 前記式(I)のチタン化合物を予め下記
一般式(III)の多価カルボン酸及び/又はその酸無
水物と反応モル比(2:1)〜(2:5)の範囲の組成
で反応させた後、前記式(II)のリン化合物と反応さ
せる、請求項1記載のポリエステルの製造方法。 【化3】 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか記載の方法に
よって製造されたポリエステルを溶融紡糸することによ
って得られる、ポリエステル繊維。
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