JP2000143789A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2000143789A
JP2000143789A JP10319166A JP31916698A JP2000143789A JP 2000143789 A JP2000143789 A JP 2000143789A JP 10319166 A JP10319166 A JP 10319166A JP 31916698 A JP31916698 A JP 31916698A JP 2000143789 A JP2000143789 A JP 2000143789A
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titanium
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polyester
carbonate
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JP10319166A
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English (en)
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Hideshi Hori
秀 史 堀
Kenzaburo Fukutani
谷 健三郎 福
Junichi Imuda
淳 一 伊牟田
Kazuo Toyoda
田 一 夫 豊
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い触媒活性で、芳香族ジカルボン酸類と脂肪
族ジオール類とを重縮合できるポリエステルの製造方法
を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形
成性誘導体とエステル化し、重縮合触媒の存在下に重縮
合させてポリエステルを製造するに際して、重縮合触媒
として(i)チタン化合物と、(ii)アルミニウム化合物、
バリウム化合物、コバルト化合物、マグネシウム化合
物、マンガン化合物、ストロンチウム化合物、亜鉛化合
物、アルカリ金属化合物、およびリン化合物から選ばれ
る少なくとも1種の化合物とからなる触媒を用いるポリ
エステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ボトルをはじめとするフ
ィルム、シート成形用などの用途に好適に用いられるポ
リエステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、高い重
合速度で芳香族ジカルボン酸類と、脂肪族ジオール類と
を重縮合することができるようなポリエステルの製造方
法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエステル、特にポリエチレン
テレフタレート(PET)は、機械的強度、耐熱性、透
明性およびガスバリア性に優れており、ジュース、清涼
飲料、炭酸飲料等の飲料充填容器の素材として好適に使
用されている。
【0003】このようなポリエステルは、通常、芳香族
ジカルボン酸などのジカルボン酸類とエチレングリコー
ルなどのジヒドロキシ化合物類とを原料として製造され
る。具体的には、まず、芳香族ジカルボン酸類と脂肪族
ジオール類とのエステル化反応により低次縮合物(エス
テル低重合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下に
この低次縮合物を脱グリコ−ル反応(液相重縮合)させ
て、高分子量化したのち、さらに固相重縮合を行って、
製造される。
【0004】こうして製造されたポリエステルは、一般
に射出成形機などの成形機に供給して中空成形体プリフ
ォームを成形したのち、プリフォームを所定形状の金型
に挿入し延伸ブロー成形して中空成形容器に成形されて
いる。
【0005】ところで上記のようなポリエステルの製造
方法では、重縮合触媒として、従来、アンチモン化合
物、ゲルマニウム化合物などが使用されている。しかし
ながら、アンチモン化合物を使用した場合には、ゲルマ
ニウム化合物を使用する場合に比べ、得られるポリエス
テルが耐熱性、透明性の点で、若干問題があった。
【0006】また、ゲルマニウム化合物はかなり高価で
あるため、ポリエステルの製造コストが高くなるという
問題があり、製造コストを下げるために、たとえば重合
時に飛散するゲルマニウム化合物を回収して再利用する
などのプロセス上の改良が検討されている。
【0007】本発明者は、上記のような従来技術を鑑み
てポリエステル製造時の重縮合触媒について鋭意研究し
たところ、重縮合触媒として、(i)チタン化合物と、(i
i)アルミニウム化合物、バリウム化合物、コバルト化合
物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、ストロンチ
ウム化合物、亜鉛化合物、アルカリ金属化合物およびリ
ン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とからな
る触媒を用いることによって、高価なゲルマニウム化合
物を使用しなくとも、高い触媒活性でポリエステルを製
造できることを見いだして、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】
【発明の目的】本発明は、高い触媒活性で、芳香族ジカ
ルボン酸類と脂肪族ジオール類とを重縮合できるポリエ
ステルの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリエステルの製造方法
は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体
とをエステル化し、重縮合触媒の存在下に重縮合させて
ポリエステルを製造するに際して、重縮合触媒として
(i)チタン化合物と、(ii)アルミニウム化合物、バリウ
ム化合物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、マン
ガン化合物、ストロンチウム化合物、亜鉛化合物、アル
カリ金属化合物およびリン化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物とからなる触媒を用いることを特徴とし
ている。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明のポリエステルの製
造方法について具体的に説明する。重縮合触媒 まず、本発明に係るポリエステルの製造方法で使用する
重縮合触媒について説明する。
【0011】本発明では、重縮合触媒として(i)チタン
化合物と(ii)アルミニウム化合物、バリウム化合物、コ
バルト化合物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、
ストロンチウム化合物、亜鉛化合物、アルカリ金属化合
物およびリン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合
物とからなる触媒を使用する。
【0012】チタン化合物として、具体的には、チタン
ブトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタ
ンアルコキシド、チタンのアセチルアセトナート塩など
の有機チタン化合物、チタンアルコキシドの加水分解に
より得られるチタン酸化物などが使用される。またチタ
ン化合物として、チタンアルコキシドと、ケイ素アルコ
キシドまたはジルコニウムアルコキシドとの混合物の加
水分解により得られるチタンとケイ素またはジルコニウ
ムとの共沈殿酸化物を使用することもできる。このう
ち、特にチタンテトラブトキシドが好ましく使用され
る。
【0013】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウムなどの脂肪酸アルミニウム塩、炭酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、アルミニウムのアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸アルミニウムまたは
炭酸アルミニウムが好ましい。
【0014】バリウム化合物としては、酢酸バリウムな
どの脂肪酸バリウム塩、炭酸バリウム、塩化バリウム、
バリウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸バリウムまたは炭酸バリウムが好ましい。
【0015】コバルト化合物としては、酢酸コバルトな
どの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、
コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
【0016】マグネシウム化合物としては、酢酸マグネ
シウムなどの脂肪酸マグネシウム塩、炭酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、マグネシウムのアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸マグネシウムまたは
炭酸マグネシウムが好ましい。
【0017】マンガン化合物としては、酢酸マンガンな
どの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、
マンガンのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸マンガンまたは炭酸マンガンが好ましい。
【0018】ストロンチウム化合物としては、酢酸スト
ロンチウムなどの脂肪酸ストロンチウム塩、炭酸ストロ
ンチウム、塩化ストロンチウム、ストロンチウムのアセ
チルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸ストロン
チウムまたは炭酸ストロンチウムが好ましい。
【0019】亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛などの脂肪
酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸亜鉛または炭酸亜鉛
が好ましい。
【0020】アルカリ金属化合物としては、酢酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸セシウム、炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸セシウムを使用することが好まし
い。
【0021】また、リン化合物としては、リン酸塩また
は亜リン酸塩が好ましく使用される。リン酸塩として
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期律表第4周
期の遷移金属、ジルコニウム、ハフニウム、およびアル
ミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩
が使用され、具体的にはリン酸リチウム、リン酸二水素
リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸ナトリウム、
リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リ
ン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カ
リウム、リン酸ストロンチウム、リン酸二水素ストロン
チウム、リン酸水素二ストロンチウム、リン酸ジルコニ
ウム、リン酸バリウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜
鉛などが挙げられる。このうち、特にリン酸ナトリウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水
素二カリウムが好ましく使用される。
【0022】また、亜リン酸塩としては、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、周期律表第4周期の遷移金属、
ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムから選
ばれる少なくとも1種の金属の亜リン酸塩が使用され、
具体的には、亜リン酸リチウム、亜リン酸ナトリウム、
亜リン酸カリウム、亜リン酸ストロンチウム、亜リン酸
ジルコニウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸アルミニウ
ム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。このうち、特に亜
リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウムが、好ましく使用
される。
【0023】以上のような(ii)アルミニウム化合物、バ
リウム化合物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、
マンガン化合物、ストロンチウム化合物、アルカリ金属
化合物、亜鉛化合物およびリン化合物から選ばれる少な
くとも1種の化合物は、2種以上使用してもよい。
【0024】本発明で使用する重縮合触媒中の(i)チタ
ン化合物と、(ii)アルミニウム化合物、バリウム化合
物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、マンガン化
合物、ストロンチウム化合物、亜鉛化合物、アルカリ金
属化合物およびリン化合物から選ばれる少なくとも1種
の化合物とのモル比(i)/(ii)は、金属原子換算で50/
1〜1/50、好ましくは20/1〜1/10であるこ
とが望ましい(リン化合物として、リン酸塩や亜リン酸
塩を使用する場合もリン化合物に含まれている金属原子
換算)。
【0025】このような重縮合触媒は、芳香族ジカルボ
ン酸に対して、該重縮合触媒中の金属原子換算で、(i)
チタン化合物が0.001〜0.2モル%、好ましくは0.002〜
0.1モル%、(ii)アルミニウム化合物、バリウム化合
物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、マンガン化
合物、ストロンチウム化合物、亜鉛化合物、アルカリ金
属化合物およびリン化合物から選ばれる少なくとも1種
の化合物が0.005〜0.3モル%、好ましくは0.010〜0.2モ
ル%の量で使用することが望ましい。
【0026】本発明のように、重縮合触媒として、(i)
チタン化合物と、(ii)アルミニウム化合物、バリウム化
合物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、マンガン
化合物、ストロンチウム化合物、亜鉛化合物、アルカリ
金属化合物およびリン化合物から選ばれる少なくとも1
種の化合物とを併用することによって、高い重合活性
で、芳香族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類との重縮
合反応を行うことができる。
【0027】ポリエステルの製造方法 本発明に係るポリエステルの製造方法は、エステル化工
程と重縮合工程を含み、上記のような重縮合触媒を使用
すること以外には、特に限定されるものではない。
【0028】このようなプロセスにおいて、上記重縮合
触媒は、重縮合反応時に存在すればよく、重縮合工程、
エステル化工程、原料スラリー調製工程などのいずれの
工程に、同時にまたは別工程に分けて添加されもよい。
また予め(i)チタン化合物と(ii) アルミニウム化合物、
バリウム化合物、コバルト化合物、マグネシウム化合
物、マンガン化合物、ストロンチウム化合物、亜鉛化合
物、アルカリ金属化合物、およびリン化合物から選ばれ
る少なくとも1種の化合物とを反応させて調製した触媒
を用いてもよい。
【0029】本発明においては公知の添加剤、例えば、
安定剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤、染顔料などの着
色剤をポリエステル製造時のいずれかの段階で添加して
もよい。これらの添加剤は、成形加工前、マスターバッ
チにより添加したものでもよい。なお、こうして得られ
るポリエステル組成物は溶融成形してボトル、シート、
フィルム等に使用される。 [使用原料]本発明に係るポリエステルの製造方法は、
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を
原料として用いる。
【0030】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸等が挙げられる。
【0031】脂肪族ジオール類としては、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コールなどが挙げられる。
【0032】本発明では、たとえば、テレフタル酸とエ
チレングリコールとを用いてホモポリエチレンテレフタ
レートを製造してもよく、また、テレフタル酸およびテ
レフタル酸以外のジカルボン酸と、エチレングリコール
およびエチレングリコール以外のジオールとを用いて、
共重合ポリエステルを製造することもできる。
【0033】また、本発明では、芳香族ジカルボン酸と
ともにアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料とし
て使用することもできる。
【0034】さらにまた、脂肪族ジオールとともに、シ
クロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビ
スフェノール、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパン類の芳香族ジオールな
どを原料として使用することもできる。
【0035】本発明の製造方法では、回分方式、連続方
式のいずれを採用することができる。以下、連続方式の
製造方法の一例について説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。 [エステル化工程]まず、ポリエステルを製造するに際
して、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導
体とをエステル化反応させる。
【0036】具体的には、芳香族ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはその
エステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。こ
のようなスラリーには芳香族ジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体1モルに対して、1.005〜1.4モル、
好ましくは1.01〜1.3モルの脂肪族ジオールまたはその
エステル形成性誘導体が含まれる。このスラリーは、エ
ステル化反応工程に連続的に供給される。
【0037】エステル化反応は、好ましくは少なくとも
2個の反応器を直列に連結した装置を用いて、脂肪族ジ
オールが還流する条件下で、反応によって生成した水を
精留塔で系外に除去しながら行う。
【0038】エステル化反応工程を多段で実施する場
合、第1段目のエステル化反応は、通常、反応温度240〜
270℃、好ましくは245〜265℃であり、圧力0.2〜3kg/cm
2G、好ましくは0.5〜2kg/cm2Gの条件下で行われ、また
最終段目のエステル化反応は、通常、反応温度250〜280
℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が0〜1.5kg/cm2
G、好ましくは0〜1.3kg/cm2Gの条件下で行われる。
【0039】したがってエステル化反応を2段階で実施
する場合には、第1段目および第2段目のエステル化反応
条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施す
る場合には、第2段目から最終段の1段前までエステル化
反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目との反
応条件の間の条件であればよい。
【0040】たとえば、エステル化反応が3段階で実施
される場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度
は通常245〜275℃、好ましくは250〜270℃であり、圧力
は通常0〜2kg/cm2G、好ましくは0.2〜1.5kg/cm2Gであれ
ばよい。
【0041】これらの各段におけるエステル化反応率
は、特に制限はされないが、各段階におけるエステル化
反応率の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ま
しく、さらに最終段目のエステル化反応生成物において
は通常90%以上、好ましくは93%以上に達することが望
ましい。
【0042】このエステル化工程により、芳香族ジカル
ボン酸と脂肪族ジオールとのエステル化物(低次縮合
物)が得られ、この低次縮合物の数平均分子量は、500
〜5000程度である。
【0043】このようなエステル化反応は、芳香族ジカ
ルボン酸および脂肪族ジオールなどの原料以外に、トリ
エチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ベンジルジメチ
ルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモ
ニウム、水酸化テトラ-n-ブチルアンモニウム、水酸化
テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ-n-ブチルア
ンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムな
どの水酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩
基性化合物を添加してもよく、また前記した重縮合触媒
の共存下に行うことも可能である。
【0044】このような塩基性化合物の存在下に、例え
ばテレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化反
応させると、ジオキシエチレンテレフタレート成分単位
の含有量の少ないポリエチレンテレフタレートを得るこ
とができる。
【0045】上記のようなエステル化工程で得られた低
次縮合物は、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給され
る。 [液相重縮合工程]液相重縮合工程においては、上記し
た重縮合触媒の存在下に、エステル化工程で得られた低
次縮合物を、減圧下で、かつポリエステルの融点以上の
温度(通常250〜280℃)に加熱することにより重縮合させ
る。なお、この重縮合反応では、未反応の脂肪族ジオー
ルを反応系外に留去させながら行われることが望まし
い。
【0046】重縮合反応は、1段階で行ってもよく、複
数段階に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が複
数段階で行われる場合には、第1段目の重縮合反応は、
反応温度250〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力500
〜20torr、好ましく200〜30torrの条件下で行われ、最
終段の重縮合反応は、反応温度265〜300℃、好ましくは
270〜295℃、圧力10〜0.1torr好ましくは5〜0.5torrの
条件下で行われる。
【0047】重縮合反応を3段階以上で実施する場合に
は、第2段目から最終段目の1段前までの重縮合反応は、
上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の条
件で行われる。たとえば、重縮合工程が3段階で行われ
る場合には、第2段目の重縮合反応は、通常、反応温度
260〜295℃、好ましくは270〜285℃で、圧力50〜2tor
r、好ましくは40〜5torrの条件下で行われる。
【0048】このような重縮合反応では、前記したよう
に、重縮合触媒が、芳香族ジカルボン酸に対して、該重
縮合触媒中の金属原子換算で、(i)チタン化合物が0.001
〜0.2モル%、好ましくは0.002〜0.1モル%、(ii)アル
ミニウム化合物、バリウム化合物、コバルト化合物、マ
グネシウム化合物、マンガン化合物、ストロンチウム化
合物、亜鉛化合物およびリン化合物から選ばれる少なく
とも1種の化合物が0.005〜0.3モル%、好ましくは0.01
0〜0.2モル%の量で含まれていることが望ましい。
【0049】このような重縮合触媒は、重縮合反応時に
存在していれば、いずれの工程で添加してもよい。ま
た、重縮合反応は、安定剤の共存下で行われることが望
ましい。安定剤としては、具体的に、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスフ
ァイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフ
ェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、メチル
アシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、
イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホ
スフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフ
ェート、ジオクチルホスフェート等のリン酸エステルお
よびリン酸、ポリリン酸などの有機リン化合物が挙げら
れる。
【0050】このような有機リン化合物の添加量は、芳
香族ジカルボン酸に対して、該リン化合物中のリン原子
換算で、0.005〜0.2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル
%の量であることが望ましい。
【0051】以上のような液相重縮合工程で得られるポ
リエステルの極限粘度[IV]は0.40〜1.0dl/g、好ま
しくは0.50〜0.90dl/gであることが望ましい。なお、こ
の液相重縮合工程の最終段目を除く各段階において達成
される極限粘度は特に制限されないが、各段階における
極限粘度の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好
ましい。
【0052】なお、本明細書において、極限粘度は、ポ
リエステル1.2gをo-クロロフェノール15cc中に加熱溶解
した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出さ
れる。
【0053】この液相重縮合工程で得られるポリエステ
ルは、通常、溶融押し出し成形されて粒状(チップ状)に
成形される。 [固相重縮合工程]この液相重縮合工程で得られるポリ
エステルは、所望によりさらに固相重縮合してもよい。
【0054】固相重縮合工程に供給される粒状ポリエス
テルは、予め固相重縮合を行なう場合の温度より低い温
度に加熱して予備結晶化を行なった後、固相重縮合工程
に供給してもよい。
【0055】このような予備結晶化は、粒状ポリエステ
ルを乾燥状態で通常、120〜200℃、好ましくは130〜180
℃の温度に1分から4時間加熱することによって行なうこ
とができる。またこのような予備結晶化は、粒状ポリエ
ステルを、水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気
下、あるいは水蒸気含有空気雰囲気下、120〜200℃の温
度で1分間以上加熱することによって行なうこともでき
る。
【0056】予備結晶化されたポリエステルは、結晶化
度が20〜50%であることが望ましい。なお、この予備結
晶化処理によっては、いわゆるポリエステルの固相重縮
合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエステルの極
限粘度は、液相重縮合後のポリエステルの極限粘度とほ
ぼ同じであり、予備結晶化されたポリエステルの極限粘
度と予備結晶化される前のポリエステルの極限粘度との
差は、通常0.06dl/g以下である。
【0057】固相重縮合工程は、少なくとも1段からな
り、温度が190〜230℃、好ましくは195〜225℃であり、
圧力が1kg/cm2G〜10Torr、好ましくは常圧から100Torr
の条件下で、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行われる。使用する不活性ガスとしては窒
素ガスが望ましい。
【0058】このようにして得られた粒状ポリエステル
の極限粘度は、通常0.60〜1.00dl/gであり、好ましくは
0.75〜0.95dl/gであることが望ましい。
【0059】
【発明の効果】本発明に係るポリエステルの製造方法に
よれば、従来から重縮合触媒として使用されていたゲル
マニウム化合物を使用しなくても、短時間で重縮合反応
を完了することができる。したがって、触媒として使用
するゲルマニウム化合物の量を少なくすることできるの
で、ポリエステルの製造コストを下げることができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。
【0061】
【実施例1】以下のようにして、エチレングリコールと
テレフタル酸との低次縮合物を連続的に製造した。
【0062】予め33500重量部の反応液(定常運転
時)が滞留する反応器内に、撹拌下、窒素雰囲気で26
0℃、0.9kg/cm2Gに維持された条件下に、645
8重量部/時の高純度テレフタル酸と2615重量部/
時のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリ
ーを連続的に供給し、エステル化反応を行った。このエ
ステル化反応では、水とエチレングリコールとの混合液
が留去された。
【0063】エステル化反応物(低次縮合物)は、平均
滞留時間が3.5時間になるように制御して、連続的に
系外に抜き出した。上記で得られたエチレングリコール
とテレフタル酸との低次縮合物の数平均分子量は、60
0〜1300(3〜5量体)であった。
【0064】こうして得られた低次縮合物に、重縮合触
媒を添加し、液相重縮合反応を行った。重縮合触媒とし
て、チタンテトラブトキシドと酢酸マグネシウムを使用
し、低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタン
テトラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%
となり、酢酸マグネシウムをマグネシウム原子換算で
0.042モル%となる量で加えて、さらに、リン酸を
リン原子換算で0.0105モル%となる量で加え、2
85℃、1torrの条件下で重縮合反応を行った。
【0065】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0066】
【実施例2】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと酢酸亜鉛とを使用し、低次縮合
物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラブトキ
シドをチタン原子換算で0.021モル%となり、酢酸
亜鉛を亜鉛原子換算で0.021モル%となる量で加え
た以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行った。
【0067】得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した
時間(液重時間)を表1に示す。
【0068】
【実施例3】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと酢酸カリウムとを使用し、低次
縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラブ
トキシドをチタン原子換算で0.021モル%となり、
酢酸カリウムをカリウム原子換算で0.021モル%と
なる量で加えた以外は、実施例1と同様にして重縮合反
応を行った。
【0069】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0070】
【実施例4】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドとリン酸水素二カリウムとを使用
し、低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタン
テトラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%
となり、リン酸水素二カリウムをカリウム原子換算で
0.021モル%となる量で加えた以外は、実施例1と
同様にして重縮合反応を行った。
【0071】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0072】
【実施例5】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと炭酸マグネシウムとを使用し、
低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテト
ラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%とな
り、炭酸マグネシウムをマグネシウム原子換算で0.0
42モル%となる量で加えた以外は、実施例1と同様に
して重縮合反応を行った。
【0073】得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した
時間(液重時間)を表1に示す。
【0074】
【実施例6】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと炭酸亜鉛とを使用し、低次縮合
物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラブトキ
シドをチタン原子換算で0.021モル%となり、炭酸
亜鉛を亜鉛原子換算で0.021モル%となる量で加え
た以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行った。
【0075】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0076】
【実施例7】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと炭酸アルミニウムとを使用し、
低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテト
ラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%とな
り、炭酸アルミニウムをアルミニウム原子換算で0.0
42モル%となる量で加えた以外は、実施例1と同様に
して重縮合反応を行った。
【0077】得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した
時間(液重時間)を表1に示す。
【0078】
【実施例8】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと酢酸バリウムとを使用し、低次
縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラブ
トキシドをチタン原子換算で0.021モル%となり、
酢酸バリウムをバリウム原子換算で0.042モル%と
なる量で加えた以外は、実施例1と同様にして重縮合反
応を行った。
【0079】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0080】
【実施例9】実施例1において、重縮合触媒として、チ
タンテトラブトキシドと酢酸コバルトとを使用し、低次
縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラブ
トキシドをチタン原子換算で0.021モル%となり、
酢酸コバルトをコバルト原子換算で0.042モル%と
なる量で加えた以外は、実施例1と同様にして重縮合反
応を行った。
【0081】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0082】
【実施例10】実施例1において、重縮合触媒として、
チタンテトラブトキシドと酢酸マンガンとを使用し、低
次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラ
ブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%とな
り、酢酸マンガンをマンガン原子換算で0.042モル
%となる量で加えた以外は、実施例1と同様にして重縮
合反応を行った。
【0083】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0084】
【実施例11】実施例1において、重縮合触媒として、
チタンテトラブトキシドと酢酸ストロンチウムとを使用
し、低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタン
テトラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%
となり、酢酸ストロンチウムをストロンチウム原子換算
で0.042モル%となる量で加えた以外は、実施例1
と同様にして重縮合反応を行った。
【0085】得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した
時間(液重時間)を表1に示す。
【0086】
【実施例12】実施例1において、重縮合触媒として、
チタンテトラブトキシドと炭酸ナトリウムとを使用し、
低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテト
ラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%とな
り、炭酸ナトリウムをナトリウム原子換算で0.021
モル%となる量で加えた以外は、実施例1と同様にして
重縮合反応を行った。
【0087】得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した
時間(液重時間)を表1に示す。
【0088】
【実施例13】実施例1において、重縮合触媒として、
チタンテトラブトキシドと酢酸セシウムとを使用し、低
次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタンテトラ
ブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%とな
り、酢酸セシウムをセシウム原子換算で0.021モル
%となる量で加えた以外は、実施例1と同様にして重縮
合反応を行った。
【0089】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0090】
【実施例14】実施例1において、重縮合触媒として、
チタンテトラブトキシドと亜リン酸ナトリウムとを使用
し、低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、チタン
テトラブトキシドをチタン原子換算で0.021モル%
となり、亜リン酸ナトリウムをナトリウム原子換算で
0.021モル%となる量で加えた以外は、実施例1と
同様にして重縮合反応を行った。
【0091】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0092】
【比較例1】重縮合時の触媒として、酢酸マグネシウム
を添加せず、チタンテトラブトキシドのみとしたこと以
外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行った。
【0093】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0094】
【実施例15】実施例1において、重縮合触媒として、
酸化チタンアセチルアセトナート(下式)とリン酸ナト
リウムとを使用し、低次縮合物中のテレフタル酸単位に
対して、酸化チタンアセチルアセトナートをチタン原子
換算で0.021モル%となり、リン酸ナトリウムをナ
トリウム原子換算で0.021モル%となる量で加えた
以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行った。
【0095】
【化1】
【0096】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表2に示す。
【0097】
【実施例16】実施例1において、重縮合触媒として、
酸化チタンアセチルアセトナートと炭酸マグネシウムと
を使用し、触媒添加量として酸化チタンアセチルアセト
ナートをチタン原子換算で、低次縮合物中のテレフタル
酸単位に対して、0.021モル%、炭酸マグネシウム
をマグネシウム原子換算で0.042モル%となる量で
加えた以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行っ
た。
【0098】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表2に示す。
【0099】
【実施例17】実施例1において、重縮合触媒として、
酸化チタンアセチルアセトナートと酢酸コバルトとを使
用し、低次縮合物中のテレフタル酸単位に対して、酸化
チタンアセチルアセトナートをチタン原子換算で0.0
21モル%となり、酢酸コバルトをコバルト原子換算で
0.042モル%となる量で加えた以外は、実施例1と
同様にして重縮合反応を行った。
【0100】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表2に示す。
【0101】
【比較例2】重縮合時の触媒として、リン酸ナトリウム
を添加せず、酸化チタンアセチルアセトナートのみとし
たこと以外は、実施例15と同様にして重縮合反応を行
った。
【0102】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表1に示す。
【0103】
【実施例18】チタンテトラブトキシドとテトラエトキ
シシランとを9:1のモル比で混合したものを加水分解
し、チタンとケイ素の共沈殿酸化物を得た。
【0104】重縮合触媒として、上記の共沈殿酸化物と
酢酸マグネシウムとを使用し、低次縮合物に対して共沈
殿酸化物を100ppmとなり、酢酸マグネシウムをマグ
ネシウム原子換算で低次縮合物中のテレフタル酸単位に
対して、0.042モル%となる量で加えた以外は、実
施例1と同様にして重縮合反応を行った。
【0105】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表3に示す。
【0106】
【比較例3】重縮合時の触媒として、酢酸マグネシウム
を添加せず、上記共沈殿酸化物のみとしたこと以外は、
実施例18と同様にして重縮合反応を行った。
【0107】ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
[IV]が0.56dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)を表3に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊牟田 淳 一 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 豊 田 一 夫 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB05 AC01 AC02 AD01 AE01 AE03 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 CB04A CB05A CB06A CB10A CC05A CF15 JA061 JA121 JA261 JB131 JB171 JF021 JF031 JF041 JF051 JF131 JF151 JF161 JF181 JF221 JF321 JF331 JF341 JF541 JF571 KB05 KD01 KD05 KE03 KE12 KF04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形
    成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成
    性誘導体とエステル化し、重縮合触媒の存在下に重縮合
    させてポリエステルを製造するに際して、 重縮合触媒として (i)チタン化合物と、 (ii)アルミニウム化合物、バリウム化合物、コバルト化
    合物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、ストロン
    チウム化合物、亜鉛化合物、アルカリ金属化合物、およ
    びリン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とか
    らなる触媒を用いることを特徴とするポリエステルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】アルミニウム化合物として、酢酸アルミニ
    ウムまたは炭酸アルミニウムを使用することを特徴とす
    る請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】バリウム化合物として、酢酸バリウムまた
    は炭酸バリウムを使用することを特徴とする請求項1に
    記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】コバルト化合物として、酢酸コバルトまた
    は炭酸コバルトを使用することを特徴とする請求項1に
    記載のポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】マグネシウム化合物として、酢酸マグネシ
    ウムまたは炭酸マグネシウムを使用することを特徴とす
    る請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】マンガン化合物として、酢酸マンガンまた
    は炭酸マンガンを使用することを特徴とする請求項1に
    記載のポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】ストロンチウム化合物として、酢酸ストロ
    ンチウムまたは炭酸ストロンチウムを使用することを特
    徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】亜鉛化合物として、酢酸亜鉛または炭酸亜
    鉛を使用することを特徴とする請求項1に記載のポリエ
    ステルの製造方法。
  9. 【請求項9】アルカリ金属化合物として、酢酸カリウ
    ム、酢酸ナトリウム、酢酸セシウム、炭酸カリウム、炭
    酸ナトリウム、炭酸セシウムを使用することを特徴とす
    る請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】リン化合物として、リン酸塩または亜リ
    ン酸塩を使用することを特徴とする請求項1に記載のポ
    リエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】リン酸塩が、アルカリ金属、アルカリ土
    類金属、周期律表第4周期の遷移金属、ジルコニウム、
    ハフニウム、およびアルミニウムから選ばれる少なくと
    も1種の金属のリン酸塩であることを特徴とする請求項
    10に記載のポリエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】亜リン酸塩が、アルカリ金属、アルカリ
    土類金属、周期律表第4周期の遷移金属、ジルコニウ
    ム、ハフニウム、およびアルミニウムから選ばれる少な
    くとも1種の金属の亜リン酸塩であることを特徴とする
    請求項10に記載のポリエステルの製造方法。
  13. 【請求項13】チタン化合物として、チタンアルコキシ
    ド、有機チタン化合物、チタンアルコキシドの加水分解
    により得られるチタン酸化物から選ばれる少なくとも1
    種のチタン化合物を使用することを特徴とする請求項1
    〜12のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  14. 【請求項14】チタン化合物として、チタンアルコキシ
    ドと、ケイ素アルコキシドまたはジルコニウムアルコキ
    シドとの混合物の加水分解して得られるチタンとケイ素
    またはジルコニウムとの共沈殿酸化物を使用することを
    特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のポリエス
    テルの製造方法。
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