JP2002097262A - ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents
ポリエステル樹脂の製造方法Info
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- JP2002097262A JP2002097262A JP2000292469A JP2000292469A JP2002097262A JP 2002097262 A JP2002097262 A JP 2002097262A JP 2000292469 A JP2000292469 A JP 2000292469A JP 2000292469 A JP2000292469 A JP 2000292469A JP 2002097262 A JP2002097262 A JP 2002097262A
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Abstract
脂を、粘着や過度の結晶化等がなく生産性よく製造する
ことができるポリエステル樹脂の製造方法を提供する。 【構成】 テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成
分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分と
を、エステル化反応させた後、重縮合触媒の存在下に溶
融重縮合反応させ、引き続いて固相重縮合反応させてポ
リエステル樹脂を製造するにおいて、固有粘度が0.1
〜0.7dl/gであって、固相重縮合反応に供したと
きの活性化エネルギーΔEと頻度因子Aとが下記式を満
足する溶融重縮合樹脂を固相重縮合反応させ、固有粘度
が0.5〜1.5dl/gの固相重縮合樹脂となすポリ
エステル樹脂の製造方法。 lnA/ΔE≧0.80〔モル/(kcal・時間)〕
Description
フタレート系のポリエステル樹脂の製造方法に関し、更
に詳しくは、色調に優れ、副生成物の少ない固相重縮合
樹脂を生産性よく製造することができるポリエステル樹
脂の製造方法に関する。
レート系等のポリエステル樹脂は、機械的強度、化学的
安定性、ガスバリア性、衛生性等に優れ、又、比較的安
価で軽量であるために、ボトルやフィルム等としての各
種包装資材、或いは繊維等に広く用いられている。
ト系のポリエステル樹脂は、一般に、テレフタル酸を主
成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主
成分とするジオール成分とを、エステル化反応させた
後、重縮合触媒の存在下に溶融重縮合反応させて、固有
粘度を通常0.1〜0.7dl/gとした溶融重縮合樹
脂となし、引き続いて、その溶融重縮合樹脂の粒状体
を、更に高重合度化させると共に、溶融重縮合時に副生
したアセトアルデヒドや環状三量体等のオリゴマー等の
含有量を低減化させるために、融点以下の温度の固体状
態で固相重縮合反応させて、固有粘度が通常0.5〜
1.5dl/gの固相重縮合樹脂となすことにより、製
造されている。
れる固相重縮合反応は、低温度でなされるが故に、重合
速度が小さく、従来は、溶融重縮合が通常数時間以内で
行われるのに対して、固相重縮合では最大数十時間を要
し、その低生産性、及び色調の悪化等が問題となってお
り、一方、固相重縮合反応温度を上げることは、粒状樹
脂同士の粘着、熱分解によるジエチレングリコール等の
副生成物の増加、色調の悪化、及び、過度の結晶化によ
る成形性の低下等の問題が生じることから解決手段とし
ては採用できず、その解決が強く望まれているのが現状
である。
技術における前記現状に鑑みてなされたもので、色調に
優れ、副生成物の少ない固相重縮合樹脂を、粘着や過度
の結晶化等がなく生産性よく製造することができるポリ
エステル樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
に鑑みて鋭意検討した結果、溶融重縮合樹脂を固相重縮
合反応に供したとき、化学反応速度論におけるアレニウ
スの式、k=A exp(−ΔE/RT)〔ここで、kは速
度定数、Aは頻度因子、ΔEは活性化エネルギー、Rは
気体定数、Tは絶対温度である。〕の活性化エネルギー
ΔEと頻度因子Aとが特定の関係を有する溶融重縮合樹
脂を固相重縮合反応させることによりその速度定数kを
大きくし、前記目的を達成できることを見出し本発明に
到達したもので、即ち、本発明は、テレフタル酸を主成
分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成
分とするジオール成分とを、エステル化反応させた後、
重縮合触媒の存在下に溶融重縮合反応させ、引き続いて
固相重縮合反応させてポリエステル樹脂を製造するにお
いて、固有粘度が0.1〜0.7dl/gであって、固
相重縮合反応に供したときの活性化エネルギーΔEと頻
度因子Aとが下記式を満足する溶融重縮合樹脂を固相重
縮合反応させ、固有粘度が0.5〜1.5dl/gの固
相重縮合樹脂となすポリエステル樹脂の製造方法、を要
旨とする。
方法は、先ず、テレフタル酸を主成分とするジカルボン
酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成
分とを、必要に応じて用いる他のジカルボン酸及び/又
は他のジオール等の共重合成分、及び触媒や助剤等と共
に、スラリー槽に投入して攪拌下に混合し、原料スラリ
ーを調製する。
タル酸以外のジカルボン酸としては、具体的には、例え
ば、フタル酸、イソフタル酸、ジブロモイソフタル酸、
スルホイソフタル酸ナトリウム、フェニレンジオキシジ
カルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシ
エタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒ
ドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、及び、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン
酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並び
に、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチル等の、これら芳香族ジカルボン酸、脂環
式ジカルボン酸、及び脂肪族ジカルボン酸の炭素数1〜
4程度のアルキルエステル、又はハロゲン化物等の誘導
体が挙げられる。
ール以外のジオールとしては、例えば、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレ
ングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパ
ンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂
肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサン
ジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
2,5−ノルボルナンジメタノール等の脂環式ジオー
ル、及び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシ
エトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシ
フェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンの
エチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付
加物等が挙げられる。
成分の他に、本発明の効果を逸脱しない範囲で、例え
ば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−
ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸
やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコー
ル、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t
−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成
分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエ
リスリトール、テトラキス〔メチレン−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン等の三官能以上の多官能成分、等
の一種又は二種以上が、共重合成分として用いられても
よい。
いて、全ジカルボン酸成分に占めるテレフタル酸の割合
は、95モル%以上であるのが好ましく、98モル%で
あるのが更に好ましく、99モル%以上であるのが特に
好ましい。又、全ジオール成分に占めるエチレングリコ
ールの割合は、95モル%以上であるのが好ましく、9
8モル%以上であるのが更に好ましく、99モル%以上
であるのが特に好ましい。
ル化反応槽に移送し、通常、240〜280℃の温度、
常圧〜大気圧に対する相対圧力3×105 Paの加圧下
で、攪拌下に1〜10時間でエステル化反応させること
により、ポリエステル低分子量体となす。
ル化率(原料ジカルボン酸成分の全カルボキシル基又は
カルボン酸誘導体基のうちジオール成分と反応してエス
テル化したものの割合)は、後述する重縮合反応によっ
て得られる樹脂の色調や副生成物含有量の低減化等の面
から、75%以上とし、90%以上とするのが好まし
く、95%以上とするのが特に好ましい。又、低分子量
体の数平均重合度は、後述する溶融重縮合における反応
の安定性や生産性、及び得られる樹脂の色調等の面か
ら、3.0〜10.0とし、4.0〜9.0とするのが
好ましく、5.0〜8.0とするのが特に好ましい。
重縮合反応槽に移送し、重縮合触媒等の存在下に、通
常、250〜290℃の温度、常圧から漸次減圧として
最終的に絶対圧力1333〜13.3Paの減圧下で、
攪拌下に1〜20時間で溶融重縮合反応させることによ
り、溶融重縮合樹脂となす。
相重縮合における本発明の要件を満足させ、本発明の効
果を顕著に発現させ得ることから、チタン、ゲルマニウ
ム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、
亜鉛、錫、アンチモン、ジルコニウム、及びハフニウム
からなる群から選択された相異なる2種以上の金属の化
合物を、ポリエステル樹脂の理論収量1kg当たりの金
属原子の含有量としてそれぞれ0.002〜2ミリモル
となる量で用いるのが好ましい。
例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i
−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ
−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネ
ート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタ
ネート、酢酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウ
ム、蓚酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン
酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、
塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、臭
化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、
六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガ
ン、六フッ化チタン酸アンモニウム、チタンアセチルア
セトナート等が挙げられ、中で、テトラ−n−プロピル
チタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ
−n−ブチルチタネート、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリ
ウムが好ましい。
体的には、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマ
ニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、ゲル
マニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−
ブトキシド等が挙げられ、中で、二酸化ゲルマニウムが
好ましい。
体的には、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム等が挙げられ、又、そのアルカリ土類金属化
合物としては、具体的には、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、
酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。
ン、ジルコニウム、及びハフニウムの化合物としては、
それら金属の酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸
塩、燐酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等が挙げられ
る。
は、ポリエステル樹脂の理論収量1kg当たりのチタン
原子の含有量として0.002〜0.2ミリモルとなる
量の前記チタン化合物と、同じく金属原子の含有量とし
てそれぞれ0.02〜2ミリモルの量となるゲルマニウ
ム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、
亜鉛、錫、アンチモン、ジルコニウム、又はハフニウム
の前記化合物の1種以上とを用いるのが特に好ましい。
法においては、重縮合反応性、溶融時の熱安定性、及び
アセトアルデヒドや環状三量体等の副生成物の低減化、
並びに得られる樹脂の透明性、色調等の面から、前記重
縮合触媒の助剤として、燐、及び硅素からなる群から選
択された1種以上の燐化合物又は硅素化合物を、ポリエ
ステル樹脂の理論収量1kg当たりの原子の含有量とし
て0.02〜4ミリモルとなる量で用いるのが好まし
い。
は、例えば、正燐酸、ポリ燐酸、及び、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチル
ホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス
(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエ
チルホスホノアセテート、メチルアシッドホスフェー
ト、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッ
ドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブ
チルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチル
ホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフ
ェート等の5価の燐化合物、亜燐酸、次亜燐酸、及び、
ジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、
トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト等の3価の燐化合物等が挙げられ、中で、正燐
酸、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、
エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホ
スフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェ
ート、亜燐酸が好ましく、トリス(トリエチレングリコ
ール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテー
ト、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコ
ールアシッドホスフェートが特に好ましい。
は、例えば、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ゼオラ
イト等が挙げられる。
は、個々に、或いは予め相互に反応させる等して、直接
に反応系内に添加してもよいし、例えばエチレングリコ
ール等のの溶液として反応系内に添加してもよい。
化反応、及び溶融重縮合反応を経て得られる溶融重縮合
樹脂の固有粘度は、通常、0.1〜0.7dl/gであ
り、0.45〜0.65dl/gであるのが好ましく、
0.5〜0.6dl/gであるのが特に好ましい。固有
粘度が前記範囲未満では、溶融重縮合樹脂を粒状体とな
す際の重縮合反応槽からの抜き出し性が劣り、一方、前
記範囲超過では、溶融重縮合樹脂の色調が悪化したり、
副生成物の含有量が増加する等の問題が生じることとな
る。
色差式における色座標b値が、−10〜3であるのが好
ましく、−5〜2であるのが更に好ましく、−3〜2で
あるのが特に好ましい。
槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜
き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切
断する等によりペレット状、チップ状等の粒状体として
得られる。その際の粒状体の1粒当たりの平均重量は、
工程間における気力移送時等の取扱性、粒状体同士の融
着性、結晶化特性、成形時のスクリューへの食い込み性
等の面から、好ましくは15〜30mg、特に好ましく
は20〜25mgとする。
合樹脂粒状体は、後述する固相重縮合反応に供したと
き、化学反応速度論におけるアレニウスの式、k=A e
xp(−ΔE/RT)〔ここで、kは速度定数、Aは頻度
因子、ΔEは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶
対温度である。〕の活性化エネルギーΔEと頻度因子A
とが下記式を満足することが必須であり、下記式を満足
しない場合には本発明の目的を達成することができな
い。
供したときの活性化エネルギーΔEと頻度因子Aとが下
記式を満足するのが好ましい。
(kcal・時間)〕
10〜100kcal/モルであるのが好ましく、又、
頻度因子Aとしては、1×106 〜1×1010/時間で
あるのが好ましい。活性化エネルギーΔEが前記範囲未
満及び前記範囲超過のいずれの場合共、固相重縮合樹脂
としての色調が劣り、又、成形時の溶融熱安定性が低下
する傾向となる。又、頻度因子Aが前記範囲未満では、
十分な固相重縮合反応速度が得られ難い傾向となり、一
方前記範囲超過では、固相重縮合樹脂としての色調が劣
り、又、成形時の溶融熱安定性が低下する傾向となる。
度因子Aは、前記溶融重縮合樹脂粒状体を210℃及び
220℃でそれぞれ10時間固相重縮合反応させたとき
のそれぞれにおける溶融重縮合樹脂に対する固有粘度の
変化量を基にして算出したものである。
た溶融重縮合樹脂を、更に高重合度化させると共に、溶
融重縮合時に副生したアセトアルデヒドや環状三量体等
のオリゴマー等の含有量を低減化させるために、その粒
状体を融点以下の温度の固体状態で固相重縮合反応させ
る。
縮合樹脂の粒状体を、通常、窒素、二酸化炭素、アルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気下、又は水蒸気雰囲気下、或い
は水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、60〜180℃の
温度で加熱して樹脂粒状体表面を結晶化させた後、不活
性ガス雰囲気下、又は/及び、絶対圧力13333〜1
3.3Paの減圧下で、樹脂の粘着温度直下〜80℃低
い温度で、粒状体同士が膠着しないように転動或いは流
動等させながら加熱することにより行い、固相重縮合樹
脂となす。
40℃とするのが好ましく、220〜230℃とするの
が特に好ましい。固相重縮合反応温度が前記範囲未満で
は、十分な重縮合速度が得られない傾向となり、一方、
前記範囲超過では、粒状樹脂同士の粘着、色調の悪化、
及び、過度の結晶化による成形性の低下等の問題が生じ
る傾向となる。
合反応を経て得られる固相重縮合樹脂は、固有粘度が、
好ましくは0.6〜1.5dl/g、更に好ましくは
0.65〜0.9dl/g、特に好ましくは0.7〜
0.8dl/gのものである。
座標b値で、好ましくは−10〜3、更に好ましくは−
5〜2、特に好ましくは−3〜2であり、又、アセトア
ルデヒド含有量が、好ましくは5ppm以下、更に好ま
しくは3ppm以下、特に好ましくは2ppm以下であ
り、又、環状三量体含有量が、好ましくは0.50重量
%以下、更に好ましくは0.40重量%以下、特に好ま
しくは0.35重量%以下のものとなる。
ステル樹脂は、例えば、射出成形によってプリフォーム
に成形された後、延伸ブロー成形することによって、或
いは、押出成形によって成形されたパリソンをブロー成
形することによって、ボトル等に成形され、又、押出成
形によってシートに成形された後、熱成形することによ
ってトレイや容器等に成形され、或いは、該シートを二
軸延伸してフィルム等とされ、機械的強度、色調に優
れ、副生成物が少ないことから、特に飲食品包装分野に
おいて有用なものとなる。中で、射出成形によって得ら
れたプリフォームを二軸延伸するブロー成形法よってボ
トルを成形するのに好適であり、例えば、炭酸飲料、ア
ルコール飲料、醤油、ソース、みりん、ドレッシング等
の液体調味料等の容器として、更には、ヒートセットを
施して、果汁飲料、茶やミネラルウォーター等の飲料等
の耐熱性を要求される容器として、好適に用いられる。
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
部をスラリー槽で窒素ガス下に攪拌して調製したスラリ
ーを、予めエステル化反応物50重量部が仕込まれ、温
度250℃、圧力が大気圧に対する相対圧力1.2×1
05 Paの加圧下に保持されたエステル化反応槽に4時
間かけて供給し、供給終了後も更に1時間かけてエステ
ル化反応を行い、このエステル化反応生成物のうち50
重量部を、窒素ガス下、温度250℃、常圧に保持され
た重縮合反応槽に移送した
された重縮合反応槽に、その配管より、エチルアシッド
ホスフェート、酢酸マグネシウム、及びテトラ−n−ブ
トキシチタンを、それぞれエチレングリコール溶液とし
て、ポリエステル樹脂の理論収量1kg当たり、燐原子
(P)として0.581ミリモル、マグネシウム原子
(Mg)として0.617ミリモル、及びチタン原子
(Ti)として0.209ミリモルの含有量となるよう
に、順次5分間隔で添加した後、系内を2時間30分か
けて250℃から280℃まで昇温して同温度を保持す
ると共に、1時間で常圧から絶対圧力400Paに減圧
して同圧を保持しつつ、得られる樹脂の固有粘度が0.
55dl/g近辺となる時間溶融重縮合反応させ、重縮
合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド
状に抜き出して、水冷後、カッターでチップ状とするこ
とにより、1粒当たりの平均重量が24mgの溶融重縮
合ポリエチレンテレフタレート樹脂粒状体を製造した。
レート樹脂粒状体について、以下に示す方法で、P、M
g、及びTiの金属原子含有量、固有粘度、及び色座標
b値を測定し、更に、固相重縮合反応に供したときの活
性化エネルギー、及び頻度因子を算出し、結果を表1に
示した。
化、完全分解後、蒸留水にて50mlに定容したものに
ついて、プラズマ発光分光分析法により定量した。
/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/
1)の混合溶媒に、濃度(c)を1.0g/dlとし
て、110℃で20分間で溶解させた後、ウベローデ型
毛細粘度管を用いて、30℃で、原液との相対粘度(η
rel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−1から求め
た比粘度(ηsp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求
め、同じく濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/d
l、0.1g/dlとしたときについてもそれぞれの比
(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0
に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度〔η〕(d
l/g)として求めた。
状の粉体測色用セルにすりきりに充填し、測色色差計
(日本電色工業社製「ND−300A」)を用いて、J
IS Z8730の参考1に規定されるハンターの色差
式における色座標bを、反射法で、セルを90度ずつ回
転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
を、イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−2
01型」)中で、40l/分の窒素ガス気流下160℃
で2時間乾燥させた後、210℃及び220℃で10時
間加熱して固相重縮合反応させ、得られた固相重縮合樹
脂試料について、前記の方法で各々の固有粘度〔η〕
210 及び〔η〕220 を測定し、その固有粘度〔η〕210
及び〔η〕 220 から、以下の式(1)に従って各々の数
平均分子量Mn210及びMn220を算出し、その数平均分子
量Mn210及びMn220から、以下の式(2)に従って各々
の分子末端数Ns210及びNs220を算出し、一方、溶融重
縮合樹脂について式(1)に従って数平均分子量Mn を
算出し、その値から式(2)に従って分子末端数Nmを
算出した。一方、分子量は分子末端数に反比例し、固相
重縮合速度は分子末端数の減少速度として表すことがで
きることから、以下の式(3)に従って各々の速度定数
k210 及びk220 を算出した。そして、その速度定数k
210 及びk220から、以下の式(4)に従って活性化エ
ネルギーΔEを算出した。又、頻度因子Aは、固相重縮
合温度220℃のときの、前記で得られた速度定数k
220 と活性化エネルギーΔEをアレニウスの式に代入す
ることにより算出した。
(〔η〕210 又は〔η〕220 /0.000736)
1/0.685 (2)分子末端数Ns210又はNs220(モル/ポリマー1
トン)=(1000000/Mn210又はMn220)×2 (3)速度定数k210 又はk220 (/時間)=−(ln
Ns210又はNs220−lnNm )/10≒−〔ln(N
s210又はNs220/Nm )〕/10 (4)活性化エネルギーΔE(kcal/モル)=−l
n(k220 /k210 )/〔{1/(220+273)}
−{1/(210+273)}〕×R/1000
リエチレンテレフタレート樹脂粒状体を、イナートオー
ブン(ESPEC社製「IPHH−201型」)中で、
40l/分の窒素ガス気流下160℃で2時間乾燥させ
た後、220℃で、得られる樹脂の固有粘度が0.75
dl/g近辺となる時間加熱して固相重縮合反応させる
ことにより、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹
脂を製造した。
レート樹脂粒状体について、前記式に基づいて速度定数
を算出すると共に、前記と同様の方法で、固有粘度、及
び色座標b値を、並びに、以下に示す方法で、アセトア
ルデヒド含有量、及び環状三量体含有量を測定し、結果
を表1に示した。
内容積50mlのミクロボンベに窒素シール下に封入
し、160℃で2時間の加熱抽出を行い、その抽出液中
のアセトアルデヒド量を、イソブチルアルコールを内部
標準としてガスクロマトグラフィー(島津製作所製「G
C−14A」)で定量した。
キサフルオロイソプロパノール(容積比3/2)の混合
溶媒2mlに溶解させた後、更にクロロホルム20ml
を加えて希釈し、これにメタノール10mlを加えて析
出させ、引き続いて濾過して得た濾液を蒸発乾固後、ジ
メチルホルムアミド25mlに溶解し、その溶液中の環
状三量体(シクロトリエチレンテレフタレート)量を、
液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−10
A」)で定量した。
子Geの化合物としては、二酸化ゲルマニウムを用い
た。)外は、実施例1におけると同様にして、溶融重縮
合樹脂粒状体を製造し、金属原子含有量、固有粘度、及
び色座標b値を測定し、更に、固相重縮合反応に供した
ときの活性化エネルギー、及び頻度因子を算出し、結果
を表1に示した。引き続いて、実施例1におけると同様
にして、固相重縮合樹脂粒状体を製造し、速度定数を算
出すると共に、固有粘度、及び色座標b値、アセトアル
デヒド含有量、及び環状三量体含有量を測定し、結果を
表1に示した。
の少ない固相重縮合樹脂を、粘着や過度の結晶化等がな
く生産性よく製造することができるポリエステル樹脂の
製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 テレフタル酸を主成分とするジカルボン
酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成
分とを、エステル化反応させた後、重縮合触媒の存在下
に溶融重縮合反応させ、引き続いて固相重縮合反応させ
てポリエステル樹脂を製造するにおいて、固有粘度が
0.1〜0.7dl/gであって、固相重縮合反応に供
したときの活性化エネルギーΔEと頻度因子Aとが下記
式を満足する溶融重縮合樹脂を固相重縮合反応させ、固
有粘度が0.5〜1.5dl/gの固相重縮合樹脂とな
すことを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。 lnA/ΔE≧0.80〔モル/(kcal・時間)〕 - 【請求項2】 溶融重縮合樹脂を固相重縮合に供したと
きの活性化エネルギーΔEが10〜100kcal/モ
ルである請求項1に記載のポリエステル樹脂の製造方
法。 - 【請求項3】 溶融重縮合樹脂が、1粒あたりの平均重
量15〜30mgの粒状体である請求項1又は2に記載
のポリエステル樹脂の製造方法。 - 【請求項4】 固相重縮合反応温度を210〜240℃
とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリエステル
樹脂の製造方法。 - 【請求項5】 重縮合触媒として、チタン、ゲルマニウ
ム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、
亜鉛、錫、アンチモン、ジルコニウム、及びハフニウム
からなる群から選択された相異なる2種以上の金属の化
合物を、ポリエステル樹脂の理論収量1kg当たりの金
属原子の含有量としてそれぞれ0.002〜2ミリモル
となる量で用いる請求項1乃至4のいずれかに記載のポ
リエステル樹脂の製造方法。 - 【請求項6】 ポリエステル樹脂の理論収量1kg当た
りのチタン原子の含有量として0.002〜0.2ミリ
モルとなる量のチタン化合物と、同じく金属原子の含有
量としてそれぞれ0.02〜2ミリモルの量となるゲル
マニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニ
ウム、亜鉛、錫、アンチモン、ジルコニウム、又はハフ
ニウムの化合物の1種以上とを用いる請求項5に記載の
ポリエステル樹脂の製造方法。 - 【請求項7】 重縮合触媒の助剤として、燐、及び硅素
からなる群から選択された1種以上の燐化合物又は硅素
化合物を、ポリエステル樹脂の理論収量1kg当たりの
原子の含有量として0.02〜4ミリモルとなる量で用
いる請求項5又は6に記載のポリエステル樹脂の製造方
法。 - 【請求項8】 全ジカルボン酸成分に占めるテレフタル
酸の割合が95モル%以上、全ジオール成分に占めるエ
チレングリコールの割合が95モル%以上である請求項
1乃至7のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方
法。
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