JP4734973B2 - 食品包装フィルム用ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents
食品包装フィルム用ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム Download PDFInfo
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Description
静電印加性を向上させる方法としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物をポリエステルに多量に添加する方法が開示されている。(特許文献1,2参照)
また、アルミニウム化合物と特定のリン化合物を用いた方法が提案されている。(特許文献3参照)
さらには、チタン化合物と特定のリン化合物を用いた方法が開示されている。(特許文献4参照)
しかしながら、単にアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物とリン化合物を添加したり、アルミニウム化合物と特定のリン化合物、さらに、チタン化合物と特定のリン化合物を用いる方法では、静電印加性がある程度改良できるものの、金属化合物由来の異物が発生したり、さらには食品包装用途に使用する際の保香性は必ずしも十分に満足できるものではなかった。
1以上の炭化水素基を示し、R1、R2、R3は同じであってもよく、異なっていてもよい。Xは、カルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは0または1である。)
300≦Mg≦450 ・・・・(2)
0<K ≦100 ・・・・(3)
3≦Mg/K≦100 ・・・・(4)
3≦(Mg +K/2) / P≦20 ・・・・(5)
〔但し、Mgはポリエステル中のマグネシウム元素の量(ppm)、Kはカリウム元素の量(ppm)、Pはリン元素の量(ppm)を示す。〕
1以上の炭化水素基を示し、R1、R2、R3は同じであってもよく、異なっていてもよい。Xは、カルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは0または1である。)
300≦Mg≦450 ・・・・(2)
0<K ≦100 ・・・・(3)
3≦Mg/K≦100 ・・・・(4)
3≦(Mg +K/2) / P≦20 ・・・・(5)
〔但し、Mgはポリエステル中のマグネシウム元素の量(ppm)、Kはカリウム元素の量(ppm)、Pはリン元素の量(ppm)を示す。〕
本発明におけるマグネシウム元素の含有量は、300〜450ppmであることが必要であり、好ましくは、300〜370ppm、より好ましくは315〜350ppmである。マグネシウム元素の含有量が、300ppm未満であると得られるポリエステルの静電印加性が低下し、生産性が低下する。一方、450ppmを超えると、ポリエステル中の微小異物が増大する。
・ ポリエステル組成物中の金属元素の含有量
アルカリ金属元素量は原子吸光法により、その他金属元素量は蛍光X線測定により、各元素の検量線から定量した。
・ ポリエステル組成物の溶融比抵抗(ρ)
290℃で溶融したポリエステル中に2枚の電極板を置き、500Vの電圧を印加した時の電圧(V‘)を測定し、比抵抗(ρ)を次式により求め、静電印加性の指標とした。この溶融比抵抗値が低いほど、静電印加性に優れる。
V:印加電圧(V)
S:電極面積(cm2)
R:抵抗体抵抗
I:電極間距離(cm)
V‘:測定電圧(V)
・ ポリエステル組成物の微小異物
ポリエステル組成物約0.02gを、約280℃で加熱したホットプレート上でカバーガラス2枚に挟み、溶融し、プレパラートを作成した。このプレパラートをマイクロスコープ(×450倍、暗視野)で観察し、観察できるすべての光点を数え、その個数より判定した。
○:0〜9個/μg
△:10〜49個/μg
×:50個/μg以上
・ ポリエステルフィルムの保香性
フィルムと250℃に加熱された電解クロム酸処理鋼板を50m/minでラミネートし、その直後、水槽で急冷した。ラミネートした金属板のフィルム面を内面として絞り成型機で80〜100℃において成形した金属缶を得、金属缶内に香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)を入れ、密封後1ヶ月放置し、その後、開封して官能検査によって、臭気の変化を以下で評価し、1級以上を合格とした。
1級・・・臭気に変化が認められない。
2級・・・臭気にわずかに変化が認められる。
3級・・・臭気に顕著な変化が認められる。
テレフタル酸86重量部とエチレングリコール39重量部とのエステル化反応物(低重合体)をエステル交換反応槽で240℃で溶融し、これにテレフタル酸86重量部、およびエチレングリコール39重量部を加え、250℃で攪拌しながらエステル化反応を続け、水の留出量が理論留出量の97%以上に達したエステル化反応物からテレフタル酸86重量部に相当する反応物を重縮合反応槽に移行した。引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、水酸化カリウムを0.007重量部添加し、続いて酢酸マグネシウム4水塩を0.28重量部、三酸化アンチモン0.026重量部、エチルジエチルホスホノアセテート0.07重量部添加した。その後、エステル化反応生成物を攪拌しながら、反応系を250℃から280℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージして常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の特性を表1に示す。微小異物は、5個/μgであり、溶融比抵抗は0.45×107Ω・cmであった。微小異物、静電印加性の指標である溶融比抵抗とも良好であった。
マグネシウム化合物、カリウム化合物、リン化合物の量および種類を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。実施例2〜6は、いずれも本発明の範囲内で、得られたポリエステル組成物は微小異物、静電印加性に優れ、得られたポリエステルフィルムの保香性も良好であった。
マグネシウム化合物、リン化合物の量を変更し、アルカリ金属化合物の量と種類を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。ポリエステル組成物の微小異物は、42個/μgであり、溶融比抵抗は4.5×107Ω・cmであった。得られたポリエステルフィルムの保香性試験では、臭気に変化が見られた。微小異物、静電印加性の指標である溶融比抵抗、保香性とも満足のいくレベルではなかった。
アルカリ土類金属化合物、アルカリ金属化合物、リン化合物の量や種類を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびフィルムを得た。特性結果を表1に示す。
Claims (3)
- マグネシウム化合物、カリウム化合物、および下記式(1)で示されるリン化合物を含有し、かつ各元素量が(2)〜(5)を満足し、溶融比抵抗が1.0×10 7 Ω・cm以下であることを特徴とする食品包装フィルム用ポリエステル組成物。
1以上の炭化水素基を示し、R1、R2、R3は同じであってもよく、異なっていてもよい。Xは、カルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは0または1である。)
300≦Mg≦450 ・・・・(2)
0<K≦100 ・・・・(3)
3≦Mg/K≦100 ・・・・(4)
3≦(Mg +K/2) / P≦20 ・・・・(5)
〔但し、Mgはポリエステル中のマグネシウム元素の量(ppm)、Kはカリウム元素の量(ppm)、Pはリン元素の量(ppm)を示す。〕 - アンチモン化合物を、アンチモン元素として50〜500ppm含有していることを特徴とする請求項1に記載の食品包装フィルム用ポリエステル組成物。
- 請求項1または2記載の食品包装フィルム用ポリエステル組成物からなる食品包装用フィルム。
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