JP4614044B2 - 多層ポリエステルシートおよびそれからなるポリエステル容器 - Google Patents

多層ポリエステルシートおよびそれからなるポリエステル容器 Download PDF

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Description

本発明は、レトルト処理用包装容器などの包装材として用いられる、香味保持性、耐熱性および成形性などに優れ、また使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れた多層ポリエステルシートに関し、さらに詳しくは無菌米飯などの食品、医薬品、飲料など、特に、加圧加熱殺菌を施す内容物の包装に好適に利用可能な耐熱性容器に成形できる多層ポリエステルシートおよびそれからなるポリエステル容器に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称することがある)などのポリエステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れているため、工業的価値が高く、繊維、フィルム、シート、ボトルなどとして広く使用されている。特に、PETは、二軸延伸フイルムとして、ビデオテープ、写真用フイルム、包装用フイルムとして大量に使用されている。
また、ポリエステルからの未延伸フイルムやラミネート層は、香味保持性、臭い、ガスバリヤー性などの面から、ポリオレフィン樹脂に替わって、紙製容器、金属箔、プラスチックフイルムなどの食品接触面として用いられるようになってきた。
食品、医薬品など加圧加熱殺菌を施す内容物の包装材料には、約120℃近辺の高温で加圧加熱処理するため、包装材料の機能として、耐熱性、バリヤー性、シール強度などの特性が要求される。従来より、かかる目的を達成するため、加圧加熱用包装材料の最内層としては、シール強度が高く、耐熱性にも優れたフイルムとして、ポリプロピレン(以下、「PP」ということがある)が広く使用されている。また、バリヤー層としては、内容物を視認するために、透明な、バリヤー性に優れたエチレンービニルアルコール共重合樹脂(以下、「EVOH」と称することがある)のフイルムが用いられている。
透明バリヤー性多層包装材の具体的な例としては、外層側からの構成として、PET/EVOH/未延伸PP(以下、「CPP」と称する)、PP/EVOH/CPP、延伸ナイロン/EVOH/CPPなどの多層包装材が挙げられる。しかし、CPP内層の場合は、オレフィン臭やワックス臭などの異臭の問題や香味成分の吸着などの問題がある。
また、家庭用の電子レンジ、オーブンの広範な普及により、高温での使用に耐えうる食品用トレーが必要とされている。特に半調理済み冷凍食品用のトレーとしては、調理時の高温条件のみならず保存時の冷凍条件、すなわち約−20℃〜約220℃といった広い温度範囲での使用に耐えうる必要がある。現在、上記特性を有する食品用トレーとして、主としてPETからなるポリエステルシートを容器成形時に結晶化させて得られた結晶化樹脂トレーが実用化されている。
しかし、PETからなるポリエステルシート(以下、「PETシート」と称することがある)は、容器を熱成形する際その結晶化に時間を要するため、容器生産時の成形サイクルが比較的長いことが問題とされていた。さらに、かかるPETからなるトレーは充分な耐熱性を有するものの耐衝撃性は充分とはいえず、衝撃による容器破損が著しいという欠点をも有していた。
上記問題を解決するために、PETに少量のポリオレフィン樹脂を添加したPET樹脂組成物(以下、C−PETと称することがある)からなるポリエステルシート(以下、「C−PETシート」と称することがある)や(例えば、特許文献1参照)PETに少量のポリオレフィン樹脂および熱安定剤を添加したPET樹脂組成物からなるC−PETシートの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。C−PETシートは熱成形時の結晶性がPETシートに比して向上しており、比較的成形性に優れることが知られている。また、C−PETシートから得られた容器の耐衝撃性はPETシートからなる容器のそれよりも良好であることも知られている。さらにまた、C−PETシートからなる容器は、耐熱性と同時に高湿下および/または高温下でのバリヤー性が優れているため、安価なバリヤー性のある加圧加熱処理用容器としても使用できる。
C−PETシートから成形されたトレー(以下、「C−PETトレー」と称することがある)がシートの熱成形によって生産される場合、上記特性に加え、予熱時におけるシートの垂れ下がり量の適正化、金型からの離型性の向上、金型汚れの付着量減少や成形サイクルの短縮といった成形性の改善も必要である。しかし、上記C−PETシートでは成形時における金型へのポリオレフィン樹脂由来化合物の付着、すなわち金型汚れが著しいことが問題となっており、その早期解決が望まれている。
上記欠点を改良するための方法として、ポリオレフィン樹脂として変成ポリオレフィン樹脂あるいはポリエチレンアイオノマー等を用いたシート(例えば、特許文献3参照)および汎用の結晶核剤を配合したシート(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、前者シートは本質的に金型汚れ問題を解決したものではなく、後者のシートは金型汚れを生じないものの、耐衝撃性に劣るという欠点を有しており、さらなる改良が望まれていた。
このような問題点を解決するために、本発明者らは、表層に99重量%以上のPET樹脂と1重量%以下のポリオレフィン樹脂とからなるポリエステル樹脂組成物を用いた多層ポリエステル系シートに関する技術を開示した(例えば、特許文献5参照)が、内容物の香味保持性の点で問題があり、また金型汚れの点でもまだ満足のいくものではなく、解決が待たれている。
近年、熱湯に浸漬するか、電子レンジで加温するだけで喫食できる、いわゆる無菌米飯が市販されるようになってきたが、このような無菌米飯の製造方法としては、生米を容器等に充填して炊き上げる生米充填法、蒸した米飯を容器等に充填する蒸米法、炊飯した米飯を容器等の中に充填する炊き上げ法の3つの方法がある。
一般に米飯は保存中に、物性変化、異臭の発生及び着色などが生じ、商品価値が低下するが、特に異臭発生は、米飯の商品価値を大きく低下させる要因となる。米飯の保存中の異臭発生を防止する方法としては、容器内の酸素を除去することが有効である。そこで、包装無菌米飯は、炊飯後の米飯入りのトレーをガス置換し、場合によっては脱酸素剤を封入して容器内のヘッドスペースの酸素濃度を低減させる方法が提案されている(例えば、特許文献6、7参照)が、このような容器の密封前に小袋入りの脱酸素剤を添付するという方法では、添付のための格別な操作が必要であり、工程数が多くなり、充填シールするまでの間の菌の混入を皆無にするための極めて高度の管理が必要であると共に、需要者が脱酸素剤を誤って口に入れるという事態を発生することもあり、これらの点で万全な方法とは言えない。
また、容器素材として、酸素透過度および水蒸気透過度が一定値以下の包材から形成された容器内に米飯を充填した無菌米飯の技術が開示されている(例えば、特許文献8参照)。上記のような無菌包装米飯の製造に用いられるプラスチック製トレー等からなる包装用容器としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を使用し、これを成形して得られるポリプロピレン系樹脂製のトレー状の包装容器、あるいは、ポリプロピレン系樹脂層/酸素、水蒸気等の透過を阻止するバリヤー性素材としてのポリ塩化ビニリデン系樹脂層あるいはエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂層/ポリプロピレン系樹脂層等からなる3層共押出フィルムまたはシートを使用し,これを真空ないし圧空成形して得られるトレー状の包装用容器等がある。
このような気体透過度を持つ包材の素材のなかには、下記のように種々の問題点があることが分かっている。例えば、前記に該当する素材として、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等を使用した包装用容器においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリヤー性において、所期の効果を有するものではあるが、包装用容器等として使用後、これらをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシン等の有毒ガス等を発生する原因となり、人体等への影響が懸念されるために、廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等を損なうという問題点がある。また、素材として、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を構成層として使用した多層構成包装用容器においては、絶乾状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリヤー性は、所期の効果を有するものの、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリヤー性は著しく低下し、もはや、その使用に耐え得ないという問題点がある。特に、CPP/EVOH/CPPのような構成を持つ容器に生米を充填し、レトルト処理によって炊飯を行なう場合には、レトルト処理時の高温・高湿度下およびレトルト処理後約1ヶ月程度の期間において、容器のバリヤー性が極端に悪化するため、容器内の酸素濃度が急速に上昇し、内部に充填された米飯の品質変化が起こり、異臭発生、味の低下が生じたり、また米飯と接触するCPP層からオレフィン臭やワックス臭が米飯に移って食欲を低下させるなどの問題があり解決がまたれている。
また、脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収層を中間層とし、ポリメタキシリレンアジパミドをその外側層とし、最外層および最内層を備えた多層体容器で米飯を保存する方法が開示されている(例えば、特許文献9参照)が、このような方法ではコストが高く商品の競争力がなく、さらに、最内層として例示されているオレフィン系樹脂層からの前記のような臭いの問題があり解決が望まれている。
特開昭62−227947号公報 特開昭59−62660号公報 特開平4−345656号公報 特開平1−121334号公報 特開2001−341269号公報 特開昭63−248359号公報 特開平3−98542号公報 特開2001−86947号公報 特開平10−257862号公報
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決することにあり、香味保持性、耐熱性および成形性などが要求される、包装容器に用いることができ、さらにまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れた多層ポリエステルシートおよびそれからなる耐熱性容器を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、ポリエステル樹脂と無機微粒子を含み、ポリオレフィン樹脂を実質的に含まない表層と、ポリエステル樹脂と無機微粒子とポリオレフィン樹脂とを含む内層とから構成される多層ポリエステルシートであって、アルデヒド類の含有量が70ppm以下であり、前記多層ポリエステルシートを150℃で10分間加熱処理した後の50%エタノール抽出量が1mg/100cm以下である多層ポリエステルシートである。
ここで、アルデヒド類の含有量および150℃で10分間加熱処理した後の50%エタノール抽出量は、下記に記載の方法で測定する。
この場合において、無機微粒子の平均粒子径が、10μmφ以下であることが好ましい。
この場合において、ポリオレフィン樹脂が、密度(ρ)が0.95g/cm以下であるか、あるいはメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上であるかの少なくとも一方を満たすポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
この場合において、表層の厚みは、少なくとも10μmであることが好ましい。
この場合において、ポリエステル樹脂が、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂であることが好ましい。
この場合において、前記多層ポリエステルシート中に、遊離のテレフタル酸を15ppm以下、遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレートを50ppm以下、遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレートを70ppm以下、および遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート2量体を200ppm以下含有することが好ましい。
この場合において、上記の多層ポリエステルシートを成形して得られるポリエステル容器である。
1つの実施態様では、本発明のポリエステル容器はフィルム状または薄片状の蓋を有し、該蓋と該容器との間がヒートシールにより密封されていてもよい。
本発明によれば、無菌米飯用ポリエステル容器に好適な耐熱性ポリエステル陽気が提供される。
本発明の多層ポリエステルシートは、レトルト処理用包装材などとして用いられる、香味保持性、耐熱性、成形性および廃棄処理適性、環境適性などが要求される包装容器用途に対するシートとして好適に用いることができる。
以下、本発明の多層ポリエステルシートおよびそれからなるポリエスエル容器の実施の形態を具体的に説明する。
(ポリエステル樹脂)
本発明に係るポリエステル樹脂は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られる熱可塑性ポリエステル樹脂であり、好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の80モル%以上含むポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の90モル%以上含むポリエステル樹脂であり、特に好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステル樹脂である。
本発明に係るポリエステル樹脂を構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
また本発明に係るポリエステル樹脂を構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂が共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、イソフタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂が共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジエチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマーグリコール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
さらに、前記ポリエステル樹脂が共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
本発明に係るポリエステル樹脂の好ましい一例は、主たる構成単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含み、共重合成分としてイソフタル酸、1,4―シクロヘキサンジメタノールなどを含む共重合ポリエステル樹脂であり、特に好ましくはエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル樹脂である。
これらポリエステル樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−ジオキシエチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステル樹脂の好ましいその他の例としては、主たる構成単位が1,3−プロピレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を80モル%以上含むポリエステル樹脂であり、特に好ましいのは1,3−プロピレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル樹脂である。
これらポリエステル樹脂の例としては、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,3−プロピレンイソフタレート)共重合体、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
さらにまた本発明に係るポリエステル樹脂の好ましいその他の例としては、主たる構成単位がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはブチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む共重合ポリエステル樹脂であり、特に好ましくはブチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル樹脂である。
これらポリエステル樹脂の例としては、ポリエブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステル樹脂の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成される熱可塑性ポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%以上含む熱可塑性ポリエステル樹脂であり、特に好ましいのは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む熱可塑性ポリエステル樹脂である。
これら熱可塑性ポリエステル樹脂の例としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−ジオキシエチレン−2,6−ナフタレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステル樹脂の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がブチレン−2,6−ナフタレートから構成される熱可塑性ポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはブチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%以上含む熱可塑性ポリエステル樹脂であり、特に好ましいのは、ブチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む熱可塑性ポリエステル樹脂である。
これら熱可塑性ポリエステル樹脂の例としては、ポリブチレン−2,6−ナフタレート(PBN)、ポリ(ブチレン−2,6−ナフタレート−ブチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレン−2,6−ナフタレート−ブチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブチレン−2,6−ナフタレート−エチレン−2,6−ナフタレート)共重合体などが挙げられる。
さらにまた、本発明に係るポリエステル樹脂の好ましいその他の一例は、主たる構成単位が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む共重合ポリエステル樹脂であり、特に好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル樹脂である。
これら熱可塑性ポリエステル樹脂の例としては、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂は、前述の任意のものを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いても良い。2種類以上のポリエステル樹脂を混合して用いる場合、最低1種は前述のものから選択すれば、その他のポリエステルは任意の組成のものを用いても良い。例えば、テレフタル酸、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールからなる非晶性樹脂、テレフタル酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなる非晶性樹脂、テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールからなる非晶性樹脂などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
上記のポリエステル樹脂は、基本的には前記の芳香族ジカルボン酸またはその機能的誘導体と前記のグリコールとを出発原料に用いて従来公知の溶融重縮合法、あるいは溶融重縮合―固相重合法などによって製造することが出来る。これらの反応は回分式反応装置で行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。これらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
以下に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を例にして、本発明に係るポリエステル樹脂の好ましい製造方法の一例について説明する。即ち、例えばPETの場合には、テレフタル酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去し、エステル化した後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行なう直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行なうエステル交換法により溶融重縮合プレポリマーを製造し、次いで、さらに極限粘度を増大させたり、また低アセトアルデヒド含有量や低環状3量体含有量とするために、固相重合または加熱処理される。
前記の出発原料であるテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンから誘導されるバージンのジメチルテレフタレート、テレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収したジメチルテレフタレート、テレフタル酸、ビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
重縮合反応は、重縮合触媒を用いて行う。重縮合触媒としては、Ge、Sb、Ti、またはAlの化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が用いられることが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂の製造に使用されるSb化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレート、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。Sb化合物は、生成ポリマー中のSb残存量として50〜250ppmの範囲になるように添加することが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂の製造に使用されるGe化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等が挙げられる。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル樹脂中のGe残存量として5〜150ppmとすることが好ましく、より好ましくは10〜100ppmであり、更に好ましくは15〜70ppmである。
本発明に係るポリエステル樹脂の製造に使用されるTi化合物としては、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネートおよびそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマー中のTi残存量として0.1〜50ppmの範囲になるように添加することが好ましい。
また、本発明に係るポリエステル樹脂の製造に使用されるAl化合物としては、蟻酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム等のカルボン酸塩、酸化物、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム等の無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド等のアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート等とのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物等があげられる。これらのうち酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、乳酸アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートが特に好ましい。Al化合物は、生成ポリマー中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加することが好ましい。
また、Al化合物の場合には、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を併用してもよい。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、これら元素の酢酸塩等のカルボン酸塩、アルコキサイド等があげられ、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液等として反応系に添加される。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、生成ポリマー中のこれらの元素の残存量として1〜50ppmの範囲になるように添加することが好ましい。
前記の触媒化合物は、前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加することができる。
また、安定剤として種々のリン化合物を使用することができる。本発明で使用されるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル等であり、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。リン化合物は、生成ポリマー中のリン残存量として5〜100ppmの範囲になるように前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加することが好ましい。
本発明に係る、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂の製造工程を構成する、溶融重縮合ポリマーをチップ化する工程、固相重合工程、溶融重縮合ポリマーチップや固相重合ポリマーチップを輸送する工程等において、本来造粒時に設定した大きさのチップよりかなり小さな粒状体や粉等が発生する。ここでは、このような微細な粒状体や粉等をファインと称する。このようなファインは、それが受けたせん断力や衝撃力のために高度に結晶化しているため、得られた多層ポリエステルシートの結晶化を促進させる性質を持っており、この含有量を管理することによって多層ポリエステルシートの結晶化特性を管理することが可能である。
ここでファインとは、JIS−Z8801による目開き1.7mmの金網をはった篩を通過する粉体又は欠片のことであり、実施例で記載した方法により測定する。
本発明の多層ポリエステルシートを製造するための方法の一つとして、ポリエステル樹脂としては、後記するように、前記のファイン含有量が好ましくは10ppm以上、より好ましくは30ppm以上、さらに好ましくは50ppm以上、また好ましくは10000ppm以下、より好ましくは7000ppm以下、さらに好ましくは5000ppm以下のポリエステル樹脂を用いることができる。
ファイン含有量が少なすぎるポリエステル樹脂を用いた場合は、前記シートの結晶化速度が遅く、正規の成形条件下ではシートの結晶化度が不十分になりやすく、後記するように高温の成形金型にポリエステルオリゴマーやポリオレフィンオリゴマーなどが付着し易くなって金型汚れが酷くなるという問題や内容物の香味保持性の問題が生じる場合がある。また、ファイン含有量が多すぎる場合には結晶化速度が速くなりすぎて、真空成形法などによって容器成形する際に深絞り成形性が悪くなりやすく、正規の形状に成形できなかったり、破れが発生したりして問題となる場合がある。またさらに、ポリオレフィン樹脂と混合成形する際にファインが偏析し、ポリオレフィン樹脂の配合量に斑が生じたりする場合がある。
ポリエステル樹脂中のファインの含有量を前記の範囲に調節する方法としては、例えば、篩分工程を通していないファイン含有量の高いポリエステルのチップと篩分工程及び空気流によるファイン除去工程を通したファイン含有量の非常に少ないポリエステルチップを適当な割合で混合する方法による他、ファイン除去工程の飾の目開きを変更することにより調節することもでき、また篩分速度を変更することによるなど任意の方法を用いることができる。
また、本発明に係る、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂中に共重合されたジエチレングリコール含有量は、前記ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分に対して好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは0.8モル%以上、さらに好ましくは1.0モル%以上であり、好ましくは3.0モル%以下、より好ましくは2.5モル%以下、さらに好ましくは2.0モル%以下である。ジアルキレングリコール量が多すぎる場合は、熱安定性が悪くなり、製膜時に分子量低下が大きくなったり、またアルデヒド類の含有量が増加しすぎる場合がある。またジアルキレングリコール含有量の下限は特に限定されないが、経済的な製造コストの点から、0.5モル%以上であることが好ましい。過度にジアルキレングリコール含有量が少ないポリエステル樹脂を製造するには、エステル交換条件、エステル化条件あるいは重合条件として非経済的な製造条件を選択することが必要となり、コストが合わないことがある。
ここで、ポリエステル樹脂中に共重合されたジアルキレングリコールとは、例えば、主たる構成単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂の場合には、グリコールであるエチレングリコールから製造時に副生したジエチレングリコールのうちで、前記ポリエステル樹脂に共重合したジエチレングリコール(以下、DEGと略称する)のことであり、1,3−プロピレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル樹脂の場合には、グリコールである1,3−プロピレングリコールから製造時に副生したジ(1,3−プロピレングリコール)(またはビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテル)のうちで、前記ポリエステル樹脂に共重合したジ(1,3−プロピレングリコール(以下、DPGと称する))のことである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂の製造においてグリコールから副生するジアルキレングリコールの生成を抑制し前記の範囲にすることは、エステル化反応で製造する際にはエステル化工程に塩基性化合物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどを加えることによって達成することが出来る。
また、本発明に係るポリエステル樹脂のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量は、好ましくは30ppm以下であり、より好ましくは20ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下である。アルデヒド含有量が多すぎる場合は、成形されたシートのアルデヒド含有量を適切なレベル(例えば、70ppm以下)に制御することが非常に困難であり、内容物の香味保持性が悪くなりやすい。なお、アセトアルデヒド含有量の下限は特に限定されないが、経済的な製造コストの点から、0.5ppm以上であることが好ましい。ここで、アルデヒド類とは、熱可塑性ポリエステルがエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル樹脂の場合はアセトアルデヒドであり、1,3−プロピレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル樹脂の場合はアリルアルデヒドである。PETの場合は、アルデヒド類としては、ほとんどがアセトアルデヒドであり、その他にホルムアルデヒドなどが微量に存在することがある。
また、使用済みPETボトルをメカニカルリサイクル法により精製し回収したフレーク状PETや、さらにこれを溶融押出ししたチップ状PETなどを混合して用いることができる。
(無機微粒子)
本発明で用いる無機微粒子は、任意の元素で構成される無機物の微粒子であれば、特に制限はなく、無機物として好ましく用いられるのは、無機塩、無機酸化物、さらに好ましくは、無機酸化物である。前記無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。前記無機酸化物を構成する金属元素としては、たとえば、元素周期律表I〜VI族から選ばれる元素が好ましい。その中でも、Si、Mg、Al、Fe、Ca、K、Na、Ti、Zrから選ばれる元素が特に好ましく、前記無機酸化物を構成する主たる金属元素がSi及びMgである微粒子が、無機微粒子として最も好ましい。また、前記無機酸化物中に、有機基、水酸基を含有したり、あるいは後述する原料となる金属化合物(G)に由来する各種の基が残留したり、有機ポリマーの一部分を包含していてもよい。前記有機基は、炭素数20以下の置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。前記無機酸化物は、1種のみを使用してもよくまたは2種以上を使用してもよい。
また、無機微粒子の例としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、珪酸塩、硫酸バリウム、クラストナイト、カオリン、カーボンブラック、酸化亜鉛、等が挙げられる。
このような無機物からなる無機微粒子の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
本発明に使用する無機微粒子は平均粒子径が10μmφ以下であることが特に好ましい。平均粒子径の下限は0.01μmφ以上であることが好ましく、0.1μmφ以上が特に好ましい。粒子径が小さすぎる場合にはマトリックスとなるPETに配合する時2次凝集が発生し易く、核剤としての効果を損なうばかりでなく凝集物による成形品の外観、品位を低下させる場合がある。
一方、粒子径が10μmを超えるもの、特に20μmを超えるものは、結晶化促進効果が低い為、適当でない。またその配合量は、各層中0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましく、特に0.5重量%以上が好ましい。また、10重量%以下が好ましく、7重量%以下がより好ましく、5重量%がさらに好ましい。配合量が少なすぎる場合には未変性PETの結晶化速度とあまり変わらず結晶化させるための熱処理温度を高くしたり、熱処理時間を長くしなければならない場合があり、金型からの取り外しが困難となったりすることがあり生産性が低下しやすい。一方配合量が多すぎる場合には熱成形時の到達結晶化度が高くなり耐衝撃性が低下しやすく、さらに、一定量以上では大きな結晶化速度の向上は見られない。更に熱成形時の腑形性が悪くなって、成形条件幅がせまくなる為、配合量は、10重量%以下に抑えることが好ましい。
なお、内層の無機微粒子の含有量は、表層の無機微粒子含有量とほぼ同程度が好ましく、(内層の無機微粒子含有量(重量%))/(表層の無機微粒子含有量(重量%))は下限については好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.6以上であり、さらに好ましくは0.7以上であり、いっそうに好ましくは0.8以上であり、特に好ましくは0.9以上である。上限については好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.4以下であり、さらに好ましくは1.3以下であり、いっそう好ましくは1.2以下であり、特に好ましくは1.1以下である。さらには、内層と表層で同種の無機微粒子を用いることが好ましい。これらのことにより、両層の特性を近づけることができ、層間剥離や2層とした際のカールなどがなく、さらにはシート成型時にシート両端から発生するシート屑や、シート成形不良品を添加した際でも安定した品質のシートを容易に製造することができる。
(ポリオレフィン樹脂)
本発明に使用するポリオレフィン樹脂の密度は0.95g/cm以下であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂の密度は、より好ましくは0.93g/cm以下であり、さらに好ましくは0.92g/cm以下である。多層シートの耐熱性や打抜き性より下限値は0.90g/cm以上であることが好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1g/10min以上であり、より好ましくは0.5g/10min以上であり、さらに好ましくは1g/min以上である。多層シートの耐衝撃性などの機械的特性の問題より上限値は100g/10min以下であることが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂として、例えば高密度ポリエチレン、分岐低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、酢酸ビニル−エチレン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メタクリル酸グリシジル−エチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル−アクリル酸エチル−エチレン共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。なお、本明細書中ではポリエチレン樹脂のことを「PE樹脂」ともいう。
本発明における多層ポリエステルシートに使用するポリオレフィン樹脂の合計量の下限については、内層に対して0.5重量%以上であることが好ましい。より好ましくは1重量%以上であり、さらに好ましくは1.5重量%以上であり、特に好ましくは2重量%以上である。また、上限値については好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは8重量%以下であり、さらに好ましくは6重量%以下である。ポリオレフィン樹脂の量を上記の範囲の量にすることにより、得られた容器は耐衝撃性に優れ、またシートに腑形した後の打ち抜き時における打ち抜き性に優れ外観の美しいものが得られる。つまりポリオレフィン樹脂の量が多すぎるとこの打ち抜き性が低下しやすく、切断の不十分なシート断片が切断面に残る現象が見られ、外観不良因となりやすい。加えてポリオレフィン樹脂特有の異臭が発生しやすい。また、少なすぎる場合は得られた多層ポリエステルシートの結晶化速度が遅くなりやすく、多層ポリエステルシートの耐熱性が低下しやすく、また耐衝撃性改善効果が充分になりにくい。
(ポリエステル樹脂組成物)
本発明の多層ポリエステルシートを構成する表層はポリエステル樹脂と無機微粒子を含み、ポリオレフィン樹脂を実質的に含まないポリエステル樹脂組成物からなり、また内層はポリエステル樹脂と無機微粒子とポリオレフィン樹脂とを含むポリエステル樹脂組成物からなる。
表層には、上記ポリエステル樹脂以外の樹脂を用いないことが好ましいが、必要に応じて、本発明の作用効果を損なわない範囲で、上記ポリエステル樹脂およびポリオレフィン樹脂以外の樹脂を用いてもよい。具体的には、上記ポリエステル樹脂およびポリオレフィン樹脂以外の樹脂の使用量は、上記ポリエステル樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましく、2重量部以下が特に好ましい。
内層には、上記ポリエステル樹脂およびポリオレフィン樹脂以外の樹脂を用いないことが好ましいが、必要に応じて、本発明の作用効果を損なわない範囲で、上記ポリエステル樹脂およびポリオレフィン樹脂以外の樹脂を用いてもよい。具体的には、上記ポリエステル樹脂およびポリオレフィン樹脂以外の樹脂の使用量は、上記ポリエステル樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましく、2重量部以下が特に好ましい。
本発明の多層ポリエステルシートに使用するポリオレフィン樹脂の配合量は前記のとうりである。なお、ここでいう表層にポリオレフィン樹脂を実質的に含まないとは、必ずしも全く含まないことを意味するものではなく、金型汚れを引き起こさない程度にごく微量含んでいても良い。含むことが許される具体的な含有量はポリオレフィン樹脂の種類によって異なるが、0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、さらに好ましくは0.05重量%未満が目安である。
また、本発明の多層ポリエステルシートに使用する無機微粒子の配合量は前記のとうりである。
また、本発明における多層ポリエステルシートには、前記のポリオレフィン樹脂および無機微粒子以外の結晶核剤、例えばPBTオリゴマー、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の有機核剤などを添加することができる。これら結晶核剤の添加量は好ましくは5重量%以下であり、核剤の種類に応じて適宜設定される。下限は特に限定されないが、その添加効果を得るためには、0.01重量%以上であることが好ましい。なお、シート生産時には切り落としたシート両端を内層に再利用する工程が含まれる場合がある。その際には内層以外の層に存在していた結晶核剤が内層に混入するが、この混入核剤量も上記添加量に含めてよい。
本発明の多層ポリエステルシートには、さらに表層にワックスが含有されていることが好ましく、さらには内層にもワックスが含有されていることが好ましい。使用するワックスの目的は、先ずシート表面の荒れをなくす為、次に結晶核剤として作用する無機系粒子をポリエステル中により一層微細に分散させる為であり、単独で無機系粒子を添加するよりもその効果を増進させる為である。また昨今環境ホルモンなどが問題視され、種々のワックスの中で人体に対しる危険性や有害性及び環境影響の低いものが望まれている。その点において生分解性のワックスは有用である。生分解性ワックスの具体例は、モンタン系ワックス、カルナバワックス、カスターワックス、キャンデリアワックス、米糠ワックスなどの植物性ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、天然パラフィンなどの炭化水素系ワックス、ステアリン酸などの脂肪酸系ワックス類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、などの脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、などのエステル系ワックス、セチルアルコール、ステアリルアルコール、などのアルコール系ワックス、炭素数12〜30の脂肪酸から誘導される金属石鹸類などが上げられる。これらの中でも、植物系ワックス、動物系ワックスが好ましく、特にはモンタン系ワックスが好ましい。但し、本発明に用いるワックスは特に限定されない。
尚、本発明に用いられる特に好ましいワックスの例としてモンタン系ワックスが挙げられる理由は、そのような社会の要請を受けて食品衛生性を満足し、加えて生産時や加工時の揮発性が乏しく且つ臭いを実質的に伴わないからである。特に望ましいモンタン系ワックスはモンタン酸エステル部分鹸化ワックスである。
ワックスの含有量としては、各層中0.01重量%以上が好ましく、さらに好ましくは0.05重量%以上である。上限については1.0重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5重量%以下である。
なお、内層と表層のワックス含有量はほぼ同程度が好ましく、(内層のワックス含有量(重量%))/(表層のワックス含有量(重量%))は0.7以上であることが好ましく、より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは、0.9以上である。上限については1.3以下であることが好ましく、より好ましくは1.2以下であり、さらに好ましくは1.1以下である。さらには、内層と表層で同種のワックスを用いることが好ましい。これらのことにより、両層の特性を近づけることができ、安定した品質のシートを容易に製造することができる。
また、本発明の多層ポリエステルシートからの容器成形時および食品などを充填した容器のレトルト処理時などにおける熱酸化分解を防止するためにヒンダードフェノール系酸化防止剤などの酸化防止剤を配合することが望ましい。その添加量は、好ましくは0.005重量%以上であり、より好ましくは0.01重量%以上であり、また、好ましくは3.0重量%以下であり、より好ましくは2.0重量%以下である。配合量が少なすぎる場合には熱酸化防止能が少なく、容器の用途や加熱処理条件によっては容器の衝撃強度が低下する場合がある。また、また配合量が多すぎる場合は、得られた容器の着色が激しくなったり、異臭がして香味保持性が悪くなったりして問題となる場合がある。
用いられる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤が挙げられるが、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が効果的である。
このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、公知のものを使用してよく、例示するならば、ペンタエリスリトール−テトラエキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ−3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート)、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を例示することができる。
この場合ヒンダードフェノール系酸化安定剤は、ポリエステルに結合していてもよい。
本発明における前記のポリオレフィン樹脂等を配合したポリエステル樹脂組成物の製造は、前記ポリエステル樹脂に前記ポリオレフィン樹脂を、その含有量が前記範囲となるように直接に添加し溶融混練する方法、または、マスターバッチとして添加し溶融混練する方法等の慣用の方法によるほか、前記ポリオレフィン樹脂を、前記ポリエステル樹脂の製造段階、例えば、溶融重縮合時、溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合時、固相重合直後等のいずれかの段階、または、製造段階を終えてから製膜段階に到るまでの工程などで、粉粒体として直接に添加する等の方法で混入させる方法等によることもできる。
無機微粒子や酸化防止剤などを配合する方法としては、マスターバッチとして添加し溶融混練する方法が好ましい。この場合、前記のポリオレフィン樹脂を配合したポリエステル樹脂マスターバッチにこれらを配合するのが好ましい。
溶融混練は、従来から公知のいかなる方法を用いてもよいが、単軸型ないしは二軸型の押出機により生産性良く行うことができる。押出機による溶融混練の場合、通常、温度は好ましくは270〜300℃、より好ましくは275〜280℃に設定して実施される。
本発明の多層ポリエステルシートに用いるポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤、例えば、公知の紫外線吸収剤、酸素吸収剤、酸素捕獲剤、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物等の反応基を有する化合物、金属不活性剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加剤、種々の重合体を配合してもよい。重合体としては、例えばポリアミド系重合体、ポリエステルエラストマーおよびその他のポリエステル系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリアクリル系重合体などが挙げられる。これらは、溶融混練や溶融成形の際に添加してもよいし、あらかじめ原料樹脂中に添加しておいてもよい。
さらにまた、前記ポリエステル樹脂組成物に紫外線遮断性樹脂、耐熱性樹脂、使用済みポリエチレンテレフタレートボトルからの回収品等を適当な割合で混合することも可能である。
(多層ポリエステルシート)
本発明の多層ポリエステルシートは、ポリエステル樹脂と無機微粒子を含み、ポリオレフィン樹脂を実質的に含まない表層と、ポリエステル樹脂と無機微粒子とポリオレフィン樹脂とを含む内層とから構成される多層ポリエステルシートであって、アルデヒド類の含有量が70ppm以下であり、前記多層ポリエステルシートを150℃で10分間加熱処理した後の50%エタノール抽出量が1mg/100cm以下である多層ポリエステルシートである。
本発明の多層ポリエステルシートを150℃で10分間加熱処理した後の50%エタノール抽出量は、好ましくは0.8mg/100cm以下、さらに好ましくは0.6mg/100cm以下である。50%エタノール抽出量が多すぎる場合は、前記のように容器などを真空成形機により連続生産方式で加熱成形する際に、加熱金型にポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂からのオリゴマーなどが次第に付着蓄積され、その結果、加熱金型と前記多層ポリエステルシートとの離型性が悪くなったり、容器の内面の光沢が悪くなったり、ヒートシールが剥がれやすくなったりすることがあり、また内容物の種類によっては、容器に充填した食品に容易に移行し、その味や臭いに影響したりして問題となる場合がある。なお、多層ポリエステルシートの50%エタノール抽出量は、下記の方法によって測定するが、これは、容器に成形した多層ポリエステルシートの表面層に存在するポリエステル樹脂由来の遊離のモノマーやオリゴマーなどの低分子化合物の含有量の尺度である。なお、50%エタノール抽出量の上限は特に限定されないが、経済的な製造コストの観点から、0.01mg/100cm以上が好ましい。
また、ヒートシールによりフィルム状の蓋を張り付けるレトルト用途では、接着力が低下し、密封性が確保できなくなる場合がある。フイルム状の蓋をヒートシールしたポリエステル容器では、イージーピール性と密着性の両者が要求され、レトルト処理後のシール強度としては一般的には1000〜2000gf/15mmの範囲が要求される。ポリエステル容器の50%エタノール抽出量が多すぎる場合は、前記容器とヒートシール層の界面にポリエステル樹脂由来の遊離のモノマーやオリゴマーなどの低分子化合物がレトルト処理などの熱処理時に移動して蓄積しやすく、シール強度が低下して容器の密封性の点で問題となる場合がある。
50%エタノール抽出量を前記の値以下に制御する方法としては、例えば、前記のようにファイン含有量が10〜10000ppmで、環状3量体含有量が0.70重量%以下のポリエステル樹脂を構成成分とする前記ポリエステル樹脂組成物を表層あるいは表層と内層に用い、製膜時の樹脂温度を約270〜295℃に維持して製膜する方法、下記のような遊離のモノマーや線状オリゴマーの含有量を持つポリエステル樹脂を構成成分とする前記ポリエステル樹脂組成物を表層あるいは表層と内層に用い、前記と同様の温度範囲に維持して製膜する方法、または、さらに結晶化促進効果がある前記の無機微粒子を0.1〜5重量%配合したポリエステル樹脂組成物を表層に用いて容器成形時にシート表面の結晶化を促進させる方法、などがあり、特にはこれらの全ての方法を組み合わせて製膜する方法が好ましいが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の多層ポリエステルシートのアルデヒド類の含有量は、好ましくは70ppm以下であり、より好ましくは60ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下であり、最も好ましくは30ppm以下である。アルデヒド類含有量が多すぎる場合は、本発明の多層ポリエステルシートからなる容器などの内容物の香味保持性が悪くなりやすい。なお、アセトアルデヒド量の下限は特に限定されないが、経済的な製造コストの観点から、0.5ppm以上であることが好ましい。
多層ポリエステルシートのアルデヒド類含有量を前記の範囲にすることは、例えば、アルデヒド類含有量が好ましくは30ppm以下、より好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下のポリエステル樹脂を用いて、製膜時の樹脂温度を約270〜295℃に維持することによって達成することができる。
また、残存重縮合触媒を水処理して失活させたポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物や、残存重縮合触媒をリン化合物によって失活させたポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物を用いることによっても達成することができる。
また、ポリエステル樹脂にアミノ基を分子内に含有する低分子量有機化合物、脂肪族ポリアミド樹脂、あるいは部分芳香族ポリアミド樹脂などのポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、水酸基を分子内に含有する低分子量有機化合物などを適量配合させたポリエステル樹脂組成物を用いることによっても多層ポリエステルシートのアルデヒド類含有量を前記の範囲にすることができる。
さらにまた、ベント式押出機を用いてベントから減圧にしながら最適条件で製膜することによっても(原料ポリエステル樹脂のアルデヒド類含有量が30ppmを超え、約100ppm未満であっても)、達成することは可能である。
本発明に係るポリエステル樹脂が、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂である場合は、本発明の多層ポリエステルシートは、その中に、遊離のテレフタル酸(以下、「TPA」と言うことがある)を15ppm以下、遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレート(以下、「MHET」と言うことがある)を50ppm以下、遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート(以下、「BHET」と言うことがある)を70ppm以下、および遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート2量体(以下、「BHET−2」と言うことがある)を200ppm以下含有する多層ポリエステルシートである。
遊離のテレフタル酸含有量(以下、「TPA含有量」と言うことがある)は、好ましくは13ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下であり、最も好ましくは8ppm以下である。下限については、特に限定はないが、経済的なコストおよび生産性の観点からは、0.1ppm以上とすることが好ましい。
遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレート含有量(以下、「MHET含有量」と言うことがある)は、好ましくは45ppm以下であり、さらに好ましくは40ppm以下であり、最も好ましくは25ppm以下である。下限については、特に限定はないが、経済的なコストおよび生産性の観点からは、0.1ppm以上とすることが好ましい。
遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート含有量(以下、「BHET含有量」と言うことがある)は、好ましくは60ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下であり、最も好ましくは30ppm以下である。下限については、特に限定はないが、経済的なコストおよび生産性の観点からは、0.1ppm以上とすることが好ましい。
遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート2量体(以下である。「BHET−2含有量」と言うことがある)の含有量は、好ましくは150ppm以下であり、さらに好ましくは130ppm以下であり、最も好ましくは100ppm以下である。下限については、特に限定はないが、経済的なコストおよび生産性の観点からは、0.1ppm以上とすることが好ましい。
前記の本発明のシートの中の遊離のテレフタル酸含有量が多すぎる場合(例えば、15ppm以上)、遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレート含有量が多すぎる場合(例えば、50ppm以上)、遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート含有量が多すぎる場合(例えば、70ppm以上)、および遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート2量体が多すぎる場合(例えば、200ppm以上)の場合には、本発明の多層ポリエステルシートからなる容器を成形する際の加熱金型の汚れが酷くなったり、また得られた容器などに充填した内容物(例えば、食品)の風味や香りが非常に低下しやすい。特に、電子レンジなどによる加熱処理やレトルト処理時に、このような香味保持性の悪化が顕著となる。これは、これらの遊離のモノマー等の低分子量化合物が、多層ポリエステルシートより内容物(例えば、食品)中に極微量ではあるが溶出し、その結果内容物の風味等に影響を及ぼすものと考えられる。
前記の本発明のシート中の遊離の微量成分の含有量を前記の範囲に規制するためには、遊離のテレフタル酸を10ppm以下、好ましくは8ppm以下、さらに好ましくは6ppm以下、最も好ましくは5ppm以下、遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレートを20ppm以下、好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは13ppm以下、最も好ましくは9ppm以下、遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレートを30ppm以下、好ましくは28ppm以下、さらに好ましくは25ppm以下、最も好ましくは20ppm以下、および遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート2量体を100ppm以下、好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下、最も好ましくは55ppm以下の量を含有するポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
本発明で用いられるこのようなポリエステル樹脂は、例えば溶融重縮合を出来るだけ低温度で短時間に実施し、また溶融重縮合終了後チップ化するため細孔から押し出すまでの間、出来るだけ低温度で短時間の条件下に溶融状態で保持することにより得られる。すなわち、重縮合反応の温度は260℃〜285℃が好ましく、真空度は600〜0.1Torrが好ましい。回分式装置での重縮合の場合は、最終段階の重縮合反応を260〜285℃、5〜0.1Torrの減圧下に1.5時間以内に終了することが好ましい。また連続式装置で重縮合を行う場合は、最終の重縮合反応は260〜285℃、5〜0.1Torrの条件で2時間以内で終了することが非常に好ましい。また、溶融重縮合終了後の溶融状態での保持条件は、好ましくは260〜285℃で20分以内、より好ましくは15分以内、更に好ましくは10分以内にする。高すぎる温度で重縮合を行ったり、長すぎる時間の重縮合を行う場合には、上記の遊離のモノマー等の低分子化合物の含有量が前記の上限値以上になり問題となることがある。
また、シート化時の溶融により、上記の遊離のモノマー等の低分子化合物の含有量が増加することがある。従って、シート化の際に遊離のモノマー等の低分子化合物を発生させにくい条件を選ぶことが必要である。
具体的には、成型機に投入する前の樹脂は水分率100ppm以下まで乾燥させる、樹脂の乾燥は150℃以下の温度で行い、20torr以下の減圧下かもしくは酸素濃度1%以下の窒素雰囲気下で行う、成型機の樹脂投入口付近は窒素雰囲気下におく、成形の際の樹脂温度は好ましくは295℃以下、より好ましくは290℃以下、さらに好ましくは285℃を超えないようにし、特に剪断による発熱があるため、押し出し機の回転速度は、バレルとスクリューのクリアランスやスクリュー構成等を考慮し、必要以上に上げない、成型機中〜ダイの樹脂滞留時間を短時間、好ましくは5分以内とする、押し出し機やダイにデッドスペースが発生しないようにする、などの工夫を適宜行っていく必要がある。
また、本発明の多層ポリエステルシートが含有する環状3量体の含有量は、例えば、好ましくは0.70重量%以下、より好ましくは0.50重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%以下である。多層ポリエステルシートの環状3量体含有量が多すぎる場合には、前記多層ポリエステルシートから容器などを真空成形機により連続生産方式で加熱成形する際に、加熱金型にポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂からのオリゴマーなどが次第に付着蓄積され、その結果、加熱金型と前記多層ポリエステルシートとの離型性が悪くなったり、容器の内面の光沢が悪くなったりして問題となりやすく、また内容物の種類によっては、その味や臭いに影響したりして問題となる場合がある。多層ポリエステルシートが含有する環状3量体の含有量の下限は特に限定されないが、生産性その他の点から0.10重量%以上であることが好ましく、0.20重量%以上とすることがより好ましい。
環状3量体の含有量が0.70重量%以下の多層ポリエステルシートは、例えば、環状3量体の含有量が0.68重量%以下のポリエステル樹脂を用いて、製膜時の樹脂温度を約270〜295℃に維持することによって得ることができ、また用いるポリエステル樹脂を20〜180℃で水または水蒸気で接触処理することによって残存重縮合触媒を失活させたり、またリン化合物によって失活させることによっても得ることができる。
本発明の多層ポリエステルシートの極限粘度は、特に、主たる構成単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂の場合は、好ましくは0.70〜2.00デシリットル/グラムであり、より好ましくは0.75〜1.50デシリットル/グラムであり、さらに好ましくは0.80〜1.30デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が低すぎる場合には、得られた多層ポリエステルシートの耐衝撃性や耐ピンホール性などの機械的特性が悪くなる場合がある。また極限粘度が高すぎる場合は、押出機による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなることがあり、香味保持性に影響を及ぼすアセトアルデヒドなどの遊離の低分子量化合物の含有量が増加する場合があり、またこのような高粘度の多層ポリエステルシートを得るためのポリエステル樹脂を製造するには、非経済的な製造方法によるしかなく、コスト高になり、経済性の観点で不利になる。
前記の極限粘度の多層ポリエステルシートは、例えば、極限粘度が約0.72〜2.5デシリットル/グラム以上のポリエステル樹脂を用い、製膜前にポリエステル樹脂組成物の水分率を100ppm以下に管理し、製膜時の樹脂温度を約270〜295℃にすることにより得られる。
本発明の多層ポリエステルシートの厚みは、好ましくは100〜1000μmの範囲であり、より好ましくは150〜800μmである。
本発明の多層ポリエステルシートは、通常、層A(容器にした場合の最外層=表層):層B(内層):層A(容器にした場合の最内層=表層)とから構成されるが、その厚みの比は層A:層B:層A=0.01:99.8:0.01〜3:4:3であることが好ましい。層の数は通常3層であるが、両表層に層Aの樹脂組成物が位置している限り、例えば5層や7層であってもよく、その際の上記3層の厚み比は上記の厚み比に準じ、新たに加えた層の厚み比はその効果を発現する為に必要な任意の厚みとする。
また本発明の多層ポリエステルシートは層A及び層Bの2層からなるものであってもよい。この場合は通常、本明細書中に層Aとして記述した樹脂組成物からなる層が成形金型に触れるように成形時に配置することが好ましい。逆に配置した場合、例えば真空成形、圧空成形時にポリオレフィン樹脂が金型に転写され、金型汚れの原因となりやすい。
さらに本発明のポリエステルシートが多層ポリエステルシートである場合は、前述の表層以外の層に、例えばCHDM共重合ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ダイマー酸共重合PET、ダイマジオール共重合PET等の樹脂及びそれらの混合物を用いることができる。
本発明の多層ポリエステルシートは、通常の共押出法によって作製され得る。
本発明の多層ポリエステルシートは、加圧、真空、圧縮などの成形によりトレーなどの容器に加工される。
本発明の多層ポリエステルシートは、結晶化させることにより、200℃以上の高い耐熱性を持たせることが出来る。加熱結晶化は、熱風による方法、赤外線照射による方法、金型による方法、ベルトヒータによる方法などが挙げられ、成形の方式等により自由に選択することが出来る。
加熱結晶化を行う温度は好ましくは140℃以上であり、より好ましくは150℃以上である。また上限については、好ましくは210℃以下であり、より好ましくは200℃以下である。加熱結晶化を行う時間は好ましくは1秒以上であり、より好ましくは5秒以上であり、さらに好ましくは10秒以上である。上限については、好ましくは5分以下であり、より好ましくは2分以下であり、さらに好ましくは1分以下である。
成形された容器などの結晶化度は好ましくは20〜40%であり、より好ましくは25〜35%である。結晶化度が少なすぎるとレトルト用途などに適した容器としての十分な耐熱性が得られにくく、また大きすぎると過結晶化状態となりやすく耐衝撃性が著しく低下しやすい。成型時において、結晶化度が上記範囲に入るよう、成形条件を調整することが好ましい。
また、本発明の多層ポリエステルシートの熱収縮率は、好ましくは0.1〜8%であり、より好ましくは0.2〜6%である。熱収縮率が低すぎる(例えば、0.1%以下の)多層ポリエステルシートを得るためには非生産的な条件を採用せねばならず経済的に不利であり、大きすぎると容器成形時に型決まりが悪くなりやすく満足な容器の形状が得られなかったり、ヒートシールが剥がれやすくなったりすることがある。
多層ポリエステルシートの成形時の予熱工程での加熱方式が遠赤外線加熱などの非接触式である場合には、熱収縮率は好ましくは2%以上であり、より好ましくは3%以上である。また、上限については好ましくは8%以下であり、より好ましくは6%以下である。少なすぎる場合には容器成形時のシート予熱工程でのシートの垂れ下がりが発生しやすく操業性が著しく悪化する場合があり、大きすぎる場合には前記と同様の問題が起こる場合がある。
熱収縮率を0.1〜8%にする方法としては、シート製造時にタッチロールとチルロール間にあるシートにかかる圧力、タッチロールとチルロールの温度、押し出し機からの樹脂吐出量とシートの巻き取りスピードの調節などにより熱収縮率を調整することができる。一般的には、残留歪みが小さくなるように調整することで、熱収縮率は小さくすることができる。
例えば、一般的な傾向として、樹脂吐出量に対してシートの巻き取りスピードが過度に大きい場合は得られたシートの熱収縮率は上記範囲より大きくなり、巻き取りスピードが過度に小さい場合には熱収縮率も上記範囲より小さくなる。また、タッチロールとチルロールの圧力が大きい場合にも熱収縮率が大きくなる傾向がある。
上記条件は、用いる樹脂の特性、例えば重合度、共重合成分、配合比などにも大きく依存する。よって、シーティングに最適な条件は、用いる樹脂、およびシート成形を行う機台に応じて適宜適正化することが必要である。
本発明において、容器は、内容物を収容する部分(容器本体)のみからなる蓋無しの容器であっても良く、内容物を収容する部分(容器本体)と、その開口部を塞ぐための蓋とを有する蓋付容器であっても良い。容器は、その内容物を収容した後に、その開口部を塞いで内容物を密封できるタイプの容器であることが好ましい。したがって、蓋無しの容器の場合は、その開口部を塞ぐことができるように設計されていることが好ましい。例えば、開口部をヒートシール等することにより開口部が塞がれて密封されるタイプの容器であることが好ましい。なお、容器にはヒートシールを行うためのフランジ部を持つことも好ましい。
好ましい実施態様では、成形して得らた容器は、食品などの内容物を充填した後、蓋により密封される。蓋の材料としては特に限定されないが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等のプラスチックシートやフィルム、アルミ箔等の金属箔、紙、及びこれらの積層体のような薄片状のものが例として挙げられる。この中でも、2軸延伸PETフイルム、未延伸ナイロンフイルム、およびこれらをベースとしたアルミや無機酸化物の蒸着フイルムなどの酸素透過性が低い物が好ましい。
密封方法としては、ヒートシールによる方法が好ましい。ヒートシール材料としては容器本体への接着性の面から、ポリエステル系のヒートシール剤が好ましい。また、容器を容易に開封できるように、ヒートシール剤はイージーピール性であることが好ましい。
ポリエステル系ヒートシール剤のベースポリマーとして用いられるポリエステル樹脂の多価カルボン酸としてはテレフタル酸40モル%以上、グリコール成分としてブタンジオール80モル%以上であることが望ましい。テレフタル酸が40モル%より少なく、ブタンジオールが80モル%よりも少ないと融点が下がり高温でレトルト殺菌を行うことが困難になりやすい。また、結晶化速度が下がり製膜時のフィルム巻取りの際、ブロッキングが発生する。本発明のイージーピールシール材に用いる結晶性ポリエステルとして上記の範囲内であれば他の成分も共重合することができる。その際の多価カルボン酸成分としてはイソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の公知のものが使用できる。また、ジオール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン等が使用できる。
ヒートシール強度を適度に調節してイージーピール性を良好にするために、主成分の結晶性ポリエステル以外にポリオレフィン樹脂を含有させることができる。ポリオレフィン樹脂をブレンドする場合、その配合量は好ましくは3〜20重量%であり、より好ましくは8〜20重量%である。適切な量のポリオレフィン樹脂を含有させることで、適切な剥離強度(例えば、1〜2kgf/15mmの剥離強度)を有するイージーピール性を達成することが可能となる。実際に手で剥離を行う時、特に優れたイージーピール性、即ち、良好な剥離感を得るためにはポリオレフィン樹脂を3重量%以上ブレンドすることが好ましい。しかしブレンド量が多すぎる場合は、シール強度が弱くなる傾向にあり、さらにはフレーバー性が低下する傾向があるため、樹脂臭や容器の内容物成分の吸着といった問題が生じる。添加するポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、アイオノマー、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、プロピレンブテン共重合体等が使用できる。
ポリエステル系ヒートシール剤のベースポリマーとして用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは0℃以下であり、より好ましくは−5℃以下である。ガラス転移温度が高すぎる場合には、結晶性ポリエステルの結晶化時の体積収縮が大きくなりやすく、結晶化ポリエチレンテレフタレートへの接着性が著しく低下しやすい。
ポリエステル系ヒートシール剤のベースポリマーとして用いられるポリエステル樹脂の融点は好ましくは120〜200℃であり、120〜180℃であることがより好ましい。融点が低すぎるとレトルト時に接着層の白化や変形が起こり外観が悪くなる場合があると共にシール強度が著しく低下しやすい。融点が高すぎるとシール温度を高くする必要が生じ、シール温度が高すぎるとC―PETシートが軟化して変形することによる外観不良が生じやすい。結晶性ポリエステルの固有粘度はフィルム成形性の点から通常0.5〜2.0程度が好ましい。
ポリエステル系ヒートシール剤のベースポリマーとして用いられるポリエステル樹脂にポリエーテルグリコールを、好ましくは5〜60重量%共重合させると良好なイージーピール性が得られる。ポリエーテルグリコールが少なすぎると接着力が強すぎてイージーピールしにくい傾向にあり、また多すぎる場合(例えば60重量%を越える場合)には接着性が低下しやすいと共に分解するポリエーテルグリコールの量が増加し、臭気を発生する。よってフレーバー性に劣る。またこの時のポリエーテルグリコールはポリテトラメチレングリコールが望ましい。これを用いることによりイージーピールシール剤として適した分子量まで上げることができ、良好なイージーピール性が得られる。
さらには、ヒートシール剤に比表面積400m2/g以上のシリカを0.1〜5重量%添加すると良好なフレーバー性が得られる。比表面積が小さすぎるシリカを用いるとフレーバー性が低下しやすい。また添加量が少なすぎるとフレーバー性が低下しやすい。また多すぎると接着性が低下しやすい。よって上記のような条件であることが望ましい。
またヒートシール剤に必要に応じて種々の添加剤を添加することが出来る。例えば、スリップ剤としてはシリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等、帯電防止剤としてステアリン酸モノグリセライド、ソルビタン酸ポリオキシエチレン等である。また、その特性を大きく変えない範囲でポリオレフィン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネートなどを必要に応じて少量含有することができる。
ヒートシール剤は、基材上に直接溶融押し出しして積層体とすることもできるし、ヒートシール剤に用いられる結晶性ポリエステルをフィルムに前もって製膜した後、別の適当な公知の接着剤を用いて上記の基材に積層する事もできる。
ヒートシール剤の厚みは用途により任意に定めることができるが、通常3〜50μm程度である。また蓋の厚みも用途により任意に定めることができるが、通常20〜150μm程度である。
本発明の耐熱性ポリエステル容器は、食品を充填した後、前記の蓋を前記のヒートシール剤でシールした後、公知のレトルト殺菌処理によって殺菌処理を行なう用途、電子レンジやオーブンレンジ加熱処理用途に用いることが出来る。
また、生米を容器等に充填して炊き上げる、公知の生米充填法によって容器に充填した無菌米飯を製造する用途に用いることができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以下に説明する。
(評価方法)
(1)ポリエステル樹脂あるいはポリエステルシートの極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
(2)ポリエステル樹脂中あるいはポリエステルシート中に共重合されたジエチレングリコール含有量(以下「DEG含有量」という)
メタノールにより分解し、ガスクロマトグラフィーによりDEG量を定量し、全グリコール成分に対する割合(モル%)で表した。
(3)ポリエステル樹脂あるいはポリエステルシートの、環状エステル3量体の含有量(以下「CT含有量」という)および遊離のTPA含有量、MHET含有量、BHET含有量、BHET−2含有量
試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈した。これにメタノール15mlを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状エステル3量体および遊離のTPA、MHET、BHET、BHET−2を定量した。
(4)ポリエステル樹脂あるいはポリエステルシートのアセトアルデヒド含有量(以下「AA含有量」という)および他のアルデヒド類の含有量
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドおよび他のアルデヒド類を高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。
(5)ポリオレフィン樹脂の密度
JISK−6760−1981の方法に基づいて測定した。
(6)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
JISK−6760−1981の方法に基づいて測定した。
(7)無機粒子の平均粒子径
無機粒子をスライドガラス上に平らに広げ、SEM観察後、写真に撮り、ほぼ球形の粒子の最も長い径をノギスで計り、100個の数平均をとった。
(8)ポリエステルシートの50%エタノール抽出量
ポリエステルシートを150℃に設定したギヤーオーブンに入れ10分間加熱処理し、シートの片面を抽出処理するための片面溶出用器具(ポリオレフィン等衛生協議会の試験方法「3−3.溶出試験」の図1に規定されたもの)にセットし、この中に50容量%エタノール、300mlをシート表面積1cm当り2mlの割合で満たし、25℃で30分間放置した。所定時間経過後、片面溶出用器具から50%エタノールを清浄なビーカーに移し、ロータリーエバポレータにより20〜30mlになるまで濃縮した。濃縮液は、予め105℃で乾燥し、恒量を得た蒸発皿に移し水浴上で蒸発乾固した。次いで、105℃で2時間乾燥後、シリカゲルを乾燥剤としたデシケーター中で、60分間放冷し、冷却後秤量して、蒸発皿の前後の重量差(Amg)を求めた。
別に試験溶液と同量の50%エタノールを蒸発させ、同様にして蒸発残渣の重量(Bmg)を求めブランクとした。
シート表面積100cm当りの抽出量は、下記の式から求めた。
50%エタノール抽出量(mg/cm)=(A−B)×100/150
(9)予熱時の垂れ
三和興業社製真空圧空成形機TVP−33型にて、シートの予熱をヒーター出力90%設定で行い、およそヒーター温度を525℃とした。この条件下で一定時間シートを加熱し、そのシートが垂れる量を目視にてその大小を評価した。垂れの小さいものは〇とし、垂れの大きいものは×とし、中間を△とした。
(10)型決性
下記の(14)の方法で容器成形を行い、得られる容器の特に角部分の成形具合を目視にて評価した。金型と同じ形状を充分得ているものを〇とし、金型の形状を充分に得ていないものを×とし、中間を△とした。
(11)離型性
下記の(14)の方法で容器成形を行い、得られる容器の金型からの離れ易さを目視にて評価した。金型から容器が速やかに離れるものを〇とし、離れにくいものを×とし、中間を△とした。
(12)金型汚れ
下記の(14)の方法で連続的に300回の成形を行い、金型表面への付着量を目視にて観測、評価した。付着が認められないものを○とし、付着が認められ連続成形により得られる容器の外観が悪化するものを×とし、中間を△とした。
(13)表面外観
下記の(14)の方法で容器成形を行い、得られた容器表面の外観を目視にて観察・評価した。容器表面が平滑で外観に優れるものを〇とし、一方容器表面が傷や荒れがあり外観に劣るものを×とし、中間を△とした。
(14)ポリエステルシートの製法
下記の各樹脂を用いて、自家製シーティング機にて0.6mm厚みの3層シートを得た。各層の厚みの比は、層A:層B:層A=1.6:6.8:1.6とした。なお、シート成形時のバレル温度条件は全て290℃設定、樹脂温度約290℃で溶融押出した。
なお、自家製シーティング機のタッチロール径は20cm、チルロール径は50cmであり、樹脂吐出量は各層への吐出量を合計し、台幅1mあたり50kg/hrとした。また、ロール回転数はその都度決定した。
(15)容器の成形
三和興業社製真空圧空成形機TVP−33型にて、鏡面仕上げの金型を用いて満注容量320ccのトレー容器を得た。尚、シート成形時のバレル温度条件は全て290℃設定、容器成形時のシート予熱条件は全てヒーター出力90%設定、容器成形時の金型温度条件は全て180℃設定、容器成形時の加熱時間は全て10.5sec設定で行った。
(16)蓋の製造
厚さ50μmの二軸延伸PETフィルムの上に、ポリエステル樹脂(テレフタル酸/イソフタル酸//ブタンジオール/ポリテトラメチレングリコール(65/36//83/17モル比))90部、ポリプロピレン10部、シリカ1部を溶融混合したヒートシール剤を押し出しラミネートにより厚さ5μmの層として積層し、得られた積層体を蓋に用いた。
(17)官能試験
上記の容器に沸騰した蒸留水を入れた後、前記の蓋を加熱シールして30分保持し、室温で5日間放置し、開栓後風味、臭いなどの試験を行った。比較用のブランクとして、室温の蒸留水をガラス製容器に入れ、その直後の異味および臭いを評価した。官能試験は10人のパネラーにより次の基準により実施し、平均値で比較した(例えば、「○」が2人、「△」が6人、「×」が2人であれば、平均として「△」であると評価した)。
(評価基準)
◎ :異味、臭いを感じない
○ :ブランクとの差をわずかに感じる
△ :ブランクとの差を感じる
× :ブランクとのかなりの差を感じる
××:ブランクとの非常に大きな差を感じる
(18)熱収縮率
JIS K7133に準じ、100℃、15分間のシート巻き方向(シート成形時のマシンダイレクト方向)の熱収縮率を測定した。5つのサンプルに対して測定を行い、平均をとった。
(19)レトルト後のシール性
(16)の官能試験に用いた容器のシール部分を切り取り測定用サンプルとした。サンプルを120℃で30分間レトルト処理後取り出し、水分を拭き取った後にシリカゲルを入れたデシケーター中で放置した。1日後サンプルを取り出し、100mm/minの速度で180℃剥離強度を測定した。5つのサンプルに対して測定を行い、平均をとった。
(17) ファインの含有量の測定
樹脂約0.5kgを、JIS−Z8801による目開き1.7mmの金網をはった篩(直径20cm)の上に乗せ、テラオカ社製揺動型篩い振とう機SNF−7で1800rpmで1分間篩った。この操作を繰り返し、樹脂を合計20kg篩った。
ふるい落とされたファインは、別々にイオン交換水で洗浄し岩城硝子社製G1ガラスフィルターで濾過して集めた。これらをガラスフィルターごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラスフィルターの重量を引き、ファイン重量を求めた。
(ポリエステル樹脂)
PET―1:IV=1.00デシリットル/グラム、DEG含有量=1.2モル%、AA含有量は2.3ppm(AA以外のアルデヒド類は0ppm)、環状3量体含有量が0.30重量%、TPA含有量2ppm、MHET含有量が7ppm、BHET含有量が10ppm、BHET―2含有量が50ppm、ファイン含有量が約300ppm、
PET−2:IV=0.68デシリットル/グラム、DEG含有量=4.9モル%、AA含有量は110ppm、環状3量体含有量が1.00重量%、TPA含有量21ppm、MHET含有量が35ppm、BHET含有量が39ppm、BHET―2含有量が220ppm、ファイン含有量が約5ppm
(ポリオレフィン樹脂)
UF230:日本ポリケム(株)社製直鎖状低密度ポリエチレンノバテックLL(UF230):密度=0.921g/cm3、MFR=1.1g/10min
VL800:住友化学工業(株)社製特殊軟質ポリオレフィンエクセレンVL(VL800):密度=0.905g/cm3、MFR=20g/10min
UJ790:日本ポリケム(株)社製直鎖状低密度ポリエチレンノバテックLL(UJ790):密度=0.928g/cm3、MFR=50g/10min
(タルク)
#5000S:林化成(株)社製MICRON WHITE#5000S:平均粒子径=2.8μmφ
PK−C:林化成(株)社製TALCAN PAWDER PK−C:平均粒子径=11μmφ
(ワックス)
Luwax OP:ビーエーエスエフジャパン(株)社製モンタン系ワックス、融点=84〜94℃
(実施例1〜4および比較例1〜4)
上記の各樹脂および添加材を表1に示した配合割合で用いて、(13)の方法で3層シートを得、これらのシートを用いて、(14)の方法で容器を得た。
多層シートの層A及び層Bの樹脂組成および評価結果については以下の表1にまとめて示した。
Figure 0004614044
表1より、実施例1〜4に記載の多層ポリエステルシートは、金型汚れを生じず、成形時における型決性、離型性、表面外観も良好であり、官能試験も問題なかった。
一方、比較例1は型決性、離型性、官能試験に問題があり、比較例2は表面外観、官能試験、比較例3は予熱時の垂れ、型決性、離型性、官能試験、比較例4は金型汚れ、官能試験が悪かった。
本発明の多層ポリエステルシートは、香味保持性、耐熱性、成形性および廃棄処理適性、環境適性などが要求される包装容器用途に対するシートとして好適に用いることができる。特に200℃以上の耐熱性を持つため、電子レンジやオーブンで容器ごと加熱や調理することが可能であり、またレトルト処理にも絶え得る耐熱性と高湿度下でのバリヤー性を持つため各種食品の無菌包装用途に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
ポリオレフィン等衛生協議会の試験方法、3−3.溶出試験の図1で規定された片面溶出用器具

Claims (3)

  1. ポリエステル樹脂と無機微粒子を含み、ポリオレフィン樹脂を実質的に含まない表層と、ポリエステル樹脂と無機微粒子とポリオレフィン樹脂とを含む内層とを含む多層ポリエステルシートであって、アルデヒド類の含有量が70ppm以下であり、前記多層ポリエステルシートを150℃で10分間加熱処理した後の50%エタノール抽出量が1mg/100cm以下であって、
    前記ポリオレフィン樹脂の密度(ρ)が0.95g/cm以下であるか、あるいは前記ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上であり、
    前記多層ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂がエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂であり、前記多層ポリエステルシートのポリエステル組成物中に、遊離のテレフタル酸を15ppm以下、遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレートを50ppm以下、遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレートを70ppm以下、および遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレート2量体を200ppm以下含有する、無菌米飯用容器のための多層ポリエステルシート。
  2. 請求項1の多層ポリエステルシートを成形して得られる、無菌米飯用ポリエステル容器。
  3. 請求項2に記載のポリエステル容器であって、薄片状の蓋を有し、該蓋と該容器との間がヒートシールにより密封されている、無菌米飯用ポリエステル容器。
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