JP4983039B2 - 基材紙ラミネート用共重合ポリエステル樹脂を用いた積層物 - Google Patents

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Description

本発明は、紙製品、特に基材紙のラミネート用共重合ポリエステル樹脂及び該ポリエステル樹脂を用いた積層物に関する。より詳しくは、紙との接着性、ヒートシール性および保味・保香性に優れた基材紙のラミネート用共重合ポリエステル樹脂及び該ポリエステル樹脂を基材紙上にラミネートした積層物に関するものである。
基材である紙を樹脂で被覆したラミネート紙は、包装容器材料として広く使用されている。従来、紙製品のラミネート用樹脂としては紙との接着性に優れ、ラミネート成形が容易なことからポリオレフィン系樹脂が使用されてきた。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は、樹脂中の揮発成分が容器の内容物に移行することと、内容物中の香料成分が樹脂に吸着されること、ガスバリア性が悪く香料成分が散逸することなどにより、内容物の保味・保香性が要望される飲料食品包装材料の分野では不向きであるとされてきた。このため、代替素材として保味・保香性に優れたポリエステル系樹脂を紙製品ラミネート用樹脂として使用するための検討が種々行われている。
特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂に比べて、ガスバリア性に優れ、香料成分の吸着や散逸が起こりにくいことから内容物の保味・保香性に優れている共重合ポリエステル樹脂が提案されている。しかし、この共重合ポリエステル樹脂は、共重合成分の比率が低く結晶性を有しているため紙との接着性やヒートシール性に劣るという欠点を有している。この問題を解決するために、特許文献2にはヒートシール性を改良した非結晶性の紙製品ラミネート用共重合ポリエステル樹脂が提案されているが、この共重合ポリエステル樹脂は、ヒートシール性には優れているものの紙との接着性が悪いことや、ラミネート加工性が悪く樹脂層に破断や穴あきが発生しやすい不具合があり、更なる改良が求められている。
特開平8-12747公報 特開2003−311888公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、紙との接着性、ヒートシール性に優れ、かつ内容物の保味・保香性にも優れた紙製品のラミネート用共重合ポリエステル樹脂及びこのポリエステル樹脂を紙基材上にラミネートした積層物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、共重合ポリエステル樹脂の構成成分とラミネート樹脂として必要とされる接着性、ヒートシール性等の物性について鋭意検討した結果、特定成分を含有し、所定の固有粘度を有する共重合ポリエステル樹脂が、かかる物性を満足することを見出し本発明を達成した。
即ち、本発明の要旨は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオール成分とを主構成成分とする共重合ポリエステル樹脂であって、該共重合ポリエステル樹脂は、(a)ネオペンチルグリコールを全ジオール成分に対して20〜45モル%含有すること、(b)3以上のエステル形成性基を有する多官能化合物成分を全ジカルボン酸成分に対し0.01〜1.0モル%含有すること、及び(c)固有粘度が0.50dl/g以上、0.80dl/g以下である基材紙ラミネート用共重合ポリエステル樹脂を基材紙の面上に押出しラミネートしてなることを特徴とする積層物に存する。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、基材紙との接着性に優れており、ヒートシール性、ラミネート加工性も良好であるので該樹脂を用いたラミネート紙は、各種包装材料として極めて有用である。特に本発明の共重合ポリエステル樹脂を被覆したラミネート紙からなる飲料容器は、保味・保香性に優れており、従来のポリオレフィン系樹脂被覆ラミネート紙からなる飲料容器に比べて内容物の香りや味の変化が少なく、液体飲料容器として好適である。
本発明の基材紙ラミネート用共重合ポリエステル樹脂は、上記の如くテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオール成分とを主構成成分とする共重合ポリエステル樹脂であって、下記(a)〜(c)の要件を必須とする特徴を有するものである。
(a)ネオペンチルグリコールを全ジオール成分に対して20〜45モル%含有すること、
(b)3以上のエステル形成性基を有する多官能化合物成分を全ジカルボン酸成分に対し0.01〜1.0モル%含有すること、及び
(c)固有粘度が0.50dl/g以上、0.80dl/g以下であること。
本発明の共重合ポリエステル樹脂において、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とは、ジカルボン酸成分としてのテレフタル酸が全ジカルボン酸に対して90モル%以上であることを意味する。テレフタル酸は全ジカルボン酸に対して95モル%以上であるのが好ましい。また、エチレングリコールを主成分とするジオール成分とは、ジオール成分としてのエチレングリコールが全ジオール成分に対して80〜55モル%であることを意味する。テレフタル酸及びエチレングリコールがこの範囲を超えて少なすぎると、ポリエチレンテレフタレートが有する固有の特性を損なう場合があるので好ましくない。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、ネオペンチルグリコールを全ジオール成分に対して20〜45モル%含有することが必要である。
ネオペンチルグリコールの含有量の下限は、全ジオール成分に対し20モル%であり、好ましくは23モル%、更に好ましくは25モル%である。又、上限は45モル%であり、好ましくは40モル%、更に好ましくは35モル%である。ネオペンチルグリコールの含有量が下限未満であると、この共重合ポリエステル樹脂を紙にラミネートした場合、紙との接着強度やヒートシール性が不十分であり、他方上限超過では溶融粘度の高いポリエステル樹脂が得にくいため、押し出しラミネートがやりにくい等成形加工性に難点が生ずることがあるので、好ましくない。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、3以上のエステル形成性基を有する多官能化合物成分を全ジカルボン酸成分に対し0.01〜1.0モル%含有することを必須とする。該多官能化合物成分の含有量の下限は、全ジカルボン酸成分に対し0.01モル%、好ましくは0.1モル%、より好ましくは0.2モル%である。また、上限としては1.0モル%であり、好ましくは0.8モル%、より好ましくは0.5モル%である。多官能化合物成分の含有量が、下限未満では押し出しラミネート性の改善が不十分であり、他方、上限超過では架橋が進みすぎてゲル化物の発生が起こることがあり押出成形品中に未溶融物が発生しやすくなる等の問題を生ずるので好ましくない。
3以上のエステル形成性基を有する多官能化合物は、エステル形成能の観点からカルボキシル基及び/又はヒドロキシ基を有する3価以上の多価カルボン酸及び3価以上の多価アルコールが好ましく、エステル形成性基の数は3〜4が好ましい。
多官能化合物として3価以上の多価カルボン酸の具体例としては、トリカルバリル酸等の脂肪族多価カルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸、没食子酸等のヒドロキシカルボン酸が挙げられるが、これらの中で、トリメリット酸が取り扱い性などの点から好ましい。
3価以上の多価アルコールの具体例としては、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価脂肪族アルコールが挙げられるが、これらの中では、トリメチロールプロパンが好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、基本的には上記のテレフタル酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、多官能化合物を含有するが、本発明の目的とする該樹脂の特性を損なわない程度において、少量の他の成分を含有しても良い。これらのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等が挙げられる。また、ジオール成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、基本的には、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とによるポリエチレンテレフタレート樹脂を製造する慣用の製造方法に準じ、溶融重合、要すればそれに続く固相重合を行うことにより製造される。以下、製造方法の代表例について説明する。
溶融重合法としては、例えば、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とをエステル化反応槽で加圧下直接エステル化反応させた後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応槽に移送し、昇温するとともに漸次減圧として重縮合反応させる直接重合法、或いはテレフタル酸ジメチルエステル等のテレフタル酸のエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とをエステル交換反応槽でエステル交換反応し、得られたエステル交換反応生成物を重縮合反応槽に移送し重縮合反応させるエステル交換法が挙げられる。更に、スラリー調製槽でテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分を、エチレングリコールを主成分とするジオール成分に分散させてスラリー化したスラリーを、エステル化反応槽中の前記で得られたエステル化反応生成物又はエステル交換反応槽中のエステル交換反応生成物に、連続的に添加してエステル化し、得られた反応生成物を連続的に及び/又は段階的に重縮合反応槽に移送して重縮合反応させる連続式直接重合法等が挙げられる。これらの方法のいずれをも採り得る。また、エステル化反応、エステル交換反応及び重縮合反応では、必要に応じエステル化触媒、エステル交換触媒、重縮合触媒、安定剤などを適宜使用することができる。
上記これらの溶融重合法において、ネオペンチルグリコール及び多官能化合物はエステル化反応またはエステル交換反応時から重縮合開始前の任意の時点で添加することができる。ネオペンチルグリコール及び多官能化合物は水又はエチレングリコールに溶解させて添加するのが操作上好ましい。ネオペンチルグリコールは、重縮合時に余剰のエチレングリコールと共に反応系外に留出し易く、仕込量の10〜20重量%が系外に留出する為、生成共重合ポリエステル樹脂に含有されるネオペンチルグリコールの成分量が、所望値となるように仕込み量を調整して添加される。
尚、前記製造方法において、エステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化二アンチモンや、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機酸塩或いはアルコラート等のエステル化触媒を使用して、200〜270℃程度の温度、絶対圧力1×10〜4×10Pa程度の圧力下で行われ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の有機酸塩等のエステル交換触媒を使用して、200〜270℃程度の温度、絶対圧力1×10〜4×10Pa程度の圧力下で行われる。
又、重縮合反応は、例えば、安定剤として正燐酸、亜燐酸、及びこれらのエステルなどの燐化合物を使用し、重縮合触媒として、例えば、三酸化二アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属酸化物、或いは、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩若しくはアルコラート等を使用して行われる。
重縮合反応は、1段階で行っても複数段階で行ってもよい。1段階で行う場合、一般的には反応温度は、通常250〜290℃程度であり、圧力は常圧から漸次減圧として、最終的に絶対圧力を、通常1.3〜0.013kPa程度とし、撹拌下1〜20時間程度反応させる。複数段階で行う場合の反応条件としては、第1段階の重縮合の反応温度が、通常250〜290℃、好ましくは260〜280℃であり、圧力は通常1.3kPa〜65kPa、好ましくは2kPa〜26kPaであり、最終段階の反応温度が、通常265〜300℃、好ましくは270〜295℃であり、圧力は通常、絶対圧力0.013kPa〜1.3kPa、好ましくは0.065kPa〜0.65kPaである。中間段階の反応条件は、上記条件の中間の条件が適宜選択される。
重縮合反応により得られたポリエステル樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされるが、更に、この重縮合後のペレットを加熱処理して固相重合させることにより、より高重合度化させ得ると共に、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化することができる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、前記の重縮合反応に続いて、要すれば固相重合を行うことにより製造してもよい。固相重合に供される重縮合後のペレットは、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気下又は水蒸気雰囲気下、通常120〜200℃程度の温度で1分間以上加熱処理を施すこと等により予備結晶化を行った後、固相重合に供するのがよい。固相重合反応は、通常、180〜融点マイナス5℃程度の温度、好ましくは190〜225℃程度の温度で、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気下、及び/又は、絶対圧力1×10〜2×10Pa程度の減圧下で行われる。
上記の如き製造方法で得られた本発明の共重合ポリエステル樹脂の固有粘度は、下限が0.50dl/gであり、好ましくは、0.55dl/g、より好ましくは0.60dl/gである。また、固有粘度の上限は0.80dl/gであり、好ましくは0.75dl/g、より好ましくは0.70dl/gである。
固有粘度が0.50dl/g未満であると、該樹脂を基材紙上にラミネートしたとき接着強度が不足することがあり、他方、0.80dl/g超過では紙とラミネートするとき押し出し加工性が不十分なことがあり、好ましくない。
本明細書中において、固有粘度(IV)は、共重合ポリエステル樹脂試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液約25mlに、濃度が1.00g/dlとなるように溶解させた後、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(中央理化社製「2CH型DT504」)にて、試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、下式により算出した値である。
IV=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、 ηsp=η/η0−1 であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dl)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。なお、試料の溶解条件は、110℃で30分間である。
本発明の共重合ポリエステル樹脂の重量平均重合度と数平均重合度との比、即ち分子量分布の分散度は2.5以上、3.5以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以上3.0以下である。
2.5未満であると、紙とラミネートする時押し出し加工性が不十分なことがあり、3.5を超えると樹脂中にゲル化物が発生しやすくなり、ラミネートする時にフィルム面にゲル化物に起因する穴あきが発生することがあり好ましくない。
なお、分散度は、後述の測定法により重量平均分子量及び数平均分子量を求め、次式により算出した。
分散度=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
本発明の共重合ポリエステル樹脂を基材紙上にラミネートすることにより、基材紙上にポリエステル層を有する被覆ラミネート紙を製造することができる。ラミネート紙の製造法としては、特に制限は無く公知の押出ラミネート成形装置を用いて行うことができる。一般的には、押出ラミネート装置としては、押出機、Tダイ、冷却ロール、引取装置からなるものが挙げられる。本発明の共重合ポリエステル樹脂を押出機に供給して溶融し、ダイスから所定形状にて基材となる紙に押出し、冷却された金属ロールと圧着ロールにより挟み込み該樹脂を紙にラミネートした後、巻取ることにより、樹脂被覆ラミネート紙を製造する。
基材紙上に本発明の共重合ポリエステル樹脂からなるラミネート層(第1層)を有し、更にその上に樹脂層が要すれば複数層(第2層等)ラミネートされた積層物を製造することも出来る。その場合は、例えば、基材紙上に本発明の共重合ポリエステル樹脂の第1層を有するラミネート紙の上に更に、第2の樹脂層をラミネートすることによって製造してもよく、また、基材紙上に第1層の本発明の共重合ポリエステル樹脂と第2層の樹脂を膜状に同時に押し出す共押出用ダイスを通して押出し、冷却された金属ロールと圧着ロールにより挟み込み、第1層と第2層を同時にラミネートすることもできる。第2層の樹脂は、本発明のポリエステル樹脂との相溶性があれば特に制限されず、所望製品に応じて適宜選定使用される。
基材となる紙には、ラミネートする前に樹脂との接着性を高めるために、紙基材の表面にコロナ放電処理や高温燃焼ガスを吹き付けるフレーム処理、オゾン処理、プラズマイオン処理などの表面処理を施すことが一般的である。
ラミネートする樹脂層の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。基材となる紙については、種類や厚み、目付け量には特に制約もない、また、通常の包装容器材料に使用される紙のコート処理剤の制約もない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
なお、以下の実施例において、各物性の測定方法および評価は、下記の方法に従った。
(1)共重合ポリエステル樹脂組成(モル%)
共重合ポリエステル樹脂を、重クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の混合溶液(重量比:70/30)で溶解し、BRUKER社製AV400M分光計を用いてH−NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピーク積分強度から共重合組成(モル%)を計算した。
(2)固有粘度(IV)
共重合ポリエステル樹脂試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比:1/1)の混合液約25mlに、濃度が1.00g/dlとなるように溶解させた後、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(中央理化社製「2CH型DT504」)にて、試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、下式により算出した。
IV=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、 ηsp=η/η0−1 であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dl)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
なお試料の溶解条件は、110℃で30分間である。
(3)分子量分布(分散度)
共重合ポリエステル樹脂を、クロロホルム/HFIPの混合溶液(重量比:50/50)で溶解し、クロロホルムで10倍に希釈した後、カラム温度40℃にて東ソー社製SEC−V−RALLSを用いて測定し、数平均分子量と重量平均分子量を得た。標準ポリスチレンは、東ソー社製TSK−GEL ODS−120Tを用いた。
分子量分布の分散度は、下式の数平均分子量と重量平均分子量の比から計算した。
分散度=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
(4)押出成形性
共重合ポリエステル樹脂を熱風乾燥機中60℃で5時間乾燥し、樹脂水分量を100重量ppm以下とした後、押出機に供給して溶融し、ダイス(幅:1000mm)から厚み20μm、幅800mmのフィルム形状にて基材となる紙に押出し、冷却された金属ロールと圧着ロールにより樹脂と紙とをラミネートした後、200m/分の速度で巻取ることにより、樹脂被覆ラミネート紙を製造した。基材となる紙は晒100Gを使用し、ラミネートする前に樹脂との接着性を高めるために、紙基材の表面にオゾン処理を実施した。ラミネートの状態を目視により観察して押出成形性を評価した。
評価:
○:フィルム面に穴あきや破断が生じず、耳ゆれ(シートの端が波打つ現象)もなし
△:フィルム面に穴あきや破断は生じないが、やや耳ゆれが起こる(最長のシート幅に対する最短のシート幅の比が0.9以上)
×:フィルム面に穴あきや破断が生じる、または、耳ゆれが激しい(最長のシート幅に対する最短のシート幅の比が0.9未満)
(5)密着性評価
紙基材に共重合ポリエステル樹脂を押出してラミネートしたテスト用ラミネート紙を作成した。ラミネート紙から巾15mm、長さ150mmのサンプルを切り出した。ラミネート紙は、サンプルのうち75mmは非密着部分、75mmは密着部分となるように製膜時に非密着部分には紙と樹脂の間にアルミ箔を挿入し作成した。非密着部分のポリエステル端と紙端を引張り試験機のチャックに挟み、200mm/minのスピードで引っ張ることでポリエステルと紙との接着性を評価した。試験試料数は10枚とした。
評価:
○:全てのポリエステルフィルムが延性破壊
△:一部(4枚以下)のポリエステルフィルムが剥離した
×:半数以上のポリエステルフィルムが剥離した
(6)ヒートシール性評価
紙基材に共重合ポリエステル樹脂を押出してラミネートしたラミネート紙から、巾15mm、長さ150mmのサンプルを切り出した。ラミネート紙は、サンプルのうち75mmは非密着部分、75mmは密着部分となるようにヒートシール加工時に非密着部分には紙と樹脂の間にアルミ箔を挿入した。180℃の温度に保った上下の熱板の間に2枚のラミネート紙サンプルを挟み込み、2秒間圧力3kg/cmの条件下でラミネート紙の樹脂層同士をヒートシールした。非密着部分のラミネート紙端を引張り試験機のチャックに挟み、200mm/minのスピードで引っ張ることでラミネート紙のヒートシール性を評価した。試験試料数は10枚とした。
評価:
○:全てのポリエステルフィルムが延性破壊
△:一部(4枚以下)のポリエステルフィルムが剥離した
×:半数以上のポリエステルフィルムが剥離した
実施例1〜9,比較例1〜9
(共重合ポリエステル樹脂の製造)
所定量のテレフタル酸ジメチルエステル48.3kgと該カルボン酸成分に対しグリコール成分のモル比が2.2となるように、また、ネオペンチルグリコール(NPG)のエチレングリコール(EG)に対するモル比が表1に示した共重合ポリエステル樹脂組成(モル%)となるように、NPG及びEG(共重合ポリエステル樹脂組成がNPG30モル%の場合は、仕込みNPG9.0kg、EG25.8kg)をステンレス製オートクレーブに仕込み、250℃、200KPaの条件下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、所定量の3官能以上の多官能化合物(全ジカルボン酸成分に対し0.3モル%のトリメリット酸を共重合成分として含む共重合ポリエステル樹脂の場合は、仕込み140g)と、得られるポリエステルポリマーに対して二酸化ゲルマニウム触媒をゲルマニウムとして120重量ppm、安定剤としてのリン酸トリエチルをリン原子として32重量ppmとなるように加え、280℃、66Paの減圧下にて重縮合反応を行った。
得られた共重合ポリエステル樹脂に関し、共重合ポリエステル樹脂組成(モル%)、固有粘度(IV)、分散度を測定した。その結果を表1に合わせて示した。
なお、比較例7では、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチルエステル45.9kgとイソフタル酸ジメチルエステル2.4kgを用いた。また、比較例8では、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチルエステル42.8kgと、アジピン酸ジメチルエステル3.2kgと、イソフタル酸ジメチルエステル2.3kgを用いた。
(樹脂ラミネート紙の製造)
上記により得られた共重合ポリエステル樹脂(比較例9のみ、市販品のイーストマン ケミカル社製 EASTER PETG6763を使用)を、熱風乾燥機中60℃で樹脂水分量が100ppm以下となるように5時間乾燥した後、Tダイを有する押出機に供給し、シリンダー温度260℃にて、基材となる厚み75μm、幅950mmのクラフト紙のオゾン処理を行なった面上に樹脂層厚み20μmのラミネート紙を溶融押出成形した。このときの押出成形性と、得られたラミネート紙の密着性、ヒートシール性を表1に示した。

Claims (3)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオール成分とを主構成成分とする共重合ポリエステル樹脂であって、該共重合ポリエステル樹脂は、(a)ネオペンチルグリコールを全ジオール成分に対して20〜45モル%含有すること、(b)3以上のエステル形成性基を有する多官能化合物成分を全ジカルボン酸成分に対し0.01〜1.0モル%含有すること、及び(c)固有粘度が0.50dl/g以上、0.80dl/g以下である基材紙ラミネート用共重合ポリエステル樹脂を基材紙の面上に押出しラミネートしてなることを特徴とする積層物。
  2. 共重合ポリエステル樹脂の分子量分布の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が2.5以上、4.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層物。
  3. 3以上のエステル形成性基を有する多官能化合物が、3価以上の芳香族多価カルボン酸及び3価以上の脂肪族多価アルコールから選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層物。
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