JP4747444B2 - 金属ラミネート用ポリエステルフィルムおよび金属積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属缶などの金属製包装容器に使用する金属積層体の構成材料として有用な金属ラミネート用ポリエステルフィルム、および金属積層体、さらにこれらから形成される包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食料品の包装容器の一形態である金属缶は、機械的強度に優れて、内容物の長期保存が可能であり、また、内容物を高温で充填しそのまま密封したり、レトルト処理等の殺菌処理も容易に行えるため、包装容器としての安全衛生性に対する信頼性も高く、更に加温状態で内容物を保存できたり、使用後の缶体分別回収が比較的容易であるという多くの長所を有するため、近年様々な内容物が充填され多量に使用されている。
【0003】
飲食料品用の金属缶を構成する金属缶体及び缶蓋材の内面及び外面は、内容物の風味を保ち、金属缶の腐食を防止するため、あるいは缶外面の美粧性向上、印刷面保護を目的として、従来より熱硬化性樹脂を主成分とする塗料が塗布されてきた。しかし、このような金属缶は、製造時に多量の溶剤を使用するため、製造時の脱溶剤による環境への影響、塗膜中の残留溶剤による衛生面での問題、熱硬化時の反応不良で残留するオリゴマーによるフレーバー保持性の低下等の問題を有する。
【0004】
これらの問題点を克服するために、プラスチックフィルムを金属にラミネートする方法が提案されている。例えば、ポリエステル樹脂フィルムをラミネートした金属板を使用した、いわゆる3ピース缶(以下3P缶と略す)や2ピース缶(以下2P缶と略す)が提案されている。缶のシームレス化という観点では、特に2P缶の普及が望まれている。
【0005】
2P缶の一般的な製造方法としては、プラスチックフィルムがラミネートされた金属板を製缶機で打ち抜き、絞りしごき工程によりシームレス缶とする方法が一般的である。この製缶工程において、フィルムは絞りしごきによるせん断力を受けながら金属板の延展に追従することが要求される。
【0006】
これらの要求特性に対して、例えば、特定の極限粘度を有するポリエチレンテレフタレート(PET)系ポリエステル樹脂と特定の極限粘度を有するポリブチレンテレフタレート(PBT)系ポリエステル樹脂とを配合し、製缶性に優れたフィルムが提案されている(特願平8−268988)。
【0007】
しかしながら、上記発明においても、絞り成型後にしごき工程を施す場合には、フィルムと金属板との変形追従性、接着性、成型性は十分といえず、成型時にフィルムが剥離したり、ミクロクラックが発生する場合があるという問題があった。また、前記フィルムを用いて得られたラミネート金属板や金属缶体は、オリゴマーの溶出を減少させるために加熱処理してフィルムの結晶化度を増加させる場合に、急激に結晶化させると、球晶が生長したり、フィルムの剥離が発生する等の問題があり、改善が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決し、以下の目的を達成することを主たる課題とする。
▲1▼機械的特性に優れ、高結晶化度であっても金属板との熱圧着が可能であり、しかも、金属板に熱圧着する際の条件変動に対して金属積層体の品質が変化しにくく、比較的低温で熱圧着可能で、かつ外観光沢性に優れた金属積層体を形成可能な金属ラミネート用フィルム、および金属積層体の提供。
▲2▼成形加工性に優れ、しかも熱圧着や各種成形加工後の金属積層体や金属缶体においてフィルムあるいは樹脂層を結晶化処理してもフィルムあるいは樹脂層が白化したり剥離したり、ミクロクラックが発生したりする問題が発生せず、フレーバー保持性や耐衝撃性、外観光沢性に優れた金属缶体を容易に製造することができる金属ラミネート用フィルム、および金属積層体の提供。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成物からなるフィルムを、特定波長領域の入射光に対して、特定強度の蛍光を発するよう制御することにより上記課題を達成することを見出した。
【0010】
本発明は下記の構成を有する。
(1)ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(A)10〜70重量%、前記樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂とは同一でない構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(B)90〜30重量%から主としてなるフィルムであって、フィルム面への波長300〜390nmの入射光に対して発光する波長400〜600nm領域における蛍光相対強度の最大値が20%以上であることを特徴とする金属ラミネート用ポリエステルフィルム。
(2)前記樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂とは同一でない構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(B)が、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂であることを特徴とする(1)記載の金属ラミネート用ポリエステルフィルム。
(3)ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(A)10〜70重量%、前記樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂とは同一でない構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(B)90〜30重量%から主としてなる樹脂層が、金属板上に積層されてなる金属積層体であって、樹脂層面への波長300〜390nmの入射光に対して発光する波長400〜600nm領域における蛍光相対強度の最大値が20%以上であることを特徴とする金属積層体。
(4)(1)または(2)記載の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを、金属板上に積層してなることを特徴とする金属積層体。
(5)少なくとも一部が、(3)または(4)記載の金属積層体により形成されてなることを特徴とする包装容器。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを構成する樹脂(A)は、単量体成分としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主成分とするポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる。ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂の構成は、後述のような蛍光相対強度を現出可能であれば特に限定されず、2種以上の樹脂を含有していてもよい。
【0012】
樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂の極限粘度は0.50〜0.90であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.55〜0.80であるのがよい。
【0013】
樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)で20000〜200000であるのが好ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比よりあらわされる分子量分布(Mw/Mn)は、2.0〜10.0であるのが好ましい。
【0014】
樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂の極限粘度および/または重量平均分子量が上記範囲より小さいと、金属ラミネート用ポリエステルフィルムの機械的強度が低下し、実用性が低くなる。上記範囲を超えると、本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを用いて金属積層体を形成する際のフィルムの金属板への熱圧着性が低下する。一方、分子量分布が上記範囲より小さいと、本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを用いた金属積層体の製缶時におけるフィルムの金属板変形への追従性が低下し、分子量分布が上記範囲を超えると、オリゴマー量が多くなりフレーバー保持性が低下する。
【0015】
樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂は、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜他の成分を共重合させたものであってもよい。共重合させる他の酸成分としては、イソフタル酸、(無水)フタル酸、2,4−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の脂肪族ジカルボン酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサンジエメタンカルボン酸の脂環族ジカルボン酸、炭素数20〜60のダイマー酸、p−ヒドロキシ安息香酸、乳酸、β―ヒドロキシ酪酸、ε―カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸や、(無水)トリメリット酸、トリメシン酸、(無水)ピロメリット酸等の多官能カルボン酸をあげることができる。また、共重合させる他のアルコール成分としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグコール、分子量が200〜3000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコール等をあげることができる。
【0016】
樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂の製造方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、溶融重縮合反応により製造、あるいは溶融重縮合反応に引き続いて固相重合を行ってもよい。溶融重縮合反応は、好ましくは1.3hPa以下の減圧下、温度250〜290℃で行うのがよく、所望の極限粘度、分子量、分子量分布が得られるまで溶融重縮合反応を行えばよい。また、上記方法により得られたポリエステルを更に固相重合してもよい。さらに具体的には、次に示すような製造方法を用いることができる。即ち、ポリビス(β―ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応槽器に、テレフタル酸とエチレングリコール及び必要に応じて他の共重合成分のスラリーを連続的に供給し、250℃付近の温度で3〜10時間程度反応させ、エステル化反応率95%付近のエステル化物を連続的に得る。次いで、これを重合器に移送し、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の触媒存在下に1.3hPa以下の減圧下、温度250〜290℃で、所望の極限粘度、分子量、分子量分布が得られるまで溶融重縮合反応を行い、更に必要に応じて固相重合する方法が挙げられる。
【0017】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを構成する樹脂(B)は、上記樹脂(A)とは同一でない構造を有するポリエステル樹脂からなる。ポリエステル樹脂の構成は、後述のような蛍光相対強度を現出可能であれば特に限定されず、2種以上の樹脂を含有していてもよい。樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂としては、例えば、単量体成分として、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とを主成分とするポリエステル樹脂が挙げられる。好ましくは、樹脂(B)が、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂であるのがよい。
【0018】
樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の極限粘度は0.60〜2.2であるのが好ましい。
【0019】
樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)で50000〜200000であるのが好ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比よりあらわされる分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜5.0であるのが好ましい。
【0020】
樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の極限粘度および/または重量平均分子量が上記範囲より小さいと、金属ラミネート用ポリエステルフィルムの機械的強度が低下し、実用性が低くなる。上記範囲を超えると、本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを用いて金属積層体を形成する際のフィルムの金属板への熱圧着性が低下する。一方、分子量分布が上記範囲より小さいと、本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを用いた金属積層体の製缶時におけるフィルムの金属板変形への追従性が低下し、分子量分布が上記範囲を超えると、オリゴマー量が多くなりフレーバー保持性が低下する。
【0021】
樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂は、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜他の成分を共重合させたものであってもよい。共重合させる他の成分としては、例えば、上述の樹脂(A)に共重合可能な成分が挙げられる。
【0022】
樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の製造方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、溶融重縮合反応により製造、あるいは溶融重縮合反応に引き続いて固相重合を行ってもよい。溶融重縮合反応は、好ましくは1.3hPa以下の減圧下、温度220〜260℃で行うのがよく、所望の極限粘度、分子量、分子量分布が得られるまで溶融重縮合反応を行えばよい。また、上記方法により得られたポリエステルを更に固相重合してもよい。さらに具体的には、次に示すような製造方法を用いることができる。即ち、たとえば、ジメチルテレフタレートと1,4―ブタンジオール及び必要に応じて他の共重合成分をエステル交換反応器に仕込み、230℃付近の温度で5時間反応させて、エステル交換反応率が95%付近のエステル化物を得る。次いでこれを重合器に移送し、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の触媒存在下に1.33hPa以下の減圧下、温度220〜260℃で、所望の極限粘度、分子量、分子量分布が得られるまで溶融重縮合反応を行い、更に必要に応じて固相重合する方法が挙げられる。
【0023】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムは、得られたフィルムの微小領域の硬度をあらわすダイナミック硬度が、0.5〜30mgf/μm2であるのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜25mgf/μm2であることであるのがよい。ダイナミック硬度は、フィルム表面の硬度であり、フィルム最表面から一定の深さ、即ち0〜5μmにおける硬度を意味する。
【0024】
なお、ダイナミック硬度とは、島津評論―Vol.50,No3(1993.12)321頁に記載されているとおり、超微小領域における硬度をあらわすものであり、試料に対して圧子をあて、押圧力を0から設定荷重まで一定の割合を増加させ、試料に圧子を押し込んでいく過程で、圧子の押し込み深さと押圧力と試料の変形抵抗を連続的に測定し硬度を求めるものであり、下記式1より表されるものである。
DH = αP / D*D 式1
DH:ダイナミック硬度
α :圧子形状による定数
P :試験荷重
D :押し込み深さ(μm)
このダイナミック硬度は、圧子を押し込んでいく過程の荷重と押し込み深さから得られる硬さであり、試料の塑性変形と弾性変形を合わせた状態での特性値になる。
【0025】
ダイナミック硬度が、上記範囲より小さくなると、表面微小領域の硬度がやわらかくなるため、微小領域の機械的強度が維持されず、本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを用いた金属積層体の製缶時にフィルム破損が発生しやすくなり、一方上記範囲より大きくなると、微小領域の硬度が高すぎて、金属積層体の製缶時の絞りしごき製缶工程において、金属板の変形にフィルムが追従しにくくなる。
【0026】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムにおいて、良好な機械的特性、金属板との熱圧着性、成形加工性、さらには、熱圧着や成形加工による物性の低減を可能とするための、樹脂(A)および樹脂(B)の作用をさらに効果的に発現させるためには、金属ラミネート用ポリエステルフィルムを構成する樹脂組成物に下記のような特定の構造のリン化合物を添加するのが好ましい。特定の構造のリン化合物を添加することにより、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂との間のエステル交換反応を抑制できる。樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂との間でエステル交換反応が生じると、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂との共重合体が生成し、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂の主成分構造であるエチレンテレフタレート構造がランダム化して、その特徴である剛直性がそこなわれ、一方樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の主成分構造がランダム化し、その特徴である高結晶性が損なわれる。これは、特に樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の主成分構造がブチレンテレフタレートである場合に顕著である。
【0027】
上記特定のリン化合物とは、少なくとも分子中に1以上のPとOの結合を有するものである。少なくとも分子中に1以上のP―O結合を有するリン化合物は、樹脂(A)及び樹脂(B)中に存在する金属触媒に配位子として有機金属化学的に結合し、金属触媒の活性を失活させる。この結果、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂との間のエステル交換反応を抑制することが可能となり、樹脂(A)および樹脂(B)の本来の特性をより生かすことができる。
【0028】
本発明において、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂との間のエステル交換反応の抑制状態は、種々の手段で把握することができるが、その一つとして、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂に由来する融点(TmA)と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂に由来する融点(TmB)の挙動解析をあげることができる。たとえば、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂との間にエステル交換反応が生じていなければ、TmA及びTmBは、各々独立して存在するが、エステル交換反応が生じれば、樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂の共重合体が生成し、各TmA及びTmBはそのエステル交換反応の程度に応じて変化し、一つの融点として観察されることになる。また、エステル交換反応の生成度は、融点以外にも核磁気共鳴法(NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)等の他の手段でも把握することができる。
【0029】
少なくとも分子中に1以上のP―O結合を有するリン化合物としては、有機ホスファイト等の有機リンエーテルや有機ホスフェート等の有機リンエステルや、有機ホスフィンオキサイド等の有機リンエーテルをあげることができる。さらに具体的には、例えば、トリフェニルホスファイト等の芳香族ホスファイト、ビス(アセタデカ)ペンタエリスリトールジホスファイト等の脂肪族ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエーテル)ジベンゾ[df][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタノミン、ジフェニルイソデシルホスファイト等の脂肪族芳香族ホスファイト、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、ベンジルエチルホスホネート、ジ−2−エチルヘキシルフォスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、等の有機リン酸エステル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
また、少なくとも分子中に1以上のP―O結合を有するリン化合物としては、無機リン酸化合物やホスフィン化合物も挙げられる。無機リン酸化合物としては、リン酸、リン酸2水素1ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム、リン酸3ナトリウム等があり、無機ホスフィン化合物としてはホスフィン酸ナトリウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
上記少なくとも分子中に1以上のP―O結合を有するリン化合物を金属ラミネート用ポリエステルフィルムを構成する樹脂組成物に添加する場合の添加量は、樹脂(A)及び樹脂(B)中に存在する金属触媒中の金属量[M](単位:mol)に対する、リン化合物中のリン量[P](単位:mol)の比[P]/[M]が、1以上500以下の範囲となるようにすることが好ましい。リン化合物中のリン量が上記範囲より小さくなると金属のリン化合物に対する配位効率が低下し、触媒の失活度が不足しやすくなり、上記範囲より大きくなると、リン化合物が可塑的にはたらきフィルムの物性を低下させやすい。
【0032】
本発明において、上記リン化合物の添加方法は特に限定されない。金属ラミネート用ポリエステルフィルムの製造時において、樹脂(A)と樹脂(B)と上記リン化合物を、フィルムの成形時に押出し機中で直接溶融混合してもよいし、各成分を一旦溶融混合してチップ化したものを用いてフィルム化してもよい。
【0033】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを構成する樹脂組成物には、滑剤を配合するのが好ましい。滑剤を配合することにより、フィルムや金属積層体とした場合の樹脂層面が、フィルムや金属積層体形成時の樹脂層面に粘着してブロッキングとなることを低減し、金属積層体形成時のロールフィルムからの送り出しや、金属積層体として製缶時する際のロールフィルムへの巻き取りにおける作業性が向上する。上記滑剤としては、例えば二酸化珪素、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、シリコーン粒子等が挙げられるが、無機系滑剤を使用するのが好ましい。さらに、必要に応じて、安定剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、帯電防止剤等の他の添加剤を含有させることができる。上記滑剤、および他の添加剤は、上記リン化合物と同様に樹脂組成物中に溶融混合できる。
【0034】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されず、通常一般に使用される方法を使用できる。押出機としては、単軸スクリュー方向、同方向または異方向の二軸スクリュー式のものが好ましく、スクリューの形状や寸法は任意に設定できる。フィルム形成は、フィルムを構成する樹脂組成物を十分に乾燥させた後、押出機にて樹脂組成物の融点より10〜80℃高い温度で溶融押出し、T字型あるいは円形口金等を用いて、シート状または円筒状に口金より吐出させ、未延伸フィルムを得る。続いて、必要に応じ、該未延伸フィルムを少なくとも1軸方向に延伸する。1軸方向のみに延伸する場合はオーブンを続いて幅方向に延伸することが望ましく、2軸方向に延伸する場合には、延伸ロール等を用いて長手方向に延伸し、続いて幅方向に延伸する逐次2軸延伸、両方向に実質的に同時延伸する同時2軸延伸のいずれでもよい。また、延伸されたフィルムには、本発明の作用を阻害しない範囲で、熱処理や表面処理等を施してもよい。
【0035】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されないが、5〜50μmであることが好ましい。厚みが5μm未満であるとフィルムが破れるなど破損しやすく、金属板へ積層する場合や金属積層体として製缶時に問題が生じることがある。50μmを超えると、コストが増大する。また、単層であっても、同種あるいは異なる種類の構成を有する多層構成であってもよい。
【0036】
本発明の金属積層体において、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(A)10〜70重量%、前記樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂とは同一でない構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(B)90〜30重量%から主としてなる樹脂層を形成する樹脂組成物の構成は、上記金属ラミネート用ポリエステルフィルムの構成と同様とである。好ましくは、上記金属ラミネート用ポリエステルフィルムを金属板上に積層することにより、上記樹脂層を形成するのがよい。
【0037】
本発明の金属積層体に使用する金属板は、特に限定されず、通常金属缶などの金属製の包装容器を構成するアルミまたは鉄を主成分とする金属などの金属板を使用できる。その厚みは特に限定されず、本発明の金属積層体から製造する包装容器の厚み等により、適宜設定できる。
【0038】
本発明の金属積層体の製造方法は特に限定されない。上記金属ラミネート用ポリエステルフィルムを金属板上に積層する場合、例えば次のように製造される。即ち、ローラーまたは金属板を150〜270℃に加熱しておき、金属板と金属ラミネート用ポリエステルフィルムとをローラーを介して貼り合わせた後、急冷し、金属板に接するフィルムの少なくとも表層部を溶融融着させてラミネートする方法である。この場合、ラミネート速度は、1〜200m/分とするのが好ましい。また、例えば、上記金属ラミネート用ポリエステルフィルムと金属板とを重ね合わせた後、ラミネートを行ってもよい。
【0039】
本発明の金属積層体は、金属板と樹脂層の他に本発明の作用を阻害しない範囲で他層を有してもよい。
【0040】
本発明の金属ラミネート用ポリエスを用いた金属積層体、および/または本発明の金属積層体により包装容器の少なくとも一部を形成することにより、フレーバー保持性や耐衝撃性、外観光沢性に優れた包装容器を得ることができる。
【0041】
本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムおよび金属積層体は、フィルム面あるいは樹脂層面への波長300〜390nmの入射光に対して発光する波長400〜600nm領域における蛍光相対強度の最大値が20%以上である必要がある。特定の強度以上の蛍光を発する物性を有することにより、外観光沢が優れ、本発明の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを用いた金属積層体、あるいは本発明の金属積層体により形成される金属缶などの金属製の包装容器は、品位に優れ、また印刷デザインなどの美粧性に優れたものとなる。
【0042】
本発明において、外観光沢を付与する蛍光とは、分析化学実験ハンドブック(日本分析化学会編:425頁:丸善)記載のとおり、ある種の物質が光エネルギーを吸収して励起状態となり、基底状態にもどるときに発する光である。放射される蛍光の強度Ifは、吸収された励起光の強さIaと量子収率φfに比例し、If = kIa φfで表される。励起光の吸収は、ランバートベールの法則にしたがうため、If = kIo(1−10−ecd)φfとなる。ここでkは集光、検出効率等の装置定数、Ioは励起光の強度であり、eはモル吸光係数、cは試料濃度、dは試料層の長さである。ここで、励起蛍光波長および装置条件を一定にすると、eとφfは試料に固有の値となり、同一試料即ち特定ポリエステルの組み合わせではこの値は無関係になり、If = kcと表されることになり蛍光強度は、相対強度として表される。
【0043】
本発明において、金属ラミネート用ポリエステルフィルムおよび金属積層体が上記特定の蛍光相対強度を発現するための方法は特に限定されないが、金属ラミネート用ポリエステルフィルムあるいは金属積層体の樹脂層を構成する樹脂組成物、金属ラミネート用ポリエステルフィルム、あるいは金属積層体を熱処理する方法が好ましい。これは、熱処理による熱履歴により、ポリエステル構造中の蛍光発現因子である芳香環部の結晶および非晶状態が光沢を発現する特定の蛍光強度を発する高分子構造を取るためと考えられる。
【0044】
上記熱処理の条件として、温度は200〜300℃であるのが好ましく、熱処理時間は30秒〜30分であるのが好ましい。また、上記範囲での熱処理を少なくとも1回以上10回以下の範囲で行うことが好ましい。さらに、金属ラミネート用ポリエステルフィルム製造時、フィルムを構成する樹脂組成物に、回収した金属ラミネート用ポリエステルを加熱再溶融によりペレット化した樹脂いわゆる回収樹脂を混合する方法が挙げられる。尚、熱処理時間および熱処理回数が上記範囲を超えると特定のポリエステル樹脂が分解劣化して種々の用途で使用しにくくなる。また、温度、熱処理時間、及び熱処理回数が上記範囲より小さくなると、特定のポリエステル樹脂の結晶部、非晶部の配列状態が特定の光沢を発現する状態となりにくい。
【0045】
以下、試験例および実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例
1.試験方法
(1)極限粘度
実施例1〜14、比較例1〜14に使用した樹脂(A)と樹脂(B)について、フエノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
【0046】
(2)分子量及び分子量分布
実施例1〜14、比較例1〜14に使用した樹脂(A)と樹脂(B)について、それぞれ樹脂15mgをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムの混合溶媒(ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム=2/3(v/v))1mlに溶解後、クロロホルム20mlに定溶して、測定試料を作成した。標準物質としてはポリスチレン(TOSHO製)溶液を調製して、GPC校正曲線用試料とし、下記の分析装置及び分析条件により重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
[分析条件]
Column:gmhxl−gmhxl−g2000hxl(TOSOH)
Mobile phase:HFIP/Chloroform=2/98(v/v)
Flow rate : 0.7ml/min
Column Temp : 40℃
Detection Vol : 200ml
[分析装置]
GPC:SYDTEM−21(Shodex)
データ処理:SIC−480(SIC,システムインスルメンツ)
【0047】
(3)熱特性
実施例1〜14、比較例1〜14の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを、リガク電機社製、DSC3100Sを用い、280℃で溶融後、急冷し、−20℃より20℃/分の昇温速度で、融点を測定した。樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂由来の融点(TmA:235〜253℃)と樹脂(B)を構成するポリエステル樹脂由来の融点(TmB:205〜230℃)が各々存在するかどうかでエステル交換の有無(両方存在する場合は無)を評価した。
【0048】
(4)ダイナミック硬度
実施例15〜21、比較例15〜21の金属積層体のポリエステルフィルム側の面について、島津製作所製、ダイナミック超微小硬度計DUH201を用い、測定温度25℃、湿度64%の条件下で、荷重0.5gf、負荷速度0.0145gf/sec、試験モード:軟質材料測定モードで、ダイナミック硬度(DUH硬度:単位 gf/μm2)の測定を行った。
【0049】
(5)相対蛍光強度
実施例22〜28、比較例22〜28の金属積層体のポリエステルフィルム側の面について、蛍光測定装置(島津製作所製、島津分光蛍光光度計 RF−540)を用い、下記の条件で蛍光を測定した。下記検出蛍光波長領域および検出条件における、蛍光の最大強度を相対蛍光強度とした。
ABSCSSA SCALE:X2
ORDINATE SCALE:X256
SCAN SPEED:MEDIUM
SENSITIVITY:HIGH
EXCITATION SLIT(NM):10
EMISSION SLIT(NM):10
励起光波長:350nm
励起開始波長:300nm
励起終了波長:500nm
発光波長:395nm
発光開始波長:300nm
発光終了波長:500nm
検出蛍光波長400nm〜600nm
【0050】
(6)外観光沢
実施例22〜28、比較例22〜28の金属積層体のポリエステルフィルム側の面について、蛍光灯を光源として反射光を目視で観察し、下記の基準に基づいて外観光沢を評価した。
良:蛍光灯がフィルム面に明瞭に映って見える。
不良:蛍光灯が映らない。
【0051】
(7)製缶性
実施例1〜7、比較例1〜7の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを80℃に加熱した厚さ300μmのアルミニウム板にラミネートし、240℃で処理後、缶体を成形した。缶体におけるフィルムの剥離、切れ、クラック等の損傷の有無を目視及び蛍光顕微鏡で(倍率80倍)で観察し、下記の基準に基づいて評価した。
○:缶体100個のうち、95個以上に損傷なし。
△:缶体100個のうち、80〜94個に損傷なし。
×:缶体100個のうち21個以上になんらかの損傷あり
【0052】
2.試験結果
上記試験(1)、(2)の結果を表1に、(3)の結果を表2に、(4)〜(6)の結果を表3、4に、(7)の結果を表5に示す。実施例はいずれも外観光沢及び製缶性に優れた金属積層体が得られた。
【0053】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜7
表1に示す樹脂(A)(エチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル樹脂)と、樹脂(B)(ブチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル樹脂)と、下記に示すリン化合物(C)を、表2に示す割合で混合し、径45mm、L/D60の二軸押出し機により280℃10分の条件で溶融混合押出した。押出後急冷して、厚さ190μmの未延伸フィルムを得、さらに縦方向に90℃で4倍に延伸したあと幅方向に235℃で4倍に延伸した。延伸後、175℃で熱処理をおこない、冷却して厚さ20μmの金属ラミネート用ポリエステルフィルムを得た。実施例7のみは、実施例1と同様の方法で作成したフィルムを粉砕し、同様にペレット状にしたものを、全樹脂量に対して30wt%混合した。また、リン化合物(C)の比率における[P]/[M]は、金属触媒中の金属量[M](単位:mol)に対して、リン化合物中のリン量[P](単位:mol)であり、金属触媒中の金属量[M]は、上記実施例及び比較例においては樹脂(B)におけるチタン(Ti)量である。
[リン化合物(C)]
P36:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト
P45:ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエシスリトール−ジ−ホスファイト
BPP:ビス(アセタデカ)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト
PA:リン酸
P2H:リン酸2水素ナトリウム
P1H:リン酸1水素ナトリウム
【0054】
実施例8〜14、比較例8〜14
表4に示すように厚みをそれぞれ15μmとした以外は、実施例1〜7、比較例1〜7と同様の構成及び製造方法により、金属ラミネート用ポリエステルフィルムを得た。
【0055】
実施例15〜28、比較例15〜28
厚み300μmのアルミニウム板を200℃に加熱し、その片面に、実施例1〜14、比較例1〜14の金属ラミネート用ポリエステルフィルムをラミネートし、さらに表3、表4に示す条件で熱処理して、金属積層体を得た。
【0056】
【発明の効果】
本発明の金属ラミネート用フィルムは、機械的特性に優れ、高結晶化度であっても金属板と熱圧着が可能であり、しかも、金属板に熱圧着する際の条件変動に対して品質が変化しにくく、比較的低温で熱圧着が可能である。本発明の金属ラミネート用フィルムを用いた金属積層体、あるいは本発明の金属積層体は、外観光沢性、成型加工性に優れ、しかも熱圧着や各種成型加工後の金属積層体や金属缶などの金属製の包装容器における熱圧着や、各種成型加工後の金属積層体や包装容器体においてフィルムあるいは樹脂層を結晶化処理しても、フィルムあるいは樹脂層の白化や剥離が生じたり、ミクロクラックが発生したりする問題がなく、フレーバー性や耐衝撃性、外観光沢に優れた金属製の包装容器を容易に製造することができる。従って、本発明の金属ラミネート用フィルム、本発明の金属積層体、さらには本発明の包装容器は、工業的価値が極めて高く、産業界に寄与すること大である。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
Claims (4)
- ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(A)10〜70重量%、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(B)90〜30重量%から主としてなり、少なくとも分子中に1以上のPとOの結合を有するリン化合物を添加してなるフィルムであって、該フィルムを金属板上に積層して得られる金属積層体のフィルム面への波長300〜390nmの入射光に対して発光する波長400〜600nm領域における蛍光相対強度の最大値が20%以上であることを特徴とする金属ラミネート用ポリエステルフィルム。
- ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(A)10〜70重量%、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートを主体とする構造を有するポリエステル樹脂からなる樹脂(B)90〜30重量%から主としてなり、少なくとも分子中に1以上のPとOの結合を有するリン化合物を添加してなる樹脂層が、金属板上に積層されてなる金属積層体であって、樹脂層面への波長300〜390nmの入射光に対して発光する波長400〜600nm領域における蛍光相対強度の最大値が20%以上であることを特徴とする金属積層体。
- 請求項1記載の金属ラミネート用ポリエステルフィルムを、金属板上に積層してなる金属積層体であって、フィルム面への波長300〜390nmの入射光に対して発光する波長400〜600nm領域における蛍光相対強度の最大値が20%以上であることを特徴とする金属積層体。
- 少なくとも一部が、請求項2または3記載の金属積層体により形成されてなることを特徴とする包装容器。
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