JP3293192B2 - 金属板貼合わせ用共重合ポリエステル組成物及びフィルム - Google Patents

金属板貼合わせ用共重合ポリエステル組成物及びフィルム

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JP3293192B2 JP27009692A JP27009692A JP3293192B2 JP 3293192 B2 JP3293192 B2 JP 3293192B2 JP 27009692 A JP27009692 A JP 27009692A JP 27009692 A JP27009692 A JP 27009692A JP 3293192 B2 JP3293192 B2 JP 3293192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属板貼合わせ用共重合
ポリエステル組成物及びフィルムに関するものである。
更に詳しくは製缶性、フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性、
特に製缶性及びフレーバ性に優れ、成形加工によって製
造される金属缶に好適な金属板貼合わせ用共重合ポリエ
ステル組成物及びフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来金属缶の内面及び外面には腐食防止
を目的として、熱硬化性樹脂の塗装が行われてきた。し
かしながら、このような熱硬化性樹脂の塗装は塗料の乾
燥に長時間を要し生産性が悪化したり、多量の有機溶媒
が飛散するために環境衛生上好ましくない等の問題があ
る。
【0003】これらの問題を解決する方法として、金属
板にポリエステルフィルムをラミネートする方法が行わ
れている。ポリエステルフィルムをラミネートした金属
板を金属缶に成形する場合、ポリエステルフィルムには
以下のような特性が要求される。金属缶は絞り加工、
しごき加工と呼ばれる成形法により製造されおり、成形
時に金属板にラミネートされたポリエステルフィルムに
クラックや破断が発生しないこと(成形性)。製缶後
の乾燥、印刷焼付け、レトルト殺菌処理等の加熱によっ
て、ラミネートされたポリエステルフィルムが結晶化ま
たは劣化し、フィルムの剥離、収縮、クラック、ピンホ
ール等を生じないこと(耐熱性)。金属缶に対する衝
撃によって、ポリエステルフィルムが剥離したり、クラ
ックが発生したりしないこと(耐衝撃性)。缶の内容
物の香り成分がポリエステルフィルムに吸着したり、あ
るいはポリエステルフィルムの臭いによって内容物の風
味がそこなわれないこと(フレーバ性)。以上のような
多岐にわたる要求特性を総合的に満足するポリエステル
フィルムの開発が熱望されていた。特にの成形性につ
いては、現在の絞り加工やしごき加工工程ではダイスや
ポンチによって高速で製缶が行われている。この時、フ
ィルムは一時的におよそ200℃にも加熱されるため、
フィルムのダイスやポンチへの粘着、フィルムの破断、
剥離が発生せず、かつ高速で製缶されるために滑り性も
要求される。このような過酷な製缶工程に十分に対応し
うるフィルムの開発が要望されており、この要求に対し
て例えば特開昭61−20736号公報では鋼板に接着
剤を介してポリエステルフィルムをラミネートする方法
が提案されている。しかしながら、この方法はフィルム
の破断、剥離防止に対しては有効であるものの接着剤の
硬化に長時間を要し生産性が悪化したり、フィルムの可
撓性低下によって絞り加工やしごき加工への追従性が悪
化してしまうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来技術の問題点を解消することにあり、製缶性、フ
レーバ性、耐熱性、耐衝撃性、特に製缶性及びフレーバ
性を同時に向上させることができる金属板貼合わせ用共
重合ポリエステル組成物及びフィルムを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主たる構成成
分とする共重合ポリエステルの組成物において、該組成
物に対しポリオキシアルキレングリコール成分を0.0
5〜20重量%(ただし、ジエチレングリコールを単独
で含有する場合を除く)、ゲルマニウム元素を1.0〜
500ppm、平均粒径0.01〜10μmの無機及び
/または有機粒子を0.01〜5重量%含有することを
特徴とする金属板貼合わせ用共重合ポリエステル組成物
及びフィルムによって達成することができる。
【0006】本発明における共重合ポリエステル組成物
とは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からな
るポリエステルに、該ポリエステルを構成する芳香族ジ
カルボン酸成分、グリコール成分以外のジカルボン酸成
分及び/またはグリコール成分を共重合したポリエステ
ルをいう。ジカルボン酸成分及び/またはグリコール成
分を共重合するポリエステルとしては従来公知の、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート等を挙げることができ、これらのうちポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが
特に好ましい。
【0007】前記したポリエステルに共重合するジカル
ボン酸成分及び/またはグリコール成分はジカルボン酸
成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スル
ホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シ
ュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー
酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を
挙げることができる。これらのジカルボン酸成分のうち
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が特に好まし
い。これらのジカルボン酸成分はアルキルエステル等で
あっても構わない。グリコール成分としては例えばエチ
レングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、
ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール等の脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールS等の芳香族グリコール、シクロヘキサン
ジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。こ
れらのグリコール成分のうちネオペンチルグリコール、
シクロヘキサンジメタノールが好ましい。以上のジカル
ボン酸成分、グリコール成分は1種のみを用いても、2
種以上を併用してもよい。共重合量はポリエステルの全
酸成分及び/または全グリコール成分に対して1.0〜
30mol%が好ましく、更に好ましくは5.0〜20
mol%、特に好ましくは7.0〜15mol%であ
る。共重合量が1.0mol%未満であるとポリエステ
ルが結晶化しやすくなり耐衝撃性に劣り、30mol%
を越えるとポリエステルの融点が低くなるために耐熱性
に劣る。また、本発明の効果を阻害しない限りにおい
て、共重合ポリエステル組成物にトリメリット酸、トリ
メシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物や
p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸をを共重合し
てもよい。
【0008】本発明における共重合ポリエステル組成物
はポリオキシアルキレングリコール成分を0.05〜2
0重量%含有することが必要であり、好ましくは0.1
〜10重量%、更に好ましくは0.3〜5重量%であ
る。ポリオキシアルキレングリコール成分が0.05重
量%未満であるとフレーバ性向上の効果が十分でなく、
20重量%を越えると融点が低くなり耐熱性に劣る。ポ
リオキシアルキレングリコール成分をポリエステルに含
有する方法は特に限定されるものではなく、従来公知の
任意の方法を採用することができる。このような方法と
しては、例えばポリオキシアルキレングリコール化合物
を重縮合反応が完結する以前の任意の段階で添加する方
法や、あるいはポリエステルの出発原料である酸成分及
び/またはグリコール成分と混合する方法等が挙げられ
る。ポリオキシアルキレングリコール化合物は特に限定
されることはないが、フレーバ性向上の点から数平均分
子量が4000以下の化合物が好ましく、更には数平均
分子量が1000以下の化合物が好ましい。このような
化合物としては、例えばジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を
挙げることができる。これらのうちジエチレングリコー
ルが特に好ましい。なお、本発明におけるポリオキシア
ルキレングリコール成分は、通常エチレングリコールを
グリコール成分とするポリエステルの製造の際に副生す
るジエチレングリコール成分を含むものである。
【0009】本発明の共重合ポリエステル組成物は、ゲ
ルマニウム元素を1.0〜500ppm含有することが
必要であり、好ましくは5.0〜300ppm、更に好
ましくは10〜100ppmである。1.0ppm未満
であるとフレーバ性向上の効果が十分でなく、また50
0ppmを越えると、共重合ポリエステル組成物に異物
が発生し結晶核剤となり結晶化しやすくなるため耐衝撃
性が悪化したり、また耐熱性が低下させしたり、ポリエ
ステルの着色が大きくなる。本発明の共重合ポリエステ
ル組成物は、ポリエステル中にゲルマニウム元素の前記
特定量を含有させることによりフレーバ性を向上させる
ことができる。ゲルマニウム元素をポリエステルに含有
させる方法は従来公知の任意の方法を採用することがで
き特に限定されないが、通常ポリエステルの製造が完結
する以前の任意の段階において、重合触媒としてゲルマ
ニウム化合物を添加することが好ましい。このような方
法としては例えば、ゲルマニウム化合物の粉体をそのま
ま添加する方法や、あるいは特公昭54−22234号
公報に記載されているように、共重合ポリエステルの出
発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を
溶解させて添加する方法等を挙げることができる。ゲル
マニウム化合物としては、例えば二酸化ゲルマニウム、
結晶水含有水酸化ゲルマニウム、あるいはゲルマニウム
テトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲ
ルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレング
リコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲル
マニウムフェノレート、ゲルマニウムβ−ナフトレート
等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニ
ウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム
化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙げることができる。
【0010】本発明の共重合ポリエステル組成物は、平
均粒径0.01〜10μmの無機及び/または有機粒子
を0.01〜5.0重量%含有することが必要であり、
好ましい平均粒径は0.05〜5.0μm、好ましい含
有量は0.05〜3.0重量%である。平均粒径及び含
有量を上記範囲とすることで、製缶性を大きく向上させ
ることが可能となる。無機及び/または有機粒子は従来
公知の任意のものを用いることができる。このような粒
子としては、例えば乾式シリカ、コロイダルシリカ、炭
酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、
炭酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸
化ジルコニウム、酸化チタン、フッ化リチウム、カーボ
ンブラック、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることがで
きる。これらの粒子のうち乾式シリカ、コロイダルシリ
カ、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋ポリスチレン粒
子が特に好ましい。これらの粒子は1種のみを用いて
も、2種以上を併用してもよい。また、共重合ポリエス
テル組成物の製造段階で触媒金属が析出した、いわゆる
内部粒子を併用することもできる。更に粒子の形状は球
状、塊状、偏平状等任意でよく、硬度、比表面積、比重
等も任意とすることができる。
【0011】前記した粒子のポリエステルへの配合方法
としては、例えば粒子をポリエステルの出発原料である
グリコール成分に分散させてスラリーとし、ポリエステ
ルの製造が完結する以前の任意の段階で添加する方法、
あるいは粒子をそのまま押し出し機等により溶融状態の
ポリマ中に練り込む方法等を挙げることができる。
【0012】本発明の共重合ポリエステル組成物の融点
は製缶工程での乾燥、印刷焼付け等の加熱処理に耐え得
る耐熱性を示す点で150℃以上が好ましく、また共重
合ポリエステル組成物の結晶性を適度に保ち耐衝撃性に
優れたフィルムを得るためには250℃以下が好まし
い。更に好ましい融点の範囲は170℃〜240℃、特
に好ましい範囲は180〜230℃である。
【0013】本発明における共重合ポリエステル組成物
の固有粘度はポリエステルフィルムの強度の低下や結晶
化が起こりにくく、金属缶の成形加工時に破断やクラッ
クが発生しない点で0.50dl/g以上が好ましく、
またフィルムの製膜工程での延伸を容易にする点で2.
0dl/g以下が好ましい。固有粘度の更に好ましい範
囲は0.55〜1.5dl/g、特に好ましい範囲は
0.60〜1.0dl/gである。
【0014】本発明の共重合ポリエステル組成物を製造
するにあたっては従来公知の任意の方法を採用すること
ができ、特に限定されるものではない。一例としてポリ
エチレンテレフタレートにイソフタル酸成分を共重合
し、ポリオキシアルキレングリコール成分としてジエチ
レングリコール、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲル
マニウム、粒子としてコロイダルシリカを添加する場合
で説明する。テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメ
チル、エチレングリコール、ジエチレングリコールを触
媒の存在下でメタノールを反応系外に留出させながらエ
ステル交換反応を行う。続いてコロイダルシリカのエチ
レングリコールスラリ及び二酸化ゲルマニウムを添加
し、高温、減圧下でエチレングリコールを反応系外に留
出させ重縮合反応を行い共重合ポリエステル組成物を得
ることができる。また、テレフタル酸、イソフタル酸、
エチレングリコール、ジエチレングリコールを用いてエ
ステル化反応を行い、続いてコロイダルシリカのエチレ
ングリコールスラリ及び二酸化ゲルマニウムを添加して
重縮合反応させる方法を採用することもできる。また、
エステル交換またはエステル化反応後に一定の重合度に
なるまで重縮合し、次いで得られた低重合体をその融点
より低い温度において減圧下または不活性ガス気流下で
更に重縮合反応させる固相重合法を用いてもよい。
【0015】本発明の共重合ポリエステル組成物を製造
する際には、従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用す
ることができ、反応触媒としては例えばアルカリ土類金
属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コ
バルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合
物、チタン化合物等、着色防止剤としては例えばリン化
合物を挙げることができる。更に、本発明の共重合ポリ
エステル組成物を製造するにあたり、必要により酸化防
止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添
加剤も適宜使用することができる。
【0016】本発明における共重合ポリエステル組成物
からなるフィルムは未延伸のシート状のものでもよい
し、一軸または二軸に延伸された延伸フィルムであって
もよい。本発明の共重合ポリエステルフィルムは、従来
公知の任意の方法を用いて製膜することができる。例え
ば二軸延伸フィルムの場合、前記した共重合ポリエステ
ル組成物を十分に乾燥させた後押出し機に供給し、キャ
スティングドラム上に溶融押出して未延伸フィルムと
し、次いでこの未延伸フィルムを同時あるいは逐次に二
軸延伸する方法が挙げられる。また逐次二軸延伸の場
合、その延伸順序はフィルムを長手方向、幅方向の順、
あるいはこの逆としてもよい。更に逐次二軸延伸におい
ては、長手方向あるいは幅方向の延伸を2回以上行うこ
とも可能である。フィルムの長手方向及び幅方向の延伸
倍率は目的とするフィルムの配向度、強度、弾性率等に
応じて任意に設定することができるが、好ましくは2.
5〜5.0倍である。長手方向、幅方向の延伸倍率はど
ちらを大きくしてもよく、同一としてもよい。また、延
伸温度はポリエステルのガラス転移温度以上、結晶化温
度以下の範囲であれば任意の温度とすることができる
が、通常は80〜150℃が好ましい。更に二軸延伸の
後にフィルムの熱処理を行うことができる。この熱処理
はオーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意
の方法で行うことができる。熱処理温度はポリエステル
の結晶化温度以上、軟化点以下の任意の温度とすること
ができるが、好ましくは120〜240℃である。また
熱処理時間は任意とすることができるが、通常1〜60
秒間行うのが好ましい。熱処理はフィルムをその長手方
向及び/または幅方向に弛緩させつつ行ってもよい。
【0017】本発明の共重合ポリエステルフィルムの厚
さは特に限定されないが、金属板へのラミネート性、金
属缶の製缶性を考慮すると、5〜100μmが好まし
く、更に好ましくは10〜80μm、特に好ましくは1
5〜50μmである。
【0018】また、本発明における共重合ポリエステル
フィルムは、同一種類あるいは2種以上のポリエステル
からなる積層フィルムであってもよい。
【0019】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳説する。なお
ポリエステル及びフィルムの特性は以下の方法により測
定、評価した。
【0020】(1)ポリエステル中のポリオキシアルキ
レングリコール成分の含有量 13C−NMR測定により定量した。
【0021】(2)ポリエステル中のゲルマニウム元素
の含有量 蛍光X線測定によりゲルマニウム元素量と蛍光X線強度
の検量線をから定量した。
【0022】(3)粒子の平均粒径 粒子を含有したポリエステルチップを0.2μmの厚さ
にカッティングし、透過型電子顕微鏡を用いてポリエス
テル中の粒子を観察する。粒子1000個について観察
を行い、面積平均粒径を求めた。
【0023】(4)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
【0024】(5)ポリエステルの融点 ポリエステルチップを140℃で30分間結晶化させ、
示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−2
型)により、16℃/minの昇温速度で測定した。
【0025】(6)ポリエステルフィルムのフレーバ性 15cm×15cmに切り出したポリエステルフィルム
を、香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)に5
日間浸漬し、ついでフィルムを80℃で30分間熱処理
し、ガスクロマトグラフィによりフィルム1gあたりの
d−リモネンの吸着量を定量しフィルムのフレーバ性を
評価した。
【0026】(7)製缶性 両面にポリエステルフィルムをラミネートした錫メッキ
鋼板を直径150mmの円形に切り出し、絞りダイスと
ポンチを用いて深絞り加工を行い金属缶を成形した。こ
の金属缶について、ラミネートされたポリエステルフィ
ルムの状態観察を行い、以下の基準で金属缶の製缶性を
評価し2級以上を合格とした。 1級 ……缶内外のフィルムに破断、クラック、ピンホ
ールが全く発生しない。 2級 ……缶内外のフィルムに破断、クラック、ピンホ
ールがわずかに発生する。 3級 ……缶内外のフィルムに破断、クラック、ピンホ
ールがかなり発生する。
【0027】(8)ポリエステルフィルムの耐熱性 成形した金属缶を210℃で5分間加熱し、ラミネート
したフィルムの状態を観察し、以下の基準で耐熱性を評
価し2級以上を合格とした。 1級 …… フィルムに剥離、収縮が全く発生しない。 2級 …… フィルムに剥離、収縮がわずかに発生す
る。 3級 …… フィルムに剥離、収縮がかなり発生する。 4級 …… フィルムの剥離、収縮の発生が著しい。
【0028】(9)ポリエステルフィルムの耐衝撃性 成形した金属缶に水を充填し、1mの高さから金属缶を
大理石上に落下させた。この金属缶10個について通電
テスト(ERVテスト)を行い、以下の基準で耐衝撃性
を評価し2級以上を合格とした。なお通電テストとは落
下させた金属缶に1%塩化ナトリウム水溶液を充填し、
水溶液中に設けた電極と金属缶に6Vの電圧を印可した
ときに流れる電流値を測定するテストである。 1級 …… 電流値0.2mA以下が9個以上のもの。 2級 …… 電流値0.2mA以下が7〜8個のもの。 3級 …… 電流値0.2mA以下が7個未満のもの。
【0029】参考例1 テレフタル酸ジメチル132重量部、イソフタル酸ジメ
チル18重量部(ポリエステルの酸成分に対して12m
ol%)、エチレングリコール96重量部、ジエチレン
グリコール3.0重量部、酢酸マンガン0.05重量部
を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、
撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留
出させエステル交換反応を行った。ほぼ理論量のメタノ
ールが留出した後、平均粒径1.5μmのコロイダルシ
リカ0.18重量部のエチレングリコールスラリ、リン
酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.
04重量部を添加し、反応物を留出コンデンサを備えた
反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に
0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温
し重縮合反応を行った。表1に示すように得られた共重
合ポリエステル組成物のジエチレングリコール成分量は
2.5wt%、ゲルマニウム元素量は50ppm、固有
粘度は0.70dl/g、融点は225℃であり、コロ
イダルシリカの含有量は0.12wt%であった。この
ポリエステルチップを乾燥した後、押出し機を用いてキ
ャスティングドラム上に溶融押出しして未延伸フィルム
を得た。この未延伸フィルムを90℃で長手方向に3.
5倍、ついで105℃で幅方向に3.5倍に延伸した。
更にこの二軸延伸フィルムを定長下190℃で熱処理
し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを得た。この
ポリエステルフィルムを貼り合わせた金属板の製缶性、
フィルムのフレーバ性、耐熱性、及び耐衝撃性の特性評
価結果を表2に示す。この結果から明らかなように優れ
た製缶性、フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性を有している
ことがわかる。
【0030】参考例2 ジエチレングリコールを添加せず、参考例1と同様にし
てポリマを製造し、二軸延伸フィルムを製膜した。この
ポリマの特性を表1、製缶性及びフィルムの特性評価結
果を表2に示す。この結果から明らかなように、優れた
製缶性、フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性を有していた。
【0031】参考例3〜5 ジエチレングリコール量、二酸化ゲルマニウム添加量、
固有粘度、添加粒子とその平均粒径または含有量を変更
する以外は参考例1と同様にして、ポリマを重合し、二
軸延伸フィルムを製造した。これらのポリマの特性を表
1、製缶性及びフィルムの特性評価結果を表2に示す。
この結果から明らかなように、優れた製缶性、フレーバ
性、耐熱性、耐衝撃性を有していた。
【0032】実施例 ジエチレングリコールの代わりに数平均分子量が100
0のポリエチレングリコールを3.7重量部添加し、粒
子として平均粒径1.5μmの炭酸カルシウムを0.1
8重量部添加する以外は参考例1と同様にしてポリマを
重合し、二軸延伸フィルムを製造した。得られたポリマ
を分析したところ、ポリエチレングリコール成分を2.
5wt%、ジエチレングリコール成分を1.5wt%含
有していた。このフィルムの特性評価を行なったところ
優れた製缶性、フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性を有して
いた。
【0033】参考例6 共重合成分としてイソフタル酸ジメチルの代わりに1,
4−シクロヘキサンジメタノール(ポリエステルの全グ
リコール成分に対して10mol%)、粒子として平均
粒径1.0μmの酸化チタンを0.74重量部添加する
以外は参考例1と同様にしてポリマを重合し、二軸延伸
フィルムを製造した。このポリマの特性を表1、フィル
ムの特性評価結果を表2に示す。この結果から明らかな
ように優れた製缶性、フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性を
有していた。
【0034】比較例1 粒子を添加しない以外は実施例1と同様にしてポリマを
重合し、二軸延伸フィルムを製膜した。このポリマの特
性を表1、製缶性及びフィルムの特性評価結果を表2に
示す。この結果、粒子を含有していないために製缶性に
劣るものであった。
【0035】比較例2 二酸化ゲルマニウムの代わりに三酸化アンチモンを0.
063重量部用い、平均粒径0.005μmのコロイダ
ルシリカ10.4重量部を添加する以外は実施例1と同
様にしてポリマを重合し、二軸延伸フィルムを製造し
た。このポリマの特性を表1、製缶性及びフィルムの特
性評価結果を表2に示す。この結果、ゲルマニウム元素
が含有しておらず、また平均粒子径及び含有量が本発明
の範囲外であるため製缶性、フレーバ性に劣るものであ
った。
【0036】比較例3 ジエチレングリコールを61重量部、エチレングリコー
ルを60重量部を使用する以外は実施例1と同様にして
ポリマを重合し、二軸延伸フィルムを製造した。このポ
リマの特性を表1、製缶性及びフィルムの特性評価結果
を表2に示す。この結果、ポリオキシアルキレングリコ
ール成分、二酸化ゲルマニウム含有量が本発明の範囲外
であるため製缶性、フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性に劣
っていた。
【0037】比較例4 二酸化ゲルマニウムを0.0007重量部、三酸化アン
チモンを0.063重量部、粒子として平均粒径1.5
μmの乾式シリカを0.18重量部添加する以外は実施
例1と同様にしてポリマを重合し、二軸延伸フィルムを
製造した。このポリマの特性を表1、製缶性及びフィル
ムの特性評価結果を表2に示す。この結果、ゲルマニウ
ム元素含有量が本発明の範囲外であるために、フレーバ
性、耐衝撃性に劣るものであった。
【0038】比較例5 二酸化ゲルマニウムを0.39重量部、粒子として平均
粒径1.5μmの乾式シリカを0.18重量部添加する
以外は実施例1と同様にしてポリマを重合し、二軸延伸
フィルムを製造した。このポリマの特性を表1、製缶性
及びフィルムの特性評価結果を表2に示す。この結果、
ゲルマニウム元素含有量が本発明の範囲外であるために
フレーバ性、耐熱性、耐衝撃性に劣るものであった。
【0039】比較例6 イソフタル酸ジメチルを共重合せず、粒子として平均粒
径1.5μmの炭酸カルシウムを0.18重量部添加す
る以外は実施例1と同様にしてポリマを重合し、二軸延
伸フィルムを製造した。このポリマの特性を表1、製缶
性及びフィルムの特性評価結果を表2に示す。この結果
から明らかなように、共重合成分を含有していないため
にフレーバ性、耐衝撃性、耐熱性に劣るものであった。
【0040】
【表1】 表中の略号は以下のとおりである。 PAG :ポリオキシアルキレングリコール Ge :ゲルマニウム IPA :イソフタル酸 DEG :ジエチレングリコール PEG :ポリエチレングリコール CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の金属板貼合わせ用共重合ポリエ
ステル組成物及びフィルムは製缶性、フレーバ性、耐熱
性、耐衝撃性、特に製缶性及びフレーバ性に優れてお
り、成形によって製造される金属缶に好適に使用され
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/00 - 67/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主た
    る構成成分とする共重合ポリエステルの組成物におい
    て、該組成物に対しポリオキシアルキレングリコール成
    分を0.05〜20重量%(ただし、ジエチレングリコ
    ールを単独で含有する場合を除く)、ゲルマニウム元素
    を1.0〜500ppm、平均粒径0.01〜10μm
    の無機及び/または有機粒子を0.01〜5重量%含有
    することを特徴とする金属板貼合わせ用共重合ポリエス
    テル組成物。
  2. 【請求項2】ポリオキシアルキレングリコール成分
    ジエチレングリコールを一成分として含んでいる
    求項1に記載の金属板貼合わせ用共重合ポリエステル組
    成物。
  3. 【請求項3】共重合ポリエステル組成物の融点が15
    0〜250℃である請求項1に記載の金属板貼合わせ用
    共重合ポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の金属板貼
    合わせ用共重合ポリエステル組成物からなるフィルム。
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