JP3423871B2 - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムInfo
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Description
工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金属板
と貼合せて絞り加工などの製缶加工をする際優れた成形
加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、保香性、耐
衝撃性、防錆性などに優れた金属缶、例えば飲料缶、食
品缶などを製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルに関する。
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用せずに防錆
性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑
性樹脂フィルムによる被覆が試みられている。即ち、ブ
リキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板
に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工
等により製缶する方法の検討が進められている。この熱
可塑性樹脂フィルムとしてポリオレフィンフィルムやポ
リアミドフィルムが試みられたが、成形加工性、耐熱
性、耐衝撃性、保香性の全てを満足するものではない。
エチレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特
性を有することから注目され、これをベースとしたいく
つかの提案がなされている(特開昭56−10451号
公報、特開昭64−22530号公報、特開平1−19
2545号公報、特開平1−192546号公報、特開
平2−57339号公報等が挙げられる)。しかし、成
形加工性、耐レトルト性、保香性等を全て満足すること
は特に大きな変形を伴う成形加工の場合、不十分となる
ことが本発明者らの研究で明らかになった。
香性を満足するものとして共重合ポリエステルフィルム
が検討されているが、例えば特開平5−339348号
公報には、特定の融点、ガラス転移温度及び末端カルボ
キシル基濃度を有する共重合ポリエステルからなる金属
板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムが、また特開
平6−39979号公報には特定の融点、ガラス転移温
度を有する共重合ポリエステルを積層した金属板貼合せ
成形加工用ポリエステルフィルムが提案されているが、
本発明者らの研究によれば、これらのフィルムを用いた
缶を例えば飲料容器に使用した場合、飲料の種類によっ
ては、例えば特開昭55−23136号公報に記載され
ているような臭気や味に対する変化が感知されることが
明らかになった。
は、特定量のアルカリ金属元素とゲルマニウム元素を含
有する共重合ポリエステルからなる金属板成形加工用ポ
リエステルフィルムが提案されているが、このフィルム
を用いた場合、コールドパックシステムの如き内容物を
詰めた段階で熱のかからない工程では優れた保味保香性
を示すが、レトルト処理の如き内容物を詰めた段階で熱
処理が行われる工程においては、必ずしも十分な保味保
香性が得られない問題がある。
対して保香性を得る為に幾つかの提案がなされている。
例えば、特開平8−231690号公報では、テレフタ
ル酸を主たる酸成分とし、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールとエチレングリコールを特定範囲の比率でジオ
ール成分として得られる共重合ポリエステルフィルムが
提案されているが、このフィルムは耐熱性が低下する為
十分な製缶特性が得られないという問題がある。
技術の欠点を解消し、共重合ポリエステルフィルムが持
つ優れた成形加工性、耐熱性、耐衝撃性を保持しなが
ら、内容物の保香性、特にレトルト処理後の保味保香性
を改善した金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィル
ムを提供することにある。
レフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸を主体と
し、モル比(テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカル
ボン酸)が82/18〜97/3である酸成分と、エチ
レングリコールを主体とするグリコール成分とから構成
され、かつ平均粒径2.5μm以下の滑剤を含有する共
重合ポリエステルからなる二軸配向フィルムであって、
該二軸配向フィルムが、固有粘度が0.50〜0.8
0、ガラス転移点が75℃以上、融点が210〜250
℃、末端カルボキシル基濃度が40当量/106g以
下、かつアセトアルデヒドが15ppm以下であること
を特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィ
ルムである。
成分がテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸
を主体とし、モル比(テレフタル酸/2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸)が82/18〜97/3の範囲である
酸成分と、エチレングリコールを主体とするグリコール
成分とからなる共重合ポリエステルである。
−ナフタレンジカルボン酸成分のモル比が3モル%未満
では成形加工性、保香性が不十分であり、一方18モル
%を超えると耐熱性、耐衝撃性が悪化するので好ましく
ない。
点、水抽出物量等)を損なわない範囲で、テレフタル酸
と2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の酸成分を併用
することができる。併用し得る酸成分としては、イソフ
タル酸、フタル酸等の如き芳香族ジカルボン酸;アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボ
ン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等が例示できる。
グリコール(全グリコール成分に対して90モル%以
上)からなるが、フィルムの物性(耐熱性、ガラス転移
点等)を損なわない範囲で他のグリコール成分を併用す
ることができる。併用しうるジオール成分としては、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジオール;シクロヘキ
サンジメタノール等の如き脂環族ジオール;ビスフェノ
ールA等の如き芳香族ジオール;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等の如きポリアルキレン
グリコールが例示できる。これらは単独または二種以上
を使用することができる。
ール成分の中、ジエチレングリコールを共重合すること
が好ましく、全グリコール成分に対してジエチレングリ
コール成分の共重合量が5モル%以下であることがさら
に好ましく、4モル%以下であることが特に好ましい。
ジエチレングリコールの共重合量が5モル%を超える
と、耐熱性が低下することがある。なお、このジエチレ
ングリコール成分はエチレングリコールをグリコール成
分とする共重合芳香族ポリエステルを製造する際に副生
するジエチレングリコール成分も含むものである。ジエ
チレングリコール成分の共重合量は、0.5モル%以上
(全グリコール成分に対し)であることがポリマー製造
の点から望ましい。
0℃、好ましくは215〜245℃の範囲にあることが
必要である。融点が210℃未満ではフィルムの耐熱性
が劣り好ましくなく、一方融点が250℃を超えると、
フィルムの結晶性が高くなりフィルムの成形加工性が損
なわれるようになるので好ましくない。
ont Instruments910 DSCを用
い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法によ
る。なおサンプル量は20mgとする。
Tgと略することがある)は、75℃以上である必要が
ある。Tgが75℃未満であると、耐熱性が劣るように
なりレトルト後の保味保香性が悪化する。本発明におけ
る共重合ポリエステルの酸成分として、テレフタル酸と
2,6−ナフタレンジカルボン酸を主体とし、それらの
モル比(テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン
酸)を82/18〜97/3の範囲の割合とし、グリコ
ール成分として主としてエチレングリコールを構成成分
とすることによりフィルムのTgを75℃以上とするこ
とができる。
ンに20mgのサンプルを入れ、290℃加熱ステージ
上で5分間加熱溶融後、すばやく試料パンを氷の上に敷
いたアルミ箔上で急冷固化し、Du Pont Ins
truments 910DSCを用い、昇温速度20
℃/分でガラス転移点を求める方法による。
−クロロフェノール、35℃)は、0.50〜0.80
の範囲にあることが必要であり、好ましくは0.55〜
0.75、さらに好ましくは0.60〜0.70であ
る。固有粘度が0.50未満であるとフィルムの耐衝撃
性が不足するため好ましくない。他方、固有粘度が0.
80を超えると、原料ポリマーの固有粘度を過剰に引き
上げる必要があり不経済である。
した二軸延伸フィルムの形態で使用される必要がある。
るアセトアルデヒドは15ppm以下にする必要があ
り、好ましくは12ppm以下、更に好ましくは10p
pm以下である。
デヒドが15ppmを超えると、内容物の保味・保香性
が著しく低下するので好ましくない。フィルム中に含有
されるアセトアルデヒドの量を15ppm以下にするに
は、前述のポリマー構成成分組成範囲を満足し、フィル
ムの末端カルボキシル基濃度を40当量/106g以下
にすることで達成される。
キシル基濃度は40当量/106g以下にする必要があ
り、好ましくは35当量/106g以下、更に好ましく
は30当量/106gである。
度が40当量/106gを超えると、フィルムに含有さ
れるアセトアルデヒドが増加してしまい、内容物の保味
・保香性が著しく低下する。また、耐熱性、耐レトルト
性が低下し、本技術で得られる良好な性質が相殺されて
しまい好ましくない。フィルムの末端カルボキシル基濃
度を40当量/106g以下にするには、前述の共重合
ポリエステルの構成成分組成範囲を満足し、更にフィル
ム中に残存する触媒金属元素の濃度(M)とリン元素の
濃度(P)との和が20≦(M+P)≦55(ミリモル
%)の範囲にあることにより達成される。また共重合ポ
リエステルの重合時及びフィルムの製膜時に熱分解で生
じる末端カルボキシル基については、通常一般的に知ら
れている方法で抑制すればよい。即ち、通常より低い重
合温度で反応するか、通常より低い溶融押出し温度で製
膜するか、あるいは固相重合により熱分解で生じる末端
カルボキシル基濃度を抑制し、フィルムの末端カルボキ
シル基濃度を40当量/106g以下にしても良い。
その製法により限定されることはない。例えば、テレフ
タル酸、エチレングリコールおよび共重合成分である
2,6−ナフタレンジカルボン酸をエステル交換反応さ
せ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合度にな
るまで重縮合反応させて共重合ポリエステルを製造する
方法、あるいは、テレフタル酸ジメチルエステル、エチ
レングリコールおよび共重合成分である2,6−ナフタ
レンジカルボン酸ジメチルエステルをエステル交換反応
させ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合度に
なるまで重縮合反応させて共重合ポリエステルを製造す
る方法を好ましく挙げることができる。
重合ポリエステルは、必要に応じて固相状態での重合方
法(固相重合)により、さらに重合度の高いポリマーと
することができる。また、共重合ポリエステルには必要
に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑
剤、色相改良剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加
えることができる。
ルムはフィルム中に残存するアルカリ金属元素の総量
(トータルアルカリ金属元素量A)がA≦5(ppm)
を満足することが保味・保香性保持の為好ましい。この
アルカリ金属量元素の総量は、原子吸光分析により定量
されるLi、Na、K元素のppm濃度の和である。
下ではポリエステル製造時の副生エーテルグリコール
量、特に副生ジエチレングリコール量が増加し、該フィ
ルムの耐熱性が低下し、更にフィルムの静電印加キャス
ト法での生産性が低下することが知られているが、本発
明者らの研究から、触媒の金属化合物量の適正化、及び
エステル化又はエステル交換反応の条件を適正化するこ
とにより、ポリエステル製造時の副生エーテルグリコー
ル量、特に副生ジエチレングリコール量の制御が可能で
あり、また、該金属化合物による触媒金属元素の量とリ
ン化合物に因るリン元素の量のフィルム中での存在比率
をある範囲に特定することにより、フィルムの静電印加
キャスト法での生産性の低下を抑制できることが分かっ
た。
残存する触媒金属元素の濃度(M)とリン元素の濃度
(P)との和が20≦(M+P)≦55(ミリモル%)
の範囲にあることが好ましい。(M+P)が20ミリモ
ル%未満の場合、前述のポリエステルの静電印加キャス
ト法での生産性が低下する。また、(M+P)が55ミ
リモル%を超えると、副生のエーテルグリコール量が増
加し耐熱性が低下することがある。
残存する触媒金属元素濃度(M)とリン元素濃度(P)
との比が1≦(M/P)≦5(ミリモル%/ミリモル
%)の範囲にあることが好ましい。M/Pが1に満たな
い場合または5を超える場合は、共に触媒金属元素とリ
ン元素の存在比が崩れ、過剰のリン元素又は触媒金属元
素がポリマー中に存在することにより、熱安定性が低下
することがある。
とは、反応触媒として用いた金属化合物に由来するもの
である。この金属元素はポリマーに溶けた状態で存在す
るもので、滑剤粒子中の金属元素と区別させるべきもの
である。また、“リン元素”とは、触媒を失活するた
め、あるいはポリマーの安定剤として用いられたリン化
合物に由来するものである。
る触媒金属元素(M)が10≦M≦35(ミリモル%)
の範囲にあることが好ましい。Mが10ミリモル%未満
では十分な重合度を有するポリマーを得ることが困難と
なり、耐衝撃性等の特性が低下することがある。一方、
Mが35ミリモル%を超える場合は、熱安定性が低下す
ることがある。
定されないが、アンチモン化合物(Sb化合物)、チタ
ン化合物(Ti化合物)、ゲルマニウム化合物(Ge化
合物)などが好ましく挙げられ、それらの中、ゲルマニ
ウム化合物は、得られたフィルムの保香性の点で特に好
ましい。
酸化アンチモン、酢酸アンチモン等が好ましく挙げられ
る。チタン化合物としては、例えばチタンテトラブトキ
シド、酢酸チタンなどが好ましく挙げられる。また、ゲ
ルマニウム化合物としては、無定形酸化ゲルマニウム、
微細な結晶性酸化ゲルマニウム、酸化ゲルマニウムをア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属もしくはそれらの化
合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、酸化ゲルマ
ニウムを水に溶解した溶液などが好ましく挙げられる。
フィルムの巻取性を向上させる目的で平均粒径2.5μ
m以下の滑剤を添加する必要がある。滑剤の種類は無機
系、有機系の如何を問わないが、無機系が好ましい。無
機系滑剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウムなどが例示でき、有機系滑
剤としてはシリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子
などが例示できる。特に耐ピンホール性の点で好ましい
滑剤は、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2である
単分散の滑剤である。このような滑剤としては、真球状
シリカ、真球状シリコーン樹脂粒子、球状架橋ポリスチ
レンなどが例示できる。
ンホール性の点で劣るようになり好ましくない。
量は、フィルムの巻取性と耐ピンホール性および保香保
味性から決定するとよい。すなわち、平均粒径1.5μ
mのシリカであれば0.06重量%以上0.25重量%
以下、平均粒径0.8μmのシリカであれば0.1重量
%以上0.45重量%以下の範囲で添加することによ
り、保香保味性を損なうことなく巻取性を確保すること
ができる。
ではなく、例えば共重合ポリエステル製造時に用いた触
媒などの一部または全部を反応工程で析出させた内部析
出粒子を用いることもできる。また、外部添加粒子と内
部析出粒子を併用することも可能である。
率は、1.500〜1.540であることが好ましく、
1.505〜1.530であることが更に好ましい。こ
の屈折率が低すぎると成形加工性が不十分となり、一方
高すぎると、フィルムが非晶に近い構造となるため、耐
熱性が低下することがある。
が好ましい。更に8〜75μm、特に10〜50μmで
あることが好ましい。厚みが6μm未満では成形加工時
に破れなどが生じやすくなり、一方75μmを超えるも
のは過剰品質であって不経済である。
特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチ
ール、アルミニウム等の板が適切である。金属板へのフ
ィルムの貼合せは、例えば下記、の方法で行うこと
ができる。 金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィ
ルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフィルムの表
層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フィルムに予め接着剤層をプライマーコートしてお
き、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては公知
の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−エ
ステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いることが
できる。
なお、フィルムの特性は下記の方法で測定、評価した。
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求め
た。なおサンプル量は20mgとする。
℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融後、すばやく試料パ
ンを氷の上に敷いたアルミ箔上で急冷固化した後、Du
Pont Instruments 910 DSC
を用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求めた。
アセトアルデヒド量をガスクロマトグラフで定量した。
06g) A.Conixの方法に準じて測定した。(Makro
mal.Chem.26,226(1958))
後、0.5規定塩酸で抽出操作を行った。この抽出液に
ついて原子吸光分析によりNa、K、Liの定量を各元
素毎に行った。
クを作成し、蛍光X線分析により、触媒金属元素量及び
リン元素量を定量した。
板厚0.25mmのティンフリースチール板と貼合せた
後、冷却して被覆鋼鈑を得た。この被覆鋼鈑を観察し、
ラミネート性を下記の判定基準で評価した。 [気泡、しわの判定基準(ラミネート性A)] 〇:気泡、しわが見られない。 △:気泡、しわが長さ10cm当り2〜3箇所見られ
る。 ×:気泡、しわが多数見られる。 [熱収縮率の判定基準(ラミネート性B)] 〇:収縮率が2%未満。 △:収縮率が2%以上5%未満。 ×:収縮率が5%以上。
ンフリースチール板を150mm径の円板状に切り取
り、絞りダイスとポンチを用いて4段階で深絞り加工
し、55mm径の側面無継目容器(以下、缶と略するこ
とがある)を作成した。この缶について以下の観察を行
い、下記の基準で評価した。 ○:フィルムに異常なく加工されたフィルムに白化や破
断が認められない。 △:フィルムの缶上部に白化が認められる。 ×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。
行い、下記の基準で評価した。 ○:異常なく加工され、缶内フィルム面の防錆性試験
(1%NaCl水溶液を缶内に入れ、電極を挿入し、缶
体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定す
る。以下、ERV試験と略することがある)において
0.2mA以下を示す。 ×:フィルムに異常はないが、ERV試験では電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムの粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
冷却した後、10個ずつを高さ30cmから塩ビタイル
床面に落とした後、前項(コ)と同じERV試験を行
い、下記の基準で評価した。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えていたか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
保持した後、前項(サ)の耐衝撃性評価を行い、下記の
基準で評価した。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えていたか、ある
いは200℃×5分間加熱後既にフィルムのひび割れが
認められた。
菌器で120℃、1時間レトルト処理を行った後、50
℃で30日間保存した。処理後の缶を10個ずつ高さ5
0cmから塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV
試験を行い、下記の基準で評価した。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えていたか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
し、常温(20℃)で30日間保管した。その充填液を
用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用
のイオン交換水と比較し、下記の基準で評価した。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味の変化を感じ
た。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味の変化を感
じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味の変化を感
じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味の変化を感
じた。
し、蒸気滅菌器で125℃、1時間レトルト処理を行っ
た後、常温(20℃)で30日間保管した。その充填液
を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較
用のイオン交換水と比較し、下記の基準で評価した。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味の変化を感じ
た。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味の変化を感
じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味の変化を感
じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味の変化を感
じた。
に示す、酸成分、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、アルカリ金属化合物、重縮合触媒及びリン化合
物を用いて製造した共重合ポリエチレンテレフタレート
(粒径比1.1、平均粒径0.5μmの真球状シリカを
0.2重量%含有。以下共重合PETと略することがあ
る。)を乾燥した後、280℃で溶融押出し、急冷固化
して未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィル
ムを縦方向に3.0倍延伸した後、横方向に3.0倍延
伸し、180℃で熱固定して厚み25μmの二軸配向フ
ィルムを得た。このフィルムの特性を表1及び表2に示
す。
ングリコール、ジエチレングリコール、アルカリ金属化
合物、重縮合触媒及びリン化合物を用いて共重合PET
を固有粘度0.60まで溶融重合で重合した後、固相重
合によって固有粘度0.75のポリマーを得た以外は実
施例1と同じ方法で二軸配向フィルムを得た。このフィ
ルムの特性を表1及び表2に示す。
1、平均粒径3.0μmの真球状シリカを0.2重量%
含有させた以外は実施例1と同じ方法で二軸配向フィル
ムを得た。このフィルムの特性を表1及び表2に示す。
溶融押し出し温度を305℃とする以外は実施例1と同
じ方法で二軸配向フィルムを得た。このフィルムの特性
を表1及び表2に示す。この二軸配向フィルム中のアセ
トアルデヒド量および末端カルボキシル基濃度は、実施
例1に比べて高くなった。
明のフィルムを使用した缶は、深絞り加工性、耐熱脆化
性、耐レトルト性、耐衝撃性が良好であるとともに、保
香性、特にレトルト後の保味保香性に優れている。
ステルフィルムは、金属板と貼合せた後製缶加工、例え
ば深絞り加工して金属缶を成形するにあたり、成形加工
性、耐熱性、耐レトルト性、耐衝撃性が良好であるとと
もに、保香性、特にレトルト後の保味保香性に優れたも
のであり、金属容器貼合せ成形加工用として極めて有用
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸を主体とし、モル比(テレフタル酸/2,6−
ナフタレンジカルボン酸)が82/18〜97/3であ
る酸成分と、エチレングリコールを主体とするグリコー
ル成分とから構成され、かつ平均粒径2.5μm以下の
滑剤を含有する共重合ポリエステルからなる二軸配向フ
ィルムであって、該二軸配向フィルムが、固有粘度が
0.50〜0.80、ガラス転移点が75℃以上、融点
が210〜250℃、末端カルボキシル基濃度が40当
量/106g以下、かつアセトアルデヒドが15ppm
以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポ
リエステルフィルム。 - 【請求項2】 フィルム中に残存するアルカリ金属元
素、触媒金属元素及びリン元素の濃度が下記一般式
(1)、(2)及び(3)を満足する請求項1記載の金
属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。 【数1】 A≦5 ・・・(1) 【数2】 20≦M+P≦55 ・・・(2) 【数3】 1≦M/P≦5 ・・・(3)[但
し、式中のAはフィルム中に残存するアルカリ金属元素
の総量(ppm)、Mはフィルム中に残存する触媒金属
元素の濃度(ミリモル%)、Pはフィルム中に残存する
リン元素の濃度(ミリモル%)を示す。] - 【請求項3】 フィルム中の触媒金属元素の濃度(ミリ
モル%)が下記式(4)を満足する請求項1記載の金属
板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。 【数4】 10≦M≦35 ・・・(4)[但
し、式中のMはフィルム中に残存する触媒金属元素の濃
度(ミリモル%)を示す。] - 【請求項4】 共重合ポリエステルがゲルマニウム化合
物を重縮合触媒として製造されたものである請求項1、
2または3に記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項5】 フィルムのカルボキシル末端基量が35
当量/106g以下である請求項1に記載の金属板貼合
せ成形加工用ポリエステルフィルム。 - 【請求項6】 共重合ポリエステルが、エチレングリコ
ールを主たるグリコール成分とし、かつ共重合成分とし
てジエチレングリコールを全グリコール成分に対して5
モル%以下共重合した共重合ポリエステルである請求項
1記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項7】 滑剤が無機粒子である請求項1に記載の
金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
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