JPH11255915A - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムInfo
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- JPH11255915A JPH11255915A JP5965298A JP5965298A JPH11255915A JP H11255915 A JPH11255915 A JP H11255915A JP 5965298 A JP5965298 A JP 5965298A JP 5965298 A JP5965298 A JP 5965298A JP H11255915 A JPH11255915 A JP H11255915A
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Abstract
がら、成形加工性に優れ、保味保香性、特にレトルト後
の保味保香性が改善された金属板貼合せ成形加工用ポリ
エステルフィルムを提供する。 【解決手段】 特定融点の共重合ポリエチレンテレフタ
レートからなる二軸延伸フィルムであって、フィルムの
損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)と、DSC測定
におけるガラス転移温度(Tg)が下記式(1)および
下記式(2)を満足し、かつ平均粒径が2.5μm以下
であり粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2である真
球状単分散の滑剤を含有することを特徴とする金属板貼
合せ成形加工用ポリエステルフィルム。 Tg≧78 … (1) Te−Tg≦30 … (2) (ここで、Tgは290℃加熱溶融−急冷後のDSC測
定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損
失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。)
Description
工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金属板
と貼合せて絞り加工などの製缶加工をする際優れた成形
加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、保味保香
性、耐衝撃性などに優れた金属缶、例えば飲料缶、食品
缶などを製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポリエステ
ルフィルムに関する。
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用せずに防錆
性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑
性フィルムによる被覆が試みられている。
ル、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムを
ラミネートした後、絞り加工等により製缶する方法の検
討が進められている。
加工性、耐熱性、耐衝撃性、保味保香性などの点で、共
重合ポリエステルフィルムが適していることが次第に明
らかになりつつある。しかしながら、このポリエステル
フィルムは緑茶類など極めて微妙な味わいが重要な飲
料、さらには無味無臭が要求されるミネラルウォーター
を内容物とした場合、必ずしも十分な保味保香性を示さ
ず、臭気や味に対する変化が感知される。
は、特定量のアルカリ金属元素とゲルマニウム元素を含
有する共重合ポリエステルからなる、フレーバー性を向
上せしめた金属板成形加工用ポリエステルフィルムが提
案されている。しかし、このフィルムを用いた場合、コ
ールドパックシステムのような内容物をつめた段階で熱
のかからない工程では優れた保味保香性を示すが、レト
ルト処理のような内容物をつめた段階で熱処理が行われ
る工程においては、必ずしも十分な保味保香性が得られ
ない。
る従来技術の問題点を解消し、共重合ポリエステルフィ
ルムが持っている優れた耐熱性、耐衝撃性、耐レトルト
性を保持しながら、成形加工性に優れ、保味保香性、特
にレトルト処理後の保味保香性を改善した金属板貼合せ
成形加工用ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の融点を
有する共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、特定
のガラス転移温度、動的粘弾性を有すると共に、特定の
真球状単分散の滑剤を含有するフィルムとすれば、優れ
た成形加工性を保持しながら、保味保香性、特にレトル
ト処理後の保味保香性が顕著に改善できることを見出
し、本発明に至った。
5℃である共重合ポリエチレンテレフタレートからなる
二軸延伸フィルムであって、フィルムの損失弾性率の最
高温ピーク温度(Te)と、DSC測定におけるガラス
転移温度(Tg)が下記式(1)および下記式(2)を
満足し、かつ平均粒径が2.5μm以下であり粒径比
(長径/短径)が1.0〜1.2である真球状単分散の
滑剤を含有することを特徴とする金属板貼合せ成形加工
用ポリエステルフィルムである。
定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損
失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。)
トの共重合成分は、2,6−ナフタレンジカルボン酸で
あることが好ましく、該フィルムをイオン交換水で12
1℃、2時間抽出処理したときの抽出量が0.5mg/
inch2以下であることが好ましい。
の構成が挙げられる。 (a)滑剤が真球状シリカである。 (b)滑剤の平均粒径が0.05〜0.6μmであり、
かつ含有量(C;重量%)が下記式(3)を満足する範
囲にある。
の滑剤Aと、平均粒径(dB)0.3〜2.5μmの滑
剤Bとからなり、滑剤Aの平均粒径と滑剤Bの平均粒径
の比(dB/dA)が2.5以上であり、滑剤Aの含有量
が0.01〜0.3重量%、かつ滑剤Bの含有量が0.
001〜0.2重量%である。
テルのなかでも、優れた耐熱性、耐衝撃性、耐レトルト
性を保持しながら、保味保香性、特にレトルト処理後の
保味保香性を改善することができることから、エチレン
テレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリ
エステル、すなわち共重合ポリエチレンテレフタレート
(以下共重合PETと略することがある)を使用する。
カルボン酸成分としてテレフタル酸、および主たるグリ
コール成分としてエチレングリコールからなる実質的に
線状となる共重合ポリエステルである。
分としては、ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよ
い。
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如
き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカル
ボン酸等が例示でき、またジオール成分としては1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフ
ェノールAの如き芳香族ジオールが例示できる。これら
は単独または二種以上を使用することができる。
が、結果としてポリマー融点が210〜245℃、好ま
しくは215〜240℃の範囲になる割合である。融点
が210℃未満では耐熱性が劣ることになる。一方、融
点が245℃を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎ
て成形加工性が損なわれる。
Pont Instruments 910 DSC
を用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法
による。なおサンプル量は20mgとする。
有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)は0.52
〜1.50であることが好ましく、さらに好ましくは
0.57〜1.00、特に好ましくは0.60〜0.8
0である。この固有粘度が0.52未満の場合には耐衝
撃性が不足することがあり好ましくない。他方、固有粘
度が1.50を超える場合には、成形加工性が損なわれ
ることがある。
により限定されることはないが、テレフタル酸、エチレ
ングリコールおよび共重合成分をエステル化反応させ、
ついで得られた反応生成物を目的とする重合度になるま
で重縮合反応させて共重合PETとする方法、あるいは
テレフタル酸ジメチルエステル、エチレングリコールお
よび共重合成分をエステル交換反応させ、ついで得られ
た反応生成物を目的とする重合度になるまで重縮合反応
させて共重合PETとする方法を好ましく挙げることが
できる。また、上記の方法(溶融重合)により得られた
共重合PETは、必要に応じて固相状態での重合方法
(固相重合)により、さらに重合度の高いポリマーとす
ることができる。
防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色相改良剤、
滑剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加えることが
できる。
アンチモン化合物(Sb化合物)、チタン化合物(Ti
化合物)、ゲルマニウム化合物(Ge化合物)などが好
ましく挙げられ、これらの中、チタン化合物、ゲルマニ
ウム化合物はフィルムの保味保香性の点でさらに好まし
い。チタン化合物としては、例えばチタンテトラブトキ
シド、酢酸チタンなどが好ましく挙げられる。また、ゲ
ルマニウム化合物としては、(イ)無定形酸化ゲルマニ
ウム、(ロ)微細な結晶性酸化ゲルマニウム、(ハ)酸
化ゲルマニウムをアルカリ金属またはアルカリ土類金属
もしくはそれらの化合物の存在下にグリコールに溶解し
た溶液、(ニ)酸化ゲルマニウムを水に溶解した溶液な
どが好ましく挙げられる。さらに、アンチモン化合物お
よび/またはチタン化合物と組み合わせて使用すると、
保味保香性の改善と共に、製造コストを低減することも
できるので好ましい。
伸、熱固定した状態で使用される。このとき、ポリエス
テルフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)
と、DSC測定におけるガラス転移温度(Tg)は下記
式(1)および下記式(2)を満足する必要がある。
定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損
失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。)
熱性が劣るようになりレトルト後の保味保香性が悪化す
る。このため、共重合PETの共重合成分としては、少
なくとも1成分に、共重合成分の割合を増加させたとき
にガラス転移温度が変化しないか、もしくは上昇するよ
うな成分を用いることが好ましい。共重合成分の割合を
増加させたときにガラス転移温度を上昇させるような成
分としては、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸が、ジオール成分としては1,4−シク
ロヘキサンジメタノールが好ましく例示できる。
定用パンに20mgのフィルムサンプルを入れ、290
℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融後、すばやく試料パ
ンを氷の上に敷いたアルミ箔上で急冷固化し、Du P
ont Instruments 910 DSCを用
い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求める方法に
よる。
と、フィルムの分子配向性や結晶性が高くなりすぎるた
めに成形加工性が著しく低下する。Teの値は共重合成
分および共重合量にもよるが、製膜条件により、特に二
軸延伸の倍率、延伸温度、熱固定温度で調整する方法が
好ましく挙げられる。
て測定周波数10Hz、動的変位±25×10-4cmに
て求められる。
mであり、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であ
る真球状単分散の滑剤を含有する。この滑剤は無機、有
機の如何を問わないが、無機系が好ましい。
状酸化チタン、真球状ジルコニウムなどが例示でき、有
機系滑剤としては、真球状シリコーン粒子などが例示で
きる。これらの中、真球状シリカが好ましい。これらの
滑剤は単独で用いることもできるし、2種以上を混合し
て用いることもできる。
均粒径が2.5μm以下であって、粒径比(長径/短
径)が1.0〜1.2である真球状単分散であることを
要する。滑剤の平均粒径が2.5μmを超えると、深絞
り成形加工などにより変形した部分において、滑剤粒子
が起点となり、ピンホールを生じたり、場合によっては
破断が生じるので不適当である。
いた場合には、滑剤の平均粒径が2.5μmであって
も、個々の粒径に分布があり、2.5μmを超える粗大
粒子を含むため、上記と同様にピンホールや破断を生じ
るので不適当である。
び粒径比は、先ず粒子表面に金属を蒸着してのち電子顕
微鏡にて例えば1万〜3万倍に拡大した像から、長径、
短径及び面積円相当径を求め、次いでこれらを次式にあ
てはめることによって、算出される。
定粒子の数 粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径
であることが好ましく、分布の急峻度を表わす相対標準
偏差が0.5以下、更には0.3以下であることが好ま
しい。この相対標準偏差は次式で表わされる。
造工程の取扱い性(巻取り性)、製缶時の深絞り加工性
などに応じて決めればよい。一般に粒径の大きい滑剤は
少量、粒径の小さい滑剤は多量添加するのが好ましい。
例えば、平均粒径が2.3μmの真球状シリカの場合
は、0.1重量%程度添加するのが好ましい。
ない範囲で、その他の滑剤を併用してもよい。さらに、
本発明で用いる真球状単分散滑剤は、平均粒径が0.0
5〜0.6μm、さらに0.08〜0.5μm、特に
0.1〜0.4μmであり、かつ、含有量(C;重量
%)が下記式(3)を満足する範囲にあることが好まし
い。
は含有量(C)が少なすぎる場合は、フィルムの滑り性
が不足し、フィルム製造工程での取扱い性が低下し、他
方滑剤の平均粒径が大きすぎる場合、あるいは含有量C
が多すぎる場合は、製缶時の深絞り加工においてピンホ
ールやフィルム破断が生じ易くなる。
は、平均粒径(dA)0.05〜0.6μmの滑剤A
と、平均粒径(dB)0.3〜2.5μmの滑剤Bとか
らなり、滑剤Aの平均粒径と滑剤Bの平均粒径の比(d
B/dA)が2.5以上であり、滑剤Aの含有量が0.0
1〜0.3重量%、かつ滑剤Bの含有量が0.001〜
0.2重量%であることが好ましい。
未満では、滑り性の向上効果が不十分であり、フィルム
製造工程において巻取り性が悪くなる。また、この平均
粒径(dA)が0.6μmを超える場合は、深絞り製缶
等の加工により変形した部分に、粗大粒子(例えば10
μm以上の粒子)が起点となり、ピンホールを生じた
り、場合によっては破断が生じることがある。
滑り性の向上効果が不十分であり、一方、3重量%を超
えるとフィルムの破断が多発することがある。
0.5μm、特に0.1〜0.4μmで、含有量0.1
〜1.0重量%、特に0.2〜0.5重量%であること
がさらに好ましい。
μm未満では、滑り性を更に向上させることができず、
一方2.5μmを超えると、深絞り加工により変形した
場合、粒子の脱落が生じ、ピンホールが生じたり、フィ
ルムが破断したりして、耐削れ性が悪化することがあ
る。
未満では小粒子滑剤のみの場合と滑り性が変らず、0.
2重量%を超えると耐削れ性が悪化することがある。
0μm、特に0.6〜1.8μmで、含有量0.002
〜0.1重量%、特に0.005〜0.05重量%であ
ることがさらに好ましい。
粒径比(dB/dA)が2.5未満では滑剤B添加による
滑り性向上効果が発現しないことがある。この平均粒径
比(dB/dA)は、3.0以上がさらに好ましい。
手段としては、従来から知られている手段を用いること
ができ特に限定されないが、共重合PETの製造時に滑
剤を添加する方法が好ましい。
フィルムの巻取り性、保味保香性の点で15nm以下、
特に4〜15nmとするのが好ましい。
IS−B0601に準じて求めた中心線平均粗さであ
り、フィルム表面粗さ曲線からその中心線の方向に測定
長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線を
X軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ曲線Y=f
(x)で表わしたとき、次の式で与えられる値(Ra;
nm)をフィルム表面粗さとして定義する。
して5個測定し、値の大きい方から1個を除いた4個の
平均値としてRaを表わす。
品缶または飲料缶に用いられるものであるから、該フィ
ルムより溶出あるいは飛散する物質が少ないほど良い
が、それらの物質を全くなくすことは実質的に不可能で
ある。そこで、食品缶または飲料缶用途に使用するため
には、例えばイオン交換水で121℃、2時間抽出した
ときのフィルム1平方インチ当りの抽出量が0.5mg
以下であることが好ましく、0.1mg以下であること
が更に好ましい。
ガラス転移温度を高くすればよい。フィルムのガラス転
移温度は該フィルムを構成するポリマーのガラス転移温
度と配向度によって決まるが、配向度を上げると成形加
工性が悪化するので、ポリマー(共重合PET)のガラ
ス転移温度を高くするのが好ましい。
500〜1.540であることが好ましく、1.505
〜1.530であることが更に好ましい。この屈折率が
低すぎると成形加工性が不十分となり、一方高すぎると
非晶に近い構造となるため、耐熱性が低下することがあ
る。
アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付
け、単色光NaD線で測定する。マウント液は、ヨウ化
メチレンを用い、測定温度は25℃である。
〜75μmである。更に8〜75μm、特に10〜50
μmであることが好ましい。厚みが6μm未満では加工
時に破れなどが生じやすくなり、一方75μmを超える
ものは過剰品質であって不経済である。
特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチ
ール、アルミニウム等の板が適切である。金属板へのポ
リエステルフィルムの貼合せは、例えば下記、の方
法で行うことができる。 金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィ
ルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフィルムの表
層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フィルムに予め接着剤層をプライマーコートしてお
き、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては公知
の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−エ
ステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いることが
できる。
なお、フィルムの特性は下記の方法で測定した。 (1)ポリエステルの固有粘度 オルトクロロフェノール中、35℃で測定する。
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法による。なおサンプル量は20mgとする。
g) DSC測定用パンに20mgのフィルムサンプルを入
れ、290℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融後、すば
やく試料パンを氷の上に敷いたアルミ箔上で急冷固化
し、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を
求める方法による。
ク温度(Te) 動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hz、動的
変位±25×10-4cmにて損失弾性率を求め、このと
きの最高温ピーク温度をもって示す。
し、個々の粒子ができるだけ重ならないように散在さ
せ、金スパッタ装置によりこの表面に金属蒸着膜を20
〜30nmで形成させ、操作型電子顕微鏡で1万〜3万
倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス
500にて画像処理し、100個の粒子から平均粒径を
求める。
際、滑り不良によって発生するロール表面の小突起を観
察し、下記の基準で評価した。 ◎:小突起は全く認められない。 ○:多少小突起が認められるが、取扱い上特に問題はな
い。 ×:小突起が多数発生し、取扱い性が悪化する。
25mmのティンフリースチールの両面に貼合せ、水冷
した後150mm径の円板状に切り取り、絞りダイスと
ポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の側
面無継目容器(以下、缶と略す)を作成した。この缶に
ついて以下の観察および試験を行い、各々下記の基準で
評価した。 深絞り加工性−1 ○:フィルムに異常なく加工されたフィルムに白化や破
断が認められない。 △:フィルムの缶上部に白化認められる。 ×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。 深絞り加工性−2 ○:異常なく加工され、缶内フィルム面の防錆性試験
(1%NaCl水溶液を缶内に入れ、電極を挿入し、缶
体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定す
る。以下、ERV試験と略す)において0.2mA以下
を示す。 ×:フィルムに異常はないが、ERV試験では電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムの粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ30cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV試験を行
った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
た後、前述の耐衝撃性評価を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは200℃×5分間加熱後既にフィルムのひび割れが
認められた。
器で120℃、1時間レトルト処理を行い、しかる後、
50℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつ
き10個ずつ高さ50cmから塩ビタイル床面に落とし
た後、缶内のERV試験を行った。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
し、常温下(20℃)30日間保管する。その浸漬液を
用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用
のイオン交換水と比較し、下記基準で評価した。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
し、蒸気滅菌器で120℃、1時間レトルト処理を行
い、しかる後、常温下(20℃)30日間保管する。そ
の浸漬液を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行
い、比較用のイオン交換水と比較し、下記基準で評価し
た。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
に示す共重合成分を共重合した共重合PET(固有粘度
0.64で、平均粒径1.8μm、粒径比1.09、相
対標準偏差0.08の真球状単分散シリカ0.08重量
%含有)を乾燥した後溶融押出し、急冷固化して未延伸
フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを表1に
示す温度および倍率で縦延伸した後、表1に示す温度お
よび倍率で横延伸し、更に180℃で熱固定して二軸延
伸フィルムを得た。
粗さ(Ra)は26nmであった。また、フィルムのガ
ラス転移温度(Tg)と損失弾性率の最高ピーク温度
(Te)、フィルム厚さ方向の屈折率およびイオン交換
水抽出量を表2に、評価結果を表3に示す。
合PETの融点が210〜245℃である本発明の場合
(実施例1〜5)は、良好な結果が得られたが、融点が
210℃未満の場合(比較例1)は、耐熱性が劣り、レ
トルト処理後の保味保香性が悪く、245℃を超える場
合(比較例2)は、成形加工性が不良であった。
4に示す共重合成分を共重合した共重合PET(固有粘
度0.64で、平均粒径0.3μm、粒径比1.08、
相対標準偏差0.10の真球状単分散シリカ0.3重量
%含有)を乾燥した後溶融押出し、急冷固化して未延伸
フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを表4に
示す温度および倍率で縦延伸した後、表4に示す温度お
よび倍率で横延伸し、更に180℃で熱固定して二軸延
伸フィルムを得た。
粗さ(Ra)は6nmであった。また、フィルムのガラ
ス転移温度(Tg)と損失弾性率の最高ピーク温度(T
e)、フィルム厚さ方向の屈折率およびイオン交換水抽
出量を表5に、評価結果を表6に示す。
合PETの融点が210〜245℃である本発明の場合
(実施例6〜10)は、良好な結果が得られたが、融点
が210℃未満の場合(比較例3)は、耐熱性が劣り、
レトルト処理後の保味保香性が悪く、245℃を超える
場合(比較例4)は、成形加工性が不良であった。
表7に示す共重合成分を共重合した共重合PET(固有
粘度0.64であり、滑剤Aとして平均粒径0.2μ
m、粒径比1.07、相対標準偏差0.09の真球状単
分散シリカを0.4重量%、滑剤Bとして平均粒径1.
2μm、粒径比1.09、相対標準偏差0.10の真球
状単分散二酸化チタンを0.02重量%含有)を乾燥し
た後溶融押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。
次いで、この未延伸フィルムを表7に示す温度および倍
率で縦延伸した後、表7に示す温度および倍率で横延伸
し、更に180℃で熱固定して二軸延伸フィルムを得
た。
粗さ(Ra)は11nmであった。また、フィルムのガ
ラス転移温度(Tg)と損失弾性率の最高ピーク温度
(Te)、フィルム厚さ方向の屈折率およびイオン交換
水抽出量を表8に、評価結果を表9に示す。
合PETの融点が210〜245℃である本発明の場合
(実施例11〜15)は、良好な結果が得られたが、融
点が210℃未満の場合(比較例5)は、耐熱性が劣
り、レトルト処理後の保味保香性が悪く、245℃を超
える場合(比較例6)は、成形加工性が不良であった。
2]実施例5、10、15において、それぞれ表10に
示すように共重合比を変更した共重合PETを溶融押出
しし、急冷固化して得た未延伸フィルムを、それぞれ表
10に示す条件で延伸、熱固定して二軸延伸フィルムを
得た。
り、表面粗さ(Ra)、フィルムのガラス転移温度(T
g)と損失弾性率の最高ピーク温度(Te)、フィルム
厚さ方向の屈折率およびイオン交換水抽出量を表11
に、評価結果を表12に示す。
gが78℃以上、かつTe−Tgが30℃以下の本発明
の場合(実施例16〜21)は、良好な結果が得られた
が、Tgが78℃未満の場合(比較例7、9、11)
は、耐熱性が劣り、レトルト後の保味保香性が悪く、T
e−Tgが30℃を超える場合(比較例8、10、1
2)は、成形加工性が低下した。
4]実施例2において、シリカ粒子の平均粒径、粒径比
および含有量を表13に示すように変更した二軸延伸フ
ィルムを得た。得られたフィルムの表面粗さ(Ra)を
表13、評価結果を表14に示す。
粒径比が1.2以下である本発明の場合(実施例22〜
23)は、良好な結果が得られたが、平均粒径が2.5
μmを超える場合(比較例13)および粒径比が1.2
を超える場合(比較例14)は、深絞り加工時にピンホ
ールや破断が生じやすく、不適当であった。
真球状単分散シリカの平均粒径および含有量を表15に
示すように変更し、その他の条件は実施例7と同様にし
て二軸延伸フィルムを得た。
り、フィルムの表面粗さ(Ra)を表15に、評価結果
を表16に示す。
μmで、かつ含有量が前述の式(3)を満足する場合
に、特に良好な結果が得られた。
て、滑剤A(真球状単分散シリカ)と滑剤B(真球性単
分散二酸化チタン)の平均粒径および含有量を表17に
示すように変更し、その他の条件は実施例12と同様に
して二軸延伸フィルムを得た。
剤Aの平均粒径(dA)が0.05〜0.6μm、滑剤
Bの平均粒径(dB)が0.3〜2.5μm、滑剤Aの
平均粒径と滑剤Bの平均粒径の比(dB/dA)が2.5
以上であり、滑剤Aの含有量が0.01〜0.3重量
%、かつ滑剤Bの含有量が0.001〜0.2重量%で
ある場合に、特に良好な結果が得られた。
ステルフィルムは、金属板と貼合わせた後製缶加工、例
えば深絞り加工して金属缶を成形するにあたり、共重合
ポリエステルが持っている優れた耐熱性、耐衝撃性、耐
レトルト性を保持しながら、成形加工性に優れ、保味保
香性、特にレトルト後の保味保香性が改善されたもので
あり、金属容器用フィルムとして極めて有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 融点が210〜245℃である共重合ポ
リエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルムで
あって、フィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(T
e)と、DSC測定におけるガラス転移温度(Tg)が
下記式(1)および下記式(2)を満足し、かつ平均粒
径が2.5μm以下であり粒径比(長径/短径)が1.
0〜1.2である真球状単分散の滑剤を含有することを
特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィル
ム。 【数1】Tg≧78 … (1) Te−Tg≦30 … (2) (ここで、Tgは290℃加熱溶融−急冷後のDSC測
定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損
失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。) - 【請求項2】 共重合ポリエチレンテレフタレートの共
重合成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸である請求
項1記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項3】 フィルムをイオン交換水で121℃、2
時間抽出処理したときの抽出量が0.5mg/inch
2以下である請求項1または2記載の金属板貼合せ成形
加工用ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】 滑剤が真球状シリカである請求項1〜3
のいずれかに記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項5】 滑剤の平均粒径が0.05〜0.6μm
であり、かつ含有量(C;重量%)が下記式(3)を満
足する範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の金属
板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。 【数2】 0.0072d-0.65≦C≦0.80d-0.44 … (3) (ここで、dは、滑剤の平均粒径(μm)である。) - 【請求項6】 滑剤が、平均粒径(dA)0.05〜
0.6μmの滑剤Aと、平均粒径(dB)0.3〜2.
5μmの滑剤Bとからなり、滑剤Aの平均粒径と滑剤B
の平均粒径の比(dB/dA)が2.5以上であり、滑剤
Aの含有量が0.01〜0.3重量%、かつ滑剤Bの含
有量が0.001〜0.2重量%である請求項1〜3の
いずれかに記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステル
フィルム。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5965298A JP3602960B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
KR10-1999-7007420A KR100516343B1 (ko) | 1997-12-18 | 1998-12-15 | 금속판 접합성형가공용 이축배향 폴리에스테르 필름 |
DE1998627607 DE69827607T2 (de) | 1997-12-18 | 1998-12-15 | Biaxial orientierter polyester film für die laminierung auf metallbändern |
US09/367,593 US6472046B1 (en) | 1997-12-18 | 1998-12-15 | Biaxially oriented polyester film to be laminated onto metal plate and molded |
EP19980959214 EP0962483B1 (en) | 1997-12-18 | 1998-12-15 | Biaxially oriented polyester film for laminating metal sheets |
PCT/JP1998/005660 WO1999031168A1 (fr) | 1997-12-18 | 1998-12-15 | Film de polyester a orientation biaxiale pour la stratification de feuilles metalliques |
TW87120860A TW539703B (en) | 1997-12-18 | 1998-12-15 | Biaxially oriented polyester film for laminating metal sheets |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5965298A JP3602960B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11255915A true JPH11255915A (ja) | 1999-09-21 |
JP3602960B2 JP3602960B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=13119360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5965298A Expired - Lifetime JP3602960B2 (ja) | 1997-12-18 | 1998-03-11 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3602960B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11277701A (ja) * | 1998-03-31 | 1999-10-12 | Teijin Ltd | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
JP2004528077A (ja) * | 2001-03-12 | 2004-09-16 | グラクソ グループ リミテッド | 計量式吸入器で使用されるキャニスター |
-
1998
- 1998-03-11 JP JP5965298A patent/JP3602960B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11277701A (ja) * | 1998-03-31 | 1999-10-12 | Teijin Ltd | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
JP2004528077A (ja) * | 2001-03-12 | 2004-09-16 | グラクソ グループ リミテッド | 計量式吸入器で使用されるキャニスター |
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Publication number | Publication date |
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JP3602960B2 (ja) | 2004-12-15 |
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