JP5109219B2 - ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル組成物およびそれからなるフィルムに関するものである。詳しくは、ポリエステルにスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコールおよび特定のリン化合物を配合してなる透明性、帯電防止性に優れるポリエステル組成物およびフィルムに関するものである。さらに詳しくは、磁気記録媒体用、食品包装用、一般工業用などの帯電防止性、透明性の要求される分野に好適なポリエステル組成物およびフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊維、フィルム、その他の成形品として広く使用されている。しかしながら、かかるポリエステルは静電気を帯び易いため、繊維、フィルムあるいは各種成形品の製造工程時、さらには製品の使用時などにおいて種々のトラブルが発生しやすい。
このため、静電気による各種のトラブルを防止するために、従来よりポリエステルに帯電防止性を付与する各種の方法、およびポリエステルフィルム、ポリエステル組成物が開示されている。
【0003】
例えば、特開昭50−53465号公報では、スルホン酸誘導体を添加した良好な帯電防止能を有するフィルムの製造方法、特開昭50−134662号公報では、特定の芳香族スルホン酸塩誘導体を配合することで、帯電防止性、透明性に優れ、機械特性の低下しないポリエステル組成物、また特開昭60−38123号公報では、スルホン酸金属塩誘導体および高級脂肪酸金属塩を併用配合することで透明性、易滑性、帯電防止性に優れたフィルムが開示されている。さらに、特公昭44−31828号公報では、ポリエステルに不溶のポリアルキレングリコールとスルホン酸塩誘導体の併用によって帯電防止性を付与すること、特開昭52−47069号公報では、低融点/高融点ブロック共重合体とスルホン酸金属塩誘導体とを併用する方法で、湿度依存性の少ない帯電防止性を有するフィルム、特開昭52−47071号公報では、ポリエステルに溶解性のポリアルキレングリコールとスルホン酸金属塩誘導体を併用配合した帯電防止性に優れるフィルムの製法、さらに特開昭58−71922号公報では、透明性、色調の優れた帯電防止性ポリエステルを得る目的で、ポリエステルに特定量のリン化合物、特定のAV値を有するスルホン酸金属塩誘導体およびポリエチレングリコールを添加する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、これらの従来の方法では、得られるフィルムの帯電防止性能はある程度は向上せしめることができるが必ずしも十分でなく、さらに得られるフィルムは透明性を同時に満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は前記した従来技術の問題点を解消することにあり、透明性、帯電防止性に優れたポリエステル組成物およびフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の目的は、ポリエステルに、スルホン酸金属塩化合物6〜12重量%およびポリオキシアルキレングリコール0.01〜20重量%、および下記式(1)で示されるリン化合物0.001〜0.2重量%を配合してなるポリエステル組成物およびそれからなるフィルムによって達成できる。
【0007】
【化2】
Figure 0005109219
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されたものが好ましく採用され、例えばジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とグリコールとのエステル化もしくはエステル交換反応ならびに引続く重縮合反応によって製造される。ポリエステルの種類についてはフイルム等の成形品に成形しうるものであれば特に限定されない。フイルム等の成形品に成形しうる好適なポリエステルとしてはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸、グリコール成分として脂肪族グリコールまたは脂環族グリコールから構成されたものがよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,3−プロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられ、中でもフィルムとした場合の強度などの点からポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,3−プロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
【0009】
もちろんこれらのポリエステルはホモポリエステルであってもよく、コポリエステルであってもよい。その際の共重合成分としては上記したポリエステルを構成するジカルボン酸成分およびグリコール成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および脂環族ジカルボン酸等の酸成分、芳香族グリコール、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコール等のグリコール成分を挙げることができる。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びこれらから誘導されるエステル形成性誘導体を挙げることができる。また、グリコール成分としてはエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環族グリコールなどを挙げることができる。上記したジカルボン酸成分、グリコール成分は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、これらの共重合成分は、ポリエステルを製造する際に副生するものであってもよい。さらに、共重合せしめる場合の成分量は特に限定されるものではないが、得られるフィルムの強度、耐熱性等の点から30モル%以下とすることが好ましい。
【0010】
本発明におけるスルホン酸金属塩化合物は、下記式で示されるものである。
【0011】
R−SO3m
[但し、式中Rは、アルキル基あるいはアルキルアリール基もしくはアリール基である。Mは、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属である。mは、1または1/2である。]
該スルホン酸金属塩化合物のRは、ポリエステルへの相溶性、フィルムの透明性、帯電防止性の点から、アルキル基またはアルキルアリール基が好ましく、より好ましくはアルキルアリール基である。この際、アルキルは直鎖状あるいは分岐状であってもよい。また、特にRはスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、フィルムの透明性の点から、アルキル基またはアルキルアリール基が好ましく、中でもRの炭素数は5〜40が好ましく、より好ましくは炭素数8〜30である。
さらに、Mは、Li、K、Na等のアルカリ金属あるいはMg、Ca等のアルカリ土類金属等が挙げられる。中でもLi、K、Na等のアルカリ金属が好ましい。このようなスルホン酸金属塩化合物の具体例としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ペプチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸カリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸リチウム等を挙げることができる。中でもポリエステルの相溶性、フィルムの透明性、帯電防止性の点から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウムが好ましい。
【0012】
本発明のスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの配合量は、得られるフィルムの透明性、帯電防止性の点から、6〜12重量%である。配合量が重量%未満であるとフィルムの帯電防止効果に劣る。
【0013】
本発明におけるポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を挙げることができ、このようなポリオキシアルキレングリコールは、片末端あるいは両末端が有機基で封鎖されていてもよい。中でもフィルムの帯電防止性、透明性の点からポリエチレングリコールが好ましい。またポリオキシアルキレングリコールの分子量は、フィルムの帯電防止性、透明性の点から300以上が好ましく、より好ましくは300〜50000であり、さらに好ましくは400〜20000である。
【0014】
本発明のポリオキシアルキレングリコールのポリエステルへの配合量は、帯電防止性の点から、0.01重量%以上が好ましい。より好ましくは0.01〜20重量%であり、さらに好ましくは0.05〜10重量%である。配合量が0.01重量%未満であるとフィルムの帯電防止効果に劣る場合がある。
【0015】
本発明におけるポリエステル組成物は、ポリエステルに下記式(1)で示されるリン化合物を配合するものである。
【0016】
【化3】
Figure 0005109219
【0017】
本発明におけるリン化合物は、式(1)で示される化合物であれば特に限定されるものでなく、例えばトリメチルホスホノフォメート、トリエチルホスホノフォメート、トリメチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテート、エチルジメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート、トリエチル3−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノブチレート、ジイソプロピル(エトキシカルボニルメチル)ホスホネート、tert−ブチルジエチルホスホノアセテート、ジエチルホスホノ酢酸、トリメチル2−ホスホノアクリレート、トリエチル4−ホスホノクロトネート、アリールジエチルホスホノアセテート、ジメチル(3−オキソプロプル)ホスホネート、ジメチル(3−フェノキシアセトニル)ホスホネート、ジエチル(3−オキソプロプル)ホスホネート、ジエチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)ホスホネート、ジエチル(ヒドロキシメチル)ホスホネート等を挙げることができる。これらのリン化合物は、二種以上を併用してもよい。これらのリン化合物の中では、下記式(2)で示される化合物が好ましく、
【0018】
【化4】
Figure 0005109219
さらに好ましくは、下記式(3)である。
【0019】
【化5】
Figure 0005109219
なお、本発明のリン化合物以外にポリエステル組成物には、他のリン化合物を使用してもよい。それらのリン化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノあるいはジメチルエステル、ジメチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸ジメチルエステル、フェニルホスフィン酸ジエチルエステルなど、またリン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン等のリン酸金属塩類、さらにはリン酸アンモニウム等のリン化合物を挙げることができる。
【0020】
本発明におけるリン化合物のポリエステルへの配合量は、併用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、得られるフィルムの透明性、帯電防止性の点から、0.001重量%以上が好ましく、より好ましくは0.01重量%以上であり、さらに好ましくは0.05重量%以上である。一方、配合量の上限は、得られるポリエステル組成物の溶融熱安定性、併用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、フィルムの透明性、帯電防止性の点から0.2重量%以下である。リン化合物の配合量が0.001重量%未満であると、併用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、得られるフィルムの透明性、帯電防止性に劣る場合がある。
【0021】
本発明におけるポリエステル組成物は、併用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、得られるフィルムの透明性、帯電防止性の点から、リン元素を1ppm以上含有することが好ましく、より好ましくは5〜10000ppmであり、さらに好ましくは10〜5000ppmである。
【0022】
本発明におけるスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、およびリン化合物をポリエステルに配合する方法は、特に限定されることはないが、例えば(1)スルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、およびリン化合物とをポリエステル製造反応工程の任意の段階で添加する配合方法、(2)スルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、およびリン化合物とをポリエステルに溶融混練する配合方法等を挙げることができる。中でも、フィルムの透明性、帯電防止性などの点から、(1)のスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、およびリン化合物とをポリエステル製造反応工程の任意の段階で添加する配合方法が好ましい。
【0023】
さらに、(1)の方法を詳細に説明する。ポリエステルの製造は、従来公知の任意の方法を採用することができる。例えば、A.ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコールとのエステル交換反応ならびに引続く重縮合反応によってポリエステルを製造し、本発明のスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、およびリン化合物を反応工程に任意の段階で添加する方法、B.ジカルボン酸とグリコールとのエステル化反応ならびに引続く重縮合反応によってポリエステルを製造し、本発明のスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、およびリン化合物を反応工程に任意の段階で添加する方法を挙げることができる。また、この際、従来公知の反応触媒を使用することができ、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等を挙げることができる。これらの反応触媒は、二種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明におけるポリエステル組成物およびフイルムの固有粘度は、得られるフィルムの強度、耐摩耗性などの点で、0.40dl/g以上が好ましく、より好ましくは0.45〜1.0dl/gである。
【0025】
本発明のポリエステル組成物からなるフィルムは、未延伸のシート状のものでもよいし、一軸または二軸に延伸された延伸フイルムであってもよい。
【0026】
本発明のポリエステル組成物からなるフイルムの具体的な製造方法を説明する。
ポリエステル組成物を乾燥後、溶融押出しして未延伸シートとし、続いて二軸延伸、熱処理しフイルムにする。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率は、通常、縦、横それぞれ2〜5倍が適当である。また、二軸延伸後、さらに縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。この際、本発明のポリエステル組成物と各種のポリエステルとを混合して、スルホン酸金属塩化合物量および/またはポリオキシアルキレングリコール量、およびリン化合物量あるいはリン元素量を目的に応じて適宜変更することができる。また、混合するポリエステルは本発明のポリエステル組成物のベースとなるポリエステルと同一であっても、異なってもよい。
【0027】
上述した方法で、本発明のポリエステル組成物からなるフィルムを得ることができ、磁気記録媒体用、コンデンサー用、食品包装用、一般工業用等の各種用途に使用できる。
【0028】
本発明におけるフィルム中のスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール量、およびリン元素量は、これらの用途に応じて、適宜、設計することができ、透明性、帯電防止性などの点から、スルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール含有量は0.0001〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜1重量%である。また、リン元素量は、0.1〜10000ppmが好ましく、より好ましくは0.2〜1000ppmである。
【0029】
なお、本発明のポリエステル組成物およびフイルムには、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、また各種の添加剤、例えばカルボジイミド、エポキシ化合物などの末端封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等、さらに各種滑剤、例えば二酸化ケイ素、炭酸カルシウム等の炭酸金属塩、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、二酸化チタン等の無機粒子、アクリル酸類、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等も必要に応じて適宜含有していてもよい。
【0030】
【実施例】
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
【0031】
実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0032】
A.ポリエステル組成物の固有粘度
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0033】
B.スルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性
ポリエステル組成物20mgをカバーガラスに挟んで、290℃のホットプレート上で溶融プレス冷却後、顕微鏡観察によって判定した。
○:5μm以上の粗大物は観察されない。
△:5〜10μmの粗大物が僅かに観察される。
×:10μm以上の粗大物が数多く観察される。
【0034】
C.ポリエステル組成物中のリン元素量
蛍光X線測定により、リン元素の強度を標準物質から得られた検量線と比較して定量した。
【0035】
D.フィルムの透明性
ポリエステル組成物から得られたフィルムをASTM−D−1003−59に準じてフィルムヘイズを測定した。
【0036】
E.フィルムの帯電防止性
川口電気製作所MMAII−15超微小電流計を用い、ポリエステル組成物から得られたフィルムを室温20℃、湿度65%に1時間放置し、フィルムの表面固有抵抗を測定した。
【0037】
実施例1
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量部とを酢酸カルシウム・1水和物0.09重量部を触媒として140〜230℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、三酸化アンチモン0.03重量部、リン化合物としてトリエチルホスホノアセテートを0.07重量部を添加し、次いでスルホン酸金属塩化合物としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのエチレングリコール溶液(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度30重量%)を得られるポリエステル組成物に対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが6重量%となるように添加し、さらにポリオキシアルキレングリコールとして分子量4000のポリエチレングリコールを得られるポリエステル組成物に対して6重量%となるように添加した。引き続き、反応系を−101kPaとし、290℃に昇温し、重縮合反応を終了した。ポリエステル組成物特性を表1,2に示した。固有粘度0.61dl/g、リン元素量75ppmであった。また、ポリエステル組成物中に5μm以上の粗大物は認められず、スルホン酸塩金属化合物のポリエステルへの相溶性は良好であった。
【0038】
一方、上述の方法でスルホン酸金属塩化合物およびポリオキシアルキレングリコールを添加していないポリエステルを製造した。
【0039】
次いで、得られたスルホン酸金属塩化合物、ポリオキシアルキレングリコール含有ポリエステル組成物とスルホン酸金属塩化合物、ポリオキシアルキレングリコールを含有しないポリエステルとをスルホン酸金属塩化合物が0.5重量%、ポリオキシアルキレングリコールが0.5重量%となるように混合した後、十分乾燥した。引き続いて該乾燥品を押出し機に供給して290℃で溶融し、T型口金よりシート状に押し出し、30℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フィルムを得た。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦方向に3.3倍延伸し、さらに105℃に加熱して横方向に3.3倍延伸し、220℃で加熱処理して、厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフイルム特性結果を表2に示した。フイルムの透明性、帯電防止性ともに良好であった。
【0040】
比較例1
スルホン酸金属塩化合物、ポリオキシアルキレングリコールを添加せず、実施例1と同様の方法でポリエステルおよびフィルムを得た。
【0041】
得られたポリエステルおよびフィルム特性結果を表1,2に示した。得られたフィルムは帯電防止性に劣るものであった。
【0042】
実施例、比較例2,3、参考例2、7
実施例、比較例2,3、参考例2、7は、スルホン酸金属塩化合物、ポリオキシアルキレングリコールあるいはリン化合物の種類、配合量を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびフィルムを得た。得られたポリエステル組成物およびフィルム特性結果を表1,2に示した。
【0043】
実施例は、いずれも本発明の範囲内で、得られたポリエステル組成物、スルホン酸金属塩化合物の相溶性に優れ、またフイルムは透明性、帯電防止性にも優れるものであった。
【0044】
一方、比較例2,3は、ポリエステルに配合するリン化合物が本発明の範囲外であり、得られたフイルムは、透明性、帯電防止性に劣るものであった。
【0045】
【表1】
Figure 0005109219
【0046】
【表2】
Figure 0005109219
【0047】
【発明の効果】
本発明は上述したように、ポリエステルにスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、および特定のリン化合物を配合してなるポリエステル組成物であって、透明性、帯電防止性に優れたフィルムを得ることができる。さらに該フィルムは、磁気記録媒体用、食品包装用、一般工業用などの帯電防止性、透明性の要求される分野に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. ポリエステルに、スルホン酸金属塩化合物6〜12重量%およびポリオキシアルキレングリコール0.01〜20重量%、および下記式(1)で示されるリン化合物0.001〜0.2重量%を配合してなるポリエステル組成物。
    Figure 0005109219
  2. スルホン酸金属塩化合物およびポリオキシアルキレングリコール、および式(1)で示されるリン化合物を、ポリエステル製造工程の任意の段階で添加することにより得られることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
  3. スルホン酸金属塩化合物およびポリオキシアルキレングリコール、および式(1)で示されるリン化合物を、ポリエステルに混練することにより得られる請求項1または2に記載のポリエステル組成物。
  4. ポリエステル組成物がリン元素を1〜10000ppm含有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル組成物。
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