JP2003105180A - ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム

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JP2003105180A JP2001302703A JP2001302703A JP2003105180A JP 2003105180 A JP2003105180 A JP 2003105180A JP 2001302703 A JP2001302703 A JP 2001302703A JP 2001302703 A JP2001302703 A JP 2001302703A JP 2003105180 A JP2003105180 A JP 2003105180A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、帯電防止性に優れたポリエステル組成
物およびフィルムを得ることを課題とする。 【解決手段】ポリエステルにスルホン酸金属塩化合物お
よび/またはポリオキシアルキレングリコール、および
特定のリン化合物を配合してなるポリエステル組成物お
よびそれからなるフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル組成
物およびそれからなるフィルムに関するものである。詳
しくは、ポリエステルにスルホン酸金属塩化合物および
/またはポリオキシアルキレングリコールおよび特定の
リン化合物を配合してなる透明性、帯電防止性に優れる
ポリエステル組成物およびフィルムに関するものであ
る。さらに詳しくは、磁気記録媒体用、食品包装用、一
般工業用などの帯電防止性、透明性の要求される分野に
好適なポリエステル組成物およびフィルムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有してお
り、繊維、フィルム、その他の成形品として広く使用さ
れている。しかしながら、かかるポリエステルは静電気
を帯び易いため、繊維、フィルムあるいは各種成形品の
製造工程時、さらには製品の使用時などにおいて種々の
トラブルが発生しやすい。このため、静電気による各種
のトラブルを防止するために、従来よりポリエステルに
帯電防止性を付与する各種の方法、およびポリエステル
フィルム、ポリエステル組成物が開示されている。
【0003】例えば、特開昭50−53465号公報で
は、スルホン酸誘導体を添加した良好な帯電防止能を有
するフィルムの製造方法、特開昭50−134662号
公報では、特定の芳香族スルホン酸塩誘導体を配合する
ことで、帯電防止性、透明性に優れ、機械特性の低下し
ないポリエステル組成物、また特開昭60−38123
号公報では、スルホン酸金属塩誘導体および高級脂肪酸
金属塩を併用配合することで透明性、易滑性、帯電防止
性に優れたフィルムが開示されている。さらに、特公昭
44−31828号公報では、ポリエステルに不溶のポ
リアルキレングリコールとスルホン酸塩誘導体の併用に
よって帯電防止性を付与すること、特開昭52−470
69号公報では、低融点/高融点ブロック共重合体とス
ルホン酸金属塩誘導体とを併用する方法で、湿度依存性
の少ない帯電防止性を有するフィルム、特開昭52−4
7071号公報では、ポリエステルに溶解性のポリアル
キレングリコールとスルホン酸金属塩誘導体を併用配合
した帯電防止性に優れるフィルムの製法、さらに特開昭
58−71922号公報では、透明性、色調の優れた帯
電防止性ポリエステルを得る目的で、ポリエステルに特
定量のリン化合物、特定のAV値を有するスルホン酸金
属塩誘導体およびポリエチレングリコールを添加する方
法が開示されている。
【0004】しかしながら、これらの従来の方法では、
得られるフィルムの帯電防止性能はある程度は向上せし
めることができるが必ずしも十分でなく、さらに得られ
るフィルムは透明性を同時に満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記し
た従来技術の問題点を解消することにあり、透明性、帯
電防止性に優れたポリエステル組成物およびフィルムを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステルに、スルホン酸金属塩化合物および/
またはポリオキシアルキレングリコール、および下記式
(1)で示されるリン化合物を配合してなるポリエステ
ル組成物およびそれからなるフィルムによって達成でき
る。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは、
ジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されたもの
が好ましく採用され、例えばジカルボン酸もしくはその
エステル形成性誘導体とグリコールとのエステル化もし
くはエステル交換反応ならびに引続く重縮合反応によっ
て製造される。ポリエステルの種類についてはフイルム
等の成形品に成形しうるものであれば特に限定されな
い。フイルム等の成形品に成形しうる好適なポリエステ
ルとしてはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン
酸、グリコール成分として脂肪族グリコールまたは脂環
族グリコールから構成されたものがよく、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリ−1,3−プロピレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられ、
中でもフィルムとした場合の強度などの点からポリエチ
レンテレフタレート、ポリ−1,3−プロピレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートが好ましい。
【0009】もちろんこれらのポリエステルはホモポリ
エステルであってもよく、コポリエステルであってもよ
い。その際の共重合成分としては上記したポリエステル
を構成するジカルボン酸成分およびグリコール成分以外
の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および脂環
族ジカルボン酸等の酸成分、芳香族グリコール、脂肪族
グリコールおよび脂環族グリコール等のグリコール成分
を挙げることができる。具体的には、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸及びこれらから誘導されるエス
テル形成性誘導体を挙げることができる。また、グリコ
ール成分としてはエチレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族
グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェ
ノールA等の脂環族グリコールなどを挙げることができ
る。上記したジカルボン酸成分、グリコール成分は、一
種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。ま
た、これらの共重合成分は、ポリエステルを製造する際
に副生するものであってもよい。さらに、共重合せしめ
る場合の成分量は特に限定されるものではないが、得ら
れるフィルムの強度、耐熱性等の点から30モル%以下
とすることが好ましい。
【0010】本発明におけるスルホン酸金属塩化合物
は、下記式で示されるものである。
【0011】R−SO3m [但し、式中Rは、アルキル基あるいはアルキルアリー
ル基もしくはアリール基である。Mは、アルカリ金属あ
るいはアルカリ土類金属である。mは、1または1/2
である。] 該スルホン酸金属塩化合物のRは、ポリエステルへの相
溶性、フィルムの透明性、帯電防止性の点から、アルキ
ル基またはアルキルアリール基が好ましく、より好まし
くはアルキルアリール基である。この際、アルキルは直
鎖状あるいは分岐状であってもよい。また、特にRはス
ルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、フィ
ルムの透明性の点から、アルキル基またはアルキルアリ
ール基が好ましく、中でもRの炭素数は5〜40が好ま
しく、より好ましくは炭素数8〜30である。さらに、
Mは、Li、K、Na等のアルカリ金属あるいはMg、
Ca等のアルカリ土類金属等が挙げられる。中でもL
i、K、Na等のアルカリ金属が好ましい。このような
スルホン酸金属塩化合物の具体例としては、ヘキシルス
ルホン酸ナトリウム、ペプチルスルホン酸ナトリウム、
オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸ナト
リウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホ
ン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、
デシルスルホン酸カリウム、ドデシルスルホン酸カリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ドデシル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレン
スルホン酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸リ
チウム等を挙げることができる。中でもポリエステルの
相溶性、フィルムの透明性、帯電防止性の点から、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸リチウムが好ましい。
【0012】本発明のスルホン酸金属塩化合物のポリエ
ステルへの配合量は、得られるフィルムの透明性、帯電
防止性の点から、0.01重量%以上が好ましい。より
好ましくは0.01〜20重量%であり、さらに好まし
くは0.05〜10重量%である。配合量が0.01重
量%未満であるとフィルムの帯電防止効果に劣る場合が
ある。
【0013】本発明におけるポリオキシアルキレングリ
コールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を挙
げることができ、このようなポリオキシアルキレングリ
コールは、片末端あるいは両末端が有機基で封鎖されて
いてもよい。中でもフィルムの帯電防止性、透明性の点
からポリエチレングリコールが好ましい。またポリオキ
シアルキレングリコールの分子量は、フィルムの帯電防
止性、透明性の点から300以上が好ましく、より好ま
しくは300〜50000であり、さらに好ましくは4
00〜20000である。
【0014】本発明のポリオキシアルキレングリコール
のポリエステルへの配合量は、帯電防止性の点から、
0.01重量%以上が好ましい。より好ましくは0.0
1〜20重量%であり、さらに好ましくは0.05〜1
0重量%である。配合量が0.01重量%未満であると
フィルムの帯電防止効果に劣る場合がある。
【0015】本発明におけるポリエステル組成物は、ポ
リエステルに下記式(1)で示されるリン化合物を配合
するものである。
【0016】
【化3】 上記式(1)で示されるリン化合物を配合することによ
り、併用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステ
ルへの相溶性が良好となり、得られるフィルムは、透明
性に優れ、帯電防止性も向上する。
【0017】本発明におけるリン化合物は、式(1)で
示される化合物であれば特に限定されるものでなく、例
えばトリメチルホスホノフォメート、トリエチルホスホ
ノフォメート、トリメチルホスホノアセテート、メチル
ジエチルホスホノアセテート、エチルジメチルホスホノ
アセテート、トリエチルホスホノアセテート、トリエチ
ル3−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノ
プロピネート、トリエチル2−ホスホノブチレート、ジ
イソプロピル(エトキシカルボニルメチル)ホスホネー
ト、tert−ブチルジエチルホスホノアセテート、ジ
エチルホスホノ酢酸、トリメチル2−ホスホノアクリレ
ート、トリエチル4−ホスホノクロトネート、アリール
ジエチルホスホノアセテート、ジメチル(3−オキソプ
ロプル)ホスホネート、ジメチル(3−フェノキシアセ
トニル)ホスホネート、ジエチル(3−オキソプロプ
ル)ホスホネート、ジエチル(2−オキソ−2−フェニ
ルエチル)ホスホネート、ジエチル(ヒドロキシメチ
ル)ホスホネート等を挙げることができる。これらのリ
ン化合物は、二種以上を併用してもよい。これらのリン
化合物の中では、下記式(2)で示される化合物が好ま
しく、
【0018】
【化4】 さらに好ましくは、下記式(3)である。
【0019】
【化5】 なお、本発明のリン化合物以外にポリエステル組成物に
は、他のリン化合物を使用してもよい。それらのリン化
合物としては、例えばリン酸、亜リン酸、リン酸トリメ
チルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリ
フェニルエステル、リン酸モノあるいはジメチルエステ
ル、ジメチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、フ
ェニルホスフィン酸ジメチルエステル、フェニルホスフ
ィン酸ジエチルエステルなど、またリン酸カルシウム、
リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガ
ン等のリン酸金属塩類、さらにはリン酸アンモニウム等
のリン化合物を挙げることができる。
【0020】本発明におけるリン化合物のポリエステル
への配合量は、併用配合するスルホン酸金属塩化合物の
ポリエステルへの相溶性、得られるフィルムの透明性、
帯電防止性の点から、0.001重量%以上が好まし
く、より好ましくは0.01重量%以上であり、さらに
好ましくは0.05重量%以上である。一方、配合量の
上限は、得られるポリエステル組成物の溶融熱安定性、
併用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへ
の相溶性、フィルムの透明性、帯電防止性の点から5重
量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下、さ
らに好ましくは1重量%以下である。リン化合物の配合
量が0.001重量%未満であると、併用配合するスル
ホン酸金属塩化合物のポリエステルへの相溶性、得られ
るフィルムの透明性、帯電防止性に劣る場合がある。
【0021】本発明におけるポリエステル組成物は、併
用配合するスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの
相溶性、得られるフィルムの透明性、帯電防止性の点か
ら、リン元素を1ppm以上含有することが好ましく、
より好ましくは5〜10000ppmであり、さらに好
ましくは10〜5000ppmである。
【0022】本発明におけるスルホン酸金属塩化合物お
よび/またはポリオキシアルキレングリコール、および
リン化合物をポリエステルに配合する方法は、特に限定
されることはないが、例えば(1)スルホン酸金属塩化
合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、
およびリン化合物とをポリエステル製造反応工程の任意
の段階で添加する配合方法、(2)スルホン酸金属塩化
合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、
およびリン化合物とをポリエステルに溶融混練する配合
方法等を挙げることができる。中でも、フィルムの透明
性、帯電防止性などの点から、(1)のスルホン酸金属
塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコー
ル、およびリン化合物とをポリエステル製造反応工程の
任意の段階で添加する配合方法が好ましい。
【0023】さらに、(1)の方法を詳細に説明する。
ポリエステルの製造は、従来公知の任意の方法を採用す
ることができる。例えば、A.ジカルボン酸のジメチル
エステルとグリコールとのエステル交換反応ならびに引
続く重縮合反応によってポリエステルを製造し、本発明
のスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシア
ルキレングリコール、およびリン化合物を反応工程に任
意の段階で添加する方法、B.ジカルボン酸とグリコー
ルとのエステル化反応ならびに引続く重縮合反応によっ
てポリエステルを製造し、本発明のスルホン酸金属塩化
合物および/またはポリオキシアルキレングリコール、
およびリン化合物を反応工程に任意の段階で添加する方
法を挙げることができる。また、この際、従来公知の反
応触媒を使用することができ、例えば、アルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、マンガン
化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタ
ン化合物等を挙げることができる。これらの反応触媒
は、二種以上を併用してもよい。
【0024】本発明におけるポリエステル組成物および
フイルムの固有粘度は、得られるフィルムの強度、耐摩
耗性などの点で、0.40dl/g以上が好ましく、よ
り好ましくは0.45〜1.0dl/gである。
【0025】本発明のポリエステル組成物からなるフィ
ルムは、未延伸のシート状のものでもよいし、一軸また
は二軸に延伸された延伸フイルムであってもよい。
【0026】本発明のポリエステル組成物からなるフイ
ルムの具体的な製造方法を説明する。ポリエステル組成
物を乾燥後、溶融押出しして未延伸シートとし、続いて
二軸延伸、熱処理しフイルムにする。二軸延伸は縦、横
逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよく、延伸
倍率は、通常、縦、横それぞれ2〜5倍が適当である。
また、二軸延伸後、さらに縦、横方向のいずれかに再延
伸してもよい。この際、本発明のポリエステル組成物と
各種のポリエステルとを混合して、スルホン酸金属塩化
合物量および/またはポリオキシアルキレングリコール
量、およびリン化合物量あるいはリン元素量を目的に応
じて適宜変更することができる。また、混合するポリエ
ステルは本発明のポリエステル組成物のベースとなるポ
リエステルと同一であっても、異なってもよい。
【0027】上述した方法で、本発明のポリエステル組
成物からなるフィルムを得ることができ、磁気記録媒体
用、コンデンサー用、食品包装用、一般工業用等の各種
用途に使用できる。
【0028】本発明におけるフィルム中のスルホン酸金
属塩化合物および/またはポリオキシアルキレングリコ
ール量、およびリン元素量は、これらの用途に応じて、
適宜、設計することができ、透明性、帯電防止性などの
点から、スルホン酸金属塩化合物および/またはポリオ
キシアルキレングリコール含有量は0.0001〜5重
量%が好ましく、より好ましくは0.001〜1重量%
である。また、リン元素量は、0.1〜10000pp
mが好ましく、より好ましくは0.2〜1000ppm
である。
【0029】なお、本発明のポリエステル組成物および
フイルムには、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、また各種の添加
剤、例えばカルボジイミド、エポキシ化合物などの末端
封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔
料、蛍光増白剤等、さらに各種滑剤、例えば二酸化ケイ
素、炭酸カルシウム等の炭酸金属塩、ケイ酸アルミニウ
ム等のケイ酸塩、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リ
ン酸カルシウム、二酸化チタン等の無機粒子、アクリル
酸類、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等も必要
に応じて適宜含有していてもよい。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。
【0031】実施例中の特性は次のようにして測定し
た。
【0032】A.ポリエステル組成物の固有粘度 o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0033】B.スルホン酸金属塩化合物のポリエステ
ルへの相溶性 ポリエステル組成物20mgをカバーガラスに挟んで、
290℃のホットプレート上で溶融プレス冷却後、顕微
鏡観察によって判定した。 ○:5μm以上の粗大物は観察されない。 △:5〜10μmの粗大物が僅かに観察される。 ×:10μm以上の粗大物が数多く観察される。
【0034】C.ポリエステル組成物中のリン元素量 蛍光X線測定により、リン元素の強度を標準物質から得
られた検量線と比較して定量した。
【0035】D.フィルムの透明性 ポリエステル組成物から得られたフィルムをASTM−
D−1003−59に準じてフィルムヘイズを測定し
た。
【0036】E.フィルムの帯電防止性 川口電気製作所MMAII−15超微小電流計を用い、ポ
リエステル組成物から得られたフィルムを室温20℃、
湿度65%に1時間放置し、フィルムの表面固有抵抗を
測定した。
【0037】実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部とを酢酸カルシウム・1水和物0.09重
量部を触媒として140〜230℃でメタノールを留出
させながらエステル交換反応を行った。エステル交換反
応終了後、三酸化アンチモン0.03重量部、リン化合
物としてトリエチルホスホノアセテートを0.07重量
部を添加し、次いでスルホン酸金属塩化合物としてドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムのエチレングリコー
ル溶液(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度
30重量%)を得られるポリエステル組成物に対してド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが6重量%となる
ように添加し、さらにポリオキシアルキレングリコール
として分子量4000のポリエチレングリコールを得ら
れるポリエステル組成物に対して6重量%となるように
添加した。引き続き、反応系を−101kPaとし、2
90℃に昇温し、重縮合反応を終了した。ポリエステル
組成物特性を表1,2に示した。固有粘度0.61dl
/g、リン元素量75ppmであった。また、ポリエス
テル組成物中に5μm以上の粗大物は認められず、スル
ホン酸塩金属化合物のポリエステルへの相溶性は良好で
あった。
【0038】一方、上述の方法でスルホン酸金属塩化合
物およびポリオキシアルキレングリコールを添加してい
ないポリエステルを製造した。
【0039】次いで、得られたスルホン酸金属塩化合
物、ポリオキシアルキレングリコール含有ポリエステル
組成物とスルホン酸金属塩化合物、ポリオキシアルキレ
ングリコールを含有しないポリエステルとをスルホン酸
金属塩化合物が0.5重量%、ポリオキシアルキレング
リコールが0.5重量%となるように混合した後、十分
乾燥した。引き続いて該乾燥品を押出し機に供給して2
90℃で溶融し、T型口金よりシート状に押し出し、3
0℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フィルムを得
た。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦方向に
3.3倍延伸し、さらに105℃に加熱して横方向に
3.3倍延伸し、220℃で加熱処理して、厚さ100
μmのフィルムを得た。得られたフイルム特性結果を表
2に示した。フイルムの透明性、帯電防止性ともに良好
であった。
【0040】比較例1 スルホン酸金属塩化合物、ポリオキシアルキレングリコ
ールを添加せず、実施例1と同様の方法でポリエステル
およびフィルムを得た。
【0041】得られたポリエステルおよびフィルム特性
結果を表1,2に示した。得られたフィルムは帯電防止
性に劣るものであった。
【0042】実施例2〜7、比較例2,3 実施例2〜7、比較例2,3は、スルホン酸金属塩化合
物、ポリオキシアルキレングリコールあるいはリン化合
物の種類、配合量を変更した以外は実施例1と同様の方
法で、ポリエステル組成物およびフィルムを得た。得ら
れたポリエステル組成物およびフィルム特性結果を表
1,2に示した。
【0043】実施例2〜7は、いずれも本発明の範囲内
で、得られたポリエステル組成物はは、スルホン酸金属
塩化合物の相溶性に優れ、またフイルムは透明性、帯電
防止性にも優れるものであった。
【0044】一方、比較例2,3は、ポリエステルに配
合するリン化合物が本発明の範囲外であり、得られたフ
イルムは、透明性、帯電防止性に劣るものであった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明は上述したように、ポリエステル
にスルホン酸金属塩化合物および/またはポリオキシア
ルキレングリコール、および特定のリン化合物を配合し
てなるポリエステル組成物であって、透明性、帯電防止
性に優れたフィルムを得ることができる。さらに該フィ
ルムは、磁気記録媒体用、食品包装用、一般工業用など
の帯電防止性、透明性の要求される分野に好適に使用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71:02) Fターム(参考) 4F071 AA44 AA45 AA51 AC14 AE16 BB06 BB08 BC01 4J002 CF031 CF041 CF051 CH022 EV256 EW127 FD102 FD106 FD107

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルに、スルホン酸金属塩化合物
    および/またはポリオキシアルキレングリコール、およ
    び下記式(1)で示されるリン化合物を配合してなるポ
    リエステル組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】スルホン酸金属塩化合物および/またはポ
    リオキシアルキレングリコールの配合量が0.01重量
    %以上である請求項1に記載のポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】リン化合物の配合量が0.001重量%以
    上である請求項1または2項に記載のポリエステル組成
    物。
  4. 【請求項4】スルホン酸金属塩化合物および/またはポ
    リオキシアルキレングリコール、および式(1)で示さ
    れるリン化合物の配合がポリエステル製造工程の任意の
    段階で添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】スルホン酸金属塩化合物および/またはポ
    リオキシアルキレングリコール、および式(1)で示さ
    れるリン化合物の配合がポリエステルへの混練である請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成
    物。
  6. 【請求項6】ポリエステル組成物がリン元素を1ppm
    以上含有してなることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載のポリエステル組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ
    エステル組成物からなるフィルム。
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