JP2007224238A - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムの透明性、滑り性に優れたポリエステルの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステルを製造するに際し、エステル化反応終了後に、下記式(1)に示すリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を、下記式(2)を満足する量添加せしめ、かつ平均重合度2.0〜7.0の低重合体に、シリカ系無機粒子を、得られるポリエステル組成物に対して0.01〜20重量%添加し、重縮合反応せしめてなるポリエステル組成物の製造方法。
Figure 2007224238

0.10≦M/P≦5.00 ・・・(2)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル組成物の製造方法に関するものである。詳しくは、エステル化反応ならびに重縮合反応によるシリカ系無機粒子含有ポリエステル組成物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、優れた粒子分散性、粗大粒子の低減効果を有し、かつフィルム用途において欠点数が少なく生産性に優れ、透明性、滑り性を兼備したポリエステル組成物の製造方法に関するものである。
ポリエステルはジカルボン酸成分とジオール成分の重合によって得られ、特に、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるポリエチレンテレフタレートは汎用性、実用性の点で優れており、ポリエステルフィルム等に好適に使用されている。
ポリエチレンテレフタレートを製造する商業的なプロセスとして、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとのエステル交換反応ならびに重縮合反応、または、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応ならびに重縮合反応によって製造する方法が知られている。中でもテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応は、経済的に有利である点、環境負荷が少ない点から、汎用的な製造方法として利用されている。
一方、ポリエステルフィルムを成形する際には、一般に、無機粒子などの微粒子を含有させ、フィルム表面に適度な凹凸を形成せしめ、フィルムあるいは加工製品に透明性、滑り性を付与し、成型加工性、品質特性を向上させる。
しかし、単にポリエステルに無機粒子などの微粒子を含有せしめ、フィルムを成形加工しただけでは、フィルムあるいは加工製品の透明性や滑り性などの特性を必ずしも十分に満足するものでなく、特にエステル化反応ならびに重縮合反応でポリエステルを製造する場合は、微粒子の凝集による粗粒化により、フィルム中で欠点となり製品の特性を損ねるだけでなく、欠点を起点とした製造中の破れにより生産性が著しく低下する結果となり製造方法を改善する必要があった。このため各種の方法が開示されている。
例えば、特開平7−238151号公報(特許文献1)では、エステル化反応率とオリゴマー粘度を規定することにより粒子分散性を改良する方法が提案されているが、これらの方法では、粒子分散性が不十分なばかりでなく、ジエチレングリコールの副生についても十分な低減効果がなく、フィルムの欠点発生を十分に抑制することができなかった。また、特開2003−082200号公報(特許文献2)では、特定の比表面積、細孔容積を有するシリカ系無機粒子に、特定の構造を有するリン化合物を添加することにより粒子の分散性を向上させる方法が記載されているが、エステル化反応ならびに重縮合反応による製造方法では、粒子分散性の点で十分満足できるものではなかった。さらに、特開平4−175336号公報(特許文献3)では、モル比が5以上の粒子スラリを添加することにより、粗大粒子が少ないポリエステルの製造方法が記載されているが、この方法においても、必ずしも透明性、滑り性を十分に同時に満足させるものではなく、凝集粒子による欠点を起点としたフィルム破れを抑制することができなかった。
特開平7−238151号公報(特許請求の範囲) 特開2003−082200号公報(特許請求の範囲) 特開平4−175336号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解決することにあり、シリカ系無機粒子を含有するポリエステル組成物をエステル化反応ならびに重縮合反応で製造するに際し、粒子分散性が良好で、粗大粒子が少なく、かつ得られるフィルムの透明性、滑り性に優れ、さらには欠点数が少なく、生産性の優れたポリエステル組成物の製造方法を提供することにある。
前記した本発明の目的は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応ならびに重縮合反応によって、ポリエステルを製造するに際し、エステル化反応終了後に、下記式(1)に示すリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を、下記式(2)を満足する量添加せしめ、かつ平均重合度2.0〜7.0の低重合体に、シリカ系無機粒子を、得られるポリエステル組成物に対して0.01〜20重量%添加し、重縮合反応せしめてなることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法によって、達成できる。
Figure 2007224238
(但し、式中、R,R,Rは炭素数1以上10以下の炭化水素基である。Xは、カルボニル基、エステル基のいずれかを示す。m、nは、0または1である。)
0.10≦M/P≦5.00 ・・・(2)
(但し、式中においてMは、ポリエステル10g当たりに含有されるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総モル数。Pは、ポリエステル10g当たりに含有されるリン元素の総モル数。)
本発明は、ポリエステルをエステル化反応ならびに重縮合反応で製造するに際し、特定の構造を有するリン化合物からなるリン元素とアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属元素を特定量比で添加し、平均重合度が特定の範囲でシリカ系無機粒子を添加することにより、優れた粒子分散性、粗大粒子の低減効果を有し、かつフィルム用途において欠点数が少なく生産性に優れ、透明性、滑り性を兼備したポリエステル組成物を得ることができる。さらに、一般工業用、包装用、磁気テープ用フィルム等の透明性、滑り性が要求される分野に好適に使用することができる。
本発明におけるポリエステルは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応ならびに重縮合反応によって製造されるポリエチレンテレフタレート系のポリエステルである。
本発明のポリエステルとしては、テレフタル酸やエチレングリコール以外に、他のジカルボン酸成分あるいはジオール成分を併用することができる。ジカルボン酸成分として、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等をあげることができ、ジオール成分としては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記したジカルボン酸成分、ジオール成分は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、これらの共重合成分は、ポリエステルを製造する際に副生するものであってもよい。
本発明のリン化合物は、シリカ系無機粒子の粒子分散性、粗大粒子の低減、さらには、ポリエステルの溶融熱安定性や色調の観点から、下記式(1)で示されるリン化合物を添加する必要がある。リン化合物の含有量は、ポリエステル中のリン元素量として、1〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは1〜500ppm、さらに好ましくは1〜300ppmである。リン元素量が1ppm未満では、シリカ系無機粒子の粒子分散性が悪化したり、粗大粒子が生成したりする場合がある。また、1000ppmを超える場合には、重合反応時間が遅延しポリエステル組成物の生産性が低下する場合がある。
Figure 2007224238
(但し、式中、R,R,Rは炭素数1以上10以下の炭化水素基である。Xは、カルボニル基、エステル基のいずれかを示す。m、nは、0または1である。)
本発明のリン化合物は、式(1)で示される化合物であれば特に限定されるものでなく、例えばトリメチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテート、エチルジメチルホスホノアセテート、エチルジエチルホスホノアセテート、トリエチル3−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノブチレート、tert−ブチルジエチルホスホノアセテート、トリメチル2−ホスホノアクリレート、トリエチル4−ホスホノクロトネート、アリールジエチルホスホノアセテート、ジエチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)ホスホネート等を挙げることができる。上記したリン化合物は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
これらのリン化合物のうちでも特に、シリカ系無機粒子の粒子分散性、粗大粒子低減の観点からエチルジエチルホスホノアセテートが好ましい。またこれらのリン化合物の添加時期としては、エステル化反応が終了してから、シリカ系無機粒子を添加するまでの間に添加することが好ましく、添加方法としては、エチレングリコール溶液、またはエチレングリコールスラリーとして添加することが好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、シリカ系無機粒子の粒子分散性、粗大粒子の低減あるいは重合反応性、溶融熱安定性、色調の観点から、リン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を、下記式(2)を満足するように添加する必要がある。
0.10≦M/P≦5.00 ・・・(2)
(但し、式中においてMは、ポリエステル10g当たりに含有されるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総モル数。Pは、ポリエステル10g当たりに含有されるリン元素の総モル数。)
好ましくは0.50≦M/P≦3.50であり、より好ましくは1.00≦M/P≦2.50である。M/Pの値が0.10未満であると、粒子の凝集が起こるだけでなく、フィルム欠点が発生し破れの原因となる。また、5.00を超えると上記リン化合物添加の効果が阻害され、熱安定性の悪化による着色、フィルム欠点による透明性、滑り性の悪化が生じ、品質が著しく阻害される。
本発明におけるアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物は、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属化合物としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらのアルカリ金属化合物のうちリチウム化合物、カリウム化合物が粗大粒子低減の点から好ましい。また、アルカリ土類金属化合物としては、カルシウム、マグネシウムなどの酢酸塩、酸化物が好ましく、特に粒子分散性の観点から酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが好ましい。このようなアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物の添加時期としては、エステル化反応が終了してから、シリカ系無機粒子を添加するまでの任意の時期に添加することが好ましく、添加方法としては、エチレングリコール溶液、またはエチレングリコールスラリーとして添加することが好ましい。これらは、二回以上に分割して添加したり、二種以上の化合物を併用して添加しても構わない。
本発明におけるシリカ系無機粒子は、粒子の50%以上がSiOで構成された無機粒子である。具体的には乾式法、湿式法等で得られたホワイトカーボン、シリカゾル、シリカ・アルミナ複合粒子等を挙げることができる。中でも得られるフィルムの透明性の点から、湿式法で得られたシリカ系無機粒子が好ましく、特にはSiO含有量が95重量%以上の湿式法で得られたシリカ系無機粒子が好ましい。また、シリカ系無機粒子のポリエステルへの含有量は、フィルムの透明性、滑り性の点から、0.01〜20重量%であることが必要であり、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%である。さらに、シリカ系無機粒子の平均粒子径は、粒子の表面活性による凝集抑制、ポリエステルの高分子量化、さらにはフィルムに成形する際の工程安定性の点から0.01〜10μmであることが好ましい。より好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは0.2〜3μmである。このような平均粒子径を有するシリカ系無機粒子を含有するフィルムは、表面の粗大突起を抑制し、透明性、滑り性が良好となる。
本発明のポリエステル組成物をエステル化反応ならびに重縮合反応で製造する際に、重合反応性、粒子分散性、耐熱性、フィルム欠点の点からエステル化反応開始前のジオールとジカルボン酸成分のモル比は、1.05〜1.40の範囲であることが好ましい。より好ましくは、1.05〜1.30、さらに好ましくは、1.05〜1.20である。モル比が1.05未満では、反応が効率的に進まないため商業的なプロセスとしては好ましくなく、シリカ系無機粒子の凝集による粗大粒子が発生したりする場合がある。逆にモル比が1.40を超えると副生するジエチレングリコールの増加により、耐熱性が低下したり、粒子分散性が悪化しフィルム中の欠点数が増加する場合がある。
本発明のポリエステル組成物の製造方法においては、エステル化反応が終了してから、シリカ系無機粒子を添加するまでの間に、粒子分散性を向上させ、粗大粒子を抑制する点から低重合体の平均重合度を2.0〜7.0とする必要がある。好ましくは2.0〜5.0、より好ましくは、2.0〜3.0である。平均重合度が7.0を超えた後にシリカ系無機粒子を添加すると、粒子の分散が阻害され凝集が起こる。また、平均重合度が2.0未満の場合、粒子凝集が急速に進み、ポリエステル組成物中に粗大粒子が生成する。平均重合度を2.0〜7.0とする方法は、特に限定されないが、例えば、エステル化反応工程が終了した後、ジオールを添加し保持する方法や、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物を添加した後、溶融保持させる方法等が挙げられる。追加添加するジオールの量は、生産性を考慮すると、モル比が1.45〜2.25となるような範囲であることが好ましい。より好ましくは、1.55〜2.15、さらに好ましくは1.65〜2.05となるような範囲である。
本発明の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸およびエチレングリコールでエステル化反応を開始し、反応終了後に、A.アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、リン化合物、ジオール成分を順に添加し、低重合体の平均重合度が2.0〜7.0の範囲でシリカ系無機粒子を添加後、引き続き重縮合反応によりポリエステル組成物を製造する方法、B.アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、リン化合物の順に添加し、一定時間溶融保持させ、低重合体の平均重合度が2.0〜7.0の範囲でシリカ系無機粒子を添加し、引き続き重縮合反応によりポリエステル組成物を製造する方法、C.ジオール成分、シリカ系無機粒子を順に添加した後、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、リン化合物を順に添加し、引き続き重縮合反応によりポリエステル組成物を製造する方法を挙げることができる。生産性を考慮すると、Aの方法が好ましい。
本発明の製造方法から得られるポリエステル組成物は、ポリエステルフィルムに成型することができる。ポリエステルフィルムは、未延伸のシート状でもよいし、一軸または二軸に延伸された延伸フィルムであってもよい。また、製造方法は、特に限定されるものではなく。例えば、以下の製法をあげることができる。すなわち、ポリエステル組成物を乾燥後、溶融押出しして未延伸シートとし、続いて二軸延伸、熱処理しフィルムにする。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率は、通常、縦、横それぞれ2〜5倍が適当である。また、二軸延伸後、さらに縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。この際、本発明のポリエステル組成物と各種のポリエステルとを混合して、シリカ系無機粒子、リン化合物、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物量を、目的に応じて、適宜変更することができる。また、混合するポリエステルは、本発明のポリエステル組成物のベースとなるポリエステルと同一であっても、異なってもよい。
上述した方法で、本発明のポリエステルフィルムを得ることができ、一般工業用、包装用、磁気テープ用等の各種用途に使用できる。なお、フィルム中のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属元素量、リン元素量およびシリカ系無機粒子の含有量は、これらの用途に応じて、適宜、設計することができる。
本発明におけるポリエステル組成物の固有粘度は、得られるフィルムの強度、加工性等の点で、0.40dl/g以上が好ましく、より好ましくは0.45〜1.0dl/gである。
また、本発明のポリエステル組成物には、他の熱可塑性組成物、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、また各種の添加剤、例えばカルボジイミド、エポキシ化合物等の末端封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等、さらに本発明のシリカ系無機粒子以外の各種粒子、例えば炭酸カルシウム等の炭酸金属塩、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、二酸化チタン等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等も必要に応じて適宜含有していてもよい。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリエステルの平均重合度
高速液体クロマトグラム(島津製LC−10ADvp)を用いて重合度分布を測定し、平均重合度を算出した。
(2)金属元素量、M/P
M/Pは、蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)でアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、リン元素を測定し、計算により求めた。
(3)粒子の平均粒子径
粒子の平均粒子径は粒径分析装置(HORIBA製LA−700)で測定した。
(4)ポリエステル組成物の固有粘度
試料をo−クロロフェノール溶媒で溶解したのち 25℃で毛細管式粘度計により固有粘度を測定した。
(5)ポリエステル組成物中の粒子分散性
粒子分散性はポリエステル組成物を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、以下の方法により判定した。
○:粒子同士の凝集による粗大粒子は観察されない。
△:粒子同士の凝集による粗大粒子がわずかに観察される。
×:粒子同士の凝集による粗大粒子が多く観察される。
(6)ポリエステル組成物中のポリマー濾過性
ポリエステル組成物中の粗大粒子量の指標として、濾過性試験機(中部化学機械製作所CN−25)を用いて、フィルタ−目開き15μmにおいて、ポリエステル組成物3kgの3時間後圧力と初期圧力Pの差を濾過圧力ΔPとして判定した。濾過圧力が小さいほど、粗大粒子量が少なく良好である。
(7)フィルムの欠点数
フィルムを縦横300cm四方にカットし、観察された欠点の数をカウントした。測定を5回実施し、カウント数の平均値を求め、1cm当たりの個数として計算した。
(8)フィルムの透明性
JIS K 7105−1981に準じて、フィルムヘイズを測定し、この値でフィルムの透明性を判定した。数値が小さいほど透明性が良好である。
(9)フィルムの滑り性
ポリエステルフィルムをASTM−D−1894B法に従って測定した。フィルムの滑り性の目安として動摩擦係数(μd)を用いた。数値が小さいほど滑り性が良好である。
実施例1
(ポリエステル組成物の製造)
反応開始モル比1.15のテレフタル酸、エチレングリコールを140〜260℃で水を留出させながらエステル化反応を行う。エステル化反応が終了した後、三酸化アンチモン、酢酸カルシウム・1水和物、さらにエチルジエチルホノアセテートをリン元素として80ppm、M/Pが1.90となる量添加し、さらにモル比が1.85となる量のエチレングリコールを添加した後、ポリエステルの平均重合度が2.5となるまで保持し、平均粒子径2.0μmでSiO含有量が95%以上の湿式法で得られたシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、シリカ粒子が2.0重量%となるように添加した。引き続いて、反応系を100Paまで徐々に下げ、290℃に昇温して重縮合反応を終了させた。ポリエステル組成物の特性を表2に示した。固有粘度0.62dl/gであり、SEMでの観察からシリカ粒子の凝集による粗大粒子は観察されず、また、濾過圧力も小さく、粒子分散性は良好であった。
(ポリエステルフィルムの製造)
上述と同様の方法で、シリカ粒子を添加していないポリエステル組成物を製造し、次いで、得られたシリカ粒子含有ポリエステル組成物とシリカ粒子を含有しないポリエステル組成物とをシリカ粒子が0.015重量%となるように混合した後、減圧乾燥機にて乾燥し、押出機に供給した。ポリエステル組成物は押出機にて280℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイに供給しシート状に成形した後、ワイヤー状電極にて静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で200℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、50μmであった。ポリエステルフィルムの特性を表2に示した。フィルムに欠点はなく、透明性、滑り性ともに良好であった。
実施例2〜12
反応開始モル比、リン化合物の種類や量、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の種類、M/P、低重合体の反応系内モル比、平均重合度、シリカ粒子の組成を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示す。得られたポリエステル組成物は、粒子分散性に優れ、粗大粒子が少なく、またポリエステルフィルムは、欠点がなく生産性が良好で、かつ透明性、滑り性とも良好であった。
比較例1
リン化合物にトリメチルホスフェートを使用し、M/P、低重合体の反応系内モル比、平均重合度を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。特性結果を表2に示す。得られたポリエステル組成物は、粒子分散性に劣り、ポリエステルフィルムは、欠点を起因としたフィルム破れにより生産性が悪化し、透明性、滑り性も満足するものではなかった。
比較例2〜10
反応開始モル比、リン化合物の種類や量、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の種類、M/P、低重合体の反応系内モル比、平均重合度、シリカ粒子の組成を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。特性結果を表2に示す。得られたポリエステル組成物は、いずれも粗大粒子が多く、粒子分散性に劣るものであった。また、ポリエステルフィルムは、欠点が多く、透明性、滑り性を満足するものではなかった。
Figure 2007224238
Figure 2007224238

Claims (6)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応ならびに重縮合反応によって、ポリエステルを製造するに際し、エステル化反応終了後に、下記式(1)に示すリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を、下記式(2)を満足する量添加せしめ、かつ平均重合度2.0〜7.0の低重合体に、シリカ系無機粒子を、得られるポリエステル組成物に対して0.01〜20重量%添加し、重縮合反応せしめてなることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
    Figure 2007224238
    (但し、式中、R,R,Rは炭素数1以上10以下の炭化水素基である。Xは、カルボニル基、エステル基のいずれかを示す。m、nは、0または1である。)
    0.10≦M/P≦5.00 ・・・(2)
    (但し、式中においてMは、ポリエステル10g当たりに含有されるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総モル数。Pは、ポリエステル10g当たりに含有されるリン元素の総モル数。)
  2. エステル化反応開始前のジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比が1.05〜1.40であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  3. エステル化反応が終了した後にジオール成分を添加して、ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比を1.45〜2.25の範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  4. リン化合物をリン元素として1〜1000ppm含有させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  5. シリカ系無機粒子の平均粒子径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  6. フィルム用途に好適な請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
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