JP2007224238A - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents
ポリエステル組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007224238A JP2007224238A JP2006049867A JP2006049867A JP2007224238A JP 2007224238 A JP2007224238 A JP 2007224238A JP 2006049867 A JP2006049867 A JP 2006049867A JP 2006049867 A JP2006049867 A JP 2006049867A JP 2007224238 A JP2007224238 A JP 2007224238A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester composition
- polyester
- silica
- film
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
Description
0.10≦M/P≦5.00 ・・・(2)
(但し、式中においてMは、ポリエステル106g当たりに含有されるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総モル数。Pは、ポリエステル106g当たりに含有されるリン元素の総モル数。)
本発明のリン化合物は、式(1)で示される化合物であれば特に限定されるものでなく、例えばトリメチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテート、エチルジメチルホスホノアセテート、エチルジエチルホスホノアセテート、トリエチル3−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノブチレート、tert−ブチルジエチルホスホノアセテート、トリメチル2−ホスホノアクリレート、トリエチル4−ホスホノクロトネート、アリールジエチルホスホノアセテート、ジエチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)ホスホネート等を挙げることができる。上記したリン化合物は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(但し、式中においてMは、ポリエステル106g当たりに含有されるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総モル数。Pは、ポリエステル106g当たりに含有されるリン元素の総モル数。)
好ましくは0.50≦M/P≦3.50であり、より好ましくは1.00≦M/P≦2.50である。M/Pの値が0.10未満であると、粒子の凝集が起こるだけでなく、フィルム欠点が発生し破れの原因となる。また、5.00を超えると上記リン化合物添加の効果が阻害され、熱安定性の悪化による着色、フィルム欠点による透明性、滑り性の悪化が生じ、品質が著しく阻害される。
(1)ポリエステルの平均重合度
高速液体クロマトグラム(島津製LC−10ADvp)を用いて重合度分布を測定し、平均重合度を算出した。
(2)金属元素量、M/P
M/Pは、蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)でアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、リン元素を測定し、計算により求めた。
(3)粒子の平均粒子径
粒子の平均粒子径は粒径分析装置(HORIBA製LA−700)で測定した。
(4)ポリエステル組成物の固有粘度
試料をo−クロロフェノール溶媒で溶解したのち 25℃で毛細管式粘度計により固有粘度を測定した。
(5)ポリエステル組成物中の粒子分散性
粒子分散性はポリエステル組成物を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、以下の方法により判定した。
○:粒子同士の凝集による粗大粒子は観察されない。
△:粒子同士の凝集による粗大粒子がわずかに観察される。
×:粒子同士の凝集による粗大粒子が多く観察される。
(6)ポリエステル組成物中のポリマー濾過性
ポリエステル組成物中の粗大粒子量の指標として、濾過性試験機(中部化学機械製作所CN−25)を用いて、フィルタ−目開き15μmにおいて、ポリエステル組成物3kgの3時間後圧力と初期圧力Pの差を濾過圧力ΔPとして判定した。濾過圧力が小さいほど、粗大粒子量が少なく良好である。
(7)フィルムの欠点数
フィルムを縦横300cm四方にカットし、観察された欠点の数をカウントした。測定を5回実施し、カウント数の平均値を求め、1cm2当たりの個数として計算した。
(8)フィルムの透明性
JIS K 7105−1981に準じて、フィルムヘイズを測定し、この値でフィルムの透明性を判定した。数値が小さいほど透明性が良好である。
(9)フィルムの滑り性
ポリエステルフィルムをASTM−D−1894B法に従って測定した。フィルムの滑り性の目安として動摩擦係数(μd)を用いた。数値が小さいほど滑り性が良好である。
(ポリエステル組成物の製造)
反応開始モル比1.15のテレフタル酸、エチレングリコールを140〜260℃で水を留出させながらエステル化反応を行う。エステル化反応が終了した後、三酸化アンチモン、酢酸カルシウム・1水和物、さらにエチルジエチルホノアセテートをリン元素として80ppm、M/Pが1.90となる量添加し、さらにモル比が1.85となる量のエチレングリコールを添加した後、ポリエステルの平均重合度が2.5となるまで保持し、平均粒子径2.0μmでSiO2含有量が95%以上の湿式法で得られたシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、シリカ粒子が2.0重量%となるように添加した。引き続いて、反応系を100Paまで徐々に下げ、290℃に昇温して重縮合反応を終了させた。ポリエステル組成物の特性を表2に示した。固有粘度0.62dl/gであり、SEMでの観察からシリカ粒子の凝集による粗大粒子は観察されず、また、濾過圧力も小さく、粒子分散性は良好であった。
(ポリエステルフィルムの製造)
上述と同様の方法で、シリカ粒子を添加していないポリエステル組成物を製造し、次いで、得られたシリカ粒子含有ポリエステル組成物とシリカ粒子を含有しないポリエステル組成物とをシリカ粒子が0.015重量%となるように混合した後、減圧乾燥機にて乾燥し、押出機に供給した。ポリエステル組成物は押出機にて280℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイに供給しシート状に成形した後、ワイヤー状電極にて静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で200℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、50μmであった。ポリエステルフィルムの特性を表2に示した。フィルムに欠点はなく、透明性、滑り性ともに良好であった。
反応開始モル比、リン化合物の種類や量、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の種類、M/P、低重合体の反応系内モル比、平均重合度、シリカ粒子の組成を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示す。得られたポリエステル組成物は、粒子分散性に優れ、粗大粒子が少なく、またポリエステルフィルムは、欠点がなく生産性が良好で、かつ透明性、滑り性とも良好であった。
リン化合物にトリメチルホスフェートを使用し、M/P、低重合体の反応系内モル比、平均重合度を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。特性結果を表2に示す。得られたポリエステル組成物は、粒子分散性に劣り、ポリエステルフィルムは、欠点を起因としたフィルム破れにより生産性が悪化し、透明性、滑り性も満足するものではなかった。
反応開始モル比、リン化合物の種類や量、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の種類、M/P、低重合体の反応系内モル比、平均重合度、シリカ粒子の組成を変更した以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。特性結果を表2に示す。得られたポリエステル組成物は、いずれも粗大粒子が多く、粒子分散性に劣るものであった。また、ポリエステルフィルムは、欠点が多く、透明性、滑り性を満足するものではなかった。
Claims (6)
- テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応ならびに重縮合反応によって、ポリエステルを製造するに際し、エステル化反応終了後に、下記式(1)に示すリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を、下記式(2)を満足する量添加せしめ、かつ平均重合度2.0〜7.0の低重合体に、シリカ系無機粒子を、得られるポリエステル組成物に対して0.01〜20重量%添加し、重縮合反応せしめてなることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
0.10≦M/P≦5.00 ・・・(2)
(但し、式中においてMは、ポリエステル106g当たりに含有されるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総モル数。Pは、ポリエステル106g当たりに含有されるリン元素の総モル数。) - エステル化反応開始前のジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比が1.05〜1.40であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- エステル化反応が終了した後にジオール成分を添加して、ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比を1.45〜2.25の範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- リン化合物をリン元素として1〜1000ppm含有させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- シリカ系無機粒子の平均粒子径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- フィルム用途に好適な請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006049867A JP2007224238A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | ポリエステル組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006049867A JP2007224238A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | ポリエステル組成物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007224238A true JP2007224238A (ja) | 2007-09-06 |
Family
ID=38546334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006049867A Pending JP2007224238A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | ポリエステル組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007224238A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017052839A (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2021066796A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 東レ株式会社 | ポリエステル組成物の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59189119A (ja) * | 1983-04-08 | 1984-10-26 | Toyobo Co Ltd | ポリエステルの製造方法 |
JPH03269016A (ja) * | 1990-03-16 | 1991-11-29 | Unitika Ltd | ポリエステルの製造法 |
JPH04183718A (ja) * | 1990-11-19 | 1992-06-30 | Nippon Ester Co Ltd | ポリエステルの製造法 |
JPH1160710A (ja) * | 1997-08-12 | 1999-03-05 | Nippon Ester Co Ltd | 不活性微粒子含有ポリエステルの製造法 |
JP2003238671A (ja) * | 2002-02-14 | 2003-08-27 | Teijin Ltd | フィルム用ポリエステル組成物の製造方法 |
JP2004210874A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Toray Ind Inc | ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006049867A patent/JP2007224238A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59189119A (ja) * | 1983-04-08 | 1984-10-26 | Toyobo Co Ltd | ポリエステルの製造方法 |
JPH03269016A (ja) * | 1990-03-16 | 1991-11-29 | Unitika Ltd | ポリエステルの製造法 |
JPH04183718A (ja) * | 1990-11-19 | 1992-06-30 | Nippon Ester Co Ltd | ポリエステルの製造法 |
JPH1160710A (ja) * | 1997-08-12 | 1999-03-05 | Nippon Ester Co Ltd | 不活性微粒子含有ポリエステルの製造法 |
JP2003238671A (ja) * | 2002-02-14 | 2003-08-27 | Teijin Ltd | フィルム用ポリエステル組成物の製造方法 |
JP2004210874A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Toray Ind Inc | ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017052839A (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2021066796A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 東レ株式会社 | ポリエステル組成物の製造方法 |
JP7363361B2 (ja) | 2019-10-23 | 2023-10-18 | 東レ株式会社 | ポリエステル組成物の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5577773B2 (ja) | ポリエステル組成物の製造方法およびそれを用いたフィルム | |
JPH06170911A (ja) | ポリエステルフイルムの製造方法 | |
JP2009256621A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP5396692B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造法 | |
JP2007224238A (ja) | ポリエステル組成物の製造方法 | |
JP5163396B2 (ja) | ポリエステル組成物およびその製造方法からなる離型用、あるいはコンデンサ用フィルム | |
WO2007105628A1 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法、並びに成形体 | |
JP4992171B2 (ja) | ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム | |
JP2005239940A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
JP4951156B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP4817648B2 (ja) | ポリエステル組成物およびそれからなる成形品 | |
JP5098373B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造法 | |
KR101552429B1 (ko) | 차광성 및 표면활성이 우수한 폴리에스테르 수지 및 그 제조방법 | |
JP2004107471A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2006152140A (ja) | ポリエステル組成物およびそれからなる成形品 | |
KR20180079193A (ko) | 폴리에스테르 수지의 제조방법 | |
KR101127951B1 (ko) | 이축연신 폴리에스터 필름 및 이의 제조방법 | |
JP2004285145A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2008024746A (ja) | ポリエステル組成物およびその製造方法 | |
JPH03231961A (ja) | ポリエステル組成物 | |
JP2005029638A (ja) | ポリエステル樹脂組成物並びにそれを用いた成形品、フィルム及びコート剤 | |
JP3452401B2 (ja) | 食品包装用ポリエステルフィルム | |
JP5265902B2 (ja) | ポリエステル組成物 | |
JP2007326949A (ja) | ポリエステル組成物の製造方法およびそれからなるポリエステル組成物およびフィルム | |
JP4373775B2 (ja) | ポリエチレンナフタレートフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20111004 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20111125 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20111220 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120417 |