JP3017226B2 - ポリエステル系樹脂用改質剤とその製造法 - Google Patents

ポリエステル系樹脂用改質剤とその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステル系樹脂用改質剤とその製造法に
関するものである。詳しくは線状飽和ポリエステル系樹
脂へ帯電防止性を付与するための改質剤とその製造法で
あり、更に詳しくは線状ポリエステル系樹脂から得られ
る繊維、フィルムあるいはシートさらには各種の成形加
工品の帯電防止性を向上させるための特定のスルホン酸
金属塩化合物からなる改質剤およびその製造法に関する
ものである。
[従来の技術] ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートに代表されるポリアルキレン
テレフタレートあるいはポリ−1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フィルムあるいはシートさらにはその他の成形品と
して広く使用されている。しかしながら、かかるポリエ
ステルは静電気を帯び易いため、繊維、フィルムあるい
は各種成形品の製造工程時あるいは製品加工時さらには
製品の使用時等において種々のトラブルを発生し易い欠
点がある。
従来よりポリエステルに帯電防止性を付与する目的で
各種のスルホン酸金属塩化合物およびスルホン酸金属塩
化合物と各種金属塩化合物などを配合することが提案さ
れている。
例えば特開昭50−53465号公報、特開昭52−134662号
公報には単にスルホン酸金属塩化合物をポリエステルに
配合したり、また特開昭54−6049号公報、特開昭60−38
123号公報にはスルホン酸金属塩化合物とアルカリ金属
またはアルカリ土類金属のハロゲン化物又は硫酸塩、あ
るいは高級脂肪酸金属塩をポリエステルに配合すること
などが開示されている。しかし、これらの方法ではポリ
エステルの帯電防止性能が不十分であり、かつポリエス
テルへのスルホン酸金属塩化合物の相溶性が十分でなか
ったり、また、配合する他の金属塩化合物のため、得ら
れる繊維、フィルムあるいは他の成形加工製品は粗大な
表面突起を形成したり、透明性が著しく損なわれるなど
欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは前記の問題点を鑑み鋭意検討した結果、
本発明に到達したものである。
すなわち本発明の目的は、線状飽和ポリエステル系樹
脂から得られる繊維、フィルムあるいはシートさらには
各種成形加工品の表面欠点、透明性を損なうことなく、
帯電防止性を向上させるための改質剤とその製造法を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、 (1) 下記式で示されるスルホン酸金属塩化合物の金
属元素と異なるアルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn、
ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種の金属元素を0.
001〜10重量%含有した該スルホン酸金属塩化合物から
なるポリエステル系樹脂用改質剤。
R−SO3M (2) 上記式で示されるスルホン酸金属塩化合物の製
造工程以後の任意の段階で該スルホン酸金属塩化合物の
金属元素と異なるアルカリ金属アルカリ土類金属、Mn、
ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種を含有する金属
化合物を添加することを特徴とするポリエステル系樹脂
用改質剤の製造法によって達成できる。
本発明のスルホン酸金属塩化合物は下記式で示される
ものである。
R−SO3M 該スルホン酸金属塩化合物のRがアルキル基又はアル
キルアリール基であるときは、直鎖状あるいは分岐した
側鎖を有してもよい。特にポリエステル系樹脂に使用す
る場合には相溶性の面からRがアルキル基又はアルキル
アリール基が好ましく、さらにはアルキルアリール基で
あるスルホン酸金属塩化合物が好ましい。特にRがアル
キル基またはアルキルアリール基の場合、炭素数5〜4
0、特に8〜30が好ましい。MはNa、K、Li等のアルカ
リ金属あるいはMg、Ca等のアルカリ土類金属等が挙げら
れる。なかでもNa、K、Liが好ましい。
このようなスルホン酸金属塩化合物の具体例として
は、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン
酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニル
スルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、
ドデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン
酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸リチウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナト
リウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ド
デシルナフタレンスルホン酸カリウムなどを挙げること
ができる。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムが好ましい。
本発明のスルホン酸金属塩化合物中に含有させる金属
元素は該スルホン酸金属塩化合物の金属元素と異なるア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn、ZnおよびCoから選
ばれる。金属元素は一種類でよく、又二種類以上を含有
してもよい。
スルホン酸金属塩化合物と含有させる金属元素の選択
は特に限定されるものではないがスルホン酸金属塩化合
物がスルホン酸ナトリウム化合物の場合には含有させる
金属元素としてLi、K、Ca、Mn、およびZnが好ましく、
なかでもLi、CaおよびMnがさらに好ましい。
またスルホン酸リチウム化合物の場合にはK、Na、C
a、およびMnが好ましく使用され、スルホン酸カリウム
化合物の場合にはLi、Na、CaおよびMnの使用が好まし
い。
スルホン酸金属塩化合物に含有させる金属元素量は0.
001〜10重量%とする必要があり、好ましくは0.002〜8
重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。0.00
1重量%未満であると本発明の改質剤をポリエステル系
樹脂に配合した場合、帯電防止性の改良効果が殆んど現
われないし、かつポリエステルへの相溶性が十分でな
く、得られる成形加工製品の表面欠点および透明性を改
良することができない。
一方、10重量%を越えると本発明の改質剤中に粗大異
物が発生するかあるいは改質剤が着色したりするため、
ポリエステル系樹脂に配合した場合得られる成形加工製
品の表面が粗面化したり、成形加工製品が着色し、商品
価値を損なうことになる。かかる金属元素をスルホン酸
金属塩化合物中に含有させるために使用する金属化合物
は特に限定されることはないが、例えばアルカリ金属、
アルカリ土類金属、Mn、Zn、Coの酸化物、水素化物、酢
酸塩、水酸化物、カルボン酸塩、アルコラート、グリコ
ラート等を挙げることができる。なかでもグリコール可
溶性金属化合物が好ましく、例えばLi、K、Na、Ca、M
n、ZnまたはCoの酢酸塩または水酸化物が用いられる。
本発明のポリエステル系樹脂用改質剤の製造法は特に
限定されないが、例えば式R−SO3Mで示されるスルホン
酸金属塩化合物の製造工程以後の任意の段階で該スルホ
ン酸金属塩化物の金属元素と異なるアルカリ金属および
アルカリ土類金属Mn、ZnおよびCoから選ばれる少なくと
も一種を含有する金属化合物を添加する製造法によって
得られる。
スルホン酸金属塩化合物の製造方法は特に限定される
ことはないが、例えばスルホン酸金属塩化合物がアルキ
ルベンゼンスルホン酸金属塩であれば、アルキルベンゼ
ンをスルホン化したアルキルベンゼンスルホン酸を水溶
液中で塩基化合物を用いて中和反応を経て製造される。
また、該スルホン酸金属塩化合物をポリエステル系樹
脂に適用する場合においては、スルホン酸金属塩化合物
の水溶液あるいは水分を除去し、溶液もしくは固形状態
で用いてもよく、さらには水溶液中にポリエステル系樹
脂の合成反応時に使用するグリコールを添加し、水分を
除去したスルホン酸金属塩化合物のグリコール溶液状態
として使用してもよい。
本発明のスルホン酸金属塩化合物の金属元素と異なる
アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn、ZnおよびCoから
選ばれた少なくとも一種を含有する金属化合物はスルホ
ン酸金属塩化合物の製造工程以後の任意の段階で添加す
ることができる。
好ましくはスルホン酸金属塩化合物の合成反応完了以
後のスルホン酸金属塩化合物の水溶液および/又はグリ
コール溶液中へ添加する方法がよく、さらに好ましくは
スルホン酸金属塩化合物の合成反応を完了し、ポリエス
テル系樹脂の合成反応時に使用するグリコールをスルホ
ン酸金属塩化合物水溶液中へ添加した以後がよい。
本発明のアルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn、Znお
よびCoから選ばれた少なくとも一種を含有した金属化合
物の添加量は本発明の改質剤中に金属元素として0.001
〜10重量%となるようにスルホン酸金属塩化合物の製造
工程以後の任意の段階で添加することが好ましい。該金
属化合物の好ましい添加量はスルホン酸金属塩化合物に
対して0.002〜40重量%であり、さらにに好ましくは0.0
05〜30重量%、特に好ましくは0.05〜25重量%である。
また本発明のアルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn、Zn
およびCoから選ばれた少なくとも一種を含有した金属化
合物をスルホン酸金属塩化合物の水溶液あるいは水/グ
リコール混合溶液さらにはグリコール溶液へ添加した後
に、その溶液を加熱することも特に限定されることはな
いが、特にスルホン酸金属塩化合物の各溶液状態におい
て、沸点以下で5分以上加熱することが得られる本発明
の改質剤をポリエステル系樹脂に適用した場合優れた帯
電防止性能が得られ、かつポリエステル系樹脂への相溶
性も著しく向上し、得られる成形加工製品の表面状態、
透明性は極めて良好となる。
さらに該金属化合物の添加方法は水および/又はグリ
コール溶液にし添加してもよく、さらには粉体、固体、
溶液状態で添加してもよい。
また、添加は連続であってもよく、一括さらには分割
添加してもよい。金属化合物を添加する際のスルホン酸
金属塩化合物の水溶液あるいは水/グリコール混合溶液
さらにはグリコール溶液中のスルホン酸金属塩化合物濃
度、および各溶液の温度などについては特に限定される
ものではない。
本発明のポリエステル系樹脂とはジカルボン酸もしく
はそのエステル誘導体とグリコールとのエステル交換も
しくはエステル化反応ならびに重縮合反応によって製造
される線状飽和ポリエステル系樹脂を対象とする。ポリ
エステルの種類については繊維、フィルム、シートおよ
びその他の成形品に成形しうるものであれば特に限定さ
れない。繊維、フィルム、シートおよびその他の成形品
に成形しうる好適なポリエステルとしては、ジカルボン
酸成分が芳香族ジカルボン酸を使用したものがよく、グ
リコール成分としては脂肪族、脂環式グリコールが好適
に使用される例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−P−オキシベンゾエード、ポリエチ
レン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレート、
ポリエチレンイソフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキ
サンジメチレンテレフタレート等が挙げられ、なかでも
ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
もちろんこれらのポリエステルはホモポリエステルで
あっても、コポリエステルであってもよく、共重合する
成分としてはたとえば、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、平均分子量150〜20000のポリアルキ
レングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスルホレゾ
ルシン等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン
酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能カ
ルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸成分などが挙げられる。
上記ジカルボン酸またはその誘導体とグリコールとか
らなるポリエステルを製造するには、任意の方法が採用
される。例えばテレフタル酸成分とエチレングリコール
成分とからなるポリエチレンテレフタレートについて説
明するとテレフタル酸とエチレングリコールとを直接エ
ステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステルまたはその低重合体を生成
する第1段階の反応と、この第1段階の反応生成物を重
縮合反応させる第2段階とによって製造されるのが最も
一般的である。
本発明のスルホン酸金属塩化合物のポリエステルの配
合もしくは添加方法および時期は任意であり特に限定さ
れるものではない。水溶液あるいはグリコール溶液、さ
らには水分、グリコールを除去した固形状態もしくは溶
液状態としてポリエステルへ配合、添加してもよく、エ
ステル交換反応、エステル化反応の前あるいは反応時、
もしくは反応終了後、重縮合反応前あるいは反応時、重
縮合反応終了後の溶融状態、ペトレット状態、成形前の
いずれの時期に配合、添加してもよい。好ましくはポリ
エステル製造工程のエステル交換反応もしくはエステル
化反応以後から重縮合反応終了までの任意の段階で添加
することがよく、さらに好ましくはエステル交換反応も
しくはエステル化反応終了後から重縮合反応以前までに
添加する方法がよい。
該スルホン酸金属塩化合物の金属元素と異なる金属元
素を含有したスルホン酸金属塩化合物の配合量はポリエ
ステル100重量部に対して、0.01〜20.0重量部とする必
要があり、好ましくは0.05〜15重量部であり、さらに好
ましくは0.1〜10重量部である。0.01重量部未満では帯
電防止効果が十分でなく、20.0重量部を越えて配合する
と機械的性質の低下を招き好ましくない。
本発明のポリエステル組成物には必要に応じて、難燃
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等、脂肪酸エ
ステル、ワックスなどの有機滑剤、あるいはクレー、マ
イカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、シリ
カ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナなどの
各種充填材を配合してもよい。
また本発明のポリエステル組成物からは常法に従って
繊維、フィルム、シートおよびその他の成形加工製品を
製造することができる。
[実施例] 以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお実施例中の特性は次のようにして測定した。
A.帯電防止剤のポリエステルへの相溶性 カバーガラスにはさんだポリマ20mgを290℃のホット
プレート上で溶融プレス冷却後、顕微鏡観察によって判
定した。
◎ 5μ以上の粗大物は観察されない。(本発明の目
的の範囲内である。) ○ 5μ以上の粗大物がわずかに観察される。(本発
明の目的の範囲内である。) × 10μ以上の粗大物が数多く観察される。(本発明
の目的を達しない。) B.ポリエステルの帯電防止性 川口電気製作所製MMAII−15型超微小電流計を用い、
帯電防止剤を含有したポリエステルから得られたフィル
ムを室温20℃、湿度65%のもとに1時間放置し、フィル
ムの表面固有抵抗を測定した。
C.ポリエステルの透明性 帯電防止剤を含有したポリエステルから得られたフィ
ルムをASTM−D−1003−59Tに準じてフィルムヘイズを
測定した。
実施例1 ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を60〜70℃に保温
しながら当量の水酸化ナトリウムを加え、中和反応を完
了しドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを得た。次
いで系内にエチレングリコールを加え、110〜120℃、減
圧下において水を除去し、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムを30wt%含有するエチレングリコール溶液と
した。さらに酢酸カルシウム一水塩をドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムに対して8重量%添加し、還流、
沸点下で2時間加熱し、冷却後2μガラスフィルターを
用い加熱液を過した。得られた加熱液はpH10.0、透明
淡黄色であり、その一部を採取し、真空乾燥器を用い
て、150℃、減圧下でエチレングリコールを除去した。
得られた白色物中のCa元素を原子吸光法によって分析し
たところ1.65重量%含有していた。
一方、このCa元素含有ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムエチレングリコール溶液を用いポリエステル系
樹脂に対する帯電防止性能などの評価を行なった。
ジメチルテレフタレート100重量部、エチレングリコ
ール70重量部およびエステル交換反応触媒として酢酸カ
ルシウム0.09重量部、重縮合反応触媒として三酸化アン
チモン0.03重量部を加え、常法に従いエステル交換反応
せしめたのち、着防剤としてリン酸トリメチル0.05重量
部を添加し、次いで得られたCa元素含有ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムのエチレングリコール溶液を3.
33重量部(Ca元素含有ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムとして1重量部)を添加した。その後高温減圧下
にて常法に従い重縮合反応を行ない、o−クロロフェノ
ール溶媒を用い、25℃で測定した極限粘度0.650のCa元
素含有ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含有し
たポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリマ
は透明性良好であり、帯電防止剤のポリエステルへの相
溶性を観察したところ微分散されていた。
得られたポリエステルを乾燥し、フィルム成形機で29
0〜300℃にて製膜後、二軸延伸機により、縦延伸倍率3.
2倍、横延伸倍率3.2倍で延伸した後、210℃で熱処理し
て厚さ50μのフィルムを得た。該フィルムの表面固有抵
抗は5.8×109Ω、フィルムヘイズは0.5%であり帯電防
止性、透明性ともに優れていた。
比較実施例1 実施例1と同様の方法でドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムを30wt%含有するエチレングリコール溶液を
得た。
また実施例1と同様の方法でCa元素含有ドテシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムのエチレングリコール溶液に
変更して得られたドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムのエチレングリコール溶液を添加して、ポリエステル
およびフィルムを得た。
得られたポリマは白濁しており、かつポリマ表面は粗
大突起のためざらついていた。帯電防止剤のポリエステ
ルへの相溶性を観察したところ30〜40μの分散状態であ
った。
また、フィルムの表面固有抵抗は10.2×109Ω、フィ
ルムヘイズは4.3%と帯電防止性、透明性ともにやや不
良であり、かつフィルム表面は粗大突起が出現した。
実施例2〜5、比較実施例2 表1に記載した如く、添加した金属化合物種類および
量を変更した以外は実施例1と同様の方法で各種金属元
素含有スルホン酸金属塩化合物を製造し、その後得られ
た各種金属元素含有スルホン酸金属塩化合物を添加した
ポリエステル、フィルムを得た。
表1に結果を示した。
実施例2〜5は本発明の範囲内のものであり、帯電防
止剤のポリエステルへの相溶性、フィルムの表面固有抵
抗、ヘイズともに良好であった。
一方、比較実施例2はスルホン酸金属塩化合物に対す
る該金属元素と異なる金属化合物添加量および金属元素
含有スルホン酸金属塩化合物中の金属元素量が本発明の
範囲外であり、得られたポリエステルは黄味が強く、か
つポリマの表面は粗大突起のためざらついており、帯電
防止剤のポリエステルへの相溶性を観察したところ針状
の粗大物が多数観察された。また得られたフィルムの透
明性も劣るものであった。
実施例6 ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を60〜70℃に保温
しながら、当量の水酸化ナトリウムを加え、中和反応を
完了し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを40重
量%含有する水溶液を得た。次いで酢酸カルシウム一水
塩をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに対して4
重量%添加し、系内を50℃に保ちながら2時間加熱処理
した。その後減圧下で水を除去し、白色物を得た。得ら
れた白色物中のCa元素を原子吸光法によって分析したと
ころ、0.65重量%含有していた。
一方、実施例1に従いCa元素含有ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを添加せず、重縮合触媒として二酸
化ゲルマニウム0.02重量部を用いて、極限粘度0.610の
ポリエステルを得た。得られたポリエステルチップを常
法に従い、210℃、N2流通下12時間固相重縮合反応を行
ない極限粘度0.720のポリエステルを得た。
次いで該ポリエステル100重量部とCa元素含有ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム白色物2重量部のブレ
ンド物を射出成形機を用い、常法に従い射出成形し、ブ
ローボトル用プリフォームを得た。その後延伸ブロー成
形機にて、1.5用炭酸飲料ボトルを得た。得られたボ
トルは表面凹凸もなく、透明性は良好であり、ボトルを
3日間放置後もゴミ、粉塵などの付着もほとんど観察さ
れなかった。
[発明の効果] 本発明のポリエステル系樹脂用改質剤は特定の金属元
素を特定量含有したスルホン酸金属塩化合物からなり、
しかも二種以上の金属元素が共存するため、ポリエステ
ル系樹脂に適用した場合にはポリエステルへの相溶性も
優れ、表面欠点のない透明性の良好な帯電防止性能を有
する繊維、フィルム、シート、その他の成形加工製品が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−161823(JP,A) 特開 昭60−38123(JP,A) 特開 昭47−21492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/08 C08K 5/42 C08K 3/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式で示されるスルホン酸金属塩化合物
    の金属元素と異なるアルカリ金属、アルカリ土類金属、
    Mn、ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種の金属元素
    を0.001〜10重量%含有した該スルホン酸金属塩化合物
    からなるポリエステル系樹脂用改質剤。 R−SO3M
  2. 【請求項2】下記式で示されるスルホン酸金属塩化合物
    の製造工程以後の任意の段階で該スルホン酸金属塩化合
    物の金属元素と異なるアルカリ金属、アルカリ土類金
    属、Mn、ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種を含有
    する金属化合物を添加することを特徴とするポリエステ
    ル系樹脂用改質剤の製造法。 R−SO3M
  3. 【請求項3】金属化合物の添加量がスルホン酸金属塩化
    合物に対して0.002〜40重量%である請求項(2)記載
    のポリエステル系樹脂用改質剤の製造法。
  4. 【請求項4】金属化合物をスルホン酸金属塩化合物の水
    溶液および/又はグリコール溶液へ添加する請求項
    (2)又は(3)記載のポリエステル系樹脂用改質剤の
    製造法。
  5. 【請求項5】金属化合物をスルホン酸金属塩化合物の水
    溶液および/又はグリコール溶液へ添加した後、沸点以
    下で少なくとも5分以上加熱してなる請求項(3)又は
    (4)記載のポリエステル系樹脂用改質剤の製造法。
  6. 【請求項6】金属化合物がグリコール可溶性金属化合物
    である請求項(2)又は(5)記載のポリエステル系樹
    脂用改質剤の製造法。
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