JP3128889B2 - 共重合ポリエステル - Google Patents

共重合ポリエステル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水溶性共重合ポリエステ
ルに関するものである。詳しくは接着性、耐ブロッキン
グ性などに優れ、磁気記録材料、各種写真材料、包装材
料、電気絶縁材料、一般工業材料等に使用される基材フ
ィルムのコ−ティング剤に好適な水溶性共重合ポリエス
テルに関するものである。さらに詳しくは磁気記録材料
に使用される基材フィルムのコ−ティング剤に好適な水
溶性共重合ポリエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
ナフタレ−トあるいはポリ−1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレ−ト及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フィルムあるいはシ−トさらにはその成形品として
広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁
材料、一般工業材料等多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被
覆物、例えば磁性体塗料、ケミカルマット塗料、ジアゾ
感光塗料、ゼラチン組成物、ヒ−トシ−ル付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには、易接着性物質をコ−ティングする方法な
どが知られている。しかし、物理的あるいは化学的な表
面処理方法は工程が煩雑となり、コストアップになるば
かりでなく、十分な接着性が得られない。一方、易接着
性物質をコ−ティングする方法はポリエステルフィルム
の製造工程内で実施でき、コスト面で有利であり、か
つ、種々の被覆物に対応できる接着性物質を選択するこ
とが可能である。さらに、ポリエステルフィルムの取扱
い性、フィルム製造時の作業性の点から接着性物質とし
て、種々の水分散あるいは水溶性共重合ポリエステルが
提案されてきた。例えば、特公昭47−40873号公
報、特開昭50−121336号公報にはポリエステル
にポリエチレングリコ−ルおよびエステル形成スルホン
酸金属塩化合物を共重合したもの、特開昭50−834
97号公報、特開昭54−3848号公報および特開昭
59−215318号公報にはエステル形成スルホン酸
金属塩化合物および脂肪族ジカルボン酸成分を共重合し
たものなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術においては次のような問題がある。すなわ
ち、従来の水分散あるいは水溶性共重合ポリエステルは
水分散あるいは水溶性を向上させる目的で、エステル形
成スルホン酸金属塩化合物とポリエチレングリコ−ルあ
るいは脂肪族ジカルボン酸成分等を併用使用したもので
あるが、水分散あるいは水溶性は十分でなく、さらには
ポリエチレングリコ−ルあるいは脂肪族ジカルボン酸成
分を共重合するため、ポリエステルのガラス転移温度が
著しく低下するため、接着性は発現するものの、フィル
ムの耐ブロッキング性に劣るなどの欠点がある。
【0006】本発明はこれらの欠点を解消せしめ、接着
性、耐ブロッキング性などに優れ、基材フィルムのコ−
ティング剤に好適な水溶性共重合ポリエステルを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対
5〜50モル%のスルホン酸アルカリ金属塩基を有す
る残基、および、全 ジカルボン酸成分あるいはジオール
成分に対して5〜90モル%のフェニルイ ンダンジカル
ボン酸成分またはジフェニルスルホン化合物を含んでな
り、かつガラス転移温度80℃以上の水溶性共重合ポ
リエステルによって達成できる。
【0008】本発明におけるポリエステルとは芳香族ジ
カルボン酸または脂環族ジカルボン酸とジオ−ルを主た
る構成成分とするポリエステルであり、芳香族ジカルボ
ン酸成分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸、ジフェニルエ−テルジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸を挙げることができ、また脂環族ジカル
ボン酸成分としては1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等を挙げることができる。これらの酸成分は2種以上
併用してもよい。またジオ−ル成分としては例えば、エ
チレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3
−プロパンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,5−
ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、1,2
−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、
2,2´−ビス(4´−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン等のジオ−ルを挙げることができる。これ
らのジオ−ル成分は1種のみ用いてもよく、また2種以
上併用してもよい。ポリエステルの代表的な例として
は、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフ
タレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリ−1.4−
シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト等が挙げられ
る。中でもポリエチレンテレフタレ−トが好ましい。さ
らに前述のポリエステルには、本発明のガラス転移温度
を維持できる範囲で脂肪族ジカルボン酸、オキシ酸ある
いはポリオキシアルキレングリコ−ルなどを一部共重合
してもよく、また三官能以上の多官能化合物、単官能化
合物等の他の化合物を共重合してもよい。
【0009】本発明の水溶性共重合ポリエステルはスル
ホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を含んでいる必要
があり、スルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を構
成する成分としては、エステル形成性スルホン酸アルカ
リ金属塩化合物、例えば、スルホテレフタル酸、5−ス
ルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スル
ホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸等のアルカリ金属塩およびこれらのエステル形
成性誘導体を挙げることができ、なかでも5−スルホイ
ソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウム、カリウ
ム塩がより好ましく用いられる。
【0010】スルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基
を構成する成分はポリエステルを構成する全ジカルボン
酸成分に対して、5〜50モル%とする必要があり、好
ましくは7〜45モル%、さらに好ましくは8〜40モ
ル%、特に好ましくは9〜35モル%である。
【0011】スルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基
を構成する成分量が全ジカルボン酸成分に対して5モル
%未満であると、十分な水溶性および接着性が得られな
いため好ましくない。一方、50モル%を越えると接着
性は飽和に達し、逆に耐ブロッキング性が低下したりす
る。
【0012】本発明の水溶性共重合ポリエステルのガラ
ス転移温度は80℃以上とする必要があり、好ましくは
85℃以上、さらに好ましくは90℃以上、特に好まし
くは100℃以上である。水溶性共重合ポリエステルの
ガラス転移温度が80℃未満では耐ブロッキング性が十
分でなく好ましくない。水溶性共重合ポリエステルのガ
ラス転移温度を高くするほど耐ブロッキング性は良好と
なるものの、逆に水溶性および接着性が低下する傾向を
示し、水溶性共重合ポリエステルのガラス転移温度は1
50℃以下、さらには130℃以下が好ましい。
【0013】本発明における水溶性共重合ポリエステル
のガラス転移温度を80℃以上とするために、本発明で
は、スルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を含んだ
ポリエステルに、さらに、剛直な成分を共重合させる。
この剛直な成分として は、具体的にはフェニルインダン
ジカルボン酸成分、例えば1,1,3−トリメチル−3
−フェニルインダン−4´,5−ジカルボン酸成分、ジ
フェニルスルホン化合物、例えば4,4´−ジフェニル
スルホンジカルボン酸成分、ビス(4´−β−ヒドロキ
シエトキシフェニル)スルホン成分等を挙げることがで
きる。これら成分の共重合量は共重合ポリエステルのガ
ラス転移温度を80℃以上となるように共重合すればよ
くとくに限定されるものではないが、好ましくは全ジカ
ルボン酸成分あるいはジオール成分に対して5〜90モ
ル%の範囲が接着性、耐ブロッキング性、水溶性の点か
ら好ましく、さらには10〜80モル%が好ましく、特
には20〜60モル%が好ましい。
【0014】本発明の水溶性共重合ポリエステルの具体
的な製造方法としては、例えばテレフタル酸成分とエチ
レングリコ−ル成分とからなるポリエチレンテレフタレ
−ト系水溶性共重合ポリエステルについて説明すると、
A.テレフタル酸、エステル形成性スルホン酸アルカリ
金属塩化合物(例えば、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸)およびガラス転移温度を高めるための共重合成分
とエチレングリコ−ルとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチル、エステル形成性スルホン酸
アルカリ金属塩化合物(例えば、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸ジメチル)およびガラス転移温度を高める
ための共重合成分とエチレングリコ−ルとをエステル交
換反応させる第1段階の反応と、この第1段階の反応生
成物を重縮合反応させる第2段階とによって製造する方
法、B.テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導
体、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物と
エチレングリコ−ルとを直接エステル化反応、もしくは
エステル交換反応させる第1段階の反応終了後から、こ
の反応生成物を重縮合反応させる第2段階とによってポ
リエステルを製造するまでの任意の間にガラス転移温度
を高めるための共重合成分を添加し、製造する方法等を
挙げることができる。
【0015】この際、反応触媒として、従来公知のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用い
られ、さらに着色防止剤としてリン化合物等を用いても
よい。
【0016】また、本発明の水溶性共重合ポリエステル
の極限粘度は特に限定されないが、接着性の点で0.3
以上が好ましく、さらには0.35以上が好ましく、と
くには0.4以上が好ましい。
【0017】本発明の水溶性共重合ポリエステルには必
要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、
染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤あるい
はポリシロキサンなどの消泡剤を配合してもよく、さら
には滑り性などを付与する目的でクレ−、マイカ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式および乾式法
シリカさらにはコロイド状シリカ、リン酸カルシウム、
硫酸バリウム、アルミナなどの無機粒子さらにはアクリ
ル、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等を配合し
てもよい。
【0018】本発明の水溶性共重合ポリエステルは、接
着性を付与する目的で各種フィルムのコ−ティング剤に
好適に使用されるが、この場合共重合ポリエステルを水
に溶解し、水溶液として使用する。この水溶液とは物
理、化学的な意味で厳密性を有するものではなく、水に
大部分が溶解し、一部が微分散しているようなものも含
むものである。また、水溶性共重合ポリエステルの水溶
化時あるいは水溶液には必要に応じて、難燃剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワッ
クスなどの有機滑剤あるいはポリシロキサンなどの消泡
剤を配合してもよく、さらには滑り性などを付与する目
的でクレ−、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カ
オリン、湿式および乾式法シリカさらにはコロイド状シ
リカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナなど
の無機粒子さらにはアクリル、スチレンなどを構成成分
とする有機粒子等を配合してもよい。
【0019】なお本発明の水溶性共重合ポリエステルを
使用したフィルムの具体的な製造方法としては、例えば
ポリエチレンテレフタレ−トからならフィルムに本発明
の水溶性共重合ポリエステルを適用する場合について説
明すると、まず、ポリエチレンテレフタレ−トを乾燥
後、溶融押出しして、未延伸シ−トとし、続いて二軸延
伸、熱処理し、フィルムにする。二軸延伸は縦、横逐次
延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率
は特に限定されるものではないが通常は縦、横それぞれ
2.0〜5.0倍が適当である。あるいは縦、横延伸
後、縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。
【0020】この工程中の任意の段階でポリエステルフ
ィルムの表面に本発明の水溶性共重合ポリエステルの水
溶液を塗布する。塗布する方法は公知の塗布方法、例え
ばリバ−スコ−ト法、グラビアコ−ト法、ダイコ−ト
法、ワイア−バ−法などを用いることができる。塗布は
ポリエステルフィルムの製造工程中で行うことが好まし
く、さらに好ましくは未延伸シ−トを縦、横いずれかの
方向に一軸延伸した後、水溶性共重合ポリエステルの水
溶液を塗布し、次いで一軸延伸とは異なる方向に二軸延
伸、熱処理してフィルムを製造する方法がよい。
【0021】また、本発明の水溶性共重合ポリエステル
はフィルムのコ−ティング剤以外に繊維、他の成形加工
製品のコ−ティング剤および製織工程のサイジング剤な
どにも使用することができる。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0023】A.共重合ポリエステルの極限粘度;
[η] o−クロロフェノ−ル溶媒を用い、25℃で測定した。
【0024】B.共重合ポリエステルのガラス転移温度
(Tg) 示差走査熱量計(PERKIN ELMER社製 DS
C−2)を用い、共重合ポリエステル10mg、昇温速度
16℃/分で昇温し、測定した。
【0025】C.共重合ポリエステルの水溶性 共重合ポリエステル5gを水100g中に入れ、80
℃、2時間攪拌溶解して冷却後、5μフィルタ−で濾過
する。溶解状態および濾上物量によって共重合ポリエス
テルの水溶性を判定した。 ○:水溶液は透明あるいはわずかにか白濁しているが、
濾上物はほとんど認められなかった。 △:水溶液はやや白濁しており、濾上物が認められた。 ×:水に溶解しにくい、あるいは水溶液は強く白濁して
おり、多量の濾上物が認められた。
【0026】D.接着性 共重合ポリエステルの水溶液を塗布し、接着層を設けた
フィルム面にダイフェラコ−トVD1654{大日精化
工業(株)製}100重量部とスミジュ−ルN75{住
友バイエル(株)製}1重量部からなる塗料を乾燥後で
6μになるようにバ−コ−タ−で塗布、100℃で5分
間乾燥して被覆層を設けた。該被覆層面にセロハン粘着
テ−プを貼り、線圧50kg/cmのニップロ−ルを通過
させた後、180度方向に急速に剥離する。その時のセ
ロハン粘着テ−プに付着した被覆層の面積を求めて接着
性を判定した。 ○:セロハン粘着テ−プに付着した被覆層の面積が20
%未満であり、接着性に優れている。 △:セロハン粘着テ−プに付着した被覆層の面積が20
%〜40%未満であり、接着性にやや劣る。 ×:セロハン粘着テ−プに付着した被覆層の面積が40
%以上であり、接着性に劣る。
【0027】E.耐ブロッキング性 共重合ポリエステルの水溶液を塗布し、接着層を設けた
フィルムの接着層面同志を重ね合わせたもの(重ね合わ
せ面積:3cm×4cm)に500g/12cm2 の加重をか
けて50℃,85%RH中で24時間放置した後、重ね
合わせ部の剪断応力をテンシロン引張り試験機を用い、
引張速度20cm/分で測定した。
【0028】実施例1 ジメチルテレフタレ−ト41.9重量部、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸ジメチル17.4重量部、1,
1,3−トリメチル−3−フェニルインダン−4´,5
−ジカルボン酸ジメチル41.5重量部、エチレングリ
コ−ル48.7重量部およびエステル交換反応触媒とし
て酢酸カルシウム0.1重量部、重縮合反応触媒として
三酸化アンチモン0.03重量部を加え、常法に従いエ
ステル交換反応せしめたのち、リン酸トリメチル0.0
5重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、最
終的に280℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い、
水溶性共重合ポリエステルを得た。o−クロロフェノ−
ル溶媒を用い、25℃で測定した極限粘度は0.70で
あり、ガラス転移温度は104℃であった。
【0029】得られた水溶性共重合ポリエステル5gを
水100g中に入れ、80℃、2時間攪拌溶解して冷却
後、5μフィルタ−で濾過し、水溶性共重合ポリエステ
ル水溶液を得た。水溶性共重合ポリエステルの水溶液は
ほぼ透明であり、フィルタ−濾上物も認められなかっ
た。
【0030】一方、極限粘度0.60のポリエチレンテ
レフタレ−トを十分に乾燥した後、押し出し機に供給し
て280℃で溶融し、T型口金よりシ−ト状に押し出
し、30℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フィル
ムを得た。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦
方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。さら
に、この一軸延伸フィルムの片面に上記で得た水溶性共
重合ポリエステルの水溶液を二軸延伸後において塗布厚
みが0.15μとなるようにグラビアコ−ト方式で塗布
した。続いて100℃に加熱して横方向に3.5倍延伸
し、180℃で熱処理して厚さ75μの接着層を有する
ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性
を、表2に示す。フィルムの接着性、耐ブロッキング性
ともに良好であった。
【0031】実施例2 実施例1と同様の方法でジメチルテレフタレ−ト56.
8重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
15.3重量部、エチレングリコ−ル36.3重量部、
ビス(4´−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホ
ン35重量部を用い共重合ポリエステルおよび接着層を
有するポリエステルフィルムを得た。表2に結果を示し
た。得られた水溶性共重合ポリエステルの極限粘度は
0.68であり、ガラス転移温度は106℃であった。
また、水溶性共重合ポリエステルの水溶液はほぼ透明
で、フィルタ−濾上物も認められなかった。さらに、フ
ィルムの接着性、耐ブロッキング性ともに良好であっ
た。
【0032】比較実施例1 実施例1と同様の方法でジメチルテレフタレ−ト79.
5重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
21.4重量部、エチレングリコ−ル59.8重量部を
用い共重合ポリエステルおよび接着層を有するポリエス
テルフィルムを得た。表2に結果を示した。得られた水
溶性共重合ポリエステルの極限粘度は0.70であり、
ガラス転移温度は70℃であった。また、水溶性共重合
ポリエステルの水溶液はほぼ透明で、フィルタ−濾上物
も認められなかったものの、得られたフィルムは耐ブロ
ッキング性に劣るものであった。
【0033】実施例3〜5,比較実施例2〜4 表1に記載した如く、実施例1と同様の方法でジカルボ
ン酸成分およびジオ−ル成分の種類、量を変更し、共重
合ポリエステルおよび接着層を有するポリエステルフィ
ルムを得た。表2に結果を示した。実施例3〜5は本発
明の範囲内のものであり、接着性、耐ブロッキング性と
もに良好であった。一方、比較実施例2および比較実施
例3はジオ−ル成分としてポリエチレングリコ−ルある
いはジカルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸を使用
したものであり、共重合ポリエステルのガラス転移温度
が本発明の範囲外であり、いずれも耐ブロッキング性に
劣るものであった。また、比較実施例4はスルホン酸ア
ルカリ金属塩基を有する化合物量が本発明の範囲外であ
り、得られた共重合ポリエステルは水溶性に劣るもので
あった。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は上述したように、特定量のスル
ホン酸アルカリ金属塩基を有する残基、および、フェニ
ルインダンジカルボン酸成分またはジフェニルスルホン
合物を含んでなり、かつ特定のガラス転移温度を有す
る水溶性共重合ポリエステルであり、水溶性に優れ、か
つ優れた接着性、耐ブロッキング性を有し、磁気記録材
料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一般工業
材料等に使用される基材フィルムのコーティング剤等に
好ましく用いられ、特に磁気記録材料に使用される基材
フィルムのコーティング剤に好ましく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−273634(JP,A) 米国特許4480085(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成
    分に対して5〜50モル%のスルホン酸アルカリ金属塩
    基を有する残基、および、全ジカルボン酸成分あるいは
    ジオール成分に対して5〜90モル%のフェニルインダ
    ンジカルボン酸成分ま たはジフェニルスルホン化合物
    含んでなり、かつガラス転移温度80℃以上の水溶性
    共重合ポリエステル。
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