JP4506207B2 - 脂肪族ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪族ポリエステル及びその製造方法に関する。
詳しくは、充分な分子量を有し、成形性及び機械物性に優れた脂肪族ポリエステル及びその製造方法に関するものである。
生分解性を有する脂肪族ポリエステルは、環境問題に対する意識の高まりから、より環境負荷を回避する樹脂として、繊維、成形品、フィルムやシート等への応用がはかられている。例えば、生分解性を有するポリブチレンサクシネート及び/又はポリブチレンアジピネートは、ポリエチレンと似た力学特性を持つことからポリエチレン代替の汎用樹脂として開発されている。
ところが、汎用樹脂としての応用の観点からは、このような脂肪族ポリエステルは、下記の製造上の制約、そして、実用上の耐久性の課題が残されている。
一般に、経済的に有利なポリエステルの製造方法としては、触媒の存在下でのジカルボン酸とジオールとの直接エステル化反応、或いは、ジカルボン酸のアルキルエステルとジオールとのエステル交換反応によりエステル低重合体を製造後、これを加熱減圧下でエステル交換反応を行いながら生成するジオールを反応系から留去して高重合度のポリエステルを製造する方法が古くから知られ、採用されている。
しかしながら、脂肪族ポリエステルの場合はその熱安定性が低い場合が多く、重合反応中に熱分解による分子量の低下が引き起こされる為、従来のポリエステルの製造方法では実用上十分な強度を有する高重合度のポリエステルが容易には得られなかった。ポリマーの熱安定性には、ポリマー末端(水酸基やカルボキシル基)濃度、特にカルボキシル基の残存が著しく悪影響を及ぼすと提案されている(例えば、特許文献1参照)。そのような背景から、その製造方法には種々の工夫がなされている。
高重合度のポリエステルの製造方法としては、例えば、チタン化合物やジルコニウム化合物を触媒として溶融重合を行い、鎖延長剤としてジイソシアネート(例えば、特許文献2参照)やジフェニルカーボネート(例えば、特許文献3参照)を添加してポリマー鎖長を延ばすことによりポリマーの溶融粘度を高める方法が提案されている。これらの鎖延長剤を添加する方法は、ポリエステルの分子量を容易に増大させることができるため、一見、脂肪族ポリエステルの有効な製造方法と考えられるが、通常、反応工程が2段階になり工程が煩雑になること、また、得られるポリエステルについては、その結晶性や融点が若干低下することに加えて、分子中にウレタン結合等の異種結合が含まれているので生分解性が低下する傾向にあること、などの問題がある。
また、分岐剤として、ジカルボン酸に対して0.5〜5モル%量の3官能オキシカルボン酸或いは0.1〜3モル%量の4官能オキシカルボン酸を添加してポリエステルの構造を架橋構造にする方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、このように3官能や4官能のオキシカルボン酸を多量に導入して溶融粘度を上げたポリエステルは、熱安定性の低下の要因となりうるポリマー末端(水酸基やカルボキシル基)濃度が高くなる傾向があり、また、実用上の物性もまた不十分である。従って、殆どの場合、重合後期に更にジイソシアネートを添加してポリマーの末端数を減少させると共にポリマーの分子量を高める工夫がなされている(例えば、特許文献5参照)。
一方、ジイソシアネートやカーボネート等の鎖延長剤を用いることなく高分子量化する
方法もいくつか提案されている。例えば、重合反応速度を高めるために、触媒として錫化合物を用いて有機溶媒中で反応中に生成する水を溶媒と共沸留去させながら脱水縮合を行う方法(例えば、特許文献6参照)、0.005〜0.1mmHgという非常に高真空で重縮合反応を行う方法(例えば、特許文献7参照)が開示されている。しかしながら、これらの製造方法は、特に、後者の方法は、実質ヒドロキシル基末端のポリエステルが製造される為、上記の観点からは耐熱性に優れたポリエステルの製造方法として期待されるが、製造工程が煩雑なばかりでなく極めて高額の設備投資を要する欠点を有する。また、この方法では、高重合度のポリエステル製造に長時間を要する為、製造中のポリマーの熱分解や着色が懸念される。
それに対して本特許出願人は、ジイソシアネートやジフェニルカーボネートが含有されない脂肪族ポリエステルとして、重合成分に乳酸等の二官能オキシカルボン酸を加えて3元系(1,4−ブチレングリコール、コハク酸、乳酸)又は4元系(1,4−ブチレングリコール、コハク酸、アジピン酸、乳酸)とし、触媒としてGe系触媒を用いると、高活性で高重合度のポリエステルが製造できることを提案した(例えば、特許文献8参照)。また、更に溶融粘度を高める目的で、上記重合系に3官能脂肪族オキシカルボン酸を加える方法を提案した(例えば、特許文献9参照)。
一方、このような生分解性を示す脂肪族ポリエステルは、一般に加水分解反応を受けやすい特徴があり、比較的長期の保管や使用に対しても引張り特性等の機械物性の耐久性を向上させる課題が実用上残されていた。耐加水分解性を向上させる手法としては、脂肪族ポリエステルにカルボジイミド化合物を配合させる手法が提案されている(例えば、特許文献10参照)。しかしながら、約4週間の試験後にはその引張り破断伸び率が初期値の5割未満に低下するなど、その効果は充分でなく、実用上大きな問題があった。
特開平7−53700号公報 特開平4−189822号公報 特開平8−301999号公報 特開平5−170885号公報 特開平5−178956号公報 特開平9−77862号公報 特開平5−310898号公報 特開平8−239461号公報 特開平8−259679号公報 特開平11−80522号公報
上述したように高分子量の脂肪族ポリエステルを製造するために様々な手法が試みられているが、これらを各種成形品に適用しようとすると、機械特性、特に引っ張り破断伸び率の耐久性が充分でなく、実用上問題となっていた。
本発明の目的は、充分な分子量を有し、優れた成形性及び機械物性を有する脂肪族ポリエステルを提供することにある。
本発明者らは上記実情に鑑みて、脂肪族ポリエステルの各種成形品への応用において重要な機械特性の一つとなる引張り破断伸び率の劣化特性につき鋭意検討した結果、引張り破断伸び率の劣化の度合いは、使用後や保管後の脂肪族ポリエステルの還元粘度の値ではなく、使用又は保管時の還元粘度の変化率によって決まることに知見し、この還元粘度の経時変化を抑制したポリエステルとすることにより、成形性や機械特性を改良でき、長期使用に耐えうるものとなることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を主体とし、チタン金属元素の含有量が0.1ppm以上50ppm以下である脂肪族ポリエステルであって、該ポリエステルを、厚み150±25μmのフィルム状試験片とし、温度50℃、相対湿度90%R.H.の条件で28日間保持したときの還元粘度保持率が80%以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル、に存する。
本発明の脂肪族ポリエステルは、経時的な還元粘度の低下率が少なく、このような特徴を有するポリエステルは射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性や引張特性等の機械物性に優れ、また使用・保管時の劣化度合いが少ない樹脂であるため、長期の使用や保管に耐えうる成形体として有用である。特に、長期の使用を目的としたフィルム材等には有用である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
<脂肪族ポリエステル>
本発明の脂肪族ポリエステルは、厚み150±25μmのフィルム状試験片とし、温度50℃、相対湿度90%R.H.の条件で28日間保持したときの還元粘度保持率が80%以上である。ここで還元粘度保持率とは、保持試験後の還元粘度/保持試験前の還元粘度×100(%)をいう。好ましい還元粘度保持率は、80%以上、より好ましくは85%以上で、更に好ましくは90%以上ある。
このような特徴を有する脂肪族ポリエステルは、保持試験前後の引張り破断延び率の維持率(=(試験後の引張り破断延び率/試験前の引張り破断延び率)×100(%))が、通常、50%以上、好ましくは75%以上といった優れた耐久性を示す。また、このような特徴を有する脂肪族ポリエステルは、引張り破断延び率以外にも実用上の機械物性も優れる上にその劣化度合いが少ない樹脂であるため、成形体製品として長期の使用や保管に適した樹脂となり、特に長期の使用を目的としたフィルム材には有用な樹脂となる。
このような脂肪族ポリエステルは、未だ詳細は詳らかにされていないが、以下に示すカルボキシル基末端量、カルボキシル基末端/ヒドロキシル末端比、還元粘度、ポリエステル中のTi含量などのいくつかの因子が組み合わさることでその耐加水分解性等の耐久性が発現するものと考えられる。
先ず、ポリエステルの熱安定性に著しく影響を与えるとされてきたカルボキシル基末端濃度である。本発明を完成させる過程で、脂肪族ポリエステルの場合においては、ポリマー中のカルボキシル基末端濃度が少ない程、比較的長期の使用・保管時の耐加水分解性に代表される引張り特性の劣化は少なくなる兆候が見られること、そして、ある特定の濃度以下にまでその量が低減されると極端にその引張り特性の維持率が向上することが明らかになったが、本発明のポリエステルの引張り破断伸び率の耐久性を著しく向上させる為には、カルボキシル基末端濃度は、通常、10当量/トン以下であり、更には6当量/トン以下、特に、4当量/トン以下が好ましい。
一方、カルボキシル基末端量が実質存在しないようなポリエステル系の製造は、従来の製造法では、重合速度が極めて遅く、極めて高額の超高真空設備投資を要するので、経済的に有利な手法として、イソシアネートやカーボネート化合物を使用する必要が生じる。それに対し、生成するポリエステル及び/又はオリゴエステル中にカルボキシル基末端が存在すると重合速度が早く、容易に高重合度のポリエステルが得られる理由から、本発明における脂肪族ポリエステルには、通常、0.1当量/トン以上、好ましくは0.5当量/トン以上、特に1当量/トン以上濃度のカルボキシル基末端を存在させることが有利である。
これらの末端濃度は、後述する製造時のジカルボン酸/ジオールの仕込みバランスや、ペンタエリスリトール、無水ピロメリット酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の3官能以上の化合物単位を適量重合系へ含有させることにより制御することができる。
このような3官能以上の化合物単位を有する脂肪族ポリエステルは、経済的に有利な方法で容易に製造でき、熱安定性にも優れるため、溶融成形時の末端基の切断や、主鎖の切断等の副反応による成形時の品質の低下も少ないばかりでなく、使用・保管時の品質の劣化を少なくすることができるという特徴を併せ持つ。
上記製造時のジカルボン酸/ジオールの仕込みバランスや、3官能以上の化合物の種類や量を適宜調整することにより、製造するポリエステルのカルボキシル基末端/ヒドロキシル基末端量比の上限を、通常、0.20以下、好ましくは、0.15以下、より好ましくは、0.10以下に、一方、その下限を、通常、0.001以上、好ましくは、0.01以上、より好ましくは、0.02以上に制御することが出来る。
この末端量比が少なすぎる重合系は、ポリエステルの重合製造時間が長くなり、それに伴うポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされるので、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造する為には、超高真空設備の使用など極めて高額な設備投資を必要とする。一方、その量比が多すぎる重合系は、重合反応後の抜き出しや成形性等の操作性が適当なポリエステルを製造する際に耐加水分解性が低いポリエステルが製造され、耐加水分解性を向上させたポリエステルを製造する際には、ポリエステルの粘度が高すぎて、重合反応後の抜き出しや成形性等の操作性に弊害が生じる傾向がある。
また本発明の脂肪族ポリエステルの還元粘度(ηsp/C)値は、通常、2.0以上であり、より好ましくは2.2以上、その中でも2.3以上であると耐久性が高い樹脂となる。しかしながら、還元粘度(ηsp/C)値が高すぎると上記のようにポリエステルの重合反応後の抜き出しや成形性等の操作性に弊害が生じる理由から、その上限は、通常、6.0以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下である。この因子は、上記のカルボキシル基末端濃度にも影響を与える因子であるが、ポリマーの粘度が上昇することにより疎水性が増して耐加水分解性が向上する場合がある。尚、本発明でいう還元粘度は以下の測定条件により測定されたものである。
〔還元粘度(ηsp/C)測定条件〕
粘度管:ウベローデ粘度管
測定温度:30℃
溶媒:フェノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)溶液
ポリエステル濃度:0.5g/dl
本発明の脂肪族ポリエステル中に含まれる触媒の金属量は、使用する触媒の金属種にもよるが、その使用量が少ない程、ポリエステルの加水分解性や熱分解性が低減できるばかりでなく、ポリマー中のカルボキシル基末端濃度が低いポリマーが得られる場合が多い。例えば、触媒としてチタン含有触媒を用いた場合に生成する脂肪族ポリエステル中に含有するチタン量を10ppm以下とすると、理由は未だ詳らかになっていないが、上記のカルボキシル基末端数が10当量/トン以下の優れた耐久性を示すポリエステルが容易に製造できる。チタン量の下限は、通常0.1ppm以上、好ましくは0.5ppm以上、更に好ましくは1ppm以上である。
<ジオール単位>
本発明においてジオール単位とは、芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールから誘導
されるものであり、公知の化合物を用いることができるが、脂肪族ジオールを使用するのが好ましい。脂肪族ジオールとは、2個のOH基を有する脂肪族及び脂環式化合物であれば特に制限はされないが、炭素数の下限値が2以上であり、上限値が通常10以下、好ましくは6以下の脂肪族ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。
この内、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルが好ましく、その中でも、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオ−ルが好ましく、更には、1,4−ブタンジオ−ルが特に好ましい。全ジオール成分中の脂肪族ジオールの割合は、全ジオール成分中、通常、70モル%以上、好ましくは80モル%以上である。
芳香族ジオールとしては、2個のOH基を有する芳香族化合物であれば、特に制限はされないが、炭素数の下限値が6以上であり、上限値が通常15以下の芳香族ジオールが挙げられる。芳香族ジオールの具体例としては、例えば、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン及びビス(p−ヒドロキシフェニル)―2,2―プロパン等が挙げられる。本発明において、ジオール全量中、芳香族ジオールの含有量は、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
また、両末端ヒドロキシポリエーテルを上記の脂肪族ジオールと混合して使用してもよい。両末端ヒドロキシポリエーテルとしては、炭素数が下限値が通常4以上、好ましくは10以上であり、上限値が通常1000以下、好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。
両末端ヒドロキシポリエーテルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール及びポリ1,6−ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合ポリエーテル等を使用することもできる。これらの両末端ヒドロキシポリエーテルの使用量は、使用ポリエステル中の含量として、通常90重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下に計算される量である。
<脂肪族ジカルボン酸単位>
本発明において用いられる脂肪族ジカルボン酸単位としては、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体から誘導されるものである。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の、通常、炭素数が2以上12以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等の低級アルキルエステルや例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物も使用できる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。これらの内、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、またはこれらの混合物が好ましく、脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸及びコハク酸のメチルエステル、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明のポリエステルは、好ましいポリエステルの製造方法の一態様として、後述するように、これらの脂肪族ジカルボン酸及びその酸無水物環状体を反応系から留去しながら
ポリエステルを製造する形態を採ることができる。この場合、遊離の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物環状体を生成させるためには、末端がカルボキシル基である方が有利であるため、上記のジカルボン酸成分としては脂肪族ジカルボン酸を用いるのが好ましい。具体的には、比較的分子量の小さい脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物環状体が減圧下での加熱により比較的容易に留去できる点から、アジピン酸及びコハク酸が好ましく、特にコハク酸が好ましい。
また、上記の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体の他に、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体を併用してもよい。芳香族ジカルボン酸の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びジフェニルジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、前記した芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として上記脂肪族カルボン酸に加えて使用してもよい。この内、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
これらの他のジカルボン酸の使用量は、ジカルボン酸全量中、通常、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは、10モル%以下である。
<その他の共重合成分>
本発明においては、上記のジオール単位とジカルボン酸単位に加えて、他の共重合成分を加えてもよい。
共重合成分の具体的な例としては、2官能のオキシカルボン酸や架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール及び3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物および3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の3官能以上の化合物が挙げられる。これらの共重合成分の中では、高重合度のポリエステルが容易に製造できる傾向があるため、特に2官能及び/又は3官能以上のオキシカルボン酸が好適に使用される。その中でも、3官能以上のオキシカルボン酸の共重合系は、後述する鎖延長剤を使用することなく、極少量で容易に高重合度のポリエステルを製造できるのでもっとも好ましい方法である。
2官能のオキシカルボン酸としては、具体的には、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸等が挙げられるが、これらはオキシカルボン酸のエステルやラクトン、或いはオキシカルボン酸重合体等の誘導体であっても良い。また、これらオキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中では、入手の容易な乳酸またはグリコール酸が特に好ましい。形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。高重合度のポリエステルを容易に製造する目的で2官能のオキシカルボン酸を共重合成分として使用する場合、その効果が発現する使用量の下限としては、通常、ジオール単位及びジカルボン酸単位の合計量に対して通常、0.02モル%以上、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1.0モル%以上である。一方、使用量の上限は、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
3官能以上の多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、具体的には、プロパントリカ
ルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
3官能以上のオキシカルボン酸としては、具体的には、リンゴ酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。特に、入手のし易さから、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸ならびにその混合物が好ましい。
上記の3官能以上の化合物単位の量は、ゲルの発生原因となるため通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対して、上限値が通常、5モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは、0.30モル%以下、特に好ましくは0.15モル%以下である。一方、高重合度のポリエステルを容易に製造する目的で3官能以上の化合物を共重合成分として使用する場合、その効果が発現する使用量の下限値としては、通常、0.0001モル%以上、好ましくは、0.001モル%以上、より好ましくは、0.005モル%以上、特に好ましくは0.01モル%以上である。
<鎖延長剤>
本発明の方法においては、本発明のポリエステルは、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできるが、その量は、通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合ならびにウレタン結合が10モル%以下である。しかしながら、本発明のポリエステルを生分解性樹脂として使用する観点からは、これらは生分解性を阻害する可能性があるため、その使用量は、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が1モル%未満、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%であり、ウレタン結合が、0.06モル%未満、好ましくは0.01モル%以下、より好ましくは0.001モル%以下である。
カーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが例示される。その他、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、または異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
また、その他の鎖延長剤として、ジオキサゾリン、珪酸エステルなどを使用してもよい。 珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。
珪酸エステルは、環境保全ならびに安全性の面の理由からは、特にその使用量に制限はされないが、操作が煩雑になったり、重合速度に影響を与える可能性があるため、その使用量は少ない方が良い場合がある。従って、この含有量は、0.1 モル%以下とするの
が好ましく、10-5 モル%以下とするのが更に好ましい。
本発明においては実質上鎖延長剤を含有しないポリエステルが最も好ましい。但し、溶融テンションを高めるために、毒性の低い化合物を添加する限り、少量のパーオキサイドを添加してもよい。
<ポリエステルの製造方法>
本発明におけるポリエステルの製造方法としては、従来の公知の方法が使用でき、例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合でポリエステルを製造する方法が好ましい。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く1族〜15族金属元素を含む化合物である。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物や複合酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。
更には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)等に記載される公知の層状珪酸塩を単独で或いは上記金属化合物と組み合わせた触媒を使用すると、重合速度が向上する場合があるため、このような触媒系もまた好んで使用される。
層状珪酸塩としては、具体的には、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク及び緑泥石群等が挙げらる。
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムを含む金属化合物、並びにそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物、ジルコニウム化合物及びゲルマニウム化合物が好ましい。また、触媒は、重合時に溶融或いは溶解した状態であると重合速度が高くなる場合がある為、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好んで使用される。また、本発明において重縮合は無溶媒で行うことが好ましいが、これとは別に、触媒を溶解させるために小量の溶媒を使用しても良い。この触媒溶解用の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどの前述のジオール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物、水ならびにそれらの混合物等が挙げられ、その使用量は、触媒濃度が、通常0.0001重量%以上、99%重量%以下となるように使用する。
チタン化合物としては、テトラアルキルチタネートが好ましく、具体的には、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート及びこれらの混合チタネートが挙げられる。また
、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタン(トリエタノールアミネート)イソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ブチルチタネートダイマー等も好んで用いられる。更には、酸化チタンや、チタンと珪素を含む複合酸化物(例えば、ACordis
Industrial Fibers社製のチタニア/シリカ複合酸化物(製品名:C−94))も好んで用いられる。これらの中では、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート及びテトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマー、酸化チタン、チタニア/シリカ複合酸化物(例えば、Acordis Industrial Fibers社
製の製品名:C−94)が好ましく、テトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマー、チタニア/シリカ複合酸化物(例えば、Acordis Industrial Fibers社製の製品名:C−94)がより好ましく、特に
、テトラ−n−ブチルチタネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニア/シリカ複合酸化物(例えば、Acordis Industrial Fibers社製の製品名:C−94)が好ましい。
ジルコニウム化合物としては、具体的には、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、ジルコニルジアセテイト、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウムカリウム、ポリヒドロキシジルコニウムステアレート、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシド、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネートならびにそれらの混合物が例示される。更には、酸化ジルコニウムや、例えばジルコニウムと珪素を含む複合酸化物も好適に使用される。これらの中では、ジルコニルジアセテイト、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムカリウム、ポリヒドロキシジルコニウムステアレート、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシドが好ましく、ジルコニルジアセテイト、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドがより好ましく、特にジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレートが着色のない高重合度のポリエステルが容易に得られる理由から好ましい。
ゲルマニウム化合物としては、具体的には、酸化ゲルマニウムや塩化ゲルマニウム等の無機ゲルマニウム化合物、テトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特に、酸化ゲルマニウムが好ましい。
これらの重合触媒として金属化合物を用いる場合の触媒添加量は、生成するポリエステルに対する金属量として、下限値が通常、0.1ppm以上、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは1ppm以上であり、上限値が通常、30000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは250ppm以下、更に好ましくは50ppm以下であるが、10ppm以下であるとカルボキシル基末端濃度が著しく低いポリエステル
が製造できるため特に好ましい。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなく、理由は未だ詳らかではないが、ポリマー中のカルボキシル基末端濃度が多くなる傾向がある為、カルボキシル基末端量ならびに残留触媒濃度の増大によりポリマーの熱安定性や耐加水分解性が低下する場合がある。逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの熱分解が誘発され、実用上有用な物性を示すポリマーが得られにくくなる。
また、生分解性の機能を有し且つ環境に優しい脂肪族ポリエステルを提供する本発明の趣旨からは、上記の重合触媒の中で、特に、錫含有化合物やアンチモン含有化合物は、毒性が比較的高いため、それらの化合物の使用量を制限するのが好ましい。従って、錫含有化合物やアンチモン含有化合物を重合触媒として使用する場合の使用量は、錫化合物触媒の場合、生成するポリエステルに対する金属量として、通常、60ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下であり、一方、アンチモン化合物触媒の場合は、生成するポリエステルに対する金属量として、通常、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。
更に、塩酸や硫酸等の鉱酸或いはそれらの塩、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、エチル硫酸等の硫酸エステル、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、燐酸、次亜燐酸、ピロ亜燐酸、亜燐酸、次燐酸、ピロ燐酸、三燐酸、メタ燐酸、ペルオクソリン酸、ポリ燐酸等の無機燐酸、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ポリリン酸水素アンモニウム、ポリリン酸水素マグネシウム、ポリリン酸水素カルシウム等の無機リン酸水素塩、フェニルホスフィン酸、ベンジルホスフィン酸、メチルホスフィン酸、n−ブチルホスフィン酸、シクロヘキシルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、およびフェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸等の有機ホスホン酸を助触媒とした触媒系も使用できる。
しかしながらこれらのプロトンを放出する酸性化合物は、一般には、例えば、原料のブタンジオールからテトラヒドロフランのような副生成物を発生させるばかりか(化学大辞典、7巻、p850、共立出版(1962))、最終生成物の酸濃度を高くしてポリエステ
ルの熱安定性ならびに耐加水分解性を低下させる恐れがあるため、その使用は好ましくない。従って、これらのプロトンを放出する酸性化合物のポリエステル中における含有量は、特に限定はされないが、通常、10-5モル%以下、好ましくは、10―8モル%以下、
特に好ましくは10―9モル%以下が好ましい範囲であるが、実質的に含まれないものが
最も好ましい。
また、これらの酸性化合物の中でも、特に、有機ホスフィン酸及び/又は有機ホスホン酸を助触媒として用いる場合は、これらの化合物が、上述の酸性化合物の欠点に加えて、金属重合触媒とアダクトを形成し易く、触媒の反応活性点であるルイス酸点を抑える傾向がある為、触媒反応が遅くなり、その結果、高重合度のポリエステルが得られない場合がある。また、リン酸水素塩を助触媒として用いる場合は、やはり同様の酸性化合物としての欠点を有するばかりでなく、例えば、リン酸のような酸とは異なりリン酸水素塩の対カチオンが重合反応後のポリマー中に残存する為、これらの残存カチオンがポリマー中でルイス酸となって働き、ポリエステルの耐加水分解性を低下させる場合がある。従って、本発明のポリエステルにおいては、有機ホスフィン酸、有機ホスホン酸及びリン酸水素塩から選ばれるリン含有化合物由来のリン原子のポリエステル中における含有量の上限は、ポリエステルを構成する全構成単位のモル数に対し、通常10-9 モル%未満であり、好ま
しくは、10-10モル%以下であるが、実質的に含まれないものが最も好ましい。
温度、時間、圧力などの条件は、従来公知の範囲を採用できる。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
反応時間は、通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×103Pa以上、好ましくは0
.03×103Pa以上であり、上限が通常1.4×103Pa以下、好ましくは0.6×103Pa以下、更に好ましくは0.3×103Pa以下の真空度下として行う。重合製造時の圧力が高すぎると、ポリエステルの重合製造時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造が難しくなる傾向がある。一方、超高真空重合設備を用いて製造する手法は重合速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要なばかりでなく、それでも未だポリエステルの重合製造時間が長くなる傾向があるため、それに伴うポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が懸念される。
この時の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、更に好ましくは200℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。この温度が低すぎると、重合反応速度が遅く、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必要となる為、経済的に不利である。一方、反応温度が高すぎると製造時のポリマーの熱分解が引き起こされ、高重合度のポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。
反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは8時間以下、より好ましくは6時間以下である。反応時間が短すぎると反応が不充分で低重合度のポリエステルが得られ、引張り破断伸び率が低く、また、そのカルボキシル基末端量が多いこともあり、引張り破断伸び率の劣化も著しくなる場合が多い。一方、反応時間が長すぎると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、引張り破断伸び率が低下するばかりでなく、耐加水分解性に影響を与えるカルボキシル基末端量が熱分解により増加する場合がある。
本発明において、ジカルボン酸成分として脂肪族カルボン酸に加えて芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルを混合して使用する場合は、特に添加順序には限定はなく、例えば、第1として、原料のモノマーを一括に反応釜に入れて反応することもできるし、第2として、ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応又はエステル交換反応させた後、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸又はその誘導体をエステル化反応又はエステル交換反応させ、更に重縮合反応させる方法等種々の方法を採用することができる。
本発明においてポリエステルを製造する反応装置としては、公知の縦型あるいは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて縮重合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
本発明においては、ポリエステルの製造方法として、従来の、上記の脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル
交換反応を行った後、減圧下で、ポリエステルのアルコール末端のエステル交換反応により生成するジオールを留去しながらポリエステルの重合度を高める方法、或いは、ポリエステルの脂肪族カルボン酸末端から脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去させながらポリエステルの重合度を高める方法が用いられる。本発明においては、鎖延長剤などを用いずとも高重合度のポリエステルが比較的容易に得られる理由から、後者の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法が好ましい。この場合、脂肪族カルボン酸及び/又はその酸無水物の除去は、通常、上記溶融重合工程における後段の減圧下での重縮合反応中に脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物環状体を加熱留出させる方法が採られるが、重縮合反応条件下では、脂肪族ジカルボン酸は容易に酸無水物になりやすいため、酸無水物の形態で加熱留出させる場合が多い。また、その際、ジオールから誘導される鎖状又は環状エーテル及び/又はジオールもまた脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物と共に除去されてもよい。更に、ジカルボン酸成分とジオール成分の環状単量体を共に留去させる方法は、重合速度が向上するため、好ましい態様である。
本発明においては、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法により高重合度のポリエステルを製造する場合には、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管の反応容器側排気口の温度を、脂肪族ジカルボン酸無水物の融点、或いは重縮合反応時の真空度での脂肪族ジカルボン酸無水物環状体の沸点のいずれか低い方の温度以上に保持すると生成する酸無水物環状体が効率よく反応系から除去でき、目的の高重合度のポリエステルが短時間で製造できるため好ましい。更には、反応容器側排気口から凝縮器までの配管温度を酸無水物の融点、或いは重縮合反応時の真空度での沸点のいずれか低い方の温度以上に保持するとより好ましい。
本発明において、目的とする重合度のポリエステルを得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。
更に、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物の留去により高重合度のポリエステルを製造する場合には、末端カルボン酸量が多い方が重合が有利であるため、従来の方法で用いられるような原料としてより過剰なジオールの使用は必要ではない。この場合もやはり目的とするポリエステルの重合度や種類によってジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比の好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上、更に好ましくは0.95以上であり、上限が通常1.15モル以下、好ましくは1.1モル以下、更に好ましくは1.06モル以下である。
脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法によるポリエステルの製造方法を用いると、製造されたポリエステルは、重合度が低い場合には、従来の方法に比べてカルボン酸末端量が多く、また、ジオール/ジカルボン酸の仕込み比を低くすることによりこの傾向は顕著となる。このような手法で得られるポリエステルは、最終的には還元粘度(ηsp/C)を高めることで、末端カルボン酸量が低く、耐熱安定性、耐加水分解性にすぐれたポリエステルとなるが、上記の仕込み比を制御することにより、製造されるポリエステル中のカルボキシル基末端量を調整することも可能である。これにより、ポリエステルの耐加水分解性や生分解性を調整することも可能となる。
本発明の製造方法の途中又は得られるポリエステルには、特性が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を重合時に添加してもよい。
また、成形時に上に示した各種の添加剤の他に、ガラス繊維、炭素繊維、チタンウィスカー、マイカ、タルク、CaCO3、TiO2、シリカ等の強化剤及び増量剤を添加して成形することもできる。
<脂肪族ポリエステルの用途>
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、耐熱性、色調に優れ、更に耐加水分解性や生分解性にも優れ、しかも安価に製造できるので、各種のフィルム用途や射出成形品の用途に適している。
具体的な用途としては、射出成型品(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの
容器、野外レジャー製品など)、押出成型品(フィルム、シート等、例えば釣り糸、漁網、植生ネット、保水シートなど)、中空成型品(ボトル等)等が挙げられ、更にその他農業用のフィルム、コーティング資材、肥料用コーティング材、ラミネートフィルム、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポスト袋、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材フィルム及び合成紙などに利用可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
<末端カルボキシル基量>
得られたポリエステルをベンジルアルコールに溶解し0.1N NaOHにて滴定した値であり、1×106 g当たりのカルボキシル基当量である。
<末端OH基量>
1H NMRにより求めた値であり、1×106 g当たりのOH基当量である。
実施例1
<ポリエステルAの製造>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol、1,4−ブタンジオ−ル80.35g(0.89mol)、リンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.3
3mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、オルガチックスTC−401(チタンテトラアセチルアセトネ−ト、(株)マツモト交商製)0.017g(製造ポリマ−中のTi含量:8ppm)を含む0.4gのブタノール液をシリンジで反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で6.5時間反応させポリエステルを得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.5であり、末端カルボキシル基量は3eq/トン、末端OH基量は59eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムを得た。得られたプレスフィルムを50℃、90%R.H.の恒温恒湿機に入れ、一定間隔毎にサンプリングし、溶液粘度の測定ならびに引張り破断伸び率の測定を行った。
引っ張り試験は、このフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて行った。(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)

結果を表−1に示した。
比較例1
<ポリエステルBの製造>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸3420g(29.0mol)、1,4−ブタンジオール2689g(29.8mol)及び触媒として二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液45.64g(9.4×10-2mol、コハク酸に対して0.33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で2.5時間反応させたところ白色
のポリエステルが得られた。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を110℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、末端カルボキシル基量は29eq/トン、末端OH基量は39eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
比較例2
<ポリエステルCの製造>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオ−ル80.35g(0.89mol)、リンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.
33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、オルガチックスTC−401(チタンテトラアセチルアセトネ−ト、(株)マツモト交商製)0.214g(製造ポリマ−中のTi含量:1×102ppm)を含む0.4gのブタ
ノール液をシリンジで反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で3.5時間反応させポリエステルを得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、末端カルボキシル基量は15eq/トン、末端OH基量は69eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
Figure 0004506207

Claims (9)

  1. ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を主体とし、チタン金属元素の含有量が0.1ppm以上50ppm以下である脂肪族ポリエステルであって、該ポリエステルを、厚み150±25μmのフィルム状試験片とし、温度50℃、相対湿度90%R.H.の条件で28日間保持したときの還元粘度保持率が80%以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル。
  2. 脂肪族ポリエステル中のカーボネート結合の含有量が、脂肪族ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、1モル%未満である、請求項1に記載の脂肪族ポリエステル。
  3. 脂肪族ポリエステル中のウレタン結合の含有量が、脂肪族ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、0.06モル%未満である、請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステル。
  4. 脂肪族ポリエステルが、3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸および3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の3官能以上の化合物単位を含有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  5. 3官能以上の化合物単位の量が、脂肪族ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、0.0001モル%以上0.5モル%以下である、請求項4に記載の脂肪族ポリエステル。
  6. 脂肪族ポリエステル中のカルボキシル末端基量が、0.1当量/トン以上10当量/トン以下である、請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  7. 脂肪族ポリエステルの還元粘度(η sp /C)が、2.0以上である、請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  8. 脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体と脂肪族ジオールとを溶融重縮合させる方法において、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去しながら行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  9. 脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体と脂肪族ジオールとのエステル化反応を行った後に、0.03×103 Pa以上1.4×103 Pa以下の減圧下、200℃以上250℃以下の温度で溶融重縮合を行う、請求項に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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