JP2003321538A - ポリエステル樹脂、及びそれからなるフィルム - Google Patents

ポリエステル樹脂、及びそれからなるフィルム

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博嗣 丹羽
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムや繊維等に成形するにおける破断や
糸切れ、及び目ヤニの発生等の成形上の問題が抑制さ
れ、又、表面外観に優れたフィルムや繊維、及びボトル
等の成形体を得ることができるポリエステル樹脂、及び
それからなるフィルムを提供する。 【構成】 テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体
を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコー
ルを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応或
いはエステル交換反応を経て重縮合させて得られたポリ
エステル樹脂であって、含有される最大径1μm以上の
異種物質粒子の数が20個/0.01mm3 以下である
ポリエステル樹脂、及び該ポリエステル樹脂からなるフ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含有される異種物
質粒子の数が低減化され、特に、フィルムや繊維等に成
形するにおける破断や糸切れ、及び目ヤニの発生等の成
形上の問題が抑制され、又、表面外観に優れたフィルム
や繊維、及びボトル等の成形体を得ることができるポリ
エステル樹脂、及びそれからなるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル樹脂、例えばポ
リエチレンテレフタレート樹脂は、機械的強度、化学的
安定性、ガスバリア性、保香性、衛生性等に優れ、又、
比較的安価で軽量であるために、フィルムや繊維、及び
ボトル等として広く用いられている。一方、近年、高速
成形化に伴い、例えば、フィルムの破断、繊維の糸切
れ、及び目ヤニの発生等の成形上の問題が顕在化すると
共に、各種製品においてより高精度化、高速化、高級感
等が求められるに伴い、フィルムや繊維、及びボトル等
の表面外観が劣るとか、ビデオテープとして画像の乱れ
が生じるとか、液晶画面の表層として光散乱により画像
が見にくくなるとか、或いは、コンデンサーフィルムと
して絶縁破壊が生じる等の種々の問題が指摘され、これ
らは、樹脂に含有される触媒残渣等の異種物質粒子に起
因すると考えられている。
【0003】これに対して、含有される触媒残渣等の異
種物質粒子の数の低減化を企図したポリエステル樹脂が
提案されている(例えば、特開平8−188704号公
報、特開2000−256453号公報等参照。)が、
本発明者等の検討によると、依然として、前述の問題に
解決を与え得る程には異種物質粒子数の低減化は十分と
は言えず、又、重縮合性、副反応物の生成、及び得られ
る樹脂の色調等の面でも市場の要求を十分に満足させ得
るには到っていないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、フィルムや繊維等に成形
するにおける破断や糸切れ、及び目ヤニの発生等の成形
上の問題が抑制され、又、表面外観に優れたフィルムや
繊維、及びボトル等の成形体を得ることができるポリエ
ステル樹脂、及びそれからなるフィルムを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明等は、前記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、含有される異種物質粒子
数が従来公知のものに比べて極めて少ないポリエステル
樹脂を見い出すと共に、重縮合時に存在させる燐化合物
の種類や量、及び、アンチモン、チタン等の各種金属化
合物の量や添加順序等を規定することにより、重縮合
性、副反応物の生成、及び色調等に問題を残さず、異種
物質粒子数が極めて少ないポリエステル樹脂が得られる
ことを見い出し、本発明に到達したもので、即ち、本発
明は、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主
成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを
主成分とするジオール成分とを、エステル化反応或いは
エステル交換反応を経て重縮合させて得られたポリエス
テル樹脂であって、含有される最大径1μm以上の異種
物質粒子の数が20個/0.01mm3 以下であるポリ
エステル樹脂、及び該ポリエステル樹脂からなるフィル
ム、を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル樹脂は、テ
レフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とす
るジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分と
するジオール成分とを、エステル化反応或いはエステル
交換反応を経て重縮合させて得られたものである。
【0007】ここで、テレフタル酸のエステル形成性誘
導体としては、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエ
ステル、及びハロゲン化物等が挙げられる。又、テレフ
タル酸又はそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン
酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ジ
ブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、
フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニ
ルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、
4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジ
カルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、並びに、これらの炭素数1〜4程度
のアルキルエステル、及びハロゲン化物、等が挙げられ
る。
【0008】又、エチレングリコール以外のジオール成
分としては、反応系内で副生するジエチレングリコール
が挙げられ、その他のジオール成分としては、例えば、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族
ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメ
チロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,
5−ノルボルナンジメチロール等の脂環式ジオール、及
び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレ
ンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、
等が挙げられる。
【0009】更に、前記ジオール成分及びジカルボン酸
成分以外の共重合成分として、例えば、グリコール酸、
p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ
安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボ
ン酸、及び、ステアリルアルコール、ヘネイコサノー
ル、オクタコサノール、ベンジルアルコール、ステアリ
ン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベン
ゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタ
レンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエ
リスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官
能成分、等の一種又は二種以上が用いられていてもよ
い。
【0010】本発明のポリエステル樹脂は、テレフタル
酸又はそのエステル形成性誘導体が、ジカルボン酸成分
の95モル%以上を占めるのが好ましく、98.5モル
%以上を占めるのが更に好ましく、100モル%を占め
るのが特に好ましい。又、エチレングリコールが、ジオ
ール成分の95モル%以上を占めるのが好ましく、97
モル%以上を占めるのが更に好ましく、98モル%以上
を占めるのが特に好ましい。尚、エチレングリコール以
外のジオール成分として、系外から添加した分と反応系
内で副生した分を併せたジエチレングリコールの量は、
ジオール成分の3.0モル%以下であるのが好ましく、
0.5〜2.5モル%であるのが更に好ましく、1.0
〜2.0モル%であるのが特に好ましい。テレフタル酸
又はそのエステル形成性誘導体及びエチレングリコール
の占める割合が前記範囲未満では、ポリエステル樹脂と
しての機械的強度、耐熱性等が劣る傾向となり、又、ジ
エチレングリコールの量が前記範囲未満では、ポリエス
テル樹脂としての透明性が低下する傾向となる。
【0011】そして、本発明のポリエステル樹脂は、含
有される最大径1μm以上の異種物質粒子の数が20個
/0.01mm3 以下であるものであり、該異種物質粒
子の数が10個/0.01mm3 以下であるのが好まし
く、5個/0.01mm3 以下であるのがより好まし
く、3個/0.01mm3 以下であるのが更に好まし
く、2個/0.01mm3 以下であるのが特に好まし
く、1個/0.01mm3 以下であるのが最も好まし
い。該異種物質粒子の数が前記範囲超過では、フィルム
や繊維等に成形するにおける破断や糸切れ、及び目ヤニ
の発生等の成形上の問題が生じ、又、成形体表面に所謂
フィッシュアイ等の突起が顕れ、表面外観に優れたフィ
ルムや繊維、及びボトル等の成形体を得ることが困難と
なる。
【0012】尚、ここで、異種物質粒子とは、主として
後述する重縮合触媒等の残渣等のポリエステル樹脂とは
異種の物質が樹脂中に粒子状に分散して存在するものと
考えられ、最大径1μm以上の異種物質粒子の数は、ポ
リエステル樹脂を溶融成形して得たフィルムを、干渉顕
微鏡で拡大して、画像処理装置にて最大径1μm以上の
異種物質粒子の数をフィルム面積と厚み方向で計測し、
0.01mm3 当たりに換算して算出したものである。
【0013】又、本発明のポリエステル樹脂は、固有粘
度(〔η〕)が、フェノール/テトラクロロエタン(重
量比1/1)の混合溶媒の溶液で30℃で測定した値と
して、0.55〜0.70dl/gであるのが好まし
く、0.58〜0.68dl/gであるのが更に好まし
い。固有粘度(〔η〕)が前記範囲未満では、フィルム
や繊維、及びボトル等の成形体としての機械的強度、及
び透明性等が不足する傾向となり、一方、前記範囲超過
では、溶融成形時のアセトアルデヒド等の副生を抑制す
ることが困難な傾向となる。
【0014】又、本発明のポリエステル樹脂は、末端カ
ルボキシル基量が50当量/トン以下であるのが好まし
い。末端カルボキシル基量が前記範囲超過では、溶融熱
安定性が低下し、成形時に樹脂の熱分解や着色が起こり
易い傾向となる。
【0015】又、本発明のポリエステル樹脂は、体積固
有抵抗が1×106 〜1×1010Ω・cmであるのが好
ましく、1×106 〜1×109 Ω・cmであるのが更
に好ましく、1×107 〜5×108 Ω・cmであるの
が特に好ましい。体積固有抵抗が前記範囲外では、フィ
ルム等の高速成形性が低下する傾向となる。
【0016】又、本発明のポリエステル樹脂は、色調と
して、JIS Z8730の参考1に記載されるLab
表色系におけるハンターの色差式の色座標b値が5以下
であるのが好ましく、3以下であるのが更に好ましい。
b値が前記範囲超過では、成形体としての色調が黄味が
かる傾向となる。
【0017】前述の如き、異種物質粒子の数が前記範囲
であり、固有粘度(〔η〕)、末端カルボキシル基量、
体積固有抵抗、及び色座標b値が前記の好ましい範囲を
満足する本発明のポリエステル樹脂は、前記ジカルボン
酸成分と前記ジオール成分とのエステル化反応或いはエ
ステル交換反応後の重縮合が、燐化合物の存在下になさ
れたものであるのが好ましく、その燐化合物に由来する
燐原子としてのポリエステル樹脂中の含有量(P)が
0.1〜20ppmであるのが好ましく、2〜15pp
mであるのが更に好ましく、4〜10ppmであるのが
特に好ましい。燐原子としての含有量(P)が前記範囲
未満では、重縮合性は良好であり、異種物質粒子も少な
くなるものの、末端カルボキシル基量の増加、体積固有
抵抗の増大、及び色調の悪化等の問題が生じ易い傾向と
なり、一方、前記範囲超過では、重縮合性の低下、異種
物質粒子の増加等の問題が生じ易い傾向となる。
【0018】尚、ここで、燐化合物としては、具体的に
は、例えば、正燐酸、ポリ燐酸、及び、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチル
ホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス
(トリエチレングリコール)ホスフェート、メチルアシ
ッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソ
プロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフ
ェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコール
アシッドホスフェート等の燐酸エステル等の5価の燐化
合物、並びに、亜燐酸、次亜燐酸、及び、トリメチルホ
スファイト、ジエチルホスファイト、トリエチルホスフ
ァイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデ
シルホスファイト、エチルジエチルホスホノアセテー
ト、トリフェニルホスファイト等の亜燐酸エステル、リ
チウム、ナトリウム、カリウム等の金属塩等の3価の燐
化合物等が挙げられ、中で、5価の燐化合物の燐酸エス
テルが好ましく、トリメチルホスフェート、エチルアシ
ッドホスフェートが特に好ましい。
【0019】又、本発明のポリエステル樹脂は、重縮合
が、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、及
びアンチモンからなる群より選択された少なくとも1種
の元素の化合物の共存下になされたものであるのが好ま
しく、それらの化合物に由来する金属原子としての含有
量(S)が0.1〜200ppmであるのが好ましく、
30〜150ppmであるのが更に好ましく、60〜1
00ppmであるのが特に好ましい。これらの金属原子
としての含有量(S)が前記範囲未満では、異種物質粒
子は少なくなるものの、重縮合性の低下、末端カルボキ
シル基量の増加、及び色調の悪化等の問題が生じ易い傾
向となり、一方、前記範囲超過では、異種物質粒子の増
加等の問題が生じ易い傾向となる。
【0020】又、本発明において、アルミニウム、亜
鉛、ガリウム、ゲルマニウム、及びアンチモンからなる
群より選択された少なくとも1種の元素の化合物として
は、アンチモン化合物が好ましく、そのアンチモン化合
物に由来するアンチモン原子としての含有量(Sb)
の、前記燐原子としての含有量(P)に対する比(Sb
/P)が6〜45であるのが好ましく、9〜22.5で
あるのが更に好ましい。この比(Sb/P)が前記範囲
外では、異種物質粒子数と、重縮合性、末端カルボキシ
ル基量、体積固有抵抗、及び色調等とを両立させること
が困難な傾向となる。
【0021】尚、ここで、アルミニウム化合物、亜鉛化
合物、及びガリウム化合物としては、例えば、アルミニ
ウム、亜鉛、ガリウムの酸化物、水酸化物、アルコキシ
ド、カルボン酸塩、炭酸塩、蓚酸塩、及びハロゲン化物
等の化合物が挙げられる。又、ゲルマニウム化合物とし
ては、具体的には、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸
化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウ
ム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテト
ラ−n−ブトキシド等が挙げられ、中で、二酸化ゲルマ
ニウムが好ましい。又、アンチモン化合物としては、具
体的には、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、酢酸アンチモン、メトキシアンチモン、トリフェニ
ルアンチモン、アンチモントリスエチレングリコレート
等が挙げられ、中で、三酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ン、アンチモントリスエチレングリコレートが好まし
く、三酸化アンチモンが特に好ましい。
【0022】又、本発明のポリエステル樹脂は、重縮合
が、周期表第1A族の金属元素、周期表第2A族の元
素、マンガン、鉄、及びコバルトからなる群より選択さ
れた少なくとも1種の元素の化合物の共存下になされた
ものであるのが好ましく、それらの化合物に由来する金
属原子としての含有量(M)が0.1〜100ppmで
あるのが好ましく、10〜70ppmであるのが更に好
ましく、20〜40ppmであるのが特に好ましい。こ
れらの金属原子としての含有量(M)が前記範囲未満で
は、重縮合性の低下、体積固有抵抗の増大、及び色調の
悪化等の問題が生じ易い傾向となり、一方、前記範囲超
過では、末端カルボキシル基量の増加等の問題が生じ易
い傾向となる。
【0023】又、本発明において、周期表第1A族の金
属元素、周期表第2A族の元素、マンガン、鉄、及びコ
バルトからなる群より選択された少なくとも1種の元素
の化合物としては、マグネシウム化合物が好ましく、そ
のマグネシウム化合物に由来するマグネシウム原子とし
ての含有量(Mg)の、前記燐原子としての含有量
(P)に対する比(Mg/P)が1.5〜15であるの
が好ましく、2.5〜7であるのが更に好ましい。この
比(Sb/P)が前記範囲外では、異種物質粒子数と、
重縮合性、末端カルボキシル基量、体積固有抵抗、及び
色調等とを両立させることが困難な傾向となる。
【0024】尚、ここで、周期表第1A族の金属元素、
周期表第2A族の元素、マンガン、鉄、及びコバルトの
化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム、バリウム、マンガン、鉄、及びコバルト等
の、酸化物、水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、
炭酸塩、蓚酸塩、及びハロゲン化物等、具体的には、例
えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウム
アルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、
酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、
炭酸カルシウム、酸化マンガン、水酸化マンガン、酢酸
マンガン、安息香酸マンガン、塩化マンガン、マンガン
メトキシド、マンガンアセチルアセトナート、酢酸第二
鉄、蟻酸コバルト、酢酸コバルト、ナフテン酸コバル
ト、安息香酸コバルト、蓚酸コバルト、炭酸コバルト、
塩化コバルト、臭化コバルト、コバルトアセチルアセト
ナート等が挙げられる。中で、マグネシウム化合物が好
ましく、酢酸マグネシウムが特に好ましい。
【0025】又、本発明のポリエステル樹脂は、重縮合
が、周期表第4A族のチタン族元素の化合物の共存下に
なされたものであるのが好ましく、それらの化合物に由
来する金属原子(T)としての含有量が0.1〜10p
pmであるのが好ましく、0.5〜6ppmであるのが
更に好ましく、1〜3ppmであるのが特に好ましい。
これらの金属原子(M)としての含有量が前記範囲未満
では、重縮合性の低下等の問題が生じ易い傾向となり、
一方、前記範囲超過では、色調の悪化等の問題が生じ易
い傾向となる。
【0026】尚、ここで、周期表第4A族のチタン族元
素、即ち、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、の化合
物としては、これら元素の酸化物、水酸化物、アルコキ
シド、カルボン酸塩、炭酸塩、蓚酸塩、及びハロゲン化
物等が挙げられ、中で、チタン化合物が好ましく、その
チタン化合物として、具体的には、例えば、テトラ−n
−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチ
ルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネー
ト、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニル
チタネート、テトラベンジルチタネート等のチタンアル
コキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られ
るチタン酸化物、チタンアルコキシドと珪素アルコキシ
ド若しくはジルコニウムアルコキシドとの混合物の加水
分解により得られるチタン−珪素若しくはジルコニウム
複合酸化物、酢酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリ
ウム、蓚酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタ
ン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合
物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合
物、臭化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリ
ウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マ
ンガン、六フッ化チタン酸アンモニウム、チタンアセチ
ルアセトナート等が挙げられ、中で、テトラ−n−プロ
ピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テ
トラ−n−ブチルチタネート等のチタンアルコキシド、
蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウムが好ましく、テトラ−
n−ブチルチタネートが特に好ましい。
【0027】本発明のポリエステル樹脂は、前記テレフ
タル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジ
カルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とする
ジオール成分とを、エステル化反応或いはエステル交換
反応を経て、好ましくは、前記燐化合物の存在下、更に
は、前記アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウ
ム、及びアンチモンからなる群より選択された少なくと
も1種の元素の化合物の共存下、又は/及び、前記周期
表第1A族の金属元素、周期表第2A族の元素、マンガ
ン、鉄、及びコバルトからなる群より選択された少なく
とも1種の元素の化合物の共存下、又は/及び、前記周
期表第4A族のチタン族元素からなる群より選択された
少なくとも1種の元素の化合物の共存下に重縮合させる
ことにより得られたものであるが、その製造方法は、基
本的には、ポリエステル樹脂の慣用の製造方法による。
即ち、前記テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体
を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコール
を主成分とするジオール成分とを、必要に応じて用いら
れる共重合成分等と共に、スラリー調製槽に投入して攪
拌下に混合して原料スラリーとなし、エステル化反応槽
で常圧〜加圧下、加熱下で、エステル化反応させ、或い
は、エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させ
た後、得られたエステル化反応生成物或いはエステル交
換反応生成物としてのポリエステル低分子量体を重縮合
槽に移送し、前記化合物の存在下に、常圧から漸次減圧
としての減圧下、加熱下で、溶融重縮合させる。
【0028】尚、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸
のエステル形成性誘導体を用いてエステル交換反応を行
う場合は、通常、チタン化合物、マグネシウム化合物、
カルシウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物等のエ
ステル交換触媒を用いる必要があり、しかも、そのエス
テル交換触媒を多量に用いる必要があり、これに起因し
て樹脂中の異種物質粒子数が増加することから、本発明
のポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分として
テレフタル酸を用いてエステル化反応を経て得られたも
のであるのが好ましい。
【0029】ここで、エステル化反応による場合、原料
スラリーの調製は、テレフタル酸を主成分とするシカル
ボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオー
ル成分、及び必要に応じて用いられる共重合成分等と
を、ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比
を、好ましくは1.02〜2.0、更に好ましくは1.
03〜1.7の範囲として混合することによりなされ
る。
【0030】又、エステル化反応は、単一のエステル化
反応槽、又は、複数のエステル化反応槽を直列に接続し
た多段反応装置を用いて、エチレングリコールの還流
下、且つ、反応で生成する水と余剰のエチレングリコー
ルを系外に除去しながら、エステル化率(原料ジカルボ
ン酸成分の全カルボキシル基のうちジオール成分と反応
してエステル化したものの割合)が、通常90%以上、
好ましくは93%以上に達するまで行われる。又、得ら
れるエステル化反応生成物としてのポリエステル低分子
量体の数平均分子量は500〜5,000であるのが好
ましい。
【0031】エステル化反応における反応条件として
は、複数のエステル化反応槽の場合、第1段目のエステ
ル化反応槽における反応温度を、通常240〜270
℃、好ましくは245〜265℃、大気圧に対する相対
圧力を、通常5〜300kPa(0.05〜3kg/c
2 G)、好ましくは10〜200kPa(0.1〜2
kg/cm2 G)とし、最終段における反応温度を、通
常250〜280℃、好ましくは255〜275℃、大
気圧に対する相対圧力を、通常0〜150kPa(0〜
1.5kg/cm2 G)、好ましくは0〜130kPa
(0〜1.3kg/cm2 G)とする。尚、各段におけ
るエステル化率は、その増加量が等しくなるようにする
のが好ましい。尚、単一のエステル化反応槽による場合
には、前記最終段における反応条件が採られる。
【0032】尚、前記エステル化反応は、重縮合時に存
在させる前記化合物をエステル化反応において添加して
行うこととしてもよく、又、例えば、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン
等の第三級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、
水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメ
チルベンジルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウ
ム、或いは、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、酢酸ナトリウム等の塩基性化合物等を少量添加し
ておくことにより、エチレングリコールからのジエチレ
ングリコールの副生を抑制することができる。
【0033】又、溶融重縮合は、通常、複数の溶融重縮
合槽を直列に接続した、例えば、第1段目が攪拌翼を備
えた完全混合型の反応器、第2段及び第3段目が攪拌翼
を備えた横型プラグフロー型の反応器からなる多段反応
装置を用いて、減圧下に、副生するエチレングリコール
を系外に留出させながら行われる。
【0034】溶融重縮合における反応条件としては、複
数の重縮合槽の場合、第1段目の重縮合槽における反応
温度を、通常250〜290℃、好ましくは260〜2
80℃、絶対圧力を、通常65〜1.3kPa(500
〜10Torr)、好ましくは26〜2kPa(200
〜15Torr)とし、最終段における反応温度を、通
常265〜300℃、好ましくは270〜295℃、絶
対圧力を、通常1.3〜0.013kPa(10〜0.
1Torr)、好ましくは0.65〜0.065kPa
(5〜0.5Torr)とする。中間段における反応条
件としては、それらの中間の条件が選択され、例えば、
3段反応装置においては、第2段における反応温度を、
通常265〜295℃、好ましくは270〜285℃、
絶対圧力を、通常6.5〜0.13kPa(50〜1T
orr)、好ましくは4〜0.26kPa(30〜2T
orr)とする。
【0035】又、本発明において、重縮合時における、
前記燐化合物、前記アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲ
ルマニウム、及びアンチモンからなる群より選択された
少なくとも1種の元素の化合物、前記周期表第1A族の
金属元素、周期表第2A族の元素、マンガン、鉄、及び
コバルトからなる群より選択された少なくとも1種の元
素の化合物、及び、前記周期表第4A族のチタン族元素
からなる群より選択された少なくとも1種の元素の化合
物、の反応系への添加は、前記各化合物をエチレングリ
コール等のアルコールや水等の溶液として行うのが好ま
しく、各化合物の添加時期は、以下によるのが好まし
い。
【0036】前記燐化合物は、エステル化率が90%未
満の段階で添加されるのが好ましく、具体的には、スラ
リー調整槽、又は、多段エステル化反応装置における第
1段目の反応槽に添加されるのが好ましく、スラリー調
整槽に添加されるのが特に好ましい。
【0037】又、前記アルミニウム、亜鉛、ガリウム、
ゲルマニウム、及びアンチモンからなる群より選択され
た少なくとも1種の元素の化合物は、エステル化率が9
0%以上のエステル化反応生成物に対して添加されるの
が好ましく、具体的には、当該エステル化率に達した多
段エステル化反応装置における最終段のエステル化反応
槽か、溶融重縮合槽への移送段階のエステル化反応生成
物に添加されるのが好ましく、溶融重縮合槽への移送段
階のエステル化反応生成物に添加されるのが特に好まし
い。
【0038】又、前記周期表第1A族の金属元素、周期
表第2A族の元素、マンガン、鉄、及びコバルトからな
る群より選択された少なくとも1種の元素の化合物は、
エステル化率が90%以上のエステル化反応生成物に対
して添加されるのが好ましく、具体的には、当該エステ
ル化率に達した多段エステル化反応装置における2段目
或いは最終段のエステル化反応槽に添加されるのが好ま
しい。
【0039】又、前記周期表第4A族のチタン族元素か
らなる群より選択された少なくとも1種の元素の化合物
は、エステル化率が90%以上のエステル化反応生成物
に対して添加されるのが好ましく、具体的には、当該エ
ステル化率に達した多段エステル化反応装置における最
終段のエステル化反応槽か、溶融重縮合槽への移送段階
のエステル化反応生成物に添加されるのが好ましい。
尚、該化合物の添加は、前記周期表第1A族の金属元
素、周期表第2A族の元素、マンガン、鉄、及びコバル
トからなる群より選択された少なくとも1種の元素の化
合物の添加より後でなされるのが好ましく、溶融重縮合
槽への移送段階のエステル化反応生成物に添加されるの
が特に好ましい。
【0040】前記溶融重縮合により得られた樹脂は、通
常、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストラ
ンド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カ
ッターで切断してペレット状、チップ状等の粒状体とさ
れ、本発明のポリエステル樹脂が得られる。
【0041】又、必要に応じて、更に高重合度化、或い
は、アセトアルデヒド等の副生成物量の低減化等を目的
として、この溶融重縮合後の粒状体を、例えば、窒素、
二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、大気圧
に対する相対圧力として、通常100kPa(1kg/
cm2 G)以下、好ましくは20kPa(0.2kg/
cm2 G)以下の加圧下で通常5〜30時間程度、或い
は、絶対圧力として、通常6.5〜0.013kPa
(50〜0.1Torr)、好ましくは1.3〜0.0
65kPa(10〜0.5Torr)の減圧下で通常1
〜20時間程度、通常190〜230℃、好ましくは1
95〜225℃の温度で加熱することにより、固相重縮
合させてもよい。
【0042】その際、固相重縮合に先立って、不活性ガ
ス雰囲気下、又は、水蒸気雰囲気下或いは水蒸気含有不
活性ガス雰囲気下で、通常120〜200℃、好ましく
は130〜190℃で、1分〜4時間程度加熱すること
により、樹脂粒状体表面を結晶化させることが好まし
い。
【0043】又、更に、前述の如き溶融重縮合又は固相
重縮合により得られた樹脂を、通常、40℃以上の温水
に10分以上浸漬させる水処理、或いは、60℃以上の
水蒸気又は水蒸気含有ガスに30分以上接触させる水蒸
気処理等の処理を施すとか、又は、有機溶剤による処
理、或いは、各種鉱酸、有機酸、燐酸等の酸性水溶液に
よる処理、或いは、第1A族金属、第2A族金属、アミ
ン等のアルカリ性水溶液若しくは有機溶剤溶液による処
理を施すことにより、重縮合に用いた触媒を失活させる
こともできる。
【0044】本発明のポリエステル樹脂は、例えば、押
出成形によってシートに成形した後、熱成形することに
よってトレイや容器等に成形し、或いは、該シートを二
軸延伸してフィルム等とし、又、射出成形によってプリ
フォームに成形した後、延伸ブロー成形することによっ
て、或いは、押出成形によって成形したパリソンをブロ
ー成形することによって、ボトル等に成形し、特に飲食
品の包装資材等として有用なものとなる。又、押出成形
等によってフィラメント状に成形した後、延伸、或いは
紡糸等を施すことにより繊維としても有用なものとな
る。
【0045】本発明のポリエステル樹脂の前記成形体へ
の成形は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防
曇剤、核剤、可塑剤、着色剤等の、ポリエステル樹脂に
通常用いられる添加剤を添加し、常法に従ってなされ
る。
【0046】特に、本発明のポリエステル樹脂は、二軸
延伸フィルムとして用いるに好適であり、二軸延伸フィ
ルムとしたときの該フィルム表面における突起の数が、
以下の(1)、(2)、及び(3)を満足するものであ
るのが好ましい。 (1)高さ0.27μm以上の突起数が50個/20c
2 以下。 (2)高さ0.54μm以上の突起数が10個/20c
2 以下。 (3)高さ0.81μm以上の突起数が3個/20cm
2 以下。
【0047】又、前記(1)における高さ0.27μm
以上の突起数は30個/20cm2以下であるのがより
好ましく、20個/20cm2 以下であるのが更に好ま
しく、10個/20cm2 以下であるのが特に好まし
い。又、前記(2)における高さ0.54μm以上の突
起数は、5個/20cm2 以下であるのが更に好まし
く、又、前記(3)における高さ0.81μm以上の突
起数は、1個/20cm2以下であるのが更に好まし
い。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
【0049】実施例1 スラリー調製槽、及びそれに直列に接続された2段のエ
ステル化反応槽、及び2段目のエステル化反応槽に直列
に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置
を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレング
リコールを重量比で865:485の割合で連続的に供
給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレン
グリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対して燐原
子としての含有量(P)が9ppmとなる量で連続的に
添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製
し、このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧
力50kPa(0.5kg/cm2 G)、平均滞留時間
4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次い
で、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.
05kg/cm2 G)、平均滞留時間1.5時間に設定
された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送し
て、エステル化反応させた。その際、第2段目に設けた
上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物のエチレ
ングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してマ
グネシウム原子としての含有量(Mg)が30ppmと
なる量で連続的に添加した。尚、以下に示す方法により
測定した第1段目、及び第1段目のエステル化率は、各
々、85%、95%であった。
【0050】<エステル化率>試料を重水素化クロロホ
ルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/
3)の混合溶媒に濃度3重量%で溶解させた溶液につい
て、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX27
0型」)にて、 1H−NMRを測定して各ピークを帰属
し、末端カルボキシル基量(Aモル/試料トン)をピー
クの積分値から計算し、以下の式により、テレフタル酸
単位の全カルボキシル基のうちエステル化されているも
のの割合としてのエステル化率(E%)を算出した。エ
ステル化率(E)=〔1−A/{(1000000/1
92.2)×2}〕×100
【0051】引き続いて、前記で得られたエステル化反
応生成物を溶融重縮合槽に移送する際、その移送配管中
のエステル化反応生成物に、テトラブチルチタネートの
エチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対
してチタン原子としての含有量(Ti)が2ppmとな
る量で、更に、三酸化アンチモンのエチレングリコール
溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してアンチモン原子
としての含有量(Sb)が90ppmとなる量で、連続
的に添加しつつ、270℃、絶対圧力2.6kPa(2
0Torr)に設定された第1段目の溶融重縮合槽、次
いで、278℃、絶対圧力0.5kPa(4Torr)
に設定された第2段目の溶融重縮合槽、次いで、280
℃、絶対圧力0.3kPa(2Torr)に設定された
第3段目の溶融重縮合槽に連続的に移送して、得られる
ポリエステル樹脂の固有粘度(〔η〕)が0.65dl
/gとなるように各重縮合槽における滞留時間を調整し
て溶融重縮合させ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出
し口からストランド状に抜き出して、水冷後、カッター
で切断してチップ状粒状体としたポリエステル樹脂を製
造した。
【0052】得られたポリエステル樹脂について、ジエ
チレングリコール含有量、金属原子含有量、異種物質粒
子数、固有粘度、末端カルボキシル基量、体積固有抵
抗、及び色調を、以下に示す方法により測定し、結果を
表1に示した。
【0053】<ジエチレングリコール含有量>樹脂試料
を重水素化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノ
ール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%で溶解
させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製
「JNM−EX270型」)を用いて、1 H−NMRを
測定して各ピークを帰属し、ピークの積分値から全ジオ
ール成分に対するジエチレングリコールのモル%を算出
した。
【0054】<金属原子含有量>樹脂試料2.5gを、
硫酸存在下に過酸化水素で常法により灰化、完全分解
後、蒸留水にて50mlに定容したものについて、プラ
ズマ発光分光分析装置(JOBIN YVON社製IC
P−AES「JY46P型」)を用いて定量し、ポリエ
ステル樹脂中のppm量に換算した。
【0055】<異種物質粒子数>樹脂試料10kgを、
熱風乾燥機中、180℃、2時間で結晶化及び乾燥させ
て水分量を100ppm以下とした後、40mm径の一
軸押出機中に金属繊維焼結フィルター(95%カット濾
過精度15μm)を内蔵し、80mm径の4条スパイラ
ル環状ダイを備えたチューブラーフィルム成形機によ
り、樹脂温度285℃、押出速度8kg/時間で溶融押
出し、60mm径の冷却リングで冷却してチューブラー
成形することにより、厚み210μm、折り幅10cm
のチューブラーフィルムを得た。そのチューブラーフィ
ルムの内面を検鏡試料とし、位相差顕微鏡(ニコン社製
「OPTIPHOT XF−Ph型」、対物レンズは4
0Xを使用)の三眼鏡筒にCCDカメラを装着し、ディ
スプレイ上での倍率を1,000倍、視野範囲を0.1
23mm×0.114mmとし、これを介して、画像処
理装置(日本アビオニクス社製「SPICCA0−II
型」)に濃淡画像として入力した。次いで、フィルムの
表面及び裏面に焦点を合わせてフィルム厚み範囲を確認
した後、画像処理装置で濃淡画像の蓄積入力モードで表
面から裏面までフォーカススキャンしながら画像を取り
込み、画像処理装置で認識される粒子の周上の2点間の
直線距離の最大値を最大径とし、その最大径1μm以上
の粒子個数をカウントする操作を、異なる視野で3回繰
り返して行い、その個数の平均値を0.01mm3 のフ
ィルム体積当たりに換算した。
【0056】<固有粘度>凍結粉砕した樹脂試料0.2
5gを、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/
1)の混合溶媒に、濃度(c)を1.0g/dlとし
て、110℃で30分間で溶解させた後、ウベローデ型
毛細粘度管を用いて、30℃で、原液との相対粘度(η
rel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−1から求め
た比粘度(η sp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求
め、同じく濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/d
l、0.1g/dlとしたときについてもそれぞれの比
(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0
に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度〔η〕(d
l/g)として求めた。
【0057】<末端カルボキシル基量>チップを粉砕し
た後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デ
シケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを
精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを
加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分
間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加
えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指
示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪
拌下に、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶
液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。
又、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様
の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
【0058】 酸価(当量/トン)=(A−B)×0.1×f/W 〔ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダの
ベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランク
での滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアル
コール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料
の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルア
ルコール溶液の力価である。〕
【0059】尚、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアル
コール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5ml
を採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬
として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジル
アルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次い
で、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として
0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの苛性ソーダ
のベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した。(以
上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った。) 以下の式によって力価(f)を算出した。 力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの
塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダの
ベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
【0060】<体積固有抵抗>樹脂試料15gを、内径
20mm、長さ180mmの枝付き試験管に入れ、管内
を十分に窒素置換した後、160℃のオイルバス中に浸
漬し、管内を真空ポンプで1Torr以下として4時間
真空乾燥し、次いで、オイルバス温度を285℃に昇温
して樹脂試料を溶融させた後、窒素復圧と減圧を繰り返
して混在する気泡を取り除いた。この溶融体の中に、面
積1cm2 のステンレス製電極2枚を5mmの間隔で並
行に(相対しない裏面を絶縁体で被覆)挿入し、温度が
安定した後に、抵抗計(ヒューレット・パッカード社製
「MODEL HP4329A」)で直流電圧100V
を印加し、そのときに抵抗値を体積固有抵抗(Ω・c
m)とした。
【0061】<色調>樹脂試料を、内径36mm、深さ
15mmの円柱状の粉体測色用セルに充填し、測色色差
計(日本電色工業社製「ND−300A」)を用いて、
JIS Z8730の参考1に記載されるLab表色系
におけるハンターの色差式の色座標b値を、反射法によ
り測定セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の
単純平均値として求めた。
【0062】一方、得られたポリエステル樹脂から、異
種物質粒子数の測定におけると同様にしてチューブラー
成形により状未延伸フィルムを成形し、引き続いて、二
軸延伸機(T.M.Long社製)を用いて、未延伸フ
ィルムを92℃で2分間予熱した後、20,000%/
分の延伸速度で、縦方向4.0倍、横方向3.5倍の延
伸倍率で同時二軸延伸し、延伸後、92℃で1分間の熱
固定を行うことにより、二軸延伸フィルムを成形した。
【0063】得られた二軸延伸フィルムについて、以下
に示す方法で、フィルム表面の突起数を観察し、結果を
表1に示した。 <二軸延伸フィルム表面の突起数>二軸延伸フィルムを
SUS製角形金枠に張設し、真空蒸着機内でアルミ蒸着
した後、表面に無作為に2.0cm×2.5cmの枠を
マーキングし、その面積内における粗大突起数を、ハロ
ゲンランプの白色光にGフィルターをかけて光源とした
二光束顕微鏡にて観察した。粗大突起は、干渉縞が閉じ
た等高線として観察され、突起高さが大きくなるに従い
その等高線の本数が多くなる。本発明においては、突起
高さが0.27μm、0.54μm、及び0.81μm
の各等高線の本数により以下の区分で突起数をカウント
し、20cm2 のフィルム面積当たりに換算した。 (1)等高線数が1本以上の高さ0.27μm以上の突
起数。 (2)等高線数が2本以上の高さ0.54μm以上の突
起数。 (3)等高線数が3本以上の高さ0.81μm以上の突
起数。
【0064】又、別に、乾燥後のポリエステル樹脂チッ
プを、以下に示す方法で、溶融紡糸したときのダイ出口
での目ヤニの発生有無を評価した。 <目ヤニ発生有無>0.6mm径の多数の丸孔を有する
ダイを備えたエクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度
295℃で48時間連続成形を行った後のダイにおける
目ヤニに発生有無を目視観察した。
【0065】実施例2〜16 エチルアシッドホスフェート、酢酸マグネシウム4水和
物、テトラブチルチタネート、及び三酸化アンチモンの
添加量を表1に示すように変えた外は、実施例1におけ
ると同様にしてポリエステル樹脂チップを製造し、同様
に評価し、結果を表1に示した。
【0066】実施例17 エチルアシッドホスフェートに代えて正燐酸を用いた外
は、実施例1におけると同様にしてポリエステル樹脂チ
ップを製造し、同様に評価し、結果を表1に示した。
【0067】比較例1 エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕
込み口、及び生成物取り出し口を備えた第1エステル化
反応槽、及び、反応槽内を二分割し、その第1槽目と第
2槽目の各々に攪拌装置、分縮器、原料仕込み口、及び
生成物取り出し口を備えた第2エステル化反応槽よりな
る3段の完全混合槽型の連続反応装置を用い、その第1
エステル化反応槽内の反応生成物が存在する系内に、テ
レフタル酸に対するエチレングリコールのモル比を1.
7に調整したスラリーを連続的に供給すると共に、別の
仕込み口より、酢酸マグネシウム4水和物のエチレング
リコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してマグネ
シウム原子としての含有量(Mg)が20ppmとなる
量で連続的に添加し、常圧、255℃にて平均滞留時間
4時間でエステル化反応させ、次いで、反応生成物を第
2エステル化反応槽の第1槽目に移送し、その第1槽目
からオーバーフロー方式で第2槽目に移送し、その際、
第1槽目に、正燐酸のエチレングリコール溶液を、生成
ポリエステル樹脂に対して燐原子としての含有量(P)
が5ppmとなる量で、更に、第2槽目に19ppmと
なる量で、連続的に添加し、それぞれ、常圧、260℃
にて平均滞留時間2.5時間でエステル化反応させた。
【0068】引き続いて、得られたエステル化反応生成
物を、攪拌装置、分縮器、原料仕込み口、及び生成物取
り出し口を備えた2段の重縮合槽を備えた溶融重縮合槽
に移送し、その際、移送配管中のエステル化反応生成物
に、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を、生
成ポリエステル樹脂に対してアンチモン原子としての含
有量(Sb)が80ppmとなる量で、更に、テトラブ
チルチタネートのエチレングリコール溶液を、生成ポリ
エステル樹脂に対してチタン原子としての含有量(T
i)が3ppmとなる量で、連続的に添加しつつ、27
0℃、減圧下に滞留時間3時間19分で溶融重縮合さ
せ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストラ
ンド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してチッ
プ状粒状体としたポリエステル樹脂を製造した。得られ
たポリエステル樹脂チップについて、実施例1における
と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0069】比較例2 テトラブチルチタネートを添加しなかったこと、酢酸マ
グネシウム4水和物と三酸化アンチモンとを、両者の混
合物としてエステル化反応生成物の溶融重縮合槽への移
送配管中のエステル化反応生成物に添加したこと、及
び、エチルアシッドホスフェートも含む添加量を表1に
示すように変えたこと、の外は、実施例1におけると同
様にしてポリエステル樹脂チップを製造し、同様に評価
し、結果を表1に示した。
【0070】比較例3 ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコ
ール70重量部とを、エステル交換触媒として酢酸カル
シウム1水和物及び酢酸マグネシウム4水和物を、生成
ポリエステル樹脂に対して、カルシウム原子としての含
有量(Ca)が67ppmとなる量、マグネシウム原子
としての含有量(Mg)が47ppmとなる量で添加
し、メタノール溜出開始20分後に、三酸化アンチモン
を生成ポリエステル樹脂に対してアンチモン原子として
の含有量(Sb)が47ppmとなる量で添加してエス
テル交換反応させ、更に、トリメチルホスフェートを生
成ポリエステル樹脂に対して燐原子としての含有量
(P)が40ppmとなる量で添加してエステル交換反
応を実質的に終了させた。引き続いて、テトラブチルチ
タネートを生成ポリエステル樹脂に対してチタン原子と
しての含有量(Ti)が5ppmとなる量で添加し、高
温減圧下で常法に従って3時間3分かけて溶融重縮合さ
せ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストラ
ンド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してチッ
プ状粒状体としたポリエステル樹脂を製造した。得られ
たポリエステル樹脂チップについて、実施例1における
と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0071】比較例4 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート254重
量部とテレフタル酸83重量部を精溜塔を有する重合缶
に投入し、微量の窒素を流しながら、攪拌下に250℃
まで昇温し、その間、エチレングリコールを還流させ、
生じた水だけを系外に溜去した。溜去した水の量より計
算して、エステル交換率が80%に達したところで、三
酸化アンチモンとテトラブチルチタネートの混合物、酢
酸マグネシウム4水和物、及びトリメチルホスフェート
を、それぞれエチレングリコール溶液として、生成ポリ
エステル樹脂に対して、アンチモン原子としての含有量
(Sb)が100ppm、チタン原子としての含有量
(Ti)が1ppm、マグネシウム原子としての含有量
(Mg)が65ppm、燐原子としての含有量(P)が
50ppmとなる量で添加し、加熱、攪拌を続けながら
徐々に減圧し、約1時間かけて缶内を5Torr以下と
すると共に、285℃に昇温した後、5時間20分かけ
て溶融重縮合させ、缶の底部に設けられた抜き出し口か
らストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断
してチップ状粒状体としたポリエステル樹脂を製造し
た。得られたポリエステル樹脂チップについて、実施例
1におけると同様に評価し、結果を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、フィルムや繊維等に成
形するにおける破断や糸切れ、及び目ヤニの発生等の成
形上の問題が抑制され、又、表面外観に優れたフィルム
や繊維、及びボトル等の成形体を得ることができるポリ
エステル樹脂、及びそれからなるフィルム、繊維を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢次 豊 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 神戸 紀郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 丹羽 博嗣 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 抜井 正博 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA80 AA88 AB06 AB09 AB10 AC15 AE21 AF27 AF29 AF55 AH05 AH19 BA01 BB06 BB08 BC01 BC08 BC14 4J029 AA03 AB01 AB04 AC01 AD01 AE01 AE02 AE03 BA01 BA02 BA03 BB04B BD03A BF08 BH02 CA02 CA06 CB04A CB05A CB05B CB10A CC05A CF06 CF08 DB02 HA01 HB01 HB02 HB03A JA011 JA251 JC411 JC481 JC581 JF181 JF221 JF231 JF361 JF471 KE02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸又はそのエステル形成性誘
    導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリ
    コールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反
    応或いはエステル交換反応を経て重縮合させて得られた
    ポリエステル樹脂であって、含有される最大径1μm以
    上の異種物質粒子の数が20個/0.01mm3 以下で
    あることを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 燐化合物の存在下に重縮合されたもので
    あり、その燐化合物に由来する燐原子としての含有量
    (P)が0.1〜20ppmである請求項1に記載のポ
    リエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマ
    ニウム、及びアンチモンからなる群より選択された少な
    くとも1種の元素の化合物の共存下に重縮合されたもの
    であり、それらの化合物に由来する金属原子としての含
    有量(S)が0.1〜200ppmである請求項2に記
    載のポリエステル樹脂。
  4. 【請求項4】 アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマ
    ニウム、及びアンチモンからなる群より選択された少な
    くとも1種の元素の化合物がアンチモン化合物であり、
    そのアンチモン化合物に由来するアンチモン原子として
    の含有量(Sb)の、燐原子としての含有量(P)に対
    する比(Sb/P)が6〜45である請求項3に記載の
    ポリエステル樹脂。
  5. 【請求項5】 周期表第1A族の金属元素、周期表第2
    A族の元素、マンガン、鉄、及びコバルトからなる群よ
    り選択された少なくとも1種の元素の化合物の共存下に
    重縮合されたものであり、それらの化合物に由来する金
    属原子としての含有量(M)が0.1〜100ppmで
    ある請求項2乃至4のいずれかに記載のポリエステル樹
    脂。
  6. 【請求項6】 周期表第1A族の金属元素、周期表第2
    A族の元素、マンガン、鉄、及びコバルトからなる群よ
    り選択された少なくとも1種の元素の化合物がマグネシ
    ウム化合物であり、そのマグネシウム化合物に由来する
    マグネシウム原子としての含有量(Mg)の、燐原子と
    しての含有量(P)に対する比(Mg/P)が1.5〜
    15である請求項5に記載のポリエステル樹脂。
  7. 【請求項7】 周期表第4A族のチタン族元素からなる
    群より選択された少なくとも1種の元素の化合物の共存
    下に重縮合されたものであり、それらの化合物に由来す
    る金属原子としての含有量(T)が0.1〜10ppm
    である請求項2乃至6のいずれかに記載のポリエステル
    樹脂。
  8. 【請求項8】 周期表第4A族のチタン族元素からなる
    群より選択された少なくとも1種の元素の化合物がチタ
    ン化合物であり、そのチタン化合物に由来するチタン原
    子としての含有量(Ti)が0.5〜6ppmである請
    求項7に記載のポリエステル樹脂。
  9. 【請求項9】 燐化合物が燐酸エステルである請求項1
    乃至8のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  10. 【請求項10】 固有粘度が0.55〜0.70dl/
    g、末端カルボキシル基量が50当量/トン以下、体積
    固有抵抗が1×106 〜1×1010Ω・cmである請求
    項1〜9のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  11. 【請求項11】 二軸延伸フィルムとしたときの該フィ
    ルム表面における高さ0.27μm以上の突起の数が、
    以下の(1)、(2)、及び(3)を満足する請求項1
    〜10に記載のポリエステル樹脂。 (1)高さ0.27μm以上の突起数が50個/20c
    2 以下。 (2)高さ0.54μm以上の突起数が10個/20c
    2 以下。 (3)高さ0.81μm以上の突起数が3個/20cm
    2 以下。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    ポリエステル樹脂からなるフィルム。
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