JP2003119257A - ポリエステル樹脂及びそれからなる射出ブローボトル - Google Patents

ポリエステル樹脂及びそれからなる射出ブローボトル

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JP2003119257A
JP2003119257A JP2001314831A JP2001314831A JP2003119257A JP 2003119257 A JP2003119257 A JP 2003119257A JP 2001314831 A JP2001314831 A JP 2001314831A JP 2001314831 A JP2001314831 A JP 2001314831A JP 2003119257 A JP2003119257 A JP 2003119257A
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polyester resin
ppm
temperature
acid
injection
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JP2001314831A
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English (en)
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Kiyotoshi Fujioka
清利 藤岡
Yoshitaka Fujimori
義啓 藤森
Takeshi Doi
武之 土井
Masahiro Nukii
正博 抜井
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、強度、内容飲料等の耐風味低下性、
及び耐環境応力亀裂性に優れたボトルを得ることができ
るポリエステル樹脂、及びそれからなる射出ブローボト
ルを提供する。 【構成】 エチレンテレフタレート単位を主たる構成繰
り返し単位とするポリエステル樹脂であって、(1)成
形体とした後の昇温結晶化温度が155℃以上で、降温
結晶化温度が180℃以下であるか若しくは観測されな
いこと、(2)280℃での射出成形後の成形体におけ
るアセトアルデヒド含有量(ppm)と、射出成形前の
アセトアルデヒド含有量(ppm)との差が15ppm
以下であること、(3)厚み1mmの射出成形板を、直
径32mmの円筒体外周に沿って固定した状態で、25
℃の0.2重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した
ときの環境応力破壊時間が10分以上であること、の特
性を満足するポリエステル樹脂、及び、該ポリエステル
樹脂からなる射出ブローボトル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
及びそれからなる射出ブローボトルに関し、更に詳しく
は、透明性、強度、内容飲料等の耐風味低下性、及び耐
環境応力亀裂性に優れたボトルを得ることができるポリ
エステル樹脂、及びそれからなる射出ブローボトルに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲料、液体洗剤、化粧品等の
ボトルとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂が、優
れた機械的性質及び化学的特性に加え、その優れた透明
性、ガスバリア性、安全衛生性等の面から注目され、著
しい伸びを示している。
【0003】これらのポリエチレンテレフタレート樹脂
ボトルの中で、特に炭酸飲料用のボトルにおいては、内
容飲料の内圧による応力が負荷された状態で流通され、
環境温度、薬剤、溶剤等の外部要因によって亀裂が発生
し易い状態下で用いられることから、例えば、ボトル成
形ラインにおいて使用される界面活性剤等の潤滑剤が亀
裂の発生を加速する要因にもなり、耐環境応力亀裂性が
重要な特性となっている。
【0004】一方、炭酸飲料用ボトルに耐環境応力亀裂
性を付与すること等を意図して、例えば、多官能性化合
物成分を共重合させる方法(例えば、特開平5−848
08号公報等)、ボトルにアニール処理を施す方法(例
えば、特開平6−297550号公報等)等が提案され
ているが、これらの方法では、ボトル製造時の熱安定性
やボトルとしての透明性、ボトルの生産性等の観点から
必ずしも満足できるものではなく、それらをバランスさ
せた透明性、及び耐環境応力亀裂性等に優れたボトルが
求められているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の現状
に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、透明性、
強度、内容飲料等の耐風味低下性、及び耐環境応力亀裂
性に優れたボトルを得ることができるポリエステル樹
脂、及びそれからなる射出ブローボトルを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレンテレ
フタレート単位を主たる繰り返し構成単位とするポリエ
ステル樹脂であって、以下の(1)、(2)、及び
(3)の特性を満足するポリエステル樹脂、及び、該ポ
リエステル樹脂からなる射出ブローボトル、を要旨とす
る。
【0007】(1)成形体とした後の昇温結晶化温度
(Tc1)が155℃以上で、降温結晶化温度(Tc2)が
180℃以下であるか若しくは観測されないこと。 (2)280℃での射出成形後の成形体におけるアセト
アルデヒド含有量(AAS ;ppm)と、射出成形前の
アセトアルデヒド含有量(AA0 ;ppm)との差(A
S −AA0 )が15ppm以下であること。 (3)厚み1mmの射出成形板を、直径32mmの円筒
体外周に沿って固定した状態で、25℃の0.2重量%
水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬したときの環境応力破
壊時間が10分以上であること。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル樹脂は、エ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し構成単位と
するポリエステル樹脂であって、テレフタル酸又はその
エステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分
とエチレングリコールを主成分とするジオール成分と
を、エステル化反応或いはエステル交換反応を経て重縮
合させることにより得られたものであり、テレフタル酸
又はそのエステル形成性誘導体が全ジカルボン酸成分の
96モル%以上占めるジカルボン酸成分と、エチレング
リコールが全ジオール成分の97モル%以上占めるジオ
ール成分との重縮合体であるのが好ましく、それらによ
るエチレンテレフタレート単位が構成繰り返し単位の9
6モル%以上を占めるものであるのが好ましい。エチレ
ンテレフタレート単位が96モル%未満では、ボトル等
の成形体として機械的強度や耐熱性が劣る傾向となる。
【0009】尚、テレフタル酸及びそのエステル形成性
誘導体以外のジカルボン酸成分として、例えば、フタル
酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジカル
ボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエー
テルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカル
ボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の
脂環式ジカルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、並びに、これらジカルボン酸
の炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル形
成性誘導体等の一種又は二種以上が、共重合成分として
用いられていてもよい。
【0010】又、エチレングリコール以外のジオール成
分として、例えば、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、1,
2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,
4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、
及び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等の一種又は二
種以上が、共重合成分として用いられていてもよい。
【0011】更に、例えば、グリコール酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等
のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及
び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステ
アリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル
安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
ロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能
成分、等の一種又は二種以上が、共重合成分として用い
られていてもよい。
【0012】そして、本発明におけるポリエステル樹脂
は、前記ジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを、必
要に応じて用いられる共重合成分と共に、エステル化反
応或いはエステル交換反応を経て重縮合させることによ
り得られたものであるが、重縮合性等の面から、アンチ
モン化合物又は/及びチタン化合物の存在下に重縮合さ
せたものであるのが好ましく、それに伴いポリエステル
樹脂はそのアンチモン化合物又は/及びチタン化合物
を、アンチモン原子(Sb)としての含有量(ppm)
とチタン原子(Ti)としての含有量(ppm)が下記
式を満足する範囲で含有するのが好ましい。 0≦Sb≦200 0≦Ti≦10 150≦100Ti+Sb≦1,200
【0013】アンチモン原子(Sb)としての含有量が
前記範囲超過では、ボトル等の成形体として透明性が低
下する傾向となり、又、チタン原子(Ti)としての含
有量が前記範囲超過では、色調が悪化する傾向となる。
又、(100×Ti+Sb)が前記範囲未満では重縮合
性が不十分となり、一方、前記範囲超過では、ボトル等
の成形体としたときのアセトアルデヒド量の増加が大き
く、又、熱安定性も低下する傾向となる。
【0014】尚、ここで、そのアンチモン化合物として
は、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢
酸アンチモン、メトキシアンチモン、トリフェニルアン
チモン、アンチモングリコレート等が挙げられ、中で、
三酸化アンチモンが好ましい。
【0015】又、そのチタン化合物としては、例えば、
テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピ
ルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ
−t−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネー
トテトラマー、テトラシクロヘキシルチタネート、テト
ラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート、酢
酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム、蓚酸チタ
ンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウ
ム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタ
ン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、臭化チタ
ン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ
化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、六フ
ッ化チタン酸アンモニウム、チタンアセチルアセトナー
ト等が挙げられ、中で、テトラ−n−プロピルチタネー
ト、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブ
チルチタネート、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム等が
好ましい。
【0016】又、重縮合は、その重縮合性、及び環状三
量体やアセトアルデヒド等の副生成物の低減下、並びに
得られる樹脂の透明性、色調等の面から、周期律表第IA
族又は第IIA 族の金属元素の化合物、及び燐化合物の共
存下になされたものであるのが好ましく、それに伴いポ
リエステル樹脂は前記金属元素の化合物、及び燐化合物
を含有するが、前記金属元素の化合物をそれら原子の合
計(M)として0.2〜5モル/トン、及び、燐化合物
を燐原子(P)として0.1〜7モル/トン、それぞれ
含有するのが好ましく、前記金属元素化合物の原子の合
計(M)として0.3〜3モル/トン、及び、燐化合物
を燐原子(P)として0.2〜2モル/トン、それぞれ
含有するのが更に好ましい。
【0017】尚、その周期律表第IA族又は第IIA 族の金
属元素の化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の、酸化
物、水酸化物、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、蓚酸
塩、及びハロゲン化物等、具体的には、例えば、酢酸リ
チウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシ
ド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシ
ウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム等が挙げられる。中で、マグネシウム化合物が好ま
しい。
【0018】又、その燐化合物としては、例えば、正燐
酸、ポリ燐酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエ
チルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、ト
リオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、トリス(トリエチレングリ
コール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテ
ート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホ
スフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチ
ルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、トリエ
チレングリコールアシッドホスフェート等の5価の燐化
合物、亜燐酸、次亜燐酸、及び、ジエチルホスファイ
ト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシル
ホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価の燐
化合物等が挙げられ、中で、正燐酸、トリス(トリエチ
レングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホ
ノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチ
レングリコールアシッドホスフェート、亜燐酸等が好ま
しく、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェー
ト、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッ
ドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホス
フェートが特に好ましい。
【0019】尚、重縮合時には、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、前記各化合物以外の金属化合物を共存させ
てもよく、それに伴い本発明のポリエステル樹脂はその
金属化合物を含有していてもよい。その場合の金属化合
物としては、アルミニウム、クロム、鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリ
ブデン、銀、錫、ランタン、セリウム、ハフニウム、タ
ングステン、金等の酸化物、水酸化物、アルコキシド、
炭酸塩、燐酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等の化合
物が挙げられる。
【0020】本発明のポリエステル樹脂は、基本的に
は、ポリエステル樹脂の慣用の製造方法により製造され
たものである。即ち、前記テレフタル酸又はそのエステ
ル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチ
レングリコールを主成分とするジオール成分とを、エス
テル化反応槽で、通常240〜280℃程度の温度、通
常0〜4×105 Pa程度の加圧下で、攪拌下に1〜1
0時間程度でエステル化反応させ、或いは、エステル交
換触媒の存在下にエステル交換反応させた後、得られた
エステル化反応生成物或いはエステル交換反応生成物と
してのポリエステル低分子量体を重縮合槽に移送し、前
記化合物の存在下に、通常250〜290℃程度の温
度、常圧から漸次減圧として最終的に通常1333〜1
3.3Pa程度の減圧下で、攪拌下に1〜20時間程度
で溶融重縮合させることにより製造され、これらは連続
式、又は回分式でなされる。尚、エステル交換反応の場
合はエステル交換触媒を用いる必要があること等から、
一般に得られるポリエステル樹脂の色調や熱安定性等が
劣る傾向にあるため、本発明においてはエステル化反応
を経たものであるのが好ましい。
【0021】又、通常、溶融重縮合により得られた樹脂
は、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストラ
ンド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カ
ッターで切断されてペレット状、チップ状等の粒状体と
されるが、更に、この溶融重縮合後の粒状体を、通常、
窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、
又は水蒸気雰囲気下、或いは水蒸気含有不活性ガス雰囲
気下で、通常60〜180℃程度の温度で加熱して樹脂
粒状体表面を結晶化させた後、不活性ガス雰囲気下、又
は/及び、1333〜13.3Pa程度の減圧下で、通
常、樹脂の粘着温度直下〜80℃低い温度で、粒状体同
士が膠着しないように流動等させながら、通常50時間
程度以下の時間で加熱処理して固相重縮合させることが
好ましく、この固相重縮合により、更に高重合度化させ
得ると共に、反応副生成物の環状三量体やアセトアルデ
ヒド等を低減化したものとすることができる。
【0022】又、更に、前記の如き溶融重縮合又は固相
重縮合により得られた樹脂は、熱安定性の改良、成形時
の環状三量体やアセトアルデヒド等の副生成物の低減化
等の目的で、通常、40℃以上の温水に10分以上浸漬
させる水処理、或いは、60℃以上の水蒸気又は水蒸気
含有ガスに30分以上接触させる水蒸気処理等の処理が
施されてもよい。
【0023】本発明のポリエステル樹脂は、以下の
(1)、(2)、及び(3)の特性を満足することを必
須とする。 (1)成形体とした後の昇温結晶化温度(Tc1)が15
5℃以上で、降温結晶化温度(Tc2)が180℃以下で
あるか若しくは観測されないこと。 (2)280℃での射出成形後の成形体におけるアセト
アルデヒド含有量(AAS ;ppm)と、射出成形前の
アセトアルデヒド含有量(AA0 ;ppm)との差(A
S −AA0 )が15ppm以下であること。 (3)厚み1mmの射出成形板を、直径32mmの円筒
体外周に沿って固定した状態で、25℃の0.2重量%
水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬したときの環境応力破
壊時間が10分以上であること。
【0024】本発明のポリエステル樹脂は、成形体とし
た後の昇温結晶化温度(Tc1)が155℃以上で、降温
結晶化温度(Tc2)が180℃以下であるか若しくは観
測されないものであり、昇温結晶化温度(Tc1)は15
7以上であるのが好ましく、降温結晶化温度(Tc2)は
178℃以下であるか若しくは観測されないのが好まし
い。昇温結晶化温度(Tc1)が前記範囲未満であるか、
降温結晶化温度(Tc2)が前記範囲超過では、ボトル等
の成形体として透明性が劣ることとなる。
【0025】又、本発明のポリエステル樹脂は、280
℃での射出成形後の成形体におけるアセトアルデヒド含
有量(AAS ;ppm)と、射出成形前のアセトアルデ
ヒド含有量(AA0 ;ppm)との差(AAS −A
0 )が15ppm以下であるものであり、その(AA
S −AA0 )は13ppm以下であるのが好ましい。
(AAS −AA0 )が前記範囲超過では、ボトル等の成
形体として内容飲料等の耐風味低下性が劣ることとな
る。
【0026】又、本発明のポリエステル樹脂は、厚み1
mmの射出成形板を、直径32mmの円筒体外周に沿っ
て固定した状態で、25℃の0.2重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液中に浸漬したときの環境応力破壊時間が10
分以上であるものであり、その環境応力破壊時間が12
分以上であるのが好ましい。
【0027】尚、ここで、環境応力破壊時間は、長さ5
0mm、幅6mm、厚み1mmの射出成形板を、直径3
2mmの円筒体外周に沿って、成形板の長さ方向の両端
を円筒体外周の半周にわたって固定した状態で、25℃
の0.2重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、亀
裂が発生するまでの時間を測定したものである。
【0028】又、本発明のポリエステル樹脂は、更に、
以下の(4)、(5)及び(6)の特性を満足するもの
であるのが好ましい。 (4)樹脂中のジオール成分に占めるジエチレングリコ
ールの割合が2.0モル%以下であること。 (5)末端カルボキシル基量が20〜50当量/樹脂ト
ンであること。 (6)固有粘度(〔η〕)が0.75〜1.0dl/g
であること。
【0029】本発明のポリエステル樹脂は、樹脂中のジ
オール成分に占めるジエチレングリコールの割合が2.
0モル%以下であるのが好ましく、1.8モル%以下で
あるのが更に好ましく、1.6モル%以下であるのが特
に好ましい。ジオール成分に占めるジエチレングリコー
ルの割合が前記範囲超過では、ボトル等の成形体として
耐環境応力亀裂性が劣る傾向となる。
【0030】又、本発明のポリエステル樹脂は、末端カ
ルボキシル基量が20〜50当量/樹脂トンであるのが
好ましい。末端カルボキシル基量が前記範囲未満では、
ボトル等の成形体として耐環境応力亀裂性が劣る傾向と
なり、一方、前記範囲超過では、熱安定性等が劣る傾向
となる。
【0031】又、本発明のポリエステル樹脂は、固有粘
度(〔η〕)が、フェノール/テトラクロロエタン(重
量比1/1)の混合溶媒中で30℃で測定した値とし
て、0.75〜1.0dl/gであるのが好ましく、
0.80〜0.90dl/gであるのが更に好ましい。
固有粘度が前記範囲未満では、ボトル等の成形体として
耐環境応力亀裂性等の機械的強度が不足すると共に、延
伸ブロー成形等の成形において均一な延伸が困難な傾向
となり、一方、前記範囲超過では、成形性が低下すると
共に、延伸ブロー成形等の成形においてブロー圧によっ
て成形体が破断する等の問題を生じる傾向となる。
【0032】又、本発明のポリエステル樹脂は、更に、
以下の(7)の特性を満足するものであるのが好まし
い。 (7)厚み4mmの射出成形板としての波長1,000
nmにおける吸光度が0.06〜0.20であること。
【0033】本発明のポリエステル樹脂は、厚み4mm
の射出成形板としての波長1,000nmにおける吸光
度が0.04〜0.20であるのが好ましく、0.06
〜0.15であるのが更に好ましい。吸光度が前記範囲
未満では、ボトル成形時の加熱処理に時間がかかり生産
性が低下する傾向となるか、或いは加熱処理による口栓
部等の形状が悪化する傾向となり、一方、前記範囲超過
では、ボトル等の成形体として透明性が劣る傾向とな
る。
【0034】尚、本発明において、ポリエステル樹脂に
は、必要に応じて、一般に用いられる赤外線吸収剤、及
び、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止
剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、核剤、可塑
剤、着色剤、分散剤、充填材等の添加剤が含有されてい
てもよい。
【0035】本発明のポリエステル樹脂は、必要に応じ
て用いられる前記添加剤等と共に、常法により溶融混練
することにより成形用材料として調製される。そして、
例えば、射出成形によってプリフォームに成形した後、
ブロー成形金型内で二軸延伸し延伸ブロー成形してボト
ルを成形する射出ブローボトルの成形に好適に用いられ
る。尚、その際の射出成形条件としては、通常採用され
ている範囲であって、例えば、シリンダー温度260〜
300℃、スクリュー回転数40〜300rpm、射出
圧力4×106 〜14×106 Pa、金型温度5〜40
℃程度とし、又、延伸ブロー成形条件としては、延伸温
度70〜120℃、延伸倍率は縦方向に1.5〜3.5
倍、円周方向に2〜5倍程度とし、更に、温度100〜
200℃で数秒〜数分間の熱固定がなされる。
【0036】本発明のポリエステル樹脂は、射出成形に
よって得られたプリフォームを、再加熱後にブロー成形
よってボトルを成形する射出ブローボトルの成形に好適
であり、特に、炭酸飲料やアルコール飲料用等のボト
ル、就中、炭酸飲料用のボトルとして好適に用いられ
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
【0038】実施例1 平均粒子径25μmの高純度テレフタル酸13kg、及
び、エチレングリコール12.2kgのスラリーを、予
め0.3kgのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタ
レートが仕込まれ、温度250℃、圧力1.0×105
Paに保持されたエステル化反応槽に3時間かけて順次
供給し、供給終了後も更に1時間かけてエステル化反応
を行い、このエステル化反応生成物の半量を重縮合槽に
移送した。尚、エステル化反応時に生成する水及びエチ
レングリコール成分は全量系外に溜出させた。
【0039】次いで、エステル化反応生成物が移送され
た前記重縮合槽に、その配管より、エチルアシッドホス
フェートのエチレングリコール溶液、三酸化アンチモン
のエチレングリコール溶液、及び酢酸マグネシウム4水
和物の水/エチレングリコール溶液を、生成ポリエステ
ル樹脂に対して、燐原子(P)として59ppm、アン
チモン原子(Sb)として190ppm、及びマグネシ
ウム原子(Mg)として30ppmとなる量で、順次5
分間隔で添加した後、系内を250℃から278℃まで
漸次昇温すると共に、常圧から67Paに減圧して同圧
を保持しつつ、3時間の反応を行い、生成したポリマー
を重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストラン
ド状に抜き出して、水冷後、カッターでチップ状とする
ことにより、ポリエステル樹脂チップを製造した。
【0040】引き続いて、前記で得られたポリエステル
樹脂チップを、150℃に保持された攪拌結晶化機(B
epex社製)内に連続的に供給して結晶化させた後、
静置固相重合塔に移し、20リットル/kg・hrの窒
素ガス流通下、約140℃で3時間乾燥させた後、21
0℃で20時間固相重縮合させた。
【0041】得られたポリエステル樹脂チップについ
て、以下に示す方法で、ジカルボン酸成分としてのテレ
フタル酸の全ジカルボン酸成分に占める割合、ジオール
成分としてのエチレングリコールの全ジオール成分に占
める割合、ジオール成分としてのジエチレングリコール
の全ジオール成分に占める割合、の各組成、末端カルボ
キシル基量、各金属化合物における金属原子含有量、ア
セトアルデヒド含有量、及び、固有粘度を測定し、結果
を表1に示した。
【0042】<組成>樹脂試料を重水素化トリフルオロ
酢酸に常温で溶解させた3重量%溶液を用いて、核磁気
共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)に
1H−NMRを測定し、各ピークを帰属し、その積分
比から、テレフタル酸の全ジカルボン酸成分に占める割
合、エチレングリコールの全ジオール成分に占める割
合、及び、ジエチレングリコールの全ジオール成分に占
める割合を求めた。
【0043】<末端カルボキシル基量>樹脂試料0.5
gを精秤し、195℃のベンジルアルコール25ml中
に溶解させた後、氷水中で冷却させ、次いで、エチルア
ルコール2mlを加え、自動滴定装置(東亜電波社「A
UT−301」)を用いて、0.01Nの水酸化ナトリ
ウムベンジルアルコール溶液で中和滴定した。その際
の、測定滴定量A(ml)、ブランク滴定量B(m
l)、0.01Nの水酸化ナトリウムベンジルアルコー
ル溶液の力価F、及び、試料重量W(g)から、以下の
式によって末端カルボキシル基量(当量/樹脂トン)を
算出した。 末端カルボキシル基量=(A−B)×0.01×F×1
000/W
【0044】<金属原子含有量>樹脂試料2.5gを、
硫酸存在下に常法により灰化、完全分解後、蒸留水にて
50mlに定容したものについて、プラズマ発光分光分
析法により定量した。
【0045】<アセトアルデヒド含有量(AA0 )>樹
脂試料5.0gを精秤し、純水10mlと共に内容積5
0mlのミクロボンベに窒素シール下に封入し、160
℃で2時間の加熱抽出を行い、その抽出液中のアセトア
ルデヒド量を、イソブチルアルコールを内部標準として
ガスクロマトグラフィー(島津製作所製「GC−14
A」)で定量した。
【0046】<固有粘度(〔η〕)>凍結粉砕した樹脂
試料0.50gを、フェノール/テトラクロロエタン
(重量比1/1)の混合溶媒に、濃度(c)を1.0g
/dlとして、110℃で20分間で溶解させた後、ウ
ベローデ型毛細粘度管を用いて、30℃で、原液との相
対粘度(ηrel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−
1から求めた比粘度(η sp)と濃度(c)との比(ηsp
/c)を求め、同じく濃度(c)を0.5g/dl、
0.2g/dl、0.1g/dlとしたときについても
それぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃
度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘
度〔η〕(dl/g)として求めた。
【0047】又、得られたポリエステル樹脂チップを、
イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201
型」)中で、40リットル/分の窒素気流下160℃で
4時間乾燥させた後、射出成形機(名機製作所社製「M
−70AII−DM」)にて、シリンダー温度280
℃、背圧5×105 Pa、射出率40cc/秒、保圧力
35×105 Pa、金型温度25℃、成形サイクル約7
5秒で、図1に示される形状の、縦50mm、横100
mmで、横方向に6mmから3.5mmまで段差0.5
mmの6段階の厚みを有する段付成形板を射出成形した
(尚、図1において、Gはゲート部である。)。得られ
た成形板について、以下に示す方法で、昇温結晶化温度
及び降温結晶化温度、アセトアルデヒド含有量、吸光
度、並びに透明性の指標としてヘーズを測定し、結果を
表1に示した。
【0048】<昇温結晶化温度(TC1)及び降温結晶化
温度(TC2)>成形板における厚み3.5mm部の先端
部分(図1におけるA部)を切り出して、真空乾燥機に
て40℃で3日間乾燥させた後、その非表面部から切り
出した試料を用い、その約10mgを精秤し、アルミニ
ウム製オープンパン及びパンカバー(常圧タイプ、セイ
コー電子社製「P/N SSC000E030」及び
「P/N SSC000E032」)を用いて封入し、
示差走査熱量計(セイコー社製「DSC220C」)を
用いて、窒素気流下、20℃から285℃まで20℃/
分の速度で昇温させ、その途中で観測される結晶化発熱
ピーク温度を測定し昇温結晶化温度(TC1)とした。し
かる後、285℃で5分間溶融状態を保持した後、10
℃/分の速度で20℃まで降温させ、その途中で観測さ
れる結晶化発熱ピーク温度を測定し降温結晶化温度(T
C2)とした。
【0049】<アセトアルデヒド含有量(AAs )>成
形板における厚み3.5mm部の後端部分(図1におけ
るB部)から4mm角程度に切り出しチップ化した試料
を用い、前述と同じ方法で測定した。
【0050】<吸光度>成形板における厚み4mm部
(図1におけるC部)から切り出した試料を、ダブルビ
ーム分光光度計(日立製作所社製「U−2000型」)
を用いて、ABSモードで1,100〜500nmの範
囲をスキャン速度200nm/分で測定し、1,000
nmにおける値を吸光度とした。
【0051】<ヘーズ>成形板における厚み5mm部
(図1におけるD部)について、ヘーズメーター(日本
電色工業社製「NDH−300A」)にて測定した。
【0052】又、得られたポリエステル樹脂チップを、
イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201
型」)中で、40リットル/分の窒素気流下160℃で
4時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製
「ミニマット8/7A」)にて、シリンダー温度280
℃、背圧3×105 Pa、射出率3cc/秒、保圧力2
0×105 Pa、金型温度20℃で、長さ50mm、幅
6mm、厚み1mmの成形板を射出成形した。得られた
成形板について、以下に示す方法で、環境応力破壊時間
を測定し、結果を表1に示した。
【0053】<環境応力破壊時間>長さ50mm、幅6
mm、厚み1mmの射出成形板を、直径32mmの円筒
体外周に沿って、成形板の長さ方向の両端を円筒体外周
の半周にわたって固定した状態で、25℃の0.2重量
%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、亀裂が発生する
までの時間を測定した。尚、試験点数を5点とし、その
最大値と最小値をカットした3点の平均値とした。
【0054】更に、得られたポリエステル樹脂チップ
を、真空乾燥機にて130℃で10時間乾燥させた後、
射出成形機(日精樹脂工業社製「FE−80S」)に
て、シリンダー温度280℃、背圧5×105 Pa、射
出率45cc/秒、保圧力30×105 Pa、金型温度
20℃、成形サイクル約40秒で、外径約29mm、高
さ約165mm、平均肉厚約3.7mm、重量約60g
の試験官状の予備成形体(プリフォーム)を射出成形
し、得られたプリフォームを石英ヒーターを備えた近赤
外線照射炉内で70秒間加熱し、25秒間室温で放置し
た後、40℃に設定したブロー金型内に装入し、延伸ロ
ッドで高さ方向に延伸しながら、ブロー圧力7×105
Paで1秒間、更に30×105 Paで40秒間ブロー
成形することにより、外径約95mm、高さ約305m
m、胴部平均肉厚約0.37mm、重量約60g、内容
積約1.5リットルのボトルを成形した。得られたボト
ルについて、以下に示す方法で、耐環境応力亀裂性を評
価し、結果を表1に示した。
【0055】<ボトルの耐環境応力亀裂性>クエン酸1
水和物18.8gに、0℃に調温した蒸留水を加えて溶
解させ、次いで、この水溶液全量をボトルに充填し、更
に重炭酸ナトリウム22.5gを投入後、直ちに密栓
し、数十秒間振盪して重炭酸ナトリウムを溶解させた。
このとき、ボトル内は、0℃、1気圧の状態で約40倍
容量の炭酸ガスを充填した状態に相当する。引き続い
て、この充填ボトルを1昼夜放置後、0.2重量%の水
酸化ナトリウム水溶液中に下部約1/3を浸漬し、底部
からのガスの漏洩が発生する様子を目視観察し、ガスの
漏洩が発生するまでの時間を相対的に比較して長時間を
要したものから順に、「◎→○→△→×」とした。
【0056】実施例2 平均粒子径120μmの高純度テレフタル酸13kg、
及び、エチレングリコール5.21kgのスラリーを、
予め0.3kgのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフ
タレートが仕込まれ、温度265℃、圧力1.5×10
5 Paに保持されたエステル化反応槽に1.5時間かけ
て順次供給し、供給終了後も更に0.5時間かけてエス
テル化反応を行い、このエステル化反応生成物の半量を
重縮合槽に移送した。尚、エステル化反応時に生成する
水は系外へ溜出させ、エチレングリコール成分は系内に
還溜した。
【0057】次いで、エステル化反応生成物が移送され
た前記重縮合槽に、その配管より、エチルアシッドホス
フェートのエチレングリコール溶液、テトラブトキシチ
タネートのエチレングリコール溶液、三酸化アンチモン
のエチレングリコール溶液、及び酢酸マグネシウム4水
和物の水/エチレングリコール溶液を、生成ポリエステ
ル樹脂に対して、燐原子(P)として12ppm、チタ
ン原子(Ti)として1.8ppm、アンチモン原子
(Sb)として120ppm、及びマグネシウム原子
(Mg)として12ppmとなる量で、順次5分間隔で
添加した後、系内を250℃から278℃まで漸次昇温
すると共に、常圧から67Paに減圧して同圧を保持し
つつ、3時間の反応を行い、生成したポリマーを重縮合
槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜
き出して、水冷後、カッターでチップ状とすることによ
り、ポリエステル樹脂チップを製造した。その後は実施
例1と同様にして、固相重縮合させた後、得られたポリ
エステル樹脂について測定、評価を行い、結果を表1に
示した。
【0058】実施例3 重縮合時の金属化合物の添加に引き続いて、四酸酸化鉄
(戸田工業社製「HR−370H」)0.229gを添
加した外は、実施例2と同様にしてポリエステル樹脂チ
ップを製造し、得られたポリエステル樹脂について測
定、評価を行い、結果を表1に示した。
【0059】実施例4 テレフタル酸12.8kgとイソフタル酸0.2kgと
を用いた外は、実施例3と同様にしてポリエステル樹脂
チップを製造し、得られたポリエステル樹脂について測
定、評価を行い、結果を表1に示した。
【0060】比較例1 平均粒子径120μmの高純度テレフタル酸13kg、
及び、エチレングリコール12.2kgのスラリーを、
予め0.3kgのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフ
タレートが仕込まれ、温度250℃、圧力1.0×10
5 Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順
次供給し、供給終了後も更に1時間かけてエステル化反
応を行い、このエステル化反応生成物の半量を重縮合槽
に移送した。尚、エステル化反応時に生成する水及びエ
チレングリコール成分は全量系外に溜出させた。
【0061】次いで、エステル化反応生成物が移送され
た前記重縮合槽に、その配管より、エチルアシッドホス
フェートのエチレングリコール溶液、及び三酸化アンチ
モンのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹
脂に対して、燐原子(P)として12ppm、及びアン
チモン原子(Sb)として240ppmとなる量で、順
次5分間隔で添加した後、系内を250℃から278℃
まで漸次昇温すると共に、常圧から67Paに減圧して
同圧を保持しつつ、3時間の反応を行い、生成したポリ
マーを重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からスト
ランド状に抜き出して、水冷後、カッターでチップ状と
することにより、ポリエステル樹脂チップを製造した。
その後は実施例1と同様にして、固相重縮合させた後、
得られたポリエステル樹脂について測定、評価を行い、
結果を表1に示した。
【0062】比較例2 重縮合時の金属化合物の添加に引き続いて、ジエチレン
グリコール110gを添加した外は、比較例1と同様に
してポリエステル樹脂チップを製造し、得られたポリエ
ステル樹脂について測定、評価を行い、結果を表1に示
した。
【0063】比較例3 平均粒子径50μmの高純度テレフタル酸13kg、及
び、エチレングリコール12.2kgのスラリーを、予
め0.3kgのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタ
レートが仕込まれ、温度250℃、圧力1.0×105
Paに保持されたエステル化反応槽に3.5時間かけて
順次供給し、供給終了後も更に1時間かけてエステル化
反応を行い、このエステル化反応生成物の半量を重縮合
槽に移送した。尚、エステル化反応時に生成する水及び
エチレングリコール成分は全量系外に溜出させた。
【0064】次いで、エステル化反応生成物が移送され
た前記重縮合槽に、その配管より、エチルアシッドホス
フェートのエチレングリコール溶液、三酸化アンチモン
のエチレングリコール溶液、及び酢酸マグネシウム4水
和物の水/エチレングリコール溶液を、生成ポリエステ
ル樹脂に対して、燐原子(P)として17ppm、アン
チモン原子(Sb)として240ppm、及びマグネシ
ウム原子(Mg)として15ppmとなる量で、順次5
分間隔で添加した後、系内を250℃から278℃まで
漸次昇温すると共に、常圧から67Paに減圧して同圧
を保持しつつ、3時間の反応を行い、生成したポリマー
を重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストラン
ド状に抜き出して、水冷後、カッターでチップ状とする
ことにより、ポリエステル樹脂チップを製造した。その
後は実施例1と同様にして、固相重縮合させた後、得ら
れたポリエステル樹脂について測定、評価を行い、結果
を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、強度、内容飲
料等の耐風味低下性、及び耐環境応力亀裂性に優れたボ
トルを得ることができるポリエステル樹脂、及びそれか
らなる射出ブローボトルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例において成形した物性評価用段付成形
板の(a)は平面図、(b)は正面図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 C08L 67:02 C08L 67:02 B65D 1/00 A (72)発明者 土井 武之 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 抜井 正博 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 3E033 AA01 BA18 BB01 CA06 CA18 FA03 GA02 4F071 AA45 AF07 AF14 AF53 BA01 BB05 BB06 BC04 4F208 AA24A AA24C AA24D AG07 AH55 LA02 LA04 LB01 LG28 4J029 AA03 AB01 AD07 AD10 AE01 BA03 BF09 CB06 HA01 HB01 JA091 JF321 JF471

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主たる繰
    り返し構成単位とするポリエステル樹脂であって、以下
    の(1)、(2)、及び(3)の特性を満足することを
    特徴とするポリエステル樹脂。 (1)成形体とした後の昇温結晶化温度(Tc1)が15
    5℃以上で、降温結晶化温度(Tc2)が180℃以下で
    あるか若しくは観測されないこと。 (2)280℃での射出成形後の成形体におけるアセト
    アルデヒド含有量(AAS ;ppm)と、射出成形前の
    アセトアルデヒド含有量(AA0 ;ppm)との差(A
    S −AA0 )が15ppm以下であること。 (3)厚み1mmの射出成形板を、直径32mmの円筒
    体外周に沿って固定した状態で、25℃の0.2重量%
    水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬したときの環境応力破
    壊時間が10分以上であること。
  2. 【請求項2】 更に、以下の(4)、(5)及び(6)
    の特性を満足する請求項1に記載のポリエステル樹脂。 (4)樹脂中のジオール成分に占めるジエチレングリコ
    ールの割合が2.0モル%以下であること。 (5)末端カルボキシル基量が20〜50当量/樹脂ト
    ンであること。 (6)固有粘度(〔η〕)が0.75〜1.0dl/g
    であること。
  3. 【請求項3】 更に、以下の(7)の特性を満足する請
    求項2に記載のポリエステル樹脂。 (7)厚み4mmの射出成形板としての波長1,000
    nmにおける吸光度が0.04〜0.20であること。
  4. 【請求項4】 アンチモン化合物又は/及びチタン化合
    物を、アンチモン原子(Sb)としての含有量(pp
    m)とチタン原子(Ti)としての含有量(ppm)が
    下記式を満足する範囲で含有する請求項1乃至3のいず
    れかに記載のポリエステル樹脂。 0≦Sb≦200 0≦Ti≦10 150≦100Ti+Sb≦1,200
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のポリ
    エステル樹脂からなることを特徴とする射出ブローボト
    ル。
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