JP2000026587A - ポリエステル及びその製造法 - Google Patents
ポリエステル及びその製造法Info
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Abstract
テルであって、予備成形体の延伸ブロー成形により加熱
殺菌充填する飲料用の容器として好適なものを与えるポ
リエステルを提供する。 【解決手段】 (1)エチレンテレフタレート単位を主
構成成分とし、(2)固有粘度が0.6〜0.9dl/
gであり、(3)アンチモン元素の含有量が0.8〜
2.0ミリモル/kgであり、(4)昇温結晶化ピーク
温度が160℃以上、降温結晶化ピーク温度が170℃
以下か又は存在せず(5)常温から120℃までに昇温
したものの球晶数が1×10-2個/μm2 以下、300
℃から200℃に降温したものの球晶数が1×10-3個
/μm2 以下であるポリエステル。
Description
延伸ブロー成形品などの製造に適した、エチレンテレフ
タレート単位を主要構成成分とするポリエステルに関す
るものである。また本発明はこのようなポリエステルの
製造方法に関するものである。
成分とするポリエステル(以下、これをPETと称する
ことがある)は、食品や飲料などの容器として広く用い
られている。特にミネラルウオーターなどの加熱殺菌充
填を必要とするものの容器としては、射出成形により有
底管状の予備成形体を製造し、これを赤外線ヒーターな
どにより加熱して軟化させたのち金型に挿入して延伸ブ
ロー成形して所定形状の容器とし、更にこれに熱処理を
施して耐熱性を向上させたものが用いられている。従
来、この用途には、ゲルマニウム触媒を用いて製造した
PETが主に用いられている。特に高い耐熱性を要求さ
れる用途には、アンチモン触媒を用いて製造したPET
は耐熱性が不十分であるとして用いられていない。その
理由は、アンチモン触媒を用いて製造したPETは、結
晶化速度が大きいので、予備成形体の加熱中に結晶化が
起きてしまい、均一な延伸ブロー成形ができないことに
よる。加熱中での結晶化を回避する方法としては、予備
成形体の加熱時間を短縮することが考えられるが、この
方法では予備成形体が十分加熱されないため分子運動が
抑制され、延伸及びこれに続く熱処理に際し十分な結晶
配向化及び配向歪みの緩和が起きないので、十分な耐熱
性が発現しない。
合成分を多量に用いて、得られるPETの結晶化速度を
小さくすることも考えられる。しかしこの方法では、延
伸ブロー成形により得られた成形品を熱処理しても、共
重合成分に阻害されて配向結晶化及び配向歪みの緩和が
十分に進行せず、やはり耐熱性の向上が不十分である。
アンチモン触媒はゲルマニウム触媒に比較して安価なの
で、アンチモン触媒を用いて耐熱性に富む容器を与える
PETを製造することは、工業的に価値ある検討課題で
あり、従来から種々の提案がなされている。例えば特開
平7−145233号公報には、トリメチル燐酸、酢酸
マグネシウム及び三酸化アンチモンを用いて製造したP
ETは、透明性と耐熱性に優れており、かつアセトアル
デヒドの含有量も少ないと記載されている。しかし本発
明者らの検討によれば、このPETは、透明性は改良さ
れているが、耐熱性は高温での加熱殺菌充填を必要とす
る用途向の容器に要求される高い水準には達していな
い。
ン触媒を用いて製造されたPETであって、延伸ブロー
成形により高い水準の耐熱性に富む容器を与えるものは
未だ開発されていない。従って本発明はこのようなPE
Tを提供しようとするものである。
ルは、(1)エチレンテレフタレート単位を主構成成分
とし、(2)固有粘度が0.6〜0.9dl/gであ
り、(3)アンチモン元素の含有量が0.8〜2.0ミ
リモル/kgであり、(4)昇温結晶化ピーク温度(T
c1 )が160℃以上であり、降温結晶化ピーク温度
(Tc2 )が170℃以下であるか又は存在せず、かつ
(5)常温から120℃に昇温して10分間保持したと
きの球晶数(N1 )が1×10-2個/μm2 以下、30
0℃から200℃に降温して2分間保持したときの球晶
数(N2 )が1×10-3個/μm2 以下であることを特
徴とするものである。
質的にテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とか
らなるポリエステルであるが、テレフタル酸成分とエチ
レングリコール成分以外の成分も、少量ならば共重合し
ていても差支えない。このような共重合成分としては通
常は二官能のものが用いられる。例えば、ジカルボン酸
成分としては、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジ
ブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、
ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルエーテルジカルボ
ン酸、ビフェニルスルフォンジカルボン酸、ビフェニル
ケトンジカルボン酸、ビフェノキシエタンジカルボン
酸、フェニレンジオキシジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸、またアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グル
タル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウン
デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族
ジカルボン酸などが挙げられる。
リメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペ
ンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環式
グリコール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール等の分岐型脂肪族
グリコール、キシリレングリコール等の芳香族グリコー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
のエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイ
ド付加物等が挙げられる。
せることができる。このような多官能成分としては、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカ
ルバリル酸、トリメチロールプロパン、トリエチロール
エタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、テトラキ
ス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンな
ど3官能以上の多官能成分が挙げられる。また、所望な
らば、上述の成分からなるポリエステル鎖の末端を、ス
テアリン酸や安息香酸などの単官能成分で封鎖すること
もできる。
タル酸成分とエチレングリコール成分以外に種々の共重
合成分を含み得るが、通常はポリエステル鎖の構成単位
の80モル%以上はエチレンテレフタレート単位であ
る。一般にエチレンテレフタレート単位の比率が小さく
なるにつれて、延伸ブロー成形品を熱処理しても配向結
晶化が十分に進行せず、所望の耐熱性が発現し難くな
る。PETに占めるエチレンテレフタレート単位の比率
は90モル%以上、特に95モル%以上であるのが好ま
しい。なお、共重合成分としては上述の如く種々のもの
が挙げられるが、最も一般的なものはジエチレングリコ
ールである。これは反応系内でエチレングリコールから
副生するが、系外から添加することもできる。ジエチレ
ングリコールを含むテレフタレート単位は全体の5モル
%以下、特に3.5モル%以下であるのが好ましい。
0.9dl/gである。固有粘度がこれよりも大きいと
分子鎖のからみ合いが強過ぎて延伸し難く、逆に固有粘
度がこれよりも小さいと結晶化速度が大き過ぎ、いずれ
にしても耐熱性のよい延伸ブロー成形品を、生産性よく
製造するには適していない。固有粘度は0.65〜0.
85dl/gの範囲にあるのが好ましい。
てアンチモンを用いて製造されたものであり、触媒に由
来するアンチモンを含んでいる。またアンチモンはPE
Tの結晶核剤としても作用する。このようにアンチモン
はPETの重縮合触媒としての作用と、結晶化核剤とし
ての作用との2つの作用を有しているので、その含有量
はアンチモン元素として0.8〜2.0ミリモル/kg
とすべきである。含有量がこの範囲よりも少ないと重縮
合反応が遅延し、逆に含有量がこの範囲よりも多くなる
と予備成形体としたときの結晶化速度が大きくなり過ぎ
る恐れがある。PET中のアンチモン元素の好ましい含
有量は1.1〜1.8ミリモル/kg、特に1.2〜
1.6ミリモル/kgである。
燐化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類
金属化合物を含有させるのが好ましい。燐化合物はPE
Tの分解を抑制する安定剤として作用するが、他方にお
いてPETの結晶化速度に影響を及ぼすようである。燐
化合物は一般的に燐元素として通常0.1〜7.0ミリ
モル/kgとなるように存在させればよいが、0.3〜
6.0ミリモル/kg、特に0.6〜5.0ミリモル/
kg、更に2.0〜4.0ミリモル/kgとなるように
存在させるのが好ましい。アルカリ金属化合物及びアル
カリ土類金属化合物は、合計で元素として0.4〜8.
0ミリモル/kgとなるように含有させる。好ましい含
有量は0.6〜6.0ミリモル/kg、特に0.8〜
4.0ミリモル/kgである。アルカリ(土類)金属化
合物もPETの結晶化速度に影響を及ぼすと考えられ
る。
は、昇温結晶化ピーク温度(Tc1 )が160℃以上で
あることが必要である。好ましくは昇温結晶化ピーク温
度(Tc1 )は165℃以上、特に170℃以上である
べきである。また降温結晶化ピーク温度(Tc2 )は存
在しないか、又は存在する場合には170℃以下である
ことが必要であり、好ましくは165℃以下、特に16
0℃以下であるべきである。結晶化ピーク温度は予備成
形体の結晶化速度の指標であり、Tc1 が高くTc2 が
低いほど結晶化速度は遅い。そしてTc1 とTc2 が上
記の範囲であると予備成形体を結晶化させずに十分に加
熱することができるので、延伸及びこれに続く熱処理に
際して分子の配向結晶化及び配向歪みの緩和が十分に進
行し、従って得られる延伸ブロー成形品の耐熱性は高く
なる。
測定法により常温から120℃に昇温して10分間保持
したときの球晶数(N1 )が1×10-2個/μm2 以
下、好ましくは5×10-3個/μm2 以下であり、30
0℃から200℃に降温して2分間保持したときの球晶
数(N2 )が1×10-3個/μm2 以下、好ましくは5
×10-4個/μm2 以下、特に3×10-4個/μm2 以
下である。球晶数は予備成形体の結晶化速度の指標であ
り、少ないほど結晶化速度は遅く、これから得られる延
伸ブロー成形品の耐熱性は高くなる。なお、結晶化ピー
ク温度と球晶数とは当然のことながらある程度相関して
いるが、結晶化ピーク温度は球晶数以外に分子鎖の運動
性にも依存している。従ってPETの物性の指標として
両者はそれぞれ独立した意義を有している。
量、環状三量体含有量、アセトアルデヒド含有量などが
特定の範囲にあるのが好ましい。結晶化発熱量は、Tc
1 における結晶化発熱量(ΔH1 )が25J/g以上、
特に30J/g以上であり、Tc2 が存在する場合には
その結晶化発熱量(ΔH2 )が15J/g以下、特に1
0J/g以下であるのが好ましい。ΔH1 が小さいと、
PETの製造過程の結晶化及び固相重縮合工程におい
て、PET粒子(チップ)が相互に融着を起こし易い。
またΔH2 が大きいと、予備成形体の透明性が悪化する
傾向がある。環状三量体とはシクロトリエチレンテレフ
タレートであり、その含有量は4000ppm以下であ
るのが好ましい。環状三量体の含有量が大きいと、延伸
ブロー成形に際し環状三量体が析出して金型に付着する
ので金型の清掃が必要となる。若し環状三量体が付着し
た金型で成形を行うと、金型上の環状三量体の凹凸が成
形品表面に転写されて、成形品の外観に曇りを生じ易
い。環状三量体の含有量は少ないほど好ましく、350
0ppm以下、特に3000ppm以下であるのが好ま
しい。アセトアルデヒドの含有量は10ppm以下、特
に5ppm以下であるのが好ましい。アセトアルデヒド
含有量の大きいPETで成形したボトルに飲料を充填す
ると、アセトアルデヒドが飲料中に溶出して味覚及び香
りに悪影響を与える。
ために再溶融されたときに副成する環状三量体が少ない
ことが好ましく、具体的には、窒素気流下280℃で3
0分間溶融加熱したときの、環状三量体増加量が500
0ppm以下であることが好ましい。また、本発明のポ
リエステルよりなる成形体の環状三量体含有量は、45
00ppm以下であることが好ましい。環状三量体増加
量や成形体の環状三量体含有量が前記の範囲より大きい
と、環状三量体の金型への付着や、その転写による成形
品の外観の曇りを生じやすい。
じく、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とエ
チレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを主
体とし、所望により他の共重合成分を含む原料を反応さ
せてヒドロキシエチルテレフタレートのオリゴマーを主
体とするエステルを生成させるエステル化工程、このエ
ステルを溶融重縮合させる溶融重縮合工程、及び得られ
た重縮合物を固体状態で重縮合させる固相重縮合工程の
各工程を経て製造される。それぞれの工程は連続方式で
も回分方式でも実施することができるが、品質の安定し
たPETを製造するには連続方式で行うのが好ましい。
特に得られるPETの物性に大きく影響する溶融重縮合
工程は、連続方式で行うのが好ましい。
又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール
又はそのエステル形成性誘導体とを主体とする原料は、
予め混合してスラリーとしてエステル化工程に供給され
る。スラリーの組成は、通常、テレフタル酸成分に対す
るエチレングリコール成分のモル比で1.02〜2.
0、好ましくは1.03〜1.7である。好ましくは原
料としてテレフタル酸とエチレングリコールを用いる。
何故ならばテレフタル酸エステルを原料とする場合に
は、通常はエステル交換触媒が必要であるが、このエス
テル交換触媒は最終的に得られるPETの結晶化特性に
悪影響を及ぼすからである。エステル化は一般に複数個
の攪拌槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、エチ
レングリコールの還流下、かつ反応で生成する水と余剰
のエチレングリコールを系外に除去しながら、エステル
化反応率が通常90%以上、好ましくは93%以上に達
するまで行われる。得られるエステル化物の数平均分子
量は通常500〜5000である。反応条件は、第1段
目の反応温度が240〜270℃、好ましくは245〜
265℃であり、圧力は0.05〜3kg/cm2 G、
好ましくは0.1〜2kg/cm2 Gである。また最終
段の反応温度は250〜280℃、好ましくは255〜
275℃であり、圧力は0〜1.5kg/cm2 G、好
ましくは0〜1.3kg/cm2 Gである。各反応段に
おけるエステル化反応率の上昇は、ほぼ等しくなるよう
にするのが好ましい。なお、エステル化反応を1個の攪
拌槽を用いて行う場合には、最終段の反応条件で行えば
よい。
チレングリコール成分だけで行うこともできるが、種々
の添加物の存在下に行うこともできる。例えば重縮合の
触媒であるアンチモン化合物や、PET中に含有させる
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、燐化合
物などを、エステル化反応工程に添加することもでき
る。また、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン、水酸化
テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn−ブチルア
ンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム等
の水酸化第四級アンモニウム、又は炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性
化合物を少量添加して実施すると、エチレングリコール
からのジエチレングリコールの副生が抑制されるので、
ポリエステル鎖中に含まれるジエチレングリコール成分
の比率を小さくすることができる。
合工程に供給される。溶融重縮合は通常、複数の反応器
を直列に接続した装置を用いて、アンチモン触媒の存在
下、減圧下に副生するエチレングリコールを系外に留出
させながら行われる。反応装置としては、例えば、第1
段目が完全混合型の攪拌槽であり、第2段及び第3段目
が内部に攪拌翼を備えた横型プラグフロー型式の反応器
からなるものが用いられる。第1段目の反応条件は、反
応温度が250〜290℃、好ましくは260〜280
℃であり、反応圧力は500〜10Torr、好ましく
は200〜15Torrである。また最終段の反応条件
は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜
295℃であり、反応圧力は10〜0.1Torr、好
ましくは5〜0.5Torrである。中間段の反応条件
は両者の中間となるように選択される。例えば上記した
3段反応装置であれば、第2段の反応温度は260〜2
95℃、好ましくは270〜285℃であり、反応圧力
は50〜1Torr、好ましくは30〜2Torrとす
ればよい。
粘度が0.35〜0.75dl/g、好ましくは0.4
5〜0.70dl/gとなるように行われる。固有粘度
が0.50〜0.70dl/gとなるように行うのが最
も好ましい。なお、各反応段での固有粘度の上昇は、ほ
ぼ等しくなるようにするのが好ましい。本発明では溶融
重縮合反応をアンチモン触媒の存在下で行う。アンチモ
ン触媒としては、アンチモンの酸化物、脂肪族又は芳香
族カルボン酸の塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化
物、アルコラート等が挙げられる。好ましくは三酸化ア
ンチモン、酢酸アンチモン、アンチモントリスエチレン
グリコキシドなどのエチレングリコール可溶性アンチモ
ン化合物を用いる。特に重縮合物中への析出が少ないと
いう点でアンチモントリスエチレングリコキシドを用い
るのが好ましい。
工程に添加してもよいが、好ましくは溶融重縮合反応工
程へ供給されるエステル化反応生成物中に供給する。こ
の際、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属
化合物も同じ個所に供給するのが好ましい。アルカリ金
属化合物としてはリチウム、ナトリウム、カリウムなど
の脂肪族又は芳香族カルボン酸の塩、ハロゲン化物、ア
ルコラートなどが用いられ、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウムなどのようなエチレングリコール可溶性又は水溶性
化合物を用いるのが好ましい。また、アルカリ土類金属
化合物としてはマグネシウム、カルシウムなどの酸化
物、脂肪族又は芳香族カルボン酸の塩、ハロゲン化物な
どが用いられ、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなど
のようなエチレングリコール可溶性又は水溶性化合物を
用いるのが好ましい。
ルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と
を混合し、これをエチレングリコール溶液として、エス
テル化反応器から溶融重縮合反応器への移送途中のエス
テル化反応生成物に供給することである。この方法が、
本発明に係るPETの製造に好ましい理由は不明である
が、アンチモン化合物とアルカリ(土類)金属化合物と
の間で何らかの相互作用が生ずるのではないかと考えら
れる。なお、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化
合物と同じく生成するPET中に含有させるのが好まし
い燐化合物も溶融重縮合反応工程までのどの段階で供給
してもよいが、上述のようにアンチモン化合物とアルカ
リ(土類)金属化合物とをエチレングリコール溶液とし
てエステル化反応生成物中に供給する場合には、燐化合
物はスラリー調製工程に供給するのが好ましい。
ート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エ
ステル類、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッ
ドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、
ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、
モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェートなど
の酸性リン酸エステル、及び正燐酸、ポリ燐酸などが用
いられる。
り、更に他の金属化合物、例えばチタン、コバルト、マ
ンガン、スズ、亜鉛、ジルコニウムなどの化合物を含有
させることができるが、これらは溶融重縮合反応工程よ
り前の段階で添加しておくのが好ましい。これらの金属
化合物は得られるPETの結晶化を抑制する作用がある
と考えられる。また場合によっては溶融重縮合を促進す
る作用も期待できる。
イからストランド状に押出し、冷却固化させたのちカッ
ターで切断して粒状体(チップ)として固相重合工程に
供給される。粒状体の1個の重量は通常10〜40mg
であるが、12〜30mg、特に15〜25mgである
のが好ましい。また、アセトアルデヒドの含有量は15
0ppm以下、特に80ppm以下であるのが好まし
い。アセトアルデヒドの含有量は少ないほど好ましく、
60ppm以下、特に50ppm以下であるのが最も好
ましい。
好ましくは195〜225℃の温度条件下で固相重縮合
が行われる。雰囲気の圧力は、窒素、アルゴン、二酸化
炭素などの不活性ガス雰囲気中で反応を行う場合には、
1kg/cm2 G以下、好ましくは0.2kg/cm2
G以下であり、減圧雰囲気で反応を行う場合には、0.
1Torr〜50Torr、好ましくは0.5Torr
〜10Torrである。固相重縮合反応の温度、圧力、
反応時間、不活性ガス流量などは、所望の物性を有する
PETが生成するように適宜選択する。
する前に、固相重縮合よりも低温で予備結晶化を行って
もよい。例えば粒状体を乾燥状態で120〜200℃、
好ましくは130〜180℃で1分間〜4時間程度加熱
したり、粒状体を水蒸気を含む雰囲気中で120〜20
0℃に1分間以上加熱してから、固相重縮合に供するよ
うにしてもよい。また、固相重縮合を経た粒状体を、そ
の中に含まれている重縮合触媒を失活させるため、60
℃以上の水蒸気を含む雰囲気中に30分間以上保持する
水蒸気処理や、40℃以上の水に10分間以上浸漬する
水処理を施してもよい。
形体に成形することができる。例えばシートに成形し、
次いでこのシートを用いて絞り成形により容器を製造す
ることができる。好ましくは、本発明に係るPETは射
出成形により有底管状の予備成形体とし、次いでこれを
延伸ブロー成形して、加熱殺菌充填を行う飲料用ボトル
の製造に用いる。射出成形の温度条件は、金型温度は0
〜30℃であり、樹脂温度は融点〜350℃、好ましく
は融点+10℃〜320℃である。延伸ブロー成形に際
しての予備成形体の再加熱温度は70〜130℃、好ま
しくは80〜125℃であり、金型温度は常温〜200
℃、好ましくは常温〜180℃である。また成形体に耐
熱性を向上させるために熱処理を施す場合には、70〜
200℃、好ましくは90〜180℃で行えばよい。最
も好ましい温度は120〜160℃である。なお、成形
品の製造に際しては、必要に応じて、核剤、滑剤、安定
剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤その他の常用の添加剤
を適宜配合することができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例における物性の測定は、下記によ
り行った。 金属元素の含有量 PET2.0gを、硫酸の存在下に常法により灰化した
のち、灰分を蒸留水100mlに溶解した。この溶液中
の金属元素をICP発光分光分析法により定量した。
3重量%溶液とした。日本電子社製JNM−EX270
型核磁気共鳴装置を用いて、この溶液の 1H−NMRを
測定し、共重合成分の量を算出した。
gを採取し、これをフェノール/テトラクロロエタン
(重量比1/1)の混合溶媒に溶解した。溶解は、溶融
重縮合品の場合は110℃で30分間、固相重縮合品の
場合は120℃で30分間保持することにより行った。
この溶液の相対粘度(ηrel)を、ウベローデ型毛細
粘度管を用いて30℃で測定した。この測定を1g/d
l、0.5g/dl、0.2g/dl、及び0.1g/
dlの各濃度の溶液について行ない、濃度C(g/d
l)に対する(ηrel−1)/Cの値をグラフ用紙上
にプロットし、C=0における(ηrel−1)/Cの
値を外挿により求め、固有粘度η(dl/g)とした。
部の約7mgを取出した。この試料をパーキンエルマー
社製のDSC(示差走査熱量計)用アルミニウム製標準
サンプルパン(品番0219−0041)に封入した。
これを田葉井社製ラボスターバキュームオーブンLHV
−112型真空乾燥機に入れ、120℃、5mmHg以
下で16時間乾燥した。この処理を経た試料をパーキン
エルマー社製DSC−7型示差走査熱量計を用いて、窒
素気流下、20℃/分の昇温速度で20℃から300℃
まで昇温させた。300℃で10分間保持したのち、5
00℃/分の降温速度で20℃まで急冷した。20℃で
10分間保持したのち、10℃/分の昇温速度で再び3
00℃まで昇温し、300℃で10分間保持したのち2
0℃/分の降温速度で20℃まで冷却した。
る過程の発熱量を温度に対してプロットし、得られた発
熱曲線のピークをTc1 (℃)とした。また同じく発熱
量を時間に対してプロットし、得られた発熱曲線とベー
スラインが囲む面積、すなわち発熱量の時間積分値をΔ
H1 (J/g)とした。また、同じく20℃/分の降温
速度で300℃から20℃まで降温する過程の発熱量を
温度に対してプロットし、得られた発熱曲線のピークを
Tc2 (℃)とし、また同じく発熱量を時間に対してプ
ロットし、得られた発熱曲線とベースラインが囲む面積
をΔH2 (J/g)とした。
ンLHV−112型真空乾燥機に入れ、120℃、5m
mHg以下で16時間乾燥した。次いでこのPET粒子
から中心部約1mgをカッターナイフで切出し、日本光
学社製OPTIPHOTO−POL型偏光顕微鏡に取付
けたリンカム社製TH600型ホットステージ上で30
0℃に加熱しておいたカバーガラス上に載せ、窒素気流
下300℃に4分間保持した。次いで300℃に加熱し
た別のカバーガラスで覆い、300℃に1分間保持し
た。カバーガラスとしてはマツナミガラス社製のトロフ
ィー18×18を用いた。更に上のカバーガラス上に、
300℃に加熱した重さ13gのおもりを載置し、30
0℃で30秒間保持した。おもりを外し、窒素気流下、
300℃で4分間保持したのち、ドライアイス/エタノ
ール浴中に投入して急冷し、カバーガラスに挟まれた厚
さ約10μmの薄片を得た。なお、上記において、2枚
のカバーガラスとしては、よく洗浄したのちエイコー社
製1B−13型コーターを用いて、コート電流8mA、
コート時間60秒間のプラチナコートを施し、引続き真
空中で5分間以上放置して安定させたものを用いた。
ージ上で90℃/分の昇温速度で20℃から120℃ま
で昇温し、120℃に10分間保持した時点で写真撮影
した。倍率が470倍となるように引伸ばし、115×
155mmの範囲の球晶数を測定し、120℃に10分
間加熱保持した場合の球晶数とした。また、上記と全く
同様にして得たドライアイス/エタノール浴に投入する
前の300℃溶融物を、偏光顕微鏡のホットステージ上
で90℃/分の降温速度で200℃まで降温し、200
℃で2分間保持した時点で写真撮影した。倍率が470
倍となるように引伸ばし、115×155mmの範囲の
球晶数を測定し、徐冷して200℃に2分間保持した場
合の球晶数とした。なお、いずれの写真撮影も、薄片の
端から50〜1000μmの部分で、球晶以外の結晶、
例えば微結晶やトランスクリスタルなどが生成していな
い部分について行った。また120℃に10分間保持し
たものでは球晶同志がぶつかり合っていることがある
が、それぞれ別個の球晶として計算した。
ロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比
3/2)の混合液2mlに溶解し、更にクロロホルム2
0mlを加えて希釈した。この溶液にメタノール10m
lを加えた。濾過して析出物を除き、濾液を得た。この
濾液を蒸発乾固させたのち、残渣にジメチルホルムアミ
ド25mlを加えて溶解した。この溶液中の環状三量体
を、島津製作所製LC−10A型液体クロマトグラフで
定量した。
有量 PETチップ20gを底部に突起の付いた試験管にと
り、窒素気流下160℃のオイルバスに浸漬して2時間
真空乾燥した。この試験管をオイルバスより取り出して
真空のまま放冷するとともに、オイルバスを昇温し、2
80℃となった時点で試験管を再びオイルバスに浸漬
し、PETチップを溶融させた。30分後、試験管をオ
イルバスより取り出して、底部の突起を割り、水中にス
トランド状に抜き出した後、ペレット化した。得られた
ペレットの粒重は15〜25mgであった。このように
して得られたペレットの環状三量体の含有量を、上記の
測定法により測定し、この値から再溶融前のPETチッ
プの環状三量体含有量を差し引いて再溶融された時に副
成する環状三量体量とした。
素雰囲気下で内容積50mlのミクロボンベに装入して
密封した。これを160℃で2時間加熱したのち、水中
のアセトアルデヒドを、イソブチルアルコールを内部標
準として、島津製作所製GC−14Aガスクロマトグラ
フを用いて定量し、PET重量当たりの比(ppm)で
表わした。
色差計を用いて反射法で測定した。測定の際は、予め装
置を電源投入後4時間以上放置して十分安定させた後、
チップを内径36mm×深さ15mmの測定セル(受光
部は石英ガラス製)にお摺り切りで充填し、各サンプル
ごとに測定セルの向きを90度づつ4方向に変えて計4
回、L/a/bを測定し、その平均値とした。L値が高
いほど黒味が少なく、色相として良好である。
脂工業社製射出成形機「FE−80S」を用い、樹脂温
度280℃、背圧5kg/cm2 前後、射出率45cc
/sec程度、保圧力30kg/cm2 程度、金型温度
20℃で、40秒前後の成形サイクルで、高さ165m
m、管外径29.0mm、平均肉厚3.7mm、目付6
0gの試験管状の予備成形体を射出成形した。
赤外線照射炉に装入し、一定出力の下で、62、64、
66、68、70、72、74又は76秒間加熱したの
ち、25秒間室温で放置し、予備成形体内部の温度分布
を均一化した。その後直ちに160℃に調節した金型内
に挟み込み、延伸ロッドでボトルの高さ方向に延伸しな
がら、ブロー圧力7kg/cm2 程度で1秒間、続いて
30kg/cm2 程度で5秒間ブローしたのち、ブロー
圧をかけたまま5秒間保持した。空冷して成形品を取り
出し、胴部平均肉厚350μm、容量約1.5Lのボト
ルを得た。
肉がなく均一で形状良好なボトルを与える予備成形体の
最長加熱時間をTmax(秒)とした。それぞれのサン
プルにつき、加熱時間Tmax(秒)で成形したボトル
を、40℃、湿度75%の環境下で1週間保存した。次
いでこのボトルに、室温下で90℃の湯を満注したのち
密栓し、1分間横倒ししたのち5分間正立させ、その後
10℃の水中にて20分間冷却した。ボトルの形状を目
視観察し、形状変化がなく耐熱性良好なものを「◎」、
胴部に若干の変形が認められるが実質的に問題ないもの
を「○」、胴部の変形がみられ耐熱性が不十分であるも
のを「△」、胴部の変形が激しく耐熱性が著しく不十分
であるものを「×」とした。
に接続した2個の攪拌槽からなるエステル化反応槽、及
び攪拌槽とこれに続く2個の横型プラグフロー形式の反
応器とからなる溶融重縮合反応器とから構成されている
連続重合装置を用いて、ポリエチレンテレフタレートを
連続的に製造した。
グリコール溶液(濃度3.0重量%)、テレフタル酸、
及びエチレングリコールを、テレフタル酸:エチレング
リコール=1941:676(重量比)となるように供
給してスラリーを調製した。このスラリーをエステル化
反応槽に連続的に供給した。エステル化反応槽の反応条
件は、第1段目2は窒素雰囲気下、260℃、0.5k
g/cm2 G、平均滞留時間4時間であり、第2段目3
は同じく窒素雰囲気下、260℃、0.05kg/cm
2 G、平均滞留時間1.5時間であった。
融重縮合反応器に連続的に供給した。導管5の途中で、
エステル化反応生成物に、アルカリ(土類)金属化合物
と三酸化アンチモンとを混合してエチレングリコールに
溶解した溶液(三酸化アンチモン濃度0.84重量%)
を導管4を経て連続的に添加した。溶融重縮合反応器の
反応条件は、第1段目6が270℃、20Torr、平
均滞留時間1.2時間であり、第2段目7は278℃、
4Torr、平均滞留時間1.2時間、第3段目8は2
80℃、2Torr、平均滞留時間1.2時間であっ
た。溶融重縮合反応生成物はダイからストランド状に押
出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが約
24mgのチップとした。
℃に維持されている結晶化器に連続的に供給し、攪拌下
に約5分間保持したのち塔型の固相重縮合装置に連続的
に供給し、窒素雰囲気下、205℃で固相重縮合反応さ
せた。結果を表−1に示す。
したものの、固有粘度は0.59dl/g、アセトアル
デヒド含有量は44ppmであった。 注2)比較例1で溶融重縮合物をチップ化したものの、
固有粘度は0.62dl/g、アセトアルデヒド含有量
は48ppmであった。 注3)比較例2で溶融重縮合物をチップ化したものの、
固有粘度は0.62dl/g、アセトアルデヒド含有量
は47ppmであった。 注4)比較例3では、テレフタル酸を1941重量部/
時で供給する代りに、テレフタル酸を1906重量部/
時で、イソフタル酸を35重量部/時で供給した。また
溶融重縮合物をチップ化したものの、固有粘度は0.6
2dl/g、アセトアルデヒド含有量は46ppmであ
った。 注5)比較例1と3とでは、三酸化アンチモンはエチレ
ングリコール溶液(濃度1.8重量%)としてエステル
化反応槽の第2段目に供給した。
方法により得られたポリエステルは、アンチモン触媒を
用いて製造されたPETであり、これより成形した予備
成形体を延伸ブロー成形して得られた容器は、加熱殺菌
充填用として高い耐熱性を有することができる。また、
環状三量体の含有量が少ないため成形の際、金型に付着
することがなく、成形品の外観を汚すことがなく、更
に、アセトアルデヒドの含有量も少ないため内容物に溶
出して味覚や香りに影響を及ぼすこともなく加熱殺菌充
填の飲料の容器用として好適である。
の1例である。
Claims (11)
- 【請求項1】 (1)エチレンテレフタレート単位を主
構成成分とし、(2)固有粘度が0.6〜0.9dl/
gであり、(3)アンチモン元素の含有量が0.8〜
2.0ミリモル/kgであり、(4)昇温結晶化ピーク
温度(Tc1 )が160℃以上であり、降温結晶化ピー
ク温度(Tc2 )が170℃以下であるか又は存在せ
ず、かつ(5)常温から120℃に昇温して10分間保
持したときの球晶数(N1 )が1×10-2個/μm2 以
下、300℃から200℃に降温して2分間保持したと
きの球晶数(N2 )が1×10-3個/μm2 以下であ
る、ことを特徴とするポリエステル。 - 【請求項2】 アルカリ金属及びアルカリ土類金属より
なる群から選ばれた金属元素を0.4〜8.0ミリモル
/kg含有することを特徴とする請求項1記載のポリエ
ステル。 - 【請求項3】 燐元素を0.1〜7.0ミリモル/kg
含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ
エステル。 - 【請求項4】 アンチモン元素の含有量が1.1〜1.
8ミリモル/kgであり、アルカリ金属及びアルカリ土
類金属よりなる群から選ばれた金属元素の含有量が0.
6〜6.0ミリモル/kgであり、燐元素の含有量が
0.3〜6.0ミリモル/kgであることを特徴とする
請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエステル。 - 【請求項5】 昇温結晶化ピーク温度(Tc1 )が16
5℃以上であり、かつ降温結晶化ピーク温度(Tc2 )
が165℃以下であるか又は存在しないことを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載のポリエステル。 - 【請求項6】 常温から120℃に昇温して10分間保
持したときの球晶数(N1 )が5×10-3個/μm2 以
下であり、300℃から200℃に降温して2分間保持
したときの球晶数(N2 )が5×10-4個/μm2 以下
であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
記載のポリエステル。 - 【請求項7】 昇温結晶化ピーク温度(Tc1 )におけ
る結晶化発熱量(ΔH1 )が25J/g以上であり、降
温結晶化ピーク温度(Tc2 )が存在する場合にはその
結晶化発熱量(ΔH2 )が15J/g以下であることを
特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のポリエ
ステル。 - 【請求項8】 環状三量体の含有量が4000ppm以
下であり、かつアセトアルデヒド含有量が10ppm以
下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
に記載のポリエステル。 - 【請求項9】 アンチモン元素の含有量が1.2〜1.
6ミリモル/kgであり、アルカリ土類金属からなる群
から選ばれた金属元素の含有量が0.8〜4.0ミリモ
ル/kgであり、燐元素の含有量が2.0〜4.0ミリ
モル/kgであって、窒素気流下で、280℃、30分
間溶融加熱したときの、環状三量体の増加量が、500
0ppm以下であることを特徴とする請求項1ないし8
のいずれかに記載のポリエステル。 - 【請求項10】 テレフタル酸又はそのエステル形成性
誘導体とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘
導体とを主体とする原料を反応させてヒドロキシエチル
テレフタレートのオリゴマーを主体とするエステルを生
成させるエステル化工程、エステル化工程で生成したエ
ステル化反応生成物をアンチモン化合物の存在下に連続
的に溶融重縮合させる溶融重縮合工程、及び得られた重
縮合物を固体状態で重縮合させる固相重縮合工程よりな
る、エチレンテレフタレート単位を主要構成成分とする
ポリエステルの製造方法において、アンチモン化合物並
びにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物よ
りなる群から選ばれた金属化合物を、両者が共存するエ
チレングリコール溶液として、エステル化反応生成物が
溶融重縮合工程に供給される以前の段階で、反応系に供
給することを特徴とする、固有粘度が0.6〜0.9d
l/g、アンチモン元素の含有量が0.8〜2.0ミリ
モル/kg、アルカリ金属及びアルカリ土類金属元素よ
りなる群から選ばれた金属元素の含有量が0.4〜8.
0ミリモル/kg、昇温結晶化ピーク温度が160℃以
上、降温結晶化ピーク温度は170℃以下であるか又は
存在せず、常温から120℃に昇温して10分間保持し
たときの球晶数が1×10-2個/μm2 以下、かつ30
0℃から200℃に降温して2分間保持したときの球晶
数が1×10-3個/μm2 以下であることを特徴とする
ポリエステルの製造方法。 - 【請求項11】 テレフタル酸を主体とするカルボン酸
及びエチレングリコールを主体とするポリオールからス
ラリーを調製するスラリー化工程、このスラリーからヒ
ドロキシエチルテレフタレートのオリゴマーを主体とす
るエステルを生成させるエステル化工程、エステル化工
程で得られたエステル化反応生成物をアンチモン化合物
の存在下に連続的に溶融重縮合させる溶融重縮合工程、
及び得られた重縮合物を固体状態で重縮合させる固相重
縮合工程よりなるエチレンテレフタレート単位を主要構
成成分とするポリエステルの製造方法において、燐化合
物をスラリー化工程に供給し、かつアンチモン化合物並
びにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物よ
りなる群から選ばれた金属化合物を、両者が共存するエ
チレングリコール溶液として、溶融重縮合工程に供給さ
れるエステル化反応生成物中に供給することを特徴とす
る、固有粘度が0.6〜0.9dl/g、アンチモン元
素の含有量が0.8〜2.0ミリモル/kg、アルカリ
金属及びアルカリ土類金属元素よりなる群から選ばれた
金属元素の含有量が0.4〜8.0ミリモル/kg、燐
元素の含有量が0.1〜7.0ミリモル/kg、昇温結
晶化ピーク温度が160℃以上、降温結晶化ピーク温度
は170℃以下であるか又は存在せず、常温から120
℃に昇温して10分間保持したときの球晶数が1×10
-2個/μm2 以下、かつ300℃から200℃に降温し
て2分間保持したときの球晶数が1×10-3個/μm2
以下であることを特徴とするポリエステルの製造方法。
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