JP2006104304A - ポリエチレンテレフタレート樹脂 - Google Patents
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Abstract
低温で溶融成形を行っても透明性の良好なポリエチレンテレフタレート樹脂を提供すること。
【解決手段】
(A)テレフタル酸を除くジカルボン酸成分およびエチレングリコールを除くグリコール成分を、共重合モノマー単位として合計で1.5から6.0モル%含有し、
(B)固有粘度(IV)が0.70dl/gから1.10dl/gの範囲にあり、
(C)密度が1390kg/m3から1410kg/m3の範囲にあり、
(D)小角X線により測定されるペレットの微結晶サイズをL1とし、同ペレットをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムとの50/50重量%混合液中に2時間放置した後のペレットの小角X線により測定される微結晶サイズをL2とするとき、L1とL2の値が、ともに60から70Åの範囲にある、
ことを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット。
Description
そしてこのポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを原料に用いたボトルを成形する方法として、例えば先ず射出成形機械などの溶融成形機に供給してプリフォームと呼ばれる予備成形品を成形する。この工程では、ペレットがスクリュウを搭載したシリンダー内に投入されスクリュウ回転により樹脂が可塑化(溶融)された後、金型内に射出し冷却固化させて取り出すことによりプリフォームが得られる。
ブロー成形方法としては大きく2つの方法が挙げられる。非耐熱中空容器を成形する場合は、加熱されたプリフォームを金型内でブロー成形を行い、直ちに金型から取り出す。一方耐熱中空容器を成形する場合は、金型温度を例えば130℃以上の高温に調整しヒートセットと呼ばれる手法により、樹脂が高温の金型に接触することによりブロー(延伸)時に生成した歪を緩和させ耐熱性を付与させる。
た飲料などの内容物に溶出し、その風味、香りなどが著しく低下させてしまう。
このような不具合を防ぐためには、充填された内容物へのアセトアルデヒドの溶出を抑えなければならず、つまり容器材質中のアセトアルデヒド量を低減しなければならない。さらに、この容器材質中のアセトアルデヒド量を低減するためには溶融成形工程におけるアセトアルデヒド量の生成増加量を抑えなければならない。
ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるペレットであって、
(A)テレフタル酸を除くジカルボン酸成分およびエチレングリコールを除くグリコール成分を、共重合モノマー単位として合計で1.5から6.0モル%含有し、
(B)固有粘度(IV)が0.70dl/gから1.10dl/gの範囲にあり、
(C)密度が1390kg/m3から1410kg/m3の範囲にあり、
(D)小角X線により測定されるペレットの微結晶サイズをL1とし、同ペレットをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムとの50/50重量%混合液中に2時間放置した後のペレットの小角X線により測定される微結晶サイズをL2とするとき、L1とL2の値が、ともに60から70Åの範囲にある、
ことを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットに係る。
また前記ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを溶融成形して得られる成形品もしくはプリフォーム、またはブロー成形して得られる中空容器は、本発明の好ましい形態である。
うな場合、スクリュウ回転数を高くする。もしくはシリンダーに装着されたヒーターの設定温度を高くするなど、より高温での成形を行わざるを得ない。つまり、アセトアルデヒドなどの副生成物をより多く生成してしまうこととなる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料として、更にテレフタル酸フタル酸を除くジカルボン酸成分およびエチレングリコールを除くグリコール成分を、モノマー単位として合計で1.5から6.0モル%共重合されたポリエステル樹脂を使用する。共重合モノマーの量は合計で1.5から6.0モル%の範囲にあれば構わないが、ジカルボン酸成分またはグリコール成分の一方を用いることが好ましい。またジカルボン酸としては芳香族、グリコール成分としては脂肪族を使用することが好ましい。
共重合モノマー量が6.0モル%以下であると、結晶性が適度に高いために固相重合工程においてペレットの結晶化速度が低下せず、また固相重合行程や成形行程の際にペレット同士の融着がおきにくいので好ましい。共重合モノマー量が1.5モル%以上であると、融点が適度に下がるため、副生成物が生成しない温度で溶融成形可能となり好ましい。
から算出した。
融解ピークが1つの場合にはそのピーク温度Tmが220℃以上であり、
融解ピークが2つの場合には、低温側の融解ピーク温度をTm1とし、高温側の融解ピーク温度をTm2とした場合、Tm1が220℃以上であって、Tm2―Tm1が0℃より大きく15℃以下の範囲にある。
融解ピークの温度および温度差は、後述するように予備結晶化温度および固相重合の温度によって調製することが出来る。
このスラリーには、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体1モルに対して1.02〜1.4モル、好ましくは1.03〜1.3モルの脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。
望ましい。
またトリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン;水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn-ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウム;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基性化合物を少量添加して実施すると、ポリエチレンテレフタレート樹脂の主鎖中のジオキシエチレンテレフタレート成分単位の割合を比較的低水準に保持できるので好ましい。
このようにして、最終重縮合反応器から得られたポリエステルは、通常、溶融押出成形法
によってペレット(チップ状)に成形される。
このような予備結晶化工程は、粒状ポリエステルを乾燥状態で、その温度を110〜200℃、好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは130〜150℃で実施することが好ましい。時間は10分から4時間の範囲で行う。
微結晶サイズL1およびL2の値は、予備結晶化工程ならびに固相重合工程を上述した温度で行うことにより60Åから70Åに調整することができる。予備結晶化温度が高すぎると微結晶サイズが60Åを下回ることがある。
固相重合温度を上記以上に高くすると、ペレットが半溶融状態となりペレット同士で融着現象を発生させ樹脂の生産性を阻害したり、密度、Tm2、結晶サイズが大きくなり逆に可塑化が悪くなったりする不具合を生じる。
本発明によって、ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットから中空容器、シート、フィルム、繊維などを成形する方法としては従来公知の方法を採用することができる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットは、射出成形や押出成形といった溶融成形での成形温度が低く、したがってその成形品、例えばプリフォームならびに中空容器材質中のアセトアルデヒドなどの副生成物が少ない。
中空容器を成形する方法として、射出成形とブロー成形の2工程により中空容器を成形するのが一般的である。
次いで、このプリフォームはブロー成形機に供給される。ブロー成形機は加熱工程とブロー工程の2工程からなり、加熱工程ではプリフォームを例えば赤外線ヒーターを用いて所定の温度に加熱、材料を軟化させる。次いで加熱されたプリフォームはブロー工程に移送され所定形状の金型に挿入し、延伸ロッドと呼ばれる棒と高圧エアにより延伸ブロー成形を行い、金型から取り出し中空容器を成形する。通常ブロー成形では加熱、ブローを連続的に行う成形システムとなっている。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
反応器にジカルボン酸およびグリコール成分からなるスラリーを連続的に供給し、攪拌下および窒素雰囲気で、260℃、0.9kg/cm2-Gの条件下でエステル化反応を行った。ジカルボン酸成分はテレフタル酸とイソフタル酸を合計で6458重量部/時の割合で供給し、グリコール成分はエチレングリコールを2615重量部/時の割合で供給した。イソフタル酸の共重合量は表1に示す。定常運転時に33500重量部のスラリー及び反応生成物が反応器内に停留する条件であった。
上記で得られたエチレングリコールとテレフタル酸との低次重縮合物の数平均分子量は600〜1300(3〜5量体)であった。
得られた非晶質のポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.60dl/gに達するまでに要した時間は60分であった。
さらにこのポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを130℃で予備結晶化させ、次いで217℃、循環窒素ガスの存在下で固相重縮合を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.80dl/gであった。
固有粘度は、ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット0.5gをテトラクロロエタン/フェノール=50/50(wt%/wt%)混合溶液100cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出した。
密度の測定は、JIS K-7112-1980に基づき、密度勾配管を用いて実施した。密度勾配溶液は、塩化亜鉛、塩酸、水を用いて密度の軽い溶液と密度の重い溶液をそれぞれ調整、さらに混合し、1360kg/m3から1411kg/m3となるよう調整した。
サンプルは、メタノールで濡らした後、勾配管に静かに入れ、120分後に測定値を読み取る。値は、有効数字5桁目をJIS Z8401により丸めて4桁目までを採用した。サンプルは少なくとも2個準備し測定を実施その平均値を測定値とした。サンプル間の測定値差は1kg/m3以下であった。
ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを150℃で5時間真空乾燥した後、ペレットのカット面をカミソリ刃で除去し中央部を採取した。乾燥したペレットを示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用いて、30℃から290℃までを10℃/分の速度で昇温させた。その際の結晶が融解する温度(低温側の融解ピーク温度)をTm1とし、一次構造(非晶)が融解する温度(高温側の融解ピーク温度)をTm2とした。本実施例のTm1は241℃で、Tm2は251℃であった。
X線回折装置(理学電機社製 高分解能小角X線散乱装置)を用いて、ペレット1粒をホルダーに取り付けて測定を行った。得られた値(長周期)に下式で求められるペレットの結晶化度(結晶部の割合)を掛けて微結晶サイズ(L1)を求めた。結果を表1に示す。
結晶化度=1455×(ペレットの密度―1335)
/(ペレットの密度×(1455−1335))
1335(kg/m3):ポリエチレンテレフタレート樹脂の非晶密度
1455(kg/m3):ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶密度
ヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムとの混合液(50重量%/50重量%)を準備し、その中にペレット100gを投入した。2時間ペレットを混合液中に放置した後、ペレットと混合液をロートと濾紙を用いて分別した。ペレットはインキュベータ内で50℃、窒素気流下で乾燥させた。乾燥させたペレットは、X線回折装置(理学電機社製
高分解能小角X線散乱装置)を用いて、L1と同様の算出方法により微結晶サイズ(L2)を求めた。結果を表1に示す。
ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを170℃の除湿エアを用いて4時間乾燥を行い、その含有水分量を50ppm以下に調整した。次いで、東洋機械金属社製Ti−80G2型射出成形機で、そのシリンダーに石英ガラスの窓を装着したシリンダー内部が観察できる装置を用いた。シリンダー設定温度は250℃で、スクリュウ回転数は90rpmに設定し成形を行い、スクリュウが回転している際のペレットの可塑化状況を石英ガラス窓から目視にて観察した。
ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを170℃の除湿エアを用いて4時間乾燥を行い、その含有水分量を50ppm以下に調整した。乾燥したペレットをHusky社製
LX160PET型射出成形機に投入し、シリンダー設定温度280℃に、スクリュウ回転数を24rpmに設定し成形を行った。その際のプリフォームの外観を観察し、未溶融による白化物の有無を確認し、白化が認められなければシリンダーの設定温度を3℃低減させ成形を行い、再びプリフォームの白化の有無を確認した。本実施例においては264℃にて初めて白化物が認められたため、可塑化下限温度を267℃とした。
試料2.0gを秤量し、フリーザーミルを用いて冷凍粉砕する。粉砕試料は窒素置換したバイアル瓶に投入、さらに内部標準物質(アセトン)と水を入れて密栓する。バイアル瓶は120±2℃の乾燥機で1時間加熱した後、上澄み液をガスクロマトグラフィーに注入し測定した。各結果を表1に記載した。
予備結晶化温度を170℃に、固相重合温度を220℃とした以外は実施例1と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットおよびプリフォームを得た。結果を表1に示す。
予備結晶化温度を170℃に、固相重合温度を210℃とした以外は実施例1と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットおよびプリフォームを得た。結果を表1に示す。
Claims (3)
- ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるペレットであって、
(A)テレフタル酸を除くジカルボン酸成分およびエチレングリコールを除くグリコール成分を、共重合モノマー単位として合計で1.5から6.0モル%含有し、
(B)固有粘度(IV)が0.70dl/gから1.10dl/gの範囲にあり、
(C)密度が1390kg/m3から1410kg/m3の範囲にあり、
(D)小角X線により測定されるペレットの微結晶サイズをL1とし、同ペレットをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムとの50/50重量%混合液中に2時間放置した後のペレットの小角X線により測定される微結晶サイズをL2とするとき、L1とL2の値が、ともに60から70Åの範囲にある、
ことを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット。 - 請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを溶融成形して得られる成形品もしくはプリフォーム。
- 請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットをブロー成形して得られる中空容器。
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2004
- 2004-10-04 JP JP2004291894A patent/JP5288677B2/ja active Active
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