JP5071760B2 - ポリエステル系樹脂発泡粒子およびその発泡成形方法 - Google Patents

ポリエステル系樹脂発泡粒子およびその発泡成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、気泡の均一で、発泡成形に適した発泡粒子および発泡粒子の成形方法、および発泡粒子を用いた発泡成形品の発泡成形方法に関する。
近年、軽量性、緩衝性、断熱性、成形性等の点に特徴を有するプラスチック発泡体は、その利便性から、主に包装容器、緩衝材等に多量に用いられている。一方、通常プラスチックは分解しないか、分解するとしても長い年月が必要であり、これらが自然界に放置された場合、ごみ散乱などによって自然環境に影響を与える可能性を有しているため、改善が期待され、生分解性樹脂で発泡体を作る試みがなされている。
生分解性発泡粒子成形体を得るための従来の方法としては、例えば、特許文献1に、ジイソシアネート化合物を添加することによって高分子量化したウレタン結合を含むポリブチレンサクシネートからなる脂肪族ポリエステル樹脂粒子に、プロパンとペンタンとを発泡剤として含浸させて発泡粒子とした後、該粒子を加熱して予備発泡粒子とした後、これを金型内で加熱成形し、成形体を得る方法が記載されている。
特開平6−248106号公報
また例えば特許文献2にはポリ乳酸にポリイソシアネート化合物やエポキシ化合物を添加し、樹脂粒子を得た後、非水溶媒中で揮発性発泡剤を使用し発泡性粒子を得る方法が開示されている。発泡性、成形性を改良することが開示されている。
特開2001−164027号公報
しかし、先行技術に見られる慣用の発泡体の成形方法は、発泡剤として、低沸点の揮発性のプロパン、ブタン、ペンタンのような有機化合物を使用する場合に、取り扱い上は勿論のこと、有機化合物の内容物への影響や、焼却における燃焼発熱などが懸念される。一方、メチレンクロライド、ジクロロフルオロメタンのようなハロゲン化合物を揮発性発泡剤として使用する場合においても、作業現場における健康は勿論のこと、環境汚染、生分解土壌汚染、内容物や人体への影響、食品包装総安全性なども懸念されるので、単に発泡剤という技術課題の解決という点からしても、発泡体に対する安全、信頼という面からの対策が必要となろう。
特にポリブチレンサクシネートのような生分解性樹脂に発泡剤として二酸化炭素を圧入することによる発泡成形も特許文献3に記載されている。しかし、脂肪族ポリエステル樹脂の特性を、最適な特に溶融粘弾性にすることについての記載は無い。
特開2005−154563号公報
発泡体の高分子材料の面からの改良を見ても、ポリスチレンビーズのような慣用の発泡体は、耐候性が良い為に、生鮮食品の輸送容器を使用した後に、発泡体特有の軽量であるが故の嵩張りという取り扱いの不便さは勿論のこと、回収、処分に苦慮するのが実情である。このために、近年、特に微生物分解性のプラスチックを使用することがその解決策と提案されている。しかし、発泡体といういわゆる、気泡の均一分布、気泡の大きさまたは寸法の均一性、および気泡の保持性というような問題もあり、発泡体粒子をモールド内で融着させて成形をする場合に、いわゆる発泡体粒子の融着性、強度、ひけのような発泡成形体の寸法安定性というような特有の問題もある。そのプラスチック材料をどのような重合体の材料とするか、いかなる改質をするかといういような工夫が求められる。
本発明は、プラスチック材料として、特定の脂肪族ポリエステルを選定した場合に、特に生分解性能を低下させることなく、しかも発泡材料として特有の発泡成形性、機械的強度、耐久性のような材料特性を保持しながら、気泡安定性、均一性というような発泡材料特有の発泡構造および品質を備えた発泡粒子および発泡成形品の製造に供することができる脂肪族ポリエステルを取得するという技術課題を解決し得たものである。同時にその脂肪族ポリエステル発泡体の製造に最も適合した発泡粒子の成形方法の技術課題を解決したものである。さらにその発泡粒子を用いた発泡成形品の成形方法に関する問題点を解決したものである。
本発明は、プラスチック材料として、特定の脂肪族ポリエステルを選定して、それに特定の特にジイソシアネート、特にブロック化ジイソシアネート化合物、或いはカルボジイミド化合物を改質剤として加えることにより、発泡材料としての諸特性を著しく向上させたものである。しかも発泡剤として揮発性発泡剤として特定の不活性ガスを使用することにより、気泡安定性に優れ、発泡成形品を成形するに適した性質および気泡構造を有するポリエステル発泡体粒子を、特に生分解性機能を備えた発泡粒子を取得するという技術課題を解決し得たものである。同時にそのポリエステルに発泡体に最も適合した発泡成形方法を提供するという技術課題を解決することができたものである。
本発明の特徴点を詳細に説明すれば、第1の特徴に、酸価が30μeq/g以下でかつ還元粘度が1.5以上の、ジオール・ジカルボン酸を主成分とする脂肪族ポリエステルと、ポリカルボジイミド基を有する改質剤とを含有し、改質剤の使用量が脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して0.01重量部から10重量部を添加し、揮発性発泡剤として不活性ガスを使用することを特徴とする発泡粒子(請求項1)である。この酸価は耐加水分解を調整するために脂肪族ポリエステルの酸価を30以下にすることであり、発泡粒子および発泡成形体の性質にも影響する。同様に還元粘度は、少なくとも1.5以上ないと発泡粒子や発泡成形品の材料としての特性を有しないという。
使用量が0.01部以下であるとカルボン酸末端の封止効果が無く、10部以上になれば改質剤のブリードアウトによる外観の悪化として不利な結果が生じる。
の特徴は、発泡粒子の嵩密度が0.01以上0.3以下であることを特徴とする発泡粒子(請求項)である。
この嵩密度が0.01以上0.3以下という範囲は、発泡粒子を型内成形という、いわゆる二次成形をする場合の、成形品の密度、強度などに微妙に影響をするから、最適な発泡粒子の嵩密度を調整することが、適正な成形品を製造することになり、この嵩密度が0.01以上0.3以下の範囲が重要な値である。
第3の特徴は、ジオール・ジカルボン酸を主成分とする脂肪族ポリエステルと、重合度が4以上30以下であるポリカルボジイミド基を有する改質剤を含有する組成物を不活性ガスで発泡させてなることを特徴とする発泡粒子(請求項3)で
ある。
第4の特徴は、不活性ガスが二酸化炭素である発泡粒子である(請求項5)。
第5の特徴は、酸価が30μeq/g以下でかつ還元粘度が1.5以上の、ジオール・ジカルボン酸を主成分とする脂肪族ポリエステルと、ポリカルボジイミド基を有する改質剤を含有する組成物の粉末またはペレットに、揮発性発泡剤として不活性ガスを高圧下に圧入し、次いで常圧下へ放出して瞬時発泡させることを特徴とする発泡粒子の製造方法(請求項5)である。
の特徴は、揮発性の不活性ガスを粉末又はペレットに30〜60kgf/cm Gで圧入しながら30〜180分間熟成してから開放することを特徴とする発泡粒子の製造方法(請求項6)である。
不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素などが使用されるが、取り扱い上の便宜性を考慮すれば、大部分が窒素ガスである大気も使用できる。
の特徴は、発泡粒子の嵩密度が0.01以上0.3以下であることを特徴とする発泡粒子の製造方法(請求項)である。
の特徴は、発泡粒子を型内成形した成形体(請求項)である。この型内成形とは、予め高倍率に発泡した発泡粒子を型内容積より多めの量を型内へ投入して、縮小融着する方法もあるだろうが、比較的低発泡倍率の発泡粒子を型内容積より少なめの量を型内へ投入して、次いで二次発泡させる方法のいずれも実施態様に含まれる。
本発明の脂肪族ポリエステル発泡体は、生分解性の性質を維持しながら、一方で特定の不活性ガスの選定に起因する生分解過程における環境汚染が無いこと、焼却処理においても、過剰な燃焼熱を発生することが無く、焼却装置の破損を防ぐというような廃プラ処理の効果がある。さらに、特定の改質剤の選定に起因する発泡体の脂肪族ポリエステル樹脂の均一な気泡の保持、所定の材料強度を有するので、発泡材料の機械特性が均一な発泡製品を収得できる。発泡体容器による、魚介類のような生鮮食品の輸送という用法において、ポリエステル樹脂の加水分解性を防ぐことも可能であるから、発泡材料として用途を広げることも可能であり、発泡材料として卓越した作用効果を奏する。
[脂肪族ポリエステル]
本発明の脂肪族ポリエステルとは、ジオール単位(即ち、ジオール又はその誘導体から形成される構成単位)と、ジカルボン酸単位(即ち、ジカルボン酸又はその誘導体から形成される構成単位)とを必須の構成単位とし、重縮合反応により製造されるものである。ここで、ジオール単位及びジカルボン酸単位については、それぞれ本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。
(i)ジオール
ジオール単位としては、下記式(I)で表わされるジオール又はその誘導体(以下適宜、ジオール及びその誘導体を「ジオール成分」という)から形成されるものが好ましく、ジカルボン酸単位としては下記式(II)で表わされるジカルボン酸又はその誘導体(以下適宜、ジカルボン酸及びその誘導体を「ジカルボン酸成分」という。)から形成されるものが好ましい。
(式(I)において、Rは、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を表わす。また、式(II)において、Rは、2価の脂肪族炭化水素基を表わし、nは0又は1を表わす。)
まず、式(I)で表わされるジオール成分について説明する。
式(I)において、Rは、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を表わす。
また、Rは、鎖状脂肪族炭化水素基であってもよく、脂環式炭化水素基であってもよい。さらに、分岐鎖を有していてもよく、有していなくてもよい。
さらに、Rの炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、Rが鎖状脂肪族炭化水素基である場合、Rの炭素数は通常2以上、また、通常10以下、好ましくは6以下である。一方、Rが脂環式炭化水素基である場合、Rの炭素数は通常3以上、また、通常10以下、好ましくは8以下である。
さらに、ジオール成分としては、上記の式(I)のジオールの誘導体も好適に用いることができる。その例としては、酢酸とのエステル化合物などが挙げられる。
(ii)ポリエーテル
上記式(I)で表されるジオール及びその誘導体の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が好適に挙げられる。中でも、得られる脂肪族ポリエステルの物性の面から、特に1,4−ブタンジオールまたは1,4−ブタンジオールの混合物が好ましい。
さらに、式(I)において、Rが鎖中に酸素原子を含有する2価の鎖状脂肪族炭化水素基である場合、Rとしては、下記式(III)で表されるジヒドロキシアルキレングリコールの縮合体が好ましい。また、このジヒドロキシアルキレングリコールの縮合体の炭素数は、2〜6であることが好ましい。
上記式(III)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表わす。
また、p及びp’は、それぞれ独立に、1〜3の整数を表わす。
さらに、q及びq’は、それぞれ0以上の整数を表わす。但し、qとq’とが同時に0であることは無く、一方が0の場合、他方は2以上の整数である。
式(III)で表わされるジヒドロキシアルキレングリコールの縮合体の具体例を挙げると、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等とポリプロピレングリコール等との共重合体、ジブタンジオール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
また、これらの中でも、分子量100〜200万のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等とポリプロピレングリコール等との共重合体、並びに、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが、得られる脂肪族ポリエステルの融点の低下が小さく好適である。
(iii)ジカルボン酸
次に、式(II)で表わされるジカルボン酸について説明する。
式(II)において、Rは、2価の脂肪族炭化水素基を表わし、nは0又は1を表わす。また、Rは、鎖状脂肪族炭化水素基であってもよく、脂環式炭化水素基であってもよい。さらに、Rは、分岐鎖を有していてもよい。
さらに、Rの炭素数も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常2以上、また、通常48以下である。
ただし、Rが鎖状脂肪族炭化水素基である場合、Rとしては、−(CH−で表わされる2価の鎖状脂肪族炭化水素基であることが好ましい。なお、mは通常1以上、また、通常10以下、好ましくは6以下の整数である。
また、Rが脂環式炭化水素基である場合、Rの炭素数は、通常3以上、好ましくは4以上、また、通常10以下、好ましくは8以下である。
さらに、ジカルボン酸成分としては、上記式(II)のジカルボン酸の誘導体も好適に用いることができる。例えば、上記式(II)のジカルボン酸の低級アルコールエステルや酸無水物などが挙げられる。中でも、ジカルボン酸の誘導体としては、炭素数1〜4の低級アルコールエステル若しくは酸無水物が好ましい。
上記式(II)で表されるジカルボン酸及びその誘導体の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、へプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカンニ酸、テトラデカン二酸、ペンタデカンニ酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、マレイン酸、フマル酸、1,6−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の通常、炭素数が2以上48以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの誘導体、例えば、ジメチルエステル、ジエチルエステル等の低級アルコールとのエステル、無水コハク酸、無水アジピン酸等の酸無水物も挙げられる。なかでも、得られる脂肪族ポリエステルの物性の面から、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸またはこれらの酸無水物、及びこれらの低級アルコールとのエステルが好ましく、特にはコハク酸、無水コハク酸、またはこれらの混合物が好ましい。
(iv)オキシカルボン酸
さらに、本発明に好適な脂肪族ポリエステルには、生分解性、材料特性を変える目的で、上記のジオール単位及びジカルボン酸単位の他の構成単位を含有させるようにしてもよい。
ジオール単位及びジカルボン酸単位の他の構成単位としては、例えば、脂肪族オキシカルボン酸単位が挙げられる。この脂肪族オキシカルボン酸単位としては、分子中に1個の水酸基とカルボン酸基を有する脂肪族オキシカルボン酸及びその誘導体(以下適宜、「脂肪族オキシカルボン酸成分」という)により形成される構成単位であれば特に限定は無く、環状のものも、鎖状のものも使用できる。
脂肪族オキシカルボン酸成分としては、例えば、α,ω−ヒドロキシカルボン酸、α−ヒドロキシカルボン酸等が挙げられるが、これらのオキシカルボン酸のエステルやラクトン類、ラクチド、或いはオキシカルボン酸重合体等の誘導体であってもよい。
ラクトン類の具体例としては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトン等のラクトン;4−メチルカプロラクトン、2,2,4−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン等のメチル化ラクトンなどが挙げられる。
また、オキシカルボン酸としては、例えば、下記式(IV)で表わされる脂肪族オキシカルボン酸によるものが挙げられる。
(式(IV)において、Rは、上記の式(II)におけるRと同様のものを表わす。)
また、上記のものの中でも、下記式(V)で表わされる脂肪族オキシカルボン酸から形成されるものが好ましい。
(式(V)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基を表わす。)
中でも特に、下記式(VI)で表わされる脂肪族オキシカルボン酸が、重合反応性向上効果が認められる点で好ましい。
(式(VI)において、aは、0または1〜10の整数の整数を表わし、好ましくは0または1〜5の整数を表わす。)
オキシカルボン酸、特に、脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルボン酸等も挙げられる。また、更には、これらの低級アルキルエステル、分子内エステルなどの誘導体も挙げられる。
さらに、これらの化合物に光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。
これらの中で好ましいのは、乳酸またはグリコール酸であり、特に好ましいのは、使用時の重合速度の増大が特に顕著で、かつ入手の容易な乳酸である。なお、乳酸の形態としては、30〜95重量%の水溶液が、容易に入手することができるので好ましく使用される。
また、これら脂肪族オキシカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に好適な脂肪族ポリエステルに脂肪族オキシカルボン酸単位を含有する場合、その使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、脂肪族ジカルボン酸単位100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上、また、通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。上記範囲の下限を下回ると添加効果が現れない虞があり、上限を上回ると本発明の発泡粒子の耐熱性、機械的特性などが不十分となる虞がある。
(V)多官能成分
さらに、本発明に好適な脂肪族ポリエステルにおいては、3官能基以上を有する多官能成分単位として、3官能以上の脂肪族多価アルコール単位、脂肪族多価カルボン酸単位及び脂肪族多価オキシカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の単位を存在させることにより、その脂肪族ポリエステルの発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体の収縮を抑制することができ、好ましい。この収縮抑制の理由は明らかではないが、3官能以上の化合物を用いることによる脂肪族ポリエステルの溶融張力の向上が影響しているものと思われる。なお、多官能成分単位は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
多官能成分単位を形成する3官能の脂肪族多価アルコール単位の具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはその無水物などによるものが挙げられる。また、4官能の脂肪族多価アルコール単位の具体例としては、ペンタエリスリトール等によるものが挙げられる。
また、3個あるいは4個のヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等のポリオールから形成される構成単位も、多官能の脂肪族多価アルコール単位として用いることができる。ポリエーテルポリオールの構成単位としては本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はこれらのランダム共重合体又はブロック共重合体から選ばれる繰り返し単位から構成されるものが好ましい。一方、ポリエステルポリオールの構成単位も本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、例えば、ポリカプロラクトンの繰り返し単位から構成されるものが好ましい。
これらのポリオールは、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物を中心化合物として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトンなどの環状エーテルや環状エステルを反応させて得られる。
また、ポリオールの数平均分子量は200以上が好ましい。200未満であると物性改良効果が小さいからである。更に好ましくは、500以上、最も好ましくは1000以上が好ましい。なお、ポリオールの数平均分子量は、水酸基価から算出される。
このようなポリオールを本発明に用いて好適な脂肪族ポリエステル中に導入することによって、重合速度の加速や溶融粘度、溶融張力の向上が達成され、成形加工性が向上する。また、型内発泡成形体の適度な柔軟性、靱性の向上を達成することが可能である。
また、多官能成分単位を形成する3官能の脂肪族多価カルボン酸単位の具体例としては、プロパントリカルボン酸またはその無水物等から形成される構成単位が挙げられる。
さらに、多官能成分単位を形成する4官能の脂肪族多価カルボン酸単位の具体例としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその無水物等から形成される構成単位が挙げられる。
また、多官能成分単位を形成する3官能の脂肪族オキシカルボン酸単位は、(i)カルボキシル基2個とヒドロキシル基1個とを同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基1個とヒドロキシル基2個とを同一分子中に有するタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。(i)のタイプの具体例としてはリンゴ酸等から形成される構成単位が挙げられ、(ii)のタイプの具体例としてグリセリン酸等から形成される構成単位が挙げられる。
また、多官能成分単位を形成する4官能の脂肪族オキシカルボン酸単位は、(i)カルボキシル基3個とヒドロキシル基1個とを同一分子中に共有するタイプと、(ii)カルボキシル基2個とヒドロキシル基2個とを同一分子中に共有するタイプと、(iii)ヒドロキシル基3個とカルボキシル基1個とを同一分子中に共有するタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体例としてはクエン酸や酒石酸から形成される単位が挙げられる。
上記の本発明に好適な脂肪族ポリエステルは、ジオール単位及びジカルボン酸単位という必須単位に対応する化合物、即ち、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、またはその誘導体を所定割合で用い、公知の重合技術により製造することができる。この脂肪族ポリエステルを製造する際の重合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。
また、多官能成分単位を使用する場合、その使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、脂肪族ジカルボン酸単位100モルに対し、通常0.001モル以上、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、また、通常5モル以下、好ましくは2.5モル以下、より好ましくは1モル以下用いるようにする。この範囲の下限を下回ると添加効果が現れず、上限を上回ると反応中ゲル化する可能性が増大するので好ましくない。
本発明のポリエステルとは、上記に列挙したジカルボン酸単位およびジオール単位の範疇に属する各種化合物を主体とする反応成分に対して、必要により多官能成分単位を併用することにより製造されるポリエステルはすべて本発明のポリエステルに含まれるが、典型的なものとして、以下のポリエステルが具体的に例示できる。
ジカルボン酸としてシュウ酸を用いたポリエステルとしては、シュウ酸−エチレングリコールのポリエステル、シュウ酸−1,3−プロパンジールのポリエステル、シュウ酸−1、2プロパンジオールのポリエステル、シュウ酸1−1,4−ブタンジオールのポリエステル、シュウ酸−1,5−ペンタンジオールのポリエステル、シュウ酸−1,6−ヘキサンジオールのポリエステル、シュウ酸−1,4−シクロヘキサンジオールのポリエステル、及びシュウ酸−1,4−シクロヘキサンジメタノールのポリエステルなどが例示できる。
コハク酸を用いたポリエステルとしては、コハク酸−エチレングリコールのポリエステル、コハク酸−1,3−プロパンジールのポリエステル、コハク酸−1、2プロパンジオールのポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオールのポリエステル、コハク酸−1,5−ペンタンジオールのポリエステル、コハク酸−1,6−ヘキサンジオールのポリエステル、コハク酸−1,4−シクロヘキサンジオールのポリエステル、及びコハク酸−1,4−シクロヘキサンジメタノールのポリエステルなどが例示できる。
ジカルボン酸としてアジピン酸シュウ酸を用いたポリエステルとしては、アジピン酸−エチレングリコールのポリエステル、アジピン酸−1,3−プロパンジールのポリエステル、アジピン酸−1、2プロパンジオールのポリエステル、アジピン酸−1,4−ブタンジオールのポリエステル、アジピン酸−1,5−ペンタンジオールのポリエステル、アジピン酸−1,6−ヘキサンジオールのポリエステル、アジピン酸−1,4−シクロヘキサンジオールのポリエステル、及びアジピン酸−1,4−シクロヘキサンジメタノールのポリエステルなどが例示できる。
同様に、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、へプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカンニ酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、マレイン酸、フマル酸、1,6−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の通常、炭素数が2以上48以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸と、ジオールの組み合わせのポリエステルが任意に製造することができる。
その他、上記のジカルボン酸を組み合わせたポリエステルも好ましい組み合わせであり、コハク酸−アジピン酸−エチレングリコールのポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオールのポリエステル、テレフタル酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオールのポリエステル及びテレフタル酸−コハク酸−1,4−ブタンジオールのポリエステルなどが例示できる。
本発明は、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、第3成分として共重合成分を加えた共重合ポリエステルも対象としている。その共重合成分の具体的な例としては、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。これらの共重合成分の中では、高重合度の共重合ポリエステルが容易に製造できる傾向があるため、特に2官能及び/又は3官能以上のオキシカルボン酸が好適に使用される。その中でも、3官能以上のオキシカルボン酸の使用は、後述する鎖延長剤を使用することなく、極少量で容易に高重合度のポリエステルを製造できるのでもっとも好ましい方法である。
2官能のオキシカルボン酸としては、具体的には、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、カプロラクトン等が挙げられるが、これらはオキシカルボン酸のエステルやラクトン、或いはオキシカルボン酸重合体等の誘導体であっても良い。また、これらオキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中では、入手の容易な乳酸またはグリコール酸が特に好ましい。形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。高重合度のポリエステルを容易に製造する目的で2官能のオキシカルボン酸を共重合成分として使用する場合、任意の2官能のオキシカルボン酸を重合時に添加すると所望の共重合ポリエステルが製造できる。具体的には、その効果が発現する使用量の下限としては、通常、原料モノマーに対して通常、0.02モル%以上、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1.0モル%以上である。一方、使用量の上限は、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
具体的にそのポリエステルの態様を示すと、2官能のオキシカルボン酸として乳酸を用いると、例えば、ジカルボン酸としてコハク酸を用いたポリエステルとしては、コハク酸−エチレングリコール−乳酸のポリエステル、コハク酸−1,3−プロパンジール−乳酸のポリエステル、コハク酸−1、2プロパンジオール−乳酸のポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−乳酸のポリエステル、コハク酸−1,5−ペンタンジオール−乳酸のポリエステル、コハク酸−1,6−ヘキサンジオール−乳酸のポリエステル、コハク酸−1,4−シクロヘキサンジオール−乳酸のポリエステル、及びコハク酸−1,4−シクロヘキサンジメタノール−乳酸のポリエステルなどが例示できる。
ジカルボン酸としてコハク酸を用いたポリエステルとしては、コハク酸−エチレングリコール−ラクトンのポリエステル、コハク酸−1,3−プロパンジール−ラクトンのポリエステル、コハク酸−1、2プロパンジオール−ラクトンのポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−ラクトンのポリエステル、コハク酸−1,5−ペンタンジオール−ラクトンのポリエステル、コハク酸−1,6−ヘキサンジオール−ラクトンのポリエステル、コハク酸−1,4−シクロヘキサンジオール−ラクトンのポリエステル、及びコハク酸−1,4−シクロヘキサンジメタノール−ラクトンのポリエステルなどが例示できる。
3官能以上の多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
共重合成分の3官能以上の多価アルコールとしてペンタエリスリトールを用いると、例えば、ジカルボン酸としてコハク酸を用いたポリエステルの場合には、コハク酸−エチレングリコール−ペンタエリスリトールのポリエステル、コハク酸−1,3−プロパンジール−ペンタエリスリトールのポリエステル、コハク酸−1、2プロパンジオール−ペンタエリスリトールのポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−ペンタエリスリトールのポリエステル、コハク酸−1,5−ペンタンジオール−ペンタエリスリトールのポリエステル、コハク酸−1,6−ヘキサンジオール−ペンタエリスリトールのポリエステル、コハク酸−1,4−シクロヘキサンジオール−ペンタエリスリトールのポリエステル、及びコハク酸−1,4−シクロヘキサンジメタノール−ペンタエリスリトールのポリエステルなどが例示できる。
3官能以上の多価アルコールを任意に変えて、所望の共重合ポリエステルが製造できる。これらの共重合ポリエステルを鎖延長(カップリング)した高分子量のポリエステルも本発明のポリエステルの範疇に属する。
3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、具体的には、プロパントリカルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
3官能以上のオキシカルボン酸としては、具体的には、リンゴ酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。特に、入手のし易さから、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸ならびにその混合物が好ましい。共重合成分の3官能のオキシカルボン酸としてリンゴ酸を用いる場合、例えば、コハク酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸の共重合ポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸の共重合ポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−酒石酸の共重合ポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−酒石酸の共重合ポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−クエン酸の共重合ポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−クエン酸の共重合ポリエステルとなる。3官能のオキシカルボン酸を任意に変えて、所望の共重合ポリエステルが製造できる。
勿論、更に2官能のオキシカルボン酸との組み合わせで、例えば、コハク酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−乳酸の共重合ポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−乳酸の共重合ポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−酒石酸−乳酸の共重合ポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−酒石酸−乳酸の共重合ポリエステル、コハク酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−クエン酸−乳酸の共重合ポリエステル、コハク酸−アジピン酸−1,4−ブタンジオール−リンゴ酸−クエン酸−乳酸の共重合ポリエステルとなる。
このように、上記に列挙した各脂肪族ポリエステル反応成分を任意に組み合わせて、所望の脂肪族ポリエステルを製造することができる。
上記の3官能以上の多官能化合物単位の量は、ゲルの発生原因となるため通常、ポリエステルを構成する全単量体単位100モル%に対して、上限値が通常、5モル%以下、好ましくは1モル%以下、更に好ましくは、0.50モル%以下、特に好ましくは0.3モル%以下である。一方、高重合度のポリエステルを容易に製造する目的で3官能以上の化合物を共重合成分として使用する場合、その効果が発現する使用量の下限値としては、通常、0.0001モル%以上、好ましくは、0.001モル%以上、より好ましくは、0.005モル%以上、特に好ましくは0.01モル%以上である。
本発明のポリエステルは、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできるが、その量は、通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合ならびにウレタン結合が通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。しかしながら、本発明のポリエステルを生分解性樹脂として使用する場合には、ジイソシアネートやカーボネート結合が存在すると、生分解性を阻害する可能性があるため、その使用量は、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が1モル%未満、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下であり、ウレタン結合が、0.06モル%未満、好ましくは0.01モル%以下、より好ましくは0.001モル%以下である。カーボネート結合量やウレタン結合量は、13C NMR等のNMR測定により算出される。
カーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが例示される。その他、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、または異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
さらに、本発明に好適な脂肪族ポリエステルの数平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以上、好ましくは30000以上、また、通常200000以下である。数平均分子量が上記範囲の下限を下回ると本発明の発泡粒子が発泡特性に劣る虞があり、他方、上限を上回ると溶融温度や粘度が高くなり発泡粒子の製造が困難になる虞がある。さらに、耐加水分解を調整するために脂肪族ポリエステルの酸価を30以下にすること、好ましくは酸価を25以下に、より好ましくは酸価を20以下にする。また、本発明に好適な脂肪族ポリエステル(本発明ではペレットにも適用される)の還元粘度は、通常1.2以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.7以上、更に好ましくは2.0以上であり、還元粘度が低すぎると、発泡粒子や発泡成形品の製造が困難になる傾向がある。
[脂肪族ポリエステルの製造方法]
脂肪族ポリエステルの製造方法は、ポリエステルの製造に関する公知の方法が採用できる。また、この際の重縮合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。また、通常は、エステル化反応を進行させた後、減圧操作を行なうことによってさらに重合度を高めることができる。
また、脂肪族ポリエステルの製造時に、ジオール単位を形成するジオール成分とジカルボン酸単位を形成するジカルボン酸成分とを反応させる場合には、製造される脂肪族ポリエステルが目的とする組成を有するようにジオール成分及びジカルボン酸成分の使用量を設定する。通常は、ジオール成分とジカルボン酸成分とは実質的に等モル量である。ただし、この際、ジオール成分の使用量は、エステル化反応中の留出があることから、通常は1〜20モル%過剰に用いられる。
さらに、本発明に好適な脂肪族ポリエステルに脂肪族オキシカルボン酸単位や多官能成分単位等の必須成分以外の成分(任意成分)を含有させる場合、その脂肪族オキシカルボン酸単位や多官能成分単位もそれぞれ目的とする組成となるように、それぞれに対応する化合物(モノマーやオリゴマー)を反応に供するようにする。
このとき、上記の任意成分を反応系に導入する時期及び方法に制限は無く、本発明に好適な脂肪族ポリエステルを製造できる限り任意である。
例えば脂肪族オキシカルボン酸を反応系に導入する時期及び方法は、ジオール成分とジカルボン酸成分との重縮合反応以前であれば特に限定されず、例えば、(1)あらかじめ触媒を脂肪族オキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で混合する方法、(2)原料仕込み時触媒を系に導入すると同時に混合する方法、などが挙げられる。
また、多官能成分単位を形成する化合物の導入時期は、重合初期の他のモノマーやオリゴマーと同時に仕込むようにしてもよく、または、エステル交換反応後、減圧を開始する前に仕込むようにしてもよいが、他のモノマーやオリゴマーと同時に仕込むほうが工程の簡略化の点で好ましい。
また、本発明に好適な脂肪族ポリエステルは、通常は触媒の存在下で製造される。触媒としては、ポリエステルの製造に用いることのできる触媒を、本発明の効果を著しく損なわない限り任意に選択することができる。その例を挙げると、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アンチモン、スズ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の金属化合物が好適である。中でもゲルマニウム化合物、チタン化合物が好適である。
触媒として使用できるゲルマニウム化合物としては、例えば、テトラアルコキシゲルマニウム等の有機ゲルマニウム化合物、酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム等の無機ゲルマニウム化合物などが挙げられる。中でも、価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特には、酸化ゲルマニウムが好適である。
また、触媒として使用できるチタン化合物としては、例えば、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチタネート等のテトラアルコキシチタンなどの有機チタン化合物が挙げられる。中でも、価格や入手の容易さなどから、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどが好ましい。
また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。なお、触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、触媒の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、使用するモノマー量に対して、通常0.0005重量%以上、より好ましくは0.001重量%以上、また、通常3重量%以下、好ましくは1.5重量%以下である。この範囲の下限を下回ると触媒の効果が現れない虞があり、上限を上回ると製造費が高くなったり得られたポリマーが著しい着色を生じたり耐加水分解性が低下したりする虞がある。
また、触媒の導入時期は、重縮合以前であれば特に限定されないが、原料仕込み時に導入しておいてもよく、減圧開始時に導入してもよい。原料仕込み時に乳酸やグリコール酸等の脂肪族オキシカルボン酸単位を形成するモノマーやオリゴマーと同時に導入するか、または脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して導入する方法が好ましく、特には、重合速度が大きくなるという点で脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して導入する方法が好ましい。
また、本発明に好適な脂肪族ポリエステルを製造する際の温度、重合時間、圧力などの反応条件は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。
ただし、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。また、反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下である。さらに、反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、中でも常圧が好ましい。また、反応時間は、下限が通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは4時間以下である。
さらに、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル反応及び/又はエステル交換反応後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×10Pa以上、好ましくは0.03×10Pa以上、上限が通常1.4×10Pa以下、好ましくは0.4×10Pa以下の真空度下として行なうことが望ましい。また、このときの反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。さらに、反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは10時間以下である。
また、市販の脂肪族ポリエステル樹脂として、GS−Pla AZ91TN(三菱化学(株)製)、GS−Pla AD92WN(三菱化学(株)製)、ビオノーレ#1001(昭和高分子(株)製)として入手できるものも使用できる。
[改質剤]
本発明の発泡粒子は、改質剤(カルボキシル基反応性改質剤)を含有する。改質剤は、生分解性樹脂がその炭素鎖の末端に有するカルボキシル基(カルボキシ末端)を封止することが可能な化合物であれば任意のものを用いることができ、例えば、ポリマーのカルボキシル末端の封止剤として用いられているものを任意に用いることができる。この改質剤を用いることにより、耐加水分解性を向上させることができる。より具体的には、本発明で言う改質剤とは脂肪族ポリエステルの末端カルボキシル基(R−COOH)をカルボジイミド基(−N=C=N−)が反応することにより、カルバモイル基(−NH−C(OOC−R)=N−)となるような化合物を言い、カルボン酸を変性することである。
また、本発明にかかる改質剤は、樹脂の末端を封止するのみではなく、熱分解や加水分解などで生成する末端カルボン酸や乳酸やギ酸などの酸性低分子化合物のカルボキシル基も封止することができるものが好ましい。さらに、熱分解や加水分解などで生成する酸性低分子化合物中の水酸基末端も封止できる化合物であることがさらに好ましい。
さらに、改質剤は、多官能のものであってもよく、単官能のものであってもよい。多官能の改質剤は生分解性樹脂の主鎖が切断した際、機械強度や溶融張力等の物性を維持できるという利点を有する。また、単官能の改質剤は多官能タイプよりも分子量や立体障害が少ないため、速やかに生分解性樹脂の末端と反応し、封止ができるという利点を有する。
このような改質剤としては、例えば、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、エポキシド化合物及びオキサゾリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
(カルボジイミド化合物)
カルボジイミド化合物は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)であり、このようなカルボジイミド化合物は、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用いて、イソシアネート化合物を70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応させることにより合成することができる。
上記のカルボジイミド化合物はモノカルボジイミドやポリカルボジイミドが挙げられる。モノカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等を例示することができる。これらの中では、工業的に入手が容易であるので、ジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが好ましい。
また、ポリカルボジイミド化合物としては、例えば米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、及びChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造したものを用いることができる。
なお、ポリカルボジイミド化合物の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
さらに、有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応に用いられるカルボジイミド化触媒としては、例えば、有機リン系化合物や一般式M(OR)で示される有機金属化合物(但し、Mはチタン、ナトリウム、カリウム、バナジウム、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、鉛、マンガン、ニッケル、カルシウムやバリウム等の金属原子を、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を示し、nは金属原子Mが取り得る原子価を示す)が好適である。中でも、有機リン系化合物ではホスフォレンオキシド類が、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコシド類が活性が高く好ましい。
上記のホスフォレンオキシド類の具体例としては、3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスフォレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体などを例示することができる。中でも工業的に入手が容易な3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
これらのポリカルボジイミド化合物の合成時には、モノイソシアネートやその他の末端イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物を用いて、所望の重合度に制御することもできる。このような目的に用いられる化合物としては、例えば、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有化合物、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、β−ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアミノ基含有化合物、コハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸等のカルボキシル基含有化合物、エチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプト基含有化合物、及び種々のエポキシ基含有化合物等を例示することができる。
また、カルボジイミド化合物は単独で使用することもできるが、複数の化合物を混合して使用することもできる。
本発明においては、ポリカルボジイミド化合物を用いる場合、その重合度は、下限が通常2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは、30以下である。重合度が低いと、脂肪族ポリエステル樹脂粒子製造時にカルボジイミド化合物が揮散し効果が低くなる傾向がある。一方、重合度が大きすぎると組成物中における分散性が不十分となり、均一な発泡特性が得られないことがある。
なお、工業的に入手可能なポリカルボジイミドとしては、例えば、カルボジライトHMV−8CA(日清紡製)、カルボジライト LA−1(日清紡製)、スタバクゾールP(ラインケミー社製)、スタバクゾールP100(ラインケミー社製)などが例示できる。
(イソシアネート化合物)
また、イソシアネート化合物としては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、2,6ージイソプロピルフェニルイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイノシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルペニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
(エポキシ化合物)
さらに、エポキシド化合物としては、o-フェノールフェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ヒドロキノングリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはノボラック型エポキシ樹脂、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。この他、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物等のエポキシ化合物なども、改質剤として挙げられる。
(オキサゾリン化合物)
また、オキサゾリン化合物としては、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
なお、上記改質剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、本発明の発泡粒子は、使用する用途に応じて適度にカルボキシル末端や酸性低分子化合物の封止を行えばよく、封止の程度はその用途に応じて任意である。具体的なカルボキシル末端や酸性低分子化合物の封止の程度としては、耐加水分解性を向上させる観点から、本発明の発泡粒子中の酸価が、通常30μeq/g以下、好ましくは25μeq/g以下、より好ましくは20μeq/gである。なお、本発明の発泡粒子中の酸価は、本発明の発泡粒子を適当な溶媒に溶解させた後、濃度既知の水酸化ナトリウムなどのアルカリ化合物溶液で滴定することにより測定したり、NMRにより測定したりすることができる。また、「eq」は「mol」を表わす単位である。
改質剤の使用量は、生分解性樹脂を100重量部として、通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、特に好ましくは0.2重量部以上、また、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下、特に好ましくは2重量部以下である。この範囲の下限を下回ると、耐水性、発泡体の所定の気泡の均一性および気泡の寸法などにおいて安定的に維持することができない。また、上限を上回ると製造費が高くなりすぎるとともに、所定の発泡特性、機械的か強度および耐水性のような改質剤の効果が無駄になり、カルボジイミドのような改質剤の余剰の影響が特に脂肪族ポリエステルプレポリマーの末端基ヒドロキシ基またはカルボキシル基の活性水素と高度に反応してゲル化を促進して加工に障害となることがある。特にポリエステル反応モノマーとして、2官能、3官能の多価アルコール、多価カルボン酸を用いた場合には、改質剤としての鎖伸長剤またはカップリング剤としての作用に微妙な調整を要することになる。
(改質剤の使用量)
また、上記の使用量の範囲内において、改質剤は、定量的にポリエステル酸末端を封止する量を加えれば良いが、長期安定性や発泡粒子製造時における発泡剤含浸工程における加水分解抑制効果と溶融張力向上効果とを発現するためには、ポリエステル末端に対して改質剤を過剰に存在させることが望ましい。なお、ここで改質剤を過剰に存在させるとは、基材樹脂(即ち、生分解性樹脂及び適宜使用されるその他の樹脂)の酸価を定量的に封鎖できる量以上に改質剤を加えることをいう。
(改質剤の処理方法)
本発明の発泡粒子に改質剤を含有させる具体的な方法に制限は無いが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と改質剤とを混合して、発泡粒子に改質剤を含有させるようにする。例えば、生分解性樹脂を二軸混練機等で溶融混練する時に改質剤を同時に練り込んでもよいし、また、溶融している生分解性樹脂系に改質剤を混合させてもよい。なお、ここでいう基材樹脂粒子は、本発明の発泡粒子を製造する際に作製されるもので、この基材樹脂粒子を発泡させることにより本発明の発泡粒子が得られるようになっている。
溶融混練時に改質剤を練りこむ場合には、混練時温度としては120〜250℃が好ましい。温度が高すぎると、樹脂等の材料が熱劣化する虞があるためである。また、低分子揮発成分を除去する目的から、混練時には、混練機シリンダー途中を真空吸引(ベント吸引)できるようにすることが好ましい。なお、二軸混練機における二本のスクリューの回転方向は、同方向でも異方向でもよい。
また、改質剤を高含有で含むマスターバッチを使用するのが好ましい。含有量が目的濃度となるように混合して希釈することができるためである。
マスターバッチ中の改質剤の含有量に制限は無いが、通常は1重量%以上、また、通常45重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下である。改質剤の含有量が少なすぎると、マスターバッチとして使用するには適切でなく、また含有量が多すぎると、ゲル化が進行しやすくなる傾向がある。
マスターバッチとして採用される樹脂は特に限定されず、カルボジイミドを含有する市販マスターバッチでもよいが、使用する生分解性樹脂と同様の樹脂を用いて製造されたマスターバッチが好ましい。
さらに、生分解性樹脂と改質剤とを混合する際には、改質剤の反応触媒も反応系に共存させることが好ましい。ここで言う反応触媒とは、改質剤と、生分解性樹脂の末端や酸性低分子化合物のカルボキシル基との反応を促進する効果のある化合物である。中でも、少量で反応を促進する効果のある化合物が好ましく、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン酸エステルなどが好ましい。なお、この反応触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上記の反応触媒の使用量は本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意であるが、生分解性樹脂100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.02重量部以上、また、通常1重量部以下、好ましくは0.2重量部以下、より好ましくは0.1重量部以下である。この範囲の下限を下回ると触媒の効果が現れない虞があり、上限を上回ると製造費が高くなりすぎる虞がある。
[核剤]
本発明の発泡粒子は、核剤を含有する。核剤は、本発明の発泡粒子の製造時に基材樹脂粒子を発泡させるときに核となり気泡径の調節等の目的で用いられるものであり、本発明の効果を著しく損なわないものであれば任意のものを用いることができ、無機系核剤および有機系核剤のいずれをも使用することができる。
無機系核剤の具体例としては、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成吸着剤、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、ハイドロタルサイト類、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。また、これらの無機系核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
一方、有機系核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩;ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸等のポリマー;エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー);ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩;および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどを挙げることができる。
これらの核剤のなかでも、タルクが、気泡が均一で高発泡倍率を有する発泡粒子を与える点から好ましい。
なお、これらの核剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、上記核剤の平均粒径は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意である。ただし、気泡が均一で高発泡倍率を有する発泡粒子を得ることができ、また、該発泡粒子から機械的強度や柔軟性などにすぐれた発泡成形体を得ることができる点から、通常50μm以下、好ましくは10μm以下であることが望ましい。また、2次凝集や取扱作業性の点から、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上であるのが望ましい。上記平均粒径が上記範囲の上限を超える場合には、核剤の粒径が発泡粒子内の気泡壁の膜厚より大きくなって気泡膜が破れ易くなり、好ましくない。また、核剤の平均粒径が上記範囲の下限未満となった場合には、発泡核点になりにくく、成形性が低下する傾向にある。
また、核剤の使用量は、生分解性樹脂100重量部に対して、高発泡倍率の発泡粒子を得る点から、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上とする。また、本発明の発泡粒子を成形する際に、すぐれた融着性を発現させ、該発泡粒子から機械的強度や柔軟性などにすぐれた発泡成形体を得る観点から、通常10重量部以下、好ましくは2重量部以下である。この範囲の上限を超えると、本発明の発泡粒子を型内発泡成形体としたときの機械的強度、耐衝撃性などが劣る傾向にある。
さらに、これらの核剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と核剤とを混合して、発泡粒子に核剤を含有させるようにする。例えば、生分解性樹脂を製造する工程において含有させてもよく、また、基材樹脂粒子の製造時に含有させてもよい。
[その他の成分]
本発明の発泡粒子には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、上記の生分解性樹脂、改質剤及び核剤以外の成分を含有させるようにしてもよい。
例えば、上記の生分解性樹脂以外の樹脂を含有させるようにしてもよく、また、その他の添加剤を含有させるようにしてもよい。
[その他の樹脂]
本発明の発泡粒子が含有するその他の樹脂としては、例えば、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、液晶ポリマー等の芳香族系ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、SEBS(ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン)、SEPS、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン13ナイロン4、ナイロン4−6、ナイロン5−6、ナイロン12・ナイロン10−12、アラミド等のポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール、ポリテトラメレングリコール、変性ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等とのグラフト共重合体、ブロック共重合体、マルチブロック共重合体、ランダム共重合体なども挙げられる。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ただし、生分解性樹脂以外の樹脂を併用する場合、その使用量に制限は無いが、本発明の発泡粒子が含有する全樹脂成分に対する生分解性樹脂の割合が、通常50重量%以上、好ましくは70%以上となるようにする。生分解性樹脂の量が増えれば、本発明の発泡粒子の分解速度が速くなり、また、分解後の崩形性が向上するからである。より好ましくは、生分解樹脂としてジオール単位及びジカルボン酸単位を構成単位として含む脂肪族ポリエステルからなる発泡粒子である。これらの脂肪族ポリステルはバイオマス資源から得られる原料を用いて製造してもよい。
[その他の添加物]
本発明の発泡粒子が含有する添加剤に制限は無いが、例えば、酸化防止剤等の熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤(耐光剤)、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、離型剤、防曇剤、結晶核剤、可塑剤、着色剤、充填剤、相溶化剤、難燃剤等が挙げられる。
特に、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、相溶化剤、結晶核剤、充填剤の何れか1種類以上の使用剤を10ppm以上含むことが好ましい。なお、本明細書において「ppm」とは、重量を基準とした比率を表わす。
[可塑剤について]
可塑剤は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては、脂肪族モノカルボン酸又はジカルボン酸のアルキルエステル、芳香族モノカルボン酸又はジカルボン酸のアルキルエステル、ジペンタエルスリトールのエステル化物、ポリブタジエン水添加物又はその末端変性物、エポキシ化大豆油などが挙げられる。
なお、可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、可塑剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。この範囲の下限を下回ると可塑化効果が小さく十分な柔軟性が得られなくなる虞があり、上限を上回ると組成物の耐熱性が劣ったり、可塑剤のブリードアウトが生じたりする虞がある。
また、これらの可塑剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と可塑剤とを混合して、発泡粒子に可塑剤を含有させるようにする。例えば、生分解性樹脂を製造する工程において含有させてもよく、また、基材樹脂粒子の製造時に含有させてもよい。
<熱安定剤について>
熱安定剤は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては、BHT、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド等のヒンダードフェノール系熱安定剤、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジファスファイト等のリン系熱安定剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとキシレンの反応性生物等のラクトン系熱安定剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。
なお、これらの熱安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、熱安定剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、生分解性樹脂に対して、通常100ppm以上、好ましくは200ppm以上、また、通常5重量部以下、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下である。この範囲の下限を下回ると熱安定剤の効果が小さくなる虞があり、上限を上回ると製造費が高くなりすぎたり、熱安定剤のブリードアウトが生じたりする虞がある。
また、これらの熱安定剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と熱安定剤とを混合して、発泡粒子に熱安定剤を含有させるようにする。例えば、生分解性樹脂を製造する工程において含有させてもよく、また、基材樹脂粒子の製造時に含有させてもよい。
<耐光剤について>
耐光剤は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応性生物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドトキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。
耐光剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。特に異なる種類の耐光剤を組み合わせて用いるのが有効であり、さらに、紫外線吸収剤と組み合わせて用いることが有効である。また、中でも、ヒンダードアミン系安定剤と紫外線吸収剤との組み合わせが有効である。
さらに、耐光剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、生分解性樹脂に対して、通常100ppm以上、好ましくは200ppm以上、また、通常5重量部以下、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下である。この範囲の下限を下回ると耐光剤の効果が小さくなる虞があり、上限を上回ると製造費が高くなりすぎたり、組成物の耐熱性が劣ったり、耐光剤のブリードアウトが生じたりする虞がある。
さらに、これらの耐光剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と耐光剤とを混合して、発泡粒子に耐光剤を含有させるようにする。例えば、生分解性樹脂を製造する工程において含有させてもよく、また、基材樹脂粒子の製造時に含有させてもよい。
[紫外線吸収剤について]
紫外線吸収剤は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。特に異なる種類の紫外線吸収剤を組み合わせて用いるのが有効である。
また、紫外線吸収剤の使用量も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常100ppm以上、好ましくは200ppm以上、また、通常5重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。この範囲の下限を下回ると紫外線吸収剤の効果が小さくなる虞があり、上限を上回ると製造費が高くなりすぎたり、組成物の耐熱性が劣ったり、紫外線吸収剤のブリードアウトが生じたりする虞がある。
さらに、これらの紫外線吸収剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と紫外線吸収剤とを混合して、発泡粒子に紫外線吸収剤を含有させるようにする。例えば、生分解性樹脂を製造する工程において含有させてもよく、また、基材樹脂粒子の製造時に含有させてもよい。
[相溶化剤について]
相溶化剤は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては、脂肪族ポリエステルの末端または主鎖に、エステル基、カルボン酸無水物、アミド基、エーテル基、シアノ基、不飽和炭化水素基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、芳香族炭化水素基などを反応させたものが挙げられる。
また、相溶化剤としては、例えば、脂肪族ポリエステルと、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、液晶ポリマー等の芳香族系ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、SEBS(ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン)、SEPS、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン13ナイロン4、ナイロン4−6、ナイロン5−6、ナイロン12・ナイロン10−12、アラミド等のポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール、ポリテトラメレングリコール、変性ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等とのグラフト共重合体、ブロック共重合体、マルチブロック共重合体、ランダム共重合体なども挙げられる。
さらに、上記の共重合体以外にも、相溶化剤としては、ブレンドする異なる樹脂の構造の両方を同一分子中に含む化合物も挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、SEBS、SEPS、ポリスチレン、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン12、ポリアセタール樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール、ポリテトラメレングリコールのポリマー分子の末端または側鎖に、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルキレン基と反応可能な官能基を有するポリマーなども挙げられる。
なお、相溶化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。特に、本発明の発泡粒子において、基材樹脂(即ち、生分解性樹脂及び適宜使用されるその他の樹脂)が2種以上から構成される場合には、相溶化剤の使用は特に好適である。
さらに、相溶化剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。この範囲の下限を下回ると相溶化剤の効果が小さくなる虞があり、上限を上回ると製造費が高くなりすぎる虞がある。
また、これらの相溶化剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と相溶化剤とを混合して、発泡粒子に相溶化剤を含有させるようにする。例えば、基材樹脂粒子の製造時に含有させてもよく、また、あらかじめ押出し機などで生分解性樹脂、改質剤、核剤及びその他の樹脂や添加剤のブレンドを行なう際に含有させてもよい。
[充填剤]
充填剤としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その例としては、滑剤やワックス類、着色するための顔料、耐熱性や剛性を高めるフィラー、さらに発泡成形安定剤などが挙げられる。
滑剤やワックス類としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては、パラフィン油、固形パラフィン等のパラフィン、ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸の金属塩、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート等の脂肪酸エステル、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、オキシステアリン酸のエチレンジアミド、メチロールアミド、オレイルアミド、エルシルアミド等の脂肪酸アミド等、カルナウバワックス、モンタンワックス等のワックス類などが挙げられる。
また、顔料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができ、無機系の顔料であっても、有機系の顔料であっても良い。無機系の顔料の具体例としえは、黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の硫化物、鉄黒、べんがら等の酸化物、群青等のケイ酸塩、又はチャンネルブラック、ローラーブラック、ディスク、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、有機系の顔料の具体例としては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、又はフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の多環式顔料等を挙げることができる。
なお、充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、充填剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、生分解性樹脂100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。この範囲の下限を下回ると添加効果が小さくなる虞があり、上限を上回ると発泡特性を悪化させる虞がある。
さらに、これらの充填剤は、本発明の発泡粒子の製造時のどの工程において発泡粒子に含有させるようにしてもよいが、通常は、生分解性樹脂を含む基材樹脂粒子を製造する何れかの工程において、生分解性樹脂と充填剤とを混合して、発泡粒子に充填剤を含有させるようにする。
[その他]
さらに、上記のように、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、離型剤、防曇剤、結晶核剤、着色剤、難燃剤などを添加剤として用いてもよい。これらはいずれも、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができ、また、その使用量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。さらに、これらの添加剤はいずれも、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ただし、帯電防止剤及び結晶核剤は、それぞれ、生分解性樹脂に対して、通常100ppm以上、好ましくは200ppm以上、また、通常5重量部以下、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下用いるようにすることが望ましい。この範囲の下限を下回ると添加効果が小さくなる虞があり、上限を上回ると製造費が高くなりすぎたり、組成物の耐熱性が劣ったり、添加剤のブリードアウトが生じたりする虞がある。
(揮発性発泡剤)
本発明の揮発性発泡剤としては、脂肪族ポリエステル樹脂の燃焼を促進するようなものではなく、環境に優しく、しかも取り扱いが比較的安全で、容易な身近なものが推奨される。例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスや圧縮空気を選定したことにある。特に二酸化炭素、窒素などが好ましく、より好ましくは二酸化炭素である。その理由としては樹脂に対する溶解度が高いためである。揮発性発泡剤である二酸化炭素の使用量は、発泡倍率などの事情を考慮してきめる。通常は加圧容器に30〜60kgf/cmG程度あればよい。窒素が大部分である空気を使用できるが、約20%程度酸素が存在する影響も考慮して決める。発泡倍率は、発泡成形品の強度、気泡の均一性という発泡材料の品質などにも影響するから、生産現場で留意して調整するような事項である。また、これらのガスは単独でも用いて良いが任意の割合で2種以上のガスを用いて良い。例えば、二酸化炭素と圧縮空気などの組み合わせがある。
本発明の発泡粒子の製造方法を実施するための最良の形態を詳細に示す。
脂肪族ポリエステル樹脂に、改質剤、核剤などの所望の添加剤を配合した樹脂組成物を通常の溶融押出機を用いて押し出したストランドを、ペレタイザーを用いて、ペレット、または粒子を成形する。これ以外にも慣用の成形方法で、ビーズ、粉末、微粉末のような所定の大きさの樹脂粒子を任意に製造する。通常は、5〜0.5mm程度の範囲に入る粒子であることが好ましい。しかし、その後の発泡成形を考えれば、不活性の揮発性発泡剤の浸漬を考慮して、ペレットサイズは8〜0.01mm程度であるが、最大長径および最小短径の寸法が1〜3mm程度の範囲内に入る程度のペレットが理想的である。ペレットサイズが大きすぎると、発泡剤の浸漬に時間を要することになり、さらに不均一になることもある。
本発明の発泡粒子の成形方法を実施するための最良の形態を詳細に示す。本発明の発泡方法の主要工程は、脂肪族ポリエステル樹脂粒子に揮発性の揮発性発泡剤の圧入工程およびそれを放圧状態にすることによる発泡工程からなるものである。
本発明の発泡粒子とは特開平6−248106号公報に記載の発泡性粒子とは異にするものである。一般的な発泡性粒子とはポリスチレン樹脂に低分子有機化合物に代表される発泡剤を含浸させた物を言い、常温常圧下においても発泡性粒子として存在することができる。前述の特許公報は脂肪族ポリエステルの発泡性粒子について記載されており、上記特許は低分子系の有機溶剤を使用し、発泡剤を含浸させた発泡性粒子を特徴とするものである。本発明では揮発性発泡剤である二酸化炭素を使用し、含浸させる工程を含むが常温常圧下においては発泡剤として用いた二酸化炭素が含まれていないものである。
脂肪族ポリエステル樹脂に、核剤などの所望の添加剤を配合した樹脂組成物を通常の溶融押出機を用いて押し出したストランドを、ペレタイザーを用いて、ペレット、または粒子を成形する。これ以外にも慣用の成形方法で、ビーズ、粉末、微粉末のような所定の大きさの樹脂粒子を任意に製造する。通常は、0.01〜8mm程度の範囲、好ましくは0.1〜5mm程度であることが好ましい。しかし、その後の発泡成形を考えれば、不活性の揮発性発泡剤の浸漬を考慮して、最大長径および最小短径の寸法が1〜3mm程度の範囲内に入る程度のペレットが理想的である。粒子の寸法が0.01mmと小さすぎると発泡の程度が正確に定量できないし、8mm以上と大きすぎると、発泡剤の浸漬が難しくなり、均一な発泡体ができにくい。
次に、発泡粒子の製造法の好適な一態様を示すと、まず、ポリエステル樹脂粒子を、撹拌機付きオートクレーブ内に投入して、気層または水、純水のような液相に投入して、例えば分散剤、分散助剤財、融着防止剤、粘着防止剤のような、任意の慣用の添加剤を用いて、樹脂粒子分散液を調整する。オートクレーブの容量は、実験室レベルでは、慣用の装置を用いて実施するので、内容量5Lのものを用いたが、工業的には、生産性を考慮して、容量が5〜5000L程度の任意の大型ものが使用できる。仕込むポリエステル樹脂粒子の仕様は、樹脂粒子100重量部に対して、液相の場合には、水または純水100〜500重量部程度仕込むとよい。各添加剤の量は、樹脂粒子および水または純水の量を考慮して任意に決める。
また、発泡の際に基材樹脂粒子を分散させる分散媒としては、基材樹脂粒子を溶解させないものであれば任意であるが、例えば、水、エチレングリコール、メタノール、エタノール等が挙げられ、通常は水が使用される。なお、分散媒は、1種のものを単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、基材樹脂粒子を分散媒に分散せしめて加熱するに際し、その基材樹脂粒子同士の融着を防止するために融着防止剤を用いることが出来る。融着防止剤としては、分散媒に溶解せず、加熱によって溶融しないものであれば、無機系、有機系問わずに使用可能であるが、一般には無機系のものが好ましい。その具体例としては、リン酸三カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム等の粉体が挙げられる。なお、融着防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、その融着防止剤の平均粒径は任意であるが、通常0.001μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは30μm以下である。
さらに、融着防止剤の使用量も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、基材樹脂粒子100重量部に対し、通常0.01重量部〜10重量部である。
また、分散溶媒中には、分散助剤を共存させることが好ましい。分散助剤に制限は無いが、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤などが挙げられるなお、分散助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、分散助剤の使用量も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、基材樹脂粒子100重量部に対し、通常は0.001〜5重量部とすることが好ましい。
次いで、この樹脂粒子の発泡工程を説明すれば、発泡予備工程として、樹脂粒子分散液に存在する空気をなどの気体を予め窒素ガスで置き換えてから、撹拌下に、発泡剤として例えば二酸化炭素を高圧注入しながら、一定の発泡温度に昇温させた後、加圧時間として一定時間放置する。その高圧注入とは、発泡剤の種類および樹脂の種類により若干の違いがあるが、通常は30〜60kgf/cmG程度あればよい。発泡温度についても、樹脂の種類により若干の違いがあるが、通常80〜120℃程度、好ましくは100〜110℃程度で十分である。
さらに加圧時間とは、樹脂、温度および撹拌条件を考慮して決めるが、30〜180分程度、好ましくは30〜60分程度熟成すれば足りる。その発泡予備工程を経た後、発泡工程として内容物の突発的な粒子の飛散や水の過沸騰などを防止することに配慮して、100℃以下に、好ましくは90〜98℃程度に温度を下げて、オートクレーブの一端を解放して、樹脂粒子を常温(約25℃)常圧(約1気圧)に放出すれば、発泡粒子が成形できる。この発泡または膨張が、放出と同時に瞬時に行われるので、一種の爆発的な発泡工程という説明もできる。この発泡粒子の嵩密度が0.01以上0.6以下、好ましくは0.01〜0.3程度が好ましい。通常はこのような発泡粒子を予備発泡粒子と呼ぶこともできる。発泡性粒子の放出温度および放出下の環境温度を常温温度以上に或いは常温以下にした温度条件、或いは環境圧力を調節すれば、発泡粒子の発泡倍率を1.5〜40倍、好ましくは3〜30倍程度に制御することができる。発泡粒子の嵩密度が0.01以上0.6以下、好ましくは0.01〜0.3程度が好ましいということは、爆発的な発泡は工程においても、段落0157に示すような、いわゆる最大気泡較差(Dmax)mmが非常に少ない、いわゆる均一寸法の気泡構造を有する発泡粒子となることである。
発泡粒子の嵩密度が0.01以下では、気泡の存在が希薄であり、発泡粒子としての認識ができなくなる。一方、0.6以上、好ましくは0.3以上になると、異常に気泡の寸法が大きい、いわゆる特異気泡の存在が見られるようになり、最も信頼値の高い発泡粒子の嵩密度の最大値は0.3である。このような発泡粒子を型内成形した成形体とすれば、特異気泡の異常な発泡により成形体の部分的な強度低下を防止できるばかりでなく、特に非透水性、気密性を目的とした成形体を成形する場合には、部分的に漏水などがない信頼性の高い非連通気泡の成形体を容易に製造することができる。また、目的により連通気泡の成形体を製造する場合においても、発泡倍率などの調整により、偏りのない均一な連通気泡の成形体を製造することができるために、上記発泡粒子の嵩密度の範囲は、技術的に臨界性のある有意な範囲である。
(架橋について)
さらに、脂肪族ポリエステル樹脂粒子は、最終的に成形型に充填し加熱成形する熱成形材料として適するように、ゲル化させることができる。ゲル化のための方法は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常は、架橋剤及び架橋助剤を用いて脂肪族ポリエステル樹脂粒子中の成分を架橋させるようにする。その方法は任意であるが溶融押出機によって製造する樹脂粒子を製造する際に、架橋剤や架橋助剤とともに混合し、架橋体を得ても良いし、樹脂粒子を発泡剤の含浸させる前の工程において混合し、加熱し、架橋体を製造してもよい。
架橋剤は、脂肪族ポリエステル樹脂粒子の架橋が可能な限り任意であるが、通常は、有機過酸化物を用いる。架橋剤として使用できる有機過酸化物の具体例としては、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステルなどが挙げられる。なお、架橋剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
また、架橋剤とともに、架橋助剤を用いることが好ましい。架橋助剤は、架橋助剤は重合性を有するものである限り任意のものを用いることができる。中でも、分子内に少なくとも1個の不飽和結合を有する化合物を用いるのが好ましい。
架橋助剤が有する不飽和結合には、2重結合の他、3重結合も包含される。このような架橋助剤としては、例えば、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;スチレン;酢酸ビニル;エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等のアクリレート系又はメタクリレート系の化合物;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌール酸又はイソシアヌール酸のアリルエステル;トリメリット酸トリアリルエステル、トリメシン酸トリアリルエステル、ピロメリット酸トリアリルエステル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸トリアリルエステル、シュウ酸ジアリル、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジアリル等のカルボン酸のアリルエステル;N−フェニルマレイミド、N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物;1,2−ポリブタジエン等の2重結合を有するポリマー;フタル酸ジプロバギル、イソフタル酸ジプロバギル、トリメシン酸トリプロバギル、イタコン酸ジプロバギル、マレイン酸ジプロバギル等の2個以上の3重結合を有する化合物などが挙げられる。
なお、架橋助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
なかでも、特に、架橋剤と架橋助剤との組合せとしては、架橋剤である有機過酸化物と、架橋助剤であるジビニル化合物、アクリル酸、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの組合せが好ましく、特に、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイドと、架橋助剤であるジビニルベンゼン又はメタクリル酸メチルとの組合せがより好ましい。
架橋剤の使用量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、脂肪族ポリエステル樹脂粒子100重量部当り、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、また、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。この範囲の下限を下回ると架橋効果が得られなくなる虞があり、上限を上回ると発泡粒子及びその成形体に架橋剤の未反応物や残渣が残る虞がある。
また、架橋助剤の使用量にも制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、脂肪族ポリエステル樹脂粒子100重量部当り、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、また、通常10重量部以下、好ましくは2重量部以下である。この範囲の下限を下回ると架橋効果が得られなくなる虞があり、上限を上回ると発泡粒子及びその成形体に架橋助剤の未反応物や残渣が残る虞がある。
さらに、架橋剤や架橋助剤は、脂肪族ポリエステル樹脂粒子に、発泡前のいずれの段階において共存させるようにしてもよい。例えば、生分解性樹脂の製造工程において生分解性樹脂に含有されるようにしてもよく、脂肪族ポリエステル樹脂粒子の各成分を混合する際に架橋剤及び架橋助剤を混合するようにしてもよく、脂肪族ポリエステル樹脂粒子の作製後に脂肪族ポリエステル樹脂粒子と架橋剤及び架橋助剤とを混合するようにしてもよく、発泡剤を含浸させる前の工程において混合し、加熱し、架橋体を製造してもよい。
架橋により脂肪族ポリエステル樹脂粒子をゲル化する場合、通常は、分散媒中において、架橋剤及び適宜使用される架橋助剤の存在下で脂肪族ポリエステル樹脂粒子を加熱する。
分散媒に制限は無く、架橋が可能な限り任意のものを用いることができる。例えば、水、エチレングリコール、メタノール、エタノールなどが挙げられる。なお、分散媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。さらに、溶媒として水を用いる場合、上記の熱水加熱処理工程において、加熱時に水中に架橋剤及び架橋助剤を共存させて、同時に架橋を行なうようにしても良い。
また、架橋時の温度条件も、架橋が可能である限り任意である。具体的な温度条件は脂肪族ポリエステル樹脂粒子の樹脂の種類により異なり一義的に決めることは困難であるが、通常は、脂肪族ポリエステル樹脂の融点をTm(℃)として、〔Tm−25(℃)〕〜〔Tm+10(℃)〕で行なうことが好ましい。また、この際使用する架橋剤としては、上記の温度範囲において半減期が1時間となるものを用いることが望ましい。分解温度が余りにも高い有機過酸化物(架橋剤)を用いると、水中で樹脂粒子を加熱する場合に、その加熱温度が高くなり、また加熱時間も長くなるため、脂肪族ポリエステル樹脂が加水分解する虞があるので好ましくない。
さらに、架橋のために加熱を行なう時間についても、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、加熱条件下での長時間の保持は、脂肪族ポリエステル樹脂の加水分解を進行させ、また、ゲル化の効率や樹脂物性を悪化させる虞があることから、反応時間としては3時間未満にすることが好ましい。
また、脂肪族ポリエステル樹脂粒子を確実にゲル化させるために、上記の架橋を行なうよりも以前において、上記の加熱温度未満の温度にて架橋剤や架橋助剤を脂肪族ポリエステル樹脂粒子に含浸させる含浸工程を行なうようにすることが好ましい。
含浸時の含浸温度に制限は無く任意である。好適な含浸温度は、脂肪族ポリエステル樹脂の種類により異なり一義的に決めることは困難であるが、架橋剤の20時間の半減期を与える温度から5時間の半減期を与える温度までの範囲とすることが好ましい。
また、架橋剤等の含浸時間にも制限は無く任意である。好適な含浸時間は脂肪族ポリエステル樹脂粒子の粒子重量によっても異なってくるが、通常10分以上、また、通常120分以下、好ましくは60分以下である。含浸時間が長すぎると、含浸性が向上する反面、生分解性樹脂等の脂肪族ポリエステル樹脂の加水分解が進行する虞がある。また、含浸時間が短すぎると、得られる発泡粒子内部のゲル分率が低くなる虞がある。
上記の含浸温度及び含浸時間の具体例を挙げると、例えば架橋剤として過酸化ベンゾイルを使用した場合には、その含浸温度は通常65℃以上、好ましくは70℃以上、また、通常85℃以下、好ましくは80℃以下であり、また、含浸時間は通常10分以上、また、通常120分以下、好ましくは60分以下である。
また、脂肪族ポリエステル樹脂粒子を密閉容器内で架橋剤及び適宜使用される架橋助剤と共に反応させて架橋を行なう場合、密閉容器内の上部気相空間の酸素濃度を低くすることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、5体積%以下、さらに好ましくは0.5体積%以下である。これにより、架橋剤の酸化劣化を抑制できるという利点を得ることができる。
酸素濃度を低くする方法としては、無機ガス、例えば窒素ガス、二酸化炭素、アルゴンガス、水蒸気等でパージする方法等が挙げられるが、その他どのような方法でも採用できる。
また、これに関連し、使用する分散媒として、溶存酸素濃度が通常9.5mg/L以下、好ましくは8.5mg/L以下のものが望ましい。
なお、発泡粒子のゲル分率は、分散媒中において、架橋剤の存在下で脂肪族ポリエステル樹脂粒子をゲル化処理する際の、そのゲル化条件等により調節することができる。
この発泡粒子とは、魚介、野菜を収納するような大型の容器のような製品を二次発泡ともいえるモールド成形手段で製品を成形する為には、適度な寸法と発泡倍率を要する。この発泡粒子の寸法は発泡前の粒子より大きくなっており、本発明では、例えば、直径で約0.05〜20mm程度の範囲に拡大している。この寸法は、真円の場合は直径を測定して容易に決めることができるが、楕円や、扁平の場合には、粒子の最大直径Dlと最小直径Dsを測定して、それをDl+Ds/2として平均により決めても物性を定量するにおいて誤差上支障とならない。発泡倍率も、多くの慣用の手段に従って定量できるが、身近な例としては、未発泡粒子および発泡粒子を、例えば目盛付シリンダー内の水中にそれぞれ投入して、発泡前の粒子と発泡粒子の体積増加を測定して、その体積比を算出すれば容易に定量できる。本発明の発泡粒子の発泡倍率は、発泡前の粒子体積より大きくなった、1.5〜80倍程度、好ましくは、3〜60倍、より好ましくは10〜50倍であることが適切である。
この発泡粒子を、その後の成形用金型(モールド)に供して、二次発泡成形ともいえる発泡成形により、容器のような所定の発泡成形品を成形する場合には、発泡粒子は、ある程度均一な構造を有することが好ましいい。二次発泡前の発泡粒子の気泡径は約0.03〜0.2mm程度のものが多い。発泡粒子は、脂肪族ポリエステル樹脂の材質が均一の場合には、成形用金型(モールド)で二次発泡する場合には、発泡粒子は相似的に発泡拡大するから、できる限り、一次発泡段階での発泡粒子の気泡径、気泡の均一性を保つように調製することが必要である。もし、発泡粒子の中に、一つだけ周りの気泡より寸法の大きい特異気泡が存在すると、それが二次発泡成形品において、異常に大きな気泡になることも有り、これは部分的に、連続気泡になる傾向にあり、連続気泡が発生すると、発泡成形品の収縮の発生、通気性、透水性、非断熱性が高くなる傾向にある。非連続性の独立気泡からなる品質の一定の発泡製品を成形する場合には支障となる場合がある。しかし発泡製品の用途においては、発泡成形品の連続気泡率(%)を0〜70%程度、好ましくは0〜50%程度に設定できるが、連続気泡率(%)が低いと圧縮強度のような機械的強度が高い発泡製品になるが、一方で、連続気泡率(%)が70%というように高いと、柔軟な発泡製品になる傾向になる。特に生鮮野菜の輸送容器においては、野菜のエチレンの発生や、呼吸する性格からして、発泡成形品の連続気泡率(%)が重要視されることがある。この特定の連続気泡率は発泡成形製品の用途を考慮して決めることであり、発泡倍率に関係することが多い。この連続気泡率(%)の測定は、多くの慣用の測定方法が提案されているが、例えば、上記特許文献3(特開2005−154563号公報、第8頁)所載の測定方法によることができる。
そこで、本発明者らは、二次発泡ともいえる発泡成形品の成形に非常に適した一時発泡ともいえる発泡粒子の適正な気泡構造の範囲を定量的に示す指標として、以下のような手法が好ましいということを知見したものである。いわゆる発泡粒子の単位面積あたり(例えば5mm×5mm、10mm×10mm)の気泡の状態を解析したものである。例えば、発泡体粒子を鋭利な剃刀で切断をして、断面を倍率100倍の顕微鏡により、気泡の最大の内径(Dl)および最小の内径(Dm)を複数回測定して平均値を求める。それをDl+Dm/2により算定することにより、一つの気泡の内径を求め、それをその気泡の有する気泡径(D)mmとする。
本発明の実施例1の発泡粒子を参考に、その単位面積あたりの気泡の数10個程度の気泡内径(D)をランダムに測定をしてそれを解析すれば以下のとおりになる。

[ 最大気泡較差(Dmax)mm ]
測定回数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 平均
参考実施例1 2 1 3 2 3 4 4 3 2 2 2.6
参考比較例1 6 4 2 1 5 3 4 2 1 8 3.6
参考実施例1の10個の測定値の単純な測定平均値Deは2.6mm、であり、参考比較例1の測定値の平均値Deは、3.6mmである。nは、気泡径の10個の測定値の最大値である。
参考実施例1の(Dmax)mm=▏n−De▏=▏4−2.6▏=1.4
参考比較例1の(Dmax)mm=▏n−De▏=▏8−3.6▏=4.4
ということに成る。
発泡粒子の気泡構造を、統計的に解析すれば、最大気泡較差(Dmax)mmが0.1〜4程度、好ましくは0.5〜3程度、より好ましくは0.7〜2程度が好ましい。この最大気泡較差(Dmax)が狭い範囲にあるということは、極端に小さい気泡と大きい気泡が混在していないということであり、いわゆる均一な気泡構造が散在するという定量的な指標である。最大気泡較差(Dmax)mmが0.1というように小さいということは、発泡粒子の気泡径が殆ど均一サイズのものに近いということになるが、現実的には技術的に製造が困難である。一方、最大気泡較差(Dmax)mmが4より大きいといことは、大小の気泡が混在する傾向が大きいということであり、二次発泡成形において、連続気泡率(%)、圧縮強度などに影響をして、特に局部的に連続非泡部分、および圧縮強度の違う部分が偏在するという、不安定な発泡成形品になる傾向の要因になる可能性を秘めている。
この最大気泡較差(Dmax)mmの要因は、一元的に決めることができないが、脂肪族ポリエステルのモノマー構造、分子量、分子構造が影響することが考えられる。さらに、改質剤としてイソシアネート化合物、ブロック化イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物の種類の選定および添加量の大小や架橋構造の有無においても若干影響するものと思われる。勿論、発泡粒子の発泡成形条件も大きく影響することが考えられる。しかし、化学量論的な標準的な仕様、および発泡成形の標準的な成形方法を標準にして、若干の試行錯誤により発泡材料仕様および発泡条件を工夫すれば、最大気泡較差(Dmax)mmを満たす発泡粒子が成形できる。このような最大気泡較差(Dmax)mmとは、発泡粒子1個の特性であり、実際の所定の形状を持った発泡成形品を成形する場合には、そのような特性を有する発泡粒子の多くを成形用金型(モールド)内に投入するわけである。すべて最大気泡較差(Dmax)mmを満たす発泡粒子を用いることが気泡均一の発泡成形品を成形するに於いて理想であるが、場合によっては、6割以上、好ましくは8割以上適量の最大気泡較差(Dmax)mmを有する発泡粒子を使用し、他の2割以下は、その最大気泡較差(Dmax)mmを満たさない粗悪なものを混合して用いてもよい。厚物の発泡成形品を成形する場合に発泡粒子の粗悪さに起因する連続気泡率(%)および強度に与える要因などはお互いに補足しあって、消去されるが、特に薄壁の発泡成形品を成形する場合には、最大気泡較差(Dmax)mmの要件が非常に有利に働く傾向にある。
発泡粒子のマトリックスである脂肪族ポリエステル樹脂の酸価を30μeq/g以下とする理由は、実施例においても述べるとおり、加水分解による分子量低下の抑制に基づくものである。
発泡粒子の嵩密度の範囲は2次加工性、機械的強度や緩衝特性などにすぐれた発泡成形体を得るために任意で決められることであるが通常0,01以上、好ましくは0.05以上である。また0.1以下、より好ましくは0.3以下である。この理由は、によるものである。0.01以下の場合には、高倍率の発泡成形体が得られるものの、発泡体としての機械物性が劣る。一方0.3以上の場合には、発泡倍率が低くいため、樹脂使用量が嵩みコストメリットが得られないことと、十分な緩衝特性が得られないことにおいて支障となる。
所望の発泡成形品を成形する為には、発泡成形工程として、所定の大きさの成形を目的とする形状の成形用金型(モールド)内に、所定量の発泡粒子を投入して、スチームなどを用いて、または伝導熱、輻射熱、マイクロ波などの加熱手段として、100〜140℃程度に、好ましくはスチームで110〜125℃で加熱して発泡成形をすることが好ましい。金型に投入する発泡粒子の投入量は、発泡粒子の予めの発泡程度により、投入量に違いがあるが、発泡倍率を考慮して、金型容量に対して、約30〜90容量%程度の量で足りる。それを成形用金型(モールド)ないで加熱発泡工程により所定の形状を持った発泡成形品を成形する。
それと反対に、発泡倍率が非常に高い、たとえば、発泡倍率10〜80倍程度の発泡粒子を圧縮により所定の発泡成形品を製造することができるが、一般的な成形方法では、例えば、発泡倍率が約50倍というような、飽和程度に達している発泡粒子の場合には、金型内で110〜180容量%程度という多少に多めの発泡粒子を金型内に投入して、それを縮小により固めるということも可能である。発泡倍率の大きい粒子を加熱融着するものであり、気泡の縮小にもなり、高度な取り扱い技術を要するもので、慣用技術ではない。この発泡成形工程は、通常は、具体的な発泡成形品の型、大きさ、強度、用途などの諸事情を考慮して決める設計事項でもある。通常は予備発泡粒子ともいえる比較的低発泡の発泡粒子を、さらに型内で二次発泡と呼ぶことができる発泡をさせて、未発泡粒子に対して、発泡倍率10〜80倍、好ましくは、発泡倍率20〜50倍程度の所望の用途を持った形状の発泡成形品を成形することが推奨される。
本発明の発泡成形品とは、発泡粒子の発泡倍率、成形用金型(モールド)による成形条件にもよるが、その発泡成形品の成形の際に、温度を比較的低くした成形用金型(モールド)で成形をすれば、皮付きの発泡成形品を成形できる。金型内で高度に発泡させると、金型内部では発泡方向に気泡が楕円形状に配列した気泡構造を採るのが多いが、金型面に押し付けられた表層部に相当する部分の発泡粒子は、容易につぶれ、発泡倍率の低い皮付きや、表層部分の気泡が、表層面に平衡に扁平になった気泡になることもある。この発泡成形品の表面構造が、発泡成形品の収縮の発生、通気性、透水性、断熱性、および強度に影響することになるから、成形条件、発泡倍率などは、用途を考慮して設定をすべきである。部分的に強度を要求される発泡成形品には、皮付きや、リブなどを設けて力学的な材料および構造的な工夫が有益である。また、発泡成形品の連続気泡率(%)が重要視されることがある。この特定の連続気泡率は発泡成形製品の用途を考慮して決めることであり、発泡倍率、発泡条件に関係することが多い。
(発泡成形品)
本発明の発泡成形品は、国際規格として実用的な試験法である、好気的水系分解試験である、発泡体破片を、好気的水系における分解を、最長6月間調査した場合に、生分解度60%以上という要求をほぼ満たすものであるといえる。同様に好気的コンポスト試験、好気的土壌系分解試験において、市場の生分解性プラスチックに比較して遜色の無い微生物的な分解能を持っていることが確認された。さらに、分解性生成物が土壌や、環境に対して、人畜に悪影響を与えないという有利な点を持っているといえる。
また、発泡成形体の還元粘度保持率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
本発明の発泡成形品は、その使用後の廃棄の工程において、発泡体を加水分解酵素の作用により、その体積を減容化し、廃棄させることができる。処理方法は公知の方法でよいが、水溶液とし排水処理場において処理することもできる。あるいは、コンポストによる堆肥化も可能で有る。
また、この酵素により加水分解をさらに進行させ、モノマーまで分解させることで、モノマー類を回収させることができる。その回収、精製方法は公知の方法を採用することができる。
発泡構造という特有の構造が、空気、水などと接触面積が大きいので、生分解には有利に働く。
実施例の詳細な実施態様と測定条件を示す。
<酸価(AV値)の測定方法の説明>
用いた測定装置は、自動滴定装置(東亜ディーケーケー(株)オートタイトレーターAUT−50)であった。
試料0.5gを精秤し、ベンジルアルコール25mLが入った試験管中で195℃の加熱浴で9分間加熱し、試料を溶解させる。試料が完全に溶解したことを確認し、氷水中で30秒〜40秒冷却した後、エチルアルコール2mLを加えた。攪拌しながら、試料溶液中にpH電極を入れ、0.01N水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液(10%メタノール液)を用い電位差滴定による中和滴定を開始した。
一方、試料が溶解されていないブランクサンプルを調製し、上記方法と同様に滴定を実施し、ブランク値とした。
上記滴定結果より、下記式を用いて酸価(AV値:μeq/g)を計算した。
[数1]
A:測定滴定値(mL)
B:ブランク測定値(mL)
F:0.01N水酸化ナトリウムのベンジルアルコール液の力価
W:試料重量(g)
<還元粘度(ηsp/c)の測定方法>
実施例及び比較例で得られた試料(樹脂)を、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(1:1重量比)中、30℃、溶液濃度0.5g/dLで測定した溶液粘度から還元粘度(ηsp/c)をもとめた。
<発泡粒子の嵩密度の測定方法>
23℃、相対湿度50%の条件下において2日間、静置した発泡粒子を使用し、1Lのメスシリンダーを用いて嵩密度(g/cm)を求めた。
<発泡粒子の加水分解性の評価方法>
発泡粒子の加水分解性の評価は発泡粒子の加水分解前後における酸価および還元粘度の保持率として評価する。得られた発泡粒子を温度50℃、相対湿度90%の条件下に30日間静置しておき、酸価および還元粘度を測定した。さらにそれらの保持率は加水分解後の酸価または還元粘度値を脂肪族ポリエステル樹脂粒子の酸価または還元粘度値で割り、100分率で表した。
<発泡粒子の型内成形方法>
発泡粒子を250mm×300mm×50mmの金型に充填し、成形温度を120℃としてスチームで加熱して成形した。得られた型内発泡成形体は大気圧下40℃で48時間養生した。
<発泡粒子の成形性について>
得られた発泡粒子を次の条件下にて静置したものを金型成形に用い、発泡粒子の成形性の評価とした。
条件Aは発泡粒子を温度25℃、相対湿度50%の条件下で1日間保置したものである。
条件Bは発泡粒子を温度50℃、相対湿度90%の条件下に14日間放置したものである。
上記2条件で得られた成形体の概観を観察し、成形性の評価とした。
◎:概観は平滑、内部には空隙がなく十分な強度がある。○:概観は平滑、内部には空隙がない。△:概観は平滑、内部に少し空隙があり、もろい。×:概観に凹凸があり、空隙が多く非常にもろい。
<成形体の密度>
発泡成形体の密度(g/cm)は23℃、相対湿度50%の条件下において2日間、静置した成形体の体積(cm)にて成形体重量(g)を割り算することによって求めた。
<発泡成形体の酸価、還元粘度>
発泡粒子を上記に示す条件Aにて静置し、成形体としたものを測定した。
<発泡成形体の還元粘度保持率(%)について>
発泡粒子を上記に示す条件Aにて静置し、成形体としたものを50℃、相対湿度90%の条件下に30日間静置しておき、還元粘度を測定した。この還元粘度値を初期値で割り、100分率で表した。
<気泡構造の統計的解析法>
得られた発泡粒子を鋭利な剃刀で切断をして、断面を倍率100倍のデジタルマイクロスコープにて観察した。
<生分解性試験>
成形体を50mm×50mm×10mmの試験片に切り出し、土壌埋没試験を5ヶ月間実施し、形状維持の有無により判定した。形状維持のできないサンプルは生分解性を良好とした。
[実施例1]
脂肪族ポリエステルは市販品のGS−Pla AZ91TN(三菱化学(株)製)、改質剤はカルボジイミド化合物であるカルボジライトHMC−8CA(日清紡製)0.5重量部と、核剤(気泡調整剤)であるタルク(松村産業(株)製、ハイフィラー#12;平均粒径3〜4μm)0.2重量部とを表1に示した配合にて、190℃において二軸混練機にて溶融混練した後、ストランド状に押出し、次いでこのストランドを切断して、直径約1.7mm、長さ約1.9mm、1個当り約3mgの脂肪族ポリエステル樹脂粒子を得た(脂肪族ポリエステル樹脂粒子作製工程)。脂肪族ポリエステル樹脂粒子の酸価および還元粘度を表1に示した。また、表1において、改質剤の欄ではカッコ「[ ]」内の数値が、カルボジイミド化合物の使用量を表わす。
得られた脂肪族ポリエステル樹脂粒子100重量部と、純水300重量部と、融着防止剤である第3リン酸カルシウム0.02g重量部、分散助剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.0006重量部とを、内容積5Lの撹拌器付きオートクレーブに入れ、窒素ガスを導入しオートクレーブ内の酸素を除去した。撹拌しながら発泡温度(105℃)まで昇温し、二酸化炭素をオートクレーブ圧力が45kgf/cmGとなるまで注入し、同温度で45分間保持した後、その後、95℃まで内容物を冷却し、同温度で5分間保持した後、オートクレーブの一端を開放して、大気圧下にして発泡粒子を得た。(発泡工程)。
得られた発泡粒子の嵩密度(g/cm)、酸価(AV値:μeq/g)、及び還元粘度を測定し、加水分解性として酸価および還元粘度の保持率を求めた。結果を表1に示す。表1において「( )」内の数値が、それぞれ酸価の保持率(%)、還元粘度の保持率(%)を表す。
得られた発泡粒子を2種の条件下に静置し、250mm×300mm×50mmの金型に充填し、成形温度を120℃としてスチームで加熱して成形した。得られた型内発泡成形体は大気圧下40℃で48時間養生した。(型内成形工程)
条件Aは温度25℃、相対湿度50%の条件下で1日間静置したものである。
条件Bは温度50℃、相対湿度90%の条件下に14日間静置したものである。
成形性は上記の2条件下にて静置した発泡粒子を用いて金型内にて成形体とする工程において評価した。
得られた型内発泡成形体の酸価(AV値:μeq/g))、還元粘度および嵩密度(g/cm)は静置条件Aで得られた成形体を測定した。結果を表1に示す。
さらに、静置条件Aで得られた型内発泡成形体については加水分解性の評価を行なった。即ち、耐加水分解性評価は、得られた型内発泡成形体を50℃、相対湿度90%の状態に30日間保持し、それら成形体の還元粘度の初期値に対する保持率で評価した。結果を表1にまとめた。
生分解性試験は土壌埋没試験を行い、5ヶ月後では発泡成形体の形状が無く、生分解性は良好であった。
[実施例2]
実施例1の改質剤量0.5重量部を0.3重量部に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
[実施例3]
実施例1の改質剤量0.5重量部を1重量部に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
[実施例4]
実施例1の改質剤をカルボジライトHMC−8CAからカルボジライトLA−1(日清紡製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
[実施例5]
実施例1の改質剤をカルボジライトHMC−8CAからスタバックゾールP(ラインケミー社製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
参考例1
実施例1の改質剤をカルボジライトHMC−8CAからスタバックゾールI(ラインケミー社製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
参考例2
参考例1の改質剤量0.5重量部を1重量部に変更し、それ以外は参考例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
[実施例
実施例1の脂肪族ポリエステルをGS−Pla AZ91TN(三菱化学(株)製)から市販品のビオノーレ#1001(昭和高分子(株)製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。
参考例3
実施例1の改質剤量0.5重量部を20重量部に変更し、それ以外は実施例1と同様にして脂肪族ポリエステル樹脂、発泡粒子および発泡成形体を得た。表1に使用した樹脂、発泡剤、改質剤およびその量、樹脂粒子、発泡粒子および成形体の酸価等の各データをまとめた。基材粒子を得る際、押出し器から出るストランド表面はゲルのため荒れていた、さらに発泡粒子および成形体の還元粘度は測定時において測定溶媒に不溶部があり、測定できなかった。
[実施例
実施例1の発泡粒子製造過程において発泡剤を二酸化炭素から窒素ガスに変更し、それ以外は実施例1と同様にして発泡粒子および発泡成形体を得た。
[比較例1]
実施例1の改質剤であるカルボジライトHMC−8CAを加えずに脂肪族ポリエステル樹脂粒子を得た。それ以外は実施例1と同様にして発泡粒子および発泡成形体を得た。
[比較例2]
実施例の改質剤であるカルボジライトHMC−8CAを加えずに脂肪族ポリエステル樹脂粒子を得た。それ以外は実施例1と同様にして発泡粒子および発泡成形体を得た。
[比較例3]
特開平6−248106の実施例に準じて発泡性粒子を経由する方法。
実施例2と同様にして得られた脂肪族ポリエステル樹脂粒子を使用し、特開平6−248106の実施例1と同様に発泡性粒子を得て、スチームによる予備発泡粒子を製造した。発泡性粒子は発泡剤の揮発が著しいものであり、経時により発泡剤の含浸量が変化し、発泡粒子を製造するには困難であった。また、得られた発泡粒子は、発泡倍率の低いものであった。さらに生分解性試験に供する成形体が得られず試験は実施できなかった。
[比較例4]
特開平6−248106の実施例に準じて発泡性粒子を経由する方法。
比較例2と同様の脂肪族ポリエステル樹脂粒子を使用して特開平6−248106の実施例1と同様に発泡性粒子を得て、スチームによる予備発泡粒子を製造した。発泡性粒子は発泡剤の揮発が著しいものであり、経時により発泡剤の含浸量が変化し、発泡粒子を製造するには困難であった。また、得られた発泡粒子は、発泡倍率の低いものであった。さらに生分解性試験に供する成形体が得られず試験は実施できなかった。
本発明の発泡成形体は、環境にやさしく生分解性の性質を備え、軽量で、断熱性の、しかも十分な強度を備えた製品であり、特に軽量の輸送容器として、冷凍、加温の要求される食品、農業製品、酪農製品、工業製品の輸送に適した発泡材料を提供する。この発泡成形品は、もし放置したとしても、自然サイクルに従って、早期に無形無害化する。もし焼却処分をしても、発泡剤の不活性ガスのために、有害ガスの発生、高温度燃焼が無いので、廃プラスチックとしての処分に好ましい影響をする。発泡成形品は勿論のこと、発泡成形現場においても、不活性ガスに由来して、火災や。発泡剤として有機化合物を使用するよう名健康に悪影響するようかことは無いから、非常に注目にある成形技術分野である。代表的な用途分野を示すと、農水産用の資材、移植用苗ポット、農産物、生鮮野菜、魚介類の輸送用容器などが期待される。土木建設資材として、使いしてコンクリート型枠、簡易土留、保水材料、土嚢、などの用途が期待される。食品包装においては、即席食品容器、フード容器、弁当箱などの用途が期待される。保水材料のような自然回復材料、骨折固定材料のような医療材料、事務機器のような日用品の利用できる。特に従来の発泡材料の用途の代替材料に供することができる。従来の発泡体の代替に供しても、プラスチック特有の環境汚染、焼却、消去においても非常に利点を有する。さらには、発泡成形分野においても、新たな開発視点に対して興味ある指向を与えるものであり、産業上の利用可能性を有意にしている。

Claims (8)

  1. 酸価が30μeq/g以下でかつ還元粘度が1.5以上の、ジオール・ジカルボン酸を主成分とする脂肪族ポリエステルと、ポリカルボジイミド基を有する改質剤とを含有し、改質剤の使用量が脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して0.01重量部から10重量部を添加し、揮発性発泡剤として不活性ガスを使用することを特徴とする発泡粒子。
  2. 嵩密度が0.01以上0.3以下であることを特徴とする請求項1記載の発泡粒子。
  3. ジオール・ジカルボン酸を主成分とする脂肪族ポリエステルと、重合度が4以上30以下であるポリカルボジイミド基を有する改質剤を含有する組成物を不活性ガスで発泡させてなることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡粒子。
  4. 不活性ガスが二酸化炭素であることを特徴とする請求項に記載の発泡粒子。
  5. 酸価が30μeq/g以下でかつ還元粘度が1.5以上の、ジオール・ジカルボン酸を主成分とする脂肪族ポリエステルと、ポリカルボジイミド基を有する改質剤を含有する組成物の粉末またはペレットに、揮発性発泡剤として不活性ガスを高圧下に圧入し、次いで常圧下へ放出して発泡させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡粒子の製造方法。
  6. 揮発性の不活性ガスを粉末又はペレットに30〜60kgf/cmGで圧入しながら30〜180分間熟成してから開放することを特徴とする請求項に記載の発泡粒子の製造方法。
  7. 発泡粒子の嵩密度が0.01以上0.3以下であることを特徴とする請求項またはに記載の発泡粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発泡粒子を型内成形した成形体。
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