JP4585749B2 - 黄変を抑えたカルボジイミド組成物、耐加水分解安定剤及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

黄変を抑えたカルボジイミド組成物、耐加水分解安定剤及び熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、黄変を抑えたカルボジイミド組成物、それを主成分とする耐加水分解安定剤、及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、カルボジイミド化合物と酸化防止剤とからなる、熱重量測定(TG)法による5%重量減少温度が250℃以上であるカルボジイミド組成物、それを主成分とする耐加水分解安定剤、及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
カルボジイミド化合物は、分子中に、[−N=C=N−]で表されるカルボジイミド基を有し、活性水素(カルボン酸、アミン、アルコール、チオール等)と反応すること、接着性がよいこと、優れた耐熱性を有すること、さまざまな形態(ワニス、粉末、フィルム等)をとることができるなどの特性を有し、架橋剤・添加剤、接着剤、樹脂改質剤、断熱材、吸音材、ガスケット等の種々の用途に利用されている。
しかし、カルボジイミド化合物は、化合物自体の黄色度が高いという問題があり、プラスチックに添加すると、プラスチックが黄色に変色したり、時間の経過とともに光や熱により黄変するとの問題点があった。
また、カルボジイミド化合物は、エステル基含有樹脂や生分解性プラスチックの耐加水分解安定剤としても、広く使用されているが、モノカルボジイミド等の低分子量物は、加工時に熱分解し易く、刺激臭成分の発生による環境汚染や気化することによる添加効果の減少という問題があった。
これを改善するため、ポリカルボジイミドが用いられているが、加工時の着色(黄変)問題があり、色相を重視する用途(例えば、衣料用繊維用途)では使用が困難であった。
上記のエステル基含有樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド、ポリカプロラクトン等がある。
また、生分解性を有するプラスチックは、分子骨格にポリエステルを有する脂肪族系ポリエステル(微生物産生も含む)、セルロースなどの天然高分子系のもの、微生物産生多糖類、ポリビニルアルコール(PVA)や、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテル等に大別することができる。
これらの内、脂肪族系ポリエステルであるポリ乳酸は、植物由来のプラスチックとして、CO削減等の地球環境問題の社会的関心が高まるにつれて、自動車部品、家電筐体、衣料分野等で積極的に研究開発が行われている。
しかし、上記エステル基を有する樹脂(エステル基含有樹脂)及び生分解性プラスチックは、耐加水分解性が悪く、特に脂肪族系ポリエステルを始めとする生分解性プラスチックは、著しく悪く、従来のプラスチックと同レベルの機能(例えば強度、耐水性、成形加工性や耐熱性)を有した用途への使用は困難であった。
このような事情から、これまでにエステル基を有する樹脂及び生分解性プラスチックの耐加水分解性向上に関する提案がいくつかなされており、例えば、生分解性プラスチックの生分解性速度調整方法を目的としたもの(例えば、特許文献1参照。)や、エステル基を有する樹脂用の耐加水分解安定方法を目的としたもの(例えば、特許文献2、3参照。)が知られている。
しかしながら、これらの提案にも拘わらず、色相を重視する用途(繊維、フィルム、シート等)では、耐加水分解安定剤であるカルボジイミド化合物の黄変による着色問題があり、未だ十分とはいえなかった。
特開平11−80522号公報(特許請求の範囲等) 特開平9−296097号公報(特許請求の範囲等) 特許3122485号号公報(特許請求の範囲等)
したがって、本発明の目的は、エステル基を有する樹脂及び生分解性プラスチックに配合されるカルボジイミド化合物の従来からの問題であった耐熱性の向上、黄変による着色問題を解消し、かつ耐加水分解性をより向上させるカルボジイミド組成物、それを主成分とする耐加水分解安定剤、及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究を重ねた結果、カルボジイミド化合物の合成時に酸化防止剤を添加することにより、得られたカルボジイミド化合物と酸化防止剤との混合分散物であるカルボジイミド組成物、即ち熱重量測定(TG)法による5%重量減少温度が250℃以上で、かつ高白度(YI=10以下)であるカルボジイミド組成物を、エステル基を有する樹脂および生分解性プラスチック、特に脂肪族系ポリエステルに対して、特定量配合することにより、得られたエステル基を有する樹脂及び生分解性プラスチック組成物若しくは熱可塑性樹脂組成物は、黄変が抑えられ、耐加水分解性が高くなることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)とからなる、熱重量測定(TG)法による5%重量減少温度が250℃以上であるカルボジイミド組成物であって、カルボジイミド化合物(A)は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド又はテトラメチルキシリレンカルボジイミドである脂肪族カルボジイミド化合物で、該脂肪族カルボジイミド化合物は、重合度が2〜20であり、酸化防止剤(B)は、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト及びジステアリル−ペンタエリスリトール−ジフォスファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種のリン系酸化防止剤、または該リン系酸化防止剤と4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヒンダードフェノール系酸化防止剤との混合物であることを特徴とするカルボジイミド組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記リン系酸化防止剤は、ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト又はビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイトであることを特徴とするカルボジイミド組成物が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)の割合は、(A)100重量部に対して、(B)0.01〜20重量部であることを特徴とするカルボジイミド組成物が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、黄色度(YI値)が10以下であることを特徴とするカルボジイミド組成物が提供される。
本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明のカルボジイミド組成物を用いることを特徴とする生分解性プラスチック用の耐加水分解安定剤が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、生分解性プラスチックから選ばれる易加水分解性樹脂(C)に、第の発明の耐加水分解安定剤を配合することを特徴とする加水分解安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第の発明において、易加水分解性樹脂(C)は、脂肪族ポリエステルであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提供される。
本発明は、上記した如く、カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)とからなる、熱重量測定(TG)法による5%重量減少温度が250℃以上であるカルボジイミド組成物などに係わるものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)第1の発明において、カルボジイミド化合物(A)は、イソシアネート末端を有するか又はOH基を有する化合物で末端を封止した脂肪族ポリカルボジイミド化合物のいずれかであることを特徴とするカルボジイミド組成物。
(2)第1の発明において、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であることを特徴とするカルボジイミド組成物。
(3)第1の発明において、リン系酸化防止剤は、ペンタエリスリトール構造に加えて、さらに、t−ブチル基を有する芳香族炭化水素基を有することを特徴とするカルボジイミド組成物。
(4)第の発明において、易加水分解性樹脂(C)100重量部に対して、耐加水分解安定剤を0.01〜5重量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(5)第又はの発明の熱可塑性樹脂組成物を用いてなるプラスチック成形品。
(6)上記(5)の発明において、成形品の形状は、発泡体、型物成形品、押出し成形品、ブロー成形品、熱成形品、繊維、不織布、フィルムまたはシート状物であることを特徴とするプラスチック成形品。
本発明のカルボジイミド組成物は、従来のカルボジイミド化合物が有する、活性水素(カルボン酸、アミン、アルコール、チオール等)と反応すること、接着性がよいこと、優れた耐熱性を有すること、さまざまな形態(ワニス、粉末、フィルム等)をとることができるなどの優れた特性を損なわずに、カルボジイミド化合物そのものの黄色度を低くすることができ、しかも耐加水分解性をより向上させることができ、さらに、このカルボジイミド組成物を添加したプラスチックの黄色度を低くすることができるという効果がある。
また、本発明のカルボジイミド組成物を主成分とする耐加水分解安定剤は、エステル結合(エステル基)を有する樹脂又は生分解性プラスチックに配合されると、優れた耐加水分解性を発揮するという効果がある。
以下、本発明のカルボジイミド組成物などについて、各項目毎に詳細に説明する。
本発明のカルボジイミド組成物は、カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)とからなる、熱重量測定(TG)法による5%重量減少温度が250℃以上であるカルボジイミド組成物であって、酸化防止剤(B)は、カルボジイミド化合物(A)の合成時に混入させることにより、分散、存在させることを特徴とするものである。
また、本発明の耐加水分解安定剤は、上記のカルボジイミド組成物を主成分とすることを特徴とし、エステル結合を有する樹脂又は生分解性プラスチック用の添加剤として用いられる。
さらに、本発明の加水分解安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物は、エステル結合を有する樹脂又は生分解性プラスチックから選ばれる少なくとも1種の易加水分解性樹脂(C)に、上記の耐加水分解安定剤を配合することを特徴とするものである。
1.カルボジイミド化合物(A)
本発明において用いられる、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)としては、酸化防止剤を混入すること以外は一般的に良く知られた方法で合成されたものを使用することができ、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネートを約70度以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応に付することより合成することができるものを挙げることができる。
上記カルボジイミド化合物に含まれるポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には、従来のポリカルボジイミドの製造方法[例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review l981,Vol.81 No.4、p619−621]により、製造されたものを用いることができる。
ポリカルボジイミド化合物の製造における合成原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
また、上記ポリカルボジイミド化合物の場合は、重合反応を冷却等により、途中で停止させ、適当な重合度に制御することができる。この場合、末端はイソシアネートとなる。更に、適当な重合度に制御するには、モノイソシアネート等の、ポリカルボジイミド化合物の末端イソシアネートと反応する化合物を用いて、残存する末端イソシアネートの全て、または、一部を封止する方法もある。重合度を制御することにより、ポリマーへの相溶性向上や保存安定性を高めたりすることなどができ、品質向上の点で好ましい。
このようなポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御するためのモノイソシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等を例示することができる。
また、ポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御する末端封止剤としては、上記モノイソシアネートに限定されることはなく、イソシアネートと反応し得る活性水素化合物、例えば、(i)脂肪族、芳香族又は脂環族化合物であって、−OH基を有するメタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル;(ii)=NH基を有するジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン;(iii)−NH基を有するブチルアミン、シクロヘキシルアミン;(iv)−COOH基を有するコハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸;(v)−SH基を有するエチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール;(vi)エポキシ基を有する化合物;(vii)無水酢酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等を例示することができるが、黄変が少ない構造のものとしては、−OH基を有するものが望ましい。
上記有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応は、適当なカルボジイミド化触媒の存在下で行うものであり、使用し得るカルボジイミド化触媒としては、有機リン系化合物、有機金属化合物(一般式M−(OR)[Mは、チタン(Ti)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)やバリウム(Ba)等を、Rは、炭素数1〜20までのアルキル基又はアリール基を示す]で表されるもの)が好適であり、特に活性の面から、有機リン系化合物ではフォスフォレンオキシド類が、また、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコキシド類が好ましい。
上記フォスフォレンオキシド類としては、具体的には、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド又はこれらの二重結合異性体を例示することができ、中でも工業的に入手の容易な3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
本発明者らによれば、本発明のカルボジイミド組成物がエステル基(エステル結合)を有する樹脂又は生分解性プラスチックに配合される場合、カルボジイミド化合物(A)の機能は、添加後初期の段階では、加水分解を促進させると考えられるエステル基を有する樹脂又は生分解性プラスチック内に残存する水酸基・カルボキシル基と反応して加水分解を制御し、その後は、加水分解反応によって切断されたエステル結合又は生分解性プラスチックの結合に付加して、再結合させるものとして働くものである。
そのための、カルボジイミド化合物(A)としては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度=2〜20)、テトラメチルキシリレンカルボジイミド(重合度=2〜20)、N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド(重合度=2〜20)、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(重合度=2〜20)等があり、そのような機能を有する分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物であれば、特に限定されないが、色相、安全性・安定性の点から、脂肪族ポリカルボジイミド化合物が好ましく、TG5%重量減少温度が250℃以上である耐熱性の点から、重合度は5以上が好ましい。
さらに、脂肪族カルボジイミド化合物の末端がイソシアネート末端を有するものが、耐加水分解性の点から特に好ましい。
また、耐加水分解性、耐候性、耐熱性の点から、芳香族カルボジイミド化合物よりも、脂肪族カルボジイミド化合物の方が好ましい。
2.酸化防止剤(B)
本発明に係るカルボジイミド化合物(A)合成時に併用して用いられる酸化防止剤(B)は、好ましくは、リン系酸化防止剤単独、或いは該リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤の混合系である。
本発明において、カルボジイミド化合物(A)の合成時に、酸化防止剤(B)を添加すること、すなわち、カルボジイミド化合物(A)の原料中に、酸化防止剤(B)予め混入させることに最大の特徴があり、このことにより、カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)とを均一に分散、存在させることができ、従来にない黄色度(YI値)が10以下である本発明のカルボジイミド組成物を得ることができる。尚、本発明において、黄色度(YI値)は、JIS K7103の「プラスチックの黄色度及び黄変度試験方法」に準拠して、測定、評価している。
リン系酸化防止剤は、例えば、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバスペシャルティケミカル社販売の商品名イルガフォス168、旭電化工業社販売の商品名アデカスタブ2112等)やビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト(チバスペシャルティケミカル社販売の商品名イルガフォス126、旭電化工業社販売の商品名アデカスタブPEP−24G等)、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト(旭電化工業社販売の商品名アデカスタブPEP−36)、ジステアリル−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト(旭電化工業社販売の商品名アデカスタブPEP−8、城北化学社販売の商品名JPP−2000等)などが挙げられるが、耐加水分解性向上の点でペンタエリスリトール構造を有するものが好ましく、ペンタエリスリトール構造に加えて、さらにt−ブチル基を有する芳香族炭化水素基を有するものが特に好ましい。
リン系酸化防止剤の特に好ましいものの例として、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト(旭電化工業社販売の商品名アデカスタブPEP−36)の化学構造式を次に示す。
Figure 0004585749
また、上記のリン系酸化防止剤と併用して用いることが好ましいヒンダードフェノール系酸化防止剤は、TG5%重量減少温度が250℃以上である耐熱性の点から、分子量が400以上のものが好ましく、一方、分子量が低いと、飛散や揮散したり、接触する物質に抽出されたりする現象が見られる場合がある。特に、食品などと接触するプラスチックからの酸化防止剤の食品中への移行は、衛生上問題を起こす可能性があるために、本発明においては、分子量が400以上のものが好ましく用いられ、更に好ましくは分子量が500以上のものである。また、高分子量のものを選択することにより、プラスチック組成物の耐熱性を向上させることができる効果も奏する。
このような分子量が400以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(MW=420)や、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(MW=531)(チバスペシャルティケミカル社販売の商品名イルガノックス1076)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](MW=1178)(チバスペシャルティケミカル社販売の商品名イルガノックス1010)、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(MW=741)(住友化学社販売の商品名スミライザーGA−80)などが挙げられる。
本発明において、酸化防止剤は、前記したように、カルボジイミド化合物の合成時に添加することにより、カルボジイミド化合物の合成時の着色を抑え、また、エステル基を有する樹脂または生分解プラスチックに添加する時のカルボジイミド化合物の着色を抑えられることができ、そして、耐加水分解性と耐熱性の向上をみることことができる量で使用される。
そのため、酸化防止剤(B)の総配合量は、カルボジイミド化合物(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部が特に好ましい。酸化防止剤(B)の配合量が0.01重量部未満であると、カルボジイミド化合物合成時の着色防止、及びエステル基を有する樹脂または生分解プラスチックへの添加時の着色防止効果が弱い。一方、20重量部を超えると、カルボジイミド化合物合成時の反応速度を低下させたり、カルボジイミド化合物に相溶し難くなる問題がある。
また、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系とリン系酸化防止剤との混合系の場合では、フェノール:リンの重量比は、5:1〜1:5の範囲とすることが好ましい。
尚、プラスチック配合用の酸化防止剤としては、上記ヒンダードフェノール系やフォスファイト系(リン系)以外の酸化防止剤、例えば、ジフェニルアミンやフェニルαナフチルアミンなどの芳香族アミン系や、硫黄系の酸化防止剤なども挙げることができるが、これらは、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、上記ヒンダードフェノール系やフォスファイト系酸化防止剤に加えて、少量の芳香族アミン系酸化防止剤などを併用することもできる。但し、これら芳香族アミン系酸化防止剤などを配合すると、着色が悪くなるため、注意を要する。
3.カルボジイミド組成物
本発明のカルボジイミド組成物は、前述のように、カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)とからなり、耐熱性の点から、熱重量測定(TG)法(熱天秤分析法)によるTG5%重量減少温度が250℃以上であり、かつ黄変を抑える点から、JIS K7103における粉体粒径1mm以下の黄色度(YI値)が10以下であることが好ましい。
また、本発明において、酸化防止剤(B)のカルボジイミド化合物(A)への合成時における混合は、前述のように、カルボジイミド化合物(A)合成における原料仕込み段階が好ましいが、それ以外に、カルボジイミド化合物合成における反応中などでもよい。
本発明のカルボジイミド組成物は、エステル結合(エステル基)を有する樹脂又は生分解性プラスチック用、すなわち易加水分解性樹脂(C)の耐加水分解安定剤として、好適に用いることができる。
その際に、カルボジイミド組成物の配合量は、エステル基を有する樹脂又は生分解性プラスチックの易加水分解性樹脂(C)100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3.0重量部が特に好ましい。配合量が0.01重量部未満であると、エステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックの易加水分解性樹脂の耐加水分解性向上効果は見られず、一方、5重量部を超えると、着色が強くなる恐れがある。尚、着色が問題とならない場合には、5重量部以上のカルボジイミド組成物の配合量にすることもできる。
4.易加水分解性樹脂(C)
4.1 エステル基を有する樹脂
本発明において、プラスチック(樹脂)の主成分または必須成分であるエステル(すなわち、好ましくはポリヒドロキシルポリエステル)は、多価(好ましくは二価および三価)アルコールと多塩基性(好ましくは二塩基性)カルボン酸との反応生成物を包含する。ポリエステルの製造に際し遊離ポリカルボン酸を用いる代りに、対応の無水ポリカルボン酸または対応の低級アルコールのポリカルボン酸エステルまたはその混合物をも使用することができる。ポリカルボン酸としては、脂肪族、環式脂肪族、芳香脂肪族、芳香族および/または複素環式とすることができ、必要に応じ置換(たとえばハロゲン原子による)および/または不飽和とすることもできる。カルボン酸およびその誘導体の例は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリチン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラクロルフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、二量化および三量化不飽和脂肪酸(これらは必要に応じたとえばオレイン酸のようなモノマー不飽和脂肪酸と混合する);並びにテレフタル酸ジメチルエステルおよびテレフタル酸ビス−グリコールエステルを包含する。多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,4−,1,3−および2,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マニトール、ソルビトール、ホルミトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、並びに高級ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよび高級ポリプロピレングリコール、さらにジブチレングリコールおよび約10,000までの分子量を有する高級ポリブチレングリコールを包含する。ポリエステルは、部分的に末端カルボキシル基を有することもできる。たとえばε−カプロラクトンのようなラクトンまたはたとえばε−ヒドロキシカプロン酸のようなヒドロキシカルボン酸のポリエステルも使用することができる。
「ポリエステル」は、ポリエステルアミドおよび必要に応じポリアミド、たとえば多塩基性の飽和もしくは不飽和カルボン酸またはその無水物と多価飽和もしくは不飽和アミノアルコール、ジアミン、ポリアミンおよびその混合物、並びにこれらと上記ポリアルコールとの混合物とから得られる主として線状の縮合物を包含する。既にウレタン基または尿素基を有するポリエステル化合物、並びに必要に応じ改変された天然ポリエステル、たとえばヒマシ油も、本発明の意味で「ポリエステル」と理解すべきである。本発明の耐加水分解安定剤により、安定化されるポリエステルウレタンは公知である。この種のポリエステルウレタンは、500〜約10,000の平均分子量を有する上記ポリエステル;必要に応じ他の比較的高分子量のポリオールおよび/またはポリアミン、たとえばポリエーテル、ポリカーボネート、ポリブタジエンジ−もしくはポリオール(アミン)(これらは平均して1.5〜5個、好ましくは約2〜3個のツェレウィチノフ活性基を分子中に有する);平均して約1.5〜5個(好ましくは約2〜3個、より好ましくは約2個)のイソシアネート基を分子中に有する芳香族、芳香脂肪族、脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネート;さらに必要に応じ単鎖の連鎖延長剤、たとえばジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミンおよび/またはアミノアルコールから合成することができる。
ポリイソシアネート重付加法で使用する前に、上記ポリヒドロキシル化合物は、種々の方法で改変することができる。たとえば、ドイツ特許公開公報第2,210,839号(米国特許第3,849,515号)およびドイツ特許公開公報第2,544,195号によれば、種々異なるポリヒドロキシル化合物(たとえば1種もしくはそれ以上のポリエステルポリオール)の混合物を強酸の存在下でのエーテル化により縮合させて、エーテル架橋により結合された種々のセグメントで構成される比較的高分子量のポリオールを生成させることができる。さらに、たとえばドイツ特許公開公報第2,559,372号にしたがいアミド基をポリヒドロキシル化合物に導入したり、或いはドイツ特許公開公報第2,620,487号にしたがい多官能性シアン酸エステルとの反応によりトリアジン基をポリヒドロキシル化合物に導入することもできる。
しばしば比較的高分子量のポリヒドロキシル化合物を、たとえばドイツ特許公開公報第2,019,432号および第2,619,840号、並びに米国特許第3,808,250号、第3,975,428号および第4,016,143号に記載されたように、無水イサト酸との反応により完全にまたは部分的に対応のアンスラニル酸エステルまで変換させるのが特に有利である。芳香族アミノ基で終端する比較的高分子量の化合物を、このようにして得ることができる。ドイツ特許公開公報第2,546,536号および米国特許第3,865,791号によれば、アミノ基を末端とする比較的高分子量の化合物は、NCOプレポリマーとヒドロキシル基含有のエナミン、アルジミンもしくはケチミンとの反応に続く加水分解によって得ることができる。アミノ基もしくはヒドラジド基を末端とする比較的高分子量のエステル化合物を製造するための他の方法は、たとえばドイツ特許公開公報第1,694,152号(米国特許第3,625,871号)に記載されている。
本発明においては、微分散型もしくは溶解型にて高分子量の重付加物もしくは重縮合物または重合体を含有するポリヒドロキシル化合物でさえ使用することができる。これらのようなポリヒドロキシル化合物は、たとえば重付加反応(たとえばポリイソシアネートとアミノ官能性化合物との間の反応)または重縮合反応(たとえばホルムアルデヒドとフェノールおよび/またはアミンとの間の反応)を上記ポリエステル中にてその場で行なうことにより得られる。この種の方法は、たとえばドイツ特許公告公報第1,168,075号および第1,260,142号、並びにドイツ特許公開公報第2,324,134号、第2,423,984号、第2,512,385号、第2,513,815号、第2,550,796号、第2,550,797号、第2,550,833号、第2,550,862号、第2,633,293号および第2,639,254号に記載されている。しかしながら、米国特許第3,869,413号またはドイツ特許公開公報第2,550,860号にしたがい、既に生成された水性重合体分散物をポリヒドロキシル化合物と混合し、次いで水を混合物から除去することもできる。本発明で使用されるイソシアネート基含有のカルボジイミドの効果に関する前提は、ポリウレタンの熱劣化もしくは加水分解劣化に際しカルボン酸が生成されうる可能性である。
本発明により安定化するのに適した他のプラスチックは、ポリテレフタレートであって、たとえばテレフタル酸ジメチルエステルまたは他のこの種のテレフタル酸エステルとブタンジオールおよび/またはエタンジオールとから合成することができ、さらにたとえばジオールおよび/またはジカルボン酸のような他の成分を混入することもでき、さらに少なくとも10,000の平均分子量(Mn)を有する。特に適するポリテレフタレートは、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートを包含する。これらのような物質は、高品質の合成材料もしくは繊維として使用される。弾性化された形態にて、これらは比較的多量割合の比較的長鎖のジオール、たとえばC4ポリエーテルをも含有することができる。これらのような物質は、たとえばハイトレルの名称で市販されている(デュポン社から入手しうる)。本発明により安定化するのに適した他の物質は、ポリエステルブロックを有する市販のポリアミドおよびエステル基を有するポリエーテルポリアミド、或いは基本的にはエステル基を有する任意のプラスチック、好ましくは主連鎖中にエステル基を有するものを包含する。
4.2 生分解性プラスチック
本発明において、熱可塑性樹脂組成物又は生分解性プラスチック組成物に用いられる、主成分の生分解性プラスチックとしては、例えば微生物によって代謝されるポリエステル系のものを挙げることができ、中でも微生物によって代謝され易い脂肪族系ポリエステルが好ましい。
一般に、生分解性プラスチックは、次の過程で生分解が進行するといわれている。
すなわち、環境中に放出された高分子材料(生分解性プラスチック)の分解において、(i)先ず、高分子分解酵素がその高分子材料の表面に吸着する。この酵素は、ある種の微生物が菌体外に分泌したものである。(ii)次に、この酵素が高分子鎖のエステル結合やグリコシド結合、ペプチド結合などの化学結合を加水分解反応によって切断する。(iii)その結果、高分子材料は、低分子量化され、分解酵素によりモノマー単位まで分解される。(iv)そして、分解生成物は、さまざまな微生物により、代謝・資化され、二酸化炭素、水、菌体成分などに変換されていくというものである。
微生物によって代謝され易く、加水分解反応が起こる脂肪族系ポリエステルとしては、
(1)ポリ乳酸(ポリラクチド)系脂肪族ポリエステル、
(2)多価アルコール類と多塩基酸類との縮合反応物である脂肪族ポリエステル、
(3)ポリヒドロキシブチレート(PHB)等の微生物産生脂肪族ポリエステル、
(4)ポリカプロラクトン(PCL)系脂肪族ポリエステル、
等が挙げられ、本発明においては、生分解性プラスチックとして、上記のいずれをも、好ましく用いることができる。
また、本発明においては、生分解性プラスチックとして、上記の脂肪族ポリエステルに限定されずに、生分解性プラスチック中の高分子鎖が加水分解反応によって切断するエステル結合やグリコシド結合、ペプチド結合などの化学結合を有するものであれば用いることができる。そのようなものとして、例えば、脂肪族ポリエステルの分子鎖骨格にカーボネート構造をランダムに導入した脂肪族ポリエステルのカーボネート共重合体や、脂肪族ポリエステルの分子鎖骨格にナイロンを導入し、アミド結合を有する脂肪族ポリエステルとポリアミドの共重合体などが挙げられる。
次に、脂肪族系ポリエステルについて、さらに詳細に説明する。
(1)ポリ乳酸(ポリラクチド)系脂肪族ポリエステル
ポリ乳酸(ポリラクチド)系脂肪族ポリエステルとしては、ポリラクチド類が挙げられ、具体的には、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸等のオキシ酸の重合体又はこれらの共重合体、例えば、ポリ乳酸、ポリ(α−リンゴ酸)、ポリグリコール酸、グリコール酸−乳酸共重合体などであり、特にポリ乳酸に代表されるヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
上記ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルは、通常、環状ジエステルであるラクチド及び対応するラクトン類の開環重合による方法、いわゆるラクチド法により、また、ラクチド法以外では、乳酸の通接脱水縮合法やホルマリンと炭酸ガスとの重縮合法により得ることができるものである。
また、上記ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルを製造するための触媒としては、錫、アンチモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物を例示することができ、中でも錫系触媒、アルミニウム系触媒が好ましく、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトナートが特に好適である。
上記ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルの中でも、ラクチド開環重合により得られるポリL−乳酸が、加水分解されてL−乳酸になると共にその安全性も確認されているために好ましいが、本発明で使用するポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルは、これに限定されることはなく、従ってその製造に使用するラクチドについても、L体に限定されない。L体、D体、メソ体が任意の割合の組成物でも何ら限定されないが、結晶性を有し融点を高め、機械的物性、耐熱性を上げる為には、各構造単位の割合が90%以上の組成物である必要がある。
(2)多価アルコール類と多塩基酸類との縮合反応物である脂肪族ポリエステル
多価アルコール類と多塩基酸類との縮合反応物である脂肪族ポリエステルとしては、脂肪族系グリコール類と脂肪族多塩基酸(又はその無水物)とを、触媒の存在下に反応させることにより得られる脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステル、或いは、必要に応じ少量のカップリング剤を使用して反応させることにより得られる、高分子量の脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルを例示することができる。
本発明で使用される脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルを製造するための脂肪族系グリコール類としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができ、エチレンオキシドを使用することもできる。尚、これらのグリコール類は、その2種以上を併用してもよい。
上記脂肪族系グリコール類と反応して脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルを形成する脂肪族多塩基酸及びその酸無水物としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸や無水アジピン酸等、一般的に市販されているものを使用することができる。尚、これら多塩基酸やその酸無水物は、その2種以上を併用してもよい。
上記グリコール類及び多塩基酸は、脂肪族系のものであるが、少量の他成分、例えば芳香族系グリコール類及び無水トリメリット酸や無水ピロメリット酸等の芳香族系多塩基酸を併用することもできる。但し、これら芳香族系成分を導入すると生分解性が悪くなるため、芳香族系グリコール類及び芳香族系多塩基酸の配合量は、脂肪族系グリコール100重量部に対して20重量部以下、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下とする必要がある。
また、上記脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルを製造するための触媒としては、チタン、スズ、アンチモン、セリウム、亜鉛、コバルト、鉄、鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ゲルマニウム等の金属の有機酸塩、アルコキサイドや酸化物を例示することができ、これらのうち、スズ系又はアルミニウム系の化合物が好適である。
上記脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルを製造するには、当量の脂肪族系グリコール類及び脂肪族多塩基酸と触媒とを、必要であれば原料化合物に応じて適宜に選択した溶媒を使用し、加熱して反応させればよく、反応の進行程度を抑制することにより、重合度の低いプレポリマーを製造することができる。
上記のような脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルの製造においては、更に数平均分子量を高めるために、特に重合度の低いプレポリマーに対し、カップリング剤を使用することもでき、このカップリング剤としては、例えばジイソシアネート、オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等を挙げることができるが、特にジイソシアネートの使用が好適である。
上記カップリング剤としてのジイソシアネートは、その種類に特に制限はないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができ、特にへキサメチレンジイソシアネ−トが、得られる脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルの色相や、前記プレポリマーへの配合時の反応性等の点から好ましい。
上記カップリング剤の配合量は、例えば前記プレポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部であり、0.1重量部未満ではカップリング反応が不十分であり、5重量部以上ではゲル化が起こり易くなる。
また、上記脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルは、二重結合やウレタン結合、尿素結合等を介して、他の化合物により末端のヒドロキシル基を封止したものや、変性された脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルであってもよい。
多価アルコール類と多塩基酸類との縮合反応物である脂肪族ポリエステルについて、具体的に市販されているものとしては、例えば、ポリブチレンサクシネート(PBS)やポリエチレンサクシネート(PES)等が挙げられる。
そのポリブチレンサクシネート(PBS)系脂肪族ポリエステルとしては、例えばブタンジオールとコハク酸からなるポリブチレンサクシネート(PBS)、又は生分解性を加速させるためにアジピン酸を共重合させたアジペート共重合体(PBSA)、さらにテレフタル酸を共重合させたアジペート/テレフタレート共重合体が挙げられ、市販品としては、例えば、昭和高分子株式会社販売の「ビオノーレ」(商品名)、イーレ・ケミカル製の「エンポール」(商品名)、BASF製の「エコフレックス」(商品名)、デュポン社製の「バイオマックス」(商品名)等がある。
また、ポリエチレンサクシネート(PES)も市販され、市販品としては、例えば、日本触媒株式会社販売の「ルナーレSE」(商品名)がある。
(3)微生物産生脂肪族系ポリエステル
ある種の微生物は、ポリエステルを菌体内に蓄積する。微生物産生ポリエステルは、生体由来の融点をもつ熱可塑性ポリマーである。また、このようなポリエステルは、自然界で微生物が菌体外に分泌する酵素により分解され、分解生成物が微生物によって資化されるため完全に消滅する。
このような微生物産生(脂肪族系)ポリエステルとしては、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(ヒドロキシ酪酸−ヒドロキシプロピオン酸)共重合体、ポリ(ヒドロキシ酪酸−ヒドロキシ吉草酸)共重合体などが挙げられる。
(4)ポリカプロラクトン系脂肪族ポリエステル
脂肪族ポリエステルの一種であるポリカプロラクトンは、ε−カプロラクトンの開環重合により得ることができ、水不溶性高分子でありながら、多くの菌により分解される。
ポリカプロラクトンは、一般式:−(O(CHCO)−で表される脂肪族ポリエステルであり、このようなポリカプロラクトン系脂肪族ポリエステルの市販品としては、例えば、日本ユニカー株式会社販売の「トーン」(商品名)がある。
本発明のカルボジイミド組成物は、エステル基を有する樹脂または生分解性プラスチック、すなわち易加水分解性樹脂(C)の耐加水分解性と耐黄変性の改善効果を得ることができる量で使用される。
カルボジイミド化合物(A)は、合成時の着色もあるが、エステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックに添加する際にも、熱、熱酸化等により黄変が進行する。
また、樹脂成形品になった後も、熱、NOx、日光等の影響により、カルボジイミド化合物が黄変することで、樹脂成形品が黄変する。これらの黄変は、樹脂中に含まれるカルボジイミド化合物の添加量が多い程、着色が強くなる。
このため本発明のカルボジイミド組成物の配合量は、前述のように、易加水分解性樹脂(C)100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
本発明において、上記カルボジイミド組成物のエステル基を有する樹脂または生分解性プラスチック、すなわち易加水分解性樹脂(C)への混合は、これらを有機溶剤に溶解した後に当該有機溶剤を留去することにより行うことができ、この場合の有機溶剤としては、生分解性プラスチックを溶解することは、もちろんのこと、更には非重合性で活性水素を持たない有機溶剤を使用することが望ましく、具体的にはクロロホルムやテトラヒドロフラン(THF)を例示することができる。
また、上記カルボジイミド組成物のエステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックへの混合方法は、押出機による溶融混練りによる方法や、エステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックの合成終了後に、カルボジイミド組成物を混入する方法を使用することもできる。
押出機による溶融混練り方法の場合、次のいずれの方法でも良い。
(i)カルボジイミド化合物とエステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックを同時に混合する。
(ii)エステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックを溶解させた後に、サイドフィーダー又は液体添加装置を使用して混合する。
5.その他の添加剤等
本発明に係るエステル基を有する樹脂または生分解性プラスチック組成物、すなわち熱可塑性樹脂組成物には、本発明のカルボジイミド組成物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記カルボジイミド組成物以外の補強材、クレイ、層状ケイ酸塩、タルク、マイカ、無機や有機フィラー、アミン系やフェノール系又はリン系酸化防止剤、熱安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等の他、難燃剤、滑剤、ワックス類、顔料、染料、着色剤、結晶化促進剤、酸化チタン、デンプンのような分解性を有する有機物等を併用することもできる。
以下、本発明について実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中の物性は、次の方法で測定し、評価したものである。
[黄色度(YI)]
JIS K7103の測定条件に基づき、黄色度(YI)を測定した。なお、測色色差計は、日本電色工業(株)製のNF333を用いた。
[熱変色性]
120℃の乾燥機中に75時間放置した時のYIを測定し、以下の式(1)により算出した。
式(1): ΔYI=YI−YI
[日光変色性]
供試試料の試験片について、キセノン BPT60℃×湿度50%の条件で、照射時間500時間後のYIを測定し、以下の式(2)により算出した。
式(2): ΔYI=YI−YI
[耐加水分解性]
供試試料の試験片について、80℃、90%の恒温恒湿機中に、一定時間(100時間)放置した後の引張り強度を、放置前の引張り強度に対する割合(%)として算出した。耐加水分解性は、引張り強度の割合(%)が高いのが良好と判断される。
[耐熱性][5%重量減少温度TG5%(℃)]
セイコーインスツルメンツ(株)製「TG/DTA6200」TG−DTA測定機により、試料重量10mg程度、窒素雰囲気中にて昇温速度10℃/分として測定した時の試料重量に対して重量が5%減少したときの温度として求めた。
実施例、比較例の前に、先ず、カルボジイミド化合物又はカルボジイミド組成物を合成した。
[カルボジイミド化合物の合成例1]
攪拌モーター、窒素ガスバブリング管および冷却管を付けたフラスコに、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100重量部と3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドを0.5重量部加え、窒素ガスバブリングを行ないながら、185℃で24時間カルボジイミド化反応を行なった。得られたカルボジイミドのNCO%は、2.4であった。
[カルボジイミド化合物の合成例2]
攪拌モーター、窒素ガスバブリング管および冷却管を付けたフラスコに、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100重量部と3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド0.5重量部とビス(2,4−ジーtert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト1重量部を加え、窒素ガスバブリングを行ないながら、185℃で24時間カルボジイミド化反応を行なった。得られたカルボジイミドのNCO%は、2.4であった。
[カルボジイミド組成物の合成例3]
攪拌モーター、窒素ガスバブリング管および冷却管を付けたフラスコに、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100重量部と3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド0.5重量部とビス(2,4−ジーtert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト1重量部と、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1重量部を加え、窒素ガスバブリングを行ないながら、185℃で24時間カルボジイミド化反応を行なった。得られたカルボジイミドのNCO%は、2.4であった。
[カルボジイミド化合物の合成例4]
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート614gとシクロヘキシルアミン20gを加え、100℃で1時間攪拌し、その後カルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを加え、185℃で30時間反応させ、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドの末端にウレア結合を有するカルボジイミド(重合度=10)を得た。
[比較例1]
生分解性プラスチックとして、主成分がポリブチレンサクシネート/アジペートである脂肪族系ポリエステル樹脂を用い、生分解性プラスチック(脂肪族系ポリエステル)100重量部に対して、合成例1で合成したカルボジイミド化合物を0.5重量部、及びリン系酸化防止剤であるビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(商品名イルガフォス126)を0.05重量部となるようドライブレンドした後、二軸押し出し機により混練し、Tダイにより厚さ200μmのフィルムを作製した。これらのフィルムよりJIS4号ダンベルを打抜き、これを試験片とし、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
[実施例1〜4]
実施例1、2は、生分解性プラスチックとして、主成分がポリブチレンサクシネート/アジペートである脂肪族系ポリエステル樹脂を用い、生分解性プラスチック(脂肪族系ポリエステル)100重量部に対して、合成例2で合成したカルボジイミド組成物を夫々0.5重量部、1.0重量部となるように、ドライブレンドした後、二軸押し出し機により混練し、Tダイにより厚さ200μmのフィルムを作製した。これらのフィルムよりJIS4号ダンベルを打抜き、これを試験片とし、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
実施例3は、カルボジイミド組成物を合成例3のものに変更したこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、フィルムを作製し、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
実施例4は、生分解性プラスチックを主成分がポリ乳酸である脂肪族系ポリエステル樹脂に変更したこと以外は、実施例2と同じ操作を行い、フィルムを作製し、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
[比較例2〜5]
比較例2は、カルボジイミド化合物を合成例4のものに変更したこと以外は、比較例1と同じ操作を行い、フィルムを作製し、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
比較例3は、カルボジイミド化合物を市販のスタバクゾールP(バイエル社製)に変更したこと以外は、比較例1と同じ操作を行い、フィルムを作製し、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
比較例4は、合成例1で合成したカルボジイミド化合物を1.0重量部、及びリン系酸化防止剤を実施例2に相当する量である0.01重量部となるように、ドライブレンドした以外は、実施例2と同じ操作を行い、フィルムを作製し、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
比較例5は、生分解性プラスチックを主成分がポリ乳酸である脂肪族系ポリエステル樹脂に変更し、カルボジイミド化合物を合成例1のもので、酸化防止剤を配合しない以外は、実施例2と同じ操作を行い、フィルムを作製し、物性を評価した。組成と評価結果を表1に示す。
Figure 0004585749
表1に示される実施例、比較例の結果から明らかなように、生分解性プラスチックに、酸化防止剤を合成時に含有した本発明のカルボジイミド組成物を配合した実施例1〜4では、例えば酸化防止剤の配合量が多い比較例1や、概略同等の比較例5に比較して、その耐加水分解性、即ち、加水分解に基づく生分解性に対する耐性と、変色性が著しく向上していることが判明した。
本発明のカルボジイミド組成物を耐加水分解安定剤として、エステル基を有する樹脂または生分解性プラスチックに配合した熱可塑性樹脂組成物或いは生分解性プラスチック組成物は、耐加水分解性に優れ、かつ黄変防止効果が高いため、農林水産用資材(マルチフィルム、マルチシート、植栽ポット、釣糸、魚網等)、土木工事資材(保水シート、植物ネット、土嚢等)、型物成形品、押出し成形品、熱成形品、発泡体、ブロー成形品、繊維、不織布、包装・容器分野のフィルムなどに応用でき、特に、フィルム、シートや衣料用繊維、ボトル、トレイなどの色相を重視する用途には、好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)とからなる、熱重量測定(TG)法による5%重量減少温度が250℃以上であるカルボジイミド組成物であって、
    カルボジイミド化合物(A)は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド又はテトラメチルキシリレンカルボジイミドである脂肪族カルボジイミド化合物で、該脂肪族カルボジイミド化合物は、重合度が2〜20であり、
    酸化防止剤(B)は、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト及びジステアリル−ペンタエリスリトール−ジフォスファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種のリン系酸化防止剤、または該リン系酸化防止剤と4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンからなる群から選ばれる少なくとも1種のヒンダードフェノール系酸化防止剤との混合物であることを特徴とするカルボジイミド組成物。
  2. 前記リン系酸化防止剤は、ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト又はビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイトであることを特徴とする請求項1に記載のカルボジイミド組成物。
  3. カルボジイミド化合物(A)と酸化防止剤(B)の割合は、(A)100重量部に対して、(B)0.01〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のカルボジイミド組成物。
  4. 黄色度(YI値)が10以下であることを特徴とする請求項1に記載のカルボジイミド組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のカルボジイミド組成物を用いることを特徴とする生分解性プラスチック用の耐加水分解安定剤。
  6. 生分解性プラスチックから選ばれる易加水分解性樹脂(C)に、請求項に記載の耐加水分解安定剤を配合することを特徴とする加水分解安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
  7. 易加水分解性樹脂(C)は、脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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