JP4953597B2 - ポリブチレンサクシネート樹脂組成物、その製造方法、それからなる成形体 - Google Patents

ポリブチレンサクシネート樹脂組成物、その製造方法、それからなる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリブチレンサクシネート樹脂組成物、その製造方法、それから成る成形体に関する。
生分解性脂肪族ポリエステルのうち、ポリ乳酸については、耐熱性や生産性を向上させるために、(i)(メタ)アクリル酸エステル化合物や多価イソシアネート化合物を添加して架橋する方法(特許文献1、特許文献2)や、(ii)層状珪酸塩と併用する方法(特許文献3)が提案されている。
一方、特許文献4には、ポリ乳酸のカルボキシル末端基を特定のカルボジイミド化合物で封鎖することで、耐熱性と耐加水分解性を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、ポリ乳酸は、その耐熱性や成形性は架橋や層状珪酸塩の添加によって向上するものの、長期保存したり過酷な湿熱下で使用したりする際には、樹脂の加水分解によって物性が低下し、このような条件下での実用性は充分とはいえない。
また、特許文献4の記載のように単にポリ乳酸の末端をカルボジイミド化合物で封鎖しただけでは、結晶化速度、成形サイクルが遅く、このため射出、発泡、ブロー等の成形体としては不向きである。
これらに対して、特許文献5では、ヒドロキシカルボン酸単位を主体とする生分解ポリエステルについて、架橋と末端基封鎖とを併用することによってはじめて前記課題が解決されることが開示されている。しかし、耐衝撃性や成形後の熱収縮についてはさらに改善の余地がある。
一方、ポリ乳酸等に比べて高い柔軟性を有することを特徴とするポリブチレンサクシネートについても、その結晶融点が熱湯と同等の100℃前後でしかないという欠点を克服するために、無機物などを混合してから架橋することによる耐熱性の向上が試みられている(特許文献6)。また、耐久性の向上を目的として、加水分解抑制剤の添加が試みられている(特許文献7)。しかし、特許文献6の架橋による方法では、耐熱性以外の耐衝撃性等の物性については考慮されていない。また、特許文献7の加水分解抑制剤による耐久性の向上も、その効果は不充分である。
特開2003−128901号公報 特開2003−238789号公報 特開2003−147182号公報 特開2001−261797号公報 国際公開第WO2005/000946号パンフレット 特開2003−277593号公報 特開2003−192929号公報
本発明は、前記の問題点を解消しようとするものであり、耐衝撃性、成形性および耐加水分解性に優れ、また、熱変形も抑えられたポリブチレンサクシネート樹脂組成物、および、その製造方法、ならびに、それから成る成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリブチレンサクシネート樹脂において、架橋と末端基封鎖とを併用することによって、はじめて、前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリブチレンサクシネート樹脂が(メタ)アクリル酸エステル化合物からなる架橋剤により架橋されており、前記ポリブチレンサクシネート樹脂のカルボキシル末端基の一部または全部が、前記ポリブチレンサクシネート樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部のカルボジイミド化合物により封鎖されており、前記架橋剤がポリブチレンサクシネート樹脂100質量部あたり0.01〜10質量部配合されており、かつ下記(A)の条件で示す収縮率が0.1%未満であることを特徴とするポリブチレンサクシネート樹脂組成物。
(A)樹脂組成物より得られるISOダンベル試験片を80℃の高温下に14時間さらし、長さ方向の全長の変化を測定する。試験片を高温下にさらす前後において全長の長さの変化率を収縮率とする。
(2)上記(1)記載のポリブチレンサクシネート樹脂組成物を製造するに際し、予めポリブチレンサクシネート樹脂とカルボジイミド化合物とを混合し、ついで、この混合物に架橋剤を混合することを特徴とするポリブチレンサクシネート樹脂組成物の製造方法。
(3)上記(1)記載のポリブチレンサクシネート樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。
本発明によれば、ポリブチレンサクシネート樹脂が架橋され、さらにそのカルボキシル末端基の少なくとも一部が封鎖されていることにより、耐衝撃性、成形性および耐加水分解性に優れ、また、熱変形も抑えられた樹脂組成物を提供することができる。この樹脂組成物は、各種成形方法により、種々の成形体とすることができ、これを柔軟材用途、特に使用時にある程度の曲げ変形が要求される柔軟材用途に使用することで、ポリブチレンサクシネート樹脂の特徴である柔軟性を長期間にわたって活かすことができ、産業上の利用価値は極めて高い。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネートを主成分とし、(メタ)アクリル酸エステル化合物とカルボジイミド化合物とによって、架橋処理と末端カルボキシル基の封鎖処理とが施されたものである。
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、架橋剤として用いられるものであるが、生分解性樹脂との反応性が高く、かつ、モノマーが残存しにくく、毒性、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、または、1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基とを有する化合物が好ましい。具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシ(ポリ)エチレングリコールモノアクリレート、アリロキシ(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジアクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらにおけるアルキレングリコール部は、様々な長さのアルキレンの共重合体であってもよい。なかでも、安全性や反応性の理由から、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等が好ましい。
前記した架橋剤の配合量は、通常、ポリブチレンサクシネート樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部であり、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。配合量が0.01質量部未満では、本発明の目的とする性能が得られない場合がある。また、配合量が10質量部を超える場合には、架橋の度合いが強すぎて、操業性に支障が出ることがある。
架橋剤の使用により、成形時の結晶化が進みやすくなり、離型性や耐熱性にも良好な結果をもたらす。
架橋剤による架橋をおこなうための方法は、特に限定されないが、ポリブチレンサクシネート樹脂と架橋剤とを溶融混練する方法が最も簡便である。ポリブチレンサクシネート樹脂に架橋剤を溶融混練する際には、架橋助剤として過酸化物を添加すると、架橋度合いを高めることができるため好ましい。過酸化物としては、樹脂への分散性が良好である有機過酸化物が好ましい。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。この過酸化物の配合量は、ポリブチレンサクシネート樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がさらに好ましい。0.1質量部未満では架橋度合いを高める効果が低く、また、10質量部を超えて用いることは経済的でなく、いずれも好ましくない場合がある。
架橋剤としての(メタ)アクリル酸エステル化合物と架橋助剤としての過酸化物とを併用する場合の好ましい方法として、(メタ)アクリル酸エステル化合物および/または過酸化物を媒体に溶解または分散させて混練機に注入する方法が挙げられ、このようにすると操業性を格段に改良することができる。すなわち、混合ポリエステル樹脂成分と過酸化物との溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物の溶解液または分散液を注入したり、前記ポリエステル樹脂の溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物の溶解液または分散液を注入して溶融混練することができる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物および/または過酸化物を溶解または分散させる媒体としては、溶解または分散に支障をきたさないものであれば、特に限定されないが、本発明の樹脂組成物との相溶性に優れた可塑剤を用いることが好ましい。例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体などから選ばれた1種以上の可塑剤などが、媒体として好適である。具体的な化合物としては、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリエチレングリコールジアセテート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルトリブチルクエン酸、ポリエチレングリコール、ジブチルジグリコールサクシネートなどが挙げられる。媒体としての可塑剤の使用量は、ポリブチレンサクシネート樹脂と架橋剤との合計量100質量部に対し30質量部以下が好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。架橋剤の反応性が低い場合は可塑剤を使用しなくてもよいが、反応性が高い場合には0.1質量部以上用いることが好ましい。なお、この媒体すなわち可塑剤は、樹脂との配合時に揮発することがあるため、たとえ製造時に使用しても、得られた樹脂組成物中にはこの媒体が含まれていない場合がある。
末端封鎖剤としては、カルボジイミド化合物を用いることが必要であり、特にイソシアネート基を含有するカルボジイミド化合物を用いることが好適である
イソシアネート基を含有するカルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物にイソシアネート基が導入された構造であれば特に限定されず、そのカルボジイミド骨格としては、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリイルカルボジイミド、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどが挙げられる。
末端封鎖剤の配合量は、ポリブチレンサクシネート樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部であることが必要で、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.5〜8質量部である。0.01質量部未満では、本発明の目的とする耐加水分解性が得られない。また、20質量部を超えて用いることは、効果的でなく、コスト面で好ましくない。
次に本発明のポリブチレンサクシネート樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明のポリブチレンサクシネート樹脂組成物は、ポリブチレンサクシネート樹脂、架橋剤、末端封鎖剤を、これらの化合物の使用に際して支障のない種々の押出機、例えば一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダ等を用いて溶融混練することにより、製造することができる。このとき、スタティックミキサやダイナミックミキサを併用することも効果的である。混練状態をよくするためには二軸押出機を使用することが好ましい。
本発明においては、ポリブチレンサクシネート樹脂組成物に対して、先に末端封鎖剤を添加して混練しておき、後から架橋剤を添加するように混練することが好ましい。このような順序で末端封鎖剤と架橋剤とを配合することで、効果的に耐加水分解能を付与することができる。したがって、たとえば、ポリブチレンサクシネート樹脂と末端封鎖剤とを押出機の主供給口に供給したのち、押出機の途中から架橋剤を添加する方法や、ポリブチレンサクシネート樹脂を押出機の主供給口に供給したのち、押出機の途中の第一添加口(主供給口に最も近い添加口)から末端封鎖剤を添加し、第二添加口以降の添加口から架橋剤を添加する方法等が好ましい。また、末端封鎖剤によってすでに末端封鎖されたポリブチレンサクシネート樹脂と架橋剤とを押出機に供給して両者を混練してもよい。
各原料を押出機に供給する際には、原料を単にドライブレンドしてもよいし、粉末フィーダ、加圧ポンプ等、公知の移送手段を適宜用いてもよい。
本発明のポリブチレンサクシネート樹脂組成物には、機械的強度や耐熱性の向上を目的として繊維系強化材を使用してもよい。その配合量は樹脂組成物100質量部に対し、1〜50質量部の範囲が好ましい。繊維系強化材としては、ガラス繊維、ワラストナイト、チタン酸カリウム、金属繊維、金属ウイスカ、セラミック繊維、セラミックウイスカ、炭素繊維、アラミド繊維、レーヨン、ビニロン、ケナフ、バガス、サンピ等が挙げられる。なかでも、耐熱性や剛性だけでなく耐衝撃性や成形性も向上するため、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維は、樹脂との密着性を高めるために表面処理を施してもよい。繊維系強化材の添加の方法としては、押出し機において、ホッパーから、あるいはサイドフィーダを用いて混練の途中から、添加することができる。また、ガラス繊維をマスターバッチ加工することで、成形時にベース樹脂で希釈して使用することもできる。
本発明のポリブチレンサクシネート樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、結晶核材等を添加することができる。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤を使用できるが、環境を配慮した場合、非ハロゲン系難燃剤の使用が望ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、リン系難燃剤、水和金属化合物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、窒素含有化合物(メラミン系、グアニジン系)、無機系化合物(硼酸塩、モリブデン化合物)が挙げられる。無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、窒化ホウ素、グラファイト等が挙げられる。有機充填材としては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、籾殻、フスマ、ケナフ繊維、竹繊維等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。無機結晶核材としては、タルク、カオリン等が挙げられ、有機結晶核材としては、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、リン酸エステル金属塩、ロジン化合物等が挙げられる。なお、本発明のポリブチレンサクシネート樹脂組成物にこれらを配合する方法は、特に限定されない。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、および、シート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。とりわけ、射出成形法により成形することが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。
本発明のポリブチレンサクシネート樹脂組成物は、前述の各種成形方法のいずれかを用いることにより、種々の成形品とすることができる。特にポリブチレンサクシネート樹脂組成物は柔軟性を有するため、使用時にある程度変形することが前提となる用途、例えば、容器類のふたのプルタブや、電気製品の簡易的なスイッチやレバーなどに用いることで、本発明の樹脂の特徴である柔軟性を好適に活かすことができる。また、定規などの文房具類に柔軟性を持たせて使い易くする場合などにも、好適に用いることができる。
その他、成形体の具体例としては、各種筐体等の電化製品用樹脂部品、コンテナや栽培容器等の農業資材や農業機械用樹脂部品、浮きや水産加工品容器等の水産業務用樹脂部品、皿・コップ・スプーン等の食器や食品容器、注射器や点滴容器等の医療用樹脂部品、ドレーン材・フェンス・収納箱・工事用配電盤等の住宅・土木・建築材用樹脂部品、クーラーボックス、団扇、玩具等のレジャー・雑貨用樹脂部品、バンパー・インスツルメントパネル・ドアトリム等の自動車用樹脂部品等が挙げられる。また、フィルム、シート、パイプ等の押出成形品、中空成形品等とすることもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下の実施例および比較例の樹脂組成物の評価に用いた各物性の測定法は、次のとおりである。
(1)曲げ破断歪:
ISO 178に準拠して測定した。ただし、測定時に10%までの歪で破断しなかったものについては「破断せず」とした。曲げ破断歪については、10%を超えることが好ましい。
(2)成形品取出し時の作業性
突き出しの際に成形品全体が金型から押し出された場合は作業性良好と判定し、突き出しの際に変形等により成形品の一部が金型内に残った場合は作業性不良と判定した。
(3)シャルピー衝撃強さ:
ISO 179に準拠して測定した。シャルピー衝撃強さについては、12kJ/m以上であることが好ましい。
(4)高温下での収縮率:
ISOダンベル試験片を80℃の高温下に14時間さらし、長さ方向の全長の変化を測定した。試験片を高温下にさらす前後において全長の長さの変化率を収縮率とした。高温下での収縮率については、0.1%未満であることが必要である
なお、曲げ物性のうち、曲げ強さについては、ポリブチレンサクシネート樹脂の持つ高い柔軟性のため、明確な測定値が得られにくく、評価項目に加えなかった。
下記の実施例と比較例とにおいて用いた原料を以下に示す。
(イ)ポリブチレンサクシネート(以下「PBS」と略称する):
三菱化学社製『GSPla AZ−71T』;ガラス転移温度−32℃、融点110℃
(ロ)カルボジイミド化合物(以下「カルボジイミド」と略称する):
日清紡社製『LA−1』;イソシアネート基を1〜3%含む脂肪族カルボジイミド化合物
(ハ)エチレングリコールジメタクリレート(以下「EGDM」と略称する):
日本油脂社製『ブレンマーPDE−50』
(ニ)架橋剤溶液:
架橋剤であるEGDM1質量部と、架橋助剤であるジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂社製)2質量部とを、可塑剤であるアセチルトリブチルクエン酸(理研ビタミン社製)10質量部を溶媒として溶解したもの。
実施例1
二軸押出成形機(東芝機械社製TEM−37BS)を使用し、そのトップフィード口にPBS100質量部とカルボジイミド1.5質量部とをドライブレンドしたものを供給し、加工温度140〜160℃で溶融混練押出しをおこないながら、シリンダ内に架橋剤溶液0.40質量部を注入し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物を得た。
実施例2〜3、比較例1〜3、5
原料のEGDM、カルボジイミド、および、注入する架橋剤溶液をそれぞれ表1に示す種類と量に変えた。そして、それ以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
比較例4
上述の架橋剤溶液に代えてEGDMを12質量部注入した。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物を得た。
実施例1〜3および比較例1〜5で得られた樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械社製IS−80G型)を用いて成形し、ISO試験片を得た。このとき、シリンダ設定温度130〜110℃で溶融して射出圧力設定40%、射出時間15秒で62℃の金型に充填し、28秒間冷却した。また、金型から成形試験片を取り出す際に、成形試験片の固化が不充分なことによる突き出し時の変形等の支障あるか否かを判定することによって、作業性が良好であるか否かを評価した。得られた試験片については、上述の各物性を評価するためにそのまま各種試験をおこなった。かつ、60℃×90%RHの湿熱状態に一定期間さらしたものについて、曲げ歪10%までの範囲で曲げ試験をおこなった。また、20日間の湿熱後に曲げ歪10%でも破断しなかったものについては、さらにそのまま湿熱処理を続行した。
各種物性評価をおこなった結果をまとめて表1に示す。
実施例1〜3の樹脂組成物は、耐衝撃性、成形性、湿熱下での耐加水分解性(曲げ破断歪)に優れ、また高温下での収縮が小さいという結果が得られた。
比較例1、5は、末端封鎖剤であるカルボジイミドが添加されていなかったか、添加されていてもその量が少なかったため、耐衝撃性、耐加水分解性で劣る結果となった。
比較例2、3は、架橋剤であるEGDMが注入されていなかったか、注入されていてもその量が少なかったため、耐衝撃性、成形性、耐加水分解性で劣り、また高温下での収縮率が大きい結果となった。
比較例4は、EGDMの注入量が多かったため、溶融混練押出し操作時に粘度が著しく高くなり、同操作を続行することができなかった。
Figure 0004953597

Claims (3)

  1. ポリブチレンサクシネート樹脂が(メタ)アクリル酸エステル化合物からなる架橋剤により架橋されており、前記ポリブチレンサクシネート樹脂のカルボキシル末端基の一部または全部が、前記ポリブチレンサクシネート樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部のカルボジイミド化合物により封鎖されており、前記架橋剤がポリブチレンサクシネート樹脂100質量部あたり0.01〜10質量部配合されており、かつ下記(A)の条件で示す収縮率が0.1%未満であることを特徴とするポリブチレンサクシネート樹脂組成物。
    (A)樹脂組成物より得られるISOダンベル試験片を80℃の高温下に14時間さらし、長さ方向の全長の変化を測定する。試験片を高温下にさらす前後において全長の長さの変化率を収縮率とする。
  2. 請求項1記載のポリブチレンサクシネート樹脂組成物を製造するに際し、予めポリブチレンサクシネート樹脂とカルボジイミド化合物とを混合し、ついで、この混合物に架橋剤を混合することを特徴とするポリブチレンサクシネート樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項記載のポリブチレンサクシネート樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。
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