JP5036318B2 - 難燃性ポリ乳酸樹脂組成物、その製造方法、及びそれより得られる成形体 - Google Patents

難燃性ポリ乳酸樹脂組成物、その製造方法、及びそれより得られる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、難燃性生分解性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、及びそれより得られる成形体に関する。
ポリ乳酸は、バイオマス由来樹脂として種々の検討がなされており、さまざまな分野に応用展開が図られようとしている。特に、従来、結晶化速度が遅いために応用が難しかった射出成形分野においても、結晶性が高く、耐熱性のある成形性に優れたポリ乳酸が作られるようになった。その結果、種々の分野へ応用され、たとえば家電機器や自動車部品といった従来は応用が不可能なものにも展開が図られようとしている。
これら家電機器や自動車部品への応用を考えた場合、難燃性の付与が重要な課題として残る。生分解性樹脂への難燃性付与は、他の樹脂で効果の高いハロゲン系化合物やリン系化合物で効果のあることが知られている。しかし、これらの化合物は、環境問題、毒性や電子機器などへの悪影響などから、その使用は好ましくなく、代替方法が検討されている。たとえばJP−A−8−252823には、金属水酸化物を大量に添加する方法により、JP−A−2000−319532には特殊なケイ素酸化物との相溶体により、JP−A−2003−192925には純度の高い水酸化物系化合物、リン系化合物などの添加により、それぞれ難燃性が付与できることが開示されている。しかしながら、これらの無機化合物を大量に添加する系は、難燃性は付与できるものの、樹脂組成物としての物性が非常に低くなってしまい、強度面で十分なものが得られなくなる。また、樹脂の結晶化が十分促進されないため、耐熱性に劣るものしか得られない。JP−A−2004−190025には、これら難燃剤に加えて結晶核剤を添加することで耐熱性の優れた難燃性ポリ乳酸が得られることが開示されている。しかし、ここに開示されている結晶核剤では結晶化速度は十分に速くならず、射出成形中に結晶化を十分進ませることが出来ず、成形性に優れた難燃性の耐熱樹脂を作製することができない。しかも、耐熱性に優れた組成物は生分解性でない有機化合物を多量に含んでおり、生分解性を有するとは言いがたいものである。
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、機械的強度、耐熱性、成形加工性に優れた、難燃性生分解性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、及びそれより得られる成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生分解性ポリエステル樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物と、金属酸化物及び/又は金属水酸化物とからなる特定の組成物が、難燃性を示し、かつ得られた成形加工品の耐熱性や機械的強度にも優れ、成形加工性にも問題がないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)ポリ乳酸樹脂に対して(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物とを架橋剤として用いることにより得られた架橋ポリ乳酸樹脂と、金属水酸化物とを含むポリ乳酸樹脂組成物であって、架橋ポリ乳酸樹脂100質量部と、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.050.25質量部と、金属水酸化物58〜200質量部とを含み、かつ金属水酸化物が水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムより選択される少なくとも1種であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
(2)上記(1)の難燃性生分解性ポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、生分解性ポリエステル樹脂と、(メタ)アクリル酸エステル化合物と、過酸化物と、金属水酸化物とを溶融混練することを特徴とする難燃性生分解性ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
(3)上記(1)の難燃性生分解性ポリエステル樹脂組成物を成形して得られる難燃性生分解性樹脂成形体。
本発明によれば、機械的強度、耐熱性に優れ、製造時の操業性に問題のない難燃性の生分解性ポリエステル樹脂組成物を、簡便に、しかも低コストで製造することができ、さらにこの樹脂を用いて成形性に優れた成形体を提供することができる。
最終的に到達する結晶化度(θ)の2分の1に到達するまでの時間(分)で示される結晶化速度指数を求める際の結晶化度(θ)と時間との関係を示す模式図である。
本発明においては、生分解性樹脂として、ポリ乳酸樹脂に対して(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物とを架橋剤として用いることにより得られた架橋ポリ乳酸樹脂を用いる。
本発明において、生分解性ポリエステル樹脂がポリ(α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸)である場合には、α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位を50モル%以上含有することが好ましい。α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位としては、D−乳酸、L−乳酸、又はこれらの混合物、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒロドキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。なかでも、D−乳酸、L−乳酸又はこれらの混合物を含有する生分解性ポリエステル樹脂は、機械的強度、耐熱性に優れるため好ましい。α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位の含有量が50モル%未満であると、生分解性、耐熱性が低下するという問題がある。従って、本発明の生分解性ポリエステル樹脂物を構成する生分解性ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒロドキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシカプロン酸)、これらの共重合体、及びこれらの混合物等を50モル%以上含有していることが好ましい。
ここで用いられる生分解性ポリエステル樹脂は、通常公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して、製造される。また、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)及びポリ(3−ヒロドキシ吉草酸)等については微生物による生産も可能である。
本発明で用いられる生分解性ポリエステル樹脂の分子量は、特に制限はないが、重量平均分子量が5万以上100万以下であることが好ましく、さらには10万以上100万以下であることが好ましい。重量平均分子量が5万未満である場合には樹脂組成物の溶融粘度が低すぎるので好ましくない。逆に、これが100万を超える場合には樹脂組成物の成形性が急速に低下するので好ましくない。
本発明においては、生分解性ポリエステル樹脂を架橋させることで、結晶化速度が速くなるため、樹脂組成物に耐熱性を付与することができる。本発明においては、以下に述べる(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物とを架橋剤として用いる。このうち、過酸化剤は主剤的に作用し、(メタ)アクリル酸エステル化合物は助剤的に作用する。
本発明において生分解性ポリエステル樹脂のための架橋剤として用いられる(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、生分解性樹脂との反応性が高くしたがってモノマーが残りにくく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する化合物が好ましい。具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、またこれらのアルキレングリコール部が様々な長さを有するアルキレンの共重合体でもよく、さらにブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.05〜0.25質量部である0.05質量部未満では十分な架橋が行われずに、本発明の目的とする機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良効果が得られず、0.25質量部を超える場合には架橋の度合いが強すぎて、製造時の操業性に支障が出る。
本発明においては、生分解性ポリエステル樹脂に架橋反応を起こさせるために、上述したように過酸化物を用いる。ただし、過酸化物は、本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物を製造する際に分解してしまうため、樹脂組成物からは検出されない。
ここで用いられる過酸化物としては、分散性が良好な有機過酸化物が好ましく、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を製造するための原料における過酸化物の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。0.1質量部未満では本発明の目的とする機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良効果が得られず、20質量部を超える場合にはその一部が利用されないこととなってコスト面で好ましくない。
本発明においては、難燃剤として、金属水酸化物を用いる。これらは、環境に対する負荷が小さく、しかも十分な難燃性を示す。ここで用いる金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化珪素、水酸化チタン、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化ナトリウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素、水酸化マンガン、水酸化リチウムなどを挙げることができる。特に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムが、分子量あたりの水酸基濃度が高いために難燃効果が高く、また毒性が低くしかも安価であるなどの理由で望ましい。
属水酸化物の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して58〜200質量部であることが必要である。58質量部未満では本発明の目的とする難燃性が得られず、200質量部を超える場合には成形物の機械的物性が低くなる。
本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物は、DSC装置において、いったん200℃で溶融した後、樹脂組成物の結晶化温度をTcとして、Tc±25℃の範囲内の所定の温度にて等温結晶化させた時の結晶化速度指数が50(分)以下であることが好ましい。結晶化速度指数は、図1に示すように、樹脂組成物の融点をTmとして、樹脂をTm+30℃の溶融状態から上記のTc±25℃の範囲内の所定の温度にて結晶化させたときに最終的に到達する結晶化度の2分の1に到達するまでの時間(分)で示され、指数が小さいほど結晶化速度が速いことを意味する。結晶化速度指数が50(分)を超えるほどに遅いと、結晶化するのに時間がかかりすぎて、希望する成形体の形状が得られなかったり、射出成形などでのサイクルタイムが長くなって、生産性が悪くなったりする。結晶化速度が速すぎると成形性が悪くなるため、結晶化速度指数の下限は0.1(分)程度であることが好ましい。
次に本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物は、生分解性ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル化合物、過酸化物、金属水酸化物を、一般的な押出機を用いて溶融混練して、製造することができる。混練状態をよくする意味で二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(樹脂の融点+5℃)〜(樹脂の融点+100℃)の範囲が好ましく、混練時間は20秒〜30分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となることがあり、また高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きることがある。(メタ)アクリル酸エステル化合物、過酸化物、金属水酸化物は、固体状であれば、ドライブレンドや粉体フィーダーを用いて供給する方法が望ましい。(メタ)アクリル酸エステル化合物及び過酸化物が液体状である場合は、加圧ポンプを用いて、押出機の途中から注入する方法が望ましい。このとき、(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物との混合液は貯蔵安定性が悪いため、別々に注入するか、あるいは一緒に注入する場合は可塑剤などを用いて希釈して注入することが望ましい。
本発明において、物性が十分に高い樹脂組成物や成形体を得るためには、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び過酸化物を押出機の原料投入口にできるだけ近い位置から投入し、金属水酸化物を押出機の途中からフィーダーなどを使って投入する方法が望ましい。これにより、金属水酸化物と、(メタ)アクリル酸エステル化合物もしくは過酸化物との無用な反応が減り、それぞれの化合物が効率良く生分解性樹脂と接触するため、効果的な製造方法となる。
本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材等を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。充填材としては、無機充填材と有機充填材とが挙げられる。このうち、無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。有機充填材としては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ、ケナフ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。これらに層状珪酸塩を添加してナノコンポジットとすることも可能である。本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物に、他の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。
特に難燃性を補助するために、縮合リン酸エステル、ポリリン酸、窒素化合物系難燃剤などを、生分解を損なわない範囲で添加しても良い。これらを添加する量は、おおむね、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物に上記添加剤や他の熱可塑性樹脂を混合する方法は、特に限定されるものではなく、通常の加熱溶融の後に、例えば、従来より知られている一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダー等を用いる混練法によって混練するとよい。また、スタティックミキサーやダイナミックミキサーを併用することも効果的である。また、生分解性樹脂の重合時にこれらを加えてもよい。
本発明の樹脂組成物には、その耐久性を向上させる目的で、加水分解防止剤を添加してもよい。加水分解防止剤としては、カルボジイミド、オキサゾリン、エポキシ化合物などが挙げられる。その添加量は、特に限定されないが、樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましい。加水分解防止剤の添加方法としては、原料を押出機に供給する際に加水分解防止剤を予め他の原料とドライブレンドしておく方法や、加水分解防止剤を押出機途中の供給口から供給する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形などの公知の成形方法により、各種成形体とすることができる。
射出成形法としては、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。射出成形時のシリンダ温度は樹脂組成物の融点(Tm)又は流動開始温度以上であることが必要であり、好ましくは(融点(Tm)又は流動開始温度+5℃)〜(融点(Tm)又は流動開始温度+100℃)の範囲であり、さらに好ましくは(融点(Tm)又は流動開始温度+5℃)〜(融点(Tm)又は流動開始温度+50℃)の範囲である。成形温度が低すぎると、成形の際にショートが発生したりして成形が不安定になったり、過負荷に陥りやすくなったりする。逆に成形温度が高すぎると、生分解性樹脂が分解して、得られる成形体の強度が低下したり、着色したりする等の問題が発生する。一方、金型温度は、(i)樹脂組成物のガラス転移温度Tg以下にする方法と、(ii)樹脂組成物を金型内で結晶化させて耐熱性を出す場合は、上述のように樹脂組成物の結晶化温度をTcとして、金型温度を(Tc±20℃)の範囲内、好ましくは(Tc±10℃)の範囲内にする方法とから、目的に応じて選ぶ。金型温度を(Tc±20℃)の範囲内として成形すると、射出成形サイクル内に樹脂を結晶化させて耐熱性を向上させることができるため、非常に有用である。あるいは、Tg以下の低温金型で成形した後、熱処理しても良い。本発明の樹脂組成物は結晶化速度が非常に速いため、熱処理時間は比較的短期間ですむ。熱処理温度は(Tc±20℃)の範囲内であることが好ましい。この結晶化の原理は、射出成形以外の各種成形法においても同様に作用する。
ブロー成形法としては、例えば原料チップから直接成形を行うダイレクトブロー法や、まず射出成形で予備成形体(有底パリソン)を成形後にブロー成形を行う射出ブロー成形法や、さらには延伸ブロー成形法等が挙げられる。また予備成形体成形後に連続してブロー成形を行うホットパリソン法と、いったん予備成形体を冷却し取り出してから再度加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法との、いずれの方法も採用できる。ブロー成形法においてもブロー金型温度の選択で成形サイクル内に樹脂を結晶化させて耐熱性を向上させることが可能であり、またTg以下の低温金型での成形後に熱処理しても耐熱性を向上させることが可能である。
押出成形法としては、Tダイ法、丸ダイ法等を適用することができる。押出成形温度は樹脂組成物の融点(Tm)又は流動開始温度以上であることが必要であり、好ましくは(融点(Tm)又は流動開始温度+5℃)〜(融点(Tm)又は流動開始温度+100℃)の範囲であり、さらに好ましくは(融点(Tm)又は流動開始温度+5℃)〜(融点(Tm)又は流動開始温度+50℃)の範囲である。成形温度が低すぎると、成形が不安定になったり、過負荷に陥りやすくなったりする。逆に成形温度が高すぎると、生分解性樹脂成分が分解して、得られる押出成形体の強度が低下したり、着色したりする等の問題が発生する。押出成形により、シートやパイプ等を作製することができる。
上記において、樹脂組成物の融点(Tm)は、後述する実施例の場合と同様にして測定される値である。これに対し、ガラス転移温度(Tg)及び結晶化温度(Tc)は、次のようにして測定される値である。すなわち、DSC装置(パーキンエルマー社製Pyrisl DSC)を用い、+20℃/分で25℃からTm+30℃まで昇温後、その温度で10分間保持し、その温度から−20℃/分で−50℃まで降温後、−50℃で5分間保持し、再び、+20℃/分で、2ndスキャンとして−50℃からTm+30℃まで昇温させる。そうしたときに、ガラス転移温度(Tg)は2ndスキャンにて測定される値であり、結晶化温度(Tc)は降温時の発熱ピークから測定される値である。
上記成形法により製造する成形品の形態は特に限定されず、具体例としては、皿、椀、鉢、箸、スプーン、フォーク、ナイフ等の食器;流動体用容器;容器用キャップ;定規、筆記具、クリアケース、CDケース等の事務用品;台所用三角コーナー、ゴミ箱、洗面器、歯ブラシ、櫛、ハンガー等の日用品;植木鉢、育苗ポット等の農業・園芸用資材;プラモデル等の各種玩具類;エアコンパネル、パソコンや複写機など各種筐体等の電化製品用樹脂部品;バンパー、インパネ、ドアトリム等の自動車用樹脂部品等が挙げられる。流動体用容器の形態は、特に限定されないが、流動体を収容するためには深さ20mm以上に成形されていることが好ましい。容器の厚さは特に限定されないが、強力の点から、0.1mm以上であることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましい。流動体用容器の具体例としては、乳製品や清涼飲料水及び酒類等の飲料用コップ及び飲料用ボトル、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油等の調味料の一時保存容器、シャンプー・リンス等の容器、化粧品用容器、農薬用容器等が挙げられる。
押出成形法により得られたシート又はパイプの具体的用途としては、深絞り成形用原反シート、バッチ式発泡用原反シート、クレジットカード等のカード類、下敷き、クリアファイル、ストロー、農業・園芸用硬質パイプ、パソコン部品、自動車部品等が挙げられる。シートは、さらに、真空成形や、圧空成形や、真空圧空成形等の深絞り成形を行うことで、食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器、パソコン部品、自動車部品などを製造することができる。深絞り成形温度及び熱処理温度は、(Tg+20℃)〜(Tg+100℃)であることが好ましい。深絞り温度が(Tg+20℃)未満では深絞りが困難になり、逆に深絞り温度が(Tg+100℃)を超えると、生分解性樹脂が分解して偏肉が生じたり、生分解性樹脂の配向がくずれて耐衝撃性が低下したりする場合がある。Tc±20℃での成形により、成形時に耐熱性をもたせることが可能である。Tg以下の低温金型で成形後に熱処理しても、耐熱性が向上する。
食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器、自動車部品のうちの容器形状部品、パソコン部品のうちの容器形状部品の形態は、特に限定されないが、食品、物品、薬品、雑貨等を収容するためには深さ2mm以上に深絞りされていることが好ましい。容器の厚さは、特に限定されないが、強力の点から、50μm以上であることが好ましく、150〜500μmであることがより好ましい。食品用容器の具体的例としては、生鮮食品のトレー、インスタント食品の容器、ファーストフード用容器、弁当箱等が挙げられる。農業・園芸用容器の具体例としては、育苗ポット等が挙げられる。ブリスターパック容器の具体的例としては、食品以外にも、事務用品、玩具、乾電池、自動車内装部品、パソコン各種部品等の多様な商品群が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、繊維とすることもできる。その作製方法は特に限定されないが、溶融紡糸し、延伸する方法が好ましい。溶融紡糸温度としては、(融点(Tm)又は流動開始温度+5℃)〜(融点(Tm)又は流動開始温度+100℃)の範囲が好ましく、(融点(Tm)又は流動開始温度+5℃)〜(融点(Tm)又は流動開始温度+50℃)の範囲がさらに好ましい。溶融紡糸温度が上記下限値よりも低いと溶融押し出しが困難となる傾向にあり、一方、上記上限値を超えると、分解が顕著となって高強度の繊維を得られ難くなる傾向にある。溶融紡糸した繊維糸条は、目的とする繊維径となるようにTg以上の温度で延伸させるとよい。延伸倍率は1〜20倍程度が好ましい。得られた糸条は、マルチフィラメント、モノフィラメントなどとしてさまざまな繊維への加工が可能である。この場合も延伸や後熱処理により容易に結晶化が起こり、耐熱性を向上させることが可能である。
上記方法により得られた繊維は、衣料用繊維、産業資材用繊維などとして利用できる。具体的な使用例としては、マルチフィラメントとして、各種衣料用繊維、ロープ・各種ネット、パソコンや自動車などに使用される樹脂・ゴムなどのための補強繊維などの産業用繊維、旗・掲示用ネットなどの広告目的繊維などに用いることができる。モノフィラメントとしては、各種ネットやガット、釣り糸、研磨用途などへの応用が可能である。樹脂と複合化した複合体などへも応用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)分子量:
示差屈折率検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)装置(島津製作所製)を用い、テトラヒドロフランもしくはクロロホルムを溶出液として、40℃、標準ポリスチレン換算で求めた。テトラヒドロフランに溶けにくいものは、少量のクロロホルムに溶解後テトラヒドロフランを加えてサンプルとした。
(2)融点(Tm):
DSC装置(パーキンエルマー社製Pyrisl DSC)を用い、+20℃/分で25℃から250℃まで昇温後、250℃で10分間保持し、250℃から−20℃/分で−50℃まで降温後、−50℃で5分間保持し、再び、+20℃/分で、2ndスキャンとして−50℃から250℃まで昇温させ、2ndスキャンの際の吸熱ピークから融点の値を求めた。
(3)曲げ弾性率・曲げ強度
ASTM−D−790に準じて、127mm×12.7mm×3.2mmの試験片を作製し、変形速度1mm/分で荷重をかけ、曲げ強度と曲げ弾性率とを測定した。
(4)DTUL(熱変形温度):
ASTM−D−648規格に従い、荷重0.45MPaで測定した。
(5)衝撃強度
ASTM−D−256に準じて64mm×12.7mm×3.2mmの試験片を作製し、ノッチをつけて、アイゾット衝撃強度を測定した。
(6)難燃性
射出成形法にて作製した長さ127mm×幅12.7mm×厚み0.8mmの成形品を用い、アンダーライターズラボラトリー社UL規格94の垂直燃焼試験法に準拠して燃焼性を評価した。詳細には、試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消えるまでの時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消えるまでの時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。
1回目と2回目の燃焼時間、綿の着火の有無などから、上述のUL−94規格にしたがって燃焼ランクをつけた。難燃性のランクは、UL−94規格の垂直燃焼試験法に準じた。すなわち、V−0が最高のものであり、以下V−1、V−2となるにつれて難燃性は低下する。燃焼が試験片のクランプ部まで進んだものについては、規格外であると評価した。
(7)結晶化速度指数(図1参照)
DSC装置(パーキンエルマー社製Pyrisl DSC)を用い、+500℃/分で20℃からTm+30℃まで昇温した後、Tm+30℃で5分間保持し、次いでTm+30℃から−500℃/分でTc±25℃の範囲内の所定の温度まで降温した後、その温度で保持し結晶化させた。そして、最終的に到達する結晶化度を1としたとき、結晶化度が0.5に達するまでの時間を結晶化速度指数(分)として求めた。
詳細には、「Tc±25℃の範囲内の所定の温度」は、ポリ乳酸の場合は130℃とし、ポリブチレンサクシネート樹脂の場合は90℃とした。
(8)耐久性
試験片を60℃、95%RHの恒温恒湿条件にて500時間保存する試験を行い、試験後において、初期の曲げ強度に対し90%以上の曲げ強度を保持していた場合は◎、50%以上90%未満の場合は○、20%以上50%未満の場合は△、20%未満の場合は×で評価した。なお、曲げ強度は、ASTM−D−790に従い、127mm×12.7mm×3.2mmの試験片に変形速度1mm/分で荷重をかけて測定した。
(9)成形性
射出成形時の不具合であるひけによる厚みムラを測定した結果、成形片の厚みムラが0.01mm未満である場合を◎、成形片の厚みムラが0.01mm以上0.1mm未満である場合を○、成形片を取り出すときに変形したり、厚みむらが0.1mm以上の場合を×と評価した。
以下の実施例及び比較例に用いた樹脂原料は、次のとおりである。
1.生分解性ポリエステル樹脂
(A)ポリ乳酸
PLA−A:重量平均分子量19万、L体99モル%、D体1モル%、融点168℃、MFR[メルトフローレート]3g/10分(カーギルダウ社製 ネイチャーワークス)。
PLA−B:重量平均分子量12万、L体99モル%、D体1モル%、融点168℃、MFR20g/10分(カーギルダウ社製 ネイチャーワークス)。
PLA−C:重量平均分子量19万、L体96モル%、D体4モル%、融点158℃、MFR4g/10分(カーギルダウ社製 ネイチャーワークス)。
(B)その他の樹脂
PBSL:ポリブチレンサクシネート樹脂(三菱化学社製AZ−61TN、重量平均分子量13万、融点110℃)。
2.(メタ)アクリル酸エステル化合物
PEGDM:ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製)。
TMPTM:トリメチロールプロパントリメタクリレート(日本油脂社製)。
DEGDM:ジエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製)。
GM:グリシジルメタクリレート(日本油脂社製)。
3.過酸化物
I:ジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂社製)であり、可塑剤であるアセチルトリブチルクエン酸に10%溶液となるよう溶解して用いた。
J:2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製)であり、可塑剤であるアセチルトリブチルクエン酸に10%溶液となるよう溶解して用いた。
K:2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3の不活性固体希釈粉体であり(日本油脂社製)、生分解性ポリエステル樹脂にあらかじめドライブレンドして用いた。
.金属水酸化物
AL:水酸化アルミニウム
MG:水酸化マグネシウム
CA:水酸化カルシウム
5.その他の添加物
E:カルボジイミド系末端封鎖剤(日清紡社製、LA−1)
N:リン酸エステル化合物(大八化学社製、PX−200)
M:有機化合成フッ素雲母(コープケミカル社製、MEE)
実施例1
二軸押出成形機(池貝社製PCM−30、ダイス直径;4mm×3孔、押出ヘッド温度;200℃、ダイ出口温度;180℃)を用い、重量平均分子量19万のポリ乳酸(L体99モル%、D体1モル%)(PLA−A)100質量部を供給した。ポンプを用いて混練機の途中からポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製)(PEGDM)0.25質量部と、ジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂社製)(I)樹脂0.5質量部とを注入した。金属水酸化物としての水酸化アルミニウム58質量部を、上記ポリ乳酸とドライブレンドする方法で添加した。そして、押出してペレット状に加工し、生分解性ポリエステル樹脂組成物を得た。得られた組成物の物性と、成形試験の結果とを表1に示す。
Figure 0005036318
実施例2〜7、9〜10、12〜19、比較例1〜3、参考例1
生分解性ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル化合物、過酸化物、金属酸化物及び/又は金属水酸化物、各種添加剤を、それぞれ表1に示す種類と量に変えた。それ以外は実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物について成形試験を行った。その結果を表1に示す。
実施例8
生分解性ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル化合物、過酸化物、金属酸化物及び/又は金属水酸化物、各種添加剤を、それぞれ表1に示す種類と量に変え、一括ドライブレンドして押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物について成形試験を行った。その結果を表1に示す。
実施例20、比較例4
生分解性ポリエステル樹脂として、PBSLを用いた。他の成分は、表1に示す種類及び量とした。それ以外は実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物について成形試験を行った。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜10、12〜19においては、強度に優れ、DTULが110℃以上の成形性に優れた、難燃性樹脂組成物及び成形体が得られた。
特に、実施例1〜3においては生分解性ポリエステル樹脂を変更し、実施例4〜10では(メタ)アクリル酸エステル化合物の種類・添加量を変更したが、いずれも、強度に優れ、かつDTULが110℃以上の成形性に優れた、難燃性樹脂組成物及び成形体が得られた。
実施例12〜15では、金属水酸化物の種類・添加量を変更したが、いずれも、強度に優れ、かつDTULが110℃以上の成形性に優れた、難燃性樹脂組成物及び成形体が得られた。
実施例16〜19では、その他の添加物として、末端封鎖剤、リン酸エステル化合物、層状珪酸塩を添加した。いずれの場合も、強度に優れ、かつDTULが110℃以上の成形性に優れた、難燃性樹脂組成物及び成形体が得られた。
実施例20は、実施例1〜19のポリ乳酸に代えてPBSLを用いたため、これら実施例1〜19に比べて曲げ弾性率、曲げ強度、DTULは若干劣っていたが、衝撃強度は上回っていた。難燃性、結晶化速度、耐久性、成形性は、実施例1〜19のものと同等であった。
比較例1は、金属酸化物及び/又は金属水酸化物を含有していなかったため、難燃性を付与できなかった。比較例2は、難燃性は付与できたが、(メタ)アクリル酸エステル化合物が含まれないため、結晶化速度が遅くなり、耐熱性が出ないばかりか射出成形性にも劣るものしか得られなかった。
比較例3は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び過酸化物の配合量が多すぎたため、架橋が進みすぎて押出機途中で詰まりが発生し、樹脂組成物を得ることができなかった。
比較例4は、実施例20に比べて金属酸化物及び/又は金属水酸化物を含有していなかったため、難燃性を付与できなかった。

Claims (7)

  1. ポリ乳酸樹脂に対して(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物とを架橋剤として用いることにより得られた架橋ポリ乳酸樹脂と、金属水酸化物とを含むポリ乳酸樹脂組成物であって、架橋ポリ乳酸樹脂100質量部と、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.050.25質量部と、金属水酸化物58〜200質量部とを含み、かつ該金属水酸化物が水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムより選択される少なくとも1種であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  2. (メタ)アクリル酸エステル化合物が、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物であるか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基とを有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  3. 結晶化速度指数が50(分)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を製造するための方法であって、ポリ乳酸樹脂と、(メタ)アクリル酸エステル化合物と、過酸化物と、金属水酸化物とを溶融混練することを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物の製造方法。
  5. ポリ乳酸樹脂100質量部に対して過酸化物を0.1〜20質量部用いることを特徴とする請求項4記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物の製造方法。
  6. 過酸化物として有機過酸化物を用いることを特徴とする請求項4または5記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を成形して得られる難燃性ポリ乳酸樹脂成形体。
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