JP2004361613A - 高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

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    • B29D11/00663Production of light guides

Abstract

【課題】簡便な方法により、低コストで、生産性が改善され、かつクラッド用フィルム基材の選択の自由度が大きい高分子光導波路を製造する方法を提供すること。
【解決手段】1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程、2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程、3)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、6)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程、7)コアが形成されたクラッド用フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路、特にフレキシブルな高分子光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子導波路の製造方法としては、(1)フイルムにモノマーを含浸させてコア部を選択的に露光して屈折率を変化させフイルムを張り合わせる方法(選択重合法)、(2)コア層及びクラッド層を塗布後、反応性イオンエッチングを用いてクラッド部を形成する方法(RIE法)、(3)高分子材料中に感光性の材料を添加した紫外線硬化樹脂を用いて、露光・現像するフォトリソグラフィー法を用いる方法(直接露光法)、(4)射出成形を利用する方法、(5)コア層及びクラッド層を塗布後、コア部を露光してコア部の屈折率を変化させる方法(フォトブリーチング法)等が提案されている。
然し、(1)の選択重合法はフイルムの張り合わせに問題があり、(2)や(3)の方法は、フォトリソグラフィー法を使うためコスト高になり、(4)の方法は、得られるコア径の精度に課題がある。また、(5)の方法はコア層とクラッド層との十分な屈折率差がとれないと言う問題がある。
現在、性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子導波路を形成するのに適用しうるものではない。
【0003】
また、高分子光導波路を製造する方法として、キャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板(クラッド)にコア用のポリマー前駆体材料を充填し、その後硬化させてコア層を作り、その上に平面基板(クラッド)を貼り合わせる方法が知られているが、この方法ではキャピラリー溝にだけでなく、パターン基板と平面基板の間にも全面的にポリマー前駆体材料が薄く充填され硬化されてコア層と同じ組成の薄い層が形成される結果、この薄い層を通って光が漏洩してしまうという問題があった。
この問題を解決する方法の1つとして、デビット・ハートはキャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板と平面基板とをクランプ用治具で固着し、さらにパターン基板と平面基板との接触部分を樹脂でシールなどした後減圧して、モノマー(ジアリルイソフタレート)溶液をキャピラリーに充填して、高分子光導波路を製造する方法を提案した(以下の特許文献1を参照)。この方法はコア形成用樹脂材料としてポリマー前駆体材料を用いる代わりにモノマーを用いて充填材料を低粘度化し、キャピラリー内に毛細管現象を利用して充填させ、キャピラリー以外にはモノマーが充填されないようにする方法である。
しかし、この方法はコア形成用材料としてモノマーを用いているため、モノマーが重合してポリマーになる際の体積収縮率が大きく、高分子光導波路の透過損失が大きくなるいう問題がある。
また、この方法は、パターン基板と平面基板とをクランプで固着する、あるいはこれに加えさらに接触部を樹脂でシールするなど煩雑な方法であり、量産にはむかず、その結果コスト低下を期待することはできない。また、クラッドとして厚さがmmオーダーあるいは1mm以下のフィルムを用いる高分子光導波路の製造に適用することは不可能である。
【0004】
また、最近、ハーバード大学のGeorge M. Whitesidesらは、ナノ構造を作る新技術として、ソフトリソグラフィーの一つとして毛細管マイクロモールドという方法を提唱している。これは、フォトリソグラフィーを利用してマスター基板を作り、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の密着性と容易な剥離性を利用してマスター基板のナノ構造をPDMSの鋳型に写し取り、この鋳型に毛細管現象を利用して液体ポリマーを流し込んで固化させる方法である。以下の非特許文献1には詳しい解説記事が記載されている。
【0005】
又はバード大学のGeorge M. WhitesidesのグループのKim Enochらによって毛細管マイクロモールド法に関する特許が出願されている(以下の特許文献2を参照)。
しかし、この特許に記載の製造方法を高分子光導波路の製造に適用しても、光導波路のコア部は断面積が小さいので、コア部を形成するのに時間がかかり、量産に適さない。また、モノマー溶液が重合して高分子になるときに体積変化を起こしコアの形状が変化し、透過損失が大きくなるという欠点を持つ。
【0006】
また、IBMチュリッヒ研究所のB. MichelらはPDMSを用いた高解像度のリソグラフィー技術を提案しており、この技術により数十nmの解像力が得られると報告している。詳しい解説記事は、以下の非特許文献2に記載されている。
このように、PDMSを使ったソフトリソグラフィー技術や、毛細管マイクロモールド法は、ナノテクノロジーとして最近、米国を中心に注目を集めている技術である
【0007】
しかしながら、前記のごときマイクロモールド法を用いて光導波路を作製すると、硬化時の体積収縮率を小さくする(したがって透過損失を小さくする)ことと、充填を容易にするために充填液体(モノマー等)を低粘度化することを両立させえない。したがって、透過損失を小さくすることを優先的に考慮すると、充填液体の粘度をある限度以下にすることができず、充填速度が遅くなり、量産は望めない。また前記のマイクロモールド法は、基板としてガラスやシリコン基板を用いることが前提になっており、フレキシブルなフィルム基材を用いることは考慮されていない。
【0008】
これに対し、本発明者らは既に、フレキシブルなフイルム基材をクッラド基材と兼ねさせ、該フイルム基材に高分子導波路を形成する方法を提案した(特願2003−58871号、特願2003−58872号)が、形成するコア径が小さくなるとコア形成用硬化性樹脂の充填速度が低下する点において改善の余地を残すものであった。また、前記の高分子光導波路製造方法ではクラッド用フィルム基材として鋳型との密着性が良好なクラッド用フイルム基材を用いる必要があり、クラッド用フイルム基材として利用できる材料選択の自由度を広げることが用途拡大等の点から望まれている。さらに、前記の高分子光導波路の製造方法においては、コア形成用硬化性樹脂やクラッド層形成用硬化性樹脂として、またクラッド層(クラッド用フィルム)をコア形成面に接着するための接着剤として、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が用いられているが、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂の種類によってはクラッド用フィルム基材との接着性が必ずしも十分ではないものがあり、クラッド用フィルム基材とコア及びクラッド層との接着性の改善も望まれる。
【0009】
一方、従来よりポリマー表面の改質方法として種々の方法が知られているが、最近、短波長の紫外線をポリマー表面に照射してその親水性を高める方法が提案されている(例えば以下の特許文献3及び4を参照)。特許文献3には、偏光子に接着層により接着される偏光板用透明保護フィルムの接着面に波長が200nm以下の紫外線照射処理をすることにより保護フィルムの表面の親水性を増し、親水性である偏光子との投錨効果を向上させる方法が記載されており、波長が200nm以下の紫外線照射処理として低圧水銀ランプやキセノンエキシマランプを用いることが示されている。また、特許文献4には、フッ素系高分子成型品の表面改質法(親水化)として、水又は水蒸気の存在下波長157nmの真空紫外フッ素レーザーを照射する方法が記載されている。
しかし、特許文献3及び4には、マイクロモールド法における充填速度の改善のためにクラッド用フィルム基材や鋳型表面を改質することについては何も示唆するところがない。
【0010】
【特許文献1】
特許公報3151364号明細書
【特許文献2】
米国特許6355198号明細書
【特許文献3】
特開2002−365429号公報
【特許文献4】
特開2002−146066号公報
【非特許文献1】
SCIENTIFIC AMERICAN SEPTEMBER 2001(日経サイエンス2001年12月号)
【非特許文献2】
IBM J. REV. & DEV. VOL. 45 NO. 5 SEPTEMBER 2001
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な方法により、低コストで、生産性が改善され、かつクラッド用フィルム基材の選択の自由度が大きい高分子光導波路を製造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の高分子光導波路の製造方法を提供することにより解決される。
(1)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程、2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程、3)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、6)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程、7)コアが形成されたクラッド用フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
【0013】
(2)前記波長300nm以下の光照射処理が、エキシマランプによるものであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
(3)前記エキシマランプが、発光中心波長が172nmの誘電体バリア放電エキシマランプであることを特徴とする前記(2)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0014】
(4)前記鋳型形成用硬化性樹脂が液状シリコーンゴムであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(5)前記液状シリコーンゴムが液状ジメチルシロキサンゴムであることを特徴とする前記(4)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(6)前記コア形成用硬化性樹脂が、アクリル系紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(7)前記コア形成用硬化性樹脂が、エポキシ系紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0015】
(8)前記クラッド用フィルム基材の屈折率が1.55以下であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(9)前記クラッド用フィルム基材が脂環式アクリル樹脂フイルムであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(10)前記クラッド用フィルム基材が脂環式オレフィン樹脂フイルムであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(11)前記脂環式オレフィン樹脂フイルムが主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖に極性基をもつ樹脂フィルムであることを特徴とする前記(10)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0016】
(12)前記鋳型の表面エネルギーが10dyn/cm〜30dyn/cmであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(13)前記鋳型のシェア(Share)ゴム硬度が15〜80であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(14)前記鋳型の表面粗さが0.2μm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(15)前記鋳型が紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0017】
(16)前記コア形成用硬化性樹脂を硬化させたときの体積変化が10%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(17)前記クラッド用フィルム基材とクラッド層の屈折率の差が0.05以内であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(18)前記コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率が1.50以上であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0018】
(19)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程、2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程、3)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、を有する高分子光導波路の製造方法であって、前記鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層が光透過性であり、かつその屈折率と前記5)の工程で形成されるコアの屈折率の差が0.01以上あることを特徴とする高分子光導波路の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子光導波路の製造方法は以下の1)から7)の工程を有することを特徴とする。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程
2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程
3)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程
4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
6)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程
7)コアが形成されたクラッド用フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程
【0020】
本発明の高分子光導波路の製造方法は、製造工程が極めて単純化され容易に高分子光導波路を作製することができ、従来の高分子光導波路の製造方法に比較し、極めて低コストで高分子光導波路を作製することを可能にするものである。
また、本発明の高分子光導波路の製造方法により、高分子光導波路の形状等を自由に設定することができ、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路が得られる。
また、鋳型凹部へのコア形成用硬化性樹脂の充填速度が向上し、生産性の高い高分子光導波路の製造方法が提供され、さらに高分子光導波路用のコア材料、クラッド用フイルム基材及びクラッド層の材料選択の幅を広げることができる。
【0021】
以下に、本発明による高分子光導波路の製造方法を工程順に説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
<原盤の作製>
光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤の作製には、従来の方法、たとえばフォトリソグラフィー法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用できる。原盤に形成される光導波路コアに対応する凸部の大きさは高分子光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度と更に大きなコア部を持つ光導波路も利用される。
【0022】
<鋳型の作製>
鋳型は、前記のようにして作製した原盤の光導波路コアに対応する凸部が形成された面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型し、必要に応じ乾燥処理をした後、該樹脂を硬化させ、次いでその硬化樹脂層を剥離して作製される。また、鋳型には、前記凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口、及び前記凸部に対応する凹部から前記樹脂を排出させるための排出口が形成されるが、その形成方法は特に制限はない。原盤に予め進入口や排出口に対応する凸部を設けておくこともできるが、簡便な方法としては、例えば、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を形成した後剥離して型をとり、その後、型の両端を前記凹部が露出するように切断することにより進入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。
前記硬化樹脂層の厚さは、鋳型としての取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。
また、前記原盤にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行なって鋳型との剥離を促進することが望ましい。
【0023】
鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、クラッド用フィルム基材との密着性が良好なことが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤に形成された個々の光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取らなければならないので、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えることができる。
【0024】
前記鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでも硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでも室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
【0025】
前記硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましく用いられる。
【0026】
前記液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いために、これから作った鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのままクラッド層として利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
【0027】
前記液状シリコーンゴムの粘度は、光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取り、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型形成の点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
【0028】
さらに、鋳型の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、好ましくは15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性の点からみて好ましい。
鋳型のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80、好ましくは20〜60であることが、型取り性能、凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下にすることが、型取り性能の点からみて好ましい。
【0029】
また、鋳型は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型が可視領域において光透過性であることが好ましいのは、以下の2)の工程において鋳型をクラッド用フィルム基材に密着させる際、位置決めが容易に行え、また、以下の3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型凹部に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認しうるからである。また、鋳型が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型を透して紫外線硬化を行うためであり、鋳型の、紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
【0030】
前記硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、クラッド用基材との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムとクラッド用基材とを密着させると液体の進入さえ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型は高精度に原盤を写し取り、クラッド用基材に良く密着するため、鋳型とクラッド用基材の間の凹部のみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、さらにクラッド用基材と鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型からは高精度に形状を維持した高分子光導波路を、極めて簡便に作製することができる。
【0031】
また、前記硬化樹脂層、とりわけ硬化樹脂層がゴム弾性を有する場合、硬化樹脂層の一部すなわち原盤凸部を写し取る部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型のハンドリング性が向上する。
【0032】
2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程、
本発明の高分子光導波路の製造方法においては、前記の密着工程の前に、鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にあらかじめオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施すことを特徴とする。クラッド用フィルム基材のコア形成面に前記処理を行うと該フィルム基材の接着性を向上させることができ、その上に形成されるコアとの接着性やクラッド層との接着性を高めることができる。また、その結果従来コアやクラッド層との接着性が低いと考えられていたフィルムをクラッド用フィルム基材として用いられるようになった。また、鋳型の凹部が形成された面又はこれに加えクラッド用フィルム基材のコア形成面に前記の表面改質処理を行うと、鋳型凹部表面又はこれに加えクラッド用フィルム基材コア形成面におけるコア形成用硬化性樹脂の濡れ性が高まり、その結果充填速度が大きくなる。
【0033】
オゾン処理は例えば、放電を利用したものや、高圧水銀ランプを利用したもの、真空紫外光を利用したもの等のオゾン発生装置が用いられる。
また、波長が300nm以下の光の照射処理に用いる光源としては、発光中心波長が126nm、146nm、172nm、222nmなどの光を照射可能なエキシマランプが好適に用いられ、さらに具体的には誘電体バリア放電エキシマランプが用いられる。この他に185nm及び254nmの紫外線を照射する低圧水銀ランプを用いることができる。更にレーザー光も利用することが可能で、例えば波長157nmの真空紫外フッ素レーザー等のエキシマレーザー等が用いられる。
また、特に短波長の紫外線(200nm以下)は空気中の酸素をオゾンに変換するので、短波長の紫外線による照射処理では、鋳型やフィルムの表面は紫外線だけでなくオゾンにも曝されることになり、短波長の紫外線による処理は表面改質効果が高い。
【0034】
オゾン処理条件は雰囲気のオゾン濃度や処理時間を適宜調節して行われる。また、波長が300nm以下の光の照射処理は、紫外線の波長、出力、照射時間等を適宜調節して行われる。
また、クラッド用フィルム基材、コア材料及びクラッド層として用いる材料により、処理条件を適切に設定することが必要である。例えば、クラッド用フィルム基材と、その上に載せられるコア材料及びクラッド層との組み合わせが、接着性が低い場合には、より強い表面改質処理が行われる。一方、鋳型の凹部が形成された面に対し強度の表面改質処理を行うと、鋳型凹部表面に対する接着力が高くなりすぎ、鋳型を剥離する際の離型性を損なうことがあるので、コア材料や鋳型材料を考慮して適切な処理を行うことが好ましい。
一般的には、オゾン処理条件は、オゾン濃度が50〜400ppm程度の雰囲気中の場合、40〜100秒程度である。
また、波長が300nm以下の光の照射処理は、例えば、発光中心波長が172nmのキセノンエキシマランプ(出力10mW/cm)の場合、1分〜3分程度である。
前記のごとき表面改質処理は、特開2002−365429号公報や特開2002−146066号公報に記載の処理を適宜利用することができる。
【0035】
3)前記鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程
本発明の光導波路は、カプラー、ボード間の光配線や光分波器等としても使用しうるので、その用途に応じて前記フィルム基材の材料としては、該材料の屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、フレキシビリティー(可撓性)等を考慮して選択される。可撓性のフィルム基材を用い、可撓性を有する高分子光導波路を作製することが好ましい。
前記フィルムの材料としては、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、脂環式アクリル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等)、脂環式オレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、二又は三酢酸セルロース、アミド系樹脂(脂肪族、芳香族ポリアミド等)、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、または前記樹脂のブレンド物等が挙げられる。
【0036】
前記脂環式アクリル樹脂としてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂としては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明の高分子光導波路の作製に適している。
【0037】
前記フィルム基材の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。
また、前記フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
また、クラッド用のフイルム基材としては、フイルムにクラッド材をコーティングした、クラッド付きのフイルムを利用することも可能である。この場合には、フイルムの平坦性を向上させることができる。また、複屈折製が高くクラッド材としては不向きな材料や、透明性に劣る材料でも、利用可能になる。
【0038】
4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
この工程においては、鋳型の進入口からコア形成用硬化性樹脂を毛細管現象により前記鋳型の凹部に充填する一方、前記排出口からは凹部に充填されたコア形成用硬化性樹脂を排出させる。
コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。
また、前記紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。
【0039】
コア形成用硬化性樹脂は、毛細管現象により鋳型とフィルム基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填させるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。したがって、前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s〜2000mPa・s、望ましくは20mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは30mPa・s〜500mPa・sにするのが好ましい。
このほかに、原盤に形成された光導波路コアに対応する凸部が有する元の形状を高精度に再現するため、前記硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。したがって、前記硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、10%以下、好ましくは6%以下であるのが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加することができる。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。前記ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記フィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要で、1.50以上、好ましくは1.53以上である。クラッド(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)とコアの屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.03以上である。
【0041】
また、この工程において、毛細管現象によるコア形成用硬化性樹脂の鋳型凹部への充填を促進するために、系全体を減圧(0.1〜200Pa程度)する、あるいは貫通穴を使って吸引することが望ましい。
また、前記充填を促進するため、前記系の減圧に加えて、鋳型の進入口から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することにより、より低粘度化することも有効な手段である。
【0042】
5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
【0043】
6)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程
前記4)の工程の後、鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する。また、前記1)〜3)の工程で用いる鋳型は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド層に用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド層として利用する。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
【0044】
7)コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド層を形成する工程
コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド層を形成するが、クラッド層としてはフィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用フィルム基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
クラッド形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加することができる。
また、クラッド層としてフィルムを用いる場合には、前記2)の工程に先立って行われたフィルムの表面改質処理を同様に行うことができる。接着性の低いフィルムを用いる場合には有効な処理である。
【0045】
クラッド層としてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率が該フィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、クラッド層に添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
クラッド層の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55以下、好ましくは1.53以下とすることが望ましい。また、前記クラッド用基材とクラッド層との屈折率差は小さい方が好ましく、その差は0.05以内、好ましくは0.001以内、更に好ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて好ましい。
【0046】
本発明の高分子光導波路の製造方法において、特に、鋳型形成用硬化性樹脂として硬化してゴム状になる液状シリコーンゴム、中でも液状ジメチルシロキサンゴムを用い、クラッド用フィルム基材として主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂を用いる組み合わせは、両者の密着性が特に高く、また、鋳型凹部構造の変形がなく、さらに凹部構造の断面積が極めて小さくても(たとえば10×10μmの矩形)毛細管現象により素早く凹部に硬化性樹脂を充填することができる。
【0047】
次に、図1及び図2を用いて本発明の高分子光導波路の製造方法の1態様について説明する。図1(A)ないし図1(G)は、本発明の各製造工程を表す概念図であり、図2は、鋳型を鋳型より一回り大きいクラッド用フィルム基材に密着させた状態(図1(D)で示される工程)を示す斜視図である。
図1(A)は光導波路コアに対応する凸部12が形成された原盤10を、凸部12の長手方向に直角に切断した切断面を示す。
次に、図1(B)が示すように、原盤10の凸部12が形成された面に、鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層20aを形成する。図1(B)は原盤10に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層20aを形成したものを、凸部12の長手方向に直角に切断した切断面を示す。
次に、鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層20aを原盤10から剥離して型をとり(図示せず)、次いで型の両端を、前記凹部22が露出するように切断することにより、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口22a(図2参照)、及び前記凸部12に対応する凹部22から前記樹脂を排出させるための排出口22b(図2参照)を形成して、鋳型20を作製する。
【0048】
このようにして作製した鋳型20に、クラッド用フィルム基材30を密着させる(図1(D)及び図2を参照)。図1(D)は、鋳型とフィルム基材を密着させたものを凹部長手方向に直角に切断した断面図を示す(図2のA−A切断面)。次に、鋳型の進入口22aからコア形成用硬化性樹脂40aを、毛細管現象を利用して鋳型の凹部22に充填する。凹部20の他の先端部にある排出口22bからはコア形成用硬化性樹脂が排出される。図1(E)は鋳型の凹部に硬化性樹脂が充填されたものを凹部長手方向に直角に切断した断面図を示す。
その後、鋳型凹部内のコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型を剥離する。図1(F)は、クラッド用フィルム基材の上に光導波路コア40が形成されたものを、コア長手方向に直角に切断した切断面を示す。
さらに、クラッド用フィルム基材のコア形成面にクラッド層50を形成することにより、本発明の高分子光導波路60が作製される。図1(G)は、高分子光導波路60をコア長手方向に直角に切断した切断面を示す。
【0049】
また、図3に、コアが形成されたフィルム基材の上にクラッドとなるフィルムを接着剤により接着させる例を示す。図3(A)から図3(F)までは、図1(A)から図1(F)で表される工程と共通で、原盤からスタートして、フィルム基材の上にコアを形成する工程までを示す。図3(G)は、フィルム基材のコア形成面に接着剤54を用いてクラッドとなるフィルム52を貼り合わせる工程により得られた高分子光導波路シート60を、コア長手方向に直角に切断した切断面を示す。
【0050】
また、本発明の高分子光導波路の製造方法において、鋳型に、光導波路コア凸部に対応する凹部の一端及び他端(コア形成用硬化性樹脂を充填または排出させるための進入口及び排出口)にそれぞれ連通する貫通孔を2以上設け、鋳型の凹部の一端にある貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を入れ、鋳型の凹部の他端にある貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填することが好ましい。前記のごとき鋳型を用いてコア形成用硬化性樹脂を充填することによりに、充填速度が格段アップし、また、鋳型とフイルム基材との密着性が更に向上し、気泡の混入を避けることができる。
【0051】
貫通孔は、2以上設けることができる。例えば、Y分岐を1カ所持つ場合には3つの貫通孔を、Y分岐を3カ所持ち1対8に分岐させる場合には、9個の貫通孔を設けて凹部にコア形成用の硬化性樹脂を充填する必要がある。また、分岐は、多段の場合も含む。
【0052】
コア形成用硬化性樹脂進入側に設ける貫通孔は液(コア形成用硬化性樹脂)だめの機能を有する。また、コア形成用硬化性樹脂排出側に設ける貫通孔は、該樹脂を鋳型凹部に充填する際、鋳型凹部を減圧するための減圧吸引用に用いられる。進入側の貫通孔の形状や大きさは、貫通孔が凹部の進入端に連通しかつ液だめの機能を有していれば特に制限はない。また、排出側の貫通孔は、凹部の排出端に連通しかつ減圧吸引用に用いることができれば、その形状や大きさに特に制限はない。
【0053】
鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂進入側に設けた貫通孔は液だめの機能をもっているため、その断面積が、鋳型をクラッド用フィルム基材に密着させた場合、該基材に接する側が大きく、基材から離れるに従って小さくなるようにすると、コア形成用硬化性樹脂を凹部に充填、硬化後、鋳型と基材との剥離がしやすくなる。コア形成用硬化性樹脂排出側の貫通孔には、液だめの機能を持たせる必要はないので、特にこのような断面構造を採用することを要しない。
【0054】
貫通孔を設けた鋳型は、例えば、前記のようにして光導波路コア凸部に対応する凹部が形成された型をとり、その型を所定形状に打ち抜くことにより貫通孔を形成し、その際、貫通孔内部に、コア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口及び凹部からコア形成用硬化性樹脂を排出させるための排出口が顕れるように打ち抜く方法が挙げられる。打ち抜いた貫通孔の場合であっても、鋳型とクラッド用フィルム基材との密着性がよく、鋳型凹部以外にクラッド用フィルム基材との間に空隙が形成されないため、凹部以外にコア形成用硬化性樹脂が浸透する虞はない。
また、貫通孔は前記のように鋳型の厚さ方向に前記硬化樹脂層をすべて除去するタイプ(打ち抜きタイプ)だけではなく、鋳型の厚さ方向において鋳型の一部が残るようにように形成してもよい。この場合、鋳型はクラッド用フィルム基材の下に、貫通孔が露出するように置かれる。
【0055】
また、貫通孔を有する鋳型作製の他の例として、原盤に光導波路コアに対応する凸部だけでなく貫通孔形成のための凸部(打ち抜きタイプの貫通孔の場合は、この凸部の高さは鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層の厚さより高くする)を設け、この原盤に鋳型形成用硬化性樹脂を貫通孔形成のための凸部が樹脂層を突き抜けるように(打ち抜きタイプ貫通孔)又は凸部が隠れるように塗布等し、次いで樹脂層を硬化させ、その後硬化樹脂層を原盤から剥離する方法を挙げることができる。
【0056】
図4に本発明において用いる鋳型の一例の模式図を示す。図4(A)は鋳型20の平面図を示し、鋳型凹部22の、コア形成用硬化性樹脂の進入側及び排出側に設けた2つ貫通孔26及び28は打ち抜き孔であり、貫通孔の平面形状は円形である。また、図4(B)は鋳型凹部22及び2つの貫通孔26、28が顕れるように鋳型長手方向に沿って切断した鋳型断面を示し、22aは進入口、22bは排出口を示す。進入側の貫通孔26の断面積は、クラッド用フィルム基材に接触する側(凹部が形成されている側)が大きく、該基材から遠くなるほど小さくなっている。一方、排出側の貫通孔28は、クラッド用フィルム基材に接触する側の断面積がより大きくなっている(減圧吸引管の口径に合わせて)が、このような断面構造に限られるものではない。
【0057】
図5は、貫通孔形成用の凸部を設けた原盤の一例を示す斜視図で、10は原盤、12は光導波路コアに対応する凸部、14aはコア形成用硬化性樹脂進入側の貫通孔形成のための凸部、14bは樹脂排出側の貫通孔形成のための凸部をそれぞれ示す。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、断面が正方形の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:150mm)を形成した。次に、これを120℃でポストベークして、光導波路コア作製用原盤を作製した。
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa.s)及びその硬化剤を混合したものを流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた後、剥離して、前記断面が正方形の凸部に対応する凹部を持った型(型の厚さ:3mm)を作製した。
さらに、図1で示すような、平面形状が円形で鋳型厚さ方向の断面形状がテーパー状の貫通孔を、凹部の一端及び他端において、凹部と連通するように、打ち抜きにより形成して鋳型を作製した。鋳型のコア形成用硬化性樹脂が進入する側の貫通孔は、鋳型がクラッド用フィルム基材に接する面においては直径を4mm、鋳型の反対側の面においては直径を3.5mmとした。また、減圧吸引用の貫通孔は、進入側の貫通孔とはその大きさが同じで、テーパーが逆になるように形成した。
鋳型は表面エネルギーが22dyn/cm、シェアゴム硬度が60、表面粗さが10nm以下、紫外線透過率80%以上であり、また、透明で下のものがよく観察できた。
【0059】
この鋳型の凹部が形成された面と、鋳型より一回り大きい膜厚188μmのフィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)のコア形成面を、発光中心波長が172nmのキセノンエキシマランプ(ウシオ電機製、UER−20−172A、10mW/cm)を用いて、大気中5分間光照射処理した。
次に、この鋳型とアートンフイルムを処理面同士で密着させて、鋳型の進入側貫通孔に、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を数滴落とし、排出側(減圧吸引側)貫通孔からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で減圧吸引したところ、前記凹部に紫外線硬化性樹脂が0.8cm/minの充填速度で充填された。
【0060】
次いで、50mW/cmのUV光を鋳型を透して5分間照射して紫外線硬化させた。鋳型をアートンフイルムから剥離したところ、アートンフイルム上に前記原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。コアの屈折率は1.591であった。
次に、アートンフイルムのコア形成面に、硬化後の屈折率がアートンフイルムと同じ1.510である紫外線硬化性樹脂(JSR(株)製)を全面に塗布した後、50mW/cmのUV光を10分間照射して紫外線硬化させ(硬化後の膜厚10μm)た。フレキシブルな高分子光導波路が得られた。次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この光導波路シートをコアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。この高分子光導波路の損失は、0.33dB/cmであった。
【0061】
実施例2
実施例1におけるアートンフイルム上にコアを形成する工程までを同じ方法により実施した。
次に、アートンフイルムのコア形成面に、アートンフイルム(膜厚188μm)を、屈折率1.510の接着剤(JSR(株)製)を使って貼り合わせ、フレキシブルな高分子光導波路を作製した。次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この光導波路シートをコアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。この高分子光導波路の損失は、0.33dB/cmであった。
【0062】
実施例3
実施例1と同じ方法で鋳型を作製した。次に、波長172nmのエキシマランプ(ウシオ電機製、UER−20−172A、10mW/cm)を用いて、鋳型より一回り大きい膜厚188μmのフィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)のみにエキシマ光を大気中で5分間照射し表面処理した。
次に、この鋳型とアートンフイルムを密着させて、鋳型の進入側貫通孔に、粘度が820mPa・sの紫外線硬化性樹脂(NTT−AT社製:エポキシ系導波路形成樹脂)を数滴落とし、排出側(減圧吸引側)貫通孔からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で減圧吸引したところ、前記凹部に紫外線硬化性樹脂が1.5cm/minの充填速度で充填された。
次いで、50mW/cmのUV光を鋳型を透して5分間照射して紫外線硬化させた。鋳型をアートンフイルムから剥離したところ、アートンフイルム上に原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。コアの屈折率は1.570であった。
次に、アートンフイルムのコア形成面に、アートンフイルム(膜厚188μm)を、屈折率1.510の接着剤(JSR(株)製)を使って貼り合わせ、フレキシブルな高分子光導波路を作製した。次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この光導波路シートをコアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。この高分子光導波路の損失は、0.15dB/cmであった。
【0063】
実施例4
実施例1において、アートンフィルム及び鋳型にエキシマ光を照射する代わりに、オゾン処理を10分間行う他は実施例1と同様にして、高分子光導波路を作製した。鋳型凹部への紫外線硬化樹脂の充填速度は、0.6cm/minであった。
【0064】
実施例5
実施例3において、アートンフィルムにエキシマ光を照射する代わりに、オゾン処理を10分間行う他は実施例3と同様にして、高分子光導波路を作製した。鋳型凹部への紫外線硬化樹脂の充填速度は、1.2cm/minであった。
【0065】
実施例6
実施例1において、アートンフィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚200μm)を用いる他は、実施例1と同様にして高分子光導波路を作製した。鋳型凹部への紫外線硬化樹脂の充填速度は、0.8cm/minであった。
【0066】
比較例1
実施例1において、アートンフィルム及び鋳型にエキシマ光を照射しない他は実施例1と同様にして高分子光導波路を作製した。鋳型凹部への紫外線硬化樹脂の充填速度は、0.2cm/minであった。
【0067】
比較例2
実施例3において、アートンフィルム及び鋳型にエキシマ光を照射しない他は実施例3と同様にして高分子光導波路を作製した。鋳型凹部への紫外線硬化樹脂の充填速度は、0.2cm/minであった。
【0068】
比較例3
実施例6において、ポリエチレンテレフタレートフィルム及び鋳型にエキシマ光を照射しない他は、実施例6と同様にして高分子光導波路を作製した。鋳型凹部に紫外線硬化性樹脂を充填するのは可能(充填速度は0.3cm/min)であったが、紫外線硬化後、鋳型を離型するときにコア部分がクラッド用フイルムから離れてしまった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の高分子光導波路の製造方法は、製造工程が極めて単純化され容易に高分子光導波路を作製することができ、従来の高分子光導波路の製造方法に比較し、極めて低コストで高分子光導波路を作製することを可能にするものである。
また、本発明の高分子光導波路の製造方法により、高分子光導波路の形状等を自由に設定することができ、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路が得られる。
また、鋳型凹部へのコア形成用硬化性樹脂の充填速度が向上し、生産性の高い高分子光導波路の製造方法が提供され、さらに高分子光導波路用のコア材料、クラッド用フイルム基材及びクラッド層の材料選択の幅を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子光導波路の製造工程の一態様を示す概念図である。
【図2】クラッド用フィルム基材に鋳型を密着させた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の高分子光導波路の製造工程の他の一態様を示す概念図である。
【図4】本発明で用いる鋳型の一例を示す概念図で、図4(A)はその平面図を、図4(B)は断面図を示す。
【図5】鋳型作製に用いる原盤の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 原盤
12 光導波路コアに対応する凸部
20a 鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層
20 鋳型
22 鋳型凹部
22a コア形成用硬化性樹脂の進入口
22b コア形成用硬化性樹脂の排出口
30 クラッド用フィルム基材
40a コア形成用硬化性樹脂
40 コア
50 クラッド層
60 高分子光導波路

Claims (19)

  1. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程、2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程、3)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、6)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程、7)コアが形成されたクラッド用フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
  2. 前記波長300nm以下の光照射処理が、エキシマランプによるものであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  3. 前記エキシマランプが、発光中心波長が172nmの誘電体バリア放電エキシマランプであることを特徴とする請求項2に記載の高分子光導波路の製造方法。
  4. 前記鋳型形成用硬化性樹脂が液状シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  5. 前記液状シリコーンゴムが液状ジメチルシロキサンゴムであることを特徴とする請求項4に記載の高分子光導波路の製造方法。
  6. 前記コア形成用硬化性樹脂が、アクリル系紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  7. 前記コア形成用硬化性樹脂が、エポキシ系紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  8. 前記クラッド用フィルム基材の屈折率が1.55以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  9. 前記クラッド用フィルム基材が脂環式アクリル樹脂フイルムであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  10. 前記クラッド用フィルム基材が脂環式オレフィン樹脂フイルムであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  11. 前記脂環式オレフィン樹脂フイルムが主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖に極性基をもつ樹脂フィルムであることを特徴とする請求項10に記載の高分子光導波路の製造方法。
  12. 前記鋳型の表面エネルギーが10dyn/cm〜30dyn/cmであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  13. 前記鋳型のシェア(Share)ゴム硬度が15〜80であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  14. 前記鋳型の表面粗さが0.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  15. 前記鋳型が紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  16. 前記コア形成用硬化性樹脂を硬化させたときの体積変化が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  17. 前記クラッド用フィルム基材とクラッド層の屈折率の差が0.05以内であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  18. 前記コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率が1.50以上であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  19. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程、2)鋳型の凹部が形成された面及び/又はクラッド用フィルム基材のコア形成面にオゾン処理又は波長が300nm以下の光の照射処理を施す工程、3)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、4)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、5)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、を有する高分子光導波路の製造方法であって、前記鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層が光透過性であり、かつその屈折率と前記5)の工程で形成されるコアの屈折率の差が0.01以上あることを特徴とする高分子光導波路の製造方法。
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