JP4273975B2 - フレキシブル高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高分子光導波路の製造方法に関し、特に、薄いフレキシブルなフィルム状の高分子光導波路に関する。
高分子導波路の製造方法としては、(1)フイルムにモノマーを含浸させてコア部を選択的に露光して屈折率を変化させフイルムを張り合わせる方法(選択重合法)、(2)コア層及びクラッド層を塗布後、反応性イオンエチングを用いてクラッド部を形成する方法(RIE法)、(3)高分子材料中に感光性の材料を添加した紫外線硬化樹脂を用いて、露光・現像するフォトリソグラフィー法を用いる方法(直接露光法)、(4)射出成形を利用する方法、(5)コア層及びクラッド層を塗布後、コア部を露光してコア部の屈折率を変化させる方法(フォトブリーチング法)等が提案されている。
しかし、(1)の選択重合法はフイルムの張り合わせに問題があり、(2)や(3)の方法は、フォトリソグラフィー法を使うためコスト高になり、(4)の方法は、得られるコア径の精度に課題がある。また、(5)の方法はコア層とクラッド層との十分な屈折率差がとれないという問題がある。
現在、性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子導波路を形成するのに適用しうるものではない。
また、高分子光導波路を製造する方法として、キャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板(クラッド)にコア用のポリマー前駆体材料を充填し、その後硬化させてコア層を作り、その上に平面基板(クラッド)を貼り合わせる方法が知られているが、この方法ではキャピラリー溝にだけでなく、パターン基板と平面基板の間にも全面的にポリマー前駆体材料が薄く充填され硬化されて、コア層と同じ組成の薄い層が形成される結果、この薄い層を通って光が漏洩してしまうという問題があった。
この問題を解決する方法の1つとして、デビット・ハートはキャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板と平面基板とをクランプ用治具で固着し、さらにパターン基板と平面基板との接触部分を樹脂でシールなどした後減圧して、モノマー(ジアリルイソフタレート)溶液をキャピラリーに充填して、高分子光導波路を製造する方法を提案した(以下の特許文献1を参照)。この方法はコア形成用樹脂材料としてポリマー前駆体材料を用いる代わりにモノマーを用いて充填材料を低粘度化し、キャピラリー内に毛細管現象を利用して充填させ、キャピラリー以外にはモノマーが充填されないようにする方法である。
しかし、この方法はコア形成用材料としてモノマーを用いているため、モノマーが重合してポリマーになる際の体積収縮率が大きく、高分子光導波路の透過損失が大きくなるいう問題がある。また、この方法は、パターン基板と平面基板とをクランプで固着する、あるいはこれに加えさらに接触部を樹脂でシールするなど煩雑な方法であり、量産にはむかず、その結果コスト低下を期待することはできない。また、クラッドとして厚さがmmオーダーあるいは1mm以下のフィルムを用いる高分子光導波路の製造に適用することは不可能である。
また、最近、ハーバード大学のGeorge M. Whitesidesらは、ナノ構造を作る新技術として、ソフトリソグラフィーの一つとして毛細管マイクロモールドという方法を提唱している。これは、フォトリソグラフィーを利用してマスター基板を作り、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の密着性と容易な剥離性を利用してマスター基板のナノ構造をPDMSの鋳型に写し取り、この鋳型に毛細管現象を利用して液体ポリマーを流し込んで固化させる方法である。以下の非特許文献1には詳しい解説記事が記載されている。
また、ハーバード大学のGeorge M. WhitesidesのグループのKim Enochらによって毛細管マイクロモールド法に関する特許が出願されている(以下の特許文献2を参照)。しかし、この特許に記載の製造方法を高分子光導波路の製造に適用しても、光導波路のコア部は断面積が小さいので、コア部を形成するのに時間がかかり、量産に適さない。また、モノマー溶液が重合して高分子になるときに体積変化を起こしコアの形状が変化し、透過損失が大きくなるという欠点をもつ。
また、IBMチュリッヒ研究所のB. MichelらはPDMSを用いた高解像度のリソグラフィー技術を提案しており、この技術により数十nmの解像力が得られると報告している。詳しい解説記事は、以下の非特許文献2に記載されている。
このように、PDMSを使ったソフトリソグラフィー技術や、毛細管マイクロモールド法は、ナノテクノロジーとして最近、米国を中心に注目を集めている技術である
しかしながら、前記のごときマイクロモールド法を用いて光導波路を作製すると、硬化時の体積収縮率を小さくする(したがって透過損失を小さくする)ことと、充填を容易にするために充填液体(モノマー等)を低粘度化することを両立させえない。したがって、透過損失を小さくすることを優先的に考慮すると、充填液体の粘度をある限度以下にすることができず、充填速度が遅くなり、量産は望めない。また前記のマイクロモールド法は、基板としてガラスやシリコン基板を用いることが前提になっており、フレキシブルなフィルム基材を用いることは考慮されていない。
一方、下記の特許文献3には、高分子光導波路を、剛性の低い型を用いることにより作製する方法が示されている。この方法は、第1の凹型から第2の凸型を作製し、第2の凸型に樹脂を塗布硬化させてコアパターンとなる凹部を有する第1のクラッドを形成し、第2の凸型を剥離した後、コアパターンとなる凹部に樹脂を塗布硬化させてコアを形成し、その後、さらに樹脂を塗布硬化させて第2クラッドを形成する方法であるが、凹部だけにコア用樹脂を充填することは難しく、微細なコアパターンを精度高く作製することは困難である。
ところで、最近、IC技術やLSI技術において、動作速度や集積度向上のために、高密度に電気配線を行なう代わりに、機器装置間、機器装置内のボード間、チップ内において光配線を行なうことが注目されている。
光配線のための素子として、例えば、光ファイバーをシート状のボードに布線した光ファイバー布線ボードが実用化されている。しかし、光ファイバーは端面の研磨が必要で接続のための光コネクタも高価である。
このようなことから、光ファイバーを高分子導波路に置き換えて低コスト化をはかることが求められている。また、フイルムの特性を生かしてフレキシブルな高分子導波路を作ることが求められている。しかし、一般にフレキシブルにするためにはフイルムを薄くする必要があるが、薄いと取扱が難しく高精度の加工方法である半導体プロセスを使うことができない。
本発明者らは、このような要請に対し、特願2003−58871号や特願2003−58872号等においてフレキシブルなフィルム状の高分子光導波路を非常に簡便な方法で製造する方法を提案した。この方法は、従来用いられていた高分子光導波路の製造方法に比較して、非常に安価であるにもかかわらず、導波損失の低い高分子光導波路を極めて低価格で提供できる方法であるが、クラッド用硬化性樹脂を塗布・硬化させて上部クラッド層を作ると、樹脂の硬化による体積収縮に伴い、フィルム状の高分子光導波路が反るなどの変形を起こすことがあった。
特許公報3151364号明細書 米国特許6355198号明細書 特開2002−311273号公報 SCIENTIFIC AMERICAN SEPTEMBER 2001(日経サイエンス2001年12月号) IBM J. REV. & DEV. VOL. 45 NO. 5 SEPTEMBER 2001
本発明は、前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、極めて低コストで単純化された簡便な方法により、反るなどの変形を生じない、フレキシブルな高分子光導波路を製造する方法を提供することにある。
(1)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2設けられ、前記2つの貫通孔の1つは凹部の一端に連通する液だめのための貫通孔であり、前記2つの貫通孔のもう1つは凹部の他端に連通する減圧吸引のための貫通孔であり前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッドとなるフレキシブルフィルム基材を密着させる工程、3)前記フレキシブルフィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型を前記フレキシブルフィルム基材から剥離する工程、6)コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と表面に離型層を有する形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層を設ける工程、7)クラッド用硬化性樹脂の層を硬化させる工程、及び8)前記形状保持部材をクラッド用硬化性樹脂の硬化層から剥離する工程、を有するフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(2)前記形状保持部材が、ガラス板又は光透過性フィルムからなることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(3)前記形状部材の厚さが150μm以上であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(4)前記離型層が、フッ素樹脂であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(5)前記フッ素樹脂がアモルファスフッ素樹脂であることを特徴とする、前記(4)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(6)前記6)の工程において、コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と表面に離型層を有する形状保持部材との間に、クラッド用硬化性樹脂の層の厚さを規制するためのギャップ形成部材を用いることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(7)前記鋳型形成用硬化性樹脂が、硬化性ポリジメチルシロキサンゴムであることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(8)前記鋳型の表面粗さが100nm以下であることを特徴とする前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(9)前記フレキシブルフィルム基材の屈折率が1.55以下であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(10)前記フレキシブルフィルム基材が脂環式オレフィン樹脂フイルムであることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(11)前記脂環式オレフィン樹脂フイルムが、主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖に極性基をもつ樹脂フィルムであることを特徴とする、前記(10)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(12)前記コア形成用硬化性樹脂及びクラッド用硬化性樹脂が紫外線硬化型であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(13)前記コア形成用硬化性樹脂とクラッド用硬化性樹脂との硬化後の屈折率の差が0.01以上あることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(14)前記コア形成用硬化性樹脂及びクラッド用硬化性樹脂の硬化収縮率が10%以下であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(15)前記コア形成用硬化性樹脂及びクラッド用硬化性樹脂の粘度が2000mP・s以下であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(16)前記高分子光導波路が、厚さ300μm以下のフィルム状高分子光導波路であることを特徴とする、前記(1)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(17)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2設けられ、前記2つの貫通孔の1つは凹部の一端に連通する液だめのための貫通孔であり、前記2つの貫通孔のもう1つは凹部の他端に連通する減圧吸引のための貫通孔であり前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッドとなるフレキシブルフィルム基材を密着させる工程、3)前記フレキシブルフィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型を前記フレキシブルフィルム基材から剥離する工程、6)コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層及び上部フィルム基材を設ける工程、7)クラッド用硬化性樹脂の層を硬化させる工程、及び8)前記形状保持部材を上部フィルム基材から剥離する工程、を有するフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(18)前記形状保持部材の表面に離型層が設けられていることを特徴とする前記(17)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
(19)前記高分子光導波路が、厚さ300μm以下のフィルム状高分子光導波路であることを特徴とする、前記(17)に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
本発明の高分子光導波路の製造方法は、製造工程が極めて単純化され容易に高分子光導波路を作製することができ、従来の高分子光導波路の製造方法に比較し、極めて低コストで高分子光導波路を作製することができ、さらに、鋳型に貫通孔を設け、鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂排出側を減圧吸引するので、鋳型とフイルム基材との密着性が向上し、気泡の混入を避けることができる。したがって、本発明の製造方法により作製される高分子光導波路は、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路である。また、高分子光導波路の厚さや形状等を自由に設定することができる。
また、本発明の高分子光導波路の製造方法は、上部クラッド層の作製工程の際形状保持部材を用いるため、得られる高分子光導波路に変形(反りなど)が生ずることがなく、かつ、前記工程における薄いフィルム状の材料の取り扱いが容易になる。
[高分子光導波路の製造方法]
初めに、高分子光導波路の第1の製造方法について説明する。本発明の高分子光導波路の第1の製造方法は以下の工程により行われる。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2設けられ、前記2つの貫通孔の1つは凹部の一端に連通する液だめのための貫通孔であり、前記2つの貫通孔のもう1つは凹部の他端に連通する減圧吸引のための貫通孔であり前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である鋳型を準備する工程
2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッドとなるフレキシブルフィルム基材を密着させる工程
3)前記フレキシブルフィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を鋳型の凹部に充填する工程
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
5)鋳型を前記フレキシブルフィルム基材から剥離する工程
6)コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と表面に離型層を有する形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層を設ける工程
7)クラッド用硬化性樹脂の層を硬化させる工程、及び
8)前記形状保持部材をクラッド用硬化性樹脂の硬化層から剥離する工程
(なお、以下において前記の「クラッドとなるフレキシブルフィルム基材」を「クラッド用フィルム基材」という。)
また、本発明の第2の高分子光導波路の製造方法は、前記第1の製造方法における6)の工程を「6)コアが形成されたクラッド用フィルム基材と形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層及び上部フィルム基材を設ける工程」に変更し、また、前記第1の製造方法における8)の工程を「8)前記形状保持部材を上部フィルム基材から剥離する工程」に変更する他は、第1の製造方法と共通する方法である。
第2の製造方法においては、上部フィルム基材としてクラッドの機能を果たすことが可能なフィルムを用いることにより、前記6)の工程におけるクラッド用硬化性樹脂の層を薄くすることが可能である。
本発明の高分子光導波路の製造方法は、前記のごとく鋳型に、鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させると、両者を特別な手段を用いて固着させなくても(前記特許第3151364号明細書に記載のごとき固着手段)、鋳型に形成された凹部構造以外には、鋳型とクラッド用基材の間に空隙が生ずることなく、コア形成用硬化性樹脂を前記凹部のみに進入させることができることを見い出したことに基づくもので、本発明の高分子光導波路の製造方法は、製造工程が極めて単純化され容易に高分子光導波路を作製することができ、従来の高分子光導波路の製造方法に比較し、極めて低コストで高分子光導波路を作製することを可能にする。また、本発明の高分子光導波路の製造方法は、鋳型に貫通孔を設け、鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂排出側を減圧吸引するので、鋳型とフイルム基材との密着性が更に向上し、気泡の混入を避けることができる。そして、本発明の高分子光導波路の製造方法においては、上部クラッド層の作製の際形状保持部材を用いるので、作製されるフィルム状の高分子光導波路は、反るなどの変形を起こすことがない。また、形状保持部材を用いることにより薄いフィルム状の材料の取り扱いが容易になり、製造工程におけるハンドリング性が向上する。このことは、厚さが300μm以下のフィルム状の高分子光導波路を作製する際に特に有効となる。
したがって、本発明の高分子光導波路の製造方法により、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路が低コストで得られる。さらに高分子光導波路の形状等を自由に設定することができる。
以下に、本発明における第1の高分子光導波路の製造方法を工程順に説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2設けられ、前記2つの貫通孔の1つは凹部の一端に連通する液だめのための貫通孔であり、前記2つの貫通孔のもう1つは凹部の他端に連通する減圧吸引のための貫通孔であり前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
<原盤の作製>
光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤の作製には、従来の方法、例えばフォトリソグラフィー法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用できる。原盤に形成される光導波路に対応する凸部の大きさは高分子光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度とさらに大きなコア部を持つ光導波路も利用される。
<鋳型の作製>
鋳型の作製の一例として、前記のようにして作製した原盤の凸部形成面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型するなどの方法により鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成した後、必要に応じ乾燥処理をし、硬化処理を行い、その後硬化樹脂層を原盤から剥離して前記凸部に対応する凹部が形成された型をとり、その型に凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔を形成する方法が挙げられる。前記連通孔は、例えば前記型を所定形状に打ち抜くことにより形成できる。打ち抜いた貫通孔の場合であっても、鋳型とクラッド用フィルム基材との密着性がよく、鋳型凹部以外にクラッド用フィルム基材との間に空隙が形成されないため、凹部以外にコア形成用硬化性樹脂が浸透することはない。
前記型(樹脂硬化層)の厚さは、鋳型としての取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。
また、前記原盤にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行なって鋳型との剥離を促進することが望ましい。
コア形成用硬化性樹脂進入側に設ける貫通孔は液(コア形成用硬化性樹脂)だめの機能を有する。また、コア形成用硬化性樹脂排出側に設ける貫通孔は、該樹脂を鋳型凹部に充填する際、鋳型凹部を減圧するための減圧吸引用に用いられる。進入側の貫通孔の形状や大きさは、貫通孔が凹部の進入端に連通しかつ液だめの機能を有していれば特に制限はない。また、排出側の貫通孔は、凹部の排出端に連通しかつ減圧吸引用に用いることができれば、その形状や大きさに特に制限はない。
鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂進入側に設けた貫通孔は液だめの機能をもっているため、その断面積が、鋳型をクラッド用フィルム基材に密着させた場合、該基材に接する側が大きく、基材から離れるに従って小さくなるようにすると、コア形成用硬化性樹脂を凹部に充填、硬化後、鋳型と基材との剥離がしやすくなる。コア形成用硬化性樹脂排出側の貫通孔には、液だめの機能を持たせる必要はないので、特にこのような断面構造を採用することを要しない。
また、鋳型作製の他の例として、原盤に光導波路コアに対応する凸部だけでなく貫通孔形成のための凸部(この凸部の高さは鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層の厚さより高くする)を設け、この原盤に鋳型形成用硬化性樹脂を貫通孔形成のための凸部が樹脂層を突き抜けるように塗布等し、次いで樹脂層を硬化させ、その後硬化樹脂層を原盤から剥離する方法を挙げることができる。
鋳型作製に用いる鋳型形成用硬化性樹脂しては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、クラッド用フィルム基材との密着性が良好なことが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤に形成された個々の光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取らなければならないので、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えることができる。
前記鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでもまた硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでもまた室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましい。
前記液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いために、これから作った鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのままクラッド層として好ましく利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
液状シリコーンゴムの粘度は、光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取り、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型形成の点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
鋳型の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、好ましくは15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性の点からみて好ましい。
鋳型のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80、好ましくは20〜60であることが、型取り性能や凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm(100nm)以下にすることが、型取り性能の点からみて好ましい。
また、鋳型は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型が可視領域において光透過性であることが好ましいのは、以下の2)の工程において鋳型をクラッド用フィルム基材に密着させる際、位置決めが容易に行え、また、以下の3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型凹部に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認しうるからである。また、鋳型が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型を透して紫外線硬化を行うためであり、鋳型の、紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
前記硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、クラッド用フィルム基材との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムとクラッド用基材とを密着させると液体の進入させ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型は高精度に原盤を写し取り、クラッド用基材に良く密着するため、鋳型とクラッド用基材の間の凹部のみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、さらにクラッド用基材と鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型からは高精度に形状を維持した高分子光導波路を、極めて簡便に作製することができる。
2)鋳型に、鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程
本発明の高分子光導波路から作製される光学素子は、種々の階層における光配線に用いられるので、前記クラッド用可撓性フィルム基材の材料は光学素子の用途に応じ、屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー等を考慮して選択される。前記フィルムとしては脂環式アクリル樹脂フイルム、脂環式オレフィン樹脂フイルム、三酢酸セルロースフイルム、含フッ素樹脂フイルム等が挙げられる。フィルム基材の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。また、水を吸収すると屈折率が変化するだけでなく、更に長波長域の光伝搬損失が増加する原因になるため、低吸水性の樹脂フィルムを用いることが好ましい。
前記脂環式アクリル樹脂フイルムとしてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂フイルムとしては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明の光導波路シートの作製に適している。
また、前記フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程
この工程においては、コア形成用硬化性樹脂を、該樹脂の進入部側に設けた貫通孔に充填し、該樹脂の排出部側に設けた貫通孔から減圧吸引して、鋳型とクラッド用フィルム基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填する。減圧吸引することにより、鋳型とクラッド用フイルム基材との密着性が向上し、気泡の混入を避けることができる。減圧吸引は、例えば、吸引管を排出部側に設けた貫通孔に挿入し、吸引管をポンプにつなげて行われる。
コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。
また、前記紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。
コア形成用硬化性樹脂は、毛細管現象により鋳型とフィルム基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填されるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。したがって、前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s〜2000mPa・s、望ましくは20mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは30mPa・s〜500mPa・sにするのが好ましい。
このほかに、原盤に形成された光導波路コアに対応する凸部が有する元の形状を高精度に再現するため、前記硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。したがって、コア形成用硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、10%以下、好ましくは6%以下であるのが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加することができる。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。前記ポリマーとしてはアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるがこれに限定されるものではない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記フィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要で、1.50以上、好ましくは1.53以上である。クラッド(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)とコアの屈折率の差は、0.01以上である。
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程及び、5)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程
この工程では充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられ、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
6)コアが形成されたクラッド用フィルム基材と表面に離型層を有する形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層を設ける工程
コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド用硬化性樹脂を用いてクラッド層(上部クラッド層)を形成するが、このときクラッド用硬化性樹脂の層の上に表面に離型層を有する形状保持部材を、離型層がクラッド用硬化性樹脂の層に接するように置き、クラッド用基材(下部クラッド層)と形状保持部材によりクラッド用硬化性樹脂の層を挟みながら硬化させると、出来上がるフィルム状の高分子光導波路の変形がない。クラッド用硬化性樹脂の層をクラッド用フィルム基材と形状保持部材との間に設けるには、クラッド用フィルム基材のコア形成面にスピンコート法等により塗布して設けその上に形状保持部材を重ねる方法や、所定の間隙を設けて対向設置したクラッド用フィルム基材と形状保持部材との間に、毛細管現象を利用して進入させる方法などが使用される。
クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。また、前記クラッド用硬化性樹脂の粘度は、均一な膜厚に容易に塗布できるように、10mPa・s〜2000mPa・s程度であることが好ましい。
クラッド用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)は10%以下であることが好ましくさらには6%以下が好ましい。体積変化を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(メタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加することができる。
また、前記クラッド用基材とクラッド層との屈折率差は小さい方が好ましく、その差は0.05以内、好ましくは0.001以内、更に好ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて好ましい。
離型層を有する形状保持部材は、最終製品である高分子光導波路の変形を防いだり、薄いフィルム状の材料を取り扱いやすくするために用いるので、剛性が高く変形が少ない材料、例えばガラス、金属、プラスチック材料などを用いることが好ましい。プラスチック材料を用いる場合には十分な厚さを持たせることが好ましい。形状保持部材の厚さは150μm以上あることが好ましく、また、その上限は数cm程度である。
またその形状・大きさは、クラッド用硬化性樹脂の層とほぼ同じ形状・大きさのものあるいはこれより一回り大きいものが用いられる。更に、形状保持部材を通してその下にある材料を観察できるように光透過性の形状保持部材を用いることが好ましく、さらに形状保持部材を通して紫外線照射によりクラッド用硬化性樹脂を硬化させる場合には、形状保持部材は紫外線透過性であることが必要である。
離型層に用いる離型材としてはアモルファスフッ素樹脂等のフッ素化樹脂が好ましく用いられる。例えば、旭硝子(株)のサイトップなどが均一に塗布できて好ましい。
また、この工程において、クラッド用硬化性樹脂の層厚を規制(制御)するために、金属、ガラスなど剛性の高いギャップ形成部材(スペーサー)を用いると、クラッド用硬化性樹脂の層が設定した膜厚に容易に形成できる。ギャップ形成部材(スペーサー)には、例えばステンレス製の短冊状フィルム又は短冊状シートなどが用いられる。ギャップ形成部材を置く場所は、クラッド用硬化性樹脂の層厚を規制できればどこでもよい。ギャップ形成部材の厚さは作製する高分子光導波路の厚さ、用いるフィルムの厚さ、クラッド用硬化性樹脂の厚さ、置く場所などにより適宜選択される。
7)クラッド用硬化性樹脂の層を硬化させる工程
クラッド用硬化性樹脂の種類に応じ適宜の手段によりこの層を硬化させる。
8)前記形状保持部材をクラッド用硬化性樹脂の硬化層から剥離する工程
この工程では形状保持部材をクラッド用硬化性樹脂の硬化層から剥離するが、形状保持部材の表面には離型層が設けられているので、硬化層から形状保持部材を容易に剥離することができる。
更に、前記2)から8)までの工程において、クラッド用フィルム基材の下に表面が平滑で剛性が高い固定用治具を置き、この状態で各工程を行うと、薄いフィルム状の材料の取り扱いが容易になり、また、厚さの制御が簡単になるなどの点からみて好ましい。
前記のごとき工程の後、作製された高分子光導波路の両端をダイサーで切断し鏡面を形成することが好ましい。
また、本発明の第2の高分子光導波路の製造方法は、前記第1の製造方法における6)の工程を、「6)コアが形成されたクラッド用フィルム基材と形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層及び上部フィルム基材を設ける工程」に変更し、8)の工程を「8)前記形状保持部材を上部フィルム基材から剥離する工程」に変更することを特徴とする。
第2の製造方法における6)の工程においては、クラッド用硬化性樹脂の上に上部フィルム基材を置くもので、このようにすることにより、更に変形のないフィルム状の高分子光導波路が得られる。上部フィルム基材としては、クラッドの機能を有するものも、有しないものも使用できる。クラッドの機能を有するものとしては前記のクラッド用フィルム基材と同様なものが用いられる。前記上部フィルム基材がクラッドの機能を有しないものとしては、例えば、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなど屈折率が高いフイルムも使うことが可能である。
前記クラッド用硬化性樹脂の層の厚さは、前記上部フィルム基材がクラッドの機能を有しているかどうかにより適宜決めればよいが、上部フィルム基材がクラッドの機能を有している場合には、一般的に0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度でよい。また、上部フィルム基材がクラッドの機能を有していない場合には、前記層の厚さは一般的に10〜100μm、好ましくは20〜50μm程度となる。
また、前記クラッド用硬化性樹脂の層の厚さは、ギャップ形成部材を用いることにより正確に制御することが好ましい。ギャップ形成部材は、上部フィルム基材と固定用治具の間、形状保持部材を用いる場合は形状保持部材と固定用治具との間など、適宜の場所に挟むことができる。
本発明の第2の製造方法は、クラッド用硬化性樹脂と形状保持部材の間に上部フィルム基材が挟まれるため、形状保持部材の表面には必ずしも離型層を設ける必要はないが、クラッド用硬化性樹脂がはみ出て形状保持部材に付着しても容易に剥離できるようにするためには、上部フィルム基材と接触する面に離型層を設けることが好ましい。
前記のごとき工程の後、作製された高分子光導波路の両端をダイサーで切断し鏡面を形成することが好ましい。
本発明の第1及び第2の高分子光導波路の製造方法によりフレキシブルな高分子光導波路が作製される。この高分子光導波路は、クラッド用フィルム基材、上部フィルム基材、クラッド用硬化性樹脂の硬化層の厚さを適宜選択することにより、フィルム状ないしシート状のものとなるが、全体の厚さを300μm以下にすると、非常にフレキシブルなフィルム状高分子光導波路となり、その適用範囲が非常に広い。
次に、図を用いて本発明における第1の高分子光導波路の製造方法の一例について説明する。
最初に、工程1)から工程5)までを図1を用いて説明する。
図1(A)は原盤10を示し、12は光導波路コアに対応する凸部である。この原盤10の凸部形成面に鋳型形成用硬化性樹脂を塗布又は注型した後硬化させる(図1(B)参照)。図1(B)中、20aは硬化樹脂層である。その後硬化樹脂層20aを剥離すると、凹部が形成された硬化樹脂層20aが得られる(図示せず)。凹部22が形成された硬化樹脂層20aに、凹部22に連通する貫通孔26及び28を凹部両端に打ち抜き等により形成して鋳型20(図1(C)参照)を得る。
次に、図1(D)が示すように、鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させ、その後鋳型に形成されている貫通孔26にコア形成用硬化性樹脂を入れ、他端の貫通孔28から減圧吸引して鋳型凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する。その後該樹脂を硬化させ鋳型を剥離すると、図1(E)に示されるように、クラッド用フィルム基材30の上に光導波路コア32が形成される。最後に貫通孔26及び28内で硬化した樹脂部分をダイサー等で切り落とす。
次に、図2に本発明の第1の製造方法における前記6)の工程を示す。図2中、30はクラッド用フィルム基材、32はコア、40はクラッド用硬化性樹脂の層をそれぞれ示す。また、60は表面に離型層(図示せず)を有する形状保持部材を、70はギャップ形成部材を、80は固定用治具をそれぞれ示す。ギャップ形成部材は、図示するように固定用治具と形状保持部材の間に置いても、クラッド用フィルム基材と形状保持部材の間に置いてもよい。
この状態でクラッド用硬化性樹脂を硬化させ、上部クラッド層を形成し、その後形状保持部材を上部クラッド層の表面から剥離する。
また、図3に本発明の第2の製造方法における6)の工程を示す。図2と同じ符号で示すものは同じものを意味し、図2中50は上部フィルム基材を示す。
この状態でクラッド用硬化性樹脂を硬化させ、その後形状保持部材60をフィルム基材50から剥離する。
本発明の高分子光導波路の製造方法において、特に、鋳型形成用硬化性樹脂として硬化してゴム状になる液状シリコーンゴム、中でも液状ジメチルシロキサンゴムを用い、クラッド用フィルム基材として主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂を用いる組み合わせは、両者の密着性が特に高く、また、鋳型凹部構造の変形がなく、さらに凹部構造の断面積が極めて小さくても(たとえば10×10μmの矩形)毛細管現象により素早く凹部に硬化性樹脂を充填することができる。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、8本の、断面が正方形の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:80mm)を形成した。凸部と凸部の間隔は250μmとした。次に、これを120℃でポストベークして、高分子光導波路作製用原盤を作製した。
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウ・コウニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa.s)及びその硬化剤を混合したものを流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた後、剥離して、断面が矩形の前記凸部に対応する凹部を持った型(型の厚さ:5mm)を作製した。
さらに、平面形状が円形で鋳型厚さ方向の断面形状がテーパー状の貫通孔を、凹部の一端及び他端において、凹部と連通するように、打ち抜きにより形成して鋳型を作製した。鋳型のコア形成用硬化性樹脂が進入する側の貫通孔は、鋳型がクラッド用フィルム基材に接する面においては直径を4mm、鋳型の反対側の面においては直径を3.5mmとした。
鋳型は表面エネルギーが22dyn/cm、シェアゴム硬度が60、表面粗さが10nm以下、紫外線透過率80%以上であり、また、透明で下のものがよく観察できた。
ガラス製の固定用治具の上に、鋳型より一回り大きい膜厚188μmのクラッド用フィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.51)を置き、この上に前記鋳型を密着させた。次に、鋳型の進入側貫通孔に、粘度が600mPa・sの紫外線硬化性樹脂を数滴落とし、排出側(減圧吸引側)貫通孔から減圧吸引したところ、10分で前記凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。次いで、50mW/cm2のUV光を鋳型の上部から10分間照射して紫外線硬化させた。鋳型をアートンフイルムから剥離したところ、アートンフイルム上に前記原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。コアの屈折率は1.55であった。(以下の工程はすべて固定用治具の上で行った。)
次に、コアを形成したアートンフイルム上に、硬化後の屈折率がアートンフイルムと同じ1.51である紫外線硬化性樹脂をディスペンサーで塗布した。(塗布厚は、以下のようにガラス板をスぺーサーの上に置いた場合、紫外線硬化性樹脂の塗布層表面とガラス板の間に間隙が生じないような厚さとした。)
図2に示すように、固定用治具の表面に厚さ260μmの金属製スぺーサー(ギャップ形成部材)を置き、スぺーサーの上に、サイトップ(旭硝子(株)製フッ素樹脂)を0.2μm被覆したガラス板(形状保持部材)を載せた。ガラス板を通して50mW/cm2のUV光を10分間照射して硬化させた。その後、サイトップ付きのガラス板を離型すると、全体の厚さが260μmのフレキシブルなフィルム状の高分子光導波路が得られた。
次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この高分子光導波路フィルムを、コアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。
得られた高分子導波路の伝搬損失は0.2dB/cmであった。
実施例2
実施例1において用いたクラッド用フィルム基材(アートンフイルム)を、厚さ100μmのアートンフイルムに変更し、かつ、厚さが180μmの金属製スペーサーを用いる他は同様にして、全体の厚さが180μmのフィルム状の高分子光導波路を作製した。
得られた高分子導波路の伝搬損失は0.2dB/cmであった。
実施例3
実施例1において、クラッド用フィルム基材として厚さ100μmのアートンフィルムを用いる他は、実施例1と同様にしてアートンフィルム上にコアを形成した。
次に、コアを形成したアートンフイルム上に、硬化後の屈折率がアートンフイルムと同じ1.51であるクラッド用紫外線硬化性樹脂をディスペンサーで塗布した。(塗布厚は、以下のように紫外線硬化性樹脂の表面にアートンフィルムを載せ、更にスぺーサーの上にガラス板を置いた場合、アートンフィルムとガラス板の間に間隙が生じないような厚さとした。)
図3に示すように、前記クラッド用紫外線硬化性樹脂の塗布面に膜厚100μmのアートンフィルムを載せた。次に、固定用治具の表面に厚さ300μmの金属製スぺーサー(ギャップ形成部材)を置き、スぺーサーの上に、サイトップ(旭硝子(株)製フッ素樹脂)を0.2μm被覆したガラス板(形状保持部材)を載せた。ガラス板を通して50mW/cm2のUV光を10分間照射して硬化させた。全体の厚さが300μmのフレキシブルなフィルム状の高分子光導波路が得られた。
次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この高分子光導波路フィルムを、コアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。
得られた高分子導波路の伝搬損失は0.1dB/cmであった。
本発明の第1及び第2の高分子光導波路の製造方法における1)から5)までの工程を示す概念図である。 本発明の第1の製造方法における6)の工程を示す概念図である。 本発明の第2の製造方法における6)の工程を示す概念図である。
符号の説明
10 原型
12 光導波路コアに対応する凸部
20 鋳型
30 クラッド用フィルム基材
32 コア
40 クラッド用硬化性樹脂の層
50 上部フィルム基材
60 形状保持部材
70 ギャップ形成部材
80 固定用治具
100 高分子光導波路

Claims (19)

  1. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2設けられ、前記2つの貫通孔の1つは凹部の一端に連通する液だめのための貫通孔であり、前記2つの貫通孔のもう1つは凹部の他端に連通する減圧吸引のための貫通孔であり前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッドとなるフレキシブルフィルム基材を密着させる工程、3)前記フレキシブルフィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型を前記フレキシブルフィルム基材から剥離する工程、6)コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と表面に離型層を有する形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層を設ける工程、7)クラッド用硬化性樹脂の層を硬化させる工程、及び8)前記形状保持部材をクラッド用硬化性樹脂の硬化層から剥離する工程、を有するフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  2. 前記形状保持部材が、ガラス板又は光透過性プラスチックフィルムからなることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  3. 前記形状保持部材の厚さが150μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  4. 前記離型層が、フッ素樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  5. 前記フッ素樹脂がアモルファスフッ素樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  6. 前記6)の工程において、コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と表面に離型層を有する形状保持部材との間に、クラッド用硬化性樹脂の層の厚さを規制するためのギャップ形成部材を用いることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  7. 前記鋳型形成用硬化性樹脂が、硬化性ポリジメチルシロキサンゴムであることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  8. 前記鋳型の表面粗さが100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  9. 前記フレキシブルフィルム基材の屈折率が1.55以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  10. 前記フレキシブルフィルム基材が脂環式オレフィン樹脂フイルムであることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  11. 前記脂環式オレフィン樹脂フイルムが、主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖に極性基をもつ樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項10に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  12. 前記コア形成用硬化性樹脂及びクラッド用硬化性樹脂が紫外線硬化型であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  13. 前記コア形成用硬化性樹脂とクラッド用硬化性樹脂との硬化後の屈折率の差が0.01以上あることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  14. 前記コア形成用硬化性樹脂及びクラッド用硬化性樹脂の硬化収縮率が10%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  15. 前記コア形成用硬化性樹脂及びクラッド用硬化性樹脂の粘度が2000mP・s以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  16. 前記高分子光導波路が、厚さ300μm以下のフィルム状高分子光導波路であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  17. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2設けられ、前記2つの貫通孔の1つは凹部の一端に連通する液だめのための貫通孔であり、前記2つの貫通孔のもう1つは凹部の他端に連通する減圧吸引のための貫通孔であり前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッドとなるフレキシブルフィルム基材を密着させる工程、3)前記フレキシブルフィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型を前記フレキシブルフィルム基材から剥離する工程、6)コアが形成された前記フレキシブルフィルム基材と形状保持部材との間にクラッド用硬化性樹脂の層及び上部フィルム基材を設ける工程、7)クラッド用硬化性樹脂の層を硬化させる工程、及び8)前記形状保持部材を上部フィルム基材から剥離する工程、を有するフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  18. 前記形状保持部材の表面に離型層が設けられていることを特徴とする請求項17に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  19. 前記高分子光導波路が、厚さ300μm以下のフィルム状高分子光導波路であることを特徴とする、請求項17に記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
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