JP4265293B2 - 鋳型及びコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

鋳型及びコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタ一体型高分子光導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子導波路の製造方法としては、(1)フイルムにモノマーを含浸させてコア部を選択的に露光して屈折率を変化させフイルムを張り合わせる方法(選択重合法)、(2)コア層及びクラッド層を塗布後、反応性イオンエチングを用いてクラッド部を形成する方法(RIE法)、(3)高分子材料中に感光性の材料を添加した紫外線硬化樹脂を用いて、露光・現像するフォトリソグラフィー法を用いる方法(直接露光法)、(4)射出成形を利用する方法、(5)コア層及びクラッド層を塗布後、コア部を露光してコア部の屈折率を変化させる方法(フォトブリーチング法)等が提案されている。
然し、(1)の選択重合法はフイルムの張り合わせに問題があり、(2)や(3)の方法は、フォトリソグラフィー法を使うためコスト高になり、(4)の方法は、得られるコア径の精度に問題がある。また、(5)の方法はコア層とクラッド層との十分な屈折率差がとれないという問題がある。
現在、性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子導波路を形成するのに適用しうるものではない。
【0003】
また、高分子光導波路を製造する方法として、キャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板(クラッド)にコア用のポリマー前駆体材料を充填し、その後硬化させてコア層を作り、その上に平面基板(クラッド)を貼り合わせる方法が知られているが、この方法ではキャピラリー溝にだけでなく、パターン基板と平面基板の間にも全面的にポリマー前駆体材料が薄く充填され硬化されてコア層と同じ組成の薄い層が形成される結果、この薄い層を通って光が漏洩してしまうという問題があった。
この問題を解決する方法の1つとして、デビット・ハートはキャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板と平面基板とをクランプ用治具で固着し、さらにパターン基板と平面基板との接触部分を樹脂でシールなどした後減圧して、モノマー(ジアリルイソフタレート)溶液をキャピラリーに充填して、高分子光導波路を製造する方法を提案した(以下の特許文献1を参照)。この方法はコア形成用樹脂材料としてポリマー前駆体材料を用いる代わりにモノマーを用いて充填材料を低粘度化し、キャピラリー内に毛細管現象を利用して充填させ、キャピラリー以外にはモノマーが充填されないようにする方法である。
しかし、この方法はコア形成用材料としてモノマーを用いているため、モノマーが重合してポリマーになる際の体積収縮率が大きく、高分子光導波路の透過損失が大きくなるいう問題がある。
また、この方法は、パターン基板と平面基板とをクランプで固着する、あるいはこれに加えさらに接触部を樹脂でシールするなど煩雑な方法であり、量産にはむかず、その結果コスト低下を期待することはできない。また、クラッドとして厚さがmmオーダーあるいは1mm以下のフィルムを用いる高分子光導波路の製造に適用することは不可能である。
【0004】
また、最近、ハーバード大学のGeorge M. Whitesidesらは、ナノ構造を作る新技術として、ソフトリソグラフィーの一つとして毛細管マイクロモールドという方法を提唱している。これは、フォトリソグラフィーを利用してマスター基板を作り、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の密着性と容易な剥離性を利用してマスター基板のナノ構造をPDMSの鋳型に写し取り、この鋳型に毛細管現象を利用して液体ポリマーを流し込んで固化させる方法である。以下の非特許文献1には詳しい解説記事が記載されている。
【0005】
又はバード大学のGeorge M. WhitesidesのグループのKim Enochらによって毛細管マイクロモールド法に関する特許が出願されている(以下の特許文献2を参照)。
しかし、この特許に記載の製造方法を高分子光導波路の製造に適用しても、光導波路のコア部は断面積が小さいので、コア部を形成するのに時間がかかり、量産に適さない。また、モノマー溶液が重合して高分子になるときに体積変化を起こしコアの形状が変化し、透過損失が大きくなるという欠点を持つ。
【0006】
また、IBMチュリッヒ研究所のB. MichelらはPDMSを用いた高解像度のリソグラフィー技術を提案しており、この技術により数十nmの解像力が得られると報告している。詳しい解説記事は、以下の非特許文献2に記載されている。
このように、PDMSを使ったソフトリソグラフィー技術や、毛細管マイクロモールド法は、ナノテクノロジーとして最近、米国を中心に注目を集めている技術である
【0007】
しかしながら、前記のごときマイクロモールド法を用いて光導波路を作製すると、硬化時の体積収縮率を小さくする(したがって透過損失を小さくする)ことと、充填を容易にするために充填液体(モノマー等)を低粘度化することを両立させえない。したがって、透過損失を小さくすることを優先的に考慮すると、充填液体の粘度をある限度以下にすることができず、充填速度が遅くなり、量産は望めない。また前記のマイクロモールド法は、基板としてガラスやシリコン基板を用いることが前提になっており、フレキシブルなフィルム基材を用いることは考慮されていない。
【0008】
これに対して本発明者等は特願2002−187473号として、フィルム基材に光導波路を設けたフレキシブル高分子光導波路を極めて低コストで作製する方法を提案した。この方法により作製した高分子光導波路は、損失ロスが少なく高精度のコア形状を維持し、また、全体としてフレキシブルであるので各種機器への自由な装填が可能であるが、さらに回路の集積度を高めるためには、高分子光導波路同士を積層した構造、又は光導波路を電気回路基板に積層した構造とするのが有効である。しかし、フレキシブルな高分子光導波路が光ファイバーアレイと容易に接続できるようにするためには、MTコネクタに代表される光コネクタを導波路端部に接合する必要がある。この接合加工は通常高度なアライメント調整が必要となり、コストが高くなる要因となっている。
【0009】
光ファイバーと高分子導波路との接続に関するものとして、以下の特許文献3には、光ファイバをガイドピンを介して無調芯で接続するコネクタと、高分子導波路とを有し、高分子導波路の端にコネクタを接合し、該コネクタは、対向配置された2つのコネクタ部品により構成され、これらコネクタ部品の互いに対向する面のそれぞれには、高分子導波路を搭載する高分子導波路搭載用溝と、ガイドピンを搭載する2つのガイドピン搭載用溝とが形成され、高分子導波路を2つの前記コネクタ部品により挟持することにより、記高分子導波路と2つのコネクタ部品とを接合し一体化した光配線用光導波路素子が記載されているが、コネクタ部品は複雑な形状を有しており、また、前記溝を精度よく作る必要があり、低コストでの作製は望めない。
【0010】
また、以下の特許文献4には、導波路と入出力用の光ファイバを固定するための溝が同一光軸上に作製された基板と、基板上の該溝に固定され末端に光コネクターを有する光ファイバおよび該基板と該光ファイバを保持する容器から構成されている光導波路部品が記載されているが、光ファイバ付コネクタが高コストである。
さらに以下の特許文献5には、高分子光導波路の導光路と光ファイバーを接続するために、高分子光導波路の本体に、光ファイバーの挿入を誘導するための凹部状の接続部を設けるものであるが、接続部の作製方法に制約があり、接続精度も高くないという問題がある。
【0011】
【特許文献1】
特許公報3151364号明細書
【特許文献2】
米国特許6355198号明細書
【特許文献3】
特許第3029428号明細書
【特許文献4】
特開平11−202157号公報
【特許文献5】
特開昭59−232312号公報
【非特許文献1】
SCIENTIFIC AMERICAN SEPTEMBER 2001(日経サイエンス2001年12月号)
【非特許文献2】
IBM J. REV. & DEV. VOL. 45 NO. 5 SEPTEMBER 2001
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のごとき問題点に基づいてなされたものであり、その目的は、構造安定性に優れたコネクタ一体型高分子光導波路を提供すること、また、該コネクタ一体型高分子光導波路を工数が少なく簡便に低コストで作製できる製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の鋳型及びコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法、ならびにコネクタ一体型高分子光導波路を提供することにより解決される。
(1)1)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備する工程、2)前記原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成する工程、3)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離する工程を有する、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を製造する方法。
【0014】
(2)1)(i)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備し、(ii)原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成し、(iii)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離して、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を作製する工程、2)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程、6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程、7)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程、8)形成された光導波路コアの側面及び上面にクラッド層を形成する工程、を有するコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
【0015】
(3)前記5)の鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程は、1)の鋳型を作製する工程より後で、6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程より前に行われることを特徴とする前記(2)に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
(4)前記4)の工程において、コア形成用硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂であり、紫外線をクラッド用フィルム基材の法線方向に、クラッド用フィルム基材又は鋳型を通して照射することを特徴とする前記(2)に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
(5)前記接着剤が、常温硬化型の硬化性接着剤であることを特徴とする前記(2)に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
(6)前記鋳型の硬化樹脂層において、少なくとも光導波路コア凸部に対応する凹部とコネクタ用スリーブ載置用凹部の表面、及びこれらの近傍が、液状シリコーンゴムの硬化物から形成されていることを特徴とする前記(2)に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
【0017】
(7)1)(i)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備し、(ii)原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成し、(iii)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離して、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を作製する工程、2)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程、6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程、を有するコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法であって、前記鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層が光透過性であり、その屈折率と前記4)の工程で形成されるコアの屈折率との差が0.01以上あることを特徴とするコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法により作製されるコネクタ一体型高分子光導波路について説明する。
[コネクタ一体型高分子光導波路]
本発明の製造方法により作製されるコネクタ一体型高分子光導波路は、クラッド用フィルム基材に、光導波路コアと、該コアの側面及び上面にクラッド層が形成されたフレキシブルな高分子光導波路と、該高分子光導波路の少なくとも1つの端部において光導波路コアを挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブと、コネクタ形成用剛性部材とを有し、前記クラッド用フィルム基材及びコネクタ用スリーブがコネクタ形成用剛性部材に、スリーブ中心と光導波路コア中心が概ね同一直線上に存在する状態で固定されていることを特徴とする。
【0020】
本発明のコネクタ一体型高分子光導波路は、その少なくとも1端部に一対のコネクタ用スリーブと、該コネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材を一体に固定するコネクタ形成用剛性部材を設けたため、構造安定性に優れており、また、コネクタ形成用剛性部材は高分子光導波路の端部に設けられおり、それ以外は可撓性を保持しているため、使用形態についての自由度も残されている。
【0021】
前記コネクタ用スリーブは、高分子光導波路の2つの端部(長手方向)のうち、一方の端部に設けても、また、両端部に設けてもよい。以下では、コネクタ用スリーブを高分子光導波路の両端部に設ける例について説明する。
最初に図を用いて本発明のコネクタ一体型高分子光導波路について説明する。図1は、本発明のコネクタ一体型高分子光導波路100の一例を示す概略図で、図1(A)はコネクタ一体型高分子光導波路の平面図を、図1(B)はコネクタ一体型高分子光導波路の端部断面を表す図である。図1(A)及び図1(B)において、30はクラッド用フィルム基材、40は光導波路コア、40cは光導波路コアの中心、50aは側面クラッド層、50bは上面クラッド層、60は高分子光導波路、70はコネクタ用スリーブ、70cはスリーブ中心、80はコネクタ形成用剛性部材、90は接着剤層をそれぞれ示す。4つの光導波路コア中心4cと、2つのスリーブ中心7cは概ね同一直線上に存在する。本発明において、前記「概ね同一直線上」とは、2つのスリーブ中心7cを結ぶ直線と、4つの光導波路コア中心4cを結ぶ直線が互いに5μmより離れていないことを意味する。
また、図2は、図1(A)及び(B)で示すもののクラッド層(50b)と1対のコネクタ用スリーブの非固定面側を、別のコネクタ形成用剛性部材に固定した態様のコネクタ一体型高分子光導波路を示す。この態様のものはさらに構造安定性が増す。
【0022】
また、本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法は以下の1)から8)の工程、すなわち、
1)(i)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備し、(ii)原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成し、(iii)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離して、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を作製する工程、
2)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程
3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
5)鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程
6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程
7)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程、
8)形成された光導波路コアの側面及び上面にクラッド層を形成する工程
を有する。また、前記5)の鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程は、鋳型の準備工程以降であって、コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程より前のいつ行ってもよい。
【0023】
以下に、本発明によるコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法の一例について、その概略を工程順に説明する。この例では、高分子光導波路の一端部にコネクタ用スリーブとコネクタ形成用剛性部材を設けた例を示すが、両端に設ける場合は、同様にしてコネクタ一体型高分子光導波路を製造することができる。
(鋳型の作製)
まず、鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部と、コネクタ用スリーブ載置用の凹部とを有する鋳型を準備する。
鋳型の作製は、光導波路コアに対応する凸部と、コネクタ用スリーブ載置用の凹部を形成するための凸部を設けた原盤を用いて行うのが好ましい。
本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法においては、鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載せた場合の該スリーブと、光導波路コア凸部に対応する凹部の相対的位置関係は、そのまま本発明のコネクタ一体型高分子光導波路におけるコネクタ用スリーブと光導波路コアとの相対的位置関係になる。
したがって、鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にスリーブを載せたとき、スリーブ中心と鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部の中心とは、概ね一直線上にのるようにすることが必要である。図5(A)は、コアを形成した後、鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にスリーブを置いた状態を示すものであるが、スリーブ中心と光導波路コア凸部に対応する凹部の中心22c(同時にコア中心40cを指す)は、誤差5μm程度以内で同一直線上にのった状態を示している。そのため、原盤の前記コネクタ用スリーブ載置用の凹部を形成するための凸部を作製する際にもこのことを考慮する必要がある。
【0024】
光導波路コアに対応する凸部と、コネクタ用スリーブ載置用の凹部(スリーブ載置用凹部)形成のための凸部を設けた原盤の作製方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
原盤作製工程を示す図3(A)及び図3(B)に基づいて、原盤作製方法の一例を説明する。図3(B)が鋳型形成用の原盤の断面図を示している。図3(B)中、12は光導波路コアに対応する凸部であり、接着剤層17により基板11に接着されたピン15がスリーブ載置用凹部を形成するための凸部となる。前記ピンは鋳型凹部に載置するスリーブを長手方向に沿って2つに等分に切断したもののうちの1つの形状・大きさを有する。図3(B)で示すピンは、円筒状のコネクタ用スリーブに対応するように、円筒に対応する円柱を断面半円形になるように切断したものの1つである。また、図3(B)中、15cはピンの断面半円中心を示し、12cは光導波路コアに対応する凸部を示し、15cと12cは概ね一直線上にのっている。
【0025】
コネクタ用スリーブは、例えばMTコネクタのガイドピンのようなものを差し込む形状と大きさ(通常mm単位)を有しており、コアの径(通常μm単位)とはオーダーが異なるので、通常のフォトリソグラフィー法ではスリーブ載置用凹部を形成するための凸部を形成することはできない。そのため、図3(A)に示すように、基板上に光導波路コアに対応する凸部12と、2対のピン位置決め用凸部13a、13aと13b、13bを設けたものを用意し、対になっているピン位置決め用凸部の間にピンを位置決めして置き、これを接着剤で基板に接着する方法を採ることができる。
この場合、仮に接着剤の厚さが無視できる程度に薄いとすると、ピンの断面半円中心15c(鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にスリーブを載せたときのスリーブ中心に対応する)は、光導波路コア凸部中心12c(コア中心に対応する)とは、コア径の半分の長さだけずれることになる。したがって、この原盤を用いて鋳型を作製すると、鋳型のスリーブ載置用の凹部にスリーブを載置した場合、スリーブ中心とコア中心はコア径の半分の長さだけずれることになる。このことは逆に接着剤の厚さを調節することによりピンの断面半円中心とコア中心を一直線上に載せることができることを意味する。したがって、接着剤層の厚さを調節することにより、ピンの断面半円中心15cと光導波路コア凸部中心12cを一直線上に載せることができる(スリーブ中心とコア中心を一直線上に載せることができる。)。
また、スリーブの自重またこれに加え後述のコネクタ形成用剛性部材が鋳型変形に対して無視できないときは、鋳型物性からの計算又はシミュレーション実験により鋳型変形量を求め、その値に基づいて接着剤層の厚さを補正すればよい。
【0026】
本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法においては、前記のように鋳型にスリーブ載置用凹部を設け、接着剤層の厚さを適宜調節するだけで、スリーブ中心と光導波路コア中心が概ね同一直線上になるようにすることができる。
したがって、本発明においては、スリーブと光導波路コアの相対位置をたとえばアライメントマークなどを使って光学的に調整する必要がない。また実際に光導波路に光を通して調整した後にスリーブと導波路部分を固定するという工程も必要としない。スリーブと導波路の相対位置は、鋳型のみで決まっていて、コネクタ構成用剛体(コネクタ外枠)も特にデータム面を持ってはいない。
【0027】
次に、図3(C)及び図3(D)が示すように、前記のようにして作製した原盤の光導波路コアに対応する凸部及びスリーブ載置用凹部形成のための凸部を設けた面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型し、必要に応じ乾燥処理をした後、該樹脂を硬化させ、次いでその硬化樹脂層を剥離することにより、鋳型が作製される。図3(C)中、20aは鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を、また20は鋳型をそれぞれ示す。また、図3(D)中、20は鋳型を、22は光導波路コア凸部に対応する凹部を、24はコネクタ用スリーブ載置用の凹部をそれぞれ示す。
【0028】
次いで、図4(A)が示すように、鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部が形成された領域を覆うようにクラッド用フィルム基材30を密着させ(このとき、鋳型の凹部の両端部が顕れるようにクラッド用フィルム基材の長手方向の長さを調節する)、次に、図4(B)が示すように鋳型凹部にコア形成用硬化性樹脂40aを充填し、その後図4(C)が示すようにコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。図4(C)において、40はコア形成用硬化性樹脂の硬化物、すなわち光導波路コアを示す。
次に図5(A)が示すように、鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の2つの凹部にそれぞれコネクタ用スリーブ70を載置する。図5(A)で示す状態では、2つのスリーブ中心70cと、4つのコア中心40cは概ね同一線上にある。
さらに、スリーブの一部又は全部及び高分子光導波路の端部を覆うような大きさの(図1(A)参照)コネクタ形成用剛性部材80を、接着剤層90によりコネクタ用スリーブ70とクラッド用フィルム基材30に固定する(図5(B)参照)。
この後、鋳型を剥離し(図5(C)参照)、光導波路コアの側面及び上面にクラッド層50a(側面クラッド層)及び50b(上面クラッド層)を形成すると(図5(D)参照)、本発明のコネクタ一体型高分子光導波路が得られる。
また、更に、図5(E)に示すように、さらにもう1つのコネクタ形成用剛性部材80を、上面クラッド層50b及びスリーブ70の上に接着剤層90を介して固定し2つの剛体で上下に挟み込む形にすると、コネクタ一体型高分子光導波路の構造的安定性がさらに増し変形しにくくなる。
【0029】
本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法は、鋳型にコネクタ用スリーブ載置用凹部を、その凹部にスリーブを載置した場合、スリーブ中心が光導波路コア凸部に対応する凹部中心と一直線になるように形成するだけで、出来上がるコネクタ一体型高分子光導波路のスリーブ中心とコア中心が同一線上にのるので、製造工程が極めて単純化された、非常に簡便で低コストの製造方法である。また、従来煩雑なアライメント方法を用いる高コストの方法によって作製したコネクタ一体型高分子光導波路と性能に遜色はない。
さらに、高精度が要求されるコネクタ用スリーブも、円筒形などの単純な形状のものを用いることが可能なため、スリーブとしてステンレス管などの比較的安価な部品が利用でき、さらに低コストが実現される。
また、本発明の高分子光導波路の製造方法により、高分子光導波路の形状等を自由に設定することができ、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路が得られる。
【0030】
さらに、本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法について詳細に説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部と、コネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を準備する工程
<原盤の作製>
また、光導波路コアに対応する凸部とスリーブ位置決め用凸部の両方の凸部を同じ高さに形成すると、フォトリソグラフィー法により簡便に両凸部を形成することができる。しかし、光導波路コアに対応する凸部とスリーブ位置決め用凸部を作製する方法は、フォトリソグラフィー法以外にも、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)における成膜法を適用できる。
また、コネクタ用スリーブは円筒形に限られず、スリーブの外形が4角形で内部が円筒形にくり貫かれているものなどがあるので、用いるピンの断面形状は半円形だけでなく、用いるコネクタ用スリーブの形状・大きさに対応したものが用いられる。(円筒形スリーブの場合は、比較的容易に高精度のものが得られるため、特殊な形状でしかも高精度が要求される他の方法に比べて、低コストでコネクタ一体型高分子光導波路が作製できる。)
ピンは、ステンレスやアルミ、ガラス等の材料から機械加工などの手段により所望の形状・大きさに加工される。
前記光導波路コアに対応する凸部の大きさは高分子光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、5〜10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度と更に大きなコア部を持つ光導波路も利用される。
【0031】
<鋳型の作製>
鋳型は、前記のようにして作製した原盤の凸部形成面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型し、必要に応じ乾燥処理をした後、該樹脂を硬化させ、次いでその硬化樹脂層を剥離して作製される。また、前記の図4(A)ないし図4(C)で示したように、鋳型を下にして、クラッド用フィルム基材を鋳型の上に密着させる場合には、鋳型の一端部に、光導波路コア凸部に対応する凹部に連通するコア形成用硬化性樹脂の液溜まり部(液溜まり穴)を設けることが好ましい。液溜まり部は各凹部が共通に連通するように1つ設けても、各凹部に対応した数の液溜まり部を設けてもよい。また、鋳型の他端部には、光導波路コア凸部に対応する凹部に連通し、そこから減圧吸引が可能なような減圧吸引部(減圧吸引穴)を設けてもよい。減圧吸引部も各凹部が共通に連通するように1つ設けても、各凹部に対応した数を設けてもよい。
図6に各凹部の一端及び他端にそれぞれ液溜まり部26及び減圧吸引部28を形成した鋳型の平面図を示す。なお、液溜まり部及び減圧吸引部は、コア形成用硬化性樹脂の充填の工程において、それぞれ逆の機能を果たすように用いてもよい(実施例1を参照)。
図7には、ピッチ変換型高分子光導波路を作製する場合、小さなピッチの側に各凹部に共通な液溜まり部26を1つ、大きなピッチの側に各凹部に減圧吸引部28を鋳型に形成した例を示す。
【0032】
また、クラッド用フィルム基材を下にして、鋳型をその上に載せる場合には、鋳型には、前記凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口、及び前記凸部に対応する凹部から前記樹脂を排出させるための排出口が形成されるが、その形成方法は特に制限はない。原盤に予め進入口や排出口に対応する凸部を設けておくこともできるが、簡便な方法としては、例えば、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を形成した後剥離して型をとり、その後、型の両端を前記凹部が露出するように切断することにより進入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。この場合には、鋳型より一回り大きいクラッド用フィルム基材を用い、進入口に接するようにコア形成用硬化性樹脂をクラッド用フィルム基材の上に数滴垂らして、鋳型凹部に前記樹脂を充填させればよい。
前記硬化樹脂層の厚さは、鋳型としての取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。
また、前記原盤にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行なって鋳型との剥離を促進することが望ましい。
【0033】
鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、クラッド用フィルム基材との密着性が良好なことが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
【0034】
鋳型形成用硬化性樹脂の粘度は、原盤の表面に塗布や注型等をすることが可能な点、原盤に形成された個々の光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取ることができる点、気泡の混入が少なく脱泡し易い点、数ミリの厚さの樹脂硬化層を形成する点などを考慮して、500〜7000mPa・s程度が好ましく、より好ましくは2000〜5000mPa・s程度である。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えることができる。
【0035】
前記鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでも硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでも室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
【0036】
前記硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましく用いられる。
【0037】
前記液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いために、これから作った鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのままクラッド層として利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
【0038】
さらに、鋳型の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、好ましくは15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性の点からみて好ましい。
鋳型のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80、好ましくは20〜60であることが、型取り性能、凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下にすることが、型取り性能の点からみて好ましい。
【0039】
また、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用い、鋳型を透し該樹脂に紫外線を照射する場合には、鋳型は紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
【0040】
前記硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、クラッド用基材との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムとクラッド用基材とを密着させると液体の進入さえ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型は高精度に原盤を写し取り、クラッド用基材に良く密着するため、鋳型とクラッド用基材の間の凹部のみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、さらにクラッド用基材と鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型からは高精度に形状を維持した高分子光導波路を、極めて簡便に作製することができる。
【0041】
また、前記硬化樹脂層、とりわけ硬化樹脂層が硬化性液状シリコーンゴムの硬化物のごとくゴム弾性を有する場合、硬化樹脂層の一部すなわち原盤凸部を写し取る部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型のハンドリング性が向上する。例えば、表面を研磨した金属の板を用意し、表面を精密型彫り加工して凹部を作製し、少なくとも光導波路コアに対応する凹部の表面又はその近傍に、前記のごとき硬化性液状シリコーンゴムを塗布しその後硬化させてシリコーンゴム薄膜を形成する方法が挙げられる。また他の方法として、前記原盤に塗布した後剛性を有する板などで覆い、その後硬化させて硬化樹脂層と板を一体化させる方法でもよい。
さらに、前記のごとき方法で作製した原盤を用い、電鋳法によりニッケル製凹型を作製し、このニッケル製凹型に硬化性液状シリコーンゴムをディップ法により厚さ数μmで塗布しても、本発明の鋳型として十分機能しうる。本実施例で述べられているような鋳型として機能できる。(この鋳型凹部にコネクタ用スリーブを設置したとき鋳型のたわみはほとんど無視できる。)
【0042】
また、鋳型を剥離せずクラッド層(側面、上面)として利用することも可能である(請求項の方法)。この場合、前記鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層が光透過性であり、その屈折率と前記4)の工程で形成されるコアの屈折率との差が0.01以上あることが必要となる。
【0043】
2)前記鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程
本発明の光導波路は、カプラー、ボード間の光配線や光分波器等としても使用しうるので、その用途に応じて前記フィルム基材の材料としては、該材料の屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー(可撓性)等を考慮して選択される。可撓性のフィルム基材を用い、可撓性を有する高分子光導波路を作製することが好ましい。前記フィルムとしては脂環式アクリル樹脂フイルム、脂環式オレフィン樹脂フイルム、三酢酸セルロースフイルム、含フッ素樹脂フイルム等が挙げられる。
フィルム基材の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.53より小さく、好ましくは1.52より小さくすることが望ましい。
【0044】
前記脂環式アクリル樹脂としてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂としては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明の高分子光導波路の作製に適している。
【0045】
また、前記フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
さらに、クラッド用フィルム基材として、フィルムの光導波路コア形成面とは反対側の面に電極用の銅パターンが着膜しているものを用いることもできる。この場合、コア形成用硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂の硬化は鋳型を透して行われる。
【0046】
3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
この工程においては、鋳型の凹部の一端からコア形成用硬化性樹脂を毛細管現象により前記鋳型の凹部に充填する一方、前記凹部の他端からはコア形成用硬化性樹脂を排出させる。
コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。
また、前記紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。
【0047】
コア形成用硬化性樹脂は、毛細管現象により鋳型とフィルム基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填させるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。したがって、前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s〜2000mPa・s、望ましくは20mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは30mPa・s〜500mPa・sにするのが好ましい。
このほかに、原盤に形成された光導波路コアに対応する凸部が有する元の形状を高精度に再現するため、前記硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。したがって、前記硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、10%以下、好ましくは6%以下であるのが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加することができる。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。前記ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記フィルム基材(以下の7)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要で、1.52以上、好ましくは1.54以上である。クラッド(以下の7)の工程におけるクラッド層を含む)とコアの屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.03以上である。
【0049】
また、この工程において、毛細管現象によるコア形成用硬化性樹脂の鋳型凹部への充填を促進するために、系全体を減圧(0.1〜200Pa程度)することが望ましい。また系全体を減圧にする代わりに、鋳型の、前記硬化性樹脂と接触する一端とは異なる端からポンプで吸引したり、あるいは前記硬化性樹脂と接触する一端において加圧したりすることもできる。ポンプ吸引の場合は、大気圧に対する負圧として0.1KPa〜80kPa程度が望ましい。
また、前記充填を促進するため、前記系の減圧に加えて、鋳型の進入口から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することにより、より低粘度化することも有効な手段である。
【0050】
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。このとき鋳型の凹部内の各硬化性樹脂に対しては、均等に熱を付与したり、紫外線を均等に照射するようにする。
紫外線を照射する場合には、クラッド用フィルム基材の法線方向に、クラッド用フィルム基材又は鋳型を通して照射する。
【0051】
5)鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程
本発明で使用するコネクタ形成用剛性部材は、コネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材を固定して両者の相対位置を一定に保つ機能をもつので、環境の変化や力がかかった場合でも変位量が少ないものが望まれる。そのため、ステンレス等の金属板のプレス加工品、樹脂もしくは樹脂と金属の混合物もしくはガラスの成形体、セラミックの焼結体等が好適に用いられる。
コネクタ形成用剛性部材の厚さは材料によっても異なるが、剛性及びコネクタ外形形状等等を考慮すると、一般的に一般的に0.3mm〜5mm程度である。
【0052】
6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程
コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する際、接着時に温度変化があると、接着完了までにスリーブ中心と光導波路コア中心の相対的位置が変化してしまう虞があるため、前記コネクタ形成用剛性部材の固定に使用する接着剤は、常温で硬化接着するものであることが望ましい。コネクタ一体型高分子光導波路のコネクタ形成用剛性部材を固定した部分には、特に光透過性は必要ないため、例えば2液混合型のエポキシ系接着剤やシアノアクリレート系の接着剤などの、常温で硬化して、かつ硬化収縮が小さく、コネクタ用スリーブ及びクラッド用フィルム基材を、コネクタ形成用剛性部材に接着できるものなら何でも使用できる。
この際硬化収縮の影響を最小限にするため、接着層の厚みが概ね均一であることが望ましい。これを満たすためにはコネクタ形成用剛性部材の接着面が、概ね前記のコネクタ用スリーブと高分子光導波路に添った形状であることが好ましい。しかしデータムとしてあてつけるわけではないため、その精度は前述した金属板のプレス加工品程度で十分である。
【0053】
またコネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブ等に接着固定する際に、前記剛性部材自身の重さにより補正しきれないほど鋳型が変形してしまう虞がある場合は、コネクタ形成用剛性部材の重量が鋳型にかからないように別の保持手段を併用しつつ接着固定すればよい。
接着が完了した時点で、コネクタと導波路コアの相対的位置は固定される。
【0054】
6)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程
前記4)の工程の後、鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する。また、前記1)〜3)の工程で用いる鋳型は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド層に用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド層として利用する。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
【0055】
8)コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド層を形成する工程
コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド層を形成するが、クラッド層としてはフィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用フィルム基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
クラッド形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加することができる。
【0056】
クラッド層としてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率が該フィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、クラッド層に添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
クラッド層の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55以下、好ましくは1.53以下とすることが望ましい。また、前記クラッド用基材とクラッド層との屈折率差は小さい方が好ましく、その差は0.05以内、好ましくは0.001以内、更に好ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて好ましい。
【0057】
前記8)の工程の後、前記のように、さらに別のコネクタ形成用剛性部材を用意し、2つの剛性部材で上下に挟み込む形で接着を行うことによって、さらに構造安定性の高いコネクタを得ることができる。
【0058】
本発明の高分子光導波路の製造方法において、特に、鋳型形成用硬化性樹脂として硬化してゴム状になる液状シリコーンゴム、中でも液状ジメチルシロキサンゴムを用い、クラッド用フィルム基材として主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂を用いる組み合わせは、両者の密着性が特に高く、また、鋳型凹部構造の変形がなく、さらに凹部構造の断面積が極めて小さくても(たとえば10×10μmの矩形)毛細管現象により素早く凹部に硬化性樹脂を充填することができる。
【0059】
さらに、本発明のコネクタ一体型高分子光導波路には、光導波路コアの一端に面発光レーザーアレイ等の発光部を設けることもできる。図8はその一例を示す平面図で、高分子光導波路の一端に面発光レーザーアレイを連結し、他端は、光導波路コアを挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブと、コネクタ形成用剛性部材とを有し、コネクタ形成用剛性部材にクラッド用フィルム基材及びコネクタ用スリーブが固定されている。図8中、100はコネクタ一体型高分子光導波路、92は面発光レーザーアレイ、80はコネクタ形成用剛性部材、70はコネクタ用スリーブ、40は光導波路コア、30はクラッド用フィルム基材をそれぞれ示す。
【0060】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
この例では、図1で示すような4×4の分岐光導波路コアをもつ、コネクタ一体型高分子光導波路を作製した。
まず、Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、4×4の分岐光導波路コアに対応する凸部[分岐部における凸部断面が50μm×50μmの正方形であり、ミキシング部における凸部断面が200μm×10mmの長方形であり、ピッチ(後述のダイシングソー切断面に顕れるコア位置に対応する位置の凸部ピッチ)は250μmで、凸部長さは作製される高分子光導波路のミキシング部を含むコア全長30mmにダイシングソー切断部分を足した長さである]と、コネクタ用スリーブ載置用の凹部を形成する凸部を設けるために必要なピン位置決め用凸部(断面が50μm×50μmの正方形のラインで描かれた、内側が1.1mm×8.05mmとなる長方形で、ピン位置決め用凸部の長方形中心ともう一対のピン位置決め用凸部の長方形中心との間の距離は市販のMTコネクタに合わせて4.6mmとした)を形成した(図3(A)参照)。これを120℃でポストベークした。
【0061】
別途、半円断面をもつ直径1.1mm、長さ8.05mmのニッケル製ピンを4本用意した。
この4本のピンを前記のようにして形成した4対のピン位置決め用凸部をデータムにして、Si基板に接着剤で固定した。接着剤層の厚さは20μmとした。本発明のコネクタ一体型高分子光導波路作製用の原盤が得られた(図3(B)参照)。
【0062】
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性ジメチルシロキサン樹脂(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184)を流し込み、120℃で30分間加熱して固化させた後剥離して、4×4分岐の光導波路コア用凹部及びコネクタ用スリーブ載置用凹部が形成されたもの(硬化樹脂層の厚さ:5mm)を作製した(図3(D)参照)。
さらに、前記硬化樹脂層における、光導波路コア凸部に対応する各凹部の各両端に連通する円形の穴(直径1mm、深さ1mm)をあけて、液溜まり部及び減圧吸引部を作り鋳型とした(図6を参照)。コネクタ用スリーブ載置用凹部の位置は、市販のMTコネクタに合う4.6mmピッチとなった。
この鋳型を凹部が上になる状態に設置し、鋳型の光導波路コア用凹部形成領域を覆うように、長さ40mm、幅2.5mm、膜厚188μmのクラッド用フィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を鋳型に密着させた。
【0063】
次に、鋳型に形成されている液溜まり部の一つの孔に、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を充分に満たして、隣にある3つの孔を蓋により密閉した。そして鋳型の他端部にある4つの減圧吸引部の穴からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で20kPaの吸引力で吸引したところ、前記液溜まり部に連通している凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。次に減圧吸引部の4つの孔に同じ樹脂を満たし、前記の密閉した3箇所の孔から同様に吸引を行ったところ、すべての光導波路コアに相当する凹部に紫外線硬化樹脂が充填された。この充填時間は5分間であった。
次いで、50mW/cm2のUV光をアートンフイルムを透して5分間照射して紫外線硬化させた。コアの屈折率は1.59であった。
【0064】
次に、コネクタ用スリーブ載置用の凹部4箇所に、内径が0.7mmで肉圧が0.2mm、長さが8mmである、ステンレス製で円筒形のコネクタ用スリーブを載置した(図5(A)参照)。このとき鋳型のスリーブ設置部分は、スリーブの自重により5μm程度たわんだ状態で安定した。この状態で、50μm角の光導波路コアの中心と円筒形スリーブの中心は同一直線上にあった。
別途、コネクタ形成用剛性部材を4つ用意した。前記部材は、ステンレス板をプレス加工したもので、ステンレス板は厚さ0.7mm、長さ8mm、幅7mmであり、また、コネクタ用スリーブの半円部分に添うようにスリーブ当接部分には曲率がつけられている。この部材の内側にシアノアクリレート系接着剤を塗布し、図1で示すようにコネクタ形成用剛性部材の端と端を前記のスリーブの端と端に合わせて、スリーブとクラッド用フィルム基材に接着させた。もう1つのコネクタ形成用剛性部材も同様にして、高分子光導波路の他端側のスリーブとクラッド用フィルム基材に接着させた。
【0065】
接着完了後、鋳型を剥離し(図5(C)参照)、その後コア形成面に長さ40mm、幅2.5mm、膜厚188μmのアートンフィルムを、屈折率1.51の紫外線硬化性樹脂接着剤を用いて接着し、側面クラッド層及び上面クラッド層を形成した(図5(D)参照)。
さらに、残りのコネクタ形成用剛性部材を2つ、前記と同様にしてスリーブ及びクラッド層に接着した(図5(E)参照)。
最後に、コネクタ形成用剛性部材のそれぞれの端からはみ出ているアートンフィルムをダイサーにより切断して、概念図1で示すような構造のコネクタ一体型高分子光導波路が作製された。
【0066】
完成したコネクタ一体型4×4分岐高分子光導波路は、光ファイバーが接合したMTコネクタに接続することが可能であり、その導波路性能は分岐均一性10%、挿入損失平均3dBであった。この挿入損失値は、同様の分岐構造をもち精密なアライメント調整を行ったものに比べて0.1〜0.2dB程度しか悪化しなかった。また温度70℃・湿度95%の環境下では挿入損失平均3.2dBであった。
【0067】
実施例2
実施例1において、ステンレス板からなるコネクタ形成用剛性部材を上下にはさまずに片方だけ設ける他は(図5(D)参照)、実施例1と同様にしてコネクタ一体型高分子光導波路を作製した。この構造のものでも初期の挿入損失は平均3dBであり、かつコストが実施例1に比べて低減できた。ただし温度70℃湿度95%の環境下では挿入損失平均4dBに増加したため、常温環境下で使用するコネクタに適していると考えられる。
【0068】
実施例3
実施例1において、コネクタ形成用剛性部材として、ステンレス板の代わりに、エポキシ樹脂に金属粉を70重量%混合したもの、エポキシ樹脂にガラス粉を70重量%混合したもの、ガラス、又はセラミック焼結体をその材料として用い、実施例1のコネクタ形成用剛性部材と同じ形状及び大きさに成型したものを用い、また、固定用接着剤として2液混合型のエポキシ樹脂を用いたところ、実施例1とほぼ同じ性能を有するコネクタ一体型高分子光導波路が得られた。またより低コストを狙ってアルミダイキャスト製のものを用いたところ、常温時の性能は実施例1と同様であったが、高温時の挿入損失が3.4dBに増加した。
【0069】
実施例4
実施例1において、前記コネクタ用スリーブとして用いたステンレスチューブの代わりに、ジルコニア、ニッケル、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と金属粉の混合物、結晶化ガラスを用いて同様にチューブ形状に成形したコネクタ用スリーブを用いたところ、実施例1とほぼ同じ性能を有するコネクタ一体型高分子光導波路が得られた。
【0070】
実施例5
実施例1において、クラッド用フィルム基材として、アートンフィルムに電極用の銅パターンが光導波路コア非形成面に着膜しているものを用い、また、紫外線硬化性樹脂の硬化は、鋳型下面から同じ強度の紫外光を7分間照射することに変更する他は、実施例1と同様にしてコネクタ一体型高分子光導波路を作製したところ、実施例1と同様の性能が得られた。
【0071】
実施例6
この例では、ピッチ変換型光導波路コアを有するコネクタ一体型高分子光導波路を作製した。
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、8本の光導波路コアに対応する凸部(凸部断面は50μm×50μmの正方形であり、後述の1つのダイシングソー切断面に顕れるコア位置に対応する位置の凸部ピッチが250μmであり、もう1つのダイシングソー切断面に顕れるコア位置に対応する位置の凸部ピッチが2mmであり、凸部長さは作製される高分子光導波路のコア全長15mmにダイシングソー切断部分を足した長さである)、及び凸部ピッチ2mmの端部にコネクタ用スリーブ載置用の凹部を形成する凸部を設けるために必要なピン位置決め用凸部(断面が50μm×50μmの正方形のラインで描かれた、内側が1.1mm×8.05mmとなる長方形で、ピン位置決め用凸部の長方形中心ともう一対のピン位置決め用凸部の長方形中心との間の距離は20mmとした)を形成した。これを120℃でポストベークした。
半円断面をもつ直径1.1mm、長さ8.05mmのニッケル製ピンを2本用意した。
この2本のピンを前記のようにして形成した2対のピン位置決め用凸部をデータムにして、Si基板に接着剤で固定した。接着剤層の厚さは20μmとした。本発明のコネクタ一体型高分子光導波路作製用の原盤が得られた
【0072】
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性ジメチルシロキサン樹脂(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184)を流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた後剥離して、8チャンネルのピッチ変換型光導波路コア用凹部及びコネクタ用スリーブ載置用凹部が形成されたもの(硬化樹脂層の厚さ:5mm)を作製した。これにさらに、ピッチ250mm側の各凹部が共通して露出するような楕円形の穴(長軸3mm・短軸1mm、深さ1mm)を開け、また、ピッチ2mm側の各凹部に連通する円形の穴(直径1mm、深さ1mm)の穴を8つ開け、液溜まり部及び減圧吸引部を作り鋳型とした(図7を参照)。
【0073】
この鋳型を凹部が上になる状態に設置し、鋳型の光導波路コア用凹部形成領域を覆うように、長さ20mm、幅16mm、膜厚188μmのフィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を鋳型に密着させた。
次に、鋳型に形成されているピッチ250mm側の穴に、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を充分に満たして、ピッチ2mm側にある8つの孔からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で20kPaの吸引力で吸引したところ、すべての鋳型凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。この充填時間は5分間であった。次いで、50mW/cm2のUV光をアートンフイルムを透して5分間照射して紫外線硬化させた。コアの屈折率は1.59であった。
【0074】
次に、スリーブ載置用の凹部2箇所に、内径が0.7mmで肉圧が0.2mm、長さ8mmのステンレス製の円筒形スリーブを設置した。このとき鋳型の円筒形スリーブ設置部分は、円筒形スリーブの自重により5μm程度たわんだ状態で安定した。この状態で、50μm角の光導波路コアの中心と円筒形スリーブの中心は同一直線上に位置していた。
別途、コネクタ形成用剛性部材を2つ用意した。前記部材は、ステンレス板をプレス加工したもので、ステンレス板は厚さ0.7mm、長さ8mm、幅25mmであり、また、コネクタ用スリーブの半円部分に添うようにスリーブ当接部分には曲率がつけられている。
この部材の内側にシアノアクリレート系接着剤を塗布し、前記のスリーブ及びクラッド用フィルムに接着した。
接着完了後、鋳型を剥離し、コア形成面に、長さ20mm、幅16mm、膜厚188μmのアートンフィルムを、屈折率1.51の紫外線硬化性樹脂接着剤を用いて接着し、側面クラッド層及び上面クラッド層を形成した。
さらに、もう1つのコネクタ形成用剛性部材を前記と同様にしてスリーブ及びクラッド層に接着した。最後に、コネクタ形成用剛性部材からはみ出ているアートンフィルムをダイシングソーにより切断し、また、コアピッチが250μmの側の端部を同様に切断した。
【0075】
このような工程を経て完成したピッチ変換高分子光導波路の250μmピッチ側を1×8VCSELアレイ(富士ゼロックス製)に接着し、2mmピッチ側をコア計200μmのPOFが8本合わさったコネクタに接続することが可能であり、その挿入損失は平均1dBであった。この挿入損失値は、同様の分岐構造をもち精密なアライメント調整を行ったものに比べて0.1〜0.2dB程度しか悪化しなかった。また温度70℃湿度95%の環境下では挿入損失平均1.2dBであった。このようにして集積度を高めたVCSELアレイを、コネクタの位置合わせなく効率よく口径の大きなPOFに導く導波路が完成できた。
【0076】
【発明の効果】
本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法は、鋳型にコネクタ用スリーブ載置用凹部を、その凹部にスリーブを載置した場合、スリーブ中心が光導波路コア凸部に対応する凹部の中心と一直線になるように形成するだけで、出来上がるコネクタ一体型高分子光導波路のスリーブ中心とコア中心が同一線上にのるので、非常に簡便で低コストの製造方法である。また、従来の煩雑なアライメント方法を用いる高コストの方法によって作製したコネクタ一体型高分子光導波路と性能に遜色はない。
また、高精度が要求されるコネクタ用スリーブも、円筒形などの単純な形状のものを用いることが可能なため、スリーブとしてステンレス管などの比較的安価な部品が利用でき、さらに低コストが実現される。
そして、本発明の製造方法によって作製されるコネクタ一体型高分子光導波路は、その少なくとも1端部にコネクタ用スリーブと、該コネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材を一体に固定するコネクタ形成用剛性部材を設けたため、構造安定性に優れており、また、コネクタ形成用剛性部材は高分子光導波路の端部に設けられおり、それ以外は可撓性を保持しているため、使用形態についての自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法によって作製されるコネクタ一体型高分子光導波路の一例を示す図であり、(A)は平面図を、(B)は端面を示す図である。
【図2】 本発明の製造方法によって作製されるコネクタ一体型高分子光導波路の他の一例の端面を示す図である。
【図3】 本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造工程を示す概念図で原盤作製から鋳型作製までの工程を示す。
【図4】 本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造工程を示す概念図で、鋳型にクラッドフィルムを密着させる工程からコア作製までの工程を示す。
【図5】 本発明のコネクタ一体型高分子光導波路の製造工程を示す概念図で、鋳型凹部にスリーブを載置する工程からコネクタ形成用剛性部材を接着し、クラッド層を形成するまでの工程を示す。
【図6】 本発明の製造方法において用いる鋳型の一例を示す平面図である。
【図7】 本発明の製造方法において用いる鋳型の他の例を示す平面図である。
【図8】 光導波路コアの一端に面発光レーザーを設けたコネクタ一体型高分子光導波路の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 原盤
12 光導波路コアに対応する凸部
13a、13b ピン位置決め用凸部
15 ピン
17 接着剤層
20a 鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層
20 鋳型
22 光導波路コアに対応する凹部
24 スリーブ載置用凹部
22c 光導波路コアに対応する凹部の中心
30 クラッド用フィルム基材
40a コア形成用硬化性樹脂
40 コア
40c コア中心
50a、50b クラッド層
60 高分子光導波路
70 コネクタ用スリーブ
70c コネクタ用スリーブ中心
80 コネクタ形成用剛性部材
90 接着剤層
92 面発光レーザーアレイ
100 コネクタ一体型高分子光導波路

Claims (7)

  1. 1)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備する工程、2)前記原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成する工程、3)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離する工程を有する、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を製造する方法。
  2. 1)(i)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備し、(ii)原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成し、(iii)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離して、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を作製する工程、2)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程、6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程、7)鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程、8)形成された光導波路コアの側面及び上面にクラッド層を形成する工程、を有するコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
  3. 前記5)の鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程は、1)の鋳型を作製する工程より後で、6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程より前に行われることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
  4. 前記4)の工程において、コア形成用硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂であり、紫外線をクラッド用フィルム基材の法線方向に、クラッド用フィルム基材又は鋳型を通して照射することを特徴とする請求項2に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
  5. 前記接着剤が、常温硬化型の硬化性接着剤であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
  6. 前記鋳型の硬化樹脂層において、少なくとも光導波路コア凸部に対応する凹部とコネクタ用スリーブ載置用凹部の表面、及びこれらの近傍が、液状シリコーンゴムの硬化物から形成されていることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
  7. 1)(i)光導波路コアに対応する凸部、及び光導波路コアに対応する凸部を挟む位置に設けた1対のコネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部を、光導波路コアに対応する凸部の長手方向の両端に有し、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部が1対の位置決め用凸部の間に置かれたピンによって形成され、かつ、光導波路コアに対応する凸部の中心と、コネクタ用スリーブ載置用凹部形成のための凸部の中心とが概ね同一直線上にのっている原盤を準備し、(ii)原盤の凸部が形成された面に鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成し、(iii)鋳型形成用硬化性樹脂の層を硬化した後、硬化樹脂層を原盤から剥離して、光導波路コア凸部に対応する凹部と、両端に1対のコネクタ用スリーブ載置用の凹部を有する鋳型を作製する工程、2)鋳型にクラッド用フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の光導波路コア凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)鋳型のコネクタ用スリーブ載置用の凹部にコネクタ用スリーブを載置する工程、6)コネクタ形成用剛性部材をコネクタ用スリーブとクラッド用フィルム基材に接着剤層で固定する工程、を有するコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法であって、前記鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層が光透過性であり、その屈折率と前記4)の工程で形成されるコアの屈折率との差が0.01以上あることを特徴とするコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法。
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