JP2006023385A - 積層型光導波路フィルム及びその製造方法、並びに導波路型光モジュール - Google Patents

積層型光導波路フィルム及びその製造方法、並びに導波路型光モジュール Download PDF

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Abstract


【課題】 発光素子や受光素子の結合が容易で、結合効率のよい積層型光導波路フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の導波路コア13,17が形成され、導波路コア13、17が露出する端面が複数形成された積層型光導波路フィルム10であって、複数の端面のうち少なくとも1つの端面は導波路コア13、17端面が厚み方向に積層されかつ積層型光導波路フィルム10面に対し垂直面であり、少なくとも1つの端面は導波路コア端面が単層に配列されかつ光路変換ミラー面である積層型光導波路フィルムである。前記積層型光導波路フィルム10の光路変換ミラー面が形成された端部に、平面発光素子及び/又は平面受光素子を結合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型光導波路フィルム及びその製造方法、並びに前記積層型光導波路フィルムを用いる導波路型光モジュールに関する。
高分子光導波路の製造方法としては、(1)フイルムにモノマーを含浸させてコア部を選択的に露光して屈折率を変化させフイルムを張り合わせる方法(選択重合法)、(2)コア層及びクラッド層を塗布後、反応性イオンエチングを用いてクラッド部を形成する方法(RIE法)、(3)高分子材料中に感光性の材料を添加した紫外線硬化樹脂を用いて、露光・現像するフォトリソグラフィー法を用いる方法(直接露光法)、(4)射出成形を利用する方法、(5)コア層及びクラッド層を塗布後、コア部を露光してコア部の屈折率を変化させる方法(フォトブリーチング法)等が提案されている。
しかし、(1)の選択重合法はフイルムの張り合わせに問題があり、(2)や(3)の方法は、フォトリソグラフィー法を使うためコスト高になり、(4)の方法は、得られるコア径の精度に課題がある。また、(5)の方法はコア層とクラッド層との十分な屈折率差がとれないという問題がある。
現在、性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子光導波路を形成するのに適用しうるものではない。
これに対し、本発明者等は、前記のごとき従来の高分子光導波路の製造方法とは全く異なる方法として、鋳型を用いることによる高分子光導波路の製造方法を発明し出願した(以下の特許文献1から3までを参照)。この方法は、極めて簡便に低コストで高分子光導波路を量産することが可能で、また、簡便な方法であるにもかかわらず、導波損失が小さい高分子光導波路を作製することが可能で、鋳型作製が可能であればどのようなパターン形状を有するものでも簡易に作製可能である。更に、従来作製が困難であったフレキシブル基材の上に光導波路を作製することが可能となった。
さらに本発明者等は、特願2002−224642号として積層型の高分子光導波路を形成する方法を先に出願した。積層構造の高分子光導波路を実現できれば、例えば多数の光ファイバーを積層したタイプの光ファイバーアレイに容易に光を導くことができ、容易に大容量のデータ伝送用光モジュールが作製できる。
積層型の高分子光導波路としては、以下の特許文献4や特許文献5が知られている。しかしながら、これらの特許文献に開示されている積層型の高分子光導波路は、非常に複雑な構造を有し、ミラーやレンズを高分子光導波路内に埋め込む必要があり、低コストで作製することは不可能である。また、高分子光導波路と受発光素子を貼り合わせる場合にも位置合わせを高精度に行う必要があり、実装に要するコストが大きな問題となっていた。
そして、積層型の高分子光導波路にVCSELなど平面発光素子や平面受光素子を組み合わせて導波路型光モジュールとすることが実装密度の点から有力である。しかも多数の素子を用いればさらなる伝送速度の向上も図れる。しかし積層型光導波路をVCSELに組み合わせるためには、導波路面に対してVCSELを垂直実装するか、あるいは以下の特許文献6に記載のように、45°反射ミラー構造とマイクロレンズを組み合わせる必要があった。これは積層型光導波路の場合、45°ミラーによって対応した光学素子と導波路コアまでの距離が積層数によって異なり、光をコリメートしなければ効率のよい結合が不可能なためである。そのためマイクロレンズ構造を発光素子側に設置する必要があり、コスト高の原因となっていた。さらに受光素子を結合させるためには、コア端部にそれぞれマイクロレンズ構造が必要となる。この構造を通常の高分子導波路作製プロセスに組み込むのはきわめて難しい上、コスト高を招く。これ以外の構造ではクロストークの対策が難しく、このような平面実装の積層導波路構造を用いた光モジュールを実現するための問題になっていた。
特開2004−29507号公報 特開2004−86144号公報 特開2004−109927号公報 特開2000−39530号公報 特開平11−183747号公報 特許3062345号明細書
本発明は、前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、非常に簡素化された構造でありながら発光素子や受光素子等の結合が容易で、結合効率もよい積層型光導波路フィルム及びその製造方法を提供すること、前記積層型光導波路フィルムを用いた導波路型光モジュールを提供することにある。
前記課題は、以下の積層型光導波路フィルム及びその製造方法、ならびに導波路型光モジュールを提供することにより解決される。
(1)複数の導波路コアが形成され、導波路コアが露出する端面が複数形成された積層型光導波路フィルムであって、複数の端面のうち少なくとも1つの端面は導波路コア端面が厚み方向に積層されかつ積層型光導波路フィルム面に対し垂直面であり、少なくとも1つの端面は導波路コア端面が単層に配列されかつ光路変換ミラー面であることを特徴とする積層型光導波路フィルム。
(2)複数の導波路コアが形成され、導波路コアが露出する端面が複数形成され、複数の端面のうち少なくとも1つの端面は導波路コア端面が厚み方向に積層されかつ積層型光導波路フィルム面に対し垂直面であり、少なくとも1つの端面は導波路コア端面が単層に配列されかつ光路変換ミラー面である積層型光導波路フィルムの、光路変換ミラー面が形成された端部に、平面発光素子及び/又は平面受光素子が結合された導波路型光モジュール。
(3)前記平面発光素子及び/又は平面受光素子は、前記端部にレンズを介さずに直接接着していることを特徴とする前記(2)に記載の導波路型光モジュール。
(4)前記垂直面が形成された端部に、光ファイバーアレイが結合可能なコネクタを設けたことを特徴とする前記(2)に記載の導波路型光モジュール。
(5)前記(1)に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法であって、クラッドフィルム上に導波路コアを形成した2枚のリッジ型導波路を準備する工程、2枚のリッジ型導波路を導波路コアが対向するようにかつ間隙を制御して配置する工程、前記間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填する工程、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化する工程、前記工程により得られた積層導波路の導波路コアが積層された端部を垂直面に形成し、導波路コアが単層に配列された端部に光路変換ミラー面を形成する工程を有する、前記(1)に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法。
(6)前記(1)に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法であって、2枚のクラッドフィルムの間に導波路コアが形成された埋め込み型導波路を複数枚準備する工程、複数枚の埋め込み型導波路をその積層側の間隙を制御して配置する工程、前記積層側間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填する工程、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化する工程、前記工程により得られた積層導波路の導波路コアが積層された端部を垂直面に形成し、導波路コアが単層に配列された端部に光路変換ミラー面を形成する工程、を有する前記(1)に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法。
(7)前記(1)に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法であって、2枚のクラッドフィルムの間に導波路コアが形成され、積層側端部に垂直面を単層配列側に光路変換ミラー面を形成した埋め込み型導波路を複数枚準備する工程、複数枚の埋め込み型導波路をその積層側の間隙を制御して配置する工程、前記積層側間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填する工程、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化する工程、を有する前記(1)に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法。
本発明の積層型光導波路フィルムは、導波路コアが積層構造を有する端部(積層側端部)と並列構造を有する端部(並列側端部)を有するため、非常に簡素化された構造でありながら、光ファイバー側や発光素子・受光素子、特に平面型受発光素子への結合が容易で、結合効率もよく、したがって、導波路型光モジュールへの実装も容易である。
そして本発明の導波路型光モジュールは、前記のごとき積層型光導波路フィルムを単に発光素子、受光素子、コネクタなどに接着剤等により接合することにより作製可能であり、マイクロレンズ等が不要であるので非常に低コストである。また、任意の規格コネクタに対応した形状が作製できるため、任意の光ファイバーアレイに対応した導波路型光モジュールが実現可能になる。
本発明の積層型光導波路フィルムは、複数の導波路コア(以下、単に「コア」ということがある。)が形成され、コアが露出する端面が複数形成された積層型光導波路フィルムであり、前記複数の端面のうち少なくとも1つの端面はコア端面が厚み方向に積層されかつ積層型光導波路フィルム面に対し垂直面であり、少なくとも1つの端面はコア端面が単層に配列(以下において「並列」ということがある。)されかつ光路変換ミラー面であることを特徴とする。
以下ではコアが露出する端面が2つの場合について説明するが、端面がこれ以上存在してもよく、本発明は以下の光導波路フィルムに限られるものではない。
コアが露出する端面が2つある積層型光導波路フィルムにおいては、一方の端面はコア端面が厚み方向に積層された垂直面であり、他方の端面はコア端面が単層に配列された光路変換ミラー面である。
コアの積層は2層以上であり、特に限定されないが、以下の説明では2層のコアを積層した例について説明する。
本発明の積層型光導波路フィルムは、クラッドフィルムの上にコアを形成したリッジ型の導波路(以下において「リッジ型導波路」ということがある。)を積層したり、(下部)クラッドフィルムと(上部)クラッドフィルムの間にコアを挟んだ埋め込み型の導波路(以下において「埋め込み型導波路」ということがある。)を積層することにより作製される。
まず、リッジ型導波路を用いる積層型光導波路フィルムについて説明する。図1はこのタイプの積層型光導波路フィルムの一例である。図1(A)はその平面図を、図1(B)は積層部におけるX−X断面図を示し、図1(C)は図1(A)におけるA−A端面を示す断面図である。
図1(A)中、10は積層型光導波路フィルムを、13、17はコアを、18はクラッドフィルムを示し、A−A端面はコア端面が厚み方向に積層された垂直面であり、B−B端面はコア端面が単層に配列された光路変換ミラー面であり、図示しないが45°ミラー面等の光路変換ミラー面が形成されている。この例ではA−A端面は8本のコアが2層に積層され、B−B端面では16本のコアが一列に配列されている。
図1(B)において12は下部リッジ型導波路を示し、13及び14はそれぞれ、下部リッジ型導波路12を構成するコア及びクラッドフィルムである。16は上部リッジ型導波路を示し、17及び18はそれぞれ上部リッジ型導波路を構成するコア及びクラッドフィルムである。下部リッジ型導波路12は積層部の下部に位置し、上部リッジ型導波路は積層部の上部に位置する。20はスペーサーであり、30は下部・上部リッジ型導波路(12、16)とスペーサー20の間、及び各リッジ型導波路12、16の間を接着する接着剤層(クラッド用硬化性樹脂)を示す。コア13は積層部の下層から図1(A)のB−B端面の左側に導かれ、コア17は積層部の上層から図1(A)のB−B端面の右側に導かれる。
A−A端面においては複数のコア層は所定のピッチに積層されるが、このピッチが大きくなると、各リッジ型導波路を接着剤で積層した場合、接着剤の量が多くなり、またこれに伴い硬化時の収縮が大きくなってしまう。したがって、このような場合には、図1(B)で示すように積層構造の部分の少なくとも一部にスペーサーを用いることが有効である。スペーサーとしてはクラッドフィルムと同様の光学特性、機械的特性を有するものが用いられる。
図1(A)ないし図1(C)で示される積層型光導波路フィルムを作製するには、図2で示すごとき、クラッドフィルム上に導波路コアを形成した2枚のリッジ型導波路を準備し、2枚のリッジ型導波路を導波路コアが対向するようにかつ間隙を制御して配置し、前記間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填し、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化して積層導波路を作り、その後積層導波路の導波路コアが積層された端部を垂直面に形成し、導波路コアが単層に配列された端部に光路変換ミラー面を形成する。
前記リッジ型導波路は、図1(A)及び図2が示すように、2枚のリッジ型導波路をコアが向き合うように積層した場合、その一端部(積層側端部)ではコアが積層方向に積層され、もう1つの端部(並列側端部)ではコアがそれぞれ重ならないようにコアを配置する。
前記の方法において、リッジ型導波路の積層部には必要に応じスペーサーを挟む。また、間隙にクラッド用硬化性樹脂を充填する際、減圧雰囲気下で行うことが好ましい(後述の埋め込み型導波路を用いる積層型光導波路フィルムの作製の場合にも同様である。)
前記垂直面は、光学素子、例えば光ファイバー等に接続するために形成され、また、光路変換ミラー面は、特に、平面型の光学素子(発光素子、受光素子)に実装するために形成するものである。前記垂直面及び光路変換ミラー面への加工はいずれもダイシングソーにより容易に行え、垂直面は平面ブレードを備えたダイシングソーにより、光路変換ミラー面、例えば45°ミラー面は45°の角度付きSi用ブレードを備えたダイシングソーを用いてダイシングすればよい。ダイシングソーの技術に関してはたとえば特開平10-300961に開示されている。
次に埋め込み型導波路を用いる例について説明する。
図3は埋め込み型導波路を用いる積層型光導波路フィルムの一例を示す図であり、図3(A)はその平面図を、図3(B)は積層部におけるX−X断面図を示し、図3(C)は図1(A)におけるA−A端面を示す断面図である。
図3(A)中、10は積層型光導波路フィルムを、51は下部埋め込み型導波路を、53はそのコア、54はクラッドフィルムを示し、55は上部埋め込み型導波路を、57はそのコアを、56はクラッドフィルムを示す。図3(A)のA−A端面はコア端面が厚み方向に積層された垂直面である。また、B−B端面はコア端面が単層に配列された光路変換ミラー面であり、図示しないが45°ミラー面等の光路変換ミラー面が形成されている。この例ではA−A端面は8本のコアが2層に積層され、B−B端面では16本のコアが一列に配列されている。
図3(B)において図3(A)と同じ符号で示されるものは同じものを意味し、52及び58はそれぞれ下部及び上部埋め込み型導波路を構成するクラッドフィルムを示し、30は接着剤層を示す。
下部埋め込み型導波路51は積層部の下部に位置し、上部埋め込み型導波55は積層部の上部に位置する。上部及び下部埋め込み型導波路が重なる少なくとも一部分は接着剤で接着される。コア53は積層部の下層から図3(A)のB−B端面の左側に導かれ、コア57は積層部の上層から図3(A)のB−B端面の右側に導かれる。
図3で示される積層型光導波路フィルムは、埋め込み型導波路(図3(A)で示すようなもの)を複数枚準備し、複数枚の埋め込み型導波路をその積層側の間隙を制御して配置し(並列側については特に間隙を制御する必要はない)、前記積層側間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填し、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化して積層導波路を作った後、積層導波路の導波路コアが積層された端部を垂直面に形成し、導波路コアが単層に配列された端部に光路変換ミラー面を形成することにより作製できる。図3で示す2枚の埋め込み型導波路も同じ鋳型を用いて作製可能である。また、前記垂直面及び光路変換ミラー面の形成は、埋め込み型導波路を準備する工程であらかじめ埋め込み型導波路に形成しておいてもよい。
この態様の積層型光導波路フィルムは、図3(B)が示すように埋め込み型導波路を用いているため、必ずしもスペーサーを用いる必要がない。
積層型光導波路フィルムの光路変換ミラー面はダイシングソーによって一直線上に形成される。そのため、複数層のコア積層方向における上下位置の違いによって、各層の光路変換ミラー面側端部の位置が異なってくる。その結果として光導波路フィルムの法線方向から見た光路変換ミラー面の投影面と受発光素子の位置ずれが生じる。前記位置ずれは有効受光寸法の少なくとも20%以内、望ましくは10%以内、さらに望ましくは5%以内に抑える必要がある。このように寸法公差を押さえ込むことによって受光素子の性能を発揮することが可能になる。前記のごとき位置ずれを小さくするためには、導波路コアの厚み位置制御を精密に行うことが有効である。

このような構造をとることによって、すべてのコアにおいて、端面の光路変換ミラー面の真下に1列のアレイになっている発光素子、および受光素子を設置することが可能になる。また光路変換ミラー面と受発光素子の距離は、導波路を構成するクラッドフィルムの厚み程度までに抑えられるため、マイクロレンズなしでの受発光素子へのカップリングが可能になる。
前記リッジ型導波路及び埋め込み型導波路には複数のアライメントマークを作製し(アライメントマークは後述のコア作製と同様に作製可能である。すなわち、原盤にコアと同様、アライメントマーク作製用凸部を形成すればよく、アライメントのために都合のよい場所に設ければ、アライメントマークとコアの位置ずれを極小にできる。また、アライメントマークの形成方法は、特願2002−224642号に詳細に記載されている。)、アライメントマークを用いて複数の導波路フィルムを積層する際の面方向位置を定めることが望ましい。
また、アライメントの調整に際しては、上記に示したようにアライメントマークを顕微鏡で観察しながら調整するだけでなく、前記導波路にコアとは別に直線状の凸部を作製し、対向する導波路の一部に、前記凸部に対応した直線状の凹部を設けて、前記2つの凹凸部がかみ合うように対向する導波路を接着することによってアライメントを行うことによっても、安価にアライメント調整が実施できる。この場合、凹凸部の高さは導波路とは別に設定して、かみ合わせ工程を容易にすることも可能である。
次に、前記のごとき積層型光導波路フィルムを用いた導波路型光モジュールについて説明する。
図4により図1に示すようなリッジ型導波路を用いて作製した積層型光導波路フィルムを光学素子と実装した導波路型光モジュールについて説明する。図4で示す導波路型光モジュールは積層型光導波路フィルムのコア積層部にコネクタを設け、コアが単層に配列された光路変換ミラー面に発光素子を結合したものである。図4(A)は導波路型光モジュール100の平面図であり、図4(B)は図4(A)におけるC−C端面の拡大図である。図4(A)中、13は下部リッジ型導波路12におけるコアを、18はクラッドフィルムを、60は発光素子(例えば1×16のVCSEL)を、70はコネクタ(例えば市販のMTコネクタと互換性があるもの)をそれぞれ示す。また、図4(B)中、10は積層型光導波路フィルムを、72及び74は他の光学素子(例えば光ファイバー)に設けたコネクタと位置合わせをするための孔である。
また、図5に、図3で示すような埋め込み型導波路を用いて作製した積層型光導波路フィルムを光学素子と実装した導波路型光モジュールについて説明する。この導波路型光モジュールは、積層型光導波路フィルムのコア積層部にコネクタを設け、下部埋め込み型導波路における非積層側端部の光路変換ミラー面に発光素子を結合し、上部埋め込み型導波路における非積層側端部の光路変換ミラー面に受光素子を結合したものである。
図5(A)は平面図を、図5(B)はD−D端面を示す拡大図である。図5において図3と同じ符号で示すものは同じものを指し、70はコネクタを、60は発光素子を、80は受光素子をそれぞれ示す。72及び74は他の素子(例えば光ファイバー)に設けたコネクタと位置合わせをするための孔である。
(発光素子及び受光素子)
発光素子としては、積層型光導波路フィルムの端部と接着結合させる点から、平面型発光素子が好ましく用いられる。平面型発光素子としては、VCSEL、LED等が挙げられる。また、受光素子としては、積層型光導波路フィルムの下部クラッドフィルムと接着結合させる点から平面型受光素子が好ましく用いられる。平面型受光素子としては、PINフォトダイオード(PD)やアバランシェフォトダイオード(APD)等が挙げられる。
次にリッジ型導波路及び埋め込み型導波路について説明する。以下の説明において「下部クラッドフィルム」及び「上部クラッドフィルム」は、前記の「クラッドフィルム」に相当するが、説明の都合上、その上にコアを設けるクラッドを「下部クラッド」とし、コアの上に形成するクラッドを「上部クラッド」とする。リッジ型導波路は、埋め込み型導波路の作製行程において下部クラッドフィルムの上にコアを設けたものに相当するので、以下では、埋め込み型導波路だけについて説明する。
図3(A)で示される態様の導波路を作製するには、以下の方法が好ましく用いられる。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2以上設けられた鋳型を準備する工程
2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好な下部クラッドフィルムを密着させる工程
3)下部クラッドフィルムを密着させた鋳型の凹部の一端にある貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型を下部クラッドフィルムから剥離する工程
5)コアが形成された下部クラッドフィルムの上に上部クラッドフィルムを積層する工程
以上の、導波路の製造工程の1)〜5)までの工程を図6により説明する。なお、説明を簡明にするため、コアを1本設けたものについて説明する。図6(A)は原盤100を示し、120はコアに対応する凸部である。この原盤100の凸部形成面に鋳型形成用硬化性樹脂を塗布又は注型した後硬化させる(図6(B)参照)。図6(B)中、200aは硬化樹脂層である。その後硬化樹脂層200aを剥離すると、凹部が形成された硬化樹脂層200aが得られる(図示せず)。凹部220が形成された硬化樹脂層200aに、凹部220に連通する貫通孔260及び280を凹部両端に打ち抜き等により形成して鋳型200(図6(C)参照)を得る。
次に、図6(D)が示すように、鋳型に下部クラッドフィルム300を密着させる。その後鋳型に形成されている貫通孔260にコア形成用硬化性樹脂を入れ、他端の貫通孔280から減圧吸引して鋳型凹部220にコア形成用硬化性樹脂を充填する。その後該樹脂を硬化させ鋳型を剥離すると、図6(E)に示されるように、下部クラッドフィルム300の上に光コア320が形成される。
この後、上部クラッドフィルム400を形成し(図6(F)参照)、最後に貫通孔260及び280内で硬化した樹脂部分をダイサー等で切り落として導波路とする(図6(G)参照)。
次に、各工程について説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光コア凸部に対応する凹部と、該凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔が2以上設けられた鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光コアに対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
<原盤の作製>
光コアに対応する凸部を形成した原盤の作製には、従来の方法、例えばフォトリソグラフィー法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用できる。原盤に形成される光導波路に対応する凸部の大きさは高分子光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度とさらに大きなコア部を持つ光導波路も利用される。
<鋳型の作製>
鋳型の作製の一例として、前記のようにして作製した原盤の凸部形成面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型するなどの方法により鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成した後、必要に応じ乾燥処理をし、硬化処理を行い、その後硬化樹脂層を原盤から剥離して前記凸部に対応する凹部が形成された型をとり、その型に凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔を形成する方法が挙げられる。前記連通孔は、例えば前記型を所定形状に打ち抜くことにより形成できる。打ち抜いた貫通孔の場合であっても、鋳型とクラッド用フィルム基材との密着性がよく、鋳型凹部以外に下部クラッドフィルムとの間に空隙が形成されないため、凹部以外にコア形成用硬化性樹脂が浸透する虞はない。
前記型(樹脂硬化層)の厚さは、鋳型としての取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。
また、前記原盤にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行なって鋳型との剥離を促進することが望ましい。
コア形成用硬化性樹脂進入側に設ける貫通孔は液(コア形成用硬化性樹脂)だめの機能を有する。また、コア形成用硬化性樹脂排出側に設ける貫通孔は、該樹脂を鋳型凹部に充填する際、鋳型凹部を減圧するための減圧吸引用に用いられる。進入側の貫通孔の形状や大きさは、貫通孔が凹部の進入端に連通しかつ液だめの機能を有していれば特に制限はない。また、排出側の貫通孔は、凹部の排出端に連通しかつ減圧吸引用に用いることができれば、その形状や大きさに特に制限はない。
鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂進入側に設けた貫通孔は液だめの機能をもっているため、その断面積が、鋳型を下部クラッドフィルムに密着させた場合、該基材に接する側が大きく、基材から離れるに従って小さくなるようにすると、コア形成用硬化性樹脂を凹部に充填、硬化後、鋳型と基材との剥離がしやすくなる。コア形成用硬化性樹脂排出側の貫通孔には、液だめの機能を持たせる必要はないので、特にこのような断面構造を採用することを要しない。
また、鋳型作製の他の例として、原盤に光コアに対応する凸部だけでなく貫通孔形成のための凸部(この凸部の高さは鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層の厚さより高くする)を設け、この原盤に鋳型形成用硬化性樹脂を貫通孔形成のための凸部が樹脂層を突き抜けるように塗布等し、次いで樹脂層を硬化させ、その後硬化樹脂層を原盤から剥離する方法を挙げることができる。
鋳型作製に用いる鋳型形成用硬化性樹脂しては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、下部クラッドフィルムとの密着性が良好なことが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤に形成された個々の光コアに対応する凸部を正確に写し取らなければならないので、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えることができる。
前記鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでもまた硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでもまた室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましい。
前記液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いために、これから作った鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのまま上部クラッドフィルムとして好ましく利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
液状シリコーンゴムの粘度は、コアに対応する凸部を正確に写し取り、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型形成の点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
鋳型の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、好ましくは15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性の点からみて好ましい。
鋳型のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80、好ましくは20〜60であることが、型取り性能や凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下にすることが、型取り性能の点からみて好ましい。
また、鋳型は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型が可視領域において光透過性であることが好ましいのは、以下の2)の工程において鋳型を下部クラッドフィルムに密着させる際、位置決めが容易に行え、また、以下の3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型凹部に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認しうるからである。また、鋳型が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型を透して紫外線硬化を行うためであり、鋳型の、紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
前記硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、下部クラッドフィルムとの密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムと下部クラッドフィルムとを密着させると液体の進入させ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型は高精度に原盤を写し取り、下部クラッドフィルムに良く密着するため、鋳型と下部クラッドフィルムの間の凹部のみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、さらに下部クラッドフィルムと鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型からは高精度に形状を維持した高分子光導波路を、極めて簡便に作製することができる。
2)鋳型に、鋳型との密着性が良好な下部クラッドフィルムを密着させる工程
本発明の高分子光導波路から作製される光学素子は、種々の階層における光配線に用いられるので、前記下部クラッドフィルムの材料は光学素子の用途に応じ、屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー等を考慮して選択される。また、クラッドフィルムは導波路のクラッド部を構成するため、光透過性が必要であることは言うまでもない。
前記フィルムとしては脂環式アクリル樹脂フイルム、脂環式オレフィン樹脂フイルム、三酢酸セルロースフイルム、含フッ素樹脂フイルム等が挙げられる。フィルム基材の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。下部クラッドフィルムは可撓性を有していることが好ましい。
前記脂環式アクリル樹脂フイルムとしてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂フイルムとしては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明の光導波路シートの作製に適している。
また、前記下部クラッドフィルムの厚さは、積層する際のハンドリングの容易さや、導波路に与える機械的強度を保つために、少なくとも20μmあることが望ましい。フィルムの厚さが20μmより薄いと製造時にコア部分に曲げの力が加わりコア部分に歪が入りやすく、歩留まりの悪化もしくは性能が著しく低下する。また、上部クラッドフィルム又は接着剤として用いる硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)の価格が高いため、その使用量を減らして低コストにするためには、導波路における設計ピッチが許す限り、下部クラッドフィルムは厚いほうが望ましい。
また、導波路型光モジュールにおいて、下部クラッドフィルムが発光素子又は受光素子等の光学素子に近い側に配置される場合には、下部クラッドフィルムの厚さはそのまま、導波路の光路変換ミラー面と発光点又は受光点との間の光路長となる。したがって、結合効率を高めるためには下部クラッドフィルムはの厚さは薄いほうが望ましい。このことを考慮すると、この場合、下部クラッドフィルムの厚さの上限は、200μm以下、望ましくは100μm以下、さらに望ましくは70μm以下となる。(以下の5)の工程における上部クラッドフィルムが受発光素子に近い側にある場合には、上部クラッドフィルムの厚さをこのようにする。)
3)下部クラッドフィルムを密着させた鋳型の凹部の一端にある貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程
この工程においては、コア形成用硬化性樹脂を、該樹脂の進入部側に設けた貫通孔に充填し、該樹脂の排出部側に設けた貫通孔から減圧吸引して、鋳型と下部クラッドフィルムとの間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填する。減圧吸引することにより、鋳型と下部クラッドフイルムとの密着性が向上し、気泡の混入を避けることができる。減圧吸引は、例えば、吸引管を排出部側に設けた貫通孔に挿入し、吸引管をポンプにつなげて行われる。
コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。
また、前記紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。
コア形成用硬化性樹脂は、毛細管現象により鋳型と下部クラッドフィルムとの間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填されるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。したがって、前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s〜2000mPa・s、望ましくは20mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは30mPa・s〜500mPa・sにするのが好ましい。
このほかに、原盤に形成された光コアに対応する凸部が有する元の形状を高精度に再現するため、前記硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。したがって、コア形成用硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、10%以下、好ましくは6%以下であるのが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加することができる。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。前記ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるがこれに限定されるものではない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記フィルム(以下の5)の工程における上部クラッドフィルムを含む)より大きいことが必要で、1.50以上、好ましくは1.53以上である。クラッド(以下の5)の工程における上部クラッドフィルムを含む)とコアの屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.02以上である。
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型を下部クラッドフィルムから剥離する工程
この工程では充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられ、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
また、前記1)〜3)の工程で用いる鋳型は、屈折率等の条件を満たせばそのまま上部クラッドフィルムに用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのまま上部クラッドフィルムとして利用することができる。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
5)コアが形成された下部クラッドフィルムの上に上部クラッドフィルムを形成する工程
コアが形成された下部クラッドフィルムの上に上部クラッドフィルムを形成するが、上部クラッドフィルムとしてはフィルム(たとえば前記2)の工程で用いたような下部クラッドフィルムが同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。紫外線硬化性樹脂としてはアクリル系、エポキシ系など各種存在するが、無溶剤系のもので体積収縮率が4〜5%程度のものが市販されており入手可能である。紫外線硬化性樹脂を用いることによって、良好な光透過性を確保することができる。熱硬化性樹脂は紫外線硬化性樹脂に比べ体積収縮率はより小さいが、一般的にその半面光透過性が若干低下する。
クラッド用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加することができる。
上部クラッドフィルムとしてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率が該フィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、上部クラッドフィルムに添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
上部クラッドフィルムおよびクラッド用硬化性樹脂の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55以下、好ましくは1.53以下にすることが望ましい。また、上部クラッドフィルムの屈折率を前記フィルム基材の屈折率と同じにすることが、光の閉じ込めの点からみて好ましい。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
この例では、図2に示すようなリッジ型導波路を2枚作製し、これを積層して、図1に示すような積層型光導波路フィルムを作製した。
<原盤の作製>
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、断面が正方形で、長手方向にS字状に曲がった形状の8本の光導波路用凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:50mm、光導波路用凸部間のピッチ250μm)と、同じく断面が正方形で、大きさ300μmの十字形状をもつアライメントマーク用凸部を形成した。次に、これを120℃でポストベークして、導波路コア作製用原盤を作製した。
<鋳型の作製>
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性ジメチルシロキサン樹脂(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184)を原盤の凸部形成面上に流し込み、120℃で30分間加熱して熱硬化させた後剥離して、断面が正方形の導波路コア用及びアライメントマーク用凸部に対応する凹部を持った型(型の厚さ:5mm)を作製した。さらに、前記導波路コア用凹部の両端が露出するように鋳型に直径3mmの孔をそれぞれくり貫き、下記コア用紫外線硬化性樹脂の入出力部を作り、アライメントマーク用凹部の両端にも直径1mmの孔を形成し鋳型とした。
<リッジ型導波路の作製>
鋳型より一回り大きい設計膜厚100μmのフィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を用意し、このアートンフィルムと鋳型を密着させた。次に、鋳型に形成されているコア作製用凹部の一端にある孔に、粘度が1300mPa・sのコア用紫外線硬化性樹脂を数滴落とし、他端にある孔からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で20kPaの吸引力で吸引したところ、前記各凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。次いで、50mW/cm2のUV光を鋳型を透して5分間照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させた。鋳型をフイルム基材から剥離したところ、フイルム基材上に前記原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。
更に、前記導波路コア作製と同様な方法により、アライメントマークを作製した。ただし、使用する紫外線硬化性樹脂は硬化時に薄いピンク色になるものとした。
次に、入出力用の孔で硬化した紫外線硬化性樹脂の部分を切り落として矩形に成形し、コア及びアライメントマークの凸部分以外には出っ張りのない下部リッジ型導波路を作製した。コア及びアライメントマークの屈折率は1.53であった。
同様にして上部リッジ型導波路を作製した。
<積層型光導波路フィルムの作製>
作製したリッジ型導波路を真空吸着できるように加工した石英ガラス板治具を用意した。石英ガラス板治具は、積層される上部リッジ型導波路と下部リッジ型導波路の、並列側及び積層側における、平面方向及び積層方向における位置微調整ができるようになっている。
前記治具を用いかつそれぞれの導波路に設けたアライメントマークを顕微鏡観察しながら、積層側の上下のコアが積層方向ピッチ250μmになり、並列側の16本のコアがすべて250μmピッチで並び、かつコアの位置の厚み方向(リッジ型導波路の平面に対し直角方向)におけるばらつきが1μm以下になるように、上部リッジ型導波路及び下部リッジ型導波路の位置調整を行った。
この状態で積層側だけに幅2mm、長さ8mmに切ったスペーサーとなる厚み188μmのアートンフィルムを挟んだ。これは積層側の接着層が厚くなりすぎて接着時に生じる硬化収縮の値が大きくならないようにするためと、接着剤の使用量を節約するためである。
次いで、上部リッジ型導波路及び下部リッジ型導波路の間隙に、屈折率1.51のクラッド用紫外線硬化性樹脂を充填した。コアを充填する場合と同様に、充填雰囲気を20kPa程度の減圧にすることによりを5分程度で充填できた。
充填後、前記治具に保持した状態で治具を透して、50mW/cm2のUV光を10分間照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させた。フレキシブルな積層導波路が得られた。積層導波路におけるコアの相対位置誤差は面方向および厚み方向とも2μm以下に収まった。
前記積層導波路の並列側端部を、45度ブレードを備えたダイシングソーで切断し、光路変換ミラー面(45°ミラー面)を形成した。また、積層側端部を平面ブレードを備えたダイシングソーで切断した。さらに光学面としては用いない積層型光導波路フィルムの側面はカッターの打ち抜き加工を行って、積層側端部の幅をMTコネクタのピン間隔よりも小さい3mmにした。
前記のごとき工程により、並列側が1×16のコアを備えかつ45°ミラー面を有し、積層側が2×8配置のコアを備えかつ垂直端面を有する積層型光導波路フィルムが作製された。全長は25mmで、入出力側において光ファイバーにより測定した挿入損失は16本のコアのいずれも2dB以下に収まった。
実施例2
この例では、実施例1で作製した積層型光導波路フィルムを用いて導波路型光モジュールを作製した。
前記積層型光導波路フィルムの45°ミラー面形成側端部を1×16のVCSELアレイ(富士ゼロックス製)に接着した。さらに積層型光導波路フィルムの積層側端部にMTコネクタと互換の位置決めピンをもち中央部に前記端部が差し込める様に貫通孔が設けられたMT互換コネクタを接着した。接着の際、VCSELおよびMT互換コネクタはいずれも導波路コアに対して3μm以内の位置ずれに収まるように接着された。
このようにしてVCSEL光を2×8の光ファイバーアレイに出力する導波路型光モジュールを作製した。この光モジュールの挿入損失は、VCSELの出力を基準とした挿入損失で3dB以内に収まった。また各チャンネル毎のばらつきは0.3dB以内であった。
実施例3
この例では、図3で示すような埋め込み型導波路を2枚作製し、これを用いて積層型光導波路フィルムを作製した。
まず実施例1と同様に、原盤及び鋳型を作製した。原盤には断面が正方形で、長手方向にS字状に曲がった形状の8本の光導波路用凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:50mm、光導波路用凸部間ピッチ250μm)と、実施例1と同様なアライメントマーク用凸部を形成した。
<埋め込み型導波路の作製>
この鋳型と、膜厚70μmのフィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を用意した。このアートンフィルムと鋳型を密着させた。次に、鋳型に形成されている導波路コア作製用凹部の一端に設けられた孔に、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を数滴落とし、前記凹部他端にあるもう1つの孔からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で20kPaの吸引力で吸引したところ、前記各凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。次いで、50mW/cm2のUV光を鋳型を透して5分間照射して紫外線硬化させた。鋳型をフイルム基材から剥離したところ、フイルム基材上に前記原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。
更に、実施例1と同様にして、アライメントマークを作製した。
次に、前記のようにしてアートンフィルムの上にコアとアライメントマークが形成されたものについて、入出力用の孔で硬化した紫外線硬化性樹脂の部分を切り落としてコア及びアライメントマークの凸部分以外には出っ張りのない矩形に成形した。
更に、コア及びアライメントマークが形成され矩形に成形されたアートンフィルムの上に、屈折率1.51のクラッド用紫外線硬化性樹脂および厚み70μmのアートンフィルムをかぶせて、50mW/cm2のUV光を10分照射して硬化させ、サンドイッチ構造をもつ埋め込み型導波路を作製した。この際、クラッド用紫外線硬化性樹脂の塗布厚を調整して、埋め込み型導波路の厚さが概ね230μmになるようにした。
コア及びアライメントマークの屈折率は1.53であった。
同様にして上部埋め込み型導波路を作製した。
<積層型光導波路フィルムの作製>
2枚の埋め込み型導波路の積層側の位置調整を、前記治具を用いつつアライメントマークの顕微鏡観察を行うことにより、上下コアのピッチが250μmになるように行った。位置調整を行った2枚の導波路の間に前記クラッド用紫外線硬化性樹脂を接着剤として注入した。このときの接着層の厚みは20μmとした。
次に、前記治具に挟んだ状態で治具を透して50mW/cm2のUV光を10分間照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ積層導波路とした。次いで、実施例1と同様にして、この積層導波路の並列側端部に45°ミラー面を、積層側端部に垂直面を形成し、側面をカッター加工した。フレキシブルな積層型光導波路フィルムが得られた。
積層された導波路の相対位置誤差は面方向および厚み方向とも2μm以下に収まった。また本実施例では、2枚の埋め込み型導波路の並列側端部(45°ミラー面形成側)は、それぞれVCSEL接続端部及びPD接続端部であるので、並列側端部を位置合わせする必要はない。
このような工程を経ることによって、並列側が2つの1×8アレイで45°ミラー面をもち、積層側が2×8配置のコアをもつ積層型光導波路フィルムが作製された。全長は25mmで、入出力側において光ファイバーにより測定した挿入損失は16本のコアのいずれも1.5dB以下に収まった。
実施例4
この例では、実施例3で作製した積層型光導波路フィルムを用いて導波路型光モジュールを作製した。
実施例3で作製した積層型光導波路フィルムの下部埋め込み型導波路の45°ミラー面形成側端部に1×8のVCSELアレイを、上部埋め込み型導波路の45°ミラー面形成側端部に1×8のPDアレイをそれぞれ接着した。さらに積層側端部にMTコネクタと互換の位置決めピンをもち中央部に導波路フィルムが差し込める様にしたMT互換コネクタを接着した。これらVCSEL、PDおよびMT互換コネクタはいずれも導波路コアに対して3μm以内の位置ずれに収まるように接着された。
このようにしてVCSEL光を8チャンネルの光ファイバーに出力し、光ファイバーからの8チャンネル入力光をPDアレイで測定する導波路型光モジュールを作製した。この光モジュールの挿入損失は、VCSELの出力を基準とした挿入損失で2.5dB以内に収まった。また入力側光ファイバーの光を2.5dB以内の損失でPDまで導いた。各チャンネル毎のばらつきは0.3dB以内であった。
リッジ型導波路を用いる積層型光導波路フィルムの一例を示す図であり、図1(A)は平面図を、図1(B)はX−X断面図を、図1(C)はA−A端面を示す図である。 リッジ型導波路の一例を示す平面図である。 埋め込み型導波路を用いる積層型光導波路フィルムの一例を示す図であり、図1(A)は平面図を、図1(B)はX−X断面図を、図1(C)はA−A端面を示す図である。 図1の積層型光導波路フィルムを用いる導波路型光モジュールの一例を示す図で、図4(A)は平面図を、図4(B)はC−C端面を示す図である。 図3の積層型光導波路フィルムを用いる導波路型光モジュールの一例を示す図で、図5(A)は平面図を、図5(B)はD−D端面を示す図である。 埋め込み型導波路の作製プロセスを示す概念図である。
符号の説明
10 積層型光導波路フィルム
12、16 リッジ型導波路
13、17 導波路コア
14、18 クラッドフィルム
51、55 埋め込み型導波路
53、57 導波路コア
52、54、56、58 クラッドフィルム
60 発光素子
70 コネクタ
80 受光素子
100 導波路型光モジュール

Claims (7)

  1. 複数の導波路コアが形成され、導波路コアが露出する端面が複数形成された積層型光導波路フィルムであって、複数の端面のうち少なくとも1つの端面は導波路コア端面が厚み方向に積層されかつ積層型光導波路フィルム面に対し垂直面であり、少なくとも1つの端面は導波路コア端面が単層に配列されかつ光路変換ミラー面であることを特徴とする積層型光導波路フィルム。
  2. 複数の導波路コアが形成され、導波路コアが露出する端面が複数形成され、複数の端面のうち少なくとも1つの端面は導波路コア端面が厚み方向に積層されかつ積層型光導波路フィルム面に対し垂直面であり、少なくとも1つの端面は導波路コア端面が単層に配列されかつ光路変換ミラー面である積層型光導波路フィルムの、光路変換ミラー面が形成された端部に、平面発光素子及び/又は平面受光素子が結合された導波路型光モジュール。
  3. 前記平面発光素子及び/又は平面受光素子は、前記端部にレンズを介さずに直接接着していることを特徴とする請求項2に記載の導波路型光モジュール。
  4. 前記垂直面が形成された端部に、光ファイバーアレイが結合可能なコネクタを設けたことを特徴とする請求項2に記載の導波路型光モジュール。
  5. 請求項1に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法であって、クラッドフィルム上に導波路コアを形成した2枚のリッジ型導波路を準備する工程、2枚のリッジ型導波路を導波路コアが対向するようにかつ間隙を制御して配置する工程、前記間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填する工程、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化する工程、前記工程により得られた積層導波路の導波路コアが積層された端部を垂直面に形成し、導波路コアが単層に配列された端部に光路変換ミラー面を形成する工程を有する、請求項1に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法。
  6. 請求項1に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法であって、2枚のクラッドフィルムの間に導波路コアが形成された埋め込み型導波路を複数枚準備する工程、複数枚の埋め込み型導波路をその積層側の間隙を制御して配置する工程、前記積層側間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填する工程、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化する工程、前記工程により得られた積層導波路の導波路コアが積層された端部を垂直面に形成し、導波路コアが単層に配列された端部に光路変換ミラー面を形成する工程、を有する請求項1に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法。
  7. 請求項1に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法であって、2枚のクラッドフィルムの間に導波路コアが形成され、積層側端部に垂直面を単層配列側に光路変換ミラー面を形成した埋め込み型導波路を複数枚準備する工程、複数枚の埋め込み型導波路をその積層側の間隙を制御して配置する工程、前記積層側間隙に前記クラッドフィルムと屈折率が同じ又は同程度のクラッド用硬化性樹脂を充填する工程、充填したクラッド用硬化性樹脂を硬化する工程、を有する請求項1に記載の積層型光導波路フィルムの製造方法。
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