JP2004263359A - 炭素繊維束及びチョップド炭素繊維束及びその製造方法、並びに炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

炭素繊維束及びチョップド炭素繊維束及びその製造方法、並びに炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂との複合化で、優れた機械物性を発現し、更に形態安定性、繊維強化複合材製造時の取り扱い性、経済性にも優れた炭素繊維束またこの炭素繊維束からなるチョップド炭素繊維束を提供する。
【解決手段】特定の酸変性されたポリプロピレン樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂を構成成分としたサイジング剤、又はエチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマー成分を含む共重合物を構成成分とするサイジング剤で収束された炭素繊維束若しくはチョップド炭素繊維束、また、この水系サイジング剤を付着させ、特定水分量を有する状態で、所定長さに切断した後、乾燥させることによりチョップド炭素繊維束を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂の補強材として用いられる炭素繊維束、及びチョップド炭素繊維束及びその製造方法、更にチョップド炭素繊維束を用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形品に関し、更に詳しくは、炭素繊維束を製造する際に好適なサイジング剤に係わる。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は、繊維強化樹脂における補強材として知られ、これを配合した複合材は繊維強化複合材と称される。一般に、炭素繊維は、束状をなし、その取り扱い性や複合材の物性を向上させることを目的に、水溶性又は水分散性エポキシ樹脂等を主成分とするサイジング剤を付着させるサイジング処理が施されている。
一方、熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化複合材では、炭素繊維束は、通常5〜15mm長に切断されたチョップド炭素繊維束の形態で供されるが、チョップド炭素繊維束の形態とする際にも、集束性を付与するために、マトリクス樹脂に対して適合性のあるサイジング剤を2〜5質量%付着させる処理が行われている。
【0003】
チョップド炭素繊維束と熱可塑性樹脂とを混練しペレットを製造するに当たっては、チョップド炭素繊維束が定量的に押出機内に供されることが必要であるが、そのためにはチョップド炭素繊維束の形態安定性が重要である。形態が適切でないと、吐出斑が生じ、炭素繊維含有量斑の原因となる。また、一定の押出速度が得られなくなるため、ストランド切れが発生し、ペレットの生産性が大幅に低下する恐れもある。更に、長繊維ペレットといわれるタイプの熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂にした材料も注目され、その際には炭素繊維束は、チョップド化せずに連続した束の形態で、ペレット製造工程に投入されることになる。この場合、炭素繊維束には毛羽やフライが発生し易く、またバラケ易く、その取り扱いが難しいことから、炭素繊維束にサイジング剤を付着させることは不可欠である。
【0004】
一方、マトリックス樹脂の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネイト樹脂、ナイロン樹脂やポリエステル樹脂等がよく用いられるが、最近、リサイクル性、経済性の面から、ポリオレフィン系樹脂を用いられるケースが増えてきている。特にポリプロピレン樹脂は、近年注目されているマトリックス樹脂である。
【0005】
ポリオレフィン系樹脂は、基本的に無極性であることから、炭素繊維やガラス繊維といった強化繊維との界面接着性が非常に悪く、複合材料としての機械特性を十分に発現しないことが多い。そのため、マトリックス樹脂に酸変性ポリオレフィン樹脂を少量添加して、接着性を向上させたり、或いはオレフィン系樹脂とシランカップリング剤より構成する収束剤で処理したガラス繊維、更には、変性ポリプロピレンを必須成分とする収束剤でガラス繊維などの無機繊維を処理し、マトリックスであるポリプロピレン、ポリオレフィン樹脂との界面接着性を上げる処方が行われている(特許文献1参照)。
【0006】
また、炭素繊維の補強材としての性能と特性が広く認知されるにつれて、量産対応可能で安価な経済性に優れた炭素繊維が求められるようになっている。特にポリオレフィン系樹脂をマトリックス樹脂に用いることの大きな要因の一つには、低価格であることがある。従って、炭素繊維にも低価格化の要請が非常に強く、その低価格化を実現するには、設備当たり、或いは時間当たりの製造能力向上が必要であるが、その一手段として炭素繊維束の太目付化が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、マトリックス樹脂に変性ポリオレフィンを添加する方法では、十分な補強材とする繊維との界面接着性を向上させ得るには多量の添加が必要となり、リサイクル性、経済性において優れたものとはならない。従い、繊維の表面にそのような結合剤を付着させ、複合化した際にこのような化合物を界面相に偏在させる手法が優れている。一方、炭素繊維は、ガラス繊維表面のような水酸基が多く存在していないことから、シランカップリング剤が、界面接着性を向上させる効率がかなり低く、中心的な連結剤としての作用を期待することはできない。更に、単繊維としてのフィラメント径は7μm以下で、ガラス繊維の10〜16μmと比較して非常に細く、そのため、擦過等による毛羽立ちが生じ易い。
また、炭素繊維束を形成するフィラメント数も12000本或いはそれ以上であり、一般的なガラス繊維束の600本程度のものに比べ際立って多い。従って、ガラス繊維用の収束剤をそのまま用いても、繊維束の集束性、ドレイプ性、取り扱い性が十分なレベルにはならず、また、複合後の界面接着性は思うように向上しないものとなっている。
【0008】
また、特許文献1に記載されている変性ポリプロピレンを必須成分とする収束剤では、まだ十分にオレフィン系樹脂との界面接着性を発現しているレベルにはなく、また、炭素繊維束に十分な集束性、ドレイプ性、取り扱い性を付与することができなかった。更に、炭素繊維束に太目付化を適用しようとすると、以下のような不都合がある。
【0009】
チョップド炭素繊維束では形態安定性が重要であることを述べたが、太目付になるにつれて、単位束の嵩が大きくなり、サイジング剤の付着の不均一化や束幅拡大による繊維配向に沿った割れが発生しやすくなり、束幅の均一なチョップド炭素繊維束を得ることが難しくなるという問題がある。また、切断工程での処理速度(搬送速度)を上げると、太目付になるにつれて、ガイドやバー等での毛羽発生、巻き付きが多発し、生産性が低下するという問題もある。また、毛羽発生に起因して、複合化時の工程通過性が悪化する恐れもある。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−107442号公報
【特許文献2】
特開2000−248432号公報
【特許文献3】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、マトリックス樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン樹脂との良好な界面接着性を形成するサイジング剤で処理された炭素繊維束を提供し、更に形態安定性に優れ、繊維強化複合材製造時の取り扱い性に優れ、経済性に優れたチョップド炭素繊維束を提供すること、そして炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物及びその組成物からなる成形品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の炭素繊維束は、数平均分子量20,000以下、ASTM D1386に準じて測定された酸価が23〜120mgKOH/gである酸変性されたポリプロピレン樹脂(化合物a)、ポリオキシ系ではない脂肪族系主鎖を有しエポキシ基を含有する樹脂(化合物b)、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂(化合物c)を構成成分とするサイジング剤で収束されたことを特徴とするものである。
【0013】
サイジング剤の構成成分の一つである酸変性ポリプロピレン樹脂は、炭素繊維とマトリックス樹脂の複合化の際に必須の成分である。複合化の際、酸変性ポリプロピレン樹脂分子中の酸基が炭素繊維表面との相互作用を増強し、一方骨格であるポリプロピレン鎖は、ポリオレフィン等のマトリックス樹脂であるとポリマー分子の絡み合いにより、マトリックス樹脂と強固な結合を生じさせ、その結果酸変性ポリプロピレン樹脂は、有効なカップリング剤として働く。酸変性ポリプロピレン樹脂の分子量は、20000以下、好ましくは10000以下、より好ましくは7000以下であることが望ましい。20000を超える分子量の場合、界面相近傍での酸変性ポリプロピレン樹脂のモビリティーが十分でなく、マトリックス樹脂との分子同士の絡み合いの程度が小さく、界面接着性を十分に強くすることができない。ここで、酸変性されたポリプロピレン樹脂の数平均分子量は、GPCで測定される。
【0014】
また、ASTM D1386に準じて測定された酸価は、23〜120mgKOH/g、好ましくは29〜90 mgKOH/g、より好ましくは35〜80mgKOH/gであることが望ましい。酸価が23mgKOH/g未満では、炭素繊維表面との相互作用が小さく、高い界面接着性は得られない、一方、酸価が120 mgKOH/gを超える場合は、マトリックス樹脂、特にポリオレフィン系樹脂との親和性が低下し、その結果マトリックスポリマー分子との絡み合いが十分に生じず、界面接着性を十分に強くすることができない。このような酸変性ポリプロピレン樹脂としては、吉村油化学(株)製GF−101(水系エマルジョン)、クラリアント社製HostamontAR503、AR504等が具体的に挙げられる。
【0015】
サイジング剤の構成成分であるポリオキシ系ではない脂肪族系主鎖を有しエポキシ基を含有する樹脂(化合物b)は、マトリックス樹脂とのより優れた界面接着性を発現させることができる。エポキシ基は、炭素繊維表面との化学的な相互作用が非常に強く、化学結合も比較的容易に形成することが知られている。従って、酸変性ポリプロピレン樹脂と共存させることにより、より効果的なマトリックス樹脂と炭素繊維のカップリング剤として作用させることが可能となる。エポキシ基含有樹脂としては、ポリオキシ系ではない脂肪族系主鎖を有するものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
【0016】
マトリックス樹脂とするポリオレフィン系樹脂との親和性の点から、エポキシ基含有樹脂の主鎖は、極性部を有さない脂肪族系のものがよく、特に比較的長い脂肪族鎖を有するタイプのもがより好ましく用いられる。例えば、エポキシ化ポリブタジエン、脂肪族系モノ(ジ)グリシジルエーテル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸変性BPA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、脂肪族ポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。また、エポキシ基にも特に制限はなく、グリシジル基、脂環式エポキシ基等を用いることができる。
【0017】
また、サイジング剤の構成成分であるオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂(化合物c)は、酸変性ポリプロピレン樹脂は分子量が比較的小さく、酸変性ポリプロピレン樹脂単独では炭素繊維束に十分な集束性を付与できないといった問題点を改善し、炭素繊維束に十分な集束性とドレープ性を付与することを可能にするものである。またオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂は、ポリオレフィン系マトリックス樹脂との十分な親和性を確保することができる。
【0018】
好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ASTM D1525−70に準じて測定されたビカット軟化点が120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは90℃以下のものである。炭素繊維束にサイジング剤として水系サイジング剤溶液を付着させ、その後水を蒸発させる工程において、一般的に乾燥温度は140℃程度であるが、その際オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂が十分に軟化している方が、乾燥後の炭素繊維束の集束性が良好となる。このようなオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂としては、吉村油化学(株)製GFE−1030(水系エマルジョン)、出光石油化学(株)製TPO−M142、R110E、T310E等が具体的に挙げられる。
【0019】
本発明におけるサイジング剤のこれら3種の化合物の組成比率は、サイジング剤総重量に対して、化合物aが35質量%以上、化合物がは30質量%以上、化合物cが20質量%以上であることが好ましい。上述したように、それぞれの化合物は、それぞれ重要な役割を担っていることから、その役割の効果的発現させるために、それぞれの最低の存在比率が決定される。
【0020】
また、本発明の炭素繊維束は、エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマー成分を含む共重合物を構成成分とするサイジング剤であって、この共重合物をサイジング剤総重量に対し40質量%以上含むサイジング剤で収束されたことを特徴とするものである。構成成分のこの共重合物は、ポリオレフィン系樹脂と炭素繊維とのカップリング剤として、非常に効率よく作用する。これは共重合物のポリマーの主骨格が、エチレンユニットやプロピレンユニットより形成されているため、マトリックス樹脂であるポリオレフィン系樹脂との相溶性に非常に優れ、更に分子中エポキシ基を有するため炭素繊維表面と強固な化学的相互作用を形成することが可能であるからである。
【0021】
共重合物のエポキシ基を有するモノマーの比率は、特に制限はないが、エポキシ基の作用を発現させることができるのは、モル比率で5%以上、好ましくは10%以上である。このような共重合物としては、エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとの共重合物(化合物d)、若しくはエチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとアクリル酸エステルとの共重合物(化合物e)等が好ましく用いられる。更に、好ましいこれらの共重合物として、ビカット軟化点が120℃以下、より好ましくは110℃以下、更に好ましくは90℃以下のものである。
【0022】
これは、既に述べたように、サイジング剤の水分の乾燥工程後の炭素繊維束に良好な集束性を付与できるからである。このような共重合物としては、住友化学(株)製”ボンドファースト”シリーズ、日本ポリオレフィン(株)製レクスパールRAシリーズ等が具体的に挙げられる。これらの共重合物は、サイジング剤総重量に対し40質量%以上、好ましくは50質量%以上含むことが必要である。
40質量%未満では、この化合物の界面接着性向上機能を十分に発揮させることができない。
【0023】
更にまた本発明の炭素繊維束は、第一成分として化合物d或いは化合物eをサイジング剤総重量に対し40質量%以上含み、第二成分としてエチレン或いはプロピレンとアクリル酸エステル及び酸無水基を含有するモノマーとの共重合物(化合物f)を構成成分とするサイジング剤で収束されたことを特徴とするものである。
【0024】
このような第二成分の共重合物(化合物f)も、ポリオレフィン系樹脂と炭素繊維とのカップリング剤として、非常に効率良く作用するものである。これは、共重合物(化合物f)のポリマーの主骨格が、エチレンユニットやプロピレンユニットより形成されているために、マトリックス樹脂であるポリオレフィン系樹脂との相溶性に非常に優れ、更に分子中に酸基を有するため、炭素繊維表面と強い化学的相互作用を形成することが可能であるからである。好ましいこれらの共重合物(化合物f)としては、ビカット軟化点が120℃以下、好ましくは110℃以下のものである。これは、既に述べたように、サイジング剤の水分の乾燥工程後の炭素繊維束に良好な集束性を付与できるからである。このような共重合物(化合物f)としては、住友化学(株)製”ボンダイン”シリーズ、日本ポリオレフィン(株)製レクスパールETシリーズ等が具体的に挙げられる。これらの共重合物(化合物f)は、サイジング剤総重量に対し40質量%以上、好ましくは50質量%以上含むことが必要である。40質量%未満では、この化合物の界面接着性向上機能を十分に発揮させることができない。
【0025】
また、第一成分として、化合物d或いは化合物eをサイジング剤総重量に対し40質量%以上含み、第二成分として、数平均分子量20,000以下、酸価が30〜100である酸変性されたポリプロピレン樹脂(化合物a)を構成成分とするサイジング剤で収束された炭素繊維束も、ポリオレフィン系樹脂と炭素繊維の界面接着性を良好にすることができる。
【0026】
一方、既述したポリオキシ系ではない脂肪族系主鎖を有しエポキシ基を含有する樹脂(化合物b)として、エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとの共重合物(化合物d)または、エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとアクリル酸エステルとの共重合物(化合物e)を用いることにより、ポリオレフィン系樹脂とより優れた界面接着性と集束性を有する炭素繊維束を得ることができる。
【0027】
更に、サイジング剤に、分子中にエポキシ基、ビニル基、アミノ基、メタクリル基、アクリル基、直鎖アルキル基を有するシランカップリング剤を添加することができる。また、シランカップリング剤は1種のみ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。シランカップリング剤の中でも、特にエポキシシラン系、アミノシラン系、直鎖アルキル基系が好適である。エポキシシラン系において、シラン化合物のエポキシ基としては、グリシジル基、脂環式エポキシ基等が好適であり、かかるシランカップリング剤としては、日本ユニカー(株)製A−186、A−187、AZ−6137、AZ−6165等が具体的に挙げられる。
【0028】
また、アミノシラン系としては、1級アミン、2級アミン或いはその双方を有するものが挙げられ、日本ユニカー(株)製A−1100、A−1110、A−1120、Y−9669、A―1160等が用いられる。また、直鎖アルキル基系としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基を有するものが挙げられ、日本ユニカー(株)製AZ−6171、AZ―6177、信越シリコーン(株)製KBM−3103C等が具体的に挙げられる。
【0029】
本発明においては、ガラス繊維強化複合材の処理に利用されているシランカップリング剤を用いているが、シランカップリング剤は、熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂とする炭素繊維強化複合材においては、界面接着力をより向上させる。なお、ガラス繊維強化複合材においては、ガラス繊維基質との親和性に有効に働くと考えられているが、炭素繊維強化複合材では、用いるマトリクス樹脂によってその効果の程度が異なることから、炭素繊維基質よりもむしろマトリクス樹脂との相互作用に効いているものと推察される。
【0030】
シランカップリング剤の添加量はサイジング剤の水以外の総成分量(総固形分量)100質量%に対して、5質量%以下、好ましくは4質量%以下であることが望ましい。添加量が5質量%を超えると、シラン化合物のシラン架橋が進行し、炭素繊維束の集束状態が硬く脆弱となり、縦割れが発生しやすくなり、更に界面接着性を低下させる原因となる恐れがある。
【0031】
本発明の炭素繊維束は、前述のサイジング剤の構成成分を水に溶解或いは分散させた水系サイジング剤溶液で処理することにより得られる。工業的な生産を考えると、安全面、経済面から、水系のサイジング剤溶液を用いて処理することが好ましい。サイジング剤の構成成分を水に分散させる目的で、界面活性剤が乳化剤として用いられる。この時、乳化剤としては、特に限定されるものではなく、アニオン系、カチオン系、ノニオン系乳化剤等を用いることができる。中でも、アニオン系又はノニオン系乳化剤が好ましい。また、シランカップリング剤を添加する場合、シランカップリング剤の水中での安定性、更に成形後の繊維強化熱可塑性樹脂材料の物性安定性の点からノニオン系乳化剤が特に好ましい。
【0032】
サイジング剤の付着方式は特に限定されるものではなく、サイジング剤中にロールの一部を浸漬させ表面転写した後、このロールに炭素繊維束を接触させて付着させるタッチロール方式、炭素繊維束を直接サイジング剤中に浸漬させ、その後必要に応じてニップロールを通過させて付着量を制御する浸漬方式等が挙げられる。また、炭素繊維束へのサイジング剤の付着量は、特に制限はないが、連続繊維した炭素繊維束においては、炭素繊維束に対するサイジング剤の付着量が水以外の成分量で0.3〜5質量%の範囲であることが好ましい。
【0033】
次に、本発明のチョップド炭素繊維束は、前記サイジング剤溶液を付着させ、所定長さに切断した後、乾燥させてなり、炭素繊維束に対するサイジング剤の付着量が水以外の成分量で1〜5質量%であることがより好ましい。また、本発明のチョップド炭素繊維束は、炭素繊維束の目付が0.4〜15g/m、好ましくは0.6〜10g/m、より好ましくは0.8〜8g/mであると共に、切断時の繊維束幅/厚みが3〜10であるチョップド炭素繊維束であることが好ましい。炭素繊維束の目付が0.4g/m未満では、経済的に不都合であり、更にペレット製造工程でのチョップド炭素繊維束の導入工程通過性を悪化させる。一方、15g/mを越える場合は、サイジング剤の炭素繊維束への浸透が完全に行わせることが難しくなり、形状の安定したチョップド炭素繊維束を製造することができなくなる。
【0034】
本発明のチョップド炭素繊維束の製造は、水系サイジング剤を付着させ、所定長さに切断した後、乾燥させる方法によって行い、炭素繊維束に対しサイジング剤を水以外の成分量で1〜5質量%付着させる。サイジング剤の付着量が1質量%未満では、後の切断工程及び乾燥工程において十分な集束性が得られず、繊維割れや毛羽が発生し、押出機投入時にトラブルが発生する恐れがある。一方、付着量が5質量%を超えると、集束力が強くなるため後の工程の通過性は良好となるものの、押出機内での樹脂への均一な分散が難しくなり、成形品の外観不良や、分散斑による機械物性の低下を招く恐れがある。
【0035】
サイジング剤の付着方式は、特に限定されるものではなく、サイジング剤中にロールの一部を浸漬させ表面転写した後、このロールに炭素繊維束を接触させて付着させるタッチロール方式、炭素繊維束を直接サイジング剤中に浸漬させ、その後必要に応じてニップロールを通過させて付着量を制御する浸漬方式等が挙げられる。中でもタッチロール方式が好適であり、さらに炭素繊維束を複数のタッチロールに接触させ複数段階で付着させる方式が、付着量や束幅制御の観点から特に好適である。
【0036】
炭素繊維束にサイジング剤を付着させた後、引き続き湿潤状態にある炭素繊維束を切断し、チョップド炭素繊維束の形態とする。切断工程は、水を含むサイジング剤の表面張力による炭素繊維の集束効果と、切断時の衝撃性のせん断力を湿潤状態の柔軟な状態で吸収して繊維割れを防ぐことを利用したものである。本発明でのの切断工程においては、炭素繊維束の含水率が20〜60質量%、好ましくは25〜50質量%の湿潤状態で切断する必要がある。含水率が20質量%未満では、切断時に繊維割れや毛羽が発生しやすくなる恐れがある。また、含水率が60質量%を超えると、繊維表面に水が過剰に付着した状態となるため、水の表面張力により炭素繊維が丸く集束し、切断時にミスカットや刃の目詰まりの発生頻度が高くなる恐れがある。また、必要に応じて、含水率を調整するために、切断前に水やサイジング剤による追加付着処理を行ってもよい。
【0037】
切断方式としては、特に制限はないが、ロータリーカッター方式等が好適である。また、切断長(チョップド炭素繊維長)は、2〜30mm、好ましくは4〜24mm、より好ましくは6〜20mmとすることが望ましい。ロータリーカッター方式では、用いる装置の歯先間隔を調節することにより切断長を調整することができる。ロータリーカッター方式での切断に際しては、繊維束厚みが厚くなり過ぎると切り損じを生じたり、ロータに炭素繊維が巻き付いて操作不能になったり、切断後の形状不良が生じたりするので、繊維束厚みは薄い方が有利である。また、炭素繊維束の目付が1.5g/mを超える太目付炭素繊維束の場合、炭素繊維束をできるだけ開繊させ、繊維束内部までサイジング剤を均一に付着させることが重要である。従って、ガイドロール、コームガイド、スプレッダーバー等を用いて、サイジング処理工程前後の炭素繊維束の束幅/厚みが大きくなるように制御しながら、かつサイジング処理後の炭素繊維束には実質的に撚りの無いように走行させることが好ましい。
【0038】
短く切断されたチョップド炭素繊維束は、束幅が広くなると繊維配向に沿って縦割れし易くなり、製造中や製造後の使用時にその形態を維持することが困難な傾向にある。このことは特に太目付炭素繊維束において顕著であるが、本発明者はサイジング剤の成分の中に、エラストマー成分を加えることにより、形成される皮膜の強度、特に皮膜伸度が大きいサイジング剤とすることができ、太目付炭素繊維束の形態安定性が効果的に保たれる。
【0039】
即ち、束幅を極端に狭くして断面円形状又は断面楕円形状にしないこと、具体的には束幅/厚みが3以上、好ましくは3〜10になるように束幅を制御することが好ましい。束幅/厚みが3以上であると、ロータリーカッターでの切断工程でのミスカットの発生を抑制することできる。また、束幅/厚みが10を超えると、切断時のミスカットが発生し難くなるものの、厚みが薄くなりすぎて切断後に炭素繊維束の縦割れが生じ易くなり、後の工程通過性が悪化する恐れがある。
また、太目付炭素繊維束を汎用タイプ並みに薄く広げて切断するには、同時に処理可能な炭素繊維本数が減少し、その減少分を補うためにカッターの幅広化或いは処理速度の高速化等必要となり、設備面の負荷や生産効率の低下を招く恐れがある。
【0040】
従って、束幅/厚みが3〜10となるようにロータリーカッターに付随するガイドの幅を調節し、炭素繊維束の束幅を制御することが好ましい。なお、当然のことながら太目付炭素繊維束にあっては、炭素繊維幅が広がっており、ロータリーカッターのガイドにおいては、繊維束は折りたたまれた状態となるため、束幅を狭くする方向に調整することが望ましい。
【0041】
次に、切断後のチョップド炭素繊維束を乾燥するが、乾燥方法としては、熱風乾燥法等が挙げられる。また、熱風乾燥法を採用する場合、水分の蒸発効率を向上させると共に、チョップド炭素繊維束同士の接着を防止するために、振動させた状態で移送しながら乾燥を行うことが好ましい。なお、乾燥時の振動が強すぎると、繊維割れが発生し易くなり、束幅/厚みが3未満のチョップド炭素繊維束の割合が多くなる。また、振動が弱すぎると、繊維同士の擬似接着が起こり、団子状になってしまう。従って、適切な振動条件に設定する必要がある。また、細分化されたチョップド炭素繊維を振るい落とすだけでなく、熱風の通りをよくするために、メッシュ振動板上を移送させながら、振動乾燥することがより好ましい。また、乾燥効率を向上させるために、赤外線放射等の補助手段を併用することもできる。
【0042】
本発明のチョップド炭素繊維束の製造に当たって、サイジング処理される炭素繊維束は、既にその製造工程でサイジング処理をされているものでも、またサイジング処理されたものであってもよい。本発明によれば、形態安定性に優れ、繊維強化複合材の製造時の取り扱い性に優れたチョップド炭素繊維束を提供することができる。本発明は、特に目付が1.5g/mを超える太目付チョップド炭素繊維束を得る場合に対して有効であり、その製造工程の安定化、高品質化を実現することができ、量産対応可能で安価な経済性に優れたチョップド炭素繊維束を提供することができる。
【0043】
本発明のチョップド炭素繊維束を用いてマトリックス樹脂とする熱可塑性樹脂と混練することにより、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物とすることができる。
チョップド炭素繊維束の熱可塑性樹脂への混練に際しては、チョップド炭素繊維束を押出機に供給し、熱可塑性樹脂と混練してペレット化し、ペレットとすることが好ましい。また、本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、射出成形法等の公知の成形法により成形することにより、任意の形状の成形品(繊維強化複合成形品)を提供することができる。
【0044】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製するに当たっては、組成物の総重量に対して、本発明のチョップド炭素繊維束を3〜60質量%、好ましくは5〜50質量%配合することが好ましい。チョップド炭素繊維束を3質量%以上配合することにより成形品の機械物性向上効果が顕著に発現する。また、60質量%を超えると、それ以上の著しい向上効果が得られないと共に、ペレット製造時の工程安定性が低下し、ペレットの繊維含有量斑等が生じ、成形品の品質安定性が悪化する恐れがある。
【0045】
本発明でマトリックス樹脂として用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、サイジング剤の主成分であるオレフィン系化合物との親和性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が最適であり、他にはポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンサルフィド樹脂、ポリエーテルサルフィン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらのアロイ系樹脂の群から選ばれる樹脂であることが好ましい。特にポリオレフィン系樹脂をマトリックスと用いる場合、機械特性をより向上する目的で、各種の変性ポリオレフィン樹脂を少量添加してもよい。
【0046】
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物よりなる成形品は、本発明のチョップド炭素繊維束を用いて得られたものであるので、機械物性に優れると共に、生産性、経済性に優れる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0048】
(実施例1〜9、比較例1〜4)
[ポリプロピレン系成形品]
チョップド炭素繊維束の製造:
原料の炭素繊維束として、ポリアクリル繊維をプレカーサーとする12000本又は50000本のフィラメントよりなるパイロフィルTR30S−12L又はTR30L−50L(三菱レイヨン(株)製炭素繊維束)を用い、開繊バーと炭素繊維幅規制バーとを複数回交互に通過させ、所定の炭素繊維束幅とした後、サイジング剤を付着させるサイジング処理を行い炭素繊維束を得た。サイジング剤としては13種のサイジング剤A〜Lを調製して用いた。各サイジング剤の構成成分と組成比をそれぞれ表1と表2に示した。なお、サイジング剤の使用に当たっては、水分量を調整し、サイジング剤濃度を調整した。また、サイジング剤を付着させる方式としては、サイジング剤槽にロールの一部を浸漬し、ロール表面に転写した後、ロール表面に炭素繊維束を接触させる方式で、2個のタッチロールを用い、炭素繊維束の表裏両面に対して塗布を実施するタッチロール方式を採用した。
【0049】
【表1】
Figure 2004263359
【0050】
【表2】
Figure 2004263359
【0051】
また、表2において、各成分の重量含有率は、水溶性又は水分散性樹脂純成分の、サイジング剤の水以外の総成分量100質量%に対する配合量(質量%)、シランカップリング剤の添加量は、シランカップリング剤純成分のサイジング剤の水以外の総成分量に対する添加量(質量%)を意味する。次に、湿潤状態の炭素繊維束をロータリーカッターを用いて長さ6mmに切断し、最後に、床振動式熱風乾燥炉に連続的に投入し、150℃にて乾燥させることにより、チョップド炭素繊維束を得た。
【0052】
ペレット及び成形品の製造:
マトリックス樹脂としてポリプロピレン樹脂とこれに変性ポリプロピレン樹脂を併用し、チョップド炭素繊維束を表3に示す配合にポリプロピレン系樹脂と混合し、この混合物を250℃に加熱した二軸押出機に供給し、また、繊維状充填剤をサイドフィーダーにより溶融樹脂へ供給し混練してペレットを得た。
【0053】
得られたペレットを直径20mm、35オンスのスクリューインライン成形機で、シリンダー温度250℃、金型温度60℃にて各成形品を作製した。また、この成形品の力学的特性として、引張り物性と曲げ物性を、各々JIS K7113、JIS K7203に準拠し測定した。表3において、各略号は以下のものを表す。
PP:ポリプロピレン(出光(株)製J−5051HP)
変性PP:無水マレイン酸共重合ポリプロピレン(三菱化学(株)製マスターバッチP503)
【0054】
炭素繊維束のストランドの物性、サイジング処理条件、切断時の含水率、チョップド炭素繊維束の外観、切断長(チョップド炭素繊維束の繊維長)を表3に示す。なお、炭素繊維束のストランド物性は、JIS R7601に準拠し測定した。また、サイジング剤の付着量は、JIS R7601の抽出法に準拠し測定した。また、ペレット製造時に用いた熱可塑性樹脂の種類及びチョップド炭素繊維束の配合量、成形品の物性の評価結果を表3に示した。また、表3において、サイジング剤濃度は、サイジング剤総量に対する水以外の総成分量(質量%)、ペレット製造時の炭素繊維束の配合量は、ペレット中のチョップド炭素繊維束の配合量(質量%)を意味する。
【0055】
【表3】
Figure 2004263359
【0056】
(実施例10〜15、比較例5〜8)
[ポリプロピレン系成形品及びナイロン系成形品]
実施例1〜9、比較例1〜4と同様にして、表2に示したサイジング剤を用い、サイジング剤濃度6質量%、トウ幅8mm、トウ幅/厚み比4、サイジング剤付着量2.5質量%、切断時含水量42質量%の条件にて得た切断長6mmのチョップド炭素繊維束を用い、マトリックス樹脂としてポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂をそれぞれ用い、表4に示した配合に混合し、この混合物を310℃に加熱した二軸押出機に供給し、また、繊維状充填剤をサイドフィーダーにより溶融樹脂へ供給し混練してペレットを得た。次にこのペレットを直径20mm、35オンスのスクリューインライン成形機で、シリンダー温度310℃、金型温度80℃、にて各成形品を作成した。表4において、略号は以下のものを表す。
PP:ポリプロピレン(出光(株)製J−5051HP)
N66:ナイロン66(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ノバミッド3010SR)
【0057】
用いた炭素繊維束、サイジング剤の種類、サイジング処理条件を表4に示す。
なお、炭素繊維束のストランド物性、サイジング剤の付着量の測定は、実施例1〜9と同様にして行い、また、ペレット製造時に用いたチョップド炭素繊維束の配合量、成形品の物性の評価結果を表4に示した。表4において、サイジング剤濃度はサイジング剤総量に対する水以外の総成分量(質量%)、ペレット製造時の炭素繊維束の配合量はペレット中のチョップド炭素繊維束の配合量(質量%)を意味する。
【0058】
【表4】
Figure 2004263359
【0059】
(実施例16〜17)
実施例1において、原料の炭素繊維束としてポリアクリル繊維をプレカーサーとする12000本のフィラメントよりなるパイロフィルTR40又はMR40(三菱レイヨン(株)製炭素繊維束)を用い、またサイジング剤として表2に示したサイジング剤Eを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系成形品を作成し、成形品の物性の評価結果を表5に示した。
【0060】
【表5】
Figure 2004263359
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン系樹脂との親和性に優れ、炭素繊維強化樹脂成形品の機械物性に優れた炭素繊維束を提供することができ、更に形態安定性に優れ、繊維強化複合材製造時の取り扱い性に優れ、経済性に優れたチョップド炭素繊維束を提供することができる。また、本発明は、目付けが、1.5g/m以上の太目付炭素繊維束に対して好適なるものであり、その製造工程の安定化、高品質化を実現させることができる。本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物よりなる成形品は、本発明のチョップド炭素繊維束を用いて得られたものであるので、機械物性に優れると共に、生産性、経済性に優れる。

Claims (16)

  1. 数平均分子量20,000以下、ASTM D1386に準じて測定された酸価が23〜120 mgKOH/gである酸変性されたポリプロピレン樹脂(化合物a)、ポリオキシ系ではない脂肪族系主鎖を有しエポキシ基を含有する樹脂(化合物b)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂(化合物c)を構成成分として含むサイジング剤で収束されたことを特徴とする炭素繊維束。
  2. サイジング剤総重量に対して、化合物aが35質量%以上、化合物bが30質量%以上、化合物cが20質量%以上含むサイジング剤で収束された請求項1記載の炭素繊維束。
  3. 化合物cが、ASTM D1525−70に準じて測定されたビカット軟化点が120℃以下の化合物である請求項1又は2記載の炭素繊維束。
  4. エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマー成分を含む共重合物を構成成分として含むサイジング剤であって、該共重合物がサイジング剤総重量に対し40質量%以上含むサイジング剤で収束されたことを特徴とする炭素繊維束。
  5. エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマー成分を含む共重合物が、エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとの共重合物(化合物d)、若しくはエチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとアクリル酸エステルとの共重合物(化合物e)である請求項4記載の炭素繊維束。
  6. 請求項4又は5記載のサイジング剤であり、エチレン或いはプロピレン、アクリル酸エステル及び酸無水基を含有するモノマーとの共重合物(化合物f)を構成成分として含むサイジング剤で収束されたことを特徴とする炭素繊維束。
  7. 請求項4又は5記載のサイジング剤であり、数平均分子量20,000以下、ASTM D1386に準じて測定された酸価が23〜120mgKOH/gである酸変性されたポリプロピレン樹脂(化合物a)を構成成分として含むサイジング剤で収束されたことを特徴とする炭素繊維束。
  8. ポリオキシ系ではない脂肪族系主鎖を有しエポキシ基を含有する樹脂(化合物b)が、エチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとの共重合物(化合物d)、若しくはエチレン或いはプロピレンとエポキシ基含有モノマーとアクリル酸エステルとの共重合物(化合物e)である請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維束。
  9. サイジング剤に、分子中にエポキシ基、ビニル基、アミノ基、メタクリル基、アクリル基、直鎖アルキル基を有するシランカップリング剤がサイジング剤総重量に対し5質量%以下を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の炭素繊維束。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のサイジング剤が炭素繊維束に付着され、所定長さに切断されてなり、炭素繊維束に対するサイジング剤の付着量が水以外の成分量で1〜5質量%であるチョップド炭素繊維束。
  11. 炭素繊維束の目付が0.4〜15g/mであると共に、切断時の繊維束幅/厚みが3〜10である請求項10記載のチョップド炭素繊維束。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のサイジング剤を炭素繊維束に付着させ、所定長さに切断した後、乾燥させるチョップド炭素繊維束の製造方法であって、炭素繊維束に対してサイジング剤を水以外の成分量で1〜5質量%付着させ、炭素繊維束の含水率が20〜60質量%の湿潤状態で切断することを特徴とするチョップド炭素繊維束の製造方法。
  13. サイジング剤を水中に溶解或いは分散させた水系サイジング剤溶液として用いる請求項12記載のチョップド炭素繊維束の製造方法。
  14. 熱可塑性樹脂に、請求項1〜11に記載の炭素繊維束又はチョップド炭素繊維束を炭素繊維量で3〜60質量%配合した炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  15. 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポレイフェニレンサルフィド樹脂、ポリエーテルサルフィン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらのアロイ系樹脂の群から選ばれる少なくとも一つである請求項14に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  16. 請求項14又は15に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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