JP2017002144A - 水性樹脂組成物及び繊維集束剤 - Google Patents

水性樹脂組成物及び繊維集束剤 Download PDF

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武志 岩尾
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Abstract

【課題】ガラス繊維や炭素繊維等の繊維集束性、及び樹脂含浸性に優れ、繊維集束剤等の各種バインダー用途に有用な水性樹脂組成物を提供することである。さらには、該水性樹脂組成物を含有する繊維集束剤を提供することである。
【解決手段】プロピレン系重合体(A)、乳化剤(B)、及び水性媒体(C)を含有する水性樹脂組成物であって、乾燥皮膜の軟化温度が20〜120℃の範囲であることを特徴とする水性樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維集束剤等の各種バインダー用途に有用な水性樹脂組成物及び繊維集束剤に関するものである。
高強度で優れた耐久性の求められる自動車部材や航空機部材等には、通常、マトリックス樹脂と繊維材料等とを含む繊維強化プラスチックが使用されることが多い。前記マトリックス樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が使用されており、最近ではポリフェニレンサルファイド(PPS)やスーパーエンプラ等といわれる、より融点の高い樹脂が多く使用されつつある。この中で、PPは耐衝撃性に優れるため繊維強化部材で最も使用されている。
一方、前記繊維強化プラスチックに使用する繊維材料としては、一般に炭素繊維やガラス繊維が使用されており、それらは通常、高強度を付与する観点から、繊維集束剤によって概ね数千〜数万程度に集束されていることが多い。これらの繊維集束剤は、繊維材料とマトリックス樹脂とを混練する際の摩擦によって生じる繊維材料の糸割れ、毛羽立ちを防ぐことによる作業性向上、及び繊維材料とマトリックス樹脂との含浸性向上による成形物の物性向上の目的で使用される。
このような繊維集束剤としては、ポリウレタンエマルジョンを主要な造膜成分とする水分散型ガラス繊維集束剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、前記特許文献1に記載された繊維集束剤は、繊維集束性に優れるものの、最も使用量が多いポリプロピレンマトリックスに対する含浸性が不足し、成形物の強度が不足する問題があった。
一方、ポリプロピレンマトリックス向けとしては、重量平均分子量2万以上のポリオレフィンエマルジョン(例えば、特許文献2参照。)や、ポリウレタン樹脂、不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸と1種類以上の不飽和単量体との共重合体、及びシラン系カップリング剤を含む集束剤(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。しかし、これらの材料においても、車用・電材用途等のより高強度が要求される用途においては、PPマトリックス樹脂への含浸性不足によるボイド起因の成形物の物性低下が問題となっていた。また、ポリオレフィン集束剤では、繊維集束性が不足する問題もあった。
特公昭52−006393号公報 WO2004/074353号公報 特開2005−290138号公報
本発明が解決しようとする課題は、繊維集束性及び樹脂含浸性に優れ、繊維集束剤等の各種バインダー用途に有用な水性樹脂組成物、及び該水性樹脂組成物を含有する繊維集束剤を提供することである。
本発明者等は前記課題を解決すべく検討した結果、プロピレン系重合体、乳化剤、及び水性媒体を含有し、乾燥皮膜の軟化温度が20〜120℃の範囲である水性樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、プロピレン系重合体(A)、乳化剤(B)、及び水性媒体(C)を含有する水性樹脂組成物であって、乾燥皮膜の軟化温度が20〜120℃の範囲であることを特徴とする水性樹脂組成物に関するものである。
本発明の水性樹脂組成物は、軟化温度が低いことから各種バインダーとして使用することができる。その中でも、繊維集束性及び樹脂含浸性に優れることから、繊維集束剤に使用することが好適である。また、ポリプロピレン基材へのコーティング剤としても使用することができる。
本発明の水性樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)、乳化剤(B)、及び水性媒体(C)を含有する水性樹脂組成物であって、乾燥皮膜の軟化温度が20〜120℃の範囲であるものである。
前記プロピレン系重合体(A)は、プロピレン単位が1以上重合されたものであり、プロピレンの単独重合体であるプロピレン重合体が挙げられる。また、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンからなる群から選ばれる少なくとも1種とプロピレンとの共重合体が挙げられる。前記共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体であってもよい。これらの中でも、マトリックス樹脂がポリプロピレン樹脂の場合、含浸性がより向上することから、プロピレン重合体が好ましい。
また、前記プロピレン系重合体(A)としては、繊維集束性と樹脂含浸性がより向上することから、軟化温度が20〜120℃の範囲であるものが好ましく、20〜80℃の範囲であるものがより好ましい。
本発明における軟化温度とは、下記の装置及び条件で測定した際、乾燥皮膜等の試料が変形し始めた時の温度である。
測定装置:島津フローテスター CFT500D−2(株式会社島津製作所製)
ダイ穴径:1mm、ダイ長さ:1mm
条件:昇温法、昇温速度3.0℃/min、予熱時間600s、荷重98N
前記プロピレン系重合体(A)のMwは、集束性及び水性樹脂組成物製造の簡便性が向上することから、10,000〜150,000の範囲が好ましく、20,000〜80,000の範囲がより好ましい。
前記乳化剤(B)としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物等のノニオン系乳化剤;ルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系乳化剤;4級アンモニウム塩等のカチオン系乳化剤などが挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。これらの中でも、プロピレン系重合体の乳化性能に優れる長鎖アルキル脂肪酸、及び粒子安定性が向上するノニオン系乳化剤を併用することが好ましい。
前記水性媒体(C)としては、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル;N-メチル−2−ピロリドン等のラクタム等が挙げられる。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、または、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみを使用することが特に好ましい。
本発明の水性樹脂組成物は、乾燥皮膜の軟化温度が20〜120℃の範囲であるが、繊維集束性と樹脂含浸性がより向上することから、軟化温度が20〜100℃の範囲であるものが好ましく、20〜80℃の範囲であるものがより好ましい。
本発明における乾燥皮膜とは、乾燥後の膜厚が150μmとなるように水性樹脂組成物をA4版の枠付きガラス板へ流し込み、23℃で24時間乾燥し、次いで、150℃で5分間熱処理させて得られたものである。
本発明の水性樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)、乳化剤(B)、及び水性媒体(C)を含有するものであるが、繊維集束性及びポリプロピレン樹脂への含浸性がより向上することから、プロピレン系重合体(A)が水性媒体(C)中に分散したものであることが好ましい。
前記プロピレン系重合体(A)を前記水性媒体(C)中に分散させる方法としては、有機溶剤に溶解した前記プロピレン系重合体(A)と前記乳化剤(B)とを混合した後、これらの混合物と水性媒体(C)とを混合し乳化分散させる方法が、凝集粒子の発生を防止し、繊維集束性がより向上することから好ましい。また、前記プロピレン系重合体(A)を溶解する有機溶剤は、乳化分散した後、脱溶剤工程により留去することが好ましい。
前記プロピレン系重合体(A)を溶解する有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族化合物;シクロへキサノン、メチルシクロヘキサノン等の脂環式化合物;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル;イソブタノール、ノルマルブタノール、イソプロピルアルコール、ソルビトール等のアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンなどを使用することができる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の水性樹脂組成物の固形分中の前記プロピレン系重合体(A)の質量比率は、樹脂含浸性が優れることから、40〜95質量%の範囲であることが好ましく、60〜85質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明の水性樹脂組成物の固形分中の前記乳化剤(B)の質量比率は、乳化分散性が優れることから、5〜60質量%の範囲であることが好ましく、15〜40質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明の水性樹脂組成物中の前記水性媒体(C)の質量比率は、長期間の分散安定性が優れることから、10〜60質量%の範囲であることが好ましく、20〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
また、本発明の水性樹脂組成物は、必要に応じてシランカップリング剤、硬化触媒、潤滑剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤等の添加剤、pH調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、分散安定剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、耐熱性付与剤、無機充填剤、有機充填剤、可塑剤、補強剤、触媒、抗菌剤、防カビ剤、防錆剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、顔料、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤を併用することができる。
本発明の水性樹脂組成物は、乾燥皮膜の軟化温度が低く、樹脂含浸性にも優れるため繊維集束剤等のバインダー用途に使用できる。
本発明の繊維集束剤は、前記水性樹脂組成物を含有するものであるが、得られる成形品の機械的強度が向上することから、シランカップリング剤を含有することが好ましく、その中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランを含有することが特に好ましい。なお、これらのシランカップリング剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記シランカップリング剤は、前記水性樹脂組成物の固形分100質量部に対して1〜30質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の繊維集束剤を用いて処理可能な繊維材料としては、例えばガラス繊維や炭素繊維、シリコンカーバイド繊維、パルプ、麻、綿、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリイミド、あるいはケブラー、ノーメックス等のアラミド等からなるポリアミド繊維等が挙げられる。これらの中でもガラス繊維や炭素繊維は、高強度であることから使用することが好ましい。
前記ガラス繊維や炭素繊維を、本発明の繊維集束剤を用いて集束化し、前記ガラス繊維束や炭素繊維束の表面に、皮膜を形成する方法としては、例えば、繊維集束剤をキスコーター法、ローラー法、浸漬法、スプレー法、刷毛などその他公知の方法で、繊維表面に繊維集束剤を均一に塗布する方法が挙げられる。前記繊維集束剤が溶媒として水性媒体や有機溶剤を含む場合には、前記塗布後に加熱ローラーや熱風、熱板等を用いて、加熱乾燥することが好ましい。
前記繊維材料の表面に形成された皮膜の付着量は、集束化され表面処理の施された繊維束の全質量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい
本発明の繊維集束剤で処理された繊維は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等のマトリックス樹脂の補強剤として用いられ、特にポリプロピレン樹脂に好適に使用される。
以下、本発明を実施例及び比較例によって、より具体的に説明する。
軟化温度は、下記の装置及び条件で測定した際、乾燥皮膜等の試料が変形し始めた時の温度である。
測定装置:島津フローテスター CFT500D−2(株式会社島津製作所製)
ダイ穴径1mm、ダイ長さ1mm
条件:昇温法、昇温速度3.0℃/min、予熱時間600s、荷重98N
尚、水性樹脂組成物の乾燥皮膜は、乾燥後の膜厚が150μmとなるように水性樹脂組成物をA4版の枠付きガラス板へ流し込み、23℃で24時間乾燥し、次いで、150℃で5分間熱処理させて得た。
また、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(実施例1:水性樹脂組成物(1)の調製及び評価)
温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、軟化温度70℃のプロピレン重合体(出光興産株式会社製、「エルモーデュ S600」)100質量部、トルエン100質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃に昇温し、均一混合した。次に、80℃に保持した状態で、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数50)15質量部を加えた後30分間撹拌混合し、これに数平均分子量約16,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール15質量部を加えて30分間撹拌混合した。次に、イオン交換水262質量部を撹拌しながら1時間かけて滴下し、乳化分散を行った。その後、80℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、約2時間脱溶剤した後、冷却を行い、不揮発分40質量%、平均粒子径1μm、乾燥皮膜の軟化温度60℃の水性樹脂組成物(1)を得た。
[含浸性の評価]
ガラス板(株式会社エンジニアリングテストサービス製、JIS R3202)上に、上記で得られた水性樹脂組成物(1)を塗工し、140℃で5分間処理することで、膜厚2μmの薄膜を形成した。この薄膜上にポリプロピレンペレット(日本ポリプロ株式会社製、「ノバテックPP BC3AD」)25mgを配置した後、ガラス板を210℃設定のホットプレート上に配置し、12分後に溶融して広がったペレットの最外殻の幅を測定した。この広がり幅から下記の基準で含浸性を評価した。
○:広がり幅11mm以上
△:広がり幅6mm以上11mm未満
×:広がり幅6mm未満
[集束性の評価]
上記で得られた水性樹脂組成物(1)2.5質量部(固形分として1質量部)、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン0.1質量部、及びイオン交換水97.4質量部を混
合し、繊維集束剤(1)を調製した。
上記で得られた繊維集束剤(1)を、13μm径のノーサイズのガラス繊維表面に、繊維に対し1質量%、均一に塗布した。この繊維を集束させた後、長さ3mmに切断、乾燥してチョップドストランド(1)を作成した。このチョップドストランド(1)50gと、ポリプロピレン樹脂100gとを容積1Lのタンブラーに投入し、10分間混合した後、発生した毛羽を採取してその質量を測定し、下記の基準で集束性を評価した。
○:0.15g未満
△:0.15以上1.5g未満
×:1.5g以上
(実施例2:水性樹脂組成物(2)の調製及び評価)
実施例1で用いた軟化温度70℃のプロピレン重合体を、軟化温度60℃のポリプロピレン重合体(出光興産株式会社製、「エルモーデュ S400」)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、不揮発分40質量%、平均粒子径1μm、乾燥皮膜の軟化温度45℃の水性樹脂組成物(2)を得た。
実施例1で用いた水性樹脂組成物(1)を水性樹脂組成物(2)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、含浸性及び集束性を評価した。
(比較例1:水性樹脂組成物(R1)の調製及び評価)
温度計、撹拌装置を備えた圧力容器に、軟化温度160℃のプロピレン重合体(プライムポリマー株式会社製、「プライムポリプロ J105G」)100質量部、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数5)75質量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数20)75質量部、オレイン酸14.9質量部、及びイオン交換水194.8質量部を加えた。次に、圧力容器を密閉して170℃まで昇温し、20分間撹拌した後、25℃まで冷却し、不揮発分40質量%、平均粒子径0.3μm、乾燥皮膜の軟化温度150℃の水性樹脂組成物(R1)を得た。
実施例1で用いた水性樹脂組成物(1)を水性樹脂組成物(R1)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、含浸性及び集束性を評価した。
(比較例2:水性樹脂組成物(R2)の調製及び評価)
比較例1で用いた軟化温度160℃のプロピレン重合体を、軟化温度140℃のエチレンプロピレン共重合体(プライムポリマー株式会社製、「プライムポリプロ J229E」)に変更した以外は、比較例1と同様に操作することにより、不揮発分40質量%、平均粒子径0.3μm、乾燥皮膜の軟化温度130℃の水性樹脂組成物(R2)を得た。
実施例1で用いた水性樹脂組成物(1)を水性樹脂組成物(R2)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、含浸性及び集束性を評価した。
(比較例3:水性樹脂組成物(R3)の調製及び評価)
温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(水酸基価112)71.1質量部、及びジメチロールプロピオン酸1質量部を仕込み、充分撹拌混合した後、イソホロンジイソシアネート27.9質量部を加え、80℃でNCO%が3.9%に到達するまで反応を継続した後、冷却し、ウレタン樹脂(1)を得た。該ウレタン樹脂(1)と、トリエチルアミン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:14)、及びイオン交換水を含む水溶液とを、ウレタン樹脂(1)/(トリエチルアミン/HLB14のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル/イオン交換水)=100/(0.72/6.0/93.4)質量部の流量比でそれぞれの定量ポンプでスタティックミキサー中に供給し予備乳化混合液を得た後、該混合液を超音波ホモジナイザー(ソニックコーポレーション社製「ソノレーターBT型」、0.003inchのオリフィスを使用)に背圧をかけながら120Kgf/cm2の圧力で導入し乳化分散を行った。得られた水性樹脂と、20質量%無水ピペラジン水溶液19.9質量部とを混合させて鎖伸長反応させた後、イオン交換水で希釈して、不揮発分50質量%、平均粒子径0.6μm、乾燥皮膜の軟化温度50℃の水性樹脂組成物(R3)を得た。
実施例1で用いた水性樹脂組成物(1)を水性樹脂組成物(R3)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、含浸性及び集束性を評価した。
上記の実施例1〜2及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
Figure 2017002144
本発明の水性樹脂組成物である実施例1〜2のものは、樹脂への含浸性に優れ、これらを含有する繊維集束剤は、繊維の集束性に優れることが確認された。
一方、比較例1及び2は、乾燥皮膜の軟化温度が、上限である120℃より高い水性樹脂組成物の例であるが、これらを含有する繊維集束剤は、集束性が劣ることが確認された。
比較例3は、水性樹脂組成物の原料としてポリウレタンを使用した例であるが、含浸性が劣ることが確認された。

Claims (3)

  1. プロピレン系重合体(A)、乳化剤(B)、及び水性媒体(C)を含有する水性樹脂組成物であって、乾燥皮膜の軟化温度が20〜120℃の範囲であることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 有機溶剤に溶解したプロピレン系重合体(A)と乳化剤(B)とを混合した後、これらの混合物と水性媒体(C)とを混合することによって得られる請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴とする繊維集束剤。
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