JP5242749B2 - 水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤およびこれを用いた撥水撥油剤組成物並びにその撥水撥油剤組成物を用いた繊維の撥水撥油加工方法 - Google Patents

水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤およびこれを用いた撥水撥油剤組成物並びにその撥水撥油剤組成物を用いた繊維の撥水撥油加工方法 Download PDF

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本発明は、水溶性または水分散性を付与したポリイソシアネート架橋剤に係るものである。更に詳しくは、他の水溶性樹脂または水分散性樹脂との相溶性に優れ、特にフッ素エマルジョン樹脂に代表される撥水撥油剤成分と併用することによって、安定した撥水撥油効果を発現させることができるポリイソシアネート架橋剤およびこれを用いた撥水撥油剤組成物並びにその撥水撥油剤組成物を用いた繊維の撥水撥油加工方法に関するものである。
従来から繊維業界においては、各種の繊維に撥水撥油効果を施す際に、フッ素エマルジョン樹脂などに代表される撥水撥油剤成分が一般的用いられている。そして、これら撥水撥油剤成分と繊維との架橋には、加熱によって解離するブロック剤によって分子末端のイソシアネート基をブロックした、ブロック化ポリイソシアネート架橋剤が使用されることが多い。
また、繊維分野以外の技術分野においても、樹脂の改質剤など、各種の用途にブロック化ポリイソシアネート架橋剤が使用されている。
しかし、従来のブロック化ポリイソシアネート架橋剤は分子末端のイソシアネート基を疎水性のブロック剤でブロックしていることから、水溶性樹脂や水分散性樹脂の架橋剤として使用した場合には、これらの樹脂との相溶性が良くないことから沈殿を起こしやすい。
また、これら従来のブロック化ポリイソシアネート架橋剤を繊維の撥水撥油加工に使用した場合においても、フッ素エマルジョン樹脂などとの相溶性が良くないことから、十分な撥水撥油性能を発現しないことが多い。
そこで、これらの問題を解決するために、例えば特許文献1に示すように界面活性剤を用いてポリイソシアネート架橋剤を水に250nm以下の微粒子状態に乳化して使用することや、特許文献2に示すように、分子骨格に複数の分岐を有し、かつ分子末端に複数のブロックイソシアネート基および水酸基を有する自己架橋タイプの水性ポリイソシアネート架橋剤を使用することが行われてきた。
一方、接着剤などの樹脂硬化に使用される一般的な架橋剤の分野においては、特許文献3〜5において示すような、水系においても使用を可能としたポリイソシアネート架橋剤が各種開発されている。
ここで、特許文献3〜5に記載のポリイソシアネート架橋剤は、末端のイソシアネート基にアミノカルボン酸類やアミノスルホン酸類などのアニオン形成性基を含有する化合物を結合させて水溶性または水分散性を発現させているものである。
また、特許文献5に記載のポリイソシアネート架橋剤については、アニオン形成性基を含有する化合物だけでなく、末端のイソシアネート基にN,N−ジメチルエタノールアミンなど化合物を結合させた後、酢酸などを用いてカチオン性を付与し、水溶性または水分散性を発現させているものでもある。
WO97/37076号公報 特開2007−254598号公報 特公昭60−30689号公報 特公昭63−51474号公報 特公昭63−6083号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ポリイソシアネート架橋剤を微粒子にして水への乳化状態を向上させているものの、界面活性剤を用いていることから十分な乳化安定性を発現するものではないという問題があった。
特許文献2に記載のポリイソシアネート架橋剤においては、製造工程が複雑になり、合成後のポリイソシアネート架橋剤の構造が一定しないという問題があった。
また、かかるポリイソシアネート架橋剤を繊維の撥水撥油加工に使用した場合には、分子骨格内に第三級アミンを有していることから繊維への撥水撥油加工時に黄変の問題が生じるという問題があった。
ここで、特許文献3〜5に記載の水溶性または水分散性のポリイソシアネート架橋剤を繊維の撥水撥油加工に使用するポリイソシアネート架橋剤に応用することも考えられる。
しかし、特許文献3〜5に記載されているアニオン形成性基を含有する化合物を結合させたポリイソシアネート架橋剤は、イソシアネート基に対するアニオン形成性基の含有量が多くなっている(特許文献4、5の特許請求の範囲のm≧0.25の記載参照)。
ここで、一般的に撥水撥油剤成分として使用されるフッ素エマルジョン樹脂は、弱カチオン性を示す化合物であることから、特許文献3〜5に記載のポリイソシアネート架橋剤をこれら弱カチオン性を有するフッ素エマルジョン樹脂とともに使用すると、かかるフッ素エマルジョン樹脂と結合して沈殿を生じてしまい使用できなくなるという問題がある。
また、特許文献4、5においては、アニオン形成性基を含有する化合物として、アミノカルボン酸類やアミノスルホン酸類の記載があるが(特許文献4、5の特許請求の範囲の記載参照)、モノアミノ酸、モノスルホン酸以外のアミノ基を複数個含有するカルボン酸もしくはスルホン酸を使用すると、当該カルボン酸またはスルホン酸が鎖伸長剤の役割を果たしてポリイソシアネートを形成することから、所望する構造の架橋剤が得られないばかりか、分子量の増大を伴うことによる増粘の発生や、アニオン形成性基の含有量の低下による親水性の低下などが発生して架橋剤として使用できなくなるという問題もある。
さらに、特許文献5に記載されているポリイソシアネート架橋剤については、繊維への撥水撥油加工に使用する場合には、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの化合物が原因となり黄変を起こすという問題もある。
以上から、各種の用途に安定した性能を示し得る水溶性または水分散性のブロック化ポリイソシアネート架橋剤は存在していなかった。
また、現在まで繊維業界において撥水撥油剤成分と良好な相溶性を保持しつつ、高い撥水撥油性能を発現させることができる水溶性または水分散性のポリイソシアネート架橋剤は存在していなかった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、他の水溶性または水分散性樹脂との相溶性に優れ、特にフッ素エマルジョン樹脂に代表される撥水撥油剤成分と併用することによって、安定した撥水撥油効果を発現させることができるポリイソシアネート架橋剤およびこれを用いた撥水撥油剤組成物並びにその撥水撥油剤組成物を用いた繊維の撥水撥油加工方法の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール類とを、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がポリオール類の水酸基に対して過剰になるように反応させて、全ての末端にイソシアネート基を有するイソシアネートプレポリマーを得た後、イソシアネートプレポリマーの末端イソシアネート基に、ブロック剤(A)と、ポリオール類(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物とを、(A)と、(B)、(C)、(D)、(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物とのモル比が、(A):((B)+(C)+(D)+(E))=80:20〜98:2となるように反応させることによって得られる、一部の末端イソシアネート基がブロック剤(A)によってブロックされ、残りの末端イソシアネート基がポリオール類(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物によって結合されているポリイソシアネート組成物と、全ての末端イソシアネート基がブロック剤(A)によってブロックされているポリイソシアネート組成物との混合物を含むものであることを特徴とする。
(化1)
−(CHCHO)−(CHCHCHO)−H
(ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0〜25の整数であり、mは0〜25の整数であり、n+mは10〜50の整数である)
本発明の請求項2に係る水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、ポリオール類およびポリオール類(B)がポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールの中から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、化合物(C)が、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルの中から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、ブロック剤(A)が、メチルエチルケトンオキシム、1H−ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールの中から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る撥水撥油剤組成物は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤とフッ素エマルジョン樹脂とを含有することを特徴とする。

本発明の請求項に係る繊維の撥水撥油加工方法は、請求項に記載の撥水撥油剤組成物を水に溶解希釈し水溶液を作製する工程と、水溶液を繊維に塗布又は含浸する工程と、水溶液が塗布又は含浸した繊維を乾燥または加熱処理する工程とを備えることを特徴とする。
以下にそれぞれの構成要件について説明する。
本発明の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、ポリイソシアネート化合物とポリオール類とを反応させてイソシアネートプレポリマーを得た後、当該イソシアネートプレポリマーの末端に形成されるイソシアネート基にブロック剤およびポリオール類(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物を反応させることによって合成される。
なお、本発明における「水溶性または水分散性」とは、本発明のポリイソシアネート架橋剤が完全に水に溶解するもののみを指すものではなく、溶解状態ではない分散状態や乳化状態であっても界面活性剤などの乳化剤を使用することなく水中に均一な状態で安定に存在することができる性質を有するという意である。
また、後記する撥水撥油剤成分と混合して撥水撥油剤組成物を作製した際に相分離を起こすことなく水中に均一な状態で安定に存在することができるという意でもある。
本発明のイソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネート化合物とポリオール類とを、公知の重付加反応方法によって反応させることによって合成される。なお、ここで、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をポリオール類の水酸基に対して過剰になるように配合して反応させることが必要である。
すなわち、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がポリオール類の水酸基に対して過剰になるように配合されて合成されることによって、得られるイソシアネートプレポリマーの末端には必ずイソシアネート基が形成されるのである。
本発明のポリイソシアネート化合物については、複数のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されず、芳香族類、脂肪族類、脂環族類など各種のポリイソシアネート化合物を用いることができる。なお、これらのポリイソシアネート化合物の中でも、反応性の点から芳香族類、または黄変しにくい点から脂肪族類のものを使用することが好ましい。そして、以下に例示するポリイソシアネート化合物の中でも、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を使用することが好ましい。また、MDIについては、多核体を含まない、いわゆるピュアMDI(P−MDI)を使用することがより好ましい。
芳香族類ポリイソシアネート化合物の具体例としては、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)などが挙げられる。
脂肪族類ポリイソシアネート化合物の具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)などが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI:水添MDI)、メチルシクロヘキサン−2,4−(または−2,6−)ジイソシアネート(HTDI:水添TDI)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI:水添XDI)、イソホロンジジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、これらのポリイソシアネート化合物は単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。さらに、これらのポリイソシアネート化合物は単量体以外にも、2量体やビウレット型、アダクト型、イソシアヌレート型などの3量体、あるいはそれ以上の多量体として用いることもできるが、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノモノアミノスルホン酸類(E)を用いる場合には、ビウレット型を用いることが好ましい。
本発明のポリオール類については、複数の水酸基を有するものであれば特に限定されず、ジオール類、トリオール類、それ以上の水酸基を有する化合物など各種のポリオール類を用いることができる。また、各種のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類を用いることもできる。
ジオール類の具体例としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
トリオール類の具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,3−プロパントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−シクロペンタントリオールなどが挙げられる。
4つ以上の水酸基を有する化合物の具体例としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、1,2,3,4−ペンタンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオール類の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどに代表される、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドの共重合体が挙げられる。
また、ポリアミン類またはポリフェノール類とアルキレンオキサイドとの重合体、ポリカルボン酸とアルキレンオキサイドとの重合体なども挙げられる。
なお、これらのポリオール類は単独で用いてもよいし、2種以上を重縮合したものを用いてもよい。
そして、これらのポリオール類の中でも、水溶性または水分散性の点や後記する撥水撥油剤成分との相溶性の点からポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールの中から選ばれる1種または2種以上の化合物を使用することが好ましい。
また、ポリエチレングリコールを使用する際には、使用するポリエチレングリコールの分子量については、100〜2000の範囲であることがより好ましく、より好ましくは200〜1000の範囲である。
ポリエチレングリコールの分子量が100より低くなると良好な水溶性または水分散性、あるいは相溶性を得ることができず、ポリエチレングリコールの分子量が2000より高くなると水溶性または水分散性が高くなりすぎて、繊維の加工時に撥水撥油性能が低下するからである。
さらに、ジオール類を使用する際には、上記したエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールなどのようにエチレンオキサイド基やプロピレンオキサイド基などが3個未満のものを使用することが好ましい。
本発明のイソシアネートプレポリマーの製造については、上記のポリイソシアネート化合物とポリオール類とを反応容器中で加熱するなど、公知の方法で重合することによって製造する。また、必要に応じて窒素雰囲気下にしたり、触媒を用いたりして重合することによって製造する。
なお、製造したイソシアネートプレポリマーは、後記するように、さらにブロック剤(A)とポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物を反応させることから、イソシアネートプレポリマーの末端にはイソシアネート基が形成されるように、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がポリオール類の水酸基に対して過剰になるように反応させる必要がある。
本発明のブロック剤(A)については、イソシアネート基をブロックでき、加熱によって解離するものであれば特に限定されず、オキシム類、フェノール類、アルコール類、アミン類、メルカプタン類、イミド類、イミダゾール類、ラクタム類、活性メチレン類など公知のものを使用することができる。
そして、これらのブロック剤の中でも、低温解離性などの点からメチルエチルケトンオキシム、1H−ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールの中から選ばれる1種または2種以上の化合物を使用することが好ましい。
また、ブロック化反応についても、適当な不活性溶媒の存在下において必要に応じてトリエチルアミン等の触媒を用いて加熱するなど公知の方法によって行うことができる。ここで、反応温度としては50〜70℃の範囲であることが好ましい。
本発明のポリオール類(B)については、上記したポリオール類と同様のものを使用することができる。
本発明の化合物(C)については、下記一般式(1)で表されるものであれば、特に限定させるものではないが、水溶性または水分散性の点や後記する撥水撥油剤成分との相溶性の点から、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルの中から選ばれる1種または2種以上の化合物を使用することが好ましい。
(化1)
−(CHCHO)−(CHCHCHO)−H
(ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0〜25の整数であり、mは0〜25の整数であり、n+mは10〜50の整数である)
また、化合物(C)を用いる場合には、ポリイソシアネート化合物と化合物(C)との配合比(重量比)は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、7〜30重量部であることが好ましく、さらに好ましくは15〜22重量部である。
本発明のモノアミノカルボン酸類(D)については、例えば、グリシン、2−アミノプロピオン酸、2−アミノイソ吉草酸、4−アミノ−n−酪酸などが挙げられる。なお、モノアミノカルボン酸類(D)を用いる場合には、水溶性を付与するためにカルボン酸部位を中和する必要があり、かかる中和剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物が挙げられる。また、使用用途が繊維の撥水撥油加工以外の場合には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの第三級アミンを用いることもできる。
本発明のモノアミノスルホン酸類(E)については、例えば、2−アミノエチルスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸などが挙げられる。また、上記と同様にモノアミノスルホン酸類(E)を用いる場合にも、水溶性を付与するためにカルボン酸部位を中和する必要があり、かかる中和剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物が挙げられる。また、使用用途が繊維の撥水撥油加工以外の場合には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの第三級アミンを用いることもできる。
本発明のイソシアネートプレポリマーの末端イソシアネート基に反応させるブロック剤(A)とポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物との比率(モル比)については、(A):((B)+(C)+(D)+(E))=50:50〜98:2の範囲であることがより好ましく、より好ましくは(A):((B)+(C)+(D)+(E))=60:40〜90:10の範囲である。
ポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物のモル比が2より低くなると良好な水溶性または水分散性、あるいは相溶性を得ることができず、ポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物のモル比が50より高くなると水溶性または水分散性が高くなりすぎて、繊維の加工時に撥水撥油性能が低下するからである。
また、ポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)については、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、上記のようにして製造したイソシアネートプレポリマーにブロック剤(A)とポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物を反応させることによって製造されるが、2種類のポリイソシアネート組成物の混合物であることを特徴とする。
すなわち、一部の末端イソシアネート基がブロック剤(A)によってブロックされ、残りの末端イソシアネート基がポリオール類(B)、化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物によって結合されているポリイソシアネート組成物と、全ての末端イソシアネート基がブロック剤(A)によってブロックされているポリイソシアネート組成物との混合物であることを特徴とする。
ここで、それぞれのポリイソシアネート組成物について、例を示すと以下のようになる。
まず、原料として、ポリイソシアネート化合物に4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリオール類およびポリオール類(B)にポリエチレングリコール、ブロック剤(A)にメチルエチルケトンオキシムを用いる。
そして、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とポリエチレングリコールをMDIのイソシアネート基がポリエチレングリコールの水酸基に対して過剰になるように配合して反応させることによって、化2に記載のイソシアネートプレポリマーを得る。
次に、合成したイソシアネートプレポリマーに、メチルエチルケトンオキシムとポリエチレングリコールを反応させることによって、化3と化4に記載のポリイソシアネート組成物を得るのである。
また、別の例を示すと以下のようになる。
まず、原料として、ポリイソシアネート化合物にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のビウレット体、ポリオール類にジエチレングリコール、化合物(C)にポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブロック剤(A)に3,5−ジメチルピラゾールを用いる。
そして、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のビウレット体とポリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールの配合量を調整して反応させることによって、化5と化6に記載のイソシアネートプレポリマーを得る。
次に、合成したイソシアネートプレポリマーに、ブロック剤(A)(BLK)を反応させることによって、化7と化8に記載のポリイソシアネート組成物を得るのである。
ここで、本発明の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤の製造方法については、2種類のポリイソシアネート組成物を別々に製造した後、それぞれを混合する方法も採用することができる。
なお、溶液中で本発明のポリイソシアネート架橋剤を合成した場合には、残存している有機溶媒を減圧蒸留するなどして除去することが必要である。
本発明の撥水撥油剤組成物は、上記により製造したポリイソシアネート架橋剤と撥水撥油剤成分であるフッ素エマルジョン樹脂とが混合されていることが必要である。
また、当該撥水撥油剤組成物に用いられる撥水撥油剤成分についてはフッ素エマルジョン樹脂を用いることが好ましいが、撥水撥油効果を有し、かつ水系において使用できるものであれば、水溶性フッ素樹脂やシリコン系樹脂など、他の撥水撥油剤成分を用いることもできる。
なお、上記した2成分が含有されていれば、その他の架橋剤、防虫剤、難燃剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、濃色化剤、界面活性剤などを適宜配合することができる。
本発明の撥水撥油加工方法については、本発明の撥水撥油剤組成物を水に溶解希釈し水溶液を作製する工程と、当該水溶液を繊維に塗布または含浸する工程と、当該水溶液が塗布または含浸した繊維を乾燥または加熱処理する工程を備えていることが必要である。
このような工程を経ることによって、塗布または含浸によって繊維に適用された撥水撥油剤組成物が加熱され、ブロック剤が解離して活性なイソシアネート基が再生される。そして、再生したイソシアネート基が撥水撥油剤成分の水酸基および繊維表面と化学的または物理的に架橋することにより、繊維に撥水撥油加工を施すことができるのである。
なお、撥水撥油剤組成物中におけるポリイソシアネート架橋剤と撥水撥油剤成分との配合比率、水に溶解希釈する撥水撥油剤組成物の量、当該水溶液を繊維に塗布または含浸する温度や時間、含浸した繊維を乾燥または加熱処理する温度や時間などは要求される撥水撥油効果に応じて適宜調整される。
また、撥水撥油加工の対象となる繊維は特に限定されず、天然繊維や合成繊維またはこれらの混合繊維など各種の繊維を対象とすることができる。
本発明の請求項1〜5に係る水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤によれば、分子内に親水性のポリオール類を導入したイソシアネートプレポリマーについて、その末端イソシアネート基の処理の仕方を工夫して、2つの組成物が混合するように構成している。
すなわち、イソシアネートプレポリマーの一部の末端イソシアネート基を親水性のポリオール類(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物で結合し、残りの末端イソシアネート基をブロック剤でブロックしたポリイソシアネート組成物と、イソシアネートプレポリマーの全ての末端イソシアネート基をブロック剤でブロックしたポリイソシアネート組成物との混合物であることを特徴としているので、水溶性または水分散性を付与しつつ、他の水溶性樹脂または水分散性樹脂と良好な相溶性を有するポリイソシアネート架橋剤を得ることができる。
本発明の請求項6に係る撥水撥油剤組成物によれば、代表的な撥水撥油剤成分であるフッ素エマルジョン樹脂に請求項1〜5に記載のポリイソシアネート架橋剤を含有することによって撥水撥油剤組成物を形成しているので、撥水撥油剤成分と良好な相溶性を保持しつつ、高い撥水撥油性能を有する撥水撥油剤組成物を得ることができる。
本発明の請求項7に係る繊維の撥水撥油加工方法によれば、請求項6に記載の撥水撥油剤組成物を用いているので、各種繊維に対して高い撥水撥油性能を発現させることができる。
次に、実施例と比較例とを対比させて、本発明のポリイソシアネート架橋剤を説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
(実施例1)
(イソシアネートプレポリマーの合成)
原料としてピュアMDI(P−MDI)50重量部と分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)60重量部を、反応溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)55重量部を4つ口フラスコに仕込み、撹拌機、温度計、滴下ロート、マントルヒーターを取り付けた後、温度65〜70℃に保持して45分間撹拌を行って反応させることでイソシアネートプレポリマーを合成した。
(ポリイソシアネート架橋剤の合成)
次に、ポリエチレングリコール(PEG600)23.5重量部とメチルエチルケトンオキシム(MEKO)14重量部をメチルエチルケトン(MEK)11重量部に溶解させて滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記イソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を600重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで水溶性を示す実施例1のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は20重量%であった。
ここで、実施例1のポリイソシアネート架橋剤については、以下の2種類の化学式で表わされるポリイソシアネート組成物の混合物となっている。
(実施例2)
(イソシアネートプレポリマーの合成)
原料としてピュアMDI(P−MDI)50重量部とトリメチロールプロパン・EO−20(TMP−20)68重量部を、反応溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)50重量部を4つ口フラスコに仕込み、撹拌機、温度計、滴下ロート、マントルヒーターを取り付けた後、温度65〜70℃に保持して45分間撹拌を行って反応させることでイソシアネートプレポリマーを合成した。
(ポリイソシアネート架橋剤の合成)
次に、ポリエチレングリコール(PEG600)24重量部とメチルエチルケトンオキシム(MEKO)14重量部をメチルエチルケトン(MEK)90重量部に溶解させて滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記イソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から4時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を840重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで水溶性を示す実施例2のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は20重量%であった。
ここで、実施例2のポリイソシアネート架橋剤については、以下の2種類の化学式で表わされるポリイソシアネート組成物の混合物となっている。
(実施例3)
(イソシアネートプレポリマーの合成)
原料としてピュアMDI(P−MDI)50重量部とポリエチレングリコール(PEG600)20重量部とトリメチロールプロパン・EO−20(TMP−20)70重量部を、反応溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)70重量部を4つ口フラスコに仕込み、撹拌機、温度計、滴下ロート、マントルヒーターを取り付けた後、温度65〜70℃に保持して45分間撹拌を行って反応させることでイソシアネートプレポリマーを合成した。
(ポリイソシアネート架橋剤の合成)
次に、ポリエチレングリコール(PEG600)16重量部とメチルエチルケトンオキシム(MEKO)9.4重量部をメチルエチルケトン(MEK)30重量部に溶解させて滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記イソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を700重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで水溶性を示す実施例3のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は20重量%であった。
(実施例4)
実施例1のイソシアネートプレポリマーを得た後、ポリエチレングリコール(PEG600)60重量部とメチルエチルケトンオキシム(MEKO)9重量部をメチルエチルケトン(MEK)11重量部に溶解させて滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記イソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を430重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで水溶性を示す実施例4のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は30重量%であった。
(実施例5)
実施例1のイソシアネートプレポリマーを得た後、ポリエチレングリコール(PEG600)65重量部とメチルエチルケトンオキシム(MEKO)8重量部をメチルエチルケトン(MEK)11重量部に溶解させて滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記イソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を420重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで水溶性を示す実施例5のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は30重量%であった。
(実施例6)
実施例1のイソシアネートプレポリマーを得た後、ポリエチレングリコール(PEG600)70重量部とメチルエチルケトンオキシム(MEKO)7重量部をメチルエチルケトン(MEK)10重量部に溶解させて滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記イソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を740重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで水溶性を示す実施例6のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は20重量%であった。
(実施例7)
(イソシアネートプレポリマーの合成)
原料としてヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体100重量部と平均分子量1000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル7.3重量部およびジエチレングリコール10重量部を4つ口フラスコに仕込み、攪拌機、温度計、冷却管、マントルヒーターを取り付けた後、温度を90〜95℃に保持して2時間撹拌を行って反応させることで、イソシアネートプレポリマーを合成した。
(ポリイソシアネート架橋剤の合成)
次に、上記イソシアネートプレポリマーに、反応溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)56重量部仕込み、温度を40℃にした後、3,5−ジメチルピラゾール35重量部を3回に分けて添加した。その後、温度を65〜70℃に保持して1時間撹拌を行って反応させた。反応終了後、冷却を行い、水を480重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで実施例7のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
ここで、実施例7のポリイソシアネート架橋剤については、以下の2種類の化学式で表わされるポリイソシアネート組成物の混合物となっている。
(実施例8)
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを15重量部、水を520重量部にした以外は、実施例7と同様にして実施例8のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(実施例9)
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを18重量部、3,5−ジメチルピラゾール27を重量部、水を530重量部にした以外は、実施例7と同様にして実施例9のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(実施例10)
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル22重量部、3,5−ジメチルピラゾールを27重量部、水を540重量部にした以外は、実施例7と同様にして実施例10のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(実施例11)
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを25重量部、3,5−ジメチルピラゾールを27、水を550重量部にした以外は、実施例7と同様にして実施例11のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(実施例12)
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを30重量部、3,5−ジメチルピラゾールを26重量部、水を580重量部にした以外は、実施例7と同様にして実施例12のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(実施例13)
(イソシアネートプレポリマーの合成)
原料としてヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体100重量部とジエチレングリコール10重量部を4つ口フラスコに仕込み、撹拌機、温度計、冷却管、マントルヒーターを取り付けた後、温度を90〜95℃に保持して、2時間撹拌を行って反応させることで、イソシアネートプレポリマーを合成した。
(ポリイソシアネート架橋剤の合成)
次に、上記イソシアネートプレポリマーに、反応溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)55重量部仕込み、温度を40℃にした後、3,5−ジメチルピラゾール34重量部を3回に分けて添加した。その後、温度を65〜70℃に保持して1時間撹拌を行って反応させた。反応終了後、冷却を行い、25%のグリシンソーダ水溶液7.3重量部を加え、35〜40℃に保持して30分間撹拌した。その後、水を455重量部加えた後、メチルエチルケトンを減圧蒸留することで実施例13のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(実施例14)
グリシンソーダ水溶液の代わりに、40%の2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム水溶液を7重量部使用し、水を460重量部にした以外は、実施例13と同様にして実施例14のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は25%であった。
(比較例1)
ピュアMDI(P−MDI)100重量部と酢酸エチル400重量部を4つ口フラスコに仕込み、撹拌機、温度計、滴下ロート、マントルヒーターを取り付けた後、メチルエチルケトンオキシム(MEKO)73重量部を滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、生じた沈殿を濾過した。生じた沈殿に対し、水を260重量部と界面活性剤(花王製:エマルゲンA−90)を10重量部加えて、水に強制的に乳化させたものを作製した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は40重量%であった。
(比較例2)
実施例1のイソシアネートプレポリマーを得た後、メチルエチルケトンオキシム(MEKO)19重量部を滴下ロートに仕込み、温度を40℃にした上記実施例1のイソシアネートプレポリマーに15分間かけて滴下し、滴下終了から1時間撹拌を続けて反応させた。その後、冷却を行い、水を260重量部と界面活性剤(花王製:エマルゲンA−90)を10重量部加えて、水に強制的に乳化させたものを作製した。メチルエチルケトンを減圧蒸留することで比較例2のポリイソシアネート架橋剤を合成した。なお、合成したポリイソシアネート架橋剤の固形分は35重量%であった。
次に、上記によって得た実施例1〜14のおよび比較例1、2のポリイソシアネート架橋剤について、貯蔵安定性、相溶性、撥水撥油性能、バインダー性能の各評価を行った。
(貯蔵安定性試験)
貯蔵安定性試験については、合成したポリイソシアネート架橋剤を50℃で7日間放置した後の試験液の状態によって評価した。なお、評価については外観に変化がない場合を○、わずかに濁りが生じた場合を△、沈殿物が析出した場合を×と評価することにより行った。
(相溶性試験)
相溶性試験については、水に、合成したポリイソシアネート架橋剤を0.5重量%とフッ素エマルジョン樹脂(商品名:アサヒガードAG950)8重量%を溶解した試験液(加工浴用水溶液)を作製し、50℃で7日放置した後の試験液の状態によって評価した。
なお、評価については、外観に変化がない場合を◎、わずかに濁りが生じた場合を○、相分離が生じた場合を△、沈殿物が析出した場合を×と評価することにより行った。
(撥水性能試験)
撥水性能試験については、撥水撥油加工直後の試験体と洗濯を30回行った試験体について、JIS L 1092(はっ水度試験、スプレー試験)を行い、5級を◎、4級を○、3級を△、2級以下を×と評価することにより行った。
なお、試験体としては、まず、水に、合成したポリイソシアネート架橋剤を0.5重量%とフッ素エマルジョン樹脂(商品名:アサヒガードAG950)4重量%を溶解した試験液を作製した。次に、綿ブロード、ナイロンタフタ、PETトロピカル繊維の3種の試験布を用意した。加工布の作成は連続法で行い、試験液に浸漬した後、マングルで3気圧の圧力をかけて余分な試験液を絞り、ピンテンターを用いて120℃で3分間乾燥し、さらにピンテンターを用いて170℃で1分間乾燥させることによって作製した。
(撥油性能試験)
撥油性能試験については、撥水撥油加工直後の試験体と洗濯を30回行った試験体について、AATCC Test Method 118−1966(Hydrocarbon Resistance Test)に基づく試験を行い、6級以上を◎、5級を○、4級を△、3級以下を×と評価することにより行った。
なお、試験体としては、撥水性能試験の際に作製した試験体と同様の方法によって作製したものを使用した。
(バインダー性能評価試験)
バインダー性能評価試験については、水溶性アクリルエマルション(商品名:リカボンドSA−204)と合成したポリイソシアネート架橋剤を固形分比で20:1になるように混合し、試験液を作成した。
試験片の作成は、定量濾紙(ADVANTEC社製、商品名:5C、φ=125mm)を試験液に浸漬した後、マングルで1気圧の圧力をかけて余分な試験液を絞り、オーブンを用いて50℃で3時間乾燥し、さらにオーブンを用いて120℃で30分間加熱処理した。その後、恒温恒湿室(20℃、40%RH)の部屋に24時間静置することで作成した。
バインダー性能の評価は、オートグラフで濾紙の引っ張り試験を行い(引張速度:200mm/min)、破断時応力が40MPa以上のものを○、30MPa以上40MPa未満のものを△、30MPa未満のものを×として評価した。
結果を表1に示す。まず、実施例1〜6、13、14については、安定した貯蔵安定性と相溶性を示し、撥水性能および撥油性能についても初期段階から安定した効果を示した。なお、バインダー性能に関しては、実施例4および実施例6について他の実施例に比べてやや劣る結果となった。
次に、実施例7〜12のポリイソシアネート架橋剤については、使用において問題のない貯蔵安定性、相溶性、撥水性能、撥油性能、バインダー性能を示した。なお、これらの実施例の中でも、ポリイソシアネート化合物に対する化合物(C)の配合比(重量比)が、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、15重量部(実施例8)〜22重量部(実施例10)である場合には、全ての評価項目において特に安定した結果を示した。
これに対し比較例1、2については、貯蔵安定性、相溶性、撥水性能、撥油性能、バインダー性能の全てについて著しく低下した。
本発明の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤は、他の水溶性または水分散性樹脂との相溶性を向上させた架橋剤として用いることができ、樹脂の改質剤など各種の用途に使用することができる。
特に、フッ素エマルジョン樹脂などの撥水撥油剤成分と併用することによって、繊維の撥水撥油剤組成物に用いることができる。
また、タイヤコード用架橋剤、FRTP用架橋剤、ゴムマット用架橋剤などの各種の水系において使用される架橋剤に用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート化合物と、
    ポリオール類とを、
    前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が前記ポリオール類の水酸基に対して過剰になるように反応させて、
    全ての末端にイソシアネート基を有するイソシアネートプレポリマーを得た後、
    前記イソシアネートプレポリマーの末端イソシアネート基に、
    ブロック剤(A)と、
    ポリオール類(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物とを、
    前記(A)と、前記(B)、(C)、(D)、(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物とのモル比が、(A):((B)+(C)+(D)+(E))=80:20〜98:2となるように反応させることによって得られる、
    一部の末端イソシアネート基がブロック剤(A)によってブロックされ、残りの末端イソシアネート基がポリオール類(B)、一般式(1)で表される化合物(C)、モノアミノカルボン酸類(D)、モノアミノスルホン酸類(E)の中から選ばれる1種または2種以上の化合物によって結合されているポリイソシアネート組成物と、
    全ての末端イソシアネート基がブロック剤(A)によってブロックされているポリイソシアネート組成物との混合物を含むものであることを特徴とする水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤。
    (化1)
    −(CHCHO)−(CHCHCHO)−H
    (ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0〜25の整数であり、mは0〜25の整数であり、n+mは10〜50の整数である)
  2. 前記ポリオール類および前記ポリオール類(B)が、
    ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールの中から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤。
  3. 前記化合物(C)が、
    ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルの中から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤。
  4. 前記ブロック剤(A)が、
    メチルエチルケトンオキシム、1H−ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールの中から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶性または水分散性ポリイソシアネート架橋剤とフッ素エマルジョン樹脂とを含有することを特徴とする撥水撥油剤組成物。
  6. 請求項5に記載の撥水撥油剤組成物を水に溶解希釈し水溶液を作製する工程と、
    前記水溶液を繊維に塗布又は含浸する工程と、
    前記水溶液が塗布又は含浸した繊維を乾燥または加熱処理する工程とを備えることを特徴とする繊維の撥水撥油加工方法。
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