JP6328875B2 - 水性ブロックポリイソシアネート、繊維処理剤組成物、及び繊維 - Google Patents
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Description
〔1〕
ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部が、アミン系化合物でブロックされたブロックイソシアネート基と、親水基が付加された水性イソシアネート基とであり、
初期ガラス転移点が0℃以上である、
水性ブロックポリイソシアネート。
〔2〕
前記ポリイソシアネートが、脂環族ジイソシアネートモノマー単位を有するポリイソシアネートを含む、前項〔1〕に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
〔3〕
前記ポリイソシアネートが、イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネートを含む、前項〔2〕に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
〔4〕
前記ポリイソシアネートが、前記イソシアヌレート結合を形成する脂環族ジイソシアネートモノマー単位を10質量%以上含む、前項〔3〕に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
〔5〕
前記アミン系化合物が、ピラゾール類を含む、前項〔1〕〜〔4〕いずれか1項に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
〔6〕
前項〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載の水性ブロックポリイソシアネートを含む、繊維処理剤組成物。
〔7〕
前項〔6〕に記載の繊維処理剤組成物で処理された、繊維。
本実施形態の水性ブロックポリイソシアネートは、
ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部が、アミン系化合物でブロックされたブロックイソシアネート基と、親水基が付加された水性イソシアネート基とであり、
初期ガラス転移点が0℃以上である。
本実施形態の水性ブロックポリイソシアネートの初期ガラス転移点(以下、「初期Tg」ともいう)は0℃以上であり、好ましくは10℃〜50℃であり、より好ましくは20〜50℃である。初期Tgが0℃未満の場合は処理剤で処理された繊維は洗濯後の撥水性(以下、「洗濯耐久性」ともいう)が低下する場合がある。また、50℃以下であれば、処理された生地の風合いがより劣化しにくい傾向にある。「風合い」とは生地の手触り感のことをいう。ここで、「初期ガラス転移点」とは、剛体振り子で行うガラス転移点(以下、「Tg」という)測定において、低温側からのそのピーク立ち上がりからの積算面積の全体面積に対する割合が1%時点での温度をいう。初期ガラス転移点の測定は実施例に記載の方法により行なうことができる。
本実施形態の水性ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部がアミン系化合物でブロックされた、ブロックイソシアネート基を有する。ここでいうアミン系化合物とは、窒素元素に直結した、イソシアネート基と反応できる水素を有する化合物をいう。このようなアミン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、アミン類、ピラゾール類、イミダゾール類、トリアゾール類、イミン類、酸アミド類、及び酸イミド類等が挙げられる。より具体的化合物名を下に示す。
(2)ピラゾール類としては、特に限定されないが、具体的には、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。
(3)イミダゾール類としては、特に限定されないが、具体的には、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
(4)トリアゾール類としては、特に限定されないが、具体的には、1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。
(5)イミン類としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
(6)酸アミド類としては、特に限定されないが、具体的には、アセトアニリド、酢酸アミド、ε一カプロラクタム、∂−バレロラクタム、7−ブチロラクタム等が挙げられる。
(7)酸イミド類としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
(1)アルコール類としては、特に限定されないが、具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。
(2)アルキルフェノール類としては、特に限定されないが、例えば、炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノ及びジアルキルフェノール類であって、例えば、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類;ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類等が挙げられる。
(3)フェノール類としては、特に限定せれないが、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
(4)活性メチレン類としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。
(5)メルカプタン類としては、特に限定されないが、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
(6)尿素類としては、特に限定されないが、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
(7)オキシム類としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
本実施形態の水性ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートのイソシアネート基がアミン系化合物でブロックされた、ブロックイソシアネート基を有する。即ち、水性ブロックポリイソシアネートの前駆体は、ポリイソシアネートである。このポリイソシアネートは、イソシアネート基を2以上有する化合物であれば特に制限されないが、イソシアヌレート結合、ビウレット結合、又はウレトジオン結合を有するポリイソシアネートを含むこともでき、副原料にポリオールを用いたアダクト体(ウレタン結合及びアロファネート結合等を有する)を含むこともできる。ポリイソシアネートは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。このようなポリイソシアネートは、ジイソシアネートモノマーを原料として製造することができる。
本実施形態のブロックポリイソシアネートは、イソシアネート基の少なくとも一部が、親水基が付加された水性イソシアネート基である水性のブロックポリイソシアネートである。前記ポリイソシアネートのイソシアネート基と、前記のアミン系化合物(以下、「ブロック剤」ともいう)とを反応させるブロックポリイソシアネート化及び水性化することにより、本実施形態の水性ブロックポリイソシアネートを得ることができる。この水性化処方としては、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の一部に親水基を化学反応により付加する方法が挙げられる。「水性」とは、水を含む媒体にブロックポリイソシアネートが分散、溶解できることをいう。「水性」は、水を含む媒体と混合し、その後の溶液の状態を目視観察することにより検証することができる。水性であることにより、本実施形態のブロックポリイソシアネートは、併用する樹脂と均一に混合でき、基材表面に均一な被膜を形成できるという利点を有する。
イソシアネート基に付加できる親水基としては、特に限定されないが、具体的には、ノニオン型親水基、カチオン型親水基等が挙げられる。ノニオン型親水基としては、特に限定されないが、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、又はジエチレングリコール等のアルコールの水酸基に、エチレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。これら化合物はイソシアネート基と反応する活性水素を有し、これによりイソシアネート基に付加することができる。これらの中でも、少ない使用量で水分散できるモノアルコール類が好ましい。また、エチレンオキサイドの付加数としては、4〜30が好ましく、4〜20がより好ましい。付加数が4以上であれば、水分散性がより向上する傾向にある。また、付加数が30以下であれば、得られた水性ブロックポリイソシアネートの初期Tgがより向上する傾向にある。
必要に応じて水性化ための添加剤を添加することができる。この添加剤としては、特に限定されないが、具体的には、ノニオン系化合物、カチオン系化合物、両性化合物、アニオン系化合物等が挙げられる。このなかでもノニオン系化合物、カチオン系化合物、及び両性化合物が好ましい。
本実施形態の繊維処理剤組成物は、前記水性ブロックポリイソシアネートを含む。繊維処理剤組成物の主成分は、特に限定されないが、撥水撥油機能を付与させるためには水性ブロックポリイソシアネート及びフッ素樹脂であることが好ましい。なお、「主成分」とは、機能を発現するための成分である。
このフッ素樹脂は、フッ素を含むアクリレート、メタアクリレートを必須モノマーとして重合される。フッ素を含むアクリレート、メタアクリレートとしては、特に限定されないが、具体的には、パーフルオロアルキル基を含み、その炭素数は3〜6であるアクリレート、メタアクリレートが挙げられる。炭素数8のパーフルオロアルキル基は、環境や人体への蓄積性が懸念されるパーフルオロオクタン酸の生成が指摘されている。従って、低炭素数のパーフルオロアルキル基の使用を前提とした繊維処理剤の開発が行われている。パーフルオロアルキル基の炭素数が6以下の場合は、その炭素数が8と比較し性能が低下する場合があり、これを補強するためにブロックポリイソシアネートの添加が検討されている。本実施形態の水性ブロックポリイソシアネートはこの炭素数6のモノマーを使用したフッ素樹脂の機能を補強することができる。
本実施形態の繊維処理剤組成物には、難燃剤、染料安定剤、防撤剤、抗菌剤、抗かび剤、防虫剤、防汚剤、帯電防止剤、アミノプラスト樹脂、アクリルポリマー、グリオキザール樹脂、メラミン樹脂、天然ワックス、シリコーン樹脂、増粘剤、高分子化合物、水溶性のアルコール類及びエーテル類等の有機溶剤等を配合することができる。
本実施形態の繊維は、繊維処理剤組成物で処理されたものである。上記のように配合された本実施形態の繊維処理剤組成物を用いた繊維の処理は、繊維への樹脂の付着、その後の加熱により行うことができる。
樹脂の付着方法としては、特に限定されないが、具体的には、パッド法、浸漬法、スプレー法、コーティング法、プリント法等で行うことができる。
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−802A
カラム:東ソー(株)G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
三角フラスコにポリイソシアネート1〜3gを精秤し(Wg)、その後トルエン20mlを添加し、ポリイソシアネートを溶解する。その後、2規定のジ−n−ブチルアミンのトルエン溶液10mlを添加し、混合後、15分間室温放置する。イソプロピルアルコール70mlを加え、混合する。この液を1規定塩酸溶液(ファクターF)で、指示薬に滴定する。この滴定値V2mlとし、同様の操作をポリイソシアネートなしで行い、この滴定値をV1mlとし、次式からポリイソシアネートのイソシアネート基濃度を算出する。
イソシアネート基濃度%=(V1−V2)×F×42/(W×1000)×100
ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、ポリイソシアネートのイソシアネート基濃度と数平均分子量から下記式で求めることができる。
イソシアネート基平均数=数平均分子量×イソシアネート基濃度/100/42
前記GPC測定で得られる未反応ジイソシアネート相当の分子量(例えばHDIであれば168)のピークの面積%を未反応ジイソシアネートモノマーの濃度とした。
核磁気共鳴測定装置(日本電子社の商品名JNM−LA400)を用いて13Cを下記条件で測定した。IPDIであれば、145〜155ppmの範囲のピークを積算して、イソシアヌレート結合を形成している脂環族ジイソシアネートモノマー濃度(脂環族NCO濃度)を求めた。
周波数:100MHz、溶剤:重水素化クロロホルム、サンプル濃度:20質量%。
鋼鈑に水性ブロックポリイソシアネートの樹脂膜厚30μmになるようにアプリケーター塗装後、60℃、2Hr保持した。これをエーアンドディ社の商品名レイバイブロンで振り子型式RPT−3000W、エッジ:ナイフエッジRBE−160、昇温スピード10℃/min.で測定した。測定したピークの低温側からの積算面積が1%となった時点の温度を初期Tgとした。
JIS−L−0217に準じて洗濯を行った。洗剤は花王株式会社の商品名「アタック」を使用した。洗濯回数10回で撥水性を評価した。撥水性の評価方法は以下の通りである。
(評価方法)
イソプロピルアルコール/水(質量比1/1)20μリットルを試験布に滴下し、液滴状態を観察し、評価した。評価基準は以下の通り。点数が大きいほど良好な撥水性となる。
(評価基準)
5:液滴が球状を形成し、染み込み跡が残らない。
4:液滴が球状を形成し、染み込み跡が少し残る。
3:液滴が球状を形成し、染み込み跡がはっきりと残る。
2:液滴が粒状を形成しないが、試験布に染み込まない。
1:液滴が試験布に染み込む。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部を仕込み、撹拌下反応器内温度を70℃に保持した。イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が40%になった時点で燐酸を添加し反応を停止させた。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は2,700mPa・s、イソシアネート基濃度は21.7%、数平均分子量は660、イソシアネート基平均数は3.4、未反応HDI濃度は0.2質量%であった。
製造例1と同様の装置を用いて、4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルトリオール「プラクセル303」(ダイセル化学の商品名 分子量300)30部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃とし1時間保持した。その後反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化反応触媒である、テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が54%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は9,500mPa・s、イソシアネート基濃度は19.2質量%、数平均分子量は1,100、イソシアネート基平均数は5.1、未反応HDI濃度は0.2質量%であった。
製造例1と同様の装置を用いて、4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、IPDI 400部、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール「プラクセル303」(ダイセル化学の商品名 分子量300)75部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が33%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDI、IPDIを除去した。得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は140,000mPa・s、イソシアネート基濃度は17.5質量%、未反応ジイソシアネートモノマー濃度は0.3質量%、数平均分子量は1,300、イソシアネート基平均数は5.4、HDI成分/IPDI成分の質量比は70/30であり、イソシアヌレート結合を形成したIPDIモノマー濃度は26質量%であった。
製造例1と同様の装置を用いて、窒素雰囲気下、製造例1で得られたポリイソシアネート 50部、IPDIモノマーのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(デグサ社の商品名ベスタネートT1890、イソシアネート基平均数3.3) 50部、酢酸n−ブチル 50部を仕込み、50℃で均一溶液になるまで混合した。その後、80℃に昇温し、メトキシポリエチレングリコール(分子量680、樹脂分水酸基価82mgKOH/g)を41.7部添加後、2Hr保持した。
表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例2〜5の水性ブロックポリイソシアネートを得た。結果を表1に示す。
製造例1と同様の装置を用いて、窒素雰囲気下、製造例1で得られたポリイソシアネート20部、IPDIモノマーのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(デグサ社の商品名、ベスタネートT1890) 80部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA) 50部を仕込み、50℃で均一溶液になるまで混合した。60℃に保持した後、カチオン性基1個と水酸基1個を有する、2−(ジメチルアミノ)エタノール7.6部を添加した。30分後、3,5−ジメチルピラゾール34.6部を添加した。反応液の赤外線吸収スペクトルの測定を行い、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認した。さらに酢酸を6.1g(アミンに対して1.2倍当量)添加し、混合した。その後、イオン交換水を添加し、樹脂分濃度20質量%の実施例6の水性ブロックポリイソシアネートを得た。表1に結果を示す。
表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例6と同様に操作を行い、実施例7の水性ブロックポリイソシアネートを得た。結果を表1に示す。
製造例1と同様の装置を用いて、窒素雰囲気下、製造例1で得られたポリイソシアネート 100部、酢酸n−ブチル 50部を仕込み、50℃で均一溶液になるまで混合した。その後、メトキシポリエチレングリコール(数平均分子量680、樹脂分水酸基価82mgKOH/g)を52.7部添加後、120℃に昇温し、2Hr保持した。その後、反応液を70℃とした後、3,5−ジメチルピラゾール 44.3部を添加した。1Hr後、この反応液の赤外スペクトルの測定によりイソシアネート基の吸収のないことを確認して、比較例1の水性ブロックポリイソシアネートを得た。
表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、比較例2の水性ブロックポリイソシアネートを得た。結果を表1に示す。
1.脂環族NCO濃度:前駆体ポリイソシアネート中のイソシアヌレート結合を形成している脂環族ジイソシアネートモノマー単位の質量濃度
2.ノニオン:メトキシポリエチレングリコール
3.ピラゾール:3,5-ジメチルピラゾール
4.オキシム:メチルエチルケトオキシム
5.カチオン:2−(ジメチルアミノ)エタノール
6.IPDI−N:IPDIモノマー単位のみからなるイソシアヌレート型ポリイソシアネート(デグサ社の商品名ベスタネートT1890)
フッ素系繊維処理剤(撥水撥油剤)である、アサヒガードAG−E061(旭硝子株式会社製、固形分20%)90部と実施例1の水性ブロックポリイソシアネート組成物10部を混合し(フッ素樹脂/ブロックポリイソシアネート=9/1(樹脂分質量比))、水を追加し、樹脂分濃度が1.0質量%まで希釈し、処理液とした。この処理液にナイロン布(日本規格協会のコード番号670108)を浸漬後、ウエットピックアップ50%になるようにローラーで絞った。これを120℃、60秒間乾燥後、さらに170℃、60秒間乾燥し、試験布とした。洗濯耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示す水性ブロックポリイソシアネートを用いたこと以外は、実施例8と同様の操作を行って試験布を得た。結果を表2に示す。
Claims (6)
- ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部が、アミン系化合物でブロックされたブロックイソシアネート基と、親水基が付加された水性イソシアネート基とであり、
前記水性イソシアネート基は、ノニオン型親水基、カチオン型親水基から選択される親水基と、イソシアネート基と反応する活性水素と、を併せ持つ化合物が反応したイソシアネート基であり、
初期ガラス転移点が0℃以上であり、
前記ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数が3〜6であり、
前記ポリイソシアネートが脂環族ジイソシアネートモノマー単位を有するポリイソシアネートを含む、
水性ブロックポリイソシアネート。 - 前記ポリイソシアネートが、イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネートを含む、請求項1に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
- 前記ポリイソシアネートが、前記イソシアヌレート結合を形成する脂環族ジイソシアネートモノマー単位を10質量%以上含む、請求項2に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
- 前記アミン系化合物が、ピラゾール類を含む、請求項1〜3いずれか1項に記載の水性ブロックポリイソシアネート。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載の水性ブロックポリイソシアネートを含む、繊維処理剤組成物。
- 請求項5に記載の繊維処理剤組成物で処理された、繊維。
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