JP6524611B2 - シリコーン組成物、シリコーンエマルション組成物及び繊維処理剤 - Google Patents

シリコーン組成物、シリコーンエマルション組成物及び繊維処理剤 Download PDF

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本発明は、ブロックポリイソシアネート含有硬化性シリコーン組成物に関する。詳細には、低温での硬化性に優れるシリコーン組成物、シリコーンエマルション組成物及び繊維処理剤に関するものである。
従来、各種繊維又は繊維製品に柔軟性や平滑性等を付与するための処理剤として、ジメチルポリシロキサン、エポキシ基含有ポリシロキサン、アミノアルキル基含有ポリシロキサン等の各種オルガノポリシロキサンが幅広く使用されている。中でも、特に良好な柔軟性を各種繊維又は繊維製品に付与することができるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサンが多く用いられている。特に、アミノアルキル基として−C36NH2基、−C36NHCH2CH2NH2基等を有するオルガノポリシロキサンを主剤とする繊維処理剤(特公昭48−1480号公報、特公昭54−43614号公報、特公昭57−43673号公報、特開昭60−185879号公報、特開昭60−185880号公報、特開昭64−61576号等各公報)が優れた柔軟性を示すため広く使用されている。
しかしながら、一般にアミノアルキル基含有ポリシロキサンによる処理物は撥水性となるため、本来吸水性を有する繊維であっても処理された後は疎水性を示し、例えば衣料に用いた場合、発汗時の吸汗作用がほとんど失われてしまうという欠点もあった。この点について、繊維に柔軟性と吸水性の両方を付与すべく、検討がなされてきた。例えば、アミノアルキル基及びポリオキシアルキレン基を同一ポリシロキサン分子中に含有させることによって吸水性に関しては改良される(特開昭59−179887号公報参照)が、ポリオキシアルキレン基を含有させることにより柔軟性及び平滑性等が大幅に低下するという欠点があった。上記欠点を改善するために、アミノアルキル基含有ポリシロキサンとポリオキシアルキレングリシジルエーテル化合物とを反応させることによりアミノアルキル基を変性することが提案されている(特公昭64−1588号公報、特許第3199609号公報)。
また、近年、衣料に対する高機能化の要求が高まっており、繊維処理分野においては、繊維に種々の機能を付与するため、消臭剤、抗菌剤、分散顔料、分散染料等の機能性薬剤が樹脂バインダーを用いて繊維上に加工されている。例えば、特開平7−279053号公報では、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂エマルションに絹フィブロインを配合した繊維処理剤等により、絹フィブロインの粉落ち防止、繊維への付着力の改良が行われている。また、特開平7−41733号公報では、天然物粉末と尿素−アルデヒド樹脂粉末等をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂バインダーにて塗工し、天然物に近い性質を付与し塗工時の不快な臭気の発生を抑制する天然物粉末含有表面処理剤が提案されている。
これらの柔軟性、吸水性といった繊維処理剤自体が有する機能や、消臭機能、抗菌機能といった各種薬剤によって発揮される機能を長期間にわたり保持するためには、繰り返し洗濯を行っても繊維上に各種処理剤や機能性薬剤が付着し続ける必要がある。このため、繊維処理剤、樹脂バインダーには高い洗濯耐久性が求められる。
特公昭48−1480号公報 特公昭54−43614号公報 特公昭57−43673号公報 特開昭60−185879号公報 特開昭60−185880号公報 特開昭64−61576号公報 特開昭59−179887号公報 特公昭64−1588号公報 特許第3199609号公報 特開平7−279053号公報 特開平7−41733号公報
しかしながら、繊維加工に要求される柔軟性と洗濯耐久性は相反する性能であり、高い洗濯耐久性を有する繊維処理剤やバインダー樹脂を繊維加工に使用すると、柔軟性が失われる傾向にある。また、繊維上にバインダーを加工する際に、高温での処理が必要とされることも課題であった。以上のことから、本発明は、低温処理条件においても高い硬化性を有し、保存安定性に優れ、繊維処理剤として良好な柔軟性、吸水性を繊維に付与することができ、かつ優れた洗濯耐久性を併せ持つ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を進めた結果、分子末端又は側鎖に、特定の基を有するオルガノポリシロキサン70〜98質量部と、特定のブロックポリイソシアネート2〜30質量部とを含有するシリコーン組成物が、低温でも優れた硬化性を示し、保存安定性にも優れることを見出した。また、本組成物を繊維処理剤に用いることで、良好な柔軟性、吸水性を繊維に付与することができ、さらに高い洗濯耐久性を示すことを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記シリコーン組成物、シリコーンエマルション組成物及び繊維処理剤を提供する。
[1].(A)分子末端又は側鎖に、下記一般式(1)で表される基を有するオルガノポリシロキサン70〜98質量部と、
Figure 0006524611
[式中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基であり、aは0〜4の整数であり、Ryは互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
(式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基であり、bは2〜30の整数、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、Ryで示される基の合計個数の99%以上が、−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である。]
(B)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、このイソシアネート基の50%以上が熱解離性ブロック剤で封鎖されたブロックポリイソシアネート2〜30質量部と
を混合して加熱し、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれる1つ以上のヒドロキシル基と、(B)成分のイソシアネート基とを反応させた反応物を含有する、硬化性シリコーン組成物。
[2].(B)成分の熱解離性ブロック剤が、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物及び活性チレン系化合物からなる群から選ばれる化合物である、[1]記載の硬化性シリコーン組成物。
[3].(B)成分の熱解離性ブロック剤が、ピラゾール系化合物である[]記載のシリコーン組成物。
[4].[1]〜[]のいずれかに記載の硬化性シリコーン組成物を含むシリコーンエマルション組成物。
[5].[1]〜[]のいずれかに記載の硬化性シリコーン組成物を含む繊維処理剤。
[6].(A)分子末端又は側鎖に、下記一般式(1)で表される基を有するオルガノポリシロキサン70〜98質量部と、
Figure 0006524611
[式中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基であり、aは0〜4の整数であり、Ryは互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
(式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基であり、bは2〜30の整数、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、Ryで示される基の合計個数の99%以上が、−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である。]
(B)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、このイソシアネート基の50%以上が熱解離性ブロック剤で封鎖されたブロックポリイソシアネート2〜30質量部と
を混合して加熱する工程を含む、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれる1つ以上のヒドロキシル基と、(B)成分のイソシアネート基とを反応させた反応物を含有する、硬化性シリコーン組成物を製造する製造方法。
本発明のシリコーン組成物は、優れた低温硬化性及び保存安定性を有し、これを用いた繊維処理剤は、良好な柔軟性、吸水性を繊維に付与することができ、洗濯耐久性にも優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
[シリコーン組成物]
本発明のシリコーン組成物は、下記(A)オルガノポリシロキサン70〜98質量部と、(B)ブロックポリイソシアネート2〜30質量部とを含有するシリコーン組成物である。
(A)分子末端又は側鎖に、下記一般式(1)で表される基を有するオルガノポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
Figure 0006524611
[式中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基であり、aは0〜4の整数であり、Ryは互いに独立に、水素、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
(式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基、bは2〜30の整数であり、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、Ryで示される基の合計個数の90%以上が、−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である。]
本発明のオルガノポリシロキサンは、直鎖構造、分岐構造、環状構造のいずれの構造でもよいが、好ましくは直鎖状である。オルガノポリシロキサン中、上記一般式(1)で表される基はポリシロキサン骨格のケイ素原子に結合しており、分子末端又は側鎖のいずれに存在してもよい。上記一般式(1)で表される基は、1個以上、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜10個有するとよい。
上記一般式(1)中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基である。この2価炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基等のアルキレン基が好ましく、中でも、プロピレン基が好ましい。aは0〜4の整数であり、1又は2が好ましい。
上記一般式(1)中、Ryは互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
(式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基であり、bは2〜30の整数、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
bは2〜30の整数であり、好ましくは2〜20の整数である。bが上記下限値より小さいと、親水性(吸水性)を有する柔軟性を繊維に付与する効果が不十分となり、上記上限値より大きいと柔軟性が不十分となるため好ましくない。cは0〜20の整数であり、好ましくは0〜10の整数であり、より好ましくは0〜5の整数である。cが上記上限値より大きいと繊維の親水性(吸水性)が不十分となる。ポリオキシエチレン単位及びポリオキシプロピレン単位は、1種の重合体又は2種類の共重合体でもよく、またブロック重合体でもランダム重合体でもよい。
上記ポリオキシアルキレン含有有機基において、Zは水素原子、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の、置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基である。炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、及びエイコシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、及びトリル基等のアリール基;ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部が、塩素、フッ素等のハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基等が挙げられる。中でも、Zとしては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等のアルキル基;アセチル基、及びベンゾイル基等のアシル基が好ましく、メチル基、ブチル基、及びアセチル基がより好ましい。
(A)成分としては、下記一般式(2)〜(4)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 0006524611

[上記(2)〜(4)式中、R4は互いに独立に、下記一般式(1)
Figure 0006524611
(式中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基であり、aは0〜4の整数であり、Ryは互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
(式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基であり、bは2〜30の整数、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、Ryで示される基の合計個数の90%以上が、−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である。]
で表される基であり、R2は互いに独立に、炭素数1〜12の置換又は非置換の1価炭化水素基、R3は互いに独立に、−OX
(式中、Xは水素原子又は炭素数1〜12の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で示される基、R1は互いに独立に、上記R2及びR3の選択肢の中から選ばれる基である。qは互いに独立に0〜3の整数、rは互いに独立に0又は1であり、各末端においてq+rは0〜3である。但し、一般式(2)及び一般式(4)は少なくとも1つの末端にR4を有する。nは10〜500の整数、mは1〜10の整数である。]
4は互いに独立に、上記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、好ましい範囲等は上記と同じである。上記一般式(2)〜(4)で表されるオルガノポリシロキサンは、各分子中、Ryで示される基の好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上が、上記ポリオキシアルキレン含有有機基である。これにより、優れた親水性(吸水性)を有する柔軟性を繊維に付与することができ、また、繊維の黄色化を低減させることができる。
2は互いに独立に、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の、置換又は非置換の1価炭化水素基である。1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、及びエイコシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、及びトリル基等のアリール基;ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部が、塩素、フッ素等のハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基等が挙げられる。中でも、工業的にメチル基が好ましい。
3は互いに独立に、−OXで示される基である。Xは水素原子又は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の、置換又は非置換の1価炭化水素基である。Xとしては、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が好ましく、R3としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
1は互いに独立に、R2及びR3の選択肢の中から選ばれる基である。
qは互いに独立に0〜3の整数、rは互いに独立に0又は1であり、各末端においてq+rは0〜3である。但し、一般式(2)及び一般式(4)は少なくとも1つの末端にR4を有する。一般式(2)〜(4)は、分子中に少なくとも1つのR3を有するのが好ましく、qは1又は2、より好ましくは1であり、両末端においてq=1であるのがより好ましい。一般式(2)において好ましくは両末端にあるrが1である。
nは10〜500の整数であり、好ましくは20〜200の整数である。nが上記下限値より小さいと、繊維に柔軟性又は平滑性を付与する効果が不十分となるおそれがあり、nが上記上限値より大きいと、ポリオキシアルキレン基を導入後のオルガノポリシロキサンが高粘度となり、取扱いや乳化が難しくなるおそれがある。mは1〜10の整数である。mが上記上限値より大きいと、黄変しやすくなるおそれがある。Ryで示される基の合計個数中、上記ポリオキシアルキレン含有有機基の割合は、2個以上であることが好ましい。各一般式において、Ryで示される基の合計個数の、好ましくは90%以上が必要である。より好ましくは99%、さらに好ましくは100%が上記ポリオキシアルキレン含有有機基であるのがよい。90%未満では、保存安定性が低下し、吸水性を有する柔軟性を繊維に十分に付与することができない。
上記一般式(2)〜(4)で示されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006524611
(式中、R2、R3、R4、n及びmは上記と同じである。)
中でも、下記一般式で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 0006524611
(式中、R2、R3、R4及びnは上記と同じである。)
上記一般式(2)〜(4)で表されるオルガノポリシロキサンは、下記一般式(5)〜(7)で表されるオルガノポリシロキサンと、下記一般式(8)で表されるポリオキシアルキレングリシジルエーテルとの反応により容易に得ることができる。
Figure 0006524611
(式中、R1、R2、R3、n、m、q及びrは上記と同じである。Yは−Ry(NHCH2CH2aNH2で示される基である(Ry及びaは上述の通りである)。)
Figure 0006524611
(式中、b、c及びZは上述の通りである。)
上記一般式(5)〜(7)で示されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0006524611

(式中、n及びmは上述の通りである。)
上記一般式(5)で表されるアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、公知の合成方法により容易に得ることができる。例えば、無触媒下又はアルカリ金属水酸化物等の触媒存在下に、両末端ヒドロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンと、3−アミノプロピルジメトキシメチルシランあるいはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランとを脱メタノール反応することにより得ることができる。
上記一般式(6)又は(7)で表されるアミノ基含有オルガノポリシロキサンも、公知の合成方法により容易に得ることができる。例えば、アルカリ金属水酸化物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の触媒存在下に、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンと、3−アミノプロピルジエトキシメチルシランあるいはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、又はその加水分解物、及びその他の原料としてヘキサメチルジシロキサン等から選択される化合物とを平衡化反応することにより得ることができる。
上記一般式(8)で表されるポリオキシアルキレンモノグリシジルエ−テルとしては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0006524611
(上記式中、b及びcは上記と同じである。)
上記一般式(5)〜(7)で示されるオルガノポリシロキサンと、上記一般式(8)で示されるポリオキシアルキレンモノグリシジルエーテルは、得られるオルガノポリシロキサンにおいてRyで示される基の中で、好適には2個以上が−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基となるような配合比で反応させればよい。特には、上記一般式(5)〜(7)で示されるオルガノポリシロキサン中の窒素原子に結合する水素原子(−NH)の合計個数に対する、上記一般式(8)で示されるポリオキシアルキレンモノグリシジルエーテルのグリシジル基の個数の比が、0.9以上、より好ましくは1.0となるように反応させるのがよい。0.9未満では、(B)成分のブロックポリイソシアネートと混合した後の保存安定性が低下し、経時で増粘やゲル化が起こるため好ましくない。アミノ基含有オルガノポリシロキサンとポリオキシアルキレンモノグリシジルエーテルとの反応は従来公知の方法に従えばよく、特に制限されない。例えば、無溶剤下又は低級アルコール、トルエン、キシレン等の溶剤存在下にて、50〜100℃で1〜5時間反応させればよい。
上記一般式(5)〜(7)で示されるオルガノポリシロキサンと、上記一般式(8)で示されるポリオキシアルキレンモノグリシジルエーテルを反応させて得られるオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0006524611

Figure 0006524611
(式中、n、m、b、c及びZは上記と同じである。)
(A)成分は、オルガノポリシロキサン骨格中に分岐を有してもよい。分岐構造を有するオルガノポリシロキサンとして、例えば下記一般式(9)で表されるようなものが挙げられる。
Figure 0006524611
(式中、Xは上記一般式(10)で表される基であり、R1、R2、R3、R4、q、rは上記と同じである。e,iは互いに独立に10〜500の整数であり、e+iは10〜500、好ましくは20〜200である。f,jは互いに独立に0〜20の整数であり、f+jは1〜20、好ましくは2〜10である。gは1〜200の整数、hは0〜200の整数である。)
本発明のオルガノポリシロキサンは2種類以上のオルガノポリシロキサンを同時に使用してもよく、25℃での粘度が50〜50,000mPa・sが好ましく、より好ましくは200〜3,000mPa・s、さらに好ましくは300〜2,000mPa・s、特に好ましくは400〜1,000mPa・sである。なお、本発明において、粘度はBM型粘度計(例えば、東京計器社製)により25℃で測定した値である。
(B)ブロックポリイソシアネート
(B)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、このイソシアネート基の50%以上が熱解離性ブロック剤で封鎖されたブロックポリイソシアネートであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(B)成分には、公知の各種ブロックポリイソシアネートを使用することができる。ブロックポリイソシアネートは、公知の各種ポリイソシアネート化合物を公知の各種ブロック剤と反応せしめることにより調製することができる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4,−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の各種ジイソシアネートの重合物であり、これらからなるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートが挙げられる。さらには、上記したような各種のジイソシアネート類と、エチレングリコール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール等の各種のポリオール類を反応せしめて得られるポリイソシアネート、ポリイソシアネートと、水とを反応せしめて得られる、ビウレット構造を有するポリイソシアネート、上記したようなジイソシアネートを環化三量化せしめて得られる、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート類等が挙げられる。また、上記したような各種ポリイソシアネートと、上記したような各種ポリオールとを反応せしめて得られるポリイソシアネートを使用することもできる。
中でも、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族ジイソシアネート、好適には炭素数4〜30の脂肪族又は脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネートモノマーを重合させ、このジイソシアネートモノマーからなるイソシアネート構造を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。中でも、耐候性、入手容易性等の点から、ヘキサメチレンジイソシアネートからなるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートからなるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートには、ビウレット基、尿素基、ウレトジオン基、ウレタン基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、イミノオキサジアジンジオン基等を同時に含むことができる。
本発明に用いることができる熱解離性ブロック剤としては、活性水素を分子内に1個以上有する化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。ブロック剤としては、例えば、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性チレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミド系化合物、ピラゾール系化合物等が挙げられる。
より具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のアルコール系化合物、炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノ又はジアルキルフェノール系化合物であって、例えば、n−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等のフェノール類等のアルキルフェノール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性チレン化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクタム等の酸アミド系化合物、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系化合物、ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等のアミン系化合物、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン系化合物、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系化合物等が挙げられる。
中でも、活性チレン系化合物、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物が好ましく、アセチルアセトン、マロン酸ジエチル、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールがより好ましい。
ポリイソシアネートとブロック剤の反応は、公知の方法にて行えばよく、また、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。ブロック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩、金属アルコラート及び3級アミン等を触媒として用いてもよい。ブロック化反応は、一般に−20〜150℃で行うことができるが、好ましくは0〜100℃である。150℃を超えると、副反応を起こす可能性があり、他方、あまり低温になると反応速度が小さくなり不利である。本ブロックポリイソシアネートは、上記熱解離性ブロック剤でイソシアネート基の50%以上がブロックされていればよいが、75%以上ブロックされていることが好ましく、90%以上ブロックされていることが特に好ましい。
本発明のシリコーン組成物は、(A)オルガノポリシロキサン70〜98質量部と、(B)ブロックポリイソシアネート2〜30質量部とを含有する。(A)オルガノポリシロキサン80〜95質量部と、(B)ブロックポリイソシアネート5〜20質量部がさらに好ましい。(A)成分が多すぎる、(B)成分が少なすぎる場合は硬化性が低く、繊維処理剤として使用した場合の洗濯耐久性が不十分であり、(A)成分が少なすぎる、(B)成分が多すぎる場合は保存安定性が不十分である。
本発明のシリコーン組成物には、必要に応じて各種溶剤を用いることができる。溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブ、ブタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。溶剤量は、シリコーン組成物中0〜50質量%が好ましい。本発明のシリコーン組成物は、上記(A)成分、(B)成分、必要に応じて各種溶剤を均一に混合することにより製造することができる。
さらに、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれる1つ以上のヒドロキシル基と、(B)成分のイソシアネート基とが反応した反応物であることが好ましい。反応方法は特に制限されず従来公知の方法に従えばよく、例えば、混合時に加熱することにより反応させることができる。反応時の温度は特に制限されないが、0℃〜200℃であることが好ましく、50℃〜150℃であることがより好ましい。反応時間は特に限定されず、反応温度によって適宜調整するが、30分〜8時間が好ましい。
[シリコーンエマルション組成物]
本発明のシリコーン組成物は、ノニオン系、アニオン系界面活性剤もしくはカチオン系界面活性剤等の界面活性剤により乳化させて、これを含むシリコーンエマルション組成物とすることができる。シリコーンエマルション組成物中のシリコーン組成物の配合量は、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。乳化方法については後述する。
[繊維処理剤]
本発明のシリコーン組成物は、硬化性シリコーン組成物であり、低温硬化性に優れ、良好な柔軟性を各種繊維又は繊維製品に付与することができる。さらに、優れた洗濯耐久性を有している。従って、本発明のシリコーン組成物は繊維処理剤として有用である。繊維処理剤中のシリコーン組成物の配合量は、0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜40質量%がより好ましい。繊維を処理する場合は希釈して用いてもよく、繊維を処理する繊維処理剤希釈液中のシリコーン組成物の配合量は、固形分として0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。
本発明の繊維処理剤は、綿、絹、麻、ウール、アンゴラ、モヘア等の天然繊維はもとより、ポリエステル、ナイロン、アクリル、スパンデックス等の合成繊維及びこれらを用いた繊維製品に対しても全て有効である。またその形態、形状にも制限はなく、ステープル、フィラメント、トウ、糸等の様な原材料形状に限らず、織物、編み物、詰め綿、不織布、紙、シート、フィルム等の多様な加工形態のものも本発明の繊維処理剤組成物の処理可能な対象となる。
本発明の組成物を繊維処理剤として使用する際は、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ミネラルターペン等の有機溶剤に溶解させて繊維又は繊維製品に処理するか、又はノニオン系、アニオン系界面活性剤もしくはカチオン系界面活性剤等の界面活性剤により乳化させて繊維又は繊維製品に処理する。これらの乳化剤としては特に制限はないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート等のノニオン性乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン性乳化剤、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性乳化剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性乳化剤から選択することができる。これら乳化剤の使用量は(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対し、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜30質量部である。また乳化の際の水の使用量は任意の量でよいが、オルガノポリシロキサン純分濃度が5〜60質量%となるような量が一般的であり、好ましくは10〜40質量%となるような量である。
繊維処理剤を乳化するには、本発明におけるオルガノポリシロキサンと界面活性剤を混合し、これをホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサー等の乳化機で乳化すればよい。処理方法としては、シリコーン組成物の有機溶剤による溶解物又は乳化物として所望の濃度に調整し、浸漬、スプレー、ロールコート等の手段により繊維に付着させる。付着量は繊維の種類により異なり特に限定されないが、通常布に対してオルガノポリシロキサン純分換算で0.01〜10質量%の範囲とするのが一般的である。次いで熱風吹き付け、加熱処理等で乾燥させればよい。繊維の種類によっても異なるが、浸漬する場合の時間は1〜5分、乾燥温度、乾燥時間は各々100〜200℃、1〜15分の範囲で行えばよい。
本発明のシリコーン組成物は、繊維処理用途以外にも、塗料用、接着剤用、シーリング剤用、インク用、紙用等の含浸剤用並びに表面処理用等として、種々の用途に利用することができる。この際、必要に応じて、添加剤を用いることができる。添加剤としては例えば、防しわ剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱剤等の繊維用薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、金属粉顔料、レオロジーコントロール剤、硬化促進剤、消臭剤、抗菌剤等が挙げられる。これらの添加剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、「部」比率は質量部を示す。なお、実施例9及び実施例18は参考例である。
なお、下記例中の測定方法は下記方法である。
平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−802A
カラム:東ソー(株)G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
粘度は、BM型粘度計(東京計器社製)により25℃で測定した値である。
1HNMRは、重クロロホルム溶媒中、400MHz FT−NMR装置(日本電子株式会社製)にて測定した。
[合成例1]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、下記式(A)で示されるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン100g(分子量4066、アミン当量:1,010g/モル)、下記式(B)で示されるポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテル(分子量349)52g(アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子に結合する水素原子(−NH)の合計個数に対する、ポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのグリシジル基の個数の比が1.0となる量)、及びイソプロピルアルコール7.4gを仕込み、窒素ガスを導入した後に密閉して、80℃で4時間付加反応を行った。反応終了後、10mmHgの減圧下、80℃で1時間、低沸点留分の除去を行い、下記式(C)で示されるオイル状化合物145gが得られた。得られた化合物外観は淡黄色半透明であり、粘度は490mPa・s、アミン当量は2,940g/モルであった。得られた化合物の1HNMRを測定したところ、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に直接結合したメチレン基と、アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子と反応したポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのブチル基の末端メチル基の比率は1対3.01であり、アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子がすべて、ポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのグリシジル基と反応していることを確認した。未反応のグリシジル基は検出されなかった。
Figure 0006524611
[合成例2(比較)]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、上記式(A)で示されるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン100g、上記式(B)で示されるポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテル42g(アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子に結合する水素原子(−NH)の合計個数に対する、ポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのグリシジル基の個数の比が0.8となる量)、及びイソプロピルアルコール6.8gを仕込み、窒素ガスを導入した後に密閉して、80℃で4時間付加反応を行なった。反応終了後、10mmHgの減圧下、80℃で1時間、低沸点留分の除去を行い、オイル状化合物130gが得られた。該化合物の外観は淡黄色半透明であり、粘度は400mPa・s、アミン当量は1,560g/モルであった。得られた化合物の1HNMRを測定したところ、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に直接結合したメチレン基と、アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子と反応したポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのブチル基の末端メチル基の比率は1対2.37であり、アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子の79%がポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのグリシジル基と反応していることを確認した。
[合成例3]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、下記式(D)で示されるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン100g(分子量7682、アミン当量:1920g/モル)、上記式(B)で示されるポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテル(分子量349)27g(アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子に結合する水素原子(−NH)の合計個数に対する、ポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのグリシジル基の個数の比が1.0となる量)、及びイソプロピルアルコール6.1gを仕込み、窒素ガスを導入した後に密閉して、80℃で4時間付加反応を行った。反応終了後、10mmHgの減圧下、80℃で1時間、低沸点留分の除去を行い、下記式(E)で示されるオイル状化合物119gが得られた。得られた化合物外観は淡黄色半透明であり、粘度は900mPa・s、アミン当量は4,920g/モルであった。得られた化合物の1HNMRを測定したところ、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に直接結合したメチレン基と、アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子と反応したポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのブチル基の末端メチル基の比率は1対2.98であり、未反応のグリシジル基は検出されなかった。一般式Ryで示される基の合計個数の、CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である割合は99%である。
Figure 0006524611
[合成例4]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、下記式(F)で示されるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン100g(分子量3848、アミン当量:1,930g/モル)、上記式(B)で示されるポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテル(分子量349)36g(アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子に結合する水素原子(−NH)の合計個数に対する、ポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのグリシジル基の個数の比が1.0となる量)、及びイソプロピルアルコール6.5gを仕込み、窒素ガスを導入した後に密閉して、80℃で4時間付加反応を行った。反応終了後、10mmHgの減圧下、80℃で1時間、低沸点留分の除去を行い、下記式(G)で示されるオイル状化合物131gが得られた。得られた化合物外観は淡黄色半透明であり、粘度は450mPa・s、アミン当量は2,650g/モルであった。得られた化合物の1HNMRを測定したところ、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に直接結合したメチレン基と、アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン中の窒素原子と反応したポリエチレングリコールモノブチルモノグリシジルエーテルのブチル基の末端メチル基の比率は1対2.98であり、未反応のグリシジル基は検出されなかった。一般式Ryで示される基の合計個数の、CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である割合は99%である。
Figure 0006524611
[合成例5(比較品)]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを備えたセパラブルフラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチレンジイソシアネート600部を仕込み、撹拌下反応器内温度を70℃に保持した。イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、反応率が40%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は2,500mPa・s、数平均分子量は680であった。イソシアヌレート化の反応率は、上記GPC測定で得られる、未反応ヘキサメチレンジイソシアネート相当の分子量のピーク面積及びイソシアヌレート相当の分子量相当のピーク面積との合計中の、イソシアヌレートの分子量相当のピーク面積の比率を反応率として表した。
[合成例6]
合成例5と同様な反応器に合成例5で得られたイソシアヌレート100部、ポリプロピレンジオール13部、溶剤として酢酸ブチルを最終ブロックポリイソシアネート成分濃度が90%になるように仕込み、窒素雰囲気下、70℃で3時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール50部を添加し、赤外スペクトルでイソシアネート基の特性吸収がなくなったことを確認した。得られたブロックポリイソシアネートの平均分子量は1,200であった。熱解離性ブロック剤でイソシアネート基の50%以上がブロックされている。
[合成例7]
合成例5と同様な反応器に合成例5で得られたイソシアヌレート100部、ポリプロピレンジオール13部、溶剤として酢酸ブチルを最終ブロックポリイソシアネート成分濃度が90%になるように仕込み、窒素雰囲気下、70℃で3時間保持した。その後、メチルエチルケトンオキシム45部を添加し、赤外スペクトルでイソシアネート基の特性吸収がなくなったことを確認した。得られたブロックポリイソシアネートの平均分子量は1,100であった。
[合成例8]
合成例5と同様な反応器に合成例5で得られたイソシアヌレート100部、ポリプロピレンジオール13部、溶剤として酢酸ブチルを最終ブロックポリイソシアネート成分濃度が90%になるように仕込み、窒素雰囲気下、70℃で3時間保持した。その後、マロン酸ジエチル83部を添加し、赤外スペクトルでイソシアネート基の特性吸収がなくなったことを確認した。得られたブロックポリイソシアネートの平均分子量は1,280であった。
[実施例1]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、合成例1で得られたオルガノポリシロキサン87.5部、合成例6で得られたブロックポリイソシアネート12.5部を仕込み、窒素雰囲気化、120℃で4時間撹拌し、シリコーン組成物を得た。
[実施例2]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサンを合成例3で得られたオルガノポリシロキサンに変更した他は実施例1と同じ方法にてシリコーン組成物を調製した。
[実施例3]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサンを合成例4で得られたオルガノポリシロキサンに変更した他は実施例1と同じ方法にてシリコーン組成物を調製した。
[実施例4]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサンを85.0部、合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを15.0部に変更した他は実施例1と同じ方法にてシリコーン組成物を調製した。
[実施例5]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサンを92.5部、合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを7.5部に変更した他は実施例1と同じ方法にてシリコーン組成物を調製した。
[実施例6]
合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを合成例7で得られたブロックポリイソシアネートに変更した他は、実施例1と同じ組成、方法にてシリコーン組成物を調製した。
[実施例7]
合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを合成例8で得られたブロックポリイソシアネートに変更した他は、実施例1と同じ組成、方法にてシリコーン組成物を調製した。
[実施例8]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管のついたセパラブルフラスコに、合成例1で得られたオルガノポリシロキサン80.0部、上記式(A)で示されるオルガノポリシロキサン7.5部、合成例6で得られたブロックポリイソシアネート12.5部を仕込み、窒素雰囲気化、120℃で4時間撹拌し、シリコーン組成物を得た。
[実施例9]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサン87.5部、合成例6で得られたブロックポリイソシアネート12.5部を窒素雰囲気化、25℃で30分間撹拌し、シリコーン組成物を得た。
[比較例1]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサンを99.0部、合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを1.0部に変更した他は実施例1と同じ方法にてシリコーン組成物を調製した。
[比較例2]
合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを合成例7で得られたブロックポリイソシアネートに変更した他は、比較例1と同じ組成、方法にてシリコーン組成物を調製した。
[比較例3]
合成例6で得られたブロックポリイソシアネートを合成例8で得られたブロックポリイソシアネートに変更した他は、比較例1と同じ組成、方法にてシリコーン組成物を調製した。
[比較例4]
合成例1で得られたオルガノポリシロキサンを合成例2で得られたオルガノポリシロキサンに変更した他は、実施例1と同じ組成、方法にてシリコーン組成物を調製した。
[評価試験]
1.硬化性
シリコーン組成物を直径6cmのアルミシャーレに2g秤量し、150℃で15分間加熱した。組成物全体が硬化した場合を「A」、組成物の一部のみが硬化した場合を「B」、組成物全体が未硬化の場合を「C」とした。結果を表1に示す。
2.保存安定性
シリコーン組成物5gを25mLガラス瓶に充填し、40℃で1日放置した後、外観を観察した。外観が良好なものを「良」、増粘又はゲル化しているものを「不良」とした。結果を表1に示す。
Figure 0006524611
[実施例10]
実施例1で得られたシリコーン組成物60g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲン1108:花王製)10gをホモミキサーを用いて2,000rpmで20分間混合し、20gの水中に乳化分散させた。その後、110gの水で希釈してエマルション組成物を得た。
[実施例11]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例2で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例12]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例3で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例13]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例4で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例14]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例5で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例15]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例6で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例16]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例7で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例17]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例8で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[実施例18]
実施例1で得られたシリコーン組成物を実施例9で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[比較例5]
実施例1で得られたシリコーン組成物を比較例1で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[比較例6]
実施例1で得られたシリコーン組成物を比較例2で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[比較例7]
実施例1で得られたシリコーン組成物を比較例3で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[比較例8]
実施例1で得られたシリコーン組成物を比較例4で得られたシリコーン組成物に変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[比較例9]
実施例1で得られたシリコーン組成物を合成例1で得られたオルガノポリシロキサンに変更した他は実施例10と同じ組成及び方法にてエマルション組成物を調製した。
[評価試験]
各エマルション組成物について以下に示す評価試験を行った。結果を表2に示す。
3.柔軟性
エマルション組成物にイオン交換水を加え、固形分0.5%に希釈して試験液を調製した。該試験液にポリエステル/綿ブロード布(65%/35%、谷頭商店社製)を1分間浸漬した後、絞り率100%の条件でロールを用いて絞り、100℃で2分間乾燥後、さらに150℃で2分間加熱処理して柔軟性評価用の処理布を作製した。該処理布を3人のパネラーが手触りし、柔軟性を以下の基準により評価した。
<評価基準>
A:触り心地が非常に良好である。
B:触り心地が良好である。
C:触り心地が悪い。
4.吸水性
エマルション組成物にイオン交換水を加え、固形分2%に希釈して試験液を調製した。該試験液にポリエステル/綿ブロード布(65%/35%、谷頭商店社製)を10秒間浸漬した後、絞り率100%の条件でロールを用いて絞り、130℃で2分間乾燥した。その後、本処理布にスポイトで水道水を一滴(25μL)滴下し、水滴が布に完全に吸収されるまでの時間(秒)を測定した。
5.洗濯耐久性
エマルション組成物にイオン交換水を加え、固形分2%に希釈して試験液を調製した。該試験液にポリエステル/綿ブロード布(65%/35%、谷頭商店社製)を10秒間浸漬した後、絞り率100%の条件でロールを用いて絞り、130℃で2分間乾燥した。その後、本処理布を、JIS L0217 103に準拠した手法により、洗濯機による洗濯を一回行った。洗濯一回後の繊維表面のシリコーン残存量を蛍光X線分析装置(Rigaku社製)にて測定した。洗濯を行っていない場合と比較し、残存率(%)を算出した。
Figure 0006524611
表1に示される通り、本発明のシリコーン組成物は、低温硬化性及び保存安定性に優れている。また、表2に示される通り、本発明のシリコーン組成物を用いた繊維処理剤は、繊維に対して良好な柔軟性、吸水性を付与することができ、洗濯耐久性にも優れている。
本発明のシリコーン組成物は、優れた低温硬化性を有しており、本組成物を繊維処理剤に用いることで、繊維に対して良好な柔軟性、吸水性を付与することができる。また、洗濯耐久性にも優れ、高耐久性バインダー樹脂として使用可能である。

Claims (6)

  1. (A)分子末端又は側鎖に、下記一般式(1)で表される基を有するオルガノポリシロキサン70〜98質量部と、
    Figure 0006524611
    [式中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基であり、aは0〜4の整数であり、Ryは互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
    (式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基であり、bは2〜30の整数、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
    で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、Ryで示される基の合計個数の99%以上が、−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である。]
    (B)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、このイソシアネート基の50%以上が熱解離性ブロック剤で封鎖されたブロックポリイソシアネート2〜30質量部と
    を混合して加熱し、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれる1つ以上のヒドロキシル基と、(B)成分のイソシアネート基とを反応させた反応物を含有する、硬化性シリコーン組成物。
  2. (B)成分の熱解離性ブロック剤が、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物及び活性チレン系化合物からなる群から選ばれる化合物である、請求項1記載の硬化性シリコーン組成物。
  3. (B)成分の熱解離性ブロック剤が、ピラゾール系化合物である請求項記載の硬化性シリコーン組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性シリコーン組成物を含むシリコーンエマルション組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性シリコーン組成物を含む繊維処理剤。
  6. (A)分子末端又は側鎖に、下記一般式(1)で表される基を有するオルガノポリシロキサン70〜98質量部と、
    Figure 0006524611
    [式中、Rxは炭素数1〜8の2価炭化水素基であり、aは0〜4の整数であり、Ryは互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価炭化水素基、アシル基、又は−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Z
    (式中、Zは水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の1価炭化水素基、又はアシル基であり、bは2〜30の整数、cは0〜20の整数であり、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロック重合体を形成していてもランダム重合体を形成していてもよい。)
    で示されるポリオキシアルキレン含有有機基であり、Ryで示される基の合計個数の99%以上が、−CH2−CH(OH)CH2O−(C24O)b−(C36O)c−Zで示される基である。]
    (B)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、このイソシアネート基の50%以上が熱解離性ブロック剤で封鎖されたブロックポリイソシアネート2〜30質量部と
    を混合して加熱する工程を含む、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれる1つ以上のヒドロキシル基と、(B)成分のイソシアネート基とを反応させた反応物を含有する、硬化性シリコーン組成物を製造する製造方法。
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