JP6888057B2 - 繊維処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、衣料などの繊維製物品に撥水性を付与するとともに、消臭効果を発現し得る繊維処理剤に関する。
従来、衣料などの繊維製物品に撥水性、柔軟性、平滑性などを付与する目的で、シリコーン系化合物が使用されている。例えば特許文献1には、特定のアミノ変性シリコーンを含有する繊維処理剤が開示されている。特許文献2には、繊維に撥水性を付与でき且つ洗濯によって除去可能な撥水処理剤として、特定のシリコーン含有高分子共重合体を含有するものが開示されている。
また、整髪料には、髪を望む形に固定させ維持させるとともに、髪をごわつかせたりべたつかせたりせず、自然な感触に保つことが要望されているところ、斯かる要望に応え得る整髪料として、主鎖であるオルガノポリシロキサンセグメントの側鎖に、特定の不飽和単量体由来の重合体セグメントを、特定の比率で有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含有するものが提案されている(特許文献3及び4)。
特開平4−163374号公報 特開2003−34784号公報 特開平10−306163号公報 特開2014−77112号公報
一般に、排尿後に尿道に残った尿がじわっと出てきて下着などのインナー衣料を濡らしてしまうことがある。これは「排尿後尿滴下」(Post Micturition Dribble : PMD)と呼ばれる現象で、尿失禁などと比較して排尿量が0.1mL〜2mL程度と少ないことから「ちょい漏れ」などとも呼ばれる。特に、男性は女性よりも尿道が長く、男性の尿道は2箇所で屈曲している構造であり、尿道に尿が残りやすいため、ちょい漏れが起こりやすい。ちょい漏れは、パンツなどのインナー衣料の濡れによる不快感の原因となるだけでなく、インナー衣料の上から履いているズボンなどのアウター衣料にまで尿が染み出してしまう場合があり、アウター衣料の色の種類などによっては、その尿シミが目立ってしまうという問題がある。このようなちょい漏れに起因する問題に対応した失禁用パッドが提案されているが、失禁用パッドを使用することに抵抗を感じる人は多く、失禁用パッドを使用せずにちょい漏れ対策を講じたいという要望が強いのが実情である。
ちょい漏れによるアウター衣料の汚れ(尿シミ)を防止する方法として、インナー衣料を市販の防水スプレーで処理してこれに撥水性を付与し、ちょい漏れで出た尿がアウター衣料に移行しないようにする方法が考えられる。しかし、市販の防水スプレーの多くは、撥水効果がなるべく長時間持続するよう、撥水効果の発現に寄与するシリコーンなどの有効成分が被処理物に強固に付着するように構成されているため、防水スプレーで処理されたインナー衣料を着用後に洗濯機などで洗濯した場合に、該有効成分が除去されずに残留する場合があり、衛生的に問題がある。
また、ちょい漏れで出た尿に起因する不快な臭いは、当人やその周囲の人にとって気に
なる問題となる。近年の清潔志向の高まりを受けて、尿などの排泄物による悪臭をより高いレベルで除去したいという生活者のニーズは高まっている。排泄物に起因する臭い、例えば尿臭などは多種多様な臭いの複合臭からなる。ちょい漏れによるアウター衣料の汚れを防止するとともに、尿に起因する不快な臭いを低減し、しかも洗濯除去可能な処理剤は未だ提供されていない。
したがって、本発明の課題は、尿等の体液が着衣に染み出して外部から視認可能になる不都合を防止するとともに、該体液に起因する不快な臭いを低減し、且つ洗濯によって除去可能な繊維処理剤を提供することに関する。
本発明は、下記成分A、B及びCを含有し、成分Bの消臭剤の含有量が100ppm以上5質量%以下である繊維処理剤である。
成分A:シロキサン結合を有する主鎖と、分子量800以上の側鎖とを有し、IOB値が0.7以上であるシリコーングラフトポリマー
成分B:消臭剤
成分C:有機溶剤
また本発明は、前記の本発明の繊維処理剤がシート状固形物であることを特徴とする。すなわち本発明には、前記の本発明の繊維処理剤をシート状固形物に成型した、シート型製品が包含される。
また本発明は、前記の本発明の繊維処理剤がスティック状固形物であることを特徴とする。すなわち本発明には、前記の本発明の繊維処理剤をスティック状固形物に成型した、スティック型製品が包含される。
また本発明は、前記の本発明の繊維処理剤をスプレー容器に充填してなる、スプレー製品である。
また本発明は、前記の本発明の繊維処理剤をロールオン容器に充填してなる、ロールオン製品である。
本発明によれば、尿等の体液が着衣に染み出して外部から視認可能になる不都合を防止するとともに、該体液に起因する不快な臭いを低減し、且つ洗濯によって除去可能な繊維処理剤が提供される。本発明の繊維処理剤は、ちょい漏れに悩む人にとって特に有用であり、例えば、下着に該繊維処理剤をスプレーするなどして付与するだけの簡便な操作で、前述の尿シミや尿臭の問題を解決でき、しかも、該繊維処理剤は洗濯除去性を有しているため、該繊維処理剤で処理された下着は洗濯によりリセットすることが可能であり、衛生的である。
図1は、本発明の繊維処理剤の使用例を示す図であり、該繊維処理剤が付与されたパンツの着用状態を模式的に示す図である。 図2(a)は、消臭剤による消臭機構を示す模式図、図2(b)は、本発明の繊維処理剤による消臭機構を模式的に示す図である。
本発明の繊維処理剤は、本来的に撥水性(防水性)を有しない繊維製物品に洗濯除去可能な撥水性(防水性)を付与し得る。例えば、綿製の男性用パンツにおけるちょい漏れが起こった時に濡れる部分、典型的には、パンツの前見頃における着用者の陰茎の外尿道口に対応する部分及びその近傍に、着用前に予め本発明の繊維処理剤を付与しておくことで、その付与部分に尿等の体液の透過を防止するバリア被膜が形成され、このバリア被膜に
よって、前述のちょい漏れによる尿シミの問題が解決され得る。本発明の繊維処理剤において斯かるバリア被膜の主体をなすのは、成分Aのシリコーングラフトポリマーである。
図1は、本発明の繊維処理剤の使用例の模式図であり、男性の着用者100が、外面(非肌対向面)1bにバリア被膜2が形成されたパンツ1(インナー衣料)を着用し、さらにその上から、ズボンなどのアウター衣料3を着用した状態を示している。このバリア被膜2は、パンツ1の外面1bに本発明の繊維処理剤をスプレーするなどして付与することにより形成されたものである。なお、図1では、パンツ1の外面1b上にバリア被膜2が積層されているが、実際にバリア被膜2が図1に示すように形成されるとは限らない。また、本発明の繊維処理剤は、パンツ1の内面(肌対向面)1aに付与してもよく、内面1a及び外面1bの両方に付与してもよい。
図1に示すパンツ1の着用状態において、着用者100の陰茎の外尿道口から0.1mL〜2mLの少量の尿が意図せずに排泄されるいわゆる「ちょい漏れ」が起こり、その排泄尿がパンツ1の内面1a側から外面1b側に移行したとしても、外面1b側に形成された撥水性のバリア被膜2により、排泄尿のアウター衣料3側への移行が阻止され、アウター衣料3に外部から視認可能な尿シミが生じる不都合が防止される。また、バリア被膜2が通常の洗濯では除去できないようなものであると、バリア被膜2が形成されたパンツ1を洗濯しても汚れが十分に除去されないおそれがあり、外観のみならず、衛生的にも問題がある。例えば、バリア被膜が形成されたパンツを使用後に洗濯しても、なお依然としてバリア被膜がパンツに残存していると、そのパンツを再び着用したときに、残存しているバリア被膜に含まれる成分と疎水相互作用を起こし得る、尿中の成分が、残存しているバリア被膜に付着しやすいため、パンツに黄ばみが生じる、菌が繁殖しやすくなるなどの不都合が生じるおそれがある。これに対し、本発明に係るバリア被膜2は洗濯により除去可能であり、バリア被膜2が形成されたパンツ1を常法に従って洗濯することで、該パンツ1はバリア被膜2を有しない通常の状態にリセットされるため、パンツ1に黄ばみを生じさせず、しかも衛生的である。こうしてリセットされたパンツ1に再びちょい漏れ対策を施したい場合は、パンツ1の所望の部位に本発明の繊維処理剤を付与すればよい。
また、本発明の繊維処理剤は、尿シミの防止効果のみならず、排泄物に起因する臭い、特に尿に起因する不快な臭いの消臭効果にも優れる。本発明の繊維処理剤において斯かる消臭効果の発現に直接関係するのは、成分Bの消臭剤であるが、成分Aのシリコーングラフトポリマーも消臭効果の発現に間接的に寄与している。すなわち、例えば、ちょい漏れで出た尿に起因する不快な臭いを消臭する目的で、下着に消臭剤をスプレーするなどして、図2(a)に示すように、不快な臭いの原因となる臭い物質50の存在する環境に消臭剤51を付与した場合、そうして付与された消臭剤51は広範囲に拡散されるため、単位体積当たりの臭い物質50の数に対する消臭剤51の数が不足しがちとなり、十分な消臭効果が得られないおそれがある。これに対し、本発明の繊維処理剤を下着に付与した場合には、前述したとおり図1に示す如くに、下着に、成分Aのシリコーングラフトポリマーを主体とし、尿の移行を物理的に阻止するバリア被膜2が形成されるところ、このバリア被膜2においては、図2(b)に示すように、消臭剤51(成分Bの消臭剤由来成分)が比較的高密度で分布しており、尿がバリア被膜2と接触したときにその尿に含まれる臭い物質50に対しバリア被膜2中の消臭剤51が直接作用し得る。そのため、図2(a)に示す如き、臭い物質50に対して消臭剤51を単体で使用した場合に比して、少ない量の消臭剤51でも十分な消臭効果が発現され得る。つまり、本発明の繊維処理剤によって奏される消臭効果は、成分Aのシリコーングラフトポリマーと成分Bの消臭剤との協働によって奏されるものであり、消臭剤を単体で使用した場合には奏されない格別有利な効果である。このことは、後述する実施例と比較例との対比からも明らかである。
本発明の繊維処理剤は種々の繊維製物品に付与することができ、前述したとおり、「本
来的に撥水性(防水性)を有しない繊維製物品」であっても、その繊維製物品に洗濯除去可能な撥水性(防水性)を付与することが可能である。ここでいう、「本来的に撥水性(防水性)を有しない繊維製物品」の具体例として、「体液を保持し得る繊維製物品」を例示できる。
[成分A:シリコーングラフトポリマー]
成分Aのシリコーングラフトポリマーは、シロキサン結合を有する主鎖と側鎖とを有する。成分Aのシリコーングラフトポリマーの化学構造は特に限定されないが、好ましい具体例として、下記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントを有するものが挙げられる。
Figure 0006888057
前記一般式(1)及び(2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上14以下のアリール基を表し、Rは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基を表す。pは、2以上4000以下の数を表し、qは、2以上250以下の数を表す。式中、p個の繰り返し単位とq個の繰り返し単位の結合様式は、それぞれの繰り返し単位がブロック状につながっていてもよいし、ランダム状につながっていてもよい。
前記一般式(1)又は(2)においては、シロキサン結合(−Si−O−Si−)が主鎖であり、R、Rはそれぞれ側鎖である。Rに他の原子(例えば水素原子)又は他の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)が結合している場合、Rとそれら他の原子又は官能基との結合体全体が側鎖である。
前記一般式(1)及び(2)においては、2つ以上の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)が、主鎖を構成する任意のケイ素原子に、「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」であるRを介して結合していることが好ましく、両末端を除く1以上のケイ素原子にRを介して結合していることがより好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子にRを介して結合していることが更に好ましい。
前記一般式(1)及び(2)中、Rで表されるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基が挙げられ、Rで表されるアルキル基の炭素数は、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは1以上10以下、より好ましくは6以下である。Rで表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。なお、前記の「シリコーングラフトポリマーの水分散性」とは、水を主成分とする組成物中でシリコーングラフトポリマーが安定に分散しうる性質のことであり、本性質が良好であると、本発明で求める洗濯除去性を高めるため好ましい。
で表されるアリール基の炭素数は、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から好ましくは6以上12以下、より好ましくは9以下である。Rで表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rとしては、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
前記一般式(1)及び(2)中、pは、2以上4000以下の数を表し、qは、2以上250以下の数を表す。
pは、本発明で求める撥水性(防水性)を高める観点から、好ましくは50以上、より好ましくは80以上、更に好ましくは100以上の数であり、また、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは2000以下、より好ましくは1300以下、更に好ましくは700以下の数である。
qは、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上の数であり、本発明で求める洗濯除去性を高める観点から、好ましくは50以下、より好ましくは30以下の数である。
前記一般式(1)及び(2)中、「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」であるRの一部又は全部は、他の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)と結合し、他の官能基との連結基として機能する。他の官能基(不飽和単量体由来の重合体セグメント)と結合していないRが存在する場合は、そのRは水素原子と結合している。
本発明において、Rの炭素数は、成分Aのシリコーングラフトポリマー製造時の原料の入手性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
本発明において、Rは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NRCO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されていてもよい。すなわち、「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」であるRは、「−(アルキレン基部分1)−(前記の原子又は官能基)−(アルキレン基部分2)−」という構造であってもよく、この場合、アルキレン基の炭素数とは、アルキレン基部分1の炭素数及びアルキレン基部分2の炭素数の和をいう。ここでRは、炭素数1以上3以下のアルキル基である。ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基が前記の原子又は官能基によって分断されている場合は、成分Aのシリコーングラフトポリマーの製造の容易さの観
点から、−NHCO−によって分断されていることが好ましい。
本発明において、Rは、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基、及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよい。この場合、Rの炭素数とは、前記置換基の炭素数を含まない。成分Aのシリコーングラフトポリマーの製造時の原料入手性の容易さの観点から、Rは、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、及びアミノ基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していることが好ましい。
本発明において、「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」であるRは、−O−、−S−、−NH−、−NR30−、及び−COO−から選ばれる、2価のヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基が置換していてもよい。ここでR30はジメチルアミノ基が置換していてもよいアルキル基(炭素数1以上3以下)である。このヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基は、Rが、他の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)との連結基として働く場合には、該他の官能基と結合している。その他の場合は水素原子と結合している。
成分Aのシリコーングラフトポリマーの製造の容易性の観点から、Rは、−S−が置換していることが好ましい。
は、Rに含まれるヘテロ原子、好ましくは窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子、より好ましくは硫黄原子を介して他の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)と結合していることが好ましい。
したがって、R(ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基)は、(i)無置換の
アルキレン基、(ii)酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NRCO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されたアルキレン基、(iii)水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(
炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸とが脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換しているアルキレン基、(iv)−O−、−S−、−NH−、−NR30−及び−COO−から選ばれる2価のヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基が置換したアルキレン基の他、前記(ii)、(iii)、(iv)の組み合わせからなるアルキレン基が該当する。
本発明における、「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」であるRの具体例としては、下記式(i)〜(xii)を例示できる。中でも成分Aのシリコーングラフトポリマーの製造上の容易さの観点から、Rとしては下記式(xi)及び(xii)が好ましい。
Figure 0006888057
前記式(i)〜(xii)中、*は、前記一般式(1)又は(2)における主鎖を構成するケイ素原子に結合する部位を表し、**は、他の原子(水素原子)又は他の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)に結合する部位を表す。
前記式(xii)中、Xは−O−、−OCO−、−COO−、−CONH−、−NHC
O−から選ばれる一種以上であり、成分Aのシリコーングラフトポリマーの製造上の容易さの観点から、−CONH−又は−NHCO−が好ましく、−NHCO−がより好ましい。
また、前記式(xii)中、Rは、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下
)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよいアルキレン基である。置換基としては、製造時の原料入手性の観点から、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、及びアミノ基であることが好ましい。Rで表されるアルキレン基の炭素数は、成分Aのシリコーングラフトポリマーの製造上の容易さの観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。
の具体例としては、下記式(xiii)〜(xv)が挙げられる。
Figure 0006888057
前記式(xiv)中、Xは塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン、酢酸
イオン、アルキル(炭素数1以上3以下)硫酸イオン等のアニオンを表す。
本発明における、R(ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基)の他の具体例としては、窒素原子、酸素原子及び/又はイオウ原子を含む炭素数2〜20のアルキレン基、好ましくはこれらのヘテロ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基を例示できる。具体的にはアルキレン鎖の炭素−炭素間及び/又は末端に(イ)第2級アミン、第3級アミン、(ロ)第2級アミン、第3級アミンにHが付加して得られるアンモニウム塩、(ハ)第4級アンモニウム塩、(ニ)酸素原子及び/又は(ホ)イオウ原子を含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられる。これらのうち、好ましいものの具体例としては、下記式(xvi)〜(xx)が挙げられる。
Figure 0006888057
成分Aのシリコーングラフトポリマーは、分子量800以上の側鎖を有する点で特徴付けられる。例えば、成分Aのシリコーングラフトポリマーが前記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントを有する場合、該セグメントにおける主鎖であるシロキサン結合に結合する側鎖の1つである、R(ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基)と他の官能基(例えば後述する、不飽和単量体由来の重合体セグメント)との結合体は、分子量が800以上である。
本発明の繊維処理剤は、本来的に撥水性を有しない繊維製物品に、単に撥水性を付与するのではなく、「洗濯除去可能な撥水性」を付与する点で特徴付けられるところ、この洗濯除去可能な撥水性の付与と密接に関係する要素の1つが、成分Aのシリコーングラフト
ポリマーの側鎖の分子量である。前述したとおり、成分Aのシリコーングラフトポリマーは、本発明の繊維処理剤を処理対象(繊維製物品)に付与した場合にその処理対象に形成されるバリア被膜の主体をなすものであるが、その側鎖の分子量が800以上であることにより、該バリア被膜が通常の衣類の洗濯によって除去されやすくなる。成分Aのシリコーングラフトポリマーが分子量800以上の側鎖を有していないと、処理対象に「洗濯除去可能な撥水性」を付与することが困難になる。
成分Aのシリコーングラフトポリマーが有する「分子量800以上の側鎖」の分子量は、好ましくは900以上、より好ましくは1000以上である。斯かる側鎖の分子量の上限については特に制限は無いが、斯かる側鎖の分子量が大きすぎると、前記バリア被膜の撥水性が低下し、尿シミ防止効果が低下するおそれがある。以上を考慮すると、斯かる側鎖の分子量は、好ましくは50000以下、より好ましくは35000以下、更に好ましくは25000以下である。
成分Aのシリコーングラフトポリマーが前記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントを有する場合、主鎖であるシロキサン結合に対して、R(ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基)を介して「不飽和単量体由来の重合体セグメント」が結合していることが好ましい。その場合、「Rと不飽和単量体由来の重合体セグメントとの結合体」としての側鎖の分子量が前記範囲にあることが好ましく、不飽和単量体由来の重合体セグメント、すなわち該結合体からRを除いた部分の分子量が前記範囲にあることがより好ましい。
成分Aのシリコーングラフトポリマーは、分子量800以上の側鎖を少なくとも1つ有していればよいが、前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、分子量800以上の側鎖は5以上が好ましい。
一方、成分Aのシリコーングラフトポリマーの主鎖、より具体的にはシロキサン結合の分子量は、特に制限されないが、撥水性(防水性)の発現の観点から、好ましくは10000以上、より好ましくは30000以上、そして、好ましくは200000以下、より好ましくは100000以下である。成分Aのシリコーングラフトポリマーの主鎖又は側鎖の分子量は、その重合条件を適切に選択することで制御することができる。
成分Aのシリコーングラフトポリマーの主鎖又は側鎖の分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均分子量又は重量平均分子量等として求めることができる。具体的な測定条件は次の通りである。なお、成分Aのシリコーングラフトポリマーとして市販品を用いた場合、その主鎖又は側鎖の分子量は、カタログ等に記載された数値を利用してもよい。
・カラム:K−804L+K−804L(Shodex(登録商標)、昭和電工株式会社製)
・溶離液:1mmol ファーミンDM2098(花王(株)製)/CHCl
・溶離液流量:1.0mL/min
・カラム温度:40℃
・検出器:RI
・サンプル濃度:5mg/mL
・サンプル注入量:100μL
処理対象(繊維製物品)に前記「洗濯除去可能な撥水性」を付与するためには、成分Aのシリコーングラフトポリマーが分子量800以上の側鎖を有するだけでは足りず、更に、成分AのシリコーングラフトポリマーのIOB値が0.7以上であることを要する。IOB(Inorganic Organic Balance)値は、物質の無機性値と
有機性値との比率である、「無機性値/有機性値の値」の尺度となるものである。
一般に、物質の性状は、分子間の各種分子間力に大きく支配され、この分子間力は主に分子質量によるVan Der Waals力と、分子の極性による電気的親和力からなっている。物
質の性質の変化に対して大きな影響を与えるVan Der Waals力と、電気的親和力のそれぞ
れを個別に把握することができれば、その組み合わせから未知の物質、あるいはそれらの混合物についてもその性状を予測することができる。この考え方は、「有機概念図論」としてよく知られている理論である。有機概念図論は、例えば藤田穆著の「有機分析」(カニヤ書店、昭和5年)、藤田穆著の「系統的有機定性分析(純粋物編)」(共立出版、1953年)、藤田穆著の「改編化学実験学−有機化学編」(河出書房、1971年)、藤田穆・赤塚政実著の「系統的有機定性分析(混合物編)」(風間書房、1974年)、及び甲田善生・佐藤四郎・本間善夫著の「新版有機概念図 基礎と応用」(三共出版、20
08年)等に詳述されている。有機概念図論では、物質の物理化学的物性について、主にVan Der Waals力による物性の程度を「有機性」と呼び、また主に電気的親和力による物
性の程度を「無機性」と呼び、物質の物性を「有機性」と「無機性」の組み合わせでとらえている。そして、炭素(C)1個を有機性20と定義し、それに対して各種極性基の無機性及び有機性の値を、以下の表1に記載のとおり定め、無機性値の和と有機性値の和を求め、両者の比をIOB値と定義している。
Figure 0006888057
成分Aのシリコーングラフトポリマーは共重合物であるところ、共重合に用いられるモノマーのモル比に応じて以下の手順でIOB値を算出する。すなわち、共重合物がモノマーAとモノマーBとから得られ、モノマーAの有機性値がORで、無機性値がINであり、モノマーBの有機性値がORで、無機性値がINであり、モノマーA/モノマーBのモル比がM/Mである場合、共重合物のIOB値は以下の式から算出される。
Figure 0006888057
成分AのシリコーングラフトポリマーのIOB値は、前述したとおり0.7以上であり、好ましくは0.9以上、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上である。斯かるIOB値の上限については特に制限は無いが、斯かるIOB値が大きすぎると、前記バリア被膜の撥水性が低下し、尿シミ防止効果が低下するおそれがある。以上を考慮すると、斯かるIOB値は、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下である。
成分AのシリコーングラフトポリマーのIOB値は前述の通りであるところ、有機性値そのものは、好ましくは20000以上、より好ましくは30000以上、更に好ましくは40000以上、そして、好ましくは700000以下、より好ましくは600000以下、更に好ましくは500000以下である。また、成分Aのシリコーングラフトポリマーの無機性値そのものは、好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上、更に好ましくは50000以上、そして、好ましくは900000以下、より好ましくは800000以下、更に好ましくは700000以下である。
成分Aのシリコーングラフトポリマーの側鎖を構成する「不飽和単量体由来の重合体セグメント」について更に説明すると、不飽和単量体由来の重合体セグメントは、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、不飽和単量体由来の重合体セグメント中に、N,N−ジメチルアクリルアミド(以下「DMAAm」ともいう)由来の繰り返し単位を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは75質量%以上有する。また、本発明の繊維処理剤を繊維製物品に付与した後の繊維製物品のべたつき軽減の観点から、不飽和単量体由来の重合体セグメント中の、DMAAm由来の繰り返し単位の含有量は、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
本発明において、不飽和単量体由来の繰り返し単位とは、該不飽和単量体の重合時に形成される繰り返し単位をいう。
成分Aのシリコーングラフトポリマーにおいて、不飽和単量体由来の重合体セグメント中におけるDMAAm由来の繰り返し単位の含有量は、NMR法により測定することができる。
不飽和単量体由来の重合体セグメント中、DMAAm由来の繰り返し単位以外の部分は、DMAAmと共重合可能な不飽和単量体(但しDMAAmを除く)由来の繰り返し単位からなっている。DMAAmと共重合可能な不飽和単量体由来の繰り返し単位としては、オレフィン、ハロゲン化オレフィン、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル類、又は(メタ)アクリルアミド類(但し、DMAAmを除く)等の不飽和単量体由来の繰り返し単位が挙げられる。不飽和単量体由来の重合体セグメント中、DMAAm由来の繰り返し単位以外の部分は、DMAAmと共重合可能な単一種の不飽和単量体由来の繰り返し単位からなっていてもよいし、2種以上の不飽和単量体由来の繰り返し単位からなっていてもよい。
前記の「DMAAmと共重合可能な不飽和単量体由来の繰り返し単位」に関し、オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンが挙げられる。ハロゲン化オレフィンの具体例としては、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオライドが挙げられる。ビニルエステルの具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。
前記の「DMAAmと共重合可能な不飽和単量体由来の繰り返し単位」に関し、(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数1以上16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の水酸基が置換した炭素数1以上16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;及び(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
前記の「DMAAmと共重合可能な不飽和単量体由来の繰り返し単位」に関し、DMAAmを除く(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド類(但しDMAAmは除く);N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド類;ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の窒素原子上の置換基にカルボニル基を有するN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の窒素原子上の置換基にアミノ基を有するN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の窒素原子上の置換基に水酸基を有するN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
これらの中でも、本発明の繊維処理剤が付与された繊維製物品の撥水性(防水性)持続の観点から、前記の「DMAAmと共重合可能な不飽和単量体由来の繰り返し単位」としては、DMAAmを除く(メタ)アクリルアミド類及び/又は(メタ)アクリレート類が好ましく、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルがより好ましく、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが更に好ましく、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルがより更に好ましく、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミドがより更に好ましい。
不飽和単量体由来の重合体セグメントの好ましい具体例として、下記一般式(3)で表されるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが挙げられる。
Figure 0006888057
前記一般式(3)中、R20は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは2又は3を表す。R20で表される炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が例示される。一般式(3)で表わされる繰り返し単位の重合度は特に制限はないが、例えば1〜500である。
成分Aのシリコーングラフトポリマーの好ましい具体例として、下記式(A1)及び(A2)で表される化合物(ポリオキサゾリン変性シリコーン)が挙げられる。
Figure 0006888057
前記式(A1)中、rは、5以上100以下の数を表す。
前記式(A2)中、Acは、アセチル基「CHC(=O)−」を表し、sは、100以上300以下の数を表し、tは、0以上50以下の数を表す。
前記式(A1)及び(A2)のp及びqは、それぞれ、前記一般式(1)及び(2)のp及びqと同義である。
成分Aのシリコーングラフトポリマーの全体構成について更に説明すると、成分Aのシリコーングラフトポリマーが、前記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントの如き、オルガノポリシロキサンセグメントを有する場合、該シリコーングラフトポリマーにおけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、本発明の繊維処理剤が付与された繊維製物品の撥水性(防水性)持続の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。成分Aのシリコーングラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、NMRで測定できる。
また、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点、及び本発明の繊維処理剤が付与された繊維製物品の撥水性(防水性)持続の観点から、オルガノポリシロキサンセグメント(a)と、不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)は、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上、更に好ましくは40/60以上であり、また、好ましくは99/1以下、より好ましくは95/5以下、更に好ましくは90/10以下である。
なお、本明細書において、前記質量比(a/b)は、成分Aのシリコーングラフトポリマーが公知のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、「製造時に投入されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの総質量(c)」と、「『製造時に投入される不飽和単量体の総質量(d)』から『製造時に生成するオルガノポリシロキサンに結合していない不飽和単量体由来の重合体の総質量(e)』を差し引いた値」との比(c/(d−e))と同一であるとみなす(下記式(I))。
a/b = c/(d−e) (I)
また、隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの数平均分子量(MNg)(以下、「グラフト点間分子量」ということがある)は、撥水性(防水性)持続の観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、更に好ましくは1000以上、より更に好ましくは1500以上であり、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは1万以下、より好ましくは5000以下、更に好ましくは3000以下、より更に好ましくは2500以下である。
ここで、「隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記一般式(4)に示すように、不飽和単量体由来の重合体セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのRSiO単位と、1つのRと、y+1個のR SiO単位とから構成されるセグメントをいう。
Figure 0006888057
前記一般式(4)中、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上14以下のアリール基を表し、Rはヘテロ原子が含まれていてもよいアルキレン基を表し、−W−Rは不飽和単量体由来の重合体セグメントを表し、Rは重合開始剤の残基又は水素原子を表し、yは正の数を表す。
グラフト点間分子量は、前記一般式(4)において破線で囲まれた部分の分子量の平均値であって、不飽和単量体由来の重合体セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。グラフト点間分子量は、成分Aのシリコーングラフトポリマーが公知のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合であって、且つすべてのラジカル反応性官能基と不飽和単量体由来の重合体とが結合している場合には、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりに存在するラジカル反応性官能基モル数(mol/g)の逆数の値と同一とみなされる。
また、成分Aのシリコーングラフトポリマーが、前記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントの如き、オルガノポリシロキサンセグメントを有する場合、該オルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)は、撥水性(防水性)持続の観点から、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上、より更に好ましくは15000以上である。MWsiは、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは20万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは6万以下、より更に好ましくは5万以下である。本明細書において、MWsiは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)で測定し、ポリスチレン換算したものであり、その際のGPCの測定条件は、前記のとおりである。
成分Aのシリコーングラフトポリマーが公知のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、オルガノポリシロキサンセグメントは、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiはラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWra)と略同一であり、本発明においては同一と見なす。本明細書において、MWraは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)で測定し、ポリスチレン換算したものであり、その際のGPCの測定条件は、前記のとおりである。
成分Aのシリコーングラフトポリマーの重量平均分子量(MWt)は、撥水性(防水性)持続の観点から、好ましくは10000以上、より好ましくは14000以上、更に好ましくは17000以上、より更に好ましくは30000以上であり、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは200000以下、より好ましくは160000以下、更に好ましくは130000以下、より更に好ましくは95000以下である。当該範囲内であれば、繊維製物品に持続性十分な撥水性(防水性)を付与することができ、加えて、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性が優れるように
なるため、繊維処理剤を洗濯除去性に優れるものとすることができる。本明細書において、MWtは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)で測定し、ポリスチレン換算したものであり、その際のGPCの測定条件は、前記のとおりである。
また、成分Aのシリコーングラフトポリマーをラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造する場合に、MWraと前述の質量比(a/b)の逆数とから下記式(II)を用いて得られる、成分Aのシリコーングラフトポリマーの計算上の重量平均分子量(MWtcalc)は、繊維製物品に持続性十分な撥水性(防水性)を付与するとともに、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性を高めて繊維処理剤を洗濯除去性に優れるものとする観点から、好ましくは10000以上、より好ましくは14000以上、更に好ましくは17000以上、更に好ましくは30000以上であり、成分Aのシリコーングラフトポリマーの水分散性の観点から、好ましくは200000以下、より好ましくは160000以下、更に好ましくは130000以下、更に好ましくは95000以下である。
MWtcalc = MWra × {1+質量比(b/a)} (II)
成分Aのシリコーングラフトポリマーは、例えば、(i)反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンと、該反応性官能基と反応し得る官能基を末端に有する不飽和単量体由来の重合体セグメントとを反応させるgraft−onto法(高分子反応法)、又は(ii)ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合させるgraft−from法によって製造することができる。これらの中では製造時の負荷低減の観点から、前記(ii)の製造方法が好ましい。成分Aのシリコーングラフトポリマーは、例えば、特許文献3に記載の製造方法(例えば同文献の[0016]〜[0023]に記載の製造方法)、又は特許文献4に記載の製造方法(例えば同文献の[0036]〜[0067]に記載の製造方法)に従って製造することができる。
本発明の繊維処理剤において、成分Aのシリコーングラフトポリマーの含有量は、これによって奏される作用効果、特に、処理対象への撥水性付与効果と、成分Bの消臭剤による消臭効果の増幅効果とをより確実に奏させるようにする観点から、該繊維処理剤の全質量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。なお、前記の「繊維処理剤の全質量」に関し、繊維処理剤がいわゆるスプレータイプの場合(繊維処理剤をスプレー容器に充填してなるスプレー製品における、該繊維処理剤の場合)において、該繊維処理剤が噴射剤を含有する場合は、該「繊維処理剤の全質量」には該噴射剤の質量は含まれない。「繊維処理剤の全質量」については、特に断らない限り、以下同様である。
[成分B:消臭剤]
成分Bの消臭剤としては、排泄物に起因する臭い、特に尿に起因する臭いに作用してこれを低減し得るものが好ましく用いられる。ここでいう、「排泄物に起因する臭い」には、排尿間もない「初期尿臭」と、排尿から一定時間が経過して発生し得る「腐敗尿臭」とが包含される。腐敗尿臭の発生メカニズムについて説明すると、菌と尿とが接触すると、菌由来の酵素が尿中に含有される尿素やタンパク質、グルクロン酸抱合体等の臭いの前駆体を分解し、酢酸等の脂肪酸類やアンモニア、トリメチルアミン等のアミン類、フェノール類、メルカプタン類等の酸性から中性、アルカリ性まで種々の臭い物質が液中に発生することとなる。この臭い物質が揮発すると、腐敗尿臭として感じられるようになる。成分Bの消臭剤としては、このような初期尿臭ないし腐敗尿臭に作用して、それらの臭いを低減し得るものが特に好ましい。
成分Bの消臭剤としては、例えば香料の如き、「当該物質が発する香気によって、目的の臭気をマスキング又はハーモナージュする物質」を用いることも可能である。しかし、
前述したように、本発明の繊維処理剤は処理対象に付与されるとバリア被膜を形成するものであり、このバリア被膜によって香料の香気が十分に作用しない事態が起こり得ることを考慮すると、成分Bの消臭剤としては、それ自体が臭気(臭い物質)に直接作用して、すなわち臭気(臭い物質)を吸着、中和、分解等して、消臭効果を発現し得る物質が好ましい。
成分Bの消臭剤の一例として、緑茶、竹、月桃、ヨモギ、ショウガ、カキノハ、シークワーサー、ケイヒ、ローズ、ダマスクローズ、みかん、ジャバラ等の「植物由来エキス」が挙げられる。
成分Bの消臭剤の他の一例として、マレイン酸、マロン酸、2−メチルマロン酸、2−エチルマロン酸、2−イソプロピルマロン酸、2,2−ジメチルマロン酸、2−エチル−2−メチルマロン酸、2,2−ジエチルマロン酸、2,2−ジイソプロピルマロン酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロオクタンジカルボン酸、1,2−シクロヘプタンジカルボン酸、コハク酸、フェニルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2,3−ジエチルコハク酸、2−エチル−3−メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、2,3−ジ−t−ブチルコハク酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、3−イソプロピル−3−メチルグルタル酸、3−t−ブチル−3−メチルグルタル酸、3,3−ジイソプロピルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジプロピルグルタル酸、2−エチル−2−(1−エチルプロピル)グルタル酸、シクロヘキシル−1,1−ジ酢酸、2−メチルシクロヘキシル−1,1−ジ酢酸、シクロペンチル−1,1−ジ酢酸、3−メチル−3−フェニルグルタル酸、3−エチル−3−フェニルグルタル酸、クエン酸、リン酸、酢酸、乳酸等の「有機酸」が挙げられる。
成分Bの消臭剤の更に他の一例として、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−4−ヒドロキシプロピル−1,7−ヘプタンジオール、2−(N−エチル)アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−デシル)アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(N−デシル)アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等のポリヒドロキシアミン化合物等の「化学的中和消臭剤」が挙げられる。
成分Bの消臭剤の更に他の一例として、活性炭等の「吸着消臭剤」が挙げられる。
本発明では、これらの消臭剤の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて成分Bとして用いることができる。
また、成分Bの消臭剤としては、ポリフェノールを含有するものが好ましい。成分Bの消臭剤がポリフェノールを含有するものであると、ポリフェノールが作る3次元構造への包接消臭という効果が奏される。植物由来エキスで且つポリフェノールを含有する消臭剤としては、前述の植物由来エキスを例示できる。
成分Bの消臭剤のIOB値は、併用する成分AのシリコーングラフトポリマーのIOB値と近似することが好ましい。両成分A,BのIOB値が互いに近似することで、両成分どうしの相溶性が高まり、その結果、前述した図2(b)に示す如きバリア被膜の形成を伴う作用機序の下、両成分A,Bの協働による優れた消臭効果が発現し得る。成分Aと成分BとでIOB値が近似していると、両者が近似していない場合に比して、バリア被膜における成分Bの消臭剤由来成分の分布密度が高まるため、成分Bの消臭剤が比較的少量であっても十分な消臭効果が発現され得る。斯かる観点から、成分AのシリコーングラフトポリマーのIOB値と成分Bの消臭剤のIOB値との比率は、前者/後者として、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上、そして、好ま
しくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下である。
成分Bの消臭剤のIOB値は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは1.1以上、そして、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下である。
成分Bの消臭剤のIOB値を決定する有機性値そのものは、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは300以上、そして、好ましくは2000以下、より好ましくは1500以下、更に好ましくは1000以下である。
成分Bの消臭剤のIOB値を決定する無機性値そのものは、好ましくは300以上、より好ましくは400以上、更に好ましくは500以上、そして、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下、更に好ましくは1000以下である。
成分Bの消臭剤の好ましい具体例として、下記式(B1)で表される化合物が挙げられる。下記式(B1)で表される化合物は、ポリフェノールを含有する植物由来エキスであって、IOB値が1.65である。下記式(B1)で表される化合物としては、白井松新薬株式会社製の商品名「フレッシュE」を用いることができる。
Figure 0006888057
成分Bの消臭剤の別の好ましい具体例として、マレイン酸が挙げられる。マレイン酸は、有機酸であって、酸型の中和消臭剤であり、IOB値が3.78である。
成分Bの消臭剤の更に別の好ましい具体例として、4−アミノ−4−ヒドロキシプロピル−ヘプタンジオールが挙げられる。4−アミノ−4−ヒドロキシプロピル−ヘプタンジオールは、化学的中和消臭剤であって、塩基型の中和消臭剤であり、IOB値が1.85である。
本発明の繊維処理剤において、成分Bの消臭剤の含有量は、これによって奏される消臭効果をより確実に奏させるようにする観点から、該繊維処理剤の全質量に対して、100ppm以上、好ましくは200ppm以上、より好ましくは300ppm以上、そして、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは5000ppm以下である。成分Bの消臭剤の含有量が繊維処理剤の全質量に対して100ppm未満であると、消臭効果が不十分となるおそれがあり、成分Bの消臭剤の含有量が繊維処理剤の全質量に対して5質量%を超えると、消臭剤そのもののニオイが強すぎたり、繊維処理製品としてのコストが高価になりすぎたりするおそれがある。
[成分C:有機溶剤]
成分Cの有機溶剤としては、成分A及びBをはじめとする繊維処理剤の含有成分が溶解可能なものであればよく、例えば、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、ブタノー
ル、イソブタノール等の炭素数4以上6以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の繊維処理剤において、成分Cの有機溶剤の含有量(複数種の有機溶剤を含有する場合はそれらの合計含有量)は、繊維処理製品のコストの観点から、該繊維処理剤の全質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
本発明の繊維処理剤には、前述した成分AないしCに加えて更に、この種の繊維処理剤(撥水性付与剤)に用いられる成分を、目的、用途、剤型等に応じて適宜配合することができる。そのような任意に配合可能な成分としては、例えば、成分C以外の溶媒(水等);染料、顔料等の着色剤;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、粘土鉱物等の粘度調整剤;有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の繊維処理剤は、常法に従い各種剤型に調製することができ、例えば、液状物;ゲル状、ペースト状、クリーム状、ワックス状等の半固形物;シート状、スティック状等の固形物とすることができる。
本発明の繊維処理剤は、種々の繊維製物品に付与することが可能である。本発明の繊維処理剤が付与可能な繊維製物品としては、例えば、パンツ、褌、シャツ、ブラジャー、ガードル、靴下などの下着に代表されるインナー衣料;サッカーシャツ、ゴルフシャツ、テニスシャツ、バスケットシャツ、卓球シャツ、バドミントンシャツ、ランニングシャツ、サッカーパンツ、テニスパンツ、バスケットパンツ、卓球パンツ、バドミントンパンツ、ランニングパンツ、ゴルフパンツ、各種スポーツ用アンダーシャツ、各種スポーツ用インナーウエア等、セーター、Tシャツ、ジャージ、トレーナー、ウインドブレーカー、ショートパンツ、レギンス等のスポーツ衣料;尿漏れ処理用パッド等の軽失禁用用品、生理用ナプキン類縁、パンティライナー等のおりものシート類縁、母乳パット類縁等が挙げられる。本発明の繊維処理剤は、特にちょい漏れ対策に有用であり、その観点から、男性用パンツに付与されると特に効果的である。
本発明の繊維処理剤を処理対象(繊維製物品)に付与する方法は特に制限されず、該繊維処理剤の剤型等に応じて適宜選択することが出来る。例えば、本発明の繊維処理剤が液状物又は半固形物である場合は、繊維処理剤中への浸漬、スプレー塗工、ディッピング法、ロールオン法、また、転写法、ダイ塗工、グラビア塗工、インクジェット法、スクリーン印刷法等、印刷に準じた塗工等の公知の液体塗工装置を用いた塗工等が挙げられ、これらを自由に用いることができる。
本発明の繊維処理剤がシート状固形物である場合は、該シート状固形物を、必要に応じ粘着剤等の接合手段を介して、繊維製物品の所望の部位(例えば男性用パンツの前身頃の外面)に貼り付けて使用することができる。シート状固形物である繊維処理剤の厚みは特に制限されず、用途等に応じて適宜調整すればよいが、例えば、ちょい漏れ対策として男
性用パンツの前身頃の外面又は内面に貼り付ける場合は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下である。
また、本発明の繊維処理剤がスティック状固形物である場合は、該スティック状固形物を繊維製物品に直接接触させて塗布する方法、あるいはスポンジなどを用いて繊維製物品に間接的に塗布する方法を採用することができる。このスティック状固形物の繊維処理剤は、例えば、口紅やスティック糊などと同様に構成され、繊維処理剤のスティック状固形物と、該固形物を支持する支持部とを含む。
本発明には、前述した本発明の繊維処理剤をスプレー容器に充填してなる、スプレー製品が包含される。前記スプレー容器は、典型的には、内部に繊維処理剤の収容部を有するスプレー本体と、該スプレー本体に取り付けられた噴霧機構とを有する。前記噴霧機構は特に制限されず、例えば、使用者が指で押すことによって前記スプレー本体内の内容物(繊維処理剤)を吸い上げて噴霧するように構成されたプッシュスプレータイプでもよく、あるいは、トリガーを回動移動させることによりピストンを押し下げて前記スプレー本体に通じるシリンダー内の液体をノズルより噴射させるトリガースプレータイプでもよい。
本発明のスプレー製品は、エアゾールスプレー用耐圧容器に本発明の繊維処理剤及び噴射剤を充填してなる、エアゾールスプレー製品であり得る。前記噴射剤としては、例えば、窒素ガスや炭酸ガスなどの圧縮ガスを用いたものや、液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)等の液化ガスを用いたものが挙げられる。前記噴射剤の含有量は、本発明の繊維処理剤中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
本発明のスプレー製品は、手動式スプレイヤーを具備する容器に本発明の繊維処理剤を充填してなる、手動式スプレー製品であり得る。この手動式スプレー製品は、ガスなどの噴射剤を用いないスプレー製品であり、具体的には例えば、手動式トリガースプレイヤー、超音波式を例示でき、特に、蓄圧式の手動式スプレー製品は、ミストの粒径の細かさ、ミスト径の均一性などが良好であるため好ましい。
また、本発明には、前述した本発明の繊維処理剤をロールオン容器に充填してなる、ロールオン製品が包含される。前記ロールオン容器は、容器口部にボールを回転自在に保持した中栓を配置し、内容物(繊維処理剤)をボール表面に分配して所望部位に塗布する容器である。前記ロールオン容器を使用する際には、ボールを、内容物の付与対象たる繊維製物品に接触させつつ、容器本体を上方に持ち上げ、内容物をボールに接触させるとともに、ボールを該繊維製物品上で転がすことによって、ボール表面に内容物を分配させる。前記ロールオン容器としては、公知のものを特に制限なく用いることができる。
本発明の繊維処理剤によれば、相対向する二面(表面及び裏面)を有する繊維製物品の一方の面のみに、成分Aのシリコーングラフトポリマーを主体とし、尿等の体液の透過を防止するバリア被膜を形成し、他方の面には該バリア被膜を形成しないようにすることが可能である。このような「繊維製物品の片面撥水化」によるメリットとして、繊維製物品の撥水化が必要最小限に抑えられ、繊維製物品が本来有する諸物性が維持される点が挙げられる。繊維製物品を従来公知の撥水処理剤を用いて常法に従って撥水化すると、撥水化が必要以上に進行し、吸水性、柔軟性、通気性などの、本来低下させたくない物性が大きく低下する場合があるが、本発明の繊維処理剤によれば、その使い方次第で、繊維製物品の片面撥水化が可能である。
繊維製物品の片面撥水化を実現し得る、本発明の繊維処理剤の使用方法としては、例え
ば、1)シート状固形物である該繊維処理剤を繊維製物品の一方の面に貼り付ける方法、2)スティック状固形物である該繊維処理剤を繊維製物品の一方の面に直接接触させて塗布する方法、3)該繊維処理剤をスプレー容器に充填してなるスプレー製品を用い、繊維製物品の一方の面に該繊維処理剤を噴霧する方法、4)該繊維処理剤をロールオン容器に充填してなるロールオン製品を用い、繊維製物品の一方の面に該繊維処理剤を塗布する方法が挙げられる。
片面撥水化の対象となる繊維製物品の一例として、JIS L−1907の滴下法による吸水時間が30秒以下、好ましくは20秒以下、より好ましくは15秒以下、更に好ましくは1秒以下の吸水性を有するもの(以下、「吸水性繊維製物品」ともいう。)が挙げられる。吸水性繊維製物品は、水及び種々の水性液を吸収することができ、例えば、身体から排泄される体液として、汗、尿、血液、オリモノ、母乳を吸収することができる。吸水性繊維製物品は、典型的には、吸水性繊維を主体とし、該吸水性繊維としては、例えば、木材パルプ、綿、麻等の天然繊維が用いられる。吸水性繊維製物品における吸水性繊維の含有量は、該吸水性繊維製物品の全質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。吸水性繊維製物品は、例えば、厚み0.01〜5mm程度のシート状の繊維製物品、より具体的には、織物(織布)、編物、不織布、紙の何れか1種又は2種以上を含む形態であり得る。
本発明の繊維処理剤は、吸水性繊維製物品を含む種々の繊維製物品の片面撥水化に使用することができ、前述した「男性用パンツ等のインナー衣料の片面撥水化による、ちょい漏れ(排尿後尿滴下)によるアウター衣料の汚れ防止」の他に、例えば、下記(1)〜(10)の用途に好適である。一般に、下記(1)〜(6)は、比較的少量の液体、具体的には好ましくは1mL以下程度、より好ましくは0.5mL以下程度の量の液体を吸収する用途であり、下記(7)〜(10)は、それよりも多量の液体、具体的には好ましくは1〜100mL程度、より好ましくは1〜10mL程度の量の液体を吸収する用途である。
(1)靴下(吸水性繊維製物品)の非肌対向面の撥水化による、靴及び中敷きへの足汗の移行防止(靴の防臭)。ここでいう「非肌対向面」とは、吸水性繊維製物品の使用時に使用者の肌側とは反対側に向けられる面(相対的に使用者の肌から遠い側)であり、以下特に断らない限り同じである。なお、吸水性繊維製物品における非肌対向面とは反対側の面(使用時に使用者の肌側に向けられる面)は、「肌対向面」である。
(2)女性用下着(吸水性繊維製物品)の非肌対向面の撥水化による、ボトム(下半身に着ける衣服)への排泄物(おりもの、経血等)の移行防止。
(3)女性用ブラジャー(吸水性繊維製物品)の非肌対向面の撥水化による、衣服への母乳の移行防止。
(4)画用紙(吸水性繊維製物品)の裏面の撥水化による、水性インクの裏移り防止。
(5)不織布(吸水性繊維製物品)の片面の撥水化による、隠蔽性の向上。隠蔽性が向上した不織布は、例えばドリップシートとして好適である。ドリップシートは、肉や魚などの食材から染み出す血液などのドリップを吸収保持するシート状物であり、食材の鮮度を保持するために使用される。片面撥水化によって隠蔽性が向上した不織布からなるドリップシートで食材を被覆することで、該不織布の撥水化された片面(食材側とは反対側の面)によってドリップの裏抜けが防止されるとともに、該食材から染み出す血液などのドリップが外部からに見えにくくなる。
(6)テーブルクロスの裏面の撥水化による、テーブルへの汚れ移行防止。
(7)雑巾・台拭き(吸水性繊維製物品)の片面の撥水化による、手への汚れ付着防止。(8)よだれ掛け(吸水性繊維製物品)の内面(使用者の身体側の面)の撥水化による、衣服へのよだれや食べこぼしの汚れ移行防止。
(9)足拭きマット(吸水性繊維製物品)の片面の撥水化による、床濡れ防止、滑り防止、カビ・雑菌の繁殖防止。
(10)シーツ・布団カバー・枕カバー(吸水性繊維製物品)の裏面(使用者の身体側とは反対側の面)の撥水化による、敷布団・掛布団・枕への汗の移行防止(防湿)。
本発明の繊維処理剤は、下記(11)〜(15)の用途にも好適である。本発明の繊維処理剤を下記(11)〜(15)の用途に適用する場合は、前記スプレー製品による該繊維処理剤の噴霧が特に好ましい。なお、下記(11)〜(15)は、前述の片面撥水化である必要は無く、繊維製物品の相対向する両面が撥水化されてもよい場合があり得る。
(11)ズボン(吸水性繊維製物品)の肌対向面の撥水化による、尿汚れ付着防止。
(12)靴・靴下・帽子(吸水性繊維製物品)の肌対向面の撥水化による、汗のべたつき軽減。
(13)シーツ(吸水性繊維製物品)の表面(使用者の身体側の面)の撥水化による、汗のべたつき軽減。
(14)肌着(吸水性繊維製物品)の肌対向面の撥水化による、汗のべたつき軽減。
(15)肌着(吸水性繊維製物品)の非肌対向面の撥水化による、汗シミ防止。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
(シリコーンNo.1の合成)
前記式(A1)において、pが1346、qが5である化合物(ポリオキサゾリン変性シリコーン)を合成し、シリコーンNo.1とした。具体的には、2−エチル−2−オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(商品名:ゼオラムA−4、東ソー(株)製)2.0gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8015、重量平均分子量100000、アミン当量20000、信越化学工業(株)製)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(108g、収率95%)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)は6.7、最終生成物の重量平均分子量は115000であった。
(シリコーンNo.2の合成)
前記式(A1)において、pが656、qが20である化合物(ポリオキサゾリン変性シリコーン)を合成し、シリコーンNo.2とした。具体的には、2−エチル−2−オキサゾリン41.8g(0.42モル)と酢酸エチル104.05gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ9.5gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8003、重量平均分子量50000、アミン当量2000、信越化学工業(株)製)153.75gと酢酸エチル312.6gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ22.7gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル9.48g(0.062モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチ
レンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(190g、収率94%)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)は3.0、最終生成物の重量平均分子量は40000(仕込みからの計算値)であった。
(シリコーンNo.3の合成)
前記式(A1)において、pが656、qが20である化合物(ポリオキサゾリン変性シリコーン)を合成し、シリコーンNo.3とした。具体的には、2−エチル−2−オキサゾリン53.2g(0.53モル)と酢酸エチル127.5gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ9.0gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8003、重量平均分子量50000、アミン当量2000、信越化学工業(株)製)153.75gと酢酸エチル312.6gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ22.7gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル9.98g(0.064モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(200g、収率92%)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)は2.3、最終生成物の重量平均分子量は70400(仕込みからの計算値)であった。
(シリコーンNo.4の合成)
前記式(A1)において、pが393、qが12である化合物(ポリオキサゾリン変性シリコーン)を合成し、シリコーンNo.4とした。具体的には、2−エチル−2−オキサゾリン93.8g(0.95モル)と酢酸エチル203.3gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ14.8gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(AP3651、重量平均分子量30000、アミン当量2000、東レダウコーニング(株)製)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(190g、収率95%)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)は1.0、最終生成物の重量平均分子量は60000であった。
(シリコーンNo.5の合成)
前記式(A2)において、pが656、qが20である化合物(ジメチルアクリルアミドグラフトオルガノシロキサン)を合成し、シリコーンNo.5とした。具体的には、まずラジカル反応性オルガノポリシロキサンを合成した。還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとして、側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサン(KF−8003、重
量平均分子量50000、アミン当量2000、信越化学工業(株)製)を100g、N−アセチル−DL−ホモシステインチオラクトンを8g仕込んだ。窒素雰囲気下で、100℃に昇温し、3時間撹拌し、スルファニル基を有するラジカル反応性オルガノポリシロキサンAを合成した。
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール76.7gを仕込んだ。エタノールを窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に1時間かけて滴下した。溶液(a):ジメチルアクリルアミド20.0g、エタノール20.0gを混合した溶液。溶液(b):上記ラジカル反応性オルガノポリシロキサンA 80.0g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65B、富士フィルム和光純薬(株)製)0.035g、エタノール53.3gを混合した溶液。
滴下終了後、反応混合物を80℃で3時間撹拌したのち冷却した。反応時間は計4時間である。反応混合物から室温(25℃)、減圧下(20kPa)で4時間かけてエタノールを除去し、ジメチルアクリルアミドグラフトオルガノシロキサンを含む混合物を白色固体として得た。
(シリコーンNo.6の合成)
前記式(A2)において、pが656、qが20である化合物(ジメチルアクリルアミド/t−ブチルアクリルアミドグラフトオルガノシロキサン)を合成し、シリコーンNo.6とした。具体的には、還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール75.0gを仕込んだ。エタノールを窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に1時間かけて滴下した。溶液(a):ジメチルアクリルアミド22.0g、t−ブチルアクリルアミド3.0g、エタノール25.0gを混合した溶液。溶液(b):上記ラジカル反応性オルガノポリシロキサンA 75.0g、V−65B 0.033g、エタノール50.0gを混合した溶液。
滴下終了後、反応混合物を80℃で3時間撹拌したのち冷却した。反応時間は計4時間である。反応混合物から室温(25℃)、減圧下(20kPa)で4時間かけてエタノールを除去し、ジメチルアクリルアミド/t−ブチルアクリルアミドグラフトオルガノシロキサンを含む混合物を白色固体として得た。
(シリコーンNo.7)
下記式(A11)において、mが663、nが13である化合物(アミノ変性シリコーン、KF−864、重量平均分子量50000、アミン当量3800、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.7とした。
(シリコーンNo.8)
下記式(A11)において、mが1346、nが5である化合物(アミノ変性シリコーン、KF−8015、重量平均分子量100,000、アミン当量20000、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.8とした。
(シリコーンNo.9)
下記式(A12)において、25℃で粘度が80mm/s、HLBが10である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−6204、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.9とした。
(シリコーンNo.10)
下記式(A12)において、25℃で粘度が430mm/s、HLBが10である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−353、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.10とした。
(シリコーンNo.11)
下記式(A12)において、25℃で粘度が920mm/s、HLBが10である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−615A、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.11とした。
(シリコーンNo.12)
下記式(A12)において、25℃で粘度が1600mm/s、HLBが7である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−352A、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.12とした。
(シリコーンNo.13)
下記式(A12)において、25℃で粘度が130mm/s、HLBが4である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−945、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.13とした。
(シリコーンNo.14)
下記式(A12)において、25℃で粘度が180mm/s、HLBが4である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−6020、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.14とした。
(シリコーンNo.15)
下記式(A12)において、25℃で粘度が530mm/s、HLBが5である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、KF−6017、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.15とした。
(シリコーンNo.16)
下記式(A12)において、25℃で粘度が4000mm/s、HLBが5である化合物(ポリエーテル変性シリコーン、X−22−4515、信越化学工業(株)製)をシリコーンNo.16とした。
(シリコーンNo.17)
下記式(A13)において、nが11である化合物(片末端水酸基、サイラプレーンFA−0411、重量平均分子量1000、JNC(株)製)をシリコーンNo.17とした。なお、下記式(A13)中、Meはメチル基を表す。
(シリコーンNo.18)
下記式(A13)において、nが132である化合物(片末端水酸基、サイラプレーンFA−0425、重量平均分子量10000、JNC(株)製)をシリコーンNo.18とした。
(シリコーンNo.19)
下記式(A14)において、nが9である化合物(片末端水酸基、サイラプレーンFA−DA11、重量平均分子量1000、JNC(株)製)をシリコーンNo.19とした。なお、下記式(A14)中、Meはメチル基を表す。
(シリコーンNo.20)
下記式(A14)において、nが198である化合物(片末端水酸基、サイラプレーンFA−DA26、重量平均分子量15000、JNC(株)製)をシリコーンNo.20とした。
(シリコーンNo.21)
下記式(A15)において、nが10である化合物(片末端メタクリロキシ基、サイラプレーンFA−0711、重量平均分子量1000、JNC(株)製)をシリコーンNo.21とした。なお、下記式(A15)中、Meはメチル基を表す。
(シリコーンNo.22)
下記式(A15)において、nが131である化合物(片末端メタクリロキシ基、サイラプレーンFA−0725、重量平均分子量10000、JNC(株)製)をシリコーンNo.22とした。
(シリコーンNo.23の合成)
特許文献2(特開2003−34784号公報)に記載のシリコーン含有高分子共重合体を合成し、シリコーンNo.23とした。このシリコーン含有高分子共重合体(シリコーンNo.23)は、シロキサン結合を有しているものの、主鎖を構成しているのはC−C結合であって、「シロキサン結合を有する主鎖」を有していない。具体的には、窒素雰囲気下、150rpmでエタノール117.4gを入れた500mLセパラブルフラスコを80℃に加熱した。そこに、サイラプレーンFM−0711 21.0g、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.5g、メタクリル酸42.0g、t−ブチルメタクリレート31.5g、エタノール52.2g、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、富士フィルム和光純薬(株)製)の混合液を2時間かけて滴下した。80℃で3時間さらに加熱後、溶媒エタノールを乾燥させ、白色のポリマーを得た。
Figure 0006888057
〔実施例1〜11、比較例1〜26、参考例1〕
前記の各シリコーンの何れか1種を有機溶剤に溶解させて、シリコーン濃度5質量%のシリコーン溶液を得、該シリコーン溶液に消臭剤を所定量溶解させて、各実施例及び比較例の繊維処理剤(液状物)を調製した。また、比較例として、シリコーンを使用しない繊維処理剤(液状物)も調製した。前記有機溶剤として、エタノール、イソプロパノール又はヘキサンを用いた。前記消臭剤として、前述した白井松新薬株式会社製の商品名「フレッシュE」(前記式(B1)で表される化合物、消臭剤No.1)、マレイン酸(富士フ
ィルム和光純薬株式会社製、消臭剤No.2)又は4−アミノ−4−ヒドロキシプロピル−ヘプタンジオール(シグマアルドリッチ社製、消臭剤No.3)を用いた。
〔評価〕
評価対象の繊維処理剤について、撥水付与性、洗濯除去性、消臭性をそれぞれ下記方法により評価した。その結果を下記表2及び表3に示す。
<撥水付与性の評価方法>
繊維製物品として平面視10cm四方の正方形形状のスーピマコットン(株式会社ユニクロ製ボクサーパンツ、綿93質量%、ポリウレタン7質量%)を用意し、このスーピマコットンを、市販の洗濯機(日立アプライアンス株式会社製、NW−500MX)及び市販の粉末洗剤(花王株式会社製、アタックバイオEX)を用いて、常法に従って洗濯した。洗濯条件は、洗濯物量1.5kg、水量30L、洗剤20g、洗い9分、すすぎ2回、脱水6分、乾燥(室温27℃、45%RHの環境で8時間放置)であった。評価対象の繊維処理剤をプッシュスプレータイプのスプレー容器(株式会社マルエム製、PPスプレーバイアルNo.6)に充填し、常温常圧の環境下、洗濯済みのスーピマコットンの片面の全域に対して該スプレー容器で6プッシュスプレーすることで、0.72g(固形分換算で0.036g)の繊維処理剤をスーピマコットンに付与した。スプレー後、スーピマコットンを同環境下でしばらく放置して繊維処理剤の溶媒である有機溶剤を完全に除去した後、スーピマコットンの繊維処理剤付与面に1枚のキムワイプ(登録商標)(日本製紙クレシア株式会社製、S−200)を、該繊維処理剤付与面の全域が被覆されるように重ね合わせて積層体を得、該積層体を、スーピマコットンの繊維処理剤非付与面(キムワイプ(登録商標)で被覆されていない面)が上になるように水平な台の上に置き、スーピマコットンの上面すなわち繊維処理剤非付与面側から、塩化ナトリウム濃度0.9質量%の生理食塩水1mLを注入した。斯かる生理食塩水の注入は、生理食塩水をカップに入れ、このカップを傾けることで行った。生理食塩水の注入後、速やかにキムワイプ(登録商標)を目視観察し、キムワイプ(登録商標)に生理食塩水が移行していない場合を「撥水付与性あり」、移行していた場合を「撥水付与性なし」と評価した。評価が「撥水付与性あり」であれば、当該繊維処理剤は撥水付与性に優れると判断され、高評価となる。
<洗濯除去性の評価方法>
繊維製物品として平面視10cm四方の正方形形状のスーピマコットン(株式会社ユニクロ製)を用意し、このスーピマコットンを、市販の洗濯機(日立アプライアンス株式会社製、NW−500MX)及び市販の粉末洗剤(花王株式会社製、アタック)を用いて常法に従って洗濯した。洗濯条件は、洗濯物量1.5kg、水量30L、洗剤20g、洗い9分、すすぎ2回、脱水6分、乾燥(室温27℃、45%RHの環境で8時間放置)であった。洗濯後、スーピマコットンの重量を測定した(測定値をW0とする)。
評価対象の繊維処理剤をプッシュスプレータイプのスプレー容器(株式会社マルエム製、PPスプレーバイアルNo.6)に充填し、常温常圧の環境下、洗濯済みのスーピマコットンの片面の全域に対して該スプレー容器で40プッシュスプレーすることで、5g(固形分換算で0.25g)の繊維処理剤をスーピマコットンに付与した。スプレー後、スーピマコットンを同環境下で12時間放置して繊維処理剤の溶媒である有機溶剤を完全に除去し、スーピマコットンの重量を測定した(測定値をW1とする)。
水道水500mLに粉末洗剤(花王株式会社製、アタックバイオEX)0.33gを溶解させて洗濯水を調製し、容量500mLのビーカーに、水温20℃の該洗濯水500mLと、円柱形撹拌子(直径8mm、軸方向長さ5mm)とを入れ、マグネティックスターラー(HANNA製、HI304)を用いて回転数200rpmで該攪拌子を回転させて該洗濯水を攪拌させ、この攪拌中の洗濯水に、支持部材にぶら下がり状態で支持された繊維処理剤付与済みのスーピマコットンの全体を、該スーピマコットンが該攪拌子と接触しないように浸漬し、その状態で5分間放置した後、スーピマコットンをビーカー内の洗濯
水から取り出して流水で10秒間すすぎ、更に雑巾絞りで脱水してから、常温常圧の環境下に24時間放置して乾燥させ、しかる後、スーピマコットンの重量を測定した(測定値をW2とする)。
下記式に前記のスーピマコットンの重量の測定値W0、W1、W2を代入して、処理剤除去率を算出した。処理剤除去率が15%以上の場合を「洗濯除去性あり」、15%未満の場合を「洗濯除去性なし」とした。処理剤除去率が高いほど、当該繊維処理剤が洗濯によって除去されやすく洗濯除去性に優れると判断され、高評価となる。
処理剤除去率(%)={(W1−W2)/(W1−W0)}×100
<消臭性の評価方法>
容量30mLのスクリュー管に評価対象の繊維処理剤(液状物)を0.72g採り、乾燥固化させた。この乾燥固化物が入ったスクリュー管に、除菌された尿を1mL添加した後、6名の専門パネラーにスクリュー管の内容物の臭いを評価してもらい、下記評価基準により0.5点刻みで評価してもらった。1つの評価対象につき、同じ方法で2回評価を行い(n=2)、それら2回の評価の各評価点の平均値を算出して、当該評価対象の評価点とした。この評価点が低いほど、当該繊維処理剤は尿に対する消臭性に優れ、高評価となる。なお、前記の「除菌された尿」は、健常な被験者10名から採取した尿を、Nalgene Rapid-Flow 90mm Filter Unit - 1000mL(Thermo Scientific製)で吸引濾過すること
で得た。
(消臭性の評価基準)
5点:尿特有のにおいが激しくわかる。
4点:尿特有のにおいが強くわかる。
3点:尿特有のにおいが楽にわかる。
2点:尿特有のにおいがわかる(認知閾値)。
1点:においがある(検知閾値)。
0点:においがない。
Figure 0006888057
表2に示すとおり、各実施例の繊維処理剤は、前述した成分Aのシリコーングラフトポリマーを含有しているため、シリコーンを含有しない比較例1〜8の繊維処理剤に比して、繊維製物品に対する撥水付与性に優れていた。また、実施例3〜6と比較例1〜5との対比から、消臭剤に加えて更にシリコーン(成分Aのシリコーングラフトポリマー)を併用することで、消臭性が向上することがわかる。すなわち、成分Aのシリコーングラフトポリマーには、消臭剤による消臭効果を増幅する作用があることがわかる。また、消臭剤は含有するがシリコーンは含有しない比較例6と、両成分を含有する比較例9とで、消臭性の評価が変わらなかったことから、繊維処理剤における消臭剤の含有量としては、比較例9で採用された10質量%よりも少量で十分であり、具体的には実施例の範囲である5質量%程度を上限とするのが適切であることがわかる。
Figure 0006888057
表3に示すとおり、各比較例及び参考例の繊維処理剤は、何れも消臭剤を含有しておらず、表2に記載の各実施例の繊維処理剤に比して消臭性に劣る結果となった。また、参考
例1と比較例10〜25との対比から、撥水付与性及び洗濯除去性に優れ、繊維製物品に洗濯除去可能な撥水性(防水性)を付与し得る繊維処理剤を得るためには、シリコーン(成分Aのシリコーングラフトポリマー)について、側鎖の分子量が800以上であることを要し、且つIOB値は0.6程度では足りず、実施例で採用された0.7以上が必要であることがわかる。また、主鎖がシロキサン結合を有していないシリコーンを使用した比較例26が、処理剤除去率0%で洗濯除去性を有していないという結果であったことから、シリコーンを使用した繊維処理剤に洗濯除去性を付与するためには、そのシリコーンが「シロキサン結合を有する主鎖」を有する必要があることがわかる。
1 インナー衣料(パンツ)
1a インナー衣料の内面(肌対向面)
1b インナー衣料の外面(非肌対向面)
2 バリア被膜
3 アウター衣料(ズボン)
50 臭い物質
51 消臭剤

Claims (7)

  1. 下記成分A、B及びCを含有し、成分Bの消臭剤の含有量が100ppm以上5質量%以下であり、
    成分AのシリコーングラフトポリマーのIOB値と成分Bの消臭剤のIOB値との比率が、前者/後者として、0.4以上3.0以下である繊維処理剤。
    成分A:シロキサン結合を有する主鎖と、分子量800以上の側鎖とを有し、IOB値が0.7以上であるシリコーングラフトポリマー
    成分B:消臭剤
    成分C:有機溶剤
  2. 成分Bの消臭剤が植物由来エキスである請求項1に記載の繊維処理剤。
  3. 成分Bの消臭剤がポリフェノールを含有する請求項1又は2に記載の繊維処理剤。
  4. シート状固形物である請求項1〜の何れか1項に記載の繊維処理剤。
  5. スティック状固形物である請求項1〜の何れか1項に記載の繊維処理剤。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載の繊維処理剤をスプレー容器に充填してなる、スプレー製品。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の繊維処理剤をロールオン容器に充填してなる、ロールオン製品。
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