JP6899434B2 - 表面処理用組成物 - Google Patents

表面処理用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6899434B2
JP6899434B2 JP2019523320A JP2019523320A JP6899434B2 JP 6899434 B2 JP6899434 B2 JP 6899434B2 JP 2019523320 A JP2019523320 A JP 2019523320A JP 2019523320 A JP2019523320 A JP 2019523320A JP 6899434 B2 JP6899434 B2 JP 6899434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
surface treatment
mass
treated
treatment composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019523320A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018225253A1 (ja
Inventor
繁宏 松原
繁宏 松原
明和 善平
善平 明和
和啓 杉山
和啓 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Publication of JPWO2018225253A1 publication Critical patent/JPWO2018225253A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6899434B2 publication Critical patent/JP6899434B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/18Materials not provided for elsewhere for application to surfaces to minimize adherence of ice, mist or water thereto; Thawing or antifreeze materials for application to surfaces
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06MTREATMENT, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE IN CLASS D06, OF FIBRES, THREADS, YARNS, FABRICS, FEATHERS OR FIBROUS GOODS MADE FROM SUCH MATERIALS
    • D06M15/00Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment
    • D06M15/19Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment with synthetic macromolecular compounds
    • D06M15/21Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D06M15/263Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds of unsaturated carboxylic acids; Salts or esters thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は表面処理用組成物に関する。
吸水性ポリマーを液体に分散させてなる組成物が知られている。例えば特許文献1には、膨潤性のポリマー及び非水性キャリヤーを水中油型界面活性剤で分散させてなるポリマー分散液組成物が記載されている。この組成物は、ローション、クリーム、軟膏剤、ジェル、ミルク、スプレー、フォームなどの形態で用いられる。
特表2007−531811号公報
ところで吸水性ポリマーは、液の吸収保持は可能であるものの、水を保持した状態で加圧されると液の逆戻りが起こる場合がある。したがって、吸水性ポリマーに撥水性を付与して液の逆戻りを防止することが望ましい。しかし吸水性と撥水性とは相反する性質であることから、両者を両立させることは容易でない。
したがって本発明の課題は、処理対象物の表面に吸水性と撥水性とを同時に付与し、防水性を付与し得る表面処理用組成物を提供することにある。
本発明は、以下の(A)、(B)、(C)及び(D)を含む表面処理用組成物を提供するものである。
(A)吸水性ポリマー。
(B)油性成分。
(C)水。
(D)乳化剤又は分散剤。
また本発明は、吸水性物品の製造方法であって、
前記の表面処理用組成物によって前記吸水性物品を構成するいずれかの部材の表面を処理する工程を有する、吸水性物品の製造方法を提供するものである。
また本発明は、被処理物の表面に、前記のいずれか一項に記載の表面処理用組成物で処理する工程を有する被処理物の表面処理方法を提供するものである。
また本発明は、油性成分及び水を乳化剤又は分散剤によって乳化して乳化物を調製し、
前記乳化物と吸水性ポリマーとを混合して、該乳化物に含まれる水を該吸水性ポリマーに吸収させるとともに、水を吸収した該吸水性ポリマーを前記油性成分中に分散させる表面処理用組成物の製造方法を提供するものである。
また本発明は、被処理物の表面に、前記の表面処理用組成物を施して、該表面の吸水性を向上させる工程を有する被処理物の表面の吸水性向上方法を提供するものである。
更に本発明は、被処理物の表面に、前記の表面処理用組成物を施して、該表面からの水の蒸散を抑制する水の蒸散の抑制方法を提供するものである。
本発明によれば、被処理物の表面に適用することで該表面に吸水性と撥水性とを容易に付与し、防水性を付与する表面処理用組成物が提供される。
図1(a)は、本発明の表面処理用組成物を被処理物に施した直後の状態を示す模式図であり、図1(b)は図1(a)に示す状態から所定時間が経過した後の状態を示す模式図である。 図2(a)は、本発明の表面処理用組成物が施された被処理物と水とが接触した直後の状態を示す模式図であり、図2(b)は図2(a)に示す状態から所定時間が経過した後の状態を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は、表面処理用組成物に関するものである。本発明の表面処理用組成物は、その使用状態において一般に流体ないし固体のものである。本発明の表面処理用組成物は、これを被処理物に適用することで、該被処理物の表面における該表面処理用組成物の適用域に液体の吸収保持性及び撥水性を同時に獲得させ、防水性を獲得させるものである。なお、本願における防水性とは、吸水性ポリマーの配合による液を吸収する効果と、被処理物に付与した撥水性により液が被処理物にしみ込んでシミになるのを避ける効果や、被塗布物から液が漏れ出すことを防ぐ効果が同時に発現する事を言う。
本発明の吸水性ポリマー組成物は、その構成成分の一つとして、(A)吸水性ポリマーを含んでいる。吸水性ポリマーは、水を吸収保持して膨潤するヒドロゲルを形成する材料であることが好ましく、例えば自重の20倍以上、特に30倍以上の質量の水を吸収可能なものが好ましく用いられる。吸水性ポリマーの例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。これらの吸水性ポリマーは、1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)の吸水性ポリマーは、本発明の吸水性ポリマー組成物において、一般に粒子の形状をしている。吸水性ポリマーの粒子の形状には、例えば球状タイプ、球状凝集タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ及び不定形タイプなどがあり、本発明においてはいずれの形状であっても特に制限なく用いることができる。
(A)の吸水性ポリマーは、その形状が上述の如何なる場合であっても、十分な液の吸水容量を確保する観点から、その吸水量が、25℃において5g/g以上であることが好ましく、10g/g以上であることが更に好ましく、15g/g以上であることが一層好ましく、25g/gである事がより一層好ましい。また、液の吸収に起因する膨潤によって脱落しないようにする観点から、60g/g以下であることが好ましく、50g/g以下であることが更に好ましく、45g/g以下であることが一層好ましい。具体的には、(A)の吸水性ポリマーは、25℃において、5g/g以上60g/g以下であることが好ましく、10g/g以上50g/g以下であることが更に好ましく、15g/g以上45g/g以下であることが一層好ましく、25g/g以上45g/g以下であることがより一層好ましい。
前記の吸水量は、JIS K 7223(1996)に準拠して測定する。ナイロン製の織布(三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250メッシュ)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。次いで、測定試料である吸水性ポリマー1.00gを精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。次いで、試料の入ったナイロン袋を、25℃に調温した生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)に浸漬させる。そして浸漬開始から1時間後にナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、遠心脱水器(コクサン(株)製、型式H−130C特型)を用いて脱水する。脱水条件は、143G(800rpm)で10分間とする。脱水後、試料の質量を測定し、下記式に従って目的とする吸水量を算出する。
吸水量(g/g)=(a’−b−c)/c
前記式中、a’は遠心脱水後の試料及びナイロン袋の総質量(g)、bはナイロン袋の吸水前(乾燥時)の質量(g)、cは試料の吸水前(乾燥時)の質量(g)を表す。
測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とする。また、測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に試料を同環境で24時間以上保存した上で測定する。
本発明の表面処理用組成物は、(A)の吸水性ポリマーに加えて、構成成分の一つとして(B)の油性成分を含んでいる。油性成分は一般に炭化水素鎖を有し、水と相溶しない性質を有する物質である。油性成分は、狭義の意味での油脂に加えて、水と相溶しない有機化合物を広く包含する。油性成分の例としては、植物油、動物油、鉱物油、脂肪酸エステル、スクワラン、ワックス、ロウ、高級脂肪酸、及び高級アルコールなどが挙げられるがこれらに限られない。これらの油性成分は、1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。油性成分は25℃において液体であってもよく、あるいは固体であってもよい。
油性成分の具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油。ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等の脂肪酸エステル;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ及びカルナウバロウ等のワックス;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油;クリーム状やペースト状の油性分として、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトルテリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、オレイン酸フィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)等が挙げられる。
本発明の表面処理用組成物は、(A)の吸水性ポリマー及び(B)の油性成分に加えて、構成成分の一つとして(C)の水を含んでいる。水としては、例えば精製水、蒸留水及びイオン交換水などを用いることができる。
本発明の表面処理用組成物は更に(D)の乳化剤又は分散剤を含んでいる。乳化剤及び分散剤は、(B)の油性成分と(C)の水とを乳化し得るものであればその種類に特に制限はない。(D)の乳化剤又は分散剤としては、例えば各種の界面活性剤を用いることができる。そのような界面活性剤としては、例えば非イオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤が好ましく用いられる。非イオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸多価アルコールエステル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。またアニオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪族多価アルコール硫酸ナトリウム、脂肪族多価アルコール硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらの界面活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上の各成分を含む本発明の表面処理用組成物は、(C)の水と、(A)の吸水性ポリマーとが、(B)の油性成分の相中に分散されてなる分散体であることが、被処理物の表面に吸水性と撥水性とを容易に付与し得る点から好ましい。この場合、(D)の乳化剤又は分散剤は、(C)の水及び(A)の吸水性ポリマーと(B)の油性成分の相との界面付近に存在していると考えられる。この分散体においては、連続相である(B)の油性成分の相中に、分散相である(C)の水と(A)の吸水性ポリマーとが分散した状態になっている。この分散体は、流動性を有する状態ないし流動性を有さない固体状態のものであることが、被処理物の表面の処理のしやすさの点から好ましい。流動性を粘度で表すと、25℃における粘度100mPa・s以上であることが好ましい。
ところで(A)の吸水性ポリマーは、水を吸水保持する目的で用いられるものであるから、原料の状態においては非含水状態であることが一般的である。このこととは対照的に、本発明においては吸水性ポリマーと水とを用いており、吸水性ポリマーが水を含んだ状態である点が特徴的である。本発明の表面処理用組成物が前記の分散体となるためには、例えば本発明の表面処理用組成物を構成する各成分の配合割合を後述するように設定すればよい。
本発明の表面処理用組成物においては、(A)の吸水性ポリマーが非含水状態に換算して、5質量%以上含まれていることが好ましく、10質量%以上含まれていることが更に好ましく、15質量%以上含まれていることが一層好ましい。また、(A)の吸水性ポリマーが70質量%以下含まれていることが好ましく、60質量%以下含まれていることが更に好ましく、50質量%以下含まれていることが一層好ましく、45質量%以下含まれていることがより一層好ましい。本発明の表面処理用組成物においては、(A)の吸水性ポリマーが5質量%以上70質量%以下含まれていることが好ましく、10質量%以上60質量%以下含まれていることが更に好ましく、15質量%以上50質量%以下含まれていることが一層好ましく、15質量%以上45質量%以下含まれていることがより一層好ましい。この範囲で(A)の吸水性ポリマーが含まれていることで、吸水性能を保持し、また水の蒸散抑制効果が得ることができる。また、吸水後の被処理物表面からの吸水性ポリマーの脱落を防ぐことが可能となる。
本発明の表面処理用組成物においては、(B)の油性成分が10質量%以上含まれていることが好ましく、15質量%以上含まれていることが更に好ましく、17質量%以上含まれていることが一層好ましい。また、(B)の油性成分が 60質量%以下含まれていることが好ましく、55質量%以下含まれていることが更に好ましく、50質量%以下含まれていることが一層好ましい。本発明の表面処理用組成物においては、(B)の油性成分が10質量%以上60質量%以下含まれていることが好ましく、15質量%以上55質量%以下含まれていることが更に好ましく、17質量%以上50質量%以下含まれていることが一層好ましい。この範囲で(B)の油性成分が含まれていることで、被処理物表面における撥水効果を効果的に得ることができる。また、被処理物表面の吸水性を向上させることができる。更にこの範囲で(B)の油性成分が含まれていることで、吸水後もべた付くといった感触の低下がほとんどみられず、被処理物表面の感触が極めて良好となる。
本発明の表面処理用組成物においては、(C)の水が10質量%以上含まれていることが好ましく、15質量%以上含まれていることが更に好ましく、20質量%以上含まれていることが一層好ましく、30質量%以上含まれていることがより一層好ましい。また、(C)の水が70質量%以下含まれていることが好ましく、60質量%以下含まれていることが更に好ましく、50質量%以下含まれていることが一層好ましく、40質量%以下含まれていることがより一層好ましい。本発明の表面処理用組成物においては、(C)の水が10質量%以上70質量%以下含まれていることが好ましく、15質量%以上60質量%以下含まれていることが更に好ましく、20質量%以上50質量%以下含まれていることが一層好ましく、30質量%以上40質量%以下含まれていることがより一層好ましい。この範囲で(C)の水が含まれていることで、適度な吸水速度が得られるとともに、吸水量が大幅に向上することから好ましい。
本発明の表面処理用組成物においては、(D)の乳化剤又は分散剤が0.1質量%以上含まれていることが好ましく、0.2質量%以上含まれていることが更に好ましく、0.3質量%以上含まれていることが一層好ましく、1.2質量%以上含まれていることがより一層好ましく、1.4質量%以上含まれていることがより一層好ましい。また、(D)の乳化剤又は分散剤が20質量%以下含まれていることが好ましく、15質量%以下含まれていることが更に好ましく、10質量%以下含まれていることが一層好ましく、2.7質量%以下含まれていることがより一層好ましく、2.0質量%以下含まれていることがより一層好ましい。本発明の表面処理用組成物においては、(D)の乳化剤又は分散剤が0.1質量%以上20質量%以下含まれていることが好ましく、0.2質量%以上15質量%以下含まれていることが更に好ましく、0.3質量%以上10質量%以下含まれていることが一層好ましく、1.2質量%以上2.7質量%以下含まれていることがより一層好ましく、1.4質量%以上2.0質量%以下含まれていることがより一層好ましい。この範囲で(D)の乳化剤又は分散剤が含まれていることで、(B)の油性成分と(C)の水との乳化物が安定的に得られるとともに、(A)吸水性ポリマーを安定して分散させることができる。また表面処理組成物中に(D)の乳化剤又は分散剤が存在することで、常法に従って洗浄することによって本表面処理組成物を除去することが可能であることから好ましい。
本発明の表面処理用組成物は、例えば、該組成物を被処理物の表面に適用することによって適用部位に水分の吸収保持性及び撥水性を付与し、防水性を付与することができる。一般的に言って液の吸収保持性と撥水性とは相反する性質であるが、本発明によればこれら相反する性質である液の吸収保持性と撥水性が同時に達成され、防水性を得る。したがって、本発明の表面処理用組成物を例えば尿吸収剤として使用した場合、尿を吸収保持しつつ、一旦吸収された尿の逆戻りや滲み出しを効果的に防止することができる。同様に、本発明の表面処理用組成物を、汗吸収剤として使用した場合、汗を吸収保持しつつ、一旦吸収された汗の逆戻りや滲み出しを効果的に防止することができる。さらに、本発明の表面処理用組成物を、血液吸収剤として使用した場合、血液を吸収保持しつつ、一旦吸収された血液の逆戻りや滲み出しを効果的に防止することができる。いずれの使用目的であっても、本発明の表面処理用組成物を適用する被処理物として特に衣類を採用した場合、該衣類として、着用者の排泄部に直接当接する着用物品を適用の対象とし、該着用物品における着用者の排泄部に直接当接する部位を本発明の表面処理用組成物で処理する工程を有する方法によって、該着用物品から吸水性物品を簡便に製造することができる。特に、着用物品を初めとする各種の衣服における肌から遠い側の表面を本発明の表面処理用組成物で処理することが好ましい。要するに、本発明の表面処理用組成物によって吸水性物品を構成するいずれかの部材の表面を処理する工程を有する方法によって吸水性物品を容易に製造することができる。このように本発明の表面処理用組成物は、様々な適用対象物に施されることで、該適用対象物に液の吸収性及び撥水性を付与する。もちろん、一般的な吸水性物品の吸水体に本発明の表面処理用組成物を含有させてもよい。一般的な吸水性物品には、例えば絆創膏、使い捨ておむつ、汗取りパット、尿取りパッド、生理用ナプキン、パンティライナ、及びおりものシートなどが包含される。
上述の説明は、本発明の表面処理用組成物を、繊維材料の表面を処理するために用いることに関してのものであったが、本発明の表面処理用組成物の適用の対象となる被処理物は繊維材料に限られない。例えば被処理物として、スポンジや発泡体などの多孔質材料、金属、プラスチック及び鉱物などの硬質表面などが挙げられる。被処理物の具体的な形態として、上述した吸水性物品のほかに、絨毯、フローリング、伸縮性の有無を問わないフィルム、伸縮性の有無を問わないシート、伸縮性の有無を問わないテープなどが挙げられる。更に、生体の皮膚を被処理物とすることもできる。したがって本発明によれば、被処理物の表面を、表面処理用組成物で処理する工程を有する被処理物の表面処理方法も提供される。また本発明によれば、被処理物の表面に、表面処理用組成物を施して、該表面の吸水性を向上させる工程を有する被処理物の表面の吸水性向上方法も提供される。
更に本発明によれば、被処理物である皮膚の表面に表面処理用組成物を施して、該表面からの水の蒸散を抑制する水の蒸散の抑制方法も提供される。例えば本発明の表面処理用組成物を創傷被覆材として用い、創傷面に処理することで創傷を保護し且つ治癒することができる。特に浸出液の少ない開放創の創面を本発明の表面処理用組成物で処理することで、水の蒸散が抑制された湿潤環境を提供し、創治癒を促進させることができる。創傷面に本発明の表面処理用組成物を施したのち、その部位を絆創膏などで保護してもよい。
本発明の表面処理用組成物を被処理物の表面に処理する方法に特に制限はなく、該表面処理用組成物の性状に応じて適切な方法を採用すれば良い。例えば本発明の表面処理用組成物が25℃において固体状態のものである場合には、スティック状の形態の表面処理用組成物を被処理物の表面に処理することができる。本発明の表面処理用組成物が25℃において流動体である場合には、ロールオン容器に収容された状態で、表面処理用組成物を被処理物の表面に処理することができる。これらの方法以外に、例えばダイコーターやスロットコーター、ロールコーター等の塗工機を用いた方法、グラビア印刷機等の印刷機器を用いた方法、噴霧器を用いた方法などを採用することもできる。
図1(a)及び(b)には、本発明の表面処理用組成物を布1に適用した場合の状態が模式的に示されている。図1(a)に示すとおり本発明の表面処理用組成物が布1に適用されると、布の一面に該組成物の被膜10が形成される。時間の経過とともに図1(b)に示すとおり、被膜10中から水が揮発して除去されるとともに、被膜中の油性成分11が布1中に拡散し浸透する。水を揮発させるために被膜10を加熱してもよい。水の揮発後、被膜10中の吸水性ポリマー12は該被膜10内に保持される。この被膜10は吸水性と撥水性とを併せ持ったものとなる。
図2(a)及び(b)には、図1に示す被膜10による吸水作用及び撥水作用を説明する模式図が示されている。図2(a)に示すとおり、布1における被膜10の形成面と反対側の綿1Aが水2に接すると、水2は布1によって瞬時に吸収される。時間の経過とともに、布1によって吸収された水は、図2(b)に示すとおり被膜10に保持されている吸水性ポリマー12に到達し、該吸水性ポリマー12によって吸収保持される。水2を吸収保持した吸水性ポリマー12は、吸収の度合いに応じて膨潤する。このようにして、被膜10によれば、布1による水2の吸収と、吸水性ポリマー12による水2の吸収とが時間を置いて生じる。水2が布1及び吸水性ポリマー12に吸収されることによって、被膜10からの水2の滲み出しを防ぐことができる。被膜10による撥水作用に関しては、図2(b)に示すとおり、被膜10が水2Aと接触しても、該被膜10は油性成分を連続相とし、且つ該連続相中に吸水性ポリマー12を含有しているので、被膜10を通じた水2Aの浸透が阻害される。すなわち被膜10は吸水性と撥水性とを併せ持った防水性を有するものである。
以上のとおり、本発明の表面処理用組成物は、これを、例えば着用者の排泄部に直接当接する着用物品、例えば下着を初めとする各種の衣類に適用することで、適用域に液の吸水保持性及び撥水性を付与できる。換言すれば、適用域を、吸水性物品の吸水体とすることができる。このように、本発明の表面処理用組成物は、衣類を簡易的に吸水性物品とすることができる。このようにして得られた吸水性物品は、着用者から排泄された液が、アウターウエア(例えばズボン、スラックス、パンツなど)へ滲み出すことを効果的に防止し、また液の逆戻りを効果的に防止するものとなる。
本発明の表面処理用組成物を、例えば使用者の肌に直接当接する衣類である下着に処理する場合、下着の面のうち、外面側、すなわち使用者の肌から遠い面側、及び内面側、すなわち使用者の肌に近い面側のいずれか又は双方を該組成物で処理することができる。特に下着の面のうち、外面側、すなわち使用者の肌から遠い面側を本発明の表面処理用組成物で処理すると、液戻り量、及び液の滲み出し量が一層低減することから好ましい。詳細には、下着の内面側に排泄された液は、下着を構成する布を透過して下着の外面側に到達するところ、該外面側には、本発明の表面処理用組成物に含まれる吸水性ポリマーが付着しているので、該液が該吸水性ポリマーに吸収されて液の逆戻りが起こりにくい。また、下着の外面側に到達した液は、本発明の表面処理用組成物に含まれる油性成分によって形成された被膜によってそれ以上の移動が妨げられて、液の滲み出しが起こりにくい。
本発明の表面処理用組成物によって被処理物の表面に付与される撥水性は、該被処理物を、水を用いて洗浄することで、除去されるようにすることが可能である。洗浄による除去方法としては、水を用いて常法に従って洗濯することによって除去されるようにすることが可能である。つまり、本発明の表面処理用組成物によって処理された被処理物を洗濯することで、該表面処理用組成物が除去されて、処理前の被処理物の状態に戻すことが可能である。このような、洗浄、特に洗濯によって撥水性をリセット可能な表面処理用組成物は、該表面処理用組成物を用いた被処理物の表面処理を、業として実施せずに、個人的に又は家庭内で実施する場合に特に有用である。すなわち例えば、「本発明の表面処理用組成物によって処理された被処理物を使用後、該被処理物を洗濯して元の被処理物としてから保管し、その後、該被処理物に撥水性を再び付与する必要が生じた場合に、本発明の表面処理用組成物を用いて該被処理物の表面処理を実施して撥水性を付与する」という一連の作業を、個人的に又は家庭内で繰り返し実施することができる。
次に、本発明の表面処理用組成物の好適な製造方法について説明する。本発明の表面処理用組成物は、(i)乳化物の調製工程、及び(ii)乳化物と吸水性ポリマーとの混合工程に大別される。以下、それぞれの工程について説明する。
(i)の乳化物の調製工程においては、(B)の油性成分及び(C)の水を、(D)の乳化剤又は分散剤によって乳化して乳化物を調製する。乳化物の調製方法に特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば公知の乳化機を用いて乳化を行うことができる。(B)の油性成分が固体である場合にはこれを加熱して流動状態にして乳化を行えばよい。調製する乳化物は水中油型であってもよく、あるいは油中水型であってもよい。どちらの乳化物が得られるかは、例えば水相と油相との量比や、使用する乳化剤又は分散剤の種類によって決定される。
このようにして乳化物が得られたら(ii)の工程を行う。本工程においては乳化物と(A)の吸水性ポリマーとを混合する。両者の混合の割合は、最終的に得られる表面処理用組成物における(A)−(D)の成分の含有割合が先に述べたとおりの範囲内になるように調整することが好ましい。両者の混合によって、乳化物に含まれている水が吸水性ポリマーに吸収される。水が吸収されることによって乳化物はその乳化構造が破壊され、油性成分からなる連続相が生じる。そして(D)の乳化剤又は分散剤の作用によって、この油性成分からなる連続相内に、水を吸収した吸水性ポリマーが分散した状態になる。このようにして、目的とする表面処理用組成物が得られる。
このようにして得られた表面処理用組成物は、(B)の油性成分が25℃において流動体である場合には、該組成物も25℃において流動体のものとなる。一方、(B)の油性成分が25℃において固体である場合には、該組成物も25℃において固体のものとなる。
上述した実施態様に関し、本発明は更に以下の表面処理用組成物を開示する。
<1>
以下の(A)、(B)、(C)及び(D)を含む表面処理用組成物。
(A)吸水性ポリマー。
(B)油性成分。
(C)水。
(D)乳化剤又は分散剤。
<2>
(A)を5質量%以上70質量%以下含み、(B)を10質量%以上60質量%以下含み、(C)を10質量%以上70質量%以下含み、(D)を0.1質量%以上20質量%以下含む前記<1>に記載の表面処理用組成物。
<3>
(C)の水と(A)の吸水性ポリマーとが、(B)の油性成分の相中に分散されてなる前記<1>又は<2>に記載の表面処理用組成物。
<4>
(D)の乳化剤又は分散剤は、(C)の水及び(A)の吸水性ポリマーと(B)の油性成分の相との界面付近に存在している前記<3>に記載の表面処理用組成物。
<5>
(B)の油性成分が、植物油、動物油、鉱物油、脂肪酸エステル、スクワラン、ワックス、ロウ、高級脂肪酸又は高級アルコールである前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<6>
(D)の乳化剤又は分散剤が、非イオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤である前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<7>
前記非イオン界面活性剤が、脂肪酸多価アルコールエステル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルである前記<6>に記載の表面処理用組成物。
<8>
前記アニオン性界面活性剤が、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪族多価アルコール硫酸ナトリウム、脂肪族多価アルコール硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、又はジアルキルスルホコハク酸ナトリウムである前記<6>に記載の表面処理用組成物。
<9>
(A)の吸水性ポリマーが水を含んだ状態である前記<1>ないし<8>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<10>
(A)の吸水性ポリマーが非含水状態に換算して、5質量%以上70質量%以下含まれている前記<1>ないし<9>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<11>
(B)の油性成分が10質量%以上60質量%以下含まれている前記<1>ないし<10>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<12>
(C)の水が10質量%以上70質量%以下含まれている前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<13>
(D)の乳化剤又は分散剤が0.1質量%以上20質量%以下含まれている前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<14>
繊維材料の表面を処理するために用いられる前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の表面処理用組成物。
<15>
吸水性物品の製造方法であって、
前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の表面処理用組成物によって前記吸水性物品を構成するいずれかの部材の表面を処理する工程を有する、吸水性物品の製造方法。
<16>
前記部材が繊維材料からなり、
前記繊維材料の表面を処理する前記<15>に記載の吸水性物品の製造方法。
<17>
被処理物の表面を、前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の表面処理用組成物で処理する工程を有する被処理物の表面処理方法。
<18>
前記被処理物が衣類であり、該衣類における肌から遠い側の表面に前記表面処理用組成物で処理する前記<17>に記載の表面処理方法。
<19>
スティック状の形態で、又はロールオン容器に収容された状態で、前記表面処理用組成物で処理する前記<17>又は<18>に記載の表面処理方法。
<20>
油性成分及び水を乳化剤又は分散剤によって乳化して乳化物を調製し、
前記乳化物と吸水性ポリマーとを混合して、該乳化物に含まれる水を該吸水性ポリマーに吸収させるとともに、水を吸収した該吸水性ポリマーを前記油性成分中に分散させる表面処理用組成物の製造方法。
<21>
被処理物の表面に、前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の表面処理用組成物を施して、該表面の吸水性を向上させる工程を有する被処理物の表面の吸水性向上方法。
<22>
被処理物の表面に、前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の表面処理用組成物を施して、該表面からの水の蒸散を抑制する水の蒸散の抑制方法。
<23>
被処理物の表面に、前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の表面処理用組成物で処理した被処理物を洗浄して、前記表面処理用組成物を被処理物の表面から除去する、表面処理用組成物の除去方法。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1ないし10〕
以下の表1及びに示す油性成分と水と乳化剤とを、同表に示す割合で混合し、常法に従い乳化させた。実施例2、3及び10においては、油性成分が流動状態になる温度に加熱して乳化を行った。得られた乳化物と吸水性ポリマーとを、表1及び表2に示す割合で混合し、目的とする表面処理用組成物を得た。表1に示す製品名の詳細は表2に示すとおりである。
〔比較例1ないし5〕
以下の表1に示す油性成分と水と乳化剤とを、同表に示す割合で混合し、常法に従い乳化させた。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた表面処理用組成物について、以下の表3に示す評価を行った。その結果を同表に示す。同表に示す評価の方法は以下に述べるとおりである。
〔表面処理用組成物の吸水量〕
50mLのポリプロピレン製遠心管(iwaki製)に、表面処理用組成物1.0gを入れ、更に生理食塩水40gを加えて超音波で2分間分散させた。その遠心管を、タイテック株式会社製のインキュベーターを用いて25℃で4時間にわたり目盛8の速度で振とうした。その後、遠心管を卓上遠心機H−28F(株式会社コクサン製)を用い3000rpmで20分間にわたり遠心分離し、ゲルを沈降させた。上澄み液を除去し、沈降したゲルの質量を測定した。吸水量を以下の式から算出した。
吸水量(g/g)=(沈降したゲルの質量−表面処理用組成物の質量)/表面処理用組成物の質量
〔処理後の1滴吸収速度(処理面)〕
100mm×100mmの綿布(カナキン3号、JIS−L0803準拠 染色堅牢度試験用添付白布)の片面に、表面処理用組成物を所定量塗工処理し、25℃で2時間放置・乾燥した。塗工処理した処理布の塗工面に、スポイトを用いて生理食塩水(青色1号0.1%で着色)1滴(0.05g)を滴下し、処理布の上に落とされた1滴の生理食塩水が、処理布の内部及び間隙に吸収・拡散され、処理布表面の生理食塩水の反射光が見られなくなるまでの時間を測定した。測定は3回の平均値とし、この値を一滴吸収時間(s)とした。
〔処理後の1滴吸収速度(非処理面)〕
前記の〔処理後の1滴吸収速度(処理面)〕と同様の方法で、表面処理用組成物を所定量塗工処理した処理布を得た。塗工処理した処理布の非塗工面に、スポイトを用いて生理食塩水(青色1号0.1%で着色)1滴(0.05g)を滴下し、処理布の上に落とされた1滴の生理食塩水が、処理布の内部及び間隙に吸収・拡散され、処理布表面の生理食塩水の反射光が見られなくなるまでの時間を測定した。測定は3回の平均値とし、この値を一滴吸収時間(s)とした。
〔洗浄試験〕
(1)評価用布の調製
100mm×100mmの綿布(カナキン3号、JIS−L0803準拠 染色堅牢度試験用添付白布)の片面に表1に示す実施例及び比較例の組成物を所定量塗工処理した後、室温で2時間放置・乾燥し、処理布を作製した。その処理布1枚を、市販の弱アルカリ性洗剤(花王株式会社製、アタック高活性バイオEX(登録商標))及び水道水とともに500mLポリビンに入れ、タイテック株式会社製のインキュベーターを用い、目盛8の速度で振とうしながら洗濯することによって洗浄した(洗剤濃度0.0667質量%、20℃の水道水300mL使用、全自動洗濯機標準コース相当:洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分)。洗浄終了後の処理布を、25℃、40%RHの恒温室で12時間乾燥させ、評価用布とした。
(2)洗浄後の1滴吸収速度(処理面)
評価用布における洗浄後の1滴吸収速度(処理面)の測定は、前記の〔処理後の1滴吸収速度(処理面)〕の方法に準じて実施した。
(3)洗浄後の1滴吸収速度(非処理面)
評価用布における洗浄後の1滴吸収速度(非処理面)の測定は、前記の〔処理後の1滴吸収速度(非処理面)〕の方法に準じて実施した。
〔被処理物の感触(吸収前)〕
前記の〔処理後の1滴吸収速度(処理面)〕の評価法と同様に綿布(カナキン3号、JIS−L0803準拠 染色堅牢度試験用添付白布)の片面に、表面処理用組成物を所定量塗工処理し、25℃で2時間放置・乾燥した。塗工処理面を指でなぞり、指触感触評価を以下の基準で行った。測定は3回行った。
5:さらさらしている
4:ややさらっとしている
3:変化なし
2:少しべたつく、又はぬめり感がある
1:べたつく
〔被処理物の感触(吸収後)〕
前記の〔処理後の1滴吸収速度(処理面)〕の評価法と同様に綿布(カナキン3号、JIS−L0803準拠 染色堅牢度試験用添付白布)の片面に、表面処理用組成物を所定量塗工処理し、25℃で2時間放置・乾燥した。塗工処理した処理布の塗工面に、スポイトを用いて生理食塩水(青色1号0.1%で着色)5滴(0.25g)を約5mm間隔で滴下した。生理食塩水が吸収されてから5分間経過後の塗工処理面を指でなぞり、指触感触評価を以下の基準で行った。測定は3回行った。
5:さらさらしている
4:ややさらっとしている
3:変化なし
2:少しべたつく、又はぬめり感がある
1:べたつく
〔液の滲み出し率、液の吸水率及び液戻り率〕
水平な台の上に第1のろ紙(アドバンテック社製、No.5c、12cm)を載置し、その上に実施例1ないし5及び比較例1ないし4の組成物を塗工処理して得られた処理布を、該布における塗布面が下になるよう配置した。この状態下に、処理布の上面へ向けて生理食塩水(大塚製薬株式会社製)を青色に着色した液を0.5mL滴下した。滴下直後に、その上に第2のろ紙(アドバンテック社製、No.5c、12cm)を置き、更にその上に滴下した範囲を覆う面積より大きい底面積を持つアクリル板を置き、装着圧に相当する圧力である3g/cmの圧力を30秒間にわたり加えた。第1のろ紙はアウター(ズボン)を想定したものであり、処理布は下着を想定したものであり、第2のろ紙は、使用者の肌を想定したものである。
次いでアクリル板を取り除き、生理食塩水の滴下の前後における第1のろ紙の質量を測定し、質量の変化を求めた。この値を液の滲み出し量とする。また、生理食塩水の滴下の前後における処理布の質量を測定し、質量の変化を求めた。この値を液の吸水量とする。更に、生理食塩水の滴下の前後における第2のろ紙の質量を測定し、質量の変化を求めた。この値を液戻り量とする。液の滲み出し量、液の吸水量及び液戻り量の合計に対する、液の滲み出し量、液の吸水量又は液戻り量の割合を、液の滲み出し率(%)、液の吸水率(%)、液戻り率(%)としてそれぞれ算出した。
Figure 0006899434
Figure 0006899434
Figure 0006899434
表3に示す結果から明らかなとおり、各実施例の表面処理用組成物は、吸水性と撥水性とを併せ持ち、防水性を実現するものであることが判る。特に、各実施例の表面処理用組成物は、これを被処理物に施した後、該被処理物を洗濯して再び該組成物を施すと、該被処理物に吸水性及び撥水性が再び付与され、防水性が得られることが判る。
1 布
2,2A 水
10 被膜
11 油性成分
12 吸水性ポリマー

Claims (11)

  1. 以下の(A)、(B)、(C)及び(D)を含む繊維材料の表面処理用組成物。
    (A)吸水性ポリマー。
    (B)油性成分。
    (C)水。
    (D)乳化剤又は分散剤。
  2. (A)を5質量%以上70質量%以下含み、(B)を10質量%以上60質量%以下含み、(C)を10質量%以上70質量%以下含み、(D)を0.1質量%以上20質量%以下含む請求項1に記載の繊維材料の表面処理用組成物。
  3. (C)の水と(A)の吸水性ポリマーとが、(B)の油性成分の相中に分散されてなる請求項1又は2に記載の繊維材料の表面処理用組成物。
  4. 吸水性物品の製造方法であって、
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の表面処理用組成物によって前記吸水性物品を構成する、繊維材料からなるいずれかの部材における該繊維材料の表面を処理する工程を有する、吸水性物品の製造方法。
  5. 繊維材料からなる被処理物の表面を、請求項1ないしのいずれか一項に記載の表面処理用組成物で処理する工程を有する被処理物の表面処理方法。
  6. 前記被処理物が衣類であり、該衣類における肌から遠い側の表面に前記表面処理用組成物で処理する請求項に記載の表面処理方法。
  7. スティック状の形態で、又はロールオン容器に収容された状態で、前記表面処理用組成物で処理する請求項又はに記載の表面処理方法。
  8. 油性成分及び水を乳化剤又は分散剤によって乳化して乳化物を調製し、
    前記乳化物と吸水性ポリマーとを混合して、該乳化物に含まれる水を該吸水性ポリマーに吸収させるとともに、水を吸収した該吸水性ポリマーを前記油性成分中に分散させる繊維材料の表面処理用組成物の製造方法。
  9. 繊維材料からなる被処理物の表面に、請求項1ないしのいずれか一項に記載の表面処理用組成物を施して、該表面の吸水性を向上させる工程を有する被処理物の表面の吸水性向上方法。
  10. 繊維材料からなる被処理物の表面に、請求項1ないしのいずれか一項に記載の表面処理用組成物を施して、該表面からの水の蒸散を抑制する水の蒸散の抑制方法。
  11. 繊維材料からなる被処理物の表面に、請求項1ないしのいずれか一項に記載の表面処理用組成物で処理した被処理物を洗浄して、前記表面処理用組成物を被処理物の表面から除去する、表面処理用組成物の除去方法。
JP2019523320A 2017-06-09 2017-06-09 表面処理用組成物 Active JP6899434B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/021495 WO2018225253A1 (ja) 2017-06-09 2017-06-09 表面処理用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018225253A1 JPWO2018225253A1 (ja) 2020-04-09
JP6899434B2 true JP6899434B2 (ja) 2021-07-07

Family

ID=64566619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019523320A Active JP6899434B2 (ja) 2017-06-09 2017-06-09 表面処理用組成物

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6899434B2 (ja)
CN (1) CN110741059A (ja)
TW (1) TWI750379B (ja)
WO (1) WO2018225253A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102294965B1 (ko) * 2019-10-14 2021-08-26 도레이첨단소재 주식회사 부직포용 세포무독성 친수성 개질 코팅제, 이를 포함하는 세포무독성 부직포 및 이의 제조방법
CN114304782A (zh) * 2021-12-30 2022-04-12 北京华熙海御科技有限公司 一种口罩

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4595518A (en) * 1985-07-10 1986-06-17 E. I. Du Pont De Nemours And Company Coating fibrous substrates with fluoropolymer amphoteric polymer and surfactants
JPH0570322A (ja) * 1991-09-11 1993-03-23 Kao Corp 乳化化粧料
JPH1192565A (ja) * 1997-09-24 1999-04-06 Mitsubishi Chemical Corp 吸水性樹脂の油性分散液
WO2005014921A1 (ja) * 2003-08-08 2005-02-17 Kao Corporation 繊維製品処理剤組成物
JP4554175B2 (ja) * 2003-08-08 2010-09-29 花王株式会社 繊維製品処理剤組成物
JP5250528B2 (ja) * 2009-10-28 2013-07-31 ライオン株式会社 水中油型エマルション組成物、水中油型エマルション組成物の製造方法、繊維製品処理剤及び繊維製品処理剤の製造方法
EP2465547B1 (en) * 2010-12-15 2017-03-08 The Procter and Gamble Company Method for making water-absorbent modified clay-linked polymers

Also Published As

Publication number Publication date
TW201903243A (zh) 2019-01-16
CN110741059A (zh) 2020-01-31
WO2018225253A1 (ja) 2018-12-13
TWI750379B (zh) 2021-12-21
JPWO2018225253A1 (ja) 2020-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100957259B1 (ko) 흡수제품 착용자의 피부 건강을 위한 시스템
DE10196632B3 (de) Absorbierende Artikel, die die Hautbarrierenfuntion verbessern,sowie Verfahren zum Auftragen einer Zusammensetzung auf eine körperseitige Beschichtung eines absorbierenden Artikels
AU768087B2 (en) Skin-friendly absorbent articles and compositions
RU2246319C2 (ru) Влажные салфетки, оказывающие благоприятное воздействие на кожу
US6534074B2 (en) Absorbent articles providing skin health benefits
KR20130051499A (ko) 친화성 무수 로션을 포함하는 흡수 용품
MX2008011419A (es) Articulos absorbentes con lociones.
KR20100108593A (ko) 폴리프로필렌 글리콜 물질을 포함하는 로션을 가진 흡수 용품
MXPA06002165A (es) Composiciones humedecedoras y lubricantes.
CA2019557A1 (en) Cosmetic article
MX2013003897A (es) Articulo absorbente con locion.
KR20010023825A (ko) 피부 상태 이점을 제공하는 일회용 흡수 제품
JPH10509895A (ja) ポリシロキサンエモリエント剤を含むローション剤が塗られたトップシートを有するおむつ
JPH10509896A (ja) ローション剤を施されたトップシートを有するおむつ
KR20060119956A (ko) 보습 및 윤활 조성물을 포함하는 흡수성 제품
US20110150558A1 (en) Product dispenser and absorbent article kit
JP2013504408A (ja) 糞便又は経血が皮膚に付着するのを制限するローション組成物を含む基材
WO2000064501A1 (en) Skin-friendly absorbent articles and compositions
JP6899434B2 (ja) 表面処理用組成物
KR20040070208A (ko) 균일한 분포를 갖는 조성물을 갖는 흡수 용품
RU2711302C1 (ru) ВПИТЫВАЮЩЕЕ ИЗДЕЛИЕ С ВЕРХНИМ ЛИСТОМ С КОНТРОЛИРУЕМЫМ pH
US20110150557A1 (en) Product dispenser
EP3492056A1 (en) Hygiene product for personal use
JPH11107163A (ja) 繊維処理剤、繊維または繊維素材生地、および衛生用品表面材
MXPA01010759A (en) Skin-friendly absorbent articles and compositions

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200413

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210614

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6899434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250