JP5250528B2 - 水中油型エマルション組成物、水中油型エマルション組成物の製造方法、繊維製品処理剤及び繊維製品処理剤の製造方法 - Google Patents

水中油型エマルション組成物、水中油型エマルション組成物の製造方法、繊維製品処理剤及び繊維製品処理剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水中油型エマルション組成物及びその製造方法、並びに、当該水中油型エマルション組成物を含有する繊維製品処理剤及びその製造方法に関する。
従来、衣料用洗剤、衣料用柔軟仕上げ剤等の繊維製品処理剤、化粧品、食品等の各種製品においては、たとえば消費者の嗜好性、原料臭のマスキング等の種々の目的で、香りを付与することが行われている。
各種製品に香りを付与する方法としては、香料を配合する方法が一般的である。
かかる香料の配合方法は、これまでに、下記工程(ア)〜(エ)と同時、または各工程間、もしくは工程(エ)の後のいずれか1箇所以上に、0.3〜5質量%(最終組成物に対する量)の香料を単独で直接に添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。
工程(ア):陽イオン界面活性剤をそのゲル−液晶転移温度t1(℃)以上に加熱する工程
工程(イ):t1〜100℃の水と、工程(ア)で得られた加熱された陽イオン界面活性剤とを混合する工程
工程(ウ):工程(イ)で得られた混合物をt1(℃)未満の温度に冷却する工程
工程(エ):特定のシリコーンエマルジョンと、工程(ウ)で得られた混合物とを混合する工程
また、非水溶性香料と、両親媒性溶媒と、非イオン界面活性剤及び/又は陽イオン界面活性剤とを混合して溶解した「香料可溶化物」を調製し、当該香料可溶化物を、別に調製した水中油型エマルションに混合する方法が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、香料の配合方法としては、香料を含む油性成分と水とを乳化したエマルションを配合する方法も知られている。
特開2008−163176号公報 特開2007−270135号公報
ところで、近年、繊維製品処理剤の一つである衣料用柔軟仕上げ剤においては、香りを重視した製品が急増し、その香りの種類も増えている。
これに伴い、製品開発を行う上で、香料を安定に配合でき、製品の香りの経時変化(臭気劣化)を抑制することがこれまで以上に重要である。加えて、香りの種類の増加に伴い、香り違いの製品を簡便な方法で、かつ、効率良く製造できることも求められる。
しかしながら、特許文献1に記載された方法においては、工程(エ)と同時又は工程(エ)の後に香料を添加する場合、最終組成物中の香料の分散安定性を長期間(たとえば40℃の雰囲気下で30日間)確保するのが難しいため、繊維製品処理剤(製品)の臭気が経時で劣化しやすい問題がある。また、香り違いの製品を製造する場合、工程(ア)〜(ウ)と同時、又はそれらの工程間に香料を添加する方法では、香料の種類の切替えに作業時間を要し、製造性が悪いという問題がある。
特許文献2に記載された方法においては、香料可溶化物の臭気が経時で劣化しやすいため、当該香料可溶化物を含有する製品は、臭気の点で良好な品質が得られにくい問題がある。
香料を含む油性成分と水とを乳化したエマルションを配合する方法においては、繊維製品処理剤(製品)の製造の際、当該エマルションの配合量を低減できる等の理由から、油性成分中の香料濃度が高いほど好ましい。ところが、油性成分中の香料濃度が高くなると、当該エマルションの安定化が難しく、経時に伴って粘度が増加しすぎる、分離しやすい等の保存安定性に劣る問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、保存安定性に優れ、経時に伴う臭気劣化が抑制された水中油型エマルション組成物及びその製造方法と繊維製品処理剤、並びに、香り違いの製品を簡便な方法で効率良く製造でき、かつ、良好な品質が得られる繊維製品処理剤の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
すなわち、本発明の水中油型エマルション組成物は、アルデヒド基、エステル基及び脂肪族不飽和炭化水素基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物の含有割合が40質量%以上の油性成分(a)と、陽イオン界面活性剤(b)と、非イオン界面活性剤(c)と、水(d)とを含有し、前記(a)成分の含有割合が10〜50質量%であり、前記(b)成分と前記(c)成分との合計の含有割合が11〜20質量%であり、かつ、(a)/[(b)+(c)]で表される質量比が0.7〜2.8であることを特徴とする。
また、本発明の水中油型エマルション組成物の製造方法は、前記(a)成分と前記(b)成分とを混合して混合物(P)を得る工程(1)と、前記(c)成分と前記(d)成分とを混合して混合物(Q)を得る工程(2)と、前記混合物(P)と前記混合物(Q)とを混合する工程(3)とを有することを特徴とする。
また、本発明の繊維製品処理剤は、前記本発明の水中油型エマルション組成物を含有することを特徴とする。
また、本発明の繊維製品処理剤の製造方法は、前記本発明の水中油型エマルション組成物と、これ以外の水中油型エマルション組成物とを混合することを特徴とする。
本発明によれば、保存安定性に優れ、経時に伴う臭気劣化が抑制された水中油型エマルション組成物及びその製造方法と繊維製品処理剤を提供できる。
また、本発明によれば、香り違いの製品を簡便な方法で効率良く製造でき、かつ、良好な品質が得られる繊維製品処理剤の製造方法を提供できる。
<水中油型エマルション組成物>
本発明の水中油型エマルション組成物は、アルデヒド基、エステル基及び脂肪族不飽和炭化水素基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物の含有割合が40質量%以上の油性成分(a)と、陽イオン界面活性剤(b)と、非イオン界面活性剤(c)と、水(d)とを含有する。
本明細書及び本特許請求の範囲においては、油性成分(a)、陽イオン界面活性剤(b)、非イオン界面活性剤(c)、水(d)を、それぞれ単に(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分ともいう。
[油性成分(a)]
(a)成分における「アルデヒド基」は、具体的には−CHOである。
(a)成分における「エステル基」には、たとえばカルボン酸のエステル、硝酸のエステル、硫酸のエステル等のエステル化合物中の構造、具体的には、−C(=O)−O−、−ONO、−O−SO−O−等の基が包含される。
(a)成分における「脂肪族不飽和炭化水素基」には、たとえば、エチレン結合(オレフィン2重結合)又はアセチレン結合(3重結合)を有する脂肪族炭化水素基が包含され、具体的には、アルキン、アルケン、シクロアルケン(シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等)から水素原子1個以上を除いた基、テルペン類などが含まれる。
(a)成分において、アルデヒド基、エステル基及び脂肪族不飽和炭化水素基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物(以下「化合物(a0)」という。)としては、たとえば、テルペノイドやトリグリセライド等の油脂類、オレイン酸やリノール酸等の長鎖不飽和脂肪酸、ラクトン又はその誘導体(エステル化物、アミド物等)、香料成分などが挙げられる。
特に香料成分において、アルデヒド基、エステル基及び脂肪族不飽和炭化水素基は、経時に伴って臭気劣化の原因となる官能基である、と考えられる。本発明によれば、これら官能基を有する化合物を含む油性成分を含有していても、経時に伴う臭気劣化を抑制できる。
香料成分として具体的には、様々な文献、たとえば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に開示されている香料成分のいずれか1種を単独で、又は複数を混合して用いることができる。
本発明の水中油型エマルション組成物を、特に繊維製品処理剤の配合成分として用いる場合、上記のなかでも、化合物(a0)としては、香料成分を用いることが好ましく、複数の香料成分を組み合わせて用いることがより好ましい。
本発明の水中油型エマルション組成物は、香料成分を安定に配合でき、繊維製品処理剤に配合した際、香りを良好に保つことができることから、特に技術的意義がある。
(a)成分中、化合物(a0)の含有割合は40質量%以上であり、40〜100質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜80質量%がさらに好ましい。
化合物(a0)の含有割合が40質量%以上、好ましくは50質量%以上であると、経時に伴う臭気劣化が抑制され、本発明の技術的意義がある。化合物(a0)の含有割合が40質量%未満であると、経時保存前後で臭気の差がほとんど認められない。
(a)成分としては、上述した化合物(a0)のみからなるものでもよく、化合物(a0)とそれ以外の油性成分との混合物でもよい。
化合物(a0)以外の油性成分としては、有機溶剤、シリコーン、流動パラフィン等が挙げられる。
たとえば、本発明の水中油型エマルション組成物を繊維製品処理剤用として用いる場合、(a)成分としては、衣料用柔軟仕上げ剤などに一般的に使用される香料成分の一種以上を含む香料組成物が挙げられる。
「香料組成物」は、香料成分以外に、有機溶剤(香料用溶剤)を含有するものが挙げられ、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤等の添加剤を通常の使用量の範囲内で含有するものでもよい。
香料用溶剤は、一般的に用いられるものを利用でき、たとえば、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で、又は複数を混合して用いることができる。
香料組成物中、香料用溶剤の含有割合は、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
上記のなかでも、香料成分又は香料組成物(以下これらをまとめて単に「香料」という。)としては、非水溶性のものが好ましい。
「非水溶性」は、常温(25℃)における水への溶解度が30質量%以下であることをいう。
香料の水への溶解度は25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。香料の水への溶解度が30質量%を超えると、水中油型エマルション組成物を繊維製品処理剤用として用いた際、繊維製品に香りを充分に付与できないおそれがある。
当該溶解度は、水と香料とを、それぞれ10gずつ量り取り、50mL分液ロートにて混合し、2層に分離するまで静置した後、香料相と水相とを取り分け、香料相の質量を測定して、もとの香料成分質量から減少した量が水に溶解したと見なして下記式より算出する。溶解度(質量%)=香料相の質量減少量/香料と混合する前の水の質量×100
(a)成分は、1種を単独で、又は複数を混合して用いることができる。
水中油型エマルション組成物中、(a)成分の含有割合は、水中油型エマルション組成物の全量を基準として、10〜50質量%であり、20〜35質量%が好ましい。
(a)成分の含有割合が10質量%未満であると、たとえば繊維製品に香りを充分に付与できなくなる。また、他の乳化物等と混合する際、所望とする濃度の(a)成分を含有させるために、本発明の水中油型エマルション組成物の配合量を多くする必要がある。一方、50質量%を超えると、安定なエマルションの形成が難しくなる。
[陽イオン界面活性剤(b)]
(b)成分としては、公知のものを利用でき、たとえば、下記一般式(I)で表される四級アンモニウム塩、下記一般式(II)で表されるアミン、当該アミンの中和物;下記一般式(III)で表されるイミダゾリン、当該イミダゾリンの中和物、イミダゾリニウム塩、アミノ酸系カチオン界面活性剤等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、式(I)で表される四級アンモニウム塩が好ましい。
Figure 0005250528
〔式中、R〜Rのうちの1〜3つの基は、置換又は無置換の炭素数8〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、残りの3〜1つの基は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、−(CH−CH(Y)−O)−H(式中、Yは水素原子又はCHであり、nは2〜10の整数である。)又はベンジル基であり;Xはハロゲン原子又はモノアルキル硫酸基である。〕
〜Rにおいて、炭素数8〜26のアルキル基又はアルケニル基は、無置換であってもよく、その炭素鎖中に−O−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−等の2価の置換基が介在していてもよく、その水素原子が−OH等の1価の置換基で置換されていてもよい。該アルキル基又はアルケニル基は、炭素数が14〜20であることが好ましい。
〜Rのうち、前記アルキル基又はアルケニル基であるものが2又は3つである場合、該2又は3つの基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
〜R中、1又は2つが前記アルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、1つが前記アルキル基又はアルケニル基であることがより好ましい。
〜Rの残りの基は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、−(CH−CH(Y)−O)−H、ベンジル基のいずれであってもよい。これらのなかでも、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好ましく、メチル基又はヒドロキシエチル基が特に好ましい。
〜Rのうち、これらの基であるものが2又は3つである場合、該2又は3つの基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
Xにおけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。これらの中でも塩素原子が好ましい。
モノアルキル硫酸基としては、アルキル基の炭素数が1〜2のものが好ましく、モノメチル硫酸基が特に好ましい。
前記式(I)で表される四級アンモニウム塩の具体例としては、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、セトステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、N−オレオイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩等が挙げられる。
Figure 0005250528
〔式中、R〜Rのうちの1又は2つの基は、置換又は無置換の炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、残りの基は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は(CH−CH(Y)−O)−H(式中、Yは水素原子又はCHであり、nは2〜10の整数である。)である。〕
〜Rにおいて、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基は、無置換であってもよく、その炭素鎖中に−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−等の2価の置換基が介在していてもよく、その水素原子が−OH等の1価の置換基で置換されていてもよい。
〜Rのうち、前記アルキル基又はアルケニル基であるものが2つである場合、該2つの基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
〜R中、2つが、前記アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
〜Rの残りの基は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、−(CH−CH(Y)−O)−Hのいずれであってもよい。
〜Rのうち、前記残りの基が2つである場合、該2つの基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記式(II)で表されるアミンの中和物としては、たとえば、該アミンと酸とを反応させて得られるものが挙げられ、該酸としては、通常の酸を用いることができ、たとえば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸等の有機酸などが挙げられる。
該中和物としては、特に、塩酸塩又は硫酸塩が好ましい。
該中和物の具体例としては、ジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイルメチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩、N−(3−オクタデカノイルアミノプロピル)−N−(2−オクタデカノイルオキシエチル)−N−メチルアミン塩酸塩、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン塩酸塩等が挙げられる。
Figure 0005250528
〔式中、Rは置換又は無置換の炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは、置換もしくは無置換の炭素数10〜26のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は(CH−CH(Y)−O)−H(式中、Yは水素原子又はCHであり、nは2〜10の整数である。)である。〕
において、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基は、無置換であってもよく、その炭素鎖中に−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−等の2価の置換基が介在していてもよく、その水素原子が−OH等の1価の置換基で置換されていてもよい。
において、置換もしくは無置換の炭素数10〜26のアルキル基もしくはアルケニル基は、前記Rと同様のものが挙げられる。
上記式(III)で表されるイミダゾリンの中和物としては、たとえば、該イミダゾリンと酸とを反応させて得られるものが挙げられ、該酸としては、通常の酸を用いることができ、たとえば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸等の有機酸などが挙げられる。
該中和物としては、特に、塩酸塩が好ましい。
該中和物の具体例としては、1−オクタデカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリン塩酸塩等が挙げられる。
前記イミダゾリニウム塩としては、メチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アルキルイミダゾリニウムメチル硫酸塩、メチル−1−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノイルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウムエチル硫酸塩等が挙げられる。
前記アミノ酸系カチオン界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
(b)成分としては、上記の中でも、式(I)で表される四級アンモニウム塩、式(II)で表されるアミンの中和物が好ましく、式(I)で表される四級アンモニウム塩がより好ましい。
具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン塩酸塩が好ましく、これらのなかでも、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン塩酸塩が特に好ましく、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩が最も好ましい。
(b)成分は、1種を単独で、又は複数を混合して用いることができる。
水中油型エマルション組成物中、(b)成分の含有割合は、水中油型エマルション組成物の全量を基準として、1〜3.5質量%が好ましく、1.5〜3質量%がより好ましい。
(b)成分の含有割合が1質量%以上であると、水中油型エマルション組成物の保存安定性がより向上し、3.5質量%以下であると、適度な粘度を有する水中油型エマルション組成物が得られやすくなり、ハンドリングが良好となる。
[非イオン界面活性剤(c)]
(c)成分としては、公知のものを利用でき、たとえば、アルコール、アミン、油脂又は脂肪酸から誘導される非イオン界面活性剤が挙げられる。
ここで、(c)成分を誘導するアルコール、アミン、油脂、脂肪酸としては、それぞれ、炭素数8〜22の炭素鎖を有するものが挙げられ、好ましくは12〜18である。
このような(c)成分として具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドにおける「オキシアルキレン」は、アルキレンオキシド付加物であることを示す。アルキレンオキシドの平均付加モル数は、10〜100モルが好ましく、より好ましくは20〜80モル、さらに好ましくは30〜60モルである。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドがより好ましく、エチレンオキシドが特に好ましい。
たとえばポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、アルコールのアルキレンオキシド付加物であり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
(c)成分の具体例としては、たとえば、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット、POE(40)ひまし油、POE(50)ひまし油、POE(40)硬化ひまし油、POE(60)硬化ひまし油、POE(100)硬化ひまし油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO)、POE(20)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)イソデシルエーテル、POE(60)イソヘキサデシルエーテル、POE(40)イソトリデシルエーテル、POE(60)イソトリデシルエーテル、POE(45)トリデシルエーテル、POE(60)トリデシルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(30)ステアリルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(25)オクチルドデシルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(7.5)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ステアリルアミン、POE(15)ステアリン酸アミドなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、「POE」はポリオキシエチレンを示し、「POP」はポリオキシプロピレンを示し、それらの後の( )内の数値は付加モル数を示す。また、EOはエチレンオキシドを示し、その前の数値はEOの付加モル数を示す。
(c)成分としては、上記のなかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、特に、アルコールとして炭素数8〜20のものを用いたものが好ましい。
また、当該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキレンオキシドの付加モル数は、10〜100モルが好ましく、20〜80モルがより好ましい。
なかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、特に、POE(40)イソトリデシルエーテル、POE(60)イソトリデシルエーテル、POE(45)トリデシルエーテル、POE(60)トリデシルエーテルが好ましく、POE(60)イソトリデシルエーテルが最も好ましい。
(c)成分は、1種を単独で、又は複数を混合して用いることができる。
水中油型エマルション組成物中、(c)成分の含有割合は、水中油型エマルション組成物の全量を基準として、5〜20質量%が好ましく、10〜16質量%がより好ましい。
(c)成分の含有割合が5質量%以上であると、水中油型エマルション組成物の保存安定性がより向上し、20質量%以下であると、適度な粘度を有する水中油型エマルション組成物が得られやすくなり、ハンドリングが良好となる。
本発明の水中油型エマルション組成物においては、前記(b)成分と前記(c)成分との合計の含有割合が11〜20質量%であり、当該合計の含有割合が12.5〜18.5質量%であることが好ましい。
当該合計の含有割合が11質量%未満であると、水中油型エマルション組成物の保存安定性が悪くなり、経時に伴って臭気が劣化しやすくなる。一方、20質量%を超えると、水中油型エマルション組成物の粘度が高くなりすぎてハンドリングが不良となる。
また、本発明の水中油型エマルション組成物においては、(a)/[(b)+(c)]で表される質量比が0.7〜2.8であり、当該質量比が1.3〜2.1であることが好ましい。当該質量比が0.7未満であると、水中油型エマルション組成物の粘度が高くなりすぎてハンドリングが不良となる。一方、当該質量比が2.8を超えると、水中油型エマルション組成物の保存安定性が悪くなり、経時に伴って臭気が劣化しやすくなる。
[水(d)]
本発明の水中油型エマルション組成物においては、(d)成分が連続相を形成する。
水中油型エマルション組成物中、(d)成分の含有割合は、水中油型エマルション組成物の全量を基準として、26.5〜79質量%が好ましく、46〜68.5質量%がより好ましい。
[任意成分]
本発明の水中油型エマルション組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(a)〜(d)成分以外の他の成分を含有してもよい。
当該他の成分としては、特に限定されず、たとえば後述の水溶性の添加剤(水溶性塩、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、抗菌剤又は防腐剤、水溶性の染料又は顔料、pH調整剤等)が挙げられる。
本発明の水中油型エマルション組成物は、たとえば、(a)成分と(b)成分とを混合して混合物(P)を予め調製し、加温した(d)成分に、前記混合物(P)を撹拌しながら徐々に投入し、次いで、(c)成分を撹拌しながら徐々に投入することにより製造できる。任意成分を配合する場合、任意成分は、(d)成分に溶解して添加してもよく、適当な添加位置で単独で添加してもよい。
また、本発明の水中油型エマルション組成物の製造方法としては、後述の<水中油型エマルション組成物の製造方法>がより好適な製造方法として挙げられる。
本発明の水中油型エマルション組成物は、その粘度が3000mPa・s未満であることが好ましく、1000mPa・s未満であることがより好ましく、180〜700mPa・sであることがさらに好ましい。当該粘度が3000mPa・s未満であると、ハンドリングが良好となり、繊維製品処理剤を製造する際の混合性が良好になる。
水中油型エマルション組成物の粘度は、(株)東京計器製のBL型回転式粘度計を用い、以下に示す測定条件で測定できる。
(測定条件)
ローター:No.2(粘度が10〜1000mPa・sの場合)、No.3(粘度が1001〜4000mPa・sの場合)、No.4(粘度が4001〜20000mPa・sの場合)
回転数:30rpm、測定温度:25℃(水中油型エマルション組成物の温度)、測定時間:20秒後(10回転目の値)
また、本発明の水中油型エマルション組成物は、その粒子径が0.2〜1μmであることが好ましく、0.3〜0.7μmであることがより好ましい。当該粒子径が0.2μm以上であると、高圧ホモジナイザー等の特殊な装置を使用せず、安定なエマルションを容易に形成できる。一方、当該粒子径が1μm以下であると、(a)成分の分散性がより良好となり、水中油型エマルション組成物の保存安定性が向上し、臭気の劣化がより抑制される。
水中油型エマルション組成物の粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−920)を用いて、フロー測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正濃度範囲になるように試料を蒸留水で希釈して、25℃、相対屈折率1.08にて、体積基準のメディアン径(d50)により測定できる。
<水中油型エマルション組成物の製造方法>
上述した本発明の水中油型エマルション組成物は、具体的には、前記(a)成分と前記(b)成分とを混合して混合物(P)を得る工程(1)と、前記(c)成分と前記(d)成分とを混合して混合物(Q)を得る工程(2)と、前記混合物(P)と前記混合物(Q)とを混合する工程(3)とを有する製造方法により製造できる。
[工程(1)]
工程(1)では、前記(a)成分と前記(b)成分とを混合して混合物(P)を得る。
一例として、(b)成分の融解可能な温度(融点)下で、(a)成分と(b)成分とを混合して混合物(P)を得る実施形態が挙げられる。
(b)成分の融解可能な温度は、選択した(b)成分の析出温度(凝固点)の+5℃以上で、かつ、(a)成分に含まれる低沸点をもつ成分の揮発を防止する観点からできるだけ低い温度に設定することが好ましい。
(a)成分と(b)成分との混合方法は、特に限定されず、たとえば、パドル翼、プロペラ羽根等を備えた低剪断型の混合装置を用いて撹拌する方法などを用いることができ、かかる混合方法により(a)成分と(b)成分とを容易に混合することができる。
[工程(2)]
工程(2)では、前記(c)成分と前記(d)成分とを混合して混合物(Q)を得る。
一例として、(c)成分の溶解可能な温度下で、(d)成分と(c)成分とを混合して混合物(Q)を得る実施形態が挙げられる。
(c)成分の溶解可能な温度は、選択した(c)成分の析出温度(凝固点)の+5℃以上の温度、かつ、曇点以下に設定することが好ましい。
(d)成分と(c)成分との混合方法は、特に限定されず、たとえば、パドル翼、プロペラ羽根等を備えた低剪断型の混合装置を用いて撹拌する方法などを用いることができ、かかる混合方法により(d)成分と(c)成分とを容易に混合することができる。
[工程(3)]
工程(3)では、前記混合物(P)と前記混合物(Q)とを混合して水中油型エマルション組成物を得る。
たとえば、混合装置として一般的な高剪断型の混合装置であるホモミキサーを用い、加温した混合物(Q)に、加温した混合物(P)を投入して混合することにより水中油型エマルション組成物を得る実施形態が挙げられる。
また、混合装置としてパドル翼、プロペラ羽根等を備えた低剪断型の混合装置を用い、加温した混合物(Q)に、混合物(P)を撹拌しながら徐々に投入して混合することにより水中油型エマルション組成物を得る実施形態例も挙げられる。
工程(3)において、混合装置は、具体的には、ホモミキサー、ウルトラミキサー、フィルミックス、マイルダー、クレアミックス、ラインミキサー等の高剪断型の混合装置;プロペラ羽根、パドル翼、アンカー翼、ディスクタービン翼、傾斜タービン翼、ファンタービン翼等を備えた低剪断型の混合装置を用いることができる。
本発明においては、高剪断型の混合装置に限らず、低剪断型の混合装置を用いても安定な水中油型エマルションを得ることができる。
混合装置として高剪断型の混合装置を用いる場合、混合物(P)と混合物(Q)とを混合する際には、下記数式により「ずり速度」として定義される剪断力1×10〜1×10[1/s]を付与することが好ましく、剪断力1×10〜1×10[1/s]を付与することがより好ましく、剪断力6.3×10[1/s]を付与することが特に好ましい。
当該剪断力の下限値以上であると、(a)成分の分散性がより向上し、一方、上限値以下であれば、充分な剪断力が付与され、また、コストを抑えることができる。
混合装置の回転数は、たとえば卓上アジホモミキサー(プライミクス株式会社製、製品名:アヂホモミクサー2M−03型;ローター径30mm、ステーターとのクリアランス0.5mm、500mLベッセル)を用いた場合、5000〜15000rpmが好ましく、より好ましくは7500〜12500rpmである。
混合時間は、15〜60秒間が好ましく、より好ましくは20〜40秒間である。
また、混合時の温度は、通常20〜50℃が好ましく、より好ましくは25〜45℃とすることで、安定な水中油型エマルションを調製することができる。当該温度は、工程(1)、工程(2)からの成り行きの温度としてもよい。
剪断力は、通常、固定された壁と、移動している壁との間に生ずる「ずり速度」のことであり、撹拌槽においては、槽壁を固定壁、撹拌羽根の先端を移動壁と見なして以下の数式によって定義される。
ずり速度γ[1/s]=2π×n×d/(D−d)
〔ただし、nは羽根回転数[rps]、dは羽根径[m]、Dは撹拌槽径[m](ステーターが有る場合はステーター内径[m])である。〕
混合装置として低剪断型の混合装置を用いる場合、混合物(P)と混合物(Q)とを混合する際には、50〜400[1/s]程度の剪断力を付与することが好ましい。
混合装置の回転数は、たとえば1Lビーカー(底径180mmφ)に45度4枚傾斜パドル2段(直径:120mm、羽根幅:10mm、厚さ:1.5mm)を備えた混合装置の回転数は、通常300〜1500rpmが好ましく、より好ましくは500〜1200rpmである。
混合時間は、通常0.5〜30分間が好ましく、より好ましくは1〜20分間である。
また、混合時の温度は、通常25〜50℃が好ましく、より好ましくは30〜45℃とすることで、安定な水中油型エマルションを調製することができる。当該温度は、工程(1)、工程(2)からの成り行きの温度としてもよい。
なお、本発明の水中油型エマルション組成物の製造方法において、任意成分を配合する場合、その添加方法は特に限定されず、任意成分を(d)成分に溶解した水溶液を添加してもよく、適当な添加位置で任意成分を単独で添加してもよい。
以上説明した本発明の製造方法によれば、保存安定性に優れ、経時に伴う臭気劣化が抑制された水中油型エマルション組成物を製造できる。
本発明の製造方法は、水(d)と高濃度の油性成分(a)とを乳化しても、安定な水中油型エマルションを形成できる簡便な乳化法である。
本発明の製造方法によれば、たとえば(a)成分として香料を配合することにより、消費者の嗜好の異なる様々な種類の香料を油性成分としたエマルションを安定に調製できる。
<繊維製品処理剤>
本発明の繊維製品処理剤は、上記本発明の水中油型エマルション組成物を含有するものである。
当該繊維製品処理剤は、上記本発明の水中油型エマルション組成物からなるものでもよく、又は上記本発明の水中油型エマルション組成物と他の任意成分との混合物でもよい。
本発明の水中油型エマルション組成物と他の任意成分とを混合する場合、繊維製品処理剤中、上記本発明の水中油型エマルション組成物の含有割合は、当該繊維製品処理剤の全量に対し、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。該範囲の上限値以下であると、繊維製品に付与される香気が強くなりすぎず、適度な強さの香りを付与でき、下限値以上であると、繊維製品への香りの付与効果が充分に発揮される。
他の任意成分としては、特に限定されず、従来、繊維製品処理剤に配合されている配合成分を利用できる。かかる配合成分としては、たとえば、水溶性の添加剤又はその水溶液、上記本発明の水中油型エマルション組成物以外の水中油型エマルション組成物(以下「第二の水中油型エマルション組成物」という。)等が挙げられる。
当該水溶性の添加剤としては、水溶性塩、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、抗菌剤又は防腐剤、水溶性の染料又は顔料、pH調整剤等が挙げられる。
これらの水溶性添加剤は、上記本発明又は第二の水中油型エマルション組成物を調製する際に水に溶解して添加してもよく、あるいは、水中油型エマルション組成物とは別個に添加してもよい。
水溶性塩は、繊維製品処理剤の粘度を調整する目的で用いることができる。
水溶性塩は、無機の水溶性塩であってもよく、有機の水溶性塩であってもよく、これらを併用してもよい。
無機の水溶性塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸若しくは硝酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
有機の水溶性塩としては、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
水溶性塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムが好ましい。
水溶性塩を配合する場合、その配合量は、繊維製品処理剤の全量に対し、好ましくは0.001〜3質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%である。
金属イオン封鎖剤は、繊維製品処理剤の香気や色調の安定性を向上することを目的として用いることができる。
金属イオン封鎖剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸塩やジエチレントリアミン五酢酸塩などに代表されるアミノカルボン酸塩;塩酸、クエン酸、コハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、トリポリリン酸塩に代表される無機リン化合物;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩に代表される有機リン化合物などが挙げられる。これらのなかでも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩が好ましい。これらの化合物は、遊離の酸として配合してもよく、塩として配合してもよい。
金属イオン封鎖剤を配合する場合、その配合量は、繊維製品処理剤の全量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.5質量%である。
酸化防止剤は、繊維製品処理剤の香気や色調の安定性を向上することを目的として用いることができる。
酸化防止剤の例としては、没食子酸プロピル、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、p−ヒドロキシアニソール、茶エキス等が挙げられる。これらの中でもBHTが好ましい。
酸化防止剤を配合する場合、その配合量は、繊維製品処理剤の全量に対し、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.0001〜0.5質量%、さらに好ましくは0.001〜0.1質量%である。
抗菌剤又は防腐剤としては、従来、繊維製品処理剤等に用いられているものを適宜利用できる。たとえば、防腐力、殺菌力を強化する目的で、以下の1)〜4)の化合物を1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1)イソチアゾロン系の有機硫黄化合物。具体的には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びそれらの混合物が挙げられる。
これらの化合物は、ローム・アンド・ハース社製のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学社製のジュンサイド5等のジュンサイドシリーズなどの市販品を用いることができる。
2)ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物。具体的には、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用でき、それらを任意の混合比で使用することができる。
これらの化合物は、アビシア(株)製のプロキセルシリーズ〔BDN(有効分33質量%)、BD20(有効分20質量%)、XL−2(有効分10質量%)、GXL(有効分20質量%)など〕、デニサイドBIT/NIPAなどの市販品を用いることができる。
3)ジオキサン系又はジオール系有機化合物。具体的には、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、5−クロロ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、又は2−クロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等が挙げられる。
これらの化合物は、Henkel社製のBronidoxL、Inolex社製のBronopol、吉富製薬社製のブロノポール、ブーツ社製のマイアサイドBT、BASF社製のマイアサイドファーマBPなどの市販品を用いることができる。
4)安息香酸類又はフェノール化合物。具体的には、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸誘導体、3−メチル−3−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどを使用することができる。
上記1)〜3)の化合物は、安定化のために、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンと共存させるか、又はエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール溶液として組成物に添加されることが好ましい。
上記1)〜4)の化合物のなかでも、1)の化合物が好ましく、ケーソンCG/ICPが特に好ましい。
また、上記1)〜4)の化合物のうち、2種以上を併用することも好ましく、特に、ケーソンCG/ICP、プロキセルシリーズBDN、マイアサイドBT、安息香酸のうちの2種以上を併用することが特に好ましい。
抗菌剤又は防腐剤を配合する場合、その配合量は、当該繊維製品処理剤の用途、使用する抗菌剤又は防腐剤の種類等を考慮して適宜設定すればよい。
たとえば上記1)〜3)の化合物を用いる場合、その配合量は、繊維製品処理剤の全量に対し、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.00001〜0.05質量%、さらに好ましくは0.0001〜0.01質量%である。
4)の化合物を用いる場合、その配合量は、繊維製品処理剤の全量に対し、好ましくは3質量%以下、より好ましくは0.01〜1.5質量%である。
水溶性の染料・顔料は、繊維製品処理剤の外観を向上する目的で、任意に配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる。
なかでも、繊維製品処理剤の保存安定性や繊維に対する染着性の観点から、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましい。
水溶性の染料および/または顔料を配合する場合、その配合量(質量)は、繊維製品処理剤の全量に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
pH調整剤の例としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
有機酸として具体的には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸又はそれらの塩などの多価カルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸又はそれらの塩などのヒドロキシカルボン酸類が挙げられる。
pH調整剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
第二の水中油型エマルション組成物としては、たとえば、陽イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤のいずれか一方又は両方(以下まとめて「(bc)成分」という。)と水とを乳化したもの、さらに該乳化の際にシリコーンを加えたもの等が挙げられる。具体的には、衣料用柔軟仕上げ剤を製造する際に用いられる柔軟仕上げ剤ベース組成物(香料を配合していない調製物)が挙げられる。
陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤は、上述した(b)成分、(c)成分とそれぞれ同様のものを用いることができる。
第二の水中油型エマルション組成物中、(bc)成分の含有割合は、当該第二の水中油型エマルション組成物の全量を基準として、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。
シリコーンは、25℃における動粘度が100〜100,000mm/sであるものが好ましく、1,000〜50,000mm/sであるものがより好ましく、3,000〜20,000mm2/sであるものがさらに好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、より安定なエマルションを得ることができる。さらに、衣料用柔軟仕上げ剤とした際、衣類に良好なしわ防止性やすべり性を付与することが可能となる。
なお、本明細書において、「動粘度」は、JIS K2283に準拠し、ウベローデ粘度計を用いて測定することができる。
変性シリコーンの場合、シロキサン骨格に対する各種変性基の変性部位は、側鎖の部分でも、主鎖を部分的に分断しているものなどいずれでもよいが、側鎖に変性基を有するものがより好ましい。また、いずれの場合も、主鎖の最末端はメチル基、ヒドロキシル基又は水素原子であることが好ましい。
本発明において使用できるポリエーテル変性シリコーンは、下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005250528
式(1)中、−Z、−Zは、それぞれ独立に−R10、−O−R10、−OH、−O−R−R10、−O−R−Hである。
複数のR10は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれも飽和あるいは不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の炭化水素基であり、Rはポリオキシアルキレン基である。
−Rは、−R−O−R−R又は−O−R−Rであり、Rは炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
上記式(1)において、−Z、−Zは、それぞれ独立に−R10、−OHであることが好ましく、−R10であることがより好ましい。
10は、炭素数1〜4の飽和炭化水素基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
は、炭素数1〜4の飽和炭化水素基が好ましく、プロピレン基が好ましい。Rが炭化水素基である場合、Rは炭素数1〜4の短鎖飽和炭化水素基が好ましい。
特に好ましいRは、水素原子又はメチル基である。
また、上記式(1)において、Rはポリオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、又はオキシブチレン単位などが、ブロック状あるいはランダムに配列したものであってもよい。但し、R中のポリオキシアルキレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10質量%以上60質量%未満であり、好ましくは20〜35質量%である。また、ポリオキシアルキレン基R中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、50〜100質量%であるのが好ましい。
さらに、上記一般式(1)において、p、q及びrは、いずれも各繰返し単位の数の平均値を表し、pは0〜50、好ましくは0〜3であり、qは1〜1000、好ましくは1〜50であり、rは10〜10000、好ましくは20〜500である。
なお、上記式で表わされるポリエーテル変性シリコーンは、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、各繰返し単位がランダムに配列している構造を有するものであってもよい。
上記一般式(1)で表される変性シリコーンの製造方法は、特に限定されるものではない。ポリオキシアルキレン基を有するシリコーンは、Si−H基を有するシリコーンとポリオキシアルキレンまたは炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとの付加反応により製造することができる。かかるシリコーンは、製造の際に用いるポリオキシアルキレンまたは炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレン、環状シリコーンなどの未反応原料、エタノール、イソプロピルアルコールなどの溶剤、白金系などの触媒が微量残存するものでもよい。
本発明で用いることができるポリエーテル変性シリコーンとして商業的に入手可能な具体例としては、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、SH8700、CF1188HV、BY22−008、SF8421、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09、ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−2222、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017、X−20−8010N、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452等が挙げられる。
これらは1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明で用いることのできるジメチルシリコーンは、ポリシロキサンの側鎖及び末端がすべてメチル基であり、25℃における動粘度が上記範囲内にあるものが好適なものとして挙げられる。
ジメチルシリコーンとしては市販品を使用することができ、たとえば、SH200C−1,000CS、SH200C−3,000CS、SH200C−5,000CS、SH200C−30,000CS、SH200C−60,000CS、SH200C−100,000CS、SH200C−1,000,000CS(いずれも東レ・ダウコーニング(株)製)が挙げられる。
本発明で用いることのできるアミノ変性シリコーンは、側鎖及び/又は末端に有機アミノ基が導入されたものであり、25℃における動粘度が上記範囲内にあるものが好適なものとして挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては市販品を使用することができ、たとえば、BY16−849、BY16−853、BY16−872、BY16−892、BY16−879B(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF4706(GE東芝シリコーン(株)製)が挙げられる。
上記のなかでも、シリコーンとしては、上記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーンが最も好ましい。
第二の水中油型エマルション組成物中、シリコーンの含有割合は、当該第二の水中油型エマルション組成物の全量を基準として、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。
シリコーンの含有割合が0.1質量%以上であると、衣料用柔軟仕上げ剤として使用した際、しわ防止効果やすべり性付与効果が向上する。一方、50質量%以下であると、水中油型エマルション組成物の粘度が高くなりすぎるのが抑えられ、使用時における水への分散性が向上し、ハンドリング性も良好となる。
第二の水中油型エマルション組成物は、公知の水中油型エマルション組成物の製造方法を利用して製造でき、たとえば特開昭63−143935号公報、特開平02−68137号公報、特開2003−105091号公報等に記載されている方法を用いることにより製造できる。
具体的には、衣料用柔軟性付与基剤として通常用いられている陽イオン界面活性剤を含む油相を高剪断下で水に乳化分散させる。その際、用いる高剪断型の混合装置としては、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、フィルミックス、ウルトラミキサー、ラインミキサー、ベコミックス、レキサミックス等が挙げられる。乳化温度は、用いる陽イオン界面活性剤の相転移温度以上が好ましい。剪断力が高く、混合装置の羽根直近に油相添加ノズルが設けられている場合には、用いる陽イオン界面活性剤の相転移温度以下でも乳化が可能である。
連続式で製造する場合は、水と水溶性の任意成分との混合物である水相と、陽イオン界面活性剤を含む油相とを、高剪断型の混合装置に同時に導入して乳化分散する方法が好ましい。
バッチ式で製造する場合は、高剪断乳化機ベッセルに前記水相を仕込み、そこへ前記油相を導入して乳化分散する方法が製造効率の点から好ましいが、水相と油相との配合順序は特に問われない。
なお、乳化分散した後、上述した任意成分、たとえば、粘度を下げるための無機の水溶性塩の水溶液や、防腐力又は殺菌力を強化するための抗菌剤又は防腐剤の水溶液や、染料・顔料の水溶液を添加してもよい。また、乳化分散後の第二の水中油型エマルションの温度は特に限定されず、上記本発明の水中油型エマルションと同程度の温度、好ましくは25〜45℃にすることが好ましい。
上記本発明の水中油型エマルション組成物を含有する繊維製品処理剤によれば、経時に伴う臭気劣化を抑制できる。
本発明の繊維製品処理剤は、繊維製品に対する香りの付与を効果的に行うことができる。
また、本発明の繊維製品処理剤は、たとえば、衣料用柔軟仕上げ剤、衣料用液体洗剤、ハリ付与剤、アイロン助剤、除シワ剤、布製品用消臭剤等に利用できる。
<繊維製品処理剤の製造方法>
本発明の繊維製品処理剤の製造方法は、上記本発明の水中油型エマルション組成物と、これ以外の水中油型エマルション組成物とを混合する方法である。
「これ以外の水中油型エマルション組成物」としては、たとえば、上述した第二の水中油型エマルション組成物と同様のものが挙げられる。
一例として、混合装置としてパドル翼、プロペラ羽根等を備えた低剪断型の動的混合装置、スタティックミキサー等の静的混合装置などを用い、本発明の水中油型エマルションと同程度の温度に調整した「これ以外の水中油型エマルション組成物」に、本発明の水中油型エマルション組成物を投入して混合することにより繊維製品処理剤を得る製造例が挙げられる。
混合装置は、低剪断型の混合装置以外に、上述した高剪断型の混合装置も用いることができる。
混合装置として低剪断型の混合装置を用いる場合、本発明の水中油型エマルション組成物と「これ以外の水中油型エマルション組成物」とを混合する際に、10〜200[1/s]程度の剪断力を付与することが好ましい。これにより、水中油型エマルション組成物同士を混合して、より安定なエマルションを形成できる。
混合装置の回転数は、たとえば1Lビーカー(底径180mmφ)に45度4枚傾斜パドル2段(直径:50mm、羽根幅:10mm、厚さ:1.5mm)を備えた混合装置の回転数は、300〜1500rpmが好ましく、より好ましくは500〜1200rpmである。
混合時間は、0.5〜30分間が好ましく、より好ましくは1〜20分間である。
また、混合時の温度は、通常20〜50℃が好ましく、より好ましくは25〜45℃とすることで、臭気の劣化を防ぐことができる。
本発明の製造方法によれば、(a)成分として香料を用いることで、香り違いの繊維製品処理剤を簡便な方法で効率良く製造でき、かつ、良好な品質が得られる。
本発明の製造方法においては、水中油型エマルション組成物同士を混合するだけで安定なエマルションを容易に形成できる。
また、本発明の製造方法によれば、経時に伴う臭気劣化を抑制でき、良好な品質の繊維製品処理剤を製造できる。
また、本発明の繊維製品処理剤の製造方法においては、種類の異なる複数の香料をそれぞれ(a)成分とした本発明の水中油型エマルション組成物を、柔軟仕上げ剤ベース組成物に配合することにより、香りの種類の異なる多品種の衣料用柔軟仕上げ剤を、短い切替え時間で効率良く製造できる。
一方、香料のなかには危険物指定のものもある。そのため、柔軟仕上げ剤ベース組成物に、香料を単独で直接に添加する場合、香りの種類が増えると、危険物取扱い等の点から香料の保管管理が煩雑になる。これに対して、本発明の製造方法においては、水(d)を含有する水中油型エマルション組成物(非危険物指定)を配合することから、保管管理が容易である。
以上より、本発明の繊維製品処理剤の製造方法は、香りの種類の異なる多品種の衣料用柔軟仕上げ剤を製造する方法として特に好適である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例及び各比較例で用いた成分の配合量は全て「質量%」(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
各実施例及び各比較例における使用原料を以下に示す。
・油性成分(a)
油性成分(a)として表1、2に示す香料組成物a−1〜a−4を用いた。
Figure 0005250528
Figure 0005250528
・陽イオン界面活性剤(b)
b−1:N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、ライオンアクゾ(株)、商品名「アーカードTES−85E」。
b−2:N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩、Stepan社、商品名「Stepantex VT90」。
b−3:塩化N,N−ジオレオイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム、ライオンアクゾ(株)、商品名「アーカードDEO」。
b−4:N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン塩酸塩。
b−4の製造例:
オレイン酸メチル91質量%及びステアリン酸メチル9質量%からなるパーム脂肪酸メチル(ライオン株式会社製、商品名:パステルM181)160質量部と、トリエタノールアミン(株式会社日本触媒製)100質量部と、酸化マグネシウム0.21質量部と、水酸化カリウム0.29質量部と、水1.6質量部とを、撹拌機、冷却器、温度計及び減圧セットを備えた5Lの4つ口フラスコに入れ、窒素置換を行った後、減圧して500mmHgに維持した。その後、170℃まで加熱した。次いで、圧力を徐々に20mmHgまで低下させて11時間反応させ、未反応メチルエステルが1質量%以下であることを確認した。ついで40℃まで冷却し、触媒(酸化マグネシウムと水酸化カリウムとの和)と等当量の硫酸を水で50質量%に希釈して加えた。その後、副生成物の無機塩を濾別し、中間体であるアルカノールアミンエステルを得た。アミン価より、該アルカノールアミンエステルの分子量を求めたところ、594であった。
次いで、30℃の該アルカノールアミンエステルと、35質量%の塩酸水溶液とを、プレート式熱交換器(株式会社日阪製作所製、型式UX−01)を用いて130℃でガス化させ、中和等価量になるように、エバラマイルダー(株式会社荏原製作所製、型式MDN306)に供給して中和を行った。かかる中和は、中和温度を130℃に保ち、中和時間(滞留時間)2分で行った。その後、得られたアルカノールアミンエステル塩酸塩を30℃に冷却し、陽イオン界面活性剤b−4を得た。
・非イオン界面活性剤(c)
c−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C13、60EO)、ライオンケミカル(株)、商品名「TA600−75」。
c−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C13、45EO)、ライオンケミカル(株)、商品名「TA450−75」。
c−3:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12、30EO)、日本エマルジョン(株)、商品名「EMALEX−730」。
・任意成分
塩化カルシウム:(株)トクヤマ、商品名「粒状塩化カルシウム(食添グレード)」試薬特級。
抗菌剤:ローム&ハース(株)、商品名「ケーソンCG/ICP」。
色素:C.I.アシッドレッド138、日本化薬(株)、商品名「カヤノールミリングレッドBW」。
<水中油型エマルション組成物の製造>
表3〜6に示す組成の水中油型エマルション組成物を、以下に示す調製方法によりそれぞれ製造した。
(実施例1〜25、比較例1〜14)
[調製方法I]
工程(1):
1Lビーカー(底径180mmφ)の容器に(a)成分を入れ、(b)成分の融解可能な温度に加温し、そこへ(b)成分を加えた。
次いで、撹拌翼として45度4枚傾斜パドル翼(50mmφ)を備えた混合装置を用い、全体混合可能な回転数(500rpm程度)で5分間撹拌して混合物(P)を得た。
工程(2):
1Lビーカー(底径180mmφ)の容器に水(d)を入れ、(c)成分の溶解可能な温度に加温し、そこへ(c)成分を加えた。
次いで、撹拌翼として45度4枚傾斜パドル翼(50mmφ)を備えた混合装置を用い、全体混合可能な回転数(500rpm程度)で5分間撹拌して混合物(Q)を得た。
工程(3−1):
卓上アジホモミキサー(プライミクス株式会社製、製品名:アヂホモミクサー2M−03型;ローター径30mm、ステーターとのクリアランス0.5mm、500mLベッセル)に、40℃の混合物(Q)を投入した後、40℃の混合物(P)を投入し、回転数10000rpm(ずり速度γ=6.3×10[1/s])で30秒間の撹拌を行うことにより水中油型エマルション組成物を製造した。
(実施例26)
[調製方法II]
調製方法Iと同様にして工程(1)と工程(2)の操作を行った。
工程(3−2):
1Lビーカー(底径180mmφ)の容器に、40℃の混合物(Q)を投入した後、45度4枚傾斜パドル翼(120mmφ)を備えた混合装置を用い、回転数700rpm(ずり速度γ=150[1/s])で撹拌しながら混合物(P)を徐々に投入した。
混合物(P)を投入した後、前記パドル翼(120mmφ)を備えた混合装置を用いて、さらに、回転数700rpmで10分間の撹拌を行うことにより水中油型エマルション組成物を製造した。
(実施例27、比較例15)
[調製方法III]
調製方法Iと同様にして工程(1)と工程(2)の操作を行った。
工程(3−3):
1Lビーカー(底径180mmφ)の容器に、40℃の混合物(Q)を投入した後、45度4枚傾斜パドル翼(120mmφ)を備えた混合装置を用い、回転数350rpm(ずり速度γ=75[1/s])で撹拌しながら混合物(P)を徐々に投入した。
混合物(P)を投入した後、前記パドル翼(120mmφ)を備えた混合装置を用いて、さらに、回転数350rpmで20分間の撹拌を行うことにより水中油型エマルション組成物を製造した。
(実施例28、比較例16)
[調製方法IV]
調製方法Iと同様にして工程(1)の操作を行い、混合物(P)を得た。
次いで、1Lビーカー(底径180mmφ)の容器に、40℃の水(d)のみを投入した後、45度4枚傾斜パドル翼(120mmφ)を備えた混合装置を用い、回転数700rpm(ずり速度γ=150[1/s])で撹拌しながら混合物(P)を徐々に投入した。
混合物(P)を投入した後、前記パドル翼(120mmφ)を備えた混合装置を用いて、さらに、回転数700rpmで10分間の撹拌を行った。
その後、当該撹拌を続けながら(c)成分を徐々に投入し、(c)成分を投入した後、さらに、当該撹拌を10分間続けることにより水中油型エマルション組成物を製造した。
<水中油型エマルション組成物に対する評価>
得られた水中油型エマルション組成物を用いて以下に示す評価を行った。その結果を表3〜6に示す。
[平均粒子径の評価]
水中油型エマルション組成物の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−920)を用い、フロー測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正濃度範囲になるように試料を蒸留水で希釈して、25℃、相対屈折率1.08にて、体積基準のメディアン径(d50)を測定した。
そして、以下に示す評価基準(○と◎が合格)に基づき、水中油型エマルション組成物の平均粒子径の評価を行った。
(評価基準)
◎:d50が0.3μm以上0.7μm以下であった。
○:d50が0.2μm以上0.3μm未満で、かつ、0.7μmより大きく1.0μm以下であった。
△:d50が0.15μm以上0.2μm未満で、かつ、1.0μmより大きく1.3μm以下であった。
×:d50が0.1μm以上0.15μm未満で、かつ、1.3μmより大きく1.5μm以下であった。
[粘度の評価]
各例の水中油型エマルション組成物を、50mLのSV−50瓶(日電理化硝子株式会社製、底径40mmφ、ガラス製)の容器にそれぞれ収容し、40℃の温度条件下で30日間保存した。
次いで、当該保存後の水中油型エマルションを25℃に冷却し、(株)東京計器製のBL型回転式粘度計を用い、以下に示す測定条件で、水中油型エマルション組成物の粘度を測定した。
そして、以下に示す評価基準(○と◎が合格)に基づき、水中油型エマルション組成物の粘度の評価を行った。
(測定条件)
ローター:No.2(粘度が10〜1000mPa・sの場合)、No.3(粘度が1001〜4000mPa・sの場合)、No.4(粘度が4001〜20000mPa・sの場合)
回転数:30rpm、測定温度:25℃(水中油型エマルション組成物の温度)、測定時間:20秒後(10回転目の値)
(評価基準)
◎:粘度が1000mPa・s未満であった。
○:粘度が1000mPa・s以上3000mPa・s未満であった。
△:粘度が3000mPa・s以上5000mPa・s未満であった。
×:粘度が5000mPa・s以上であった。
[分散安定性の評価]
各例の水中油型エマルション組成物を、50mLのSV−50瓶(日電理化硝子株式会社製、底径40mmφ、ガラス製)の容器にそれぞれ収容し、40℃の温度条件下で30日間保存した。
次いで、当該保存後の水中油型エマルション組成物を25℃に冷却し、その外観を目視観察し、以下に示す評価基準(○と◎が合格)に基づき、水中油型エマルション組成物の分散安定性の評価を行った。
(評価基準)
◎:分離は認められず、容器の高さ方向で白濁度の差も認められなかった。
○:容器の高さ方向で、極僅かに白濁度に差が認められた。
△:油滴が認められ、分離していた。
×:二層に分離していた。
[臭気の評価]
各例の水中油型エマルション組成物を、50mLのSV−50瓶(日電理化硝子株式会社製、底径40mmφ、ガラス製)の容器にそれぞれ収容し、40℃の温度条件下で30日間保存した。
次いで、当該保存後の水中油型エマルションを25℃に冷却し、当該保存後の容器における瓶口の臭気について、10人のパネラー(20〜40代女性)による官能評価を行った。当該官能評価は、以下に示す評価基準(3点以上が合格、より好ましいのは3.5点以上)に基づいて行い、10人の平均点を算出することにより、水中油型エマルション組成物の臭気の評価を行った。
(評価基準)
ブランク(標準品)として、低温保存品(−5℃の温度条件下で30日間保存したもの)を用いた。
4点:ブランクと同等の臭気であった。
3点:ブランクと比べて、臭気に僅かに差が認められた。
2点:ブランクと比べて、臭気に明らかに差が認められた。
1点:ブランクと比べて、臭気に非常に大きな差が認められた。
Figure 0005250528
Figure 0005250528
Figure 0005250528
Figure 0005250528
表3〜6の結果から、実施例1〜28の水中油型エマルション組成物は、経時に伴う粘度変化が小さく、かつ、分散安定性が良好であることから保存安定性に優れ、また、経時に伴う臭気劣化が抑制されていることが確認できた。
<繊維製品処理剤の製造>
表7に示す組成の繊維製品処理剤(衣料用柔軟仕上げ剤)を、以下に示す調製方法によりそれぞれ製造した。
[製造例1(第二の水中油型エマルション組成物の調製)]
陽イオン界面活性剤(b−1)と非イオン界面活性剤(c−1)を、55℃に加熱し、均一になるように撹拌して油相とした。
精製水と抗菌剤を均一に混合した後、40℃に加熱して水相とした。
前記水相を、プライミクス株式会社製のロボミクスホモミキサー(ローター径30mm、ステーターとのクリアランス0.5mm、500mLベッセル)に仕込み、そこへ、ホモミキサー10000rpm回転下にて、前記油相をノズル添加し、均一になるように撹拌して乳化を行った。
その後、色素と15質量%塩化カルシウム水溶液をそれぞれ添加し、実施例3または比較例6の水中油型エマルション組成物とそれぞれ混合して表7に示す繊維製品処理剤の組成になる第二の水中油型エマルション組成物−1、第二の水中油型エマルション組成物−2をそれぞれ得た。
(実施例29、比較例17)
[繊維製品処理剤の調製方法]
1Lビーカー(底径180mmφ)の容器に、30℃に調整した直後の前記第二の水中油型エマルション組成物−1又は前記第二の水中油型エマルション組成物−2を入れ、45度4枚傾斜パドル翼(50mmφ)を備えた混合装置を用い、全体混合可能な回転数(500rpm程度)で撹拌を開始し、そこへ、30℃に調整した直後の実施例3又は比較例6の水中油型エマルション組成物をそれぞれ入れた。
なお、繊維製品処理剤の全量に対し、第二の水中油型エマルション組成物の配合量を96質量%、各例の水中油型エマルション組成物の配合量を4質量%とした。
その後、前記パドル翼(50mmφ)を備えた混合装置を用いて、さらに、回転数500rpm程度で10分間の撹拌を行うことにより繊維製品処理剤を得た。
<繊維製品処理剤に対する評価>
得られた繊維製品処理剤を用いて以下に示す臭気の評価を行った。その結果を表7に示す。
[平均粒子径の評価]
繊維製品処理剤の平均粒子径は、上述した水中油型エマルション組成物の平均粒子径の測定方法と同様にして測定した。
[臭気の評価]
各例の繊維製品処理剤を、50mLのSV−50瓶(日電理化硝子株式会社製、底径40mmφ、ガラス製)の容器にそれぞれ収容し、40℃の温度条件下で30日間保存した。
次いで、当該保存後の水中油型エマルションを25℃に冷却し、当該保存後の容器における瓶口の臭気について、10人のパネラー(20〜40代女性)による官能評価を行った。当該官能評価は、以下に示す評価基準(3点以上が合格、より好ましいのは3.5点以上)に基づいて行い、10人の平均点を算出することにより、繊維製品処理剤の臭気の評価を行った。
(評価基準)
ブランク(標準品)として、低温保存品(−5℃の温度条件下で30日間保存したもの)を用いた。
4点:ブランクと同等の臭気であった。
3点:ブランクと比べて、臭気に僅かに差が認められた。
2点:ブランクと比べて、臭気に明らかに差が認められた。
1点:ブランクと比べて、臭気に非常に大きな差が認められた。
Figure 0005250528
表7の結果から、実施例29の繊維製品処理剤は、経時に伴う臭気劣化が抑制されており、香りの品質が良好であることが確認できた。
また、実施例29の繊維製品処理剤は、第二の水中油型エマルション−1に、実施例3の水中油型エマルション組成物を配合することにより製造されている。したがって、本発明によれば、第二の水中油型エマルション組成物として柔軟仕上げ剤ベース組成物を用い、実施例3の水中油型エマルション組成物として複数の異なる香料を(a)成分とした水中油型エマルション組成物をそれぞれ用いることにより、香り違いの製品を簡便な方法で効率良く製造できる。

Claims (4)

  1. アルデヒド基、エステル基及び脂肪族不飽和炭化水素基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物の含有割合が40質量%以上の油性成分(a)と、陽イオン界面活性剤(b)と、非イオン界面活性剤(c)と、水(d)とを含有し、
    前記(a)成分の含有割合が10〜50質量%であり、
    前記(b)成分と前記(c)成分との合計の含有割合が11〜20質量%であり、
    かつ、(a)/[(b)+(c)]で表される質量比が0.7〜2.8であることを特徴とする水中油型エマルション組成物。
  2. 前記(a)成分と前記(b)成分とを混合して混合物(P)を得る工程(1)と、
    前記(c)成分と前記(d)成分とを混合して混合物(Q)を得る工程(2)と、
    前記混合物(P)と前記混合物(Q)とを混合する工程(3)とを有することを特徴とする請求項1記載の水中油型エマルション組成物の製造方法。
  3. 請求項1記載の水中油型エマルション組成物を含有する繊維製品処理剤。
  4. 請求項1記載の水中油型エマルション組成物と、これ以外の水中油型エマルション組成物とを混合する繊維製品処理剤の製造方法。
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