JP2009172591A - 非水溶性香料を含む水中油型エマルションの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)シリコーンに、(b)非水溶性香料を、(b)/(a)=0.1〜1.5(質量比)となる量で添加し、均一に混合し、得られた混合溶液に、(c)ノニオン性界面活性剤を、(c)/(a)=0.1〜2.0(質量比)となる量で添加し、均一に混合し、得られた混合溶液に、(d)水を、(d)/(a)=1〜5(質量比)となる量で添加し、混合し、得られた混合溶液に、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションを添加、混合して転相させ、水中油型エマルションを形成することを含む水中油型エマルションの調製方法。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、非水性香料および水と任意の割合で可溶な両親媒性溶媒を用い、香料と両親媒性溶媒と界面活性剤と混合後、別に調製した水中油型エマルションに混合する方法が開示されている。ところが、該特許文献の方法では高濃度の香料エマルションを調製する際には、両親媒性溶媒により乳化粒子が破壊され安定なエマルションが得られない。
本発明はまた、上記製造方法により得られる柔軟仕上げ剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記工程(1)〜(4):
工程(1):(a)ポリエーテル変性シリコーン、ジメチルシリコーン及びアミノ変性シリコーンから成る群から選択される、1種以上のシリコーンに、(b)非水溶性香料を、(b)と(a)との質量比(b)/(a)が0.1以上1.5以下となる量で添加し、混合する工程;
工程(2):工程(1)で得られた混合溶液に、(c)ノニオン性界面活性剤を、(c)と(a)との質量比(c)/(a)が0.1以上2.0以下となる量で添加し、混合する工程;
工程(3):工程(2)で得られた混合溶液に、(d)水を(d)と(a)との質量比(d)/(a)が1以上5以下となる量で添加、混合する工程;
工程(4):工程(3)で得られた混合溶液に、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションを添加、混合して、水中油型エマルションを形成する工程を含むことを特徴とするシリコーン及び非水溶性香料を含む水中油型エマルションの調製方法を提供する。
本発明はまた、上記製造方法により得られる柔軟仕上げ剤を提供する。
本発明において用いることのできるシリコーンは、25℃における動粘度が100mm2/s以上100,000mm2/s以下のものであるのが好ましく、1,000mm2/s以上50,000mm2/s以下であるのがより好ましく、3,000mm2/s以上20,000mm2/s以下であるのがさらに好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、安定なエマルションを得ることができ、さらに、柔軟仕上げ剤としたときに衣類に良好なしわ防止性やすべり性を付与することが可能となる。なお、本明細書において、動粘度は、JIS K2283に従って、ウベローデ粘度計を用いて測定することができる。
変性シリコーンの場合、シロキサン骨格に対する各種変性基の変性部位は、側鎖の部分でも、主鎖を部分的に分断しているものなどいずれでも良いが、側鎖に変性基を有するものがより好ましい。また、いずれの場合も主鎖の最末端はメチル基、ヒドロキシル基、水素原子であることが好ましい。
本発明において使用できるポリエーテル変性シリコーンは、下記一般式(1)で示される。
上記式において、−Z1、−Z2は、それぞれ独立に−R1、−OHであることが好ましく、−R1であることがより好ましい。R4は、炭素数1〜4の飽和炭化水素基が好ましく、メチル基が特に好ましい。R2は、炭素数1〜4の飽和炭化水素基が好ましく、プロピレン基が好ましい。R3が炭化水素基である場合には、炭素数1〜4の短鎖飽和炭化水素基が好ましい。特に好ましいR3は、水素原子又はメチル基である。
更に、上記一般式(1)において、p、q及びrは、いずれも各繰返し単位の数の平均値を表し、pは0〜50、好ましくは0〜3であり、qは1〜1000、好ましくは1〜50であり、rは10〜10000、好ましくは20〜500である。なお、上記式で表わされるポリエーテル変性シリコーンは、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、各繰返し単位がランダムに配列している構造を有するものであってもよい。
本発明で用いることのできるアミノ変性シリコーンは、側鎖及び/又は末端に有機アミノ基を導入したものであり、25℃における動粘度が上記範囲内にある。アミノ変性シリコーンとしては市販品を使用することができ、例えば以下のものが挙げられる:BY16−849、BY16−853、BY16−872、BY16−892、BY16−879B(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)及びTSF4706(GE東芝シリコーン(株)製)。
本発明で用いるシリコーンとしては上記一般式(1)で示されるポリエーテル変性シリコーンが最も好ましい。
(a)成分の量が0.1質量%未満の場合、柔軟仕上げ剤として使用したときのしわ防止効果やすべり性付与効果が不十分となる場合がある。(a)成分の量が50質量%超の場合、(C)水中油型エマルションの粘度が高くなり使用時に水への分散性が悪くなったりハンドリング性に劣ったりすることがある。
本発明の非水溶性香料は、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に開示されている香料成分をひとつまたは複数を混合し香料とし、常温(25℃)における水への溶解度が30%以下のもの、好ましくは25%以下のもの、より好ましくは20%以下のものをいう。溶解度が30%を超えると水中油型エマルションを柔軟仕上げ剤として使用した時、香気が充分に得られないことがある。溶解度は、水と香料とをそれぞれ10g量り取り、50mL分液ロートにて混合し、2層に分離するまで静置後、香料相と水相を取り分け、香料相の質量を測定して、もとの香料成分質量から減少した量が水に溶解したと見なして下記式より算出する。
溶解度=香料相の質量減少量÷香料と混合する前の水の質量×100(%)
特に衣料用柔軟仕上げ剤として用いる場合、嗜好性にもよるが、シトラール等を含むシトラス系やゲラニオール等を含むフローラル系やヒノキチオールやヒバ油等を含むウッディ系や酢酸アミルや酪酸アミル等を含むフルーツ系が好ましい。このうち、フローラル系またはフルーツ系が好ましく、フローラル系またはフルーツ系香料を全体の1〜100質量%含有する(b)非水溶性香料が好ましい。
(b)成分は、本発明の製造方法により得られる水中油型エマルションの全量を基準として、0.1〜30質量%の量で含まれるのが好ましく、0.2〜20質量%の量で含まれるのがより好ましい。
(b)成分の量が0.1質量%未満の場合、香気が充分に得られない場合がある。(b)成分の量が30質量%超の場合、安定なエマルションが得られない場合がある。
ノニオン性界面活性剤としては、高級アルコール、高級アミン、油脂又は高級脂肪酸から誘導される非イオン界面活性剤等を用いる事が出来る。一般的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。中でも下記一般式(2)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび一般式(3)で示されるポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。非水溶性香料に低温で揮発する成分が含まれる場合は融点の低いもの、具体的には0〜45℃程度のものを選択することが好ましい。
(c)成分は、本発明の製造方法により得られる水中油型エマルションの全量を基準として、0.01〜10質量%の量で含まれるのが好ましく、0.1〜5質量%の量で含まれるのがより好ましい。
(c)成分の量が0.01質量%未満の場合、(C)水中油型エマルションが相分離する場合がある。(c)成分の量が10質量%超の場合、製造コストが高くなることがある。
別に調製した水中油型エマルションを構成する界面活性剤としては、衣料用柔軟仕上げ基剤として通常用いられているジアルキルジメチルアンモニウム塩やジアルキルメチルアミン塩などのカチオン性界面活性剤を主成分として水に乳化させることにより製造することができる。その他の構成成分は、カチオン性界面活性剤、分散安定化剤、抗菌剤、色素、香料、水などである。
前記カチオン性界面活性剤としては、下記一般式(4)に示す4級アンモニウム塩、下記一般式(5)に示すアミンの中和物、又は下記一般式(6)に示すイミダゾリンの中和物、イミダゾリニウム塩、アミノ酸系カチオン界面活性剤などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、式(4)で表される4級アンモニウム塩が好ましい。
前記一般式(4)の4級アンモニウム塩の具体例としては、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアロイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジオレオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、N−ステアロイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、ジステアロイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、N−ステアロイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートが好ましい。
前記アミンの中和物としては、例えば、ジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイルメチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩、N−(3−オクタデカノイルアミノプロピル)−N−(2−オクタデカノイルオキシエチル−N−メチルアミン塩酸塩などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記イミダゾリン塩の具体例としては、1−オクタデカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリン塩酸塩などが挙げられる。前記イミダゾリニウム塩としては、メチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アルキルイミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノイルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウムエチルサルフェートなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのカチオン性界面活性剤のうちでも、非水溶性香料に低温で揮発する成分が含まれる場合は融点の低いものを選択することが好ましい。
カチオン性界面活性剤の配合量は、別に調製した水中油型エマルションの全量を基準として通常3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
(e)別に調製した水中油型エマルションの乳化分散工程は、特開昭63−143935号公報、特開平5−310660号公報などに記載されている方法を用いることができる。
具体的には、衣料用柔軟基仕上げ剤として通常用いられているカチオン性界面活性剤を含む油相を高剪断下に水相に乳化分散させる。この時使用する高剪断乳化装置としては、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、フィルミックス、ウルトラミキサー、ラインミキサー、ベコミックス、レキサミックスなどが挙げられる。乳化温度は、使用するカチオン性界面活性剤の相転移温度以上が好ましいが、高剪断のレベルが高く、羽根直近に油相添加ノズルが設けられている場合には、使用するカチオン性界面活性剤の相転移温度以下でも乳化が可能である。
バッチ式で製造する場合は、高剪断乳化機ベッセルに水相を仕込み、油相を導入して乳化分散させることが効率上好ましいが、上記水相とカチオン性界面活性剤を含む油相との乳化順序は特に問われない。なお、乳化分散後に減粘化のための無機塩水溶液や安定化のための水溶性高分子水溶液や色素水を添加してもかまわない。
水中油型エマルションの粘度をコントロールする目的で、無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。無機の水溶性塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸もしくは硝酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩等があげられる。有機の水溶性塩類としては、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。好ましくは、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムである。
塩類の配合量は、水中油型エマルション全量に対し0.001〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%であるのが好ましい。これら塩類は水中油型エマルション製造のどの工程で添加してもよい。
金属イオン封鎖剤の配合量は、水中油型エマルション全量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.5質量%である。配合量が少なすぎると、水中油型エマルションを液体柔軟仕上げ剤組成物とした場合その効果が充分でなく、多すぎると相分離を生じたりする場合がある。
酸化防止剤の配合量は、水中油型エマルション全量に対し0〜1質量%、好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.001〜0.1質量%であるのが好ましい。配合量が少なすぎると、水中油型エマルションを液体柔軟仕上げ剤組成物とした場合その効果が充分でなく、多すぎると製造コストが高くなる。
1)イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びそれらの混合物が挙げられる。具体的には、ローム・アンド・ハース社のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学社製のジュンサイド5などジュンサイドシリーズなど市販品を用いることができる。
上記1)〜3)の化合物は、安定化のために、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンと共存させるか、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール溶液として組成物に添加されることが好ましい。
水中油型エマルションの保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
香料、シリコーン、界面活性剤等の原料の安定性やハンドリング性を向上する目的で、上記原料に希釈剤として溶媒を使用した原料を水中油型エマルションに配合することができる。上記溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコールなどの炭素数1〜4の低級アルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数2〜6及びヒドロキシル基数2〜6の多価アルコール等が挙げられる。
工程(1)において、(a)シリコーンに、(b)非水溶性香料を、(b)と(a)との質量比(b)/(a)が0.1以上1.5以下、好ましくは0.1以上1.2以下、より好ましくは0.1以上1.0以下、さらに好ましくは0.12以上0.80以下となる量で添加し、好ましくは均一に混合する。
(b)/(a)が0.1未満だと、(a)シリコーンがゲル化することがある。また、香気が不十分となり、香気を確保するために他の成分の使用量が増え不経済となる。
(b)/(a)が1.5を超えると、香料が乳化できないことがある。
本発明における混合装置は、ホモミキサー、ウルトラミキサー、フィルミックス、マイルダー、クレアミックス、ラインミキサーなどの高剪断型の装置以外にも、プロペラ羽根やパドル羽根を備えた低剪断型の装置でも安定な水中油型エマルションを得ることができる。本発明によればプロペラ羽根やパドル羽根を備えた装置を用いてシリコーン及び香料を同時に乳化安定する場合には、50〜400[1/s]程度の剪断力を付与することにより、水中油型エマルションを得ることができる。剪断力は、通常固定された壁と移動している壁との間に生ずるずり速度のことであるが、攪拌槽を考えると槽壁を固定壁、攪拌羽根の先端を移動壁と見なして以下の数式によって定義される。
<数式1>
ずり速度γ=2π×n×d/(D−d) 単位[1/s]
(但し、nは羽根回転数[rps]、dは羽根径[m]、Dは撹拌槽径[m](ステーターが有る場合はステーター内径[m])である。)
混合装置の回転数、混合時間は例えば250mLポリビーカー(直径:70mm)に45度4枚傾斜パドル2段(直径:50mm、羽根幅:10mm、厚さ:1.5mm)を備えた混合装置の回転数は通常300〜1500rpm、好ましくは500〜1200rpmである。混合時間は通常0.5〜10分、好ましくは1〜5分である。
また、混合時の温度は、通常25〜50℃、好ましくは30〜45℃とすることで、沸点の低い香料成分が揮発や、香質の劣化を防ぐことができる。
工程(2)において、工程(1)で得られた混合溶液に、(c)ノニオン性界面活性剤を、(c)と(a)との質量比(c)/(a)が0.1以上2.0以下、好ましくは0.2以上1.5以下、より好ましくは0.3以上1.0以下となる量で添加し、好ましくは均一に混合する。
(c)/(a)が0.1未満だと、分散状態が悪くなることがある。(c)/(a)が2.0を超えると、エマルションが増粘することがある。
工程(2)における混合手段、混合装置の回転数、混合温度及び混合時間は工程(1)について述べたのと同様である。混合溶液の粘度を低減させ混合性を向上させる観点から、(c)ノニオン界面活性剤は、工程(1)で得られる混合溶液と同程度の温度に予め加温しておくのがよい。
工程(3)において、工程(2)で得られた混合溶液に、(d)水を(d)と(a)との質量比(d)/(a)が1以上5以下、好ましくは1.2以上4.5以下、より好ましくは1.5以上4.0以下、さらに好ましくは1.8以上3.5以下となる量で添加、混合して、混合溶液を調製する。
このように工程(3)を経ることで、工程(2)で得られた混合溶液が工程(3)もしくは工程(4)において水中油型エマルションへと転相する際に充分な混合が付与され微細な水中油型エマルションを形成することができる。工程(4)において、工程(3)で得られた混合溶液に、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションを添加、混合して転相させるのが好ましい。(d)/(a)が1未満であるか又は5を超えると、微細なエマルションが得られないことがある。
工程(3)における混合手段、混合装置の回転数、混合温度及び混合時間は工程(1)について述べたのと同様である。混合溶液の粘度を低減させ混合性を向上させる観点から、(d)水は、工程(2)で得られる混合溶液と同程度の温度に予め加温しておくのがよい。
工程(4)において、工程(3)で得られた混合溶液に、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションを添加、混合して、水中油型エマルションを形成する。
工程(3)で得られた混合溶液に対する(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションの添加量は、水中油型エマルションを柔軟仕上げ剤として使用したときの香気、しわ防止効果、すべり性付与効果を得る観点から、(a)シリコーンおよび(b)非水溶性香料が上記の範囲となるようにするのが好ましい。
工程(4)における混合手段、混合装置の回転数、混合温度及び混合時間は工程(1)について述べたのと同様である。混合溶液の粘度を低減させ混合性を向上させる観点から、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションは、工程(3)で得られる混合物と同程度の温度に予め加温しておくのがよい。
工程(1)
40℃に加温したシリコーン(a)20gを250mLポリビーカー(直径:70mm)に取り、表6〜表8記載の比率となるように常温(25℃)の香料(b)を添加し、45度4枚傾斜パドル2段(直径:50mm、羽根幅:10mm、厚さ:1.5mm)を用い、羽根からの吐出流が撹拌槽底に向かうように羽根の角度を水平方向に対して45度に設定し、500rpmで1分間40℃で回転させ混合した。
工程(2)
工程(1)の混合液に40℃に加温したノニオン性界面活性剤(c)を表6〜表8記載の比率となるように添加し、工程(1)と同一の撹拌翼を用いて1000rpmで、1分間40℃で混合し、混合液(2)を得た。
工程(3)
工程(2)の混合液に40℃に加温した(d)水を表6〜表8記載の比率となるように添加し、工程(1)と同一の撹拌翼を用いて1000rpmで、3分間40℃で混合し、混合液(3)を得た。
工程(4)
40℃に加温した(e)水(実施例1〜14及び比較例1〜3)または別に調製した水中油型エマルション(実施例15及び16)100gを別の250mLポリビーカー(直径:70mm)に取り、工程(3)の混合液を表6〜表8記載の比率となるように添加し、工程(1)と同一の撹拌翼を用いて1000rpmで、2分間40℃で混合し、水中油型エマルションを得た。
(I)カチオン性界面活性剤(ジステアロイルオキシエチルジメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチル硫酸塩:ライオンアクゾ(株)「アーカードTES−85E」)を55℃に加熱し油相とした。精製水227.4gと抗菌剤(ローム&ハース(株)「ケーソンCG/ICP」)0.04gを均一に混合後40℃に加熱し水相とした。水相をプライミクス株式会社製ロボミクスホモミキサー(ローター径30mm、ステーターとのクリアランス0.5mm、500mLベッセル)に仕込み、ホモミキサー10000rpm回転下にて油相61.8gをノズル添加し均一に乳化後、色素(C.I.アシッドレッド138:日本化薬(株)「カヤノールミリングレッドBW」)4mg 、15%塩化カルシウム(試薬特級)水溶液11.7gを添加した。その後25℃まで冷却をし、水中油型エマルションを得た。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 ((株)堀場製作所製 LA−920)を用いて、フロー測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正濃度範囲になるように試料を蒸留水で希釈して、25℃、相対屈折率1.08にて体積基準のメジアン径(d50)を測定した。d50値が5μm以上の粒子の割合により、以下の基準で分散状態を評価した。分散状態及びd50値の値を表6〜表8に示す。
分散状態の評価基準
◎:0%以上10%未満
○:10%以上20%未満
△:20%以上30%未満
×:30%以上50%未満
××:50%以上
Claims (5)
- 下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするシリコーン及び非水溶性香料を含む水中油型エマルションの調製方法:
工程(1):(a)ポリエーテル変性シリコーン、ジメチルシリコーン及びアミノ変性シリコーンからなる群から選択される1種以上のシリコーンに、(b)非水溶性香料を、(b)と(a)との質量比(b)/(a)が0.1以上1.5以下となる量で添加し、混合する工程;
工程(2):工程(1)で得られた混合溶液に、(c)ノニオン性界面活性剤を、(c)と(a)との質量比(c)/(a)が0.1以上2.0以下となる量で添加し、混合する工程;
工程(3):工程(2)で得られた混合溶液に、(d)水を(d)と(a)との質量比(d)/(a)が1以上5以下となる量で添加し、混合する工程;
工程(4):工程(3)で得られた混合溶液に、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションを添加、混合して、水中油型エマルションを形成する工程。 - シリコーンが、ポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 工程(4)において、工程(3)で得られた混合溶液に、(e)水及び/又は別に調製した水中油型エマルションを添加、混合して転相させることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
- ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/又ポリオキシエチレンアルキルアミンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法により得られる柔軟仕上げ剤。
Priority Applications (1)
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