JP4833462B2 - 変性シリコーンエマルジョン及び衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法 - Google Patents

変性シリコーンエマルジョン及び衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンを繊維処理剤や衣料用柔軟仕上げ剤の基剤又は性能付与剤として好適に使用することができる変性シリコーンエマルジョン、衣料用柔軟仕上げ剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
変性シリコーンは、ジメチルポリシロキサン骨格にアミノ基やエポキシ基やポリオキシアルキレン基等の官能基を付与した構造を有する。このような変性シリコーンの中でも水溶性の高いポリエーテル変性シリコーンを乳化する場合は、特開平2−191774号公報に記載されているように、水相に直接溶解又は分散させて簡単にエマルジョンを得ることができ、かつ、衣料用柔軟仕上げ剤への配合が容易である。
【0003】
しかしながら、水と接触するとゲル化してしまう変性シリコーンの場合は、乳化する際に水と接触した瞬間に強固なゲルを形成してしまい、微粒化の障害となるため、乳化が非常に困難である。これは、他の未変性のジメチルシリコーンでは起こらず、水と接触するとゲル化する変性シリコーン特有の現象である。
【0004】
このような変性シリコーンのエマルジョンの調製には、東レダウコーニングシリコーン(株)発行の「繊維用シリコーンカタログ」(1989年12月発行)に記載されているように、変性シリコーンとノニオン性界面活性剤を予め混合して、ホモジナイザーやホモミキサー、コロイドミルを用いて高剪断のもとに水に乳化分散させる方法、又は、変性シリコーンとノニオン性界面活性剤の混合物に水を徐々に添加してW/Oエマルジョンを調製してから高剪断下で水に転相乳化させる方法が用いられているが、これらの方法では、高剪断を発生させる乳化機が必須であり、より簡便にエマルジョンを得る方法が望まれている。
【0005】
また、特開平9−316331号公報には、オルガノポリシロキサンをカチオン性界面活性剤で乳化する方法が提案されているが、この提案ではオルガノポリシロキサンとカチオン性界面活性剤と水を混合して高剪断力下でW/O型からO/W型に転相乳化させており、粒径も数10μmの大きな粒子しか得られていない。
【0006】
また、特開平11−21587号公報には、ポリオルガノシロキサンをソルビタン系界面活性剤を用いて乳化している例が提案されているが、この提案でもポリオルガノシロキサンとしてポリジメチルシロキサンを用いて高剪断力をかけて乳化分散させている。
【0007】
更に、特開平11−12286号公報及び特開平11−148011号公報にシリコーンエマルジョンの製造方法が提案されているが、いずれも高剪断力を必須とした製造方法である。
【0008】
このように、低剪断下でエマルジョンが得られる製造方法は、未だ実現できていないのが現状である。
【0009】
一方、衣料用柔軟仕上げ剤への変性シリコーンの配合方法については、特開平2−112481号公報には、ジメチルポリシロキサンの1%アミノ変性物をステアリルアルコールのエチレンオキサイド11モル付加物で乳化したエマルジョンを作成して柔軟仕上げ剤に配合しているが、この乳化物の調製には有機溶媒を使用するような工夫は何ら見られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンのエマルジョンを、高剪断を付加せずに簡便に得ることができる変性シリコーンエマルジョン、該変性シリコーンエマルジョンを配合した衣料用柔軟仕上げ剤、及び衣料用柔軟仕上げ剤の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンのエマルジョンを簡便に得る方策について鋭意検討した結果、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解させることで、高剪断力下では勿論、低剪断力下であっても水に容易に乳化できることを知見した。
【0012】
また、本発明の変性シリコーンエマルジョンを衣料用柔軟仕上げ剤に配合すること、又は、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解させた混合溶解物を、(i)別に調製した衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液中に乳化させるか、或いは(ii)衣料用柔軟基剤の乳化分散工程に同時に添加し乳化させることにより、変性シリコーンのエマルジョンを含有した衣料用柔軟仕上げ剤が容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、上記課題を解決するため、下記の変性シリコーンエマルジョン、衣料用柔軟仕上げ剤及びその製造方法を提供する。
【0014】
請求項1の発明は、(a)水と接触するとゲル化する変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解し、水に乳化分散させて得られることを特徴とする変性シリコーンエマルジョンである。
請求項2の発明は、請求項1記載の変性シリコーンエマルジョンを配合してなる衣料用柔軟仕上げ剤である。
請求項3の発明は、(a)水と接触するとゲル化する変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解し、この混合溶解物を、(i)別に調製した衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液中に乳化させるか、或いは(ii)衣料用柔軟基剤の乳化分散工程に同時に添加し乳化させることにより得られることを特徴とする衣料用柔軟仕上げ剤である。
請求項4の発明は、(a)水と接触するとゲル化する変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解し、この混合溶解物を、(i)水に乳化分散させてなる変性シリコーンエマルジョンを衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液と混合させるか、(ii)別に調製した衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液中に乳化させるか、或いは(iii)衣料用柔軟基剤の乳化分散工程に同時に添加し乳化させることを特徴とする衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
<変性シリコーンエマルジョン>
本発明の変性シリコーンエマルジョンは、(a)水と接触するとゲル化する変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解し、水に乳化分散させて得られるものである。
【0016】
前記(a)成分の水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンは、水と混合した場合に粘度が上昇してゲル化を起こすものであり、この性質から考えると少なくとも親水性の官能基で変性されたものである。
前記親水性の官能基としては、ポリオキシエチレン鎖やポリオキシプロピレン鎖などのポリエーテル基、アミノ基などが挙げられる。シリコーン骨格中の官能基の配列については、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、又は、各繰返し単位がランダムに配列しているランダムコポリマーの構造を有するものであってもよい。
【0017】
このような変性シリコーンの種類としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられるが、水溶性の変性シリコーンは水と接触してゲル化を起こさないため含まれない。
【0018】
前記(a)成分の水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンを具体的に例示すると、東芝シリコーン(株)製のポリエーテル変性シリコーン(品番TSF4445、TSF4446、TSF4460)、信越化学工業(株)製のポリエーテル変性シリコーン(品番KF353A、KF945A、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017)、東レダウコーニングシリコーン(株)製のポリエーテル変性シリコーン(品番SH3775C,SH3775M,SH3772C、SH3748、SH3749)、東芝シリコーン(株)製のアミノ変性シリコーン(品番TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703)、東レダウコーニングシリコーン(株)製のアミノ変性シリコーン(SF8417、BY16−828、BY16−849、BY16−850)、東レダウコーニングシリコーン(株)製のアルキル・アラルキル・ポリエーテル変性シリコーン(品番SF8419)などが挙げられる。これらの中で好ましいものは、HLBが3以上8以下のポリエーテル変性シリコーンである。
【0019】
前記(a)成分の変性シリコーンの動粘度は、ハンドリング性から100〜100,000mm/sのものが好ましく、更に好ましくは100〜5,000mm/sである。
【0020】
エマルジョン中の(a)成分の変性シリコーンの配合割合は、1質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜40質量%、更に好ましくは10質量%〜30質量%である。
(a)成分の変性シリコーンの配合割合が多すぎると凝集・分離等を起こして安定性が悪くなる場合があり、一方、少なすぎると経済性が悪くなる場合がある。
【0021】
前記(b)成分の有機溶媒としては、(a)成分の変性シリコーンと相溶性のあるものならば特に制限はないが、衣料用柔軟仕上げ剤に使用することを考慮するならば、人体への有害性の強いものは避けるべきである。なお、変性シリコーンの種類によって、この変性シリコーンに相溶性のある有機溶媒を組合せることが好ましい。
【0022】
前記(b)成分の有機溶媒の具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、糖アルコールなどの多価アルコールが挙げられる。中でも、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
【0023】
前記(a)成分の変性シリコーンに対する(b)成分の有機溶媒の配合比率は、質量比で(a)成分の変性シリコーン/(b)成分の有機溶媒=100/5〜100/100、好ましくは100/30〜100/80、更に好ましくは100/40〜100/60である。
前記(b)成分の有機溶媒の配合比率が大きすぎると経済性が悪くなる場合があり、一方、少なすぎると変性シリコーンが乳化時にゲル化してしまう場合がある。
【0024】
前記(c)成分のカチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤のうち、カチオン性界面活性剤としては、下記一般式(I)に示すような4級アンモニウム塩、下記一般式(II)に示すようなアミンの中和物、又は下記一般式(III)に示すようなイミダゾリンの中和物、イミダゾリニウム塩、アミノ酸系カチオン界面活性剤などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
【化1】
〔但し、式中 の基は、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていてもよい。また、 〜Rの残りの基は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基若しくは−(CH−CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素原子又はCHであり、nは2〜10の数である)で表される基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキル硫酸基である。〕
【0026】
【化2】
〔但し、式中R〜Rのうち少なくとも1つ以上2つ以下の基は、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていてもよい。R〜Rの残りの基は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基若しくは−(CH−CH(Y)−O)−H(式中、Yは水素原子又はCHであり、nは2〜10の数である)で表される基である。〕
【0027】
【化3】
〔但し、式中Rは炭素数10〜26のアルキル又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断もしくは−OH等の官能基で置換されていてもよい。Rは、R又は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基あるいは−(CH−CH(Y)−O)−H(式中、Yは水素原子又はCHであり、nは2〜10の数である)で表される基である。〕
【0028】
前記一般式(I)の4級アンモニウム塩の具体例としては、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−ステアロイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
前記一般式(II)のアミン又は一般式(III)のイミダゾリンの中和は、通常の酸を用いることができる。前記酸としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸等の有機酸などが挙げられる。
【0030】
前記アミンの中和物としては、例えば、ジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイルメチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩、N−(3−オクタデカノイルアミノプロピル)−N−(2−オクタデカノイルオキシエチル−N−メチルアミン塩酸塩などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
前記イミダゾリン塩の具体例としては、1−オクタデカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリン塩酸塩などが挙げられる。
前記イミダゾリニウム塩としては、メチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アルキルイミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノイルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウムエチルサルフェートなどが挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
これらのカチオン性界面活性剤のうちでも、モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキルタイプの4級アンモニウム塩が乳化力の面から好ましい。
【0033】
前記(c)成分のカチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤のうち、ノニオン性界面活性剤としては、一般的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
これらのノニオン性界面活性剤のHLBは、エマルジョン形成を目的とするため8〜20程度が適当である。
【0034】
このようなノニオン性界面活性剤の具体例としては、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット、POE(40)ひまし油、POE(50)ひまし油、POE(40)硬化ひまし油、POE(60)硬化ひまし油、POE(100)硬化ひまし油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO)、POE(20)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)イソデシルエーテル、POE(60)イソヘキサデシルエーテル、POE(40)イソトリデシルエーテル、POE(50)イソトリデシルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(25)オクチルドデシルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(7.5)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ステアリルアミン、POE(15)ステアリン酸アミドなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
前記(c)成分のカチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤の合計の配合量は、(a)成分の変性シリコーンに対しての配合比率が、質量比で(a)成分の変性シリコーン/(c)成分の界面活性剤=100/1〜100/100である。
分子内にPOE鎖を持つ変性シリコーンを用いる場合は、配合比率が、質量比で(a)成分の変性シリコーン/(c)成分の界面活性剤=100/5〜100/60が好ましく、100/10〜100/50が更に好ましい。
分子内にアミノ基を持つ変性シリコーンを用いる場合は、配合比率が、質量比で(a)成分の変性シリコーン/(c)成分の界面活性剤=100/30〜100/100が好ましく、100/50〜100/100が更に好ましい。
前記(c)成分の界面活性剤の配合比率が大きすぎると経済性が悪くなる場合があり、一方、少なすぎると変性シリコーンが乳化時にゲル化してしまう場合がある。
【0036】
本発明の変性シリコーンエマルジョンを製造する際には、前記(a),(b),(c)成分を混合溶解させるが、この場合、混合溶解条件については、特に制限されず一般的な混合条件でよい。混合温度は、使用するカチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤の融点によって異なるが、通常、常温〜50℃ぐらいである。また、揮発しやすい有機溶媒を使用する場合は、なるべく低い温度が好ましい。混合装置は、プロペラ羽根やパドル羽根を備えた一般的な攪拌槽でよく、スタティックミキサーのような連続混合機を用いてもよい。
【0037】
前記(a),(b),(c)成分を混合溶解させて得られる混合溶解物は、次に、水相に乳化分散される。通常はこの乳化分散にホモミキサー、ウルトラミキサー、フィルミックス、マイルダー、クレアミックスなどの高剪断型の乳化装置が使われるが、本発明においては、低剪断でも乳化できる。
ここで、低剪断とは、通常の攪拌操作で用いられるプロペラ羽根やパドル羽根による攪拌剪断下のレベルである。剪断力は、通常固定された壁と移動している壁との間に生ずるずり速度のことであるが、攪拌槽を考えると槽壁を固定壁、攪拌羽根の先端を移動壁と見なして以下の数式によって定義される。
【0038】
<数式1>
ずり速度γ=2π×n×d/(D−d) 単位[1/s]
(但し、nは羽根回転数[rps]、dは羽根径[m]、Dは撹拌槽径[m]である。)
【0039】
高剪断のレベルを上記ずり速度を用いて具体的に示すと、装置の大きさによって羽根と壁とのクリアランスの長さが異なるが、ラボスケールで10000(1/s)〜160000(1/s)程度であり、10000(1/s)以下が中剪断のレベル、低剪断になると、ずり速度150(1/s)以下である。また、ずり速度の下限は、液全体を流動させる観点から考えると、5(1/s)程度である。更に、プロペラ羽根やパドル羽根を設置した攪拌槽を用いる場合には、邪魔板を設置して混合力を高めても構わない。
本発明においては、高剪断は勿論、低剪断においても問題なく乳化することができ、簡便かつ効率よく乳化作業が行えるものである。
【0040】
前記乳化の際の水相成分としては、水が主であるが、本発明の目的及び効果を妨げない範囲で、抗菌剤、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、色素、酸化防止剤、無機塩、有機酸塩などを任意に配合できる。また、衣料用柔軟仕上げ剤に使われる成分を予め水相に配合しておいても構わない。
【0041】
このようにして調製される変性シリコーンエマルジョンは、外観は半透明から白濁状態であり変性シリコーンの浮上分離などは認められない。また、界面活性剤の種類と配合比率によっては、透明度のあるエマルジョンが得られることがある。エマルジョンの粘度は、変性シリコーンの濃度や界面活性剤の種類によって影響を受けるが、室温で数mPa・s〜5000mPa・s程度のハンドリング性の良いレベルである。
【0042】
前記変性シリコーンエマルジョンの体積平均粒子径は、0.01μm〜10μm程度であり、衣料用柔軟仕上げ剤としての使用を考えると、分離防止の観点より0.01μm〜5μm程度であることが好ましく、更に好ましくは0.01μm〜1μm程度であることが好ましい。
【0043】
このように本発明の変性シリコーンエマルジョンは、粒子径が細かくハンドリング性がよく、単独で繊維の風合い改良剤や毛髪のつや出し処理剤などとして使用可能であると共に、他の衣料用柔軟仕上げ剤やヘアリンスなどの液体製品と容易に混合することができるものである。
【0044】
<衣料用柔軟仕上げ剤及びその製造方法>
次に、水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンを配合した衣料用柔軟仕上げ剤及びその製造方法に関して説明する。
【0045】
前記衣料用柔軟仕上げ剤は、ジアルキルジメチルアンモニウム塩やジアルキルメチルアミン塩などのカチオン性界面活性剤を主成分とする衣料用柔軟基剤を水に乳化させたものが一般的である。その構成成分は、カチオン性界面活性剤、低温安定化剤、分散安定化剤、抗菌剤、色素、香料、水などである。
【0046】
前記カチオン性界面活性剤としては、上記変性シリコーンのエマルジョン形成の項で記載したものが挙げられる。なお、カチオン性界面活性剤の配合量は3〜45質量%程度である。
【0047】
前記低温安定化剤としては、エタノールやイソプロパノールなどの低級アルコール類やエチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類が挙げられる。なお、低温安定化剤の配合量は0〜10質量%程度である。
【0048】
前記分散安定化剤としては、上記変性シリコーンのエマルジョン形成の項で記載したノニオン性界面活性剤や水溶性高分子などが挙げられる。なお、分散安定化剤の配合量は0.1〜5質量%程度である。
【0049】
その他、抗菌剤、防腐剤、殺菌剤、無機酸(又は塩)、有機酸(又は塩)、色素、香料などを適量配合することができる。これらの成分のうち、油性の強い成分はカチオン性界面活性剤を主とする油相に溶解させ、水性の強い成分は水を主とする水相に溶解させることが好ましい。
【0050】
本発明では、更に(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンを配合する。この(a)成分の配合量は、衣料用柔軟仕上げ剤全量を基準として変性シリコーン純分で0.1〜5質量%程度であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜3質量%程度である。
(a)成分の変性シリコーンの配合量が少なすぎると、効果が十分に発揮されない場合があり、一方、多すぎると変性シリコーン乳化で必要な有機溶媒の量が多くなり、粒子の凝集や分離を起こす場合がある。
【0051】
ここで、本発明の衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法は、(a)水と接触するとゲル化する変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを混合溶解し、この混合溶解物を、第1に、水に乳化分散させてなる変性シリコーンエマルジョンを衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液と混合するか、第2に、別に調製した衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液中に乳化させるか、或いは、第3に、衣料用柔軟基剤の乳化分散工程に同時に添加し乳化させる、3つの方法により製造することができる。
【0052】
第1の衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法は、上記本発明の変性シリコーンエマルジョンを、別に調製したジアルキルジメチルアンモニウム塩やジアルキルメチルアミン塩などを主成分とする衣料用柔軟基剤の乳化分散液又は水を削減した衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液と混合するものである。
この場合、混合条件は、エマルジョン同士の混合であるため特別な装置は必要無く、プロペラ羽根やパドル羽根を備えた一般的な攪拌槽又はスタティックミキサーなどの連続型混合装置を用いて、汎用の条件で行うことができる。
【0053】
第2の衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法は、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと(b)有機溶媒と(c)カチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤との混合物を、予め調製したジアルキルジメチルアンモニウム塩やジアルキルメチルアミン塩などを主成分とする衣料用柔軟基剤の乳化分散液又は水を削減した衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液に乳化させるものである。
この場合、乳化条件は、上記変性シリコーンエマルジョンの形成条件に基づき高剪断下でも低剪断下でも行うことができ、剪断力の程度は、上記ずり速度を指標にして同様のレベルである。乳化温度は、使用する(c)成分のカチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤の融点によって異なるが、通常常温〜50℃ぐらいである。なお、揮発しやすい有機溶媒を使用する場合は、なるべく低い温度が好ましい。
【0054】
第3の衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法は、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと(b)有機溶媒と(c)カチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤の混合物を、衣料用柔軟基剤の乳化分散工程に同時に添加して乳化させるものである。
前記衣料用柔軟基剤の乳化分散工程は、特開昭63−143935号公報、特開平5−310660号公報などに記載されている方法を用いることができる。
【0055】
具体的には、衣料用柔軟基剤を含む油相を高剪断下に水相に乳化分散させる。この時使用する高剪断乳化装置としては、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、フィルミックス、ウルトラミキサー、ラインミキサー、ベコミックス、レキサミックスなどが挙げられる。乳化温度は、使用するカチオン性界面活性剤の相転移温度以上が好ましいが、高剪断のレベルが高く、羽根直近に油相添加ノズルが設けられている場合には、使用するカチオン性界面活性剤の相転移温度以下でも乳化が可能である。
【0056】
連続式で製造する場合は、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーン、(b)有機溶媒、及び(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤の混合物を第1の流体、カチオン性界面活性剤を含む油相を第2の流体として、水相とともに高剪断乳化機に同時に導入し乳化分散させる方法が好ましい。
【0057】
バッチ式で製造する場合は、上記連続式と同様に2つの油相を同時に高剪断乳化機に導入して乳化分散させることが装置の効率上好ましいが、上記変性シリコーンを含む混合物とカチオン性界面活性剤を含む油相との乳化順序は特に問われない。なお、乳化分散後に減粘化のための無機塩水溶液や安定化のための水溶性高分子水溶液や色素水を添加してもかまわない。
【0058】
このようにして得られる本発明の衣料用柔軟仕上げ剤の性状は、液粘度が数mPa・s〜数100mPa・sである。変性シリコーンエマルジョンと柔軟基剤の乳化粒子とは、製造方法によって存在形態に違いがあるが、共に分散状態にあるか、又は、両者が吸着して一体となっているかのどちらかであると考えられる。
【0059】
本発明の衣料用柔軟仕上げ剤は、衣類に良好ななめらかさを与えることに加え、洗濯工程により形成されるしわの形成を低減し、衣類の型崩れを防止することができるものである。
【0060】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら制限されるものではない。
【0061】
[実施例1〜、比較例1,2、参考例4〜17
表1,2に示した(a)変性シリコーン、(b)有機溶媒、(c)カチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤を、表1,2の乳化温度と同じ温度で混合し油相とした。この時、油相の外観は透明から微濁であった。これとは別に200mLビーカーに水相を仕込んで表1,2の乳化温度と同じ温度に調整した。次に、38mmφのプロペラ羽根を用いて、表1,2のずり速度条件下で表1,2の油相添加時間をかけて水相中に油相を乳化した。
【0062】
得られた各エマルジョンについて、室温まで放冷後、下記方法で外観、液粘度、及び平均粒径の測定を行った。結果を表1,2に併記する。
【0063】
<評価方法>
外観の判定は目視で行った。
液粘度はBL型回転粘度計を用いてNo.2ローター、30回転の条件で10回転目の値を記録した。
平均粒径は、白濁状態のものは位相差顕微鏡を用いてスケールとの比較で決定し、透明から半透明状態のもの(株)日機装製のマイクロトラックUPA粒度分布計を用いて測定した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
*1:東レダウコーニングシリコーン(株)製 SH3775
*2:信越化学工業(株)製 KF945A
*3:東芝シリコーン(株)製 TSF4460
*4:東レダウコーニングシリコーン(株)製 SF8417
【0066】
表1,2の結果から、(a)成分の水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(b)成分の有機溶媒と、(c)成分のカチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤とを混合することによって、ずり速度100(1/s)以下の低剪断下でも変性シリコーンエマルジョンが得られる。
【0067】
これに対して、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(b)有機溶媒のみの混合物を低剪断下で乳化させた場合(比較例1)は、変性シリコーンがゲル化してしまいエマルジョンが得られなかった。
また、(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(c)カチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤のみの混合物を低剪断下で乳化させた場合(比較例2)は、油相の粘度が高く乳化不良ですぐ分離してしまった。
【0068】
参考例18〜20]
表3に示した(a)水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(b)有機溶媒と、(c)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤とを、表3の乳化温度と同じ温度で混合し油相とした。この油相を表3の乳化装置を用いて、先に装置に仕込んだ水相に、表3のずり速度条件下で表3の油相添加時間をかけて油相を乳化した。
【0069】
得られた各エマルジョンについて、実施例1〜参考例4〜17と同様に、外観、液粘度、平均粒径の測定を行った。結果を表3に併記する。
【0070】
【表3】
*1:東レダウコーニングシリコーン(株)製 SH3775
【0071】
表3の結果から、(a)成分の水と接触するとゲル化して乳化困難な変性シリコーンと、(b)成分の有機溶媒と、(c)成分のカチオン性界面活性剤及び又はノニオン性界面活性剤とを混合することによって、高剪断力下においても良好な変性シリコーンエマルジョンが形成できることが分かった。
また、表1〜3の結果から、本発明に係る実施例の変性シリコーンエマルジョンは、高剪断力乃至低剪断力下のいずれの条件でも水と容易に乳化することができることが認められる。
【0072】
[実施例21]
実施例2の変性シリコーンエマルジョン10質量部を、市販の衣料用柔軟仕上げ剤のライオン(株)製ソフランC 90質量部に室温でパドル攪拌下に添加して混合し、衣料用柔軟仕上げ剤を調製した。
得られた衣料用柔軟仕上げ剤の液粘度は、室温で60mPa・sであった。
【0073】
参考例22]
参考例5の変性シリコーンエマルジョンと市販の衣料用柔軟仕上げ剤のライオン(株)製ソフランCとを10:90の質量比率でスタティックミキサーを用いて室温で混合し、衣料用柔軟仕上げ剤を調製した。
得られた衣料用柔軟仕上げ剤の液粘度は、室温で50mPa・sであった。
【0074】
参考例23]
ポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニングシリコーン(株)製SH3775C)8gと、エタノール4gと、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド4gを40℃で混合して油相を用意した。別に市販の衣料用柔軟仕上げ剤のライオン(株)製ソフランC 384gを500mLビーカーに仕込み、温度を35℃とした。55mmの傾斜4枚パドル羽根を用いて400rpmで液を混合しながら、上面より油相を2分間かけて徐々に添加して乳化し、衣料用柔軟仕上げ剤を得た。
得られた衣料用柔軟仕上げ剤の液粘度は、70mPa・sであった。
【0075】
参考例24]
ポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニングシリコーン(株)製SH3775C)1質量部と、エタノール0.3質量部と、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.3質量部とを40℃で混合して油相1を用意した。別に、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(ライオン(株)製アーカード218P,カチオン分75%)5質量部と、エチレングリコール2質量部と、フローラル系香料0.2質量部を45℃で混合して油相2を用意した。
更に、精製水80質量部と、塩化カルシウム0.01質量部と、分散安定化剤としてPOE(40)イソトリデシルエーテル0.5質量部と、抗菌剤:微量と、色素:微量を35℃で混合して水相を用意した。
これらを、油相1:油相2:水相=1.8:8.0:90.2の質量比率となるように、羽根径25mmのラインホモミキサーに水相はラインで、油相1及び油相2は同時にノズル添加して回転数7000rpmにて乳化し、衣料用柔軟仕上げ剤を調製した。
得られた衣料用柔軟仕上げ剤の液粘度は、室温で120mPa・sであった。
【0076】
<評価>
実施例21で得られた衣料用柔軟仕上げ剤を用いて、温度25℃、浴比1/20、液投入量600ppmの条件でポロシャツの洗濯仕上げ処理を行い、脱水後風乾させてポロシャツの外観を評価したところ、10名のパネラーのうち9名から洗濯じわが少なく型崩れがないとの評価を得た。
【0077】
また、参考例24で得られた衣料用柔軟仕上げ剤を用いて、温度25℃、浴比1/20、液投入量1500ppmの条件でポロシャツの洗濯仕上げ処理を行い、上記と同様の評価をしたところ、10名のパネラーのうち9名から洗濯じわが少なく型崩れがないとの評価を得た。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の変性シリコーンエマルジョンによれば、粒子径が細かくハンドリング性がよく、単独で繊維の風合い改良剤や毛髪のつや出し処理剤などとして使用可能である。
【0079】
また、本発明の変性シリコーンエマルジョンは、他の衣料用柔軟仕上げ剤やヘアリンスなどの液体製品と容易に混合することができる。
更に、本発明の変性シリコーンエマルジョンの製造方法を用いれば、変性シリコーンのエマルジョンを分散させた衣料用柔軟仕上げ剤を簡便な方法で得ることができる。
【0080】
このようにして得られた本発明の衣料用柔軟仕上げ剤は、衣類に良好ななめらかさを与えることに加え、洗濯工程により形成されるしわの形成を低減し、衣類の型崩れを防止できるという効果を有する。

Claims (4)

  1. (a)水と接触するとゲル化するポリエーテル変性シリコーンと、(b)エタノール及びイソプロピルアルコールの少なくともいずれかの有機溶媒と、(c)下記一般式(I)で示されるモノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩とを、前記(a)成分と前記(c)成分との質量比((a)成分/(c)成分)を100/10〜100/50で混合溶解した混合溶解物を、固定壁と攪拌羽根とを有する攪拌槽で、下記数式1で表されるずり速度γが5〜150にて、水に乳化分散させて得られることを特徴とする変性シリコーンエマルジョン。
    〔但し、式中R の基は、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていてもよい。また、R 〜R の残りの基は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基若しくは−(CH −CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素原子又はCH であり、nは2〜10の数である)で表される基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキル硫酸基である。〕
    <数式1>
    ずり速度γ=2π×n×d/(D−d) 単位[1/s]
    (但し、nは攪拌羽根回転数[rps]、dは攪拌羽根径[m]、Dは撹拌槽径[m]である。)
  2. (a)成分と(b)成分との質量比((a)成分/(b)成分)が100/40〜100/60である請求項に記載の変性シリコーンエマルジョン。
  3. (a)成分の配合割合が10質量%〜30質量%である請求項1からのいずれかに記載の変性シリコーンエマルジョン。
  4. (a)水と接触するとゲル化するポリエーテル変性シリコーンと、(b)エタノール及びイソプロピルアルコールの少なくともいずれかの有機溶媒と、(c)下記一般式(I)で示されるモノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩とを、前記(a)成分と前記(c)成分との質量比((a)成分/(c)成分)を100/10〜100/50で混合溶解した混合溶解物を油相として調製する油相調製工程と、
    前記油相を、固定壁と攪拌羽根とを有する攪拌槽で、下記数式1で表されるずり速度γが5〜150にて、水に乳化分散させてなる変性シリコーンエマルジョンを衣料用柔軟基剤分散液又は衣料用柔軟基剤の乳化分散濃厚液と混合させる処理で乳化する乳化工程と、を含むことを特徴とする衣料用柔軟仕上げ剤の製造方法
    〔但し、式中R の基は、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていてもよい。また、R 〜R の残りの基は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基若しくは−(CH −CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素原子又はCH であり、nは2〜10の数である)で表される基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキル硫酸基である。〕
    <数式1>
    ずり速度γ=2π×n×d/(D−d) 単位[1/s]
    (但し、nは攪拌羽根回転数[rps]、dは攪拌羽根径[m]、Dは撹拌槽径[m]である。
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