JP2009102752A - 繊維製品の製造方法及び繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来するセグメントとステアリルメタクリレートに由来するセグメントとを有する共重合体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び、バインダー樹脂を含有する処理液に、生地を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させる工程を有することを特徴とする繊維製品の製造方法。
【選択図】なし
Description
しかしながら、特許文献2の方法では、得られる衣料の耐洗濯性が低く、柔軟性に劣るものとなっていた。また、特許文献3の衣料は、着用感や肌荒れ、痒み等を有する肌への負担の面で満足いくものではなかった。
しかしながら、これらの繊維処理剤や繊維柔軟剤を用いた場合であっても、基材となる繊維との密着性については満足を得られるものではなかった。
しかしながら、これらの繊維処理剤や機能性繊維を用いた場合は、繊維の柔軟性が不充分なものとなっていた。
以下に本発明を詳述する。
また、上記MPC−SMA共重合体は、ステアリルメタクリレートに由来するセグメントを有することで、疎水性表面の繊維に対する親和性に優れるものとなり、疎水性表面の繊維との密着性に優れる。
上記ステアリルメタクリレートに由来するセグメントが20mol%未満であると、疎水性表面の繊維に対する親和性を充分に持たせることができないことがあり、90mol%を超えると、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが有する感触の良さや吸湿性を発揮させるのが困難となることがある。
より好ましくは、上記2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来するセグメント20〜60mol%に対して、ステアリルメタクリレートに由来するセグメント40〜80mol%である。
上記疎水性単量体としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル(メタ)アクロレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクロレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の疎水性ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記親水性単量体としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基、アミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ塩基、トリアルキルホスホニウム塩基およびポリオキシエチレン基からなる群より選ばれる親水性基を有する単量体である。さらに、具体的には例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸(MAc)等のカルボン酸;スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のイオン性基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素単量体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来するセグメントが10mol%未満では感触の良さや吸湿性を発揮させるのが困難となることがあり、ステアリルメタクリレートに由来するセグメントが20mol%未満、親水性単量体に由来するセグメントが10mol%未満では種々の繊維に対する親和性を持たせることができず好ましくない。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来するセグメントが70mol%を超えると、洗浄等で落ちやすくなることがあり、ステアリルメタクリレートに由来するセグメントが80mol%を超えると、親水性の付与が少なくなり、親水性単量体に由来するセグメントが70mol%を超えると、種々の繊維に対する親和性を持たせることができず好ましくない。
より好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来するセグメント20〜40mol%と、ステアリルメタクリレートに由来するセグメント40〜70mol%および親水性単量体に由来するセグメント20〜40mol%の単量体組成物である。
なお、上記重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される数値のことである。
具体的には例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ステアリルメタクリレートに、必要に応じて、疎水性単量体、親水性単量体を添加した単量体組成物を通常のラジカル共重合を用いて共重合させる方法等が挙げられる。
より好ましい下限は0.2%owf、より好ましい上限は0.48%owfである。なお、%ぱぱowfは繊維の重量に対する割合を示したものである。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記式(1)によって表される構造を有する。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することで、加工後の繊維製品に柔軟性、弾力性等を付与することができる。また、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、食品分野でも従来より使用されており、安全性が非常に高い化合物であることから、人体に対して悪影響を及ぼすことがなく、加工後の繊維製品を安全に着用することができる。
なかでも、モノステアリン酸デカグリセリルが好ましい。
上記合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、ポリアクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、上記半合成繊維としては、例えば、アセテート、レーヨン等が好ましく、上記天然繊維としては、例えば、綿、羊毛、絹、麻等が好ましい。
本発明において用いられる繊維製品としては、例えば、衣料用品、介護用品、雑貨用品、インテリア用品、寝具用品等が挙げられる。
上記衣料用品としては、外出着衣料、スポーツウェア、ホームウェア、リラックスウェア、パジャマ、寝間着、肌着のほか、オフィスウェア、作業服、食品白衣、看護白衣、患者衣、介護衣、学生服、厨房衣等が挙げられる。上記介護用品としては、サポーター、コルセット、リハビリ用靴や、肌着、おむつカバー、小物等が挙げられる。上記雑貨用品としては、エプロン、タオル、手袋、マフラー、靴下、帽子、靴、サンダル、かばん、傘等が挙げられる。上記インテリア用品としては、カーテン、じゅうたん、マット、こたつカバー、ソファーカバー、クッションカバー、ソファー用側地、便座カバー、便座マット、テーブルクロス等が挙げられる。上記寝具用品としては、布団用側地、布団用詰めわた、毛布、毛布用側地、枕の充填材、シーツ、防水シーツ、布団カバー、枕カバー等が挙げられる。
(加工肌着の作製)
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ステアリルメタクリレート(MPC−SMA)共重合体(リピジュアNS、日油社製)6%owf、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしてモノステアリン酸デカグリセリル(SYグリスター MSW−7S、阪本薬品工業社製)2%owf及びシリコーン系バインダー樹脂としてバインダーGK(北広ケミカル社製)1%owfを添加した処理液に、綿(60番手単糸)100%の肌着を0.5秒間接触させた直後に、パッダ−を用いて絞り率100%で絞った。その後、95℃で20分間乾燥することにより、加工肌着を得た。
実施例1の「(2)加工肌着の作製」において、モノステアリン酸デカグリセリル及びバインダーGKを添加しない以外は実施例1と同様にして加工肌着を得た。
実施例1の「(2)加工肌着の作製」において、MPC−SMA共重合体(リピジュアNS、日油社製)及びバインダーGKを添加しない以外は実施例1と同様にして加工肌着を得た。
実施例1及び比較例1、2で製造した加工肌着について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
JIS L 1018の8.22.5 E法(ハンドルオメーター法)に従い、20cm×20cmの試験片のタテ方向を幅20mmのスリット上にスリットと直角になるようにセットし、試験片から6.7cm(試験幅の1/3)の位置をペネトレーターのブレードを8mm下降させ、この時の抵抗値を剛軟度としてn=3の平均値で評価した。
これに対して、実施例1の加工肌着は、MPC−SMA共重合体を付着させても、モノステアリン酸デカグリセリルを単独で付着させた比較例2の加工肌着と同等の柔軟性を得ることが可能となる。従って、実施例1の加工肌着は、保湿性等の特性を有しつつ、優れた柔軟性や風合いを有していることがわかる。
Claims (2)
- 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来するセグメントとステアリルメタクリレートに由来するセグメントとを有する共重合体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び、バインダー樹脂を含有する処理液に、生地を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させる工程を有することを特徴とする繊維製品の製造方法。
- 請求項1記載の繊維製品の製造方法により得られる繊維製品。
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JP2007272742A JP2009102752A (ja) | 2007-10-19 | 2007-10-19 | 繊維製品の製造方法及び繊維製品 |
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