JP2001146680A - 繊維用仕上げ剤組成物 - Google Patents
繊維用仕上げ剤組成物Info
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Abstract
ア効果を付与できる仕上げ剤組成物を提供する。 【解決手段】 分子中に、1個以上の直鎖及び/又は分
岐鎖の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基と、2個以
上の水酸基と、1個以上のアミド基とを有する非イオン
系両親媒性物質及び/又はそれらの水酸基にフォスファ
チジルコリン残基が結合した誘導体を必須成分として含
有する繊維用仕上げ剤組成物。
Description
成物に関する。更には、スキンケア効果の高い繊維用仕
上げ剤に関する。本発明の繊維用仕上げ剤組成物で加工
した繊維製品は、着用時、皮膚の保湿性を向上させ、特
に、敏感肌、皮膚疾患患者向け衣料品の製造に好適に使
用できる。
角質は、身体の最表層に位置し、外界から生体内への、
種々の刺激や細菌等の進入を防御し、かつ、体内の成分
や水分の損失、蒸散を防ぐ等の機能を有している。この
ような角質の保護効果(バリヤー機能)は、皮膚生理機
能を恒常的に保つのに重要である。このバリヤー機能
は、種々の内的要因、あるいは、外的刺激等により、そ
の機能が低下し、皮膚に炎症を生じたり、肌荒れや皮膚
の老化を助長したり、又、種々の皮膚疾患を引き起こす
原因となる。
を防止あるいは改善し、皮膚の生理機能を恒常的に保つ
ために(以下、スキンケア効果とする)、動・植物油、
合成油等の油相成分、及び、保湿剤、抗炎症剤、細胞賦
活剤、皮膚栄養剤、活性酸素除去剤等の薬効成分を配合
した化粧料や皮膚外用剤が広く使用されている。
粧品に使用される上記成分を主成分とした仕上げ剤で繊
維を加工し、着用時、皮膚との摩擦により、それら成分
が皮膚に移行することで、化粧料や皮膚外用剤と同様の
スキンケア効果を期待した特殊加工法や特殊加工繊維素
材が開発されている。具体的には、天然保湿因子である
ピロリドンカルボン酸を綿に付与したスキンケア素材、
抗炎症作用を有するアロエ抽出物を付与したスキンケア
素材(加工技術 Vol.34, No.6, 1999, 353-356)が、
開示されている。
化粧品に天然油相成分として広く使用されているスクワ
ランを主成分としたスキンケア仕上げ剤(加工技術 Vo
l.34, No.5, 1999, 322-325)が、又、動・植物抽出物
の応用例としては、保湿効果のあるトレメラエキスや、
コラーゲン産生促進効果のあるブンエキス、レイシエキ
スを使用したスキンケア加工剤、及び加工技術が、それ
ぞれ開示されている(加工技術 Vol.34, No.4, 1999,
259-264)。
及びその塩やグリチルレチン酸及びその塩並びにこれら
の誘導体を繊維上に定着させる仕上げ加工が(特願平8-
288115号)、又、消炎作用及び又は鎮痛作用を有する疎
水性生理活性物質を、マイクロカプセル化して、繊維上
に定着させる加工が(特願平9-189251号)、それぞれ、
開示されている。また、ピロリドンカルボン酸塩や尿素
のような保湿成分を配合して肌荒れを改善することや、
脂肪酸アマイドやシリコーンのような油性成分を配合し
て皮膚の水分の蒸散を防止することも行われている。
荒れ改善効果は十分ではなく、その改善が望まれてい
る。
個以上の直鎖及び/又は分岐鎖の長鎖アルキル基又は長
鎖アルケニル基と、2個以上の水酸基と、1個以上のア
ミド基とを有する非イオン系両親媒性物質及び/又はそ
れらの水酸基にフォスファチジルコリン残基が結合した
誘導体〔以下(A)成分という〕を必須成分として含有
することを特徴とする繊維用仕上げ剤組成物、並びに該
繊維用仕上げ剤組成物を繊維製品に付与することからな
る繊維製品の仕上げ加工方法に関する。(A)成分にお
ける長鎖アルキル基又はアルケニル基の炭素数は4〜2
2、特に10〜22が好ましい。
は、構造中に親水基を含み、単独では水に分散もしくは
溶解しないが、親水基を有するために構造中に水分を保
持できるものが好ましい。具体的には、水酸基を2個以
上有する長鎖アミノアルコールに脂肪酸がアマイド結合
した物質、更に該物質の水酸基にホスファチジルコリン
残基が結合した物質が挙げられる。これらには、還元糖
末端を有する単糖類及び又は多糖類が、上記の物質の水
酸基に結合した糖誘導体も含まれる。上記の物質は、具
体的には、天然物としては、人皮膚中に存在し、細胞間
脂質の構成成分である、セラミドが挙げられる。これら
は、長鎖アミノアルコールであるスフィンゴシンに脂肪
酸がアマイド結合したものである。セラミドは、皮膚中
においては、皮膚の基底層から角質層に細胞が移行する
際に、セレブロシド(糖セラミド、スフィンゴ糖脂質)
がセレブロシダーゼにより変性を受け生成され、角質中
に蓄積される。セラミドは、細胞間脂質の重要な構成成
分で、角質層のバリヤー機能、水分保持機能に関与して
いる。人皮膚中には、セラミドIからVIまでの、6系統
の構造の異なるセラミド類の存在が確認されている(Se
minars in Dermatology, 11, 106, 1992)。皮膚の老化
や皮膚疾患と角質中に存在するセラミドの組成変化の関
係については、文献により具体的に示されている。具体
的には、皮膚の老化や疾患により、角質中のセラミドの
含有量が低下すること(J.Invest. Dermatol., 96, 52
3, 1991)、角化症、アトピー性皮膚炎において、セラ
ミドIが減少していること(J. Invest. Dermatol., 9
0, 350, 1988、 Arch. Dermatol. Res., 283, 219, 199
1)等が知られている。
酵母を利用して生成したセラミド、植物由来のセラミド
等が好適である(フレグランスジャーナル, 23, 1, 81,
1995)これらのうち、酵母による生成法では、人皮膚
に存在するセラミドと同一の構造をもつセラミドが得ら
れ、それらセラミドの皮膚の肌荒れ改善効果が、報告さ
れている(Gist-brocades社、商品説明書)。
残基が結合した、スフィンゴ脂質、及び又は、還元糖末
端を有する単糖、及び又は、多糖類が結合した、スフィ
ンゴ糖脂質、糖セラミドも、好適に使用できる。
化学合成によっても得られる。具体的には、長鎖アルキ
ルグリシジルエーテルにモノエタノールアミンを反応さ
せ、長鎖アルキルアミノアルコールを得て、更に、それ
らのアミノ基に脂肪酸を反応させ、アマイドとすること
で得られる(特開平9-278732号、特開平10-168047
号)。これら、化学合成により得られた擬似セラミド類
も、同様の荒れ肌改善効果が、実証されている(J. Inv
est. Dermatol., 96, 845, 1991)。
ルコリン残基が結合した、合成擬似スフィンゴ脂質、及
び又は、還元糖末端を有する単糖、及び又は、多糖類が
結合した、合成擬似スフィンゴ糖脂質、合成擬似糖セラ
ミドも、好適に使用できる。
(B)動物油及び/又は植物油、(C)抗炎症剤、
(D)乳化剤、並びに(E)水及び/又は水溶性溶媒を
含有することが好ましい。これらの成分について以下に
説明する。
具体的に、下記のものが挙げられる。
ン等の炭化水素油、牛脂、馬油、ミンク油及び卵黄脂肪
油等のエステル油等が挙げられる。これらの中で、特
に、スクワレン、スクワランが好適である。スクワレン
は、深海サメの肝油中に存在する炭化水素油であり、ス
クワランとはスクアレンの水素添加物ある。これらは動
物由来であるので、生体適合性及び安全性の面で、特に
好ましい。又、スクアランは、不飽和油であるスクアレ
ンの水素添加物であるので、酸化安定性に優れる。
ブ油、ゴマ油、コメヌカ油、トウモロコシ胚芽油、小麦
胚芽油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナ
タネ油、パーム油、ククイナッツ油、マカデミアナッツ
油、月見草油等のトリグリセライド、ホホバ油等のロウ
エステルが挙げられる。同様に、オリーブオイルの不ケ
ン化物中に存在する炭化水素油である、植物起源のオリ
ーブスクワレンおよびオリーブスクワランも、好適に使
用できる。
エステル油を、低級アルコール又は高級アルコールとエ
ステル交換を行い、アルコール脂肪酸エステルとした油
も好適に使用できる。具体的には、オレイン酸エチル、
オレイン酸オレイルなどのアルコール脂肪酸エステル等
が挙げられる。
結合を多く含むもの、具体的には、動物油では、スクワ
レン、卵黄脂肪油等、植物油では、オリーブスクワレ
ン、ククイナッツ油、マカデミアナッツ油、月見草油、
ローズヒップ油等は、酸化に対して不安定であるので、
抗酸化剤を添加することで、本発明に、好適に使用でき
る。好ましい抗酸化剤としては、ビタミンE類、ビタミ
ンA類、ブチルヒドロキシアニソール、p−ヒドロキシ
アニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プ
ロピル、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アス
コルビル等の油溶性抗酸化剤、アスコルビン酸、カテキ
ン類、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等の
水溶性抗酸化剤が挙げられる。これらの抗酸化剤は、仕
上げ剤の調製において、動・植物油成分と混合して、あ
るいは、使用する水に予め溶解しておいて、使用するこ
とができる。
が挙げられる。抗炎症剤とは、皮膚に対する外界からの
刺激による炎症を防止あるいは鎮静化し、皮膚本来の働
きを保つために配合するものであり、アミノカプロン
酸、トラネキサム酸等のアミノ酸、グリチルリチン酸及
びその塩、β−グリチルレチン酸及びその塩、β−グリ
チルレチン酸ステアリル、塩化リゾチーム、グアイアズ
レン、ハイドロコルチゾン及び副腎皮質ホルモン、ビタ
ミンA、E、ビタミンD等のビタミン類、アラントイ
ン、インドメタシン、γ−オリザノール、アロエエキ
ス、甘草エキス、シソエキス等の植物抽出物、バチルア
ルコール、キミルアルコール等のアルキルグリセリルエ
ーテル等が、挙げられる。これらの中で、本発明には、
アルキルグリセリルエーテルが、特に好ましい。すなわ
ち、アルキルグリセリルエーテルは、天然では、サメ肝
油の不けん化物中に存在し、傷の回復促進、保湿効果、
特に抗炎症作用を有する(Arch. Intern. Pharmacody
n., 173, 56, 1968)。これらは、化学的に安定で、か
つ、油溶性であり、本発明の繊維用仕上げ剤組成物中に
簡単に安定的に配合することができる。又、油溶性であ
るので、洗濯時に、加工された繊維製品からの脱落が少
なく、耐久性に優れた加工が可能である。好ましいアル
キルグリセリエーテル類としては、モノステアリルグリ
セリルエーテル(バチルアルコール)、モノセチルグリ
セリルエーテル(キミルアルコール)、モノオレイルグ
リセリルエーテル(セラキルアルコール)、イソステア
リルグリセリルエーテル等が、挙げられる。これらのア
ルキルグリセリルエーテル類は、工業的には、アルキル
グリシジルエーテルのエポキシ基を、カセイソーダ等の
アルカリで開環させて、製造することができる。
挙げられる。本発明には、一般に、繊維用仕上げ剤に使
用される乳化剤は、いずれも好適に使用でき、特に制限
はない。アニオン性の乳化剤としては、アルキル硫酸エ
ステル及びそれらの塩、アルキルエーテル硫酸エステル
及びそれらの塩、アルキルエーテルカルボン酸及びそれ
らの塩、脂肪酸セッケン類、アルキルスルホン酸及びそ
れらの塩、アルキルアリルスルホン酸及びそれらの塩、
α−スルホメチルエステル及びそれらの塩、アルキルリ
ン酸エステル及びそれらの塩、アルキルエーテルリン酸
エステル及びそれらの塩、N−アシルアミノ酸及びそれ
らの塩等が挙げられる。
エチレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコ
ールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、脂肪酸アル
カノールアマイド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノ
ールアマイド等が挙げられる。
リメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチル
アンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、ア
ルキルアミン及びそれらの塩、N,N−ジエチルエチレ
ンジアミン脂肪酸アマイド等のアミドアミン類及びそれ
らの塩もしくは第4級化物、トリエタノールアミン脂肪
酸エステル等のアルカノールアミン脂肪酸エステルの第
4級化物等が挙げられる。
ノ酸類、N−アシルアミノ酸類、アルキル酢酸ベタイン
類、アルキルスルホベタイン類、アルキルホスホベタイ
ン類等が挙げられる。
い水溶性溶剤としては、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール等の低級アルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、グリセリン等のポリオール類、ソルビタール、キシ
リトール等の糖アルコール類等が挙げられる。
好ましい配合比率は、(A)〜(E)の合計を100重
量%とした場合、(A)成分は、0.01重量%〜2
0.0重量%、好ましくは、0.01重量%〜10.0
重量%、より好ましくは、0.01重量%〜5.0重量
%である。
0.0重量%、好ましくは、5.0重量%〜50.0重
量%、より好ましくは、5.0重量%〜20.0重量%
である。
0.0重量%、好ましくは、0.1重量%〜30.0重
量%、より好ましくは、0.1重量%〜20.0重量%
である。
0.0重量%、好ましくは、0.5重量%〜20.0重
量%、より好ましくは、0.5重量%〜10.0重量%
である。
の混合比率は、特に制限がなく、任意の配合比率でよ
い。本発明の繊維用仕上げ剤組成物は、(E)成分を配
合することで、全体の配合量が100重量%となるよう
に、調製する。
(D)の4成分の合計は、本発明の繊維用仕上げ剤組成
物中(100重量%中)に、5.0重量%〜70.0重
量%、好ましくは、10.0重量%〜70.0重量%、
より好ましくは、20.0重量%〜70.0重量%であ
る。
乳化方法、乳化機械で調製できる。好ましい方法は、
(A)、(B)、(C)、(D)の4成分を、予め、室
温で混合しておき、この混合物を(E)成分へ、ホモミ
キサー又はパドルミキサー等で撹拌しながら、徐々に添
加することで調製できる。又、上記混合物と(E)成分
を同時に仕込み、撹拌・混合しても調製できる。その際
の温度は、室温〜80℃、好ましくは、室温〜50℃で
ある。
(E)の5成分を同時に水相へ添加し、超音波乳化機等
の大きい機械力を利用して調製してもよい。
目的で、乳化後、高圧ホモジナイザーで処理することも
できる。
子径が、1000nm以下、好ましくは、700nm以
下、より好ましくは、500nm以下の乳化物の形態で
あるのが好ましい。この範囲の乳化粒子径であると、乳
化状態の経時安定性が良好で、また(A)成分の析出や
加工する繊維に対する凝集・付着等の問題もない。
方法で、繊維、及び又は繊維製品に、仕上げ加工をする
ことができる。すなわち、吸尽法、パッド・ドライ法、
スプレー法、コーティング法等の、公知の加工方法が、
好適に使用できる。
に付与して加工する際、(A)+(B)+(C)+
(D)の4成分の合計量が、加工する繊維重量に対し
て、0.01重量%〜10.0重量%、好ましくは、
0.05重量%〜5.0重量%、より好ましくは、0.
1重量%〜5.0重量%の範囲になるように、処理浴を
調製する。
温〜80℃の範囲で、任意に選択できる。
品に加工される際、耐洗濯性を向上させる目的で、種々
の樹脂と併用することができる。これらの樹脂は、一般
に繊維加工に使用される樹脂ならいずれの樹脂も好適に
使用できるが、弾性があり、本発明の仕上げ剤組成物の
繊維への接着機能を有し、かつ、皮膚への接触を阻害し
ないものが好ましい。具体的にはアクリル酸エステル樹
脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、シリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂などが
挙げられる。
る加工処理の対象となる繊維としては、天然繊維では、
綿、麻等のセルロース繊維、羊毛、カシミヤ、絹等のタ
ンパク繊維等が挙げられる。半合成繊維では、レーヨ
ン、ポリノジック、テンセル等が挙げられる。合成繊維
では、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン弾性繊維等が
挙げられる。これらは単独、混紡、あるいは、混織によ
り使用される。また、繊維製品としては、特に制限はな
く、原糸、原綿等の材料、織布、編布等の半製品、及び
肌着、靴下、外衣等の完成品等に好適に使用できる。
た繊維製品を着用した際の、肌状態の改善度合い(本仕
上げ剤のスキンケア効果)は、一般的に、化粧品分野に
おいてスキンケア化粧料の評価を行う方法で評価するこ
とができる(日光ケミカルズ株式会社編、化粧品ハンド
ブック、p611〜p626)。
する方法である。これは、高周波伝導度測定装置で、角
質層のインピーダンスを測定する。具体的には、恒温・
恒湿室で、一定時間、本発明品により加工された繊維製
品を着用したときの角質の水分量を測定し、未加工の繊
維製品を着用した場合の水分量に対する増加率を、測定
・比較する。
法として、経表皮水分喪失量(TWL:Transepidermal
water loss)が、広く使用されている。これは、角質層
から蒸散してくる水蒸気を非接触で直接測定する。測定
原理は、空気の対流のない環境では、表皮に近いところ
(1cm以内)に水蒸気圧勾配があることに基づいてい
る。この範囲内の2点の水蒸気圧を電気容量センサーで
測定し、蒸散する水分量を検出する。具体的には、一定
期間(1週間〜2週間)、本発明品により加工された繊
維製品を着用した場合の経表皮水分喪失量を、恒温・恒
湿室で測定し、未加工の繊維製品を着用した場合の経表
皮水分喪失量と、測定・比較する。経表皮水分喪失量の
値が小さい方が、角質の水分保持機能が高く、従って、
角質のバリヤー機能が高いといえる。
びパドル式攪拌装置、温度計、温度調節器、真空ポン
プ、滴下装置が付属した)に、下記表1の処方に示す組
成比で、全量が0.5kgになるように原料を仕込み、
50mmHgの減圧下、50℃、8000回転/分で3
0分間攪拌を行い、繊維用仕上げ剤組成物を得た。
0g/lの水溶液を、10.0l調製した。この液に、
綿100%フライスニット生地(精錬漂白済み、蛍光染
料及び柔軟仕上げ剤は未付着、目付け120g/m)の
1.0kgを、25℃±0.5℃の条件で、10分間浸
漬し、加圧マングルを用いて、絞り率100%で、脱水
処理をした。その後、熱風乾燥機(120℃)で15分
間乾燥を行ない、繊維用仕上げ剤組成物で加工された繊
維製品を得た。得られた繊維製品は、10.0cm×
5.0cmにそれぞれ裁断し、温度23℃、湿度45%
の恒温・恒湿室に、24時間放置し、評価用の試料とし
た。
した試料(10.0cm×5.0cmに、それぞれ裁断
したもの)を、それぞれ、医療用接着テープを用いて接
着させ、温度23℃、湿度45%の恒温・恒湿室で、接
着部の皮膚の水分量増加率を、SKICON 200を
用いて測定した。次式により、試料接着前の皮膚の水分
量に対する試料接着2時間後の皮膚の水分量増加率
(%)を算出し、各繊維用仕上げ剤組成物で加工した繊
維製品の保湿効果を評価した。結果を表2に示す。 水分量増加率(%)=〔(接着2時間後の皮膚水分量−
接着前の皮膚水分量)/接着前の皮膚水分量〕×100
L)回復効果の測定 男性3名(20〜40才代)の前腕部のTWLを、エバ
ポリメーターを用いて、温度23℃、湿度45%の恒温
・恒湿室で、それぞれ、測定した。さらに、それぞれの
測定部位を、アセトン/ジエチルエーテル(1/1)の
混合溶媒で溶剤処理して皮脂等を除去し、肌荒れ状態と
して、TWLを測定した。その後、(2)で調製した試
料(10.0cm×5.0cmに、それぞれ裁断したも
の)を、それぞれ、医療用接着テープを用いて、溶剤で
処理した部位に接着させ、2時間放置し、放置後のTW
Lを、上記条件の恒温・恒湿室で、それぞれ、測定し
た。
肌状態となった皮膚のTWLに対する、試料接着2時間
後の皮膚のTWLの減少率(%)を算出し、各繊維用仕
上げ剤組成物の経表皮水分喪失量(TWL)回復効果を
評価した。 TWLの減少率(%)=〔(溶剤処理直後、荒れ肌状態
のTWL−接着2時間後のTWL)/溶剤処理直後、荒
れ肌状態のTWL〕×100
れた繊維製品は、着用時の皮膚の保湿性を向上させ、特
に、敏感肌、皮膚疾患患者向け衣料品として好適であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 分子中に、1個以上の直鎖及び/又は分
岐鎖の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基と、2個以
上の水酸基と、1個以上のアミド基とを有する非イオン
系両親媒性物質及び/又はそれらの水酸基にフォスファ
チジルコリン残基が結合した誘導体〔以下(A)成分と
いう〕を必須成分として含有することを特徴とする繊維
用仕上げ剤組成物。 - 【請求項2】 (A)成分が、セラミド、糖セラミド及
びスフィンゴ脂質から選ばれた1種以上である請求項1
記載の繊維用仕上げ剤組成物。 - 【請求項3】 更に、(B)動物油及び/又は植物油、
(C)抗炎症剤、(D)乳化剤、並びに(E)水及び/
又は水溶性溶媒を含有する繊維用仕上げ剤組成物。 - 【請求項4】 (C)の抗炎症剤が、直鎖及び/又は分
岐鎖の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基を有するモ
ノグリセリルエーテルである請求項3記載の繊維用仕上
げ剤組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の繊維用
仕上げ剤組成物を繊維製品に付与することからなる繊維
製品の仕上げ加工方法。
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JP33024499A JP4568892B2 (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 繊維製品の仕上げ加工方法 |
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