JP2005139588A - 繊維処理剤並びに機能性繊維体及びその製造方法 - Google Patents

繊維処理剤並びに機能性繊維体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】下着をはじめとする衣類などの繊維体表面を被覆して、親水性や帯電防止性など絹繊維と同等の様々な機能を長期間持続する機能性繊維体を得ることのできる繊維処理剤と、同処理剤を用いて得られる機能性繊維体、及びその製造方法を提供する。
【構成】セリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、Lipidure−MF(商品名、日本油脂株式会社製)などのリン脂質極性基をもつ生体膜類似構造のリン脂質ポリマーとを混合して繊維処理剤を得る。係る処理剤を0.1〜5重量%の絹タンパクを含んだ水溶液とし、その水溶液に糸、布、又は衣類などの繊維体を浸漬し、次いでその繊維体にピックアップ50〜300%の脱液処理を施した後、該繊維体を70〜180℃の雰囲気下で乾燥させて機能性繊維体を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は絹タンパクを有効利用する技術に係わり、詳しくは下着をはじめとする衣類などの繊維体表面を被覆して、親水性や帯電防止性など様々な機能をもつ機能性繊維体を得ることのできる繊維処理剤と、同処理剤を用いて得られる機能性繊維体、及びその製造方法に関する。
一般に、衣料素材として化学繊維や天然繊維が広く用いられるが、化学繊維から作れる衣料品では敏感肌である着用者の皮膚に湿疹や炎症を発症する場合がある。これに対し、天然繊維として古くから用いられている絹繊維は、保温性や柔軟性に富み、これによって作られる衣料品では優れた着用感を得られることが一般に良く知られている。
係る絹繊維は2本のフィブロインを芯線として、これがセリシンにより被覆された構造であり、このうち衣料素材としては一般にフィブロインが用いられ、これを被覆するセリシンは精練工程を経て取り除かれ、廃棄物として処理されている。
ところが、廃棄物として処理されているセリシンは、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、及びリジンなど親水性に富むアミノ酸残基を50%以上も含んでいることから、その有効利用が望まれていた。そこで、本願出願人等は絹タンパク(セリシン、フィブロイン)の有効利用を図るため、これを付着させたポリエステル物品と、その製造方法を見いだした(例えば、特許文献1)。
これによれば、ポリエステル繊維でありながら、絹繊維のような触感があり、着心地の良い衣料品を得ることができる。
一方、ポリエステル繊維などの触感を改善する技術として、生体膜と類似の構造をもつホスホリルコリン基含有重合体から成る繊維処理剤が知られ、一般に広く賞用されている(例えば、特許文献2)。
尚、上記特許文献2に係る繊維処理剤として、同出願人(日本油脂株式会社)製の商品名「Lipidure−MF(MF−3、MF−5、MF−7)」がある。
特開2003−171874号公報
特開2001−200480号公報
然し乍ら、特許文献1によれば、繊維体表面に対する絹タンパクの吸着力が弱く、加工直後こそ良好な質感があるものの、数回の洗濯によって絹タンパクが繊維体表面から脱離してしまうために、絹タンパクによる様々な機能が早期に失われてしまうという問題があった。
一方、特許文献2の繊維処理剤(市販製品Lipidure−MF)は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)共重合体を主成分とする生体膜類似構造のリン脂質ポリマーであり、親水性が高く、各種の繊維素材に保湿性、帯電防止性、防汚性を付与することができる。しかし、化学繊維や綿などの天然繊維に対して絹繊維に勝るような機能をもたせることはできない。
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は下着をはじめとする衣類などの繊維体表面を被覆して、親水性や帯電防止性など絹繊維と同等の様々な機能を長期間持続する機能性繊維体を得ることのできる繊維処理剤と、同処理剤を用いて得られる機能性繊維体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、係る繊維処理剤として、セリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、Lipidure−MF(商品名、日本油脂株式会社製)とを混合して成ることを特徴とする。
又、セリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、ホスホリルコリンなどのリン脂質極性基をもつ生体膜類似構造のリン脂質ポリマーとを有して成る繊維処理剤であって、絹タンパクが熱湯中で繭毛羽を煮詰めることにより得られるものであるほか、リン脂質ポリマーがホスホリルコリン基含有モノマーと、親水基をもつ親水性モノマー及び/又は疎水基をもつ疎水性モノマーとの共重合体であることを特徴とする。
更に、本発明は機能性繊維体として、上記のような繊維処理剤により繊維体の表面をコーティングしたことを特徴とする。
又、係る機能性繊維体の製造方法として、上記のような繊維処理剤を水溶液とし、その水溶液に糸、布、又は衣類などの繊維体を浸漬し、次いでその繊維体を脱液、乾燥すること、好ましくは上記繊維処理剤を0.1〜5重量%の絹タンパクを含んだ水溶液とし、その水溶液に糸、布、又は衣類などの繊維体を浸漬し、次いでその繊維体にピックアップ50〜300%の脱液処理を施した後、該繊維体を70〜180℃の雰囲気下で乾燥させることを特徴とする。
更に、以上のような機能性繊維体の製造方法において、繊維処理剤の水溶液に繊維体を浸漬した後、その繊維体を液状樹脂溶液に浸漬するか、又は繊維処理剤を液状樹脂を含んだ水溶液とすることを特徴とする。
本発明に係る繊維処理剤は、セリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、Lipidure−MF(商品名、日本油脂株式会社製)などリン脂質極性基をもつ生体膜類似構造のリン脂質ポリマーとを混合して成るから、絹タンパクとリン脂質ポリマーの相乗効果により種々の繊維体に親水性、防汚性、帯電防止性など様々な機能を付与することができ、その機能を長期間持続することができる。
又、係る処理剤を用いて得られる機能性繊維体によれば、絹繊維のような触感があり、下着をはじめとする衣類にして良好な着用感を得られ、しかもリン脂質ポリマーと絹タンパクは何れも生体適合材料であるからアトピーや敏感肌といった皮膚障害者でも湿疹や炎症などを防止する効果が上がる。
更に、絹タンパクを繭毛羽から抽出することにより、廃棄物の有効利用を図ることができる。
又、繊維体を液状樹脂溶液に浸漬するか、又は繊維処理剤を液状樹脂を含んだ水溶液とすることにより、繊維体の風合いが一層向上する。
以下、本発明について説明すれば、係る繊維処理剤は主としてセリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、リン脂質極性基をもつ生体膜類似構造のリン脂質ポリマーとを混合して成る。
絹タンパクは繭又はこれから繰糸される精練前の生糸などを熱湯中で煮詰めることにより容易に抽出することができる。特に、その抽出源としては養蚕農家や製糸工場から排出される繭毛羽が好適に用いられる。係る繭毛羽は蚕が繭を作るときに吐出する最初の糸で、セリシンの含有量が生糸の約25%よりも多い約40%という利点をもっている。そして、その繭毛羽を前処理としてカード機などにより開繊して夾雑物を除去し、アセトンなどで洗浄して自然乾燥させた後、これを圧力釜などの高圧容器に入れ、浴比(毛羽:水)を1:5〜1:100、好ましくは1:10〜20、抽出温度100〜130℃で1〜2時間煮詰めることにより、毛羽重量の40%に相当するセリシンが抽出され、浴比に応じた濃度のセリシン水溶液を得ることができる。
又、同高圧容器内において、セリシン抽出後の残渣(フィブロイン繊維)を浴比1:5〜1:100、好ましくは1:10〜20、抽出温度140〜180℃で1〜2時間煮詰めることにより、セリシン抽出後の繭毛羽から約20重量%のフィブロインを水溶液として抽出することができる。
そして、係るセリシンとフィブロインの単独、又は混合水溶液を凍結乾燥させることにより、絹タンパクの粉末を得、これをリン脂質ポリマーに混合することにより繊維処理剤を得る。尚、絹タンパクは繭毛羽などから水溶液として抽出した状態のままリン脂質ポリマーと混合してもよい。
ここで、係るリン脂質ポリマーはホスホリルコリン基をはじめ、ホスホエタノールアミン基、ホスホ−N−メチルエタノールアミン基、ホスホ−N,N−ジメチルエタノールアミン基、ホスホセリン基、ホスホイノシトール基、ホスホイノシトールニリン酸基、ホスホグリセロール基、又はホスホグリセロリン酸基などのリン脂質極性基をもつモノマーの単独重合体、又はリン脂質極性基含有モノマーと他のモノマーとの共重合体を主成分とする生体膜類似構造の合成高分子であり、上記のリン脂質極性基をもつモノマーとしては主にホスホリルコリン基含有モノマーが用いられ、これに共重合するモノマーとしては親水基をもつ親水性モノマー及び/又は疎水基をもつ疎水性モノマーが好適に用いられる。
特に、その種のリン脂質ポリマーとしては日本油脂株式会社製の「Lipidure−MF」(商品名:以下、「LMF」と略称する)が好適に用いられる。このLMFは、ホスホリルコリン基含有モノマー(PC単量体)を含む単量体組成物を重合して成る重合体を主成分とするものであり、係るLMFにはPC単量体20〜88mol%(好ましくは40〜70mol%)と疎水性モノマー(疎水性単量体)2〜40mol%(好ましくは5〜30mol%)と親水性モノマー(親水性単量体)10〜70mol%(好ましくは20〜50mol%)から成る単量体組成物の重合体(Lipidure−MF−3;以下、「MF3」と略称する)ほか、PC単量体20〜98mol%(好ましくは40〜80mol%)と疎水性モノマー(疎水性単量体)2〜80mol%(好ましくは20〜60mol%)とから成る単量体組成物の重合体(Lipidure−MF−5;以下、「MF5」と略称する)、及びPC単量体20〜85mol%(好ましくは40〜80mol%)と親水性モノマー(親水性単量体)15〜80mol%(好ましくは20〜60mol%)とから成る単量体組成物の重合体(Lipidure−MF−7;以下、「MF7」と略称する)がある。
以上のようなLMF(MF3,MF5,MF7)において、PC単量体は特許文献2に記載されるように下記の式(1)で表される。
Figure 2005139588
{但し、式(1)中、Xは2価の有機残基、Yは炭素数1〜6のアルキレノキシ基、Zは水素原子もしくはR5−O−(C=O)−(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基)、Rは水素原子もしくはメチル基、R,R,Rは同一もしくは異なる基であって水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、mは0又は1、nは1〜4の整数を示す}。
尚、係るPC単量体としては、
2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリブリルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリシクロヘキシルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリフェニルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2′-(トリメタノールアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(p-ビニルベンジルオキシ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(p-ビニルベンゾイルオキシ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(スチリルオキシ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(p-ビニルベンジル)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アクリロイルアミノ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2′-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、エチル-(2′-トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル-(2′-トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル-(2′-トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、エチル-(2′-トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)マレート、ブチル-(2′-トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)マレート、ヒドロキシエチル-(2′-トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)マレートが挙げられる。
又、疎水性単量体は、環状炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン化アルキル基、オルガノシリコン基、フッ化炭素基などの疎水基をもつモノマーであり、これには直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート{メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなど}、環状アルキル(メタ)アクリレート{シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど}、芳香族(メタ)アクリレート{ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど}、疎水性ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート{ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなど}、スチレン系単量体{スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなど}、ビニルエーテル系単量体{メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなど}、及びビニルエステル系単量体{酢酸ビニルエーテル、プロピオン酸ビニルなど}などが挙げられる。
一方、親水性単量体は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基、アミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、トリアルキルホスホニウム塩基、及びポリオキシエチレン基から成る群より選ばれる親水基をもつモノマーであり、これには水酸基含有(メタ)アクリレート{2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなど}、アルボン酸{アクリル酸、メタクリル酸など}、イオン性基含有単量体{スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなど}、含窒素単量体{(メタ)アクリルアミド、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど}、及びポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ここで、本発明によればLMFなどのリン脂質ポリマーと絹タンパクとを混合して成る繊維処理剤により、綿や麻といった天然繊維、又はレーヨンやナイロンといった化学繊維から成る糸、布(織布、不織布)、及び衣類などの繊維体表面をコーティングして様々な機能をもつ機能性繊維体を得る。
その製造方法を詳しく説明すれば、係る機能性繊維体は上記した繊維処理剤を所定濃度の水溶液(以下、処理液という)とし、これに機能性繊維体の素材である糸、布、又は衣類などの繊維体を浸漬する。ここで、係る処理液においてリン脂質ポリマーの濃度を0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%、絹タンパクの濃度を0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%に調製することが望ましく、これに対する繊維体の浸漬時間は0.5〜10分、好ましくは1〜3分程度が望ましい。尚、リン脂質ポリマーの濃度が0.001%より低いと繊維体の材質によってリン脂質ポリマーの吸着量が不十分となり、7%よりもリン脂質ポリマーの濃度が高い場合には繊維体の柔軟性が損なわれる虞れがある。又、絹タンパクの濃度が0.1%より低いと繊維体の材質によって絹タンパクの吸着量が過少となってその機能が十分に発揮されず、5%よりも絹タンパクの濃度が高い場合には繊維体の柔軟性が損なわれる虞れがある。一方、浸漬時間が0.5分よりも短いと、繊維体に対してリン脂質ポリマーと絹タンパクを良好に吸着させることができず、10分を越えて浸漬してもリン脂質ポリマーや絹タンパクの吸着量に大きな変化はなく非効率となる。
又、以上のような処理液には、ナイロン、不飽和ポリエステル、又はウレタン系樹脂などから成る液状樹脂を1〜5重量%含ませることが好ましく、これによれば繊維体に対して絹タンパクなどを強力に固定し、繊維体の風合いを一層向上させることができる。
而して、処理液中に目的とする繊維体を浸漬したら、その繊維体を浴槽から取り出し、これに脱液処理を施した後、該繊維体を乾燥する。
尚、脱液処理はピックアップ(処理液浸漬前の繊維体重量に対する脱液後の増加重量の百分率)50〜300%、好ましくは80〜150%であることが望ましく、ピックアップが50%よりも小さい強脱液をすると、繊維体の材質によっては吸着したリン脂質ポリマーや絹タンパクの多くが除去されてしまい、ピックアップが300%より大きい弱脱液では次工程の乾燥処理に時間を要することになる。ここで、上記のような液状樹脂を処理液に予め含有せしめるのでなく、脱液処理後の繊維体を液状樹脂溶液(液状樹脂の水溶液又はアルコール溶液)に浸漬し、その後で当該繊維体に再度、上記同様の脱液処理を施してからこれを乾燥させるようにしても良い。
係る繊維体の乾燥は自然乾燥でもよいが、好ましくは熱風乾燥機などを用いて70〜180℃、更に好ましくは130〜160℃の雰囲気下で行うことが望ましく、これにより厚手の繊維体でも1〜5分程度で良好に乾燥させることができる。尚、乾燥温度が70℃より低いと処理に時間が掛かり、180℃より高い場合にはリン脂質極性基などが分解したり、繊維体の材質によってはこれが収縮したりする虞れがある。
ここに、以上のようにして得られる機能性繊維体によれば、親水性、保温性、帯電防止性、防汚性、抗菌性があり、生体適合性(皮膚保護性)、柔軟性、耐洗濯性に優れるなど様々な機能を発揮する。又、係る機能性繊維体は衣類にして優れた着用感を得られ、しかもアトピーや敏感肌など皮膚障害者用の下着類又はその生地にして有効である。
下表1に示すように、リン脂質ポリマー(MF3,5,7)と絹タンパクのブレンド水溶液(処理液A1〜A7)、比較例としてリン脂質ポリマー(MF3,5,7)の単独水溶液(処理液X1〜X4)、及び絹タンパクの単独水溶液(処理液Y1)を作成した。
Figure 2005139588
(試着試験1)
上記の処理液A1,A2,X1,Y1を用いてナイロン製ブラジャーを同一条件(浸漬時間2分、ピックアップ100%の脱液処理、150℃/2分の乾燥処理)で処理し、処理後の繊維体(ブラジャー)について健康肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表2に示す。
Figure 2005139588
上表2から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクの何れか一方のみの処理液X1,Y1で処理したものは着用感が不良〜稍不良であったのに対し、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A1,A2で処理したものは着用感が良好である。特に、処理液X1,Y1では一回の洗濯で着用感が稍不良から不良に悪化しているのに対し、処理液A1,A2によれば3回の洗濯後でも着用感は良好である。
(試着試験2)
上記の処理液A1,A2,X1を用いてナイロン製ショーツを試着試験1と同じ条件で処理し、処理後の繊維体(ショーツ)について敏感肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 2005139588
上表3から明らかなように、リン脂質ポリマー3%の単独水溶液(処理液X1)で処理したものは着用感が稍不良であったのに対し、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A1,A2で処理したものは着用感が良好である。特に、処理液A1,A2によれば3回の洗濯後でも着用感は良好である。
(試着試験3)
上記の処理液A3,A5,X3,X4を用いてポリエステル製ショーツを試着試験1と同じ条件で処理し、処理後の繊維体(ショーツ)について敏感肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表4に示す。
Figure 2005139588
上表4から明らかなように、リン脂質ポリマーの単独水溶液(処理液X3,X4)で処理したものは着用感が良〜稍不良であったのに対し、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A3,A5で処理したものは着用感が良好である。特に、処理液A3,A5によれば3回の洗濯後でも着用感は良好である。
(試着試験4)
上記の処理液A7を用いて、綿製ショーツを試着試験1と同じ条件で処理し、処理後の繊維体(ショーツ)について敏感肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表5に示す。
Figure 2005139588
上表5から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A7で処理したものは着用感が良好であり、3回の洗濯後でも着用感に変化はみられない。
(試着試験5)
上記の処理液A7を用いてナイロン製キャミソールを試着試験1と同じ条件で処理し、処理後の繊維体(キャミソール)について敏感肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表6に示す。
Figure 2005139588
上表6から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A7で処理したものは着用感が良好である。但し、3回の洗濯後では着用感が不良となった。
(試着試験6)
上記の処理液A4を用いてポリエステル製水着を試着試験1と同じ条件で処理し、処理後の繊維体(水着)について敏感肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表7に示す。
Figure 2005139588
上表7から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A4で処理したものは着用感が良好である。
(試着試験7)
上記の処理液A6,A7,X4,Y1を用いてポリエステル/綿混合製靴下を試着試験1と同じ条件で処理し、処理後の繊維体(靴下)について敏感肌の女性被験者を選定して試着試験を行って着用感を調べた。その結果を表8に示す。
Figure 2005139588
上表8から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液A6,A7で処理したものは着用感が良好である。但し、他の処理液X4,Y1で処理したは処理液A6,A7によるそれと着用感が稍劣ったものの大きな差異は認められなかった。
尚、以上のような試着試験1〜7のほか、上記の各種処理液A1〜A6に1〜5重量%の液状樹脂を含有せしめたもので処理した繊維体(ブラジャーその他の衣類)は、風合い、着用感が更に向上した。
下表9に示すように、リン脂質ポリマー(MF5)と絹タンパクのブレンド水溶液(処理液B1〜B4)、比較例としてリン脂質ポリマー(MF5)の単独水溶液(処理液X4,X5)、及び絹タンパクの単独水溶液(処理液Y2,Y3)を作成した。
Figure 2005139588
(吸着検査1)
上記の処理液B1〜B4,X4〜X5,Y2〜Y3を用いてポリエステル布を同一条件(浸漬時間1分、ピックアップ100%の脱液処理、150℃/2分の乾燥処理)で処理し、処理後の繊維体(ポリエステル布)について蛍光度(株式会社オリンパス製の蛍光顕微鏡BX-51を使用)と染色濃度(処理後のポリエステル布をタンパク質を染色する酸性染料で染色)を調べた。尚、蛍光度はタンパク質の吸着量が多いほど強くなり、染色濃度(K/S)は数値が大きいほど色が濃いことを示す。
上表9から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液B1〜B4で処理したものは蛍光度が弱〜強であり、特に2%MF5と3%絹タンパクのブレンド水溶液(処理液B4)では蛍光度が非常に強く、絹タンパクの吸着量が高いことが確認された。但し、染色濃度には大きな差異はみられなかった。
下表10に示すように、リン脂質ポリマー(MF7)と絹タンパクのブレンド水溶液(処理液C1〜C4)、比較例としてリン脂質ポリマー(MF7)の単独水溶液(処理液X6,X7)、及び絹タンパクの単独水溶液(処理液Y2,Y3)を作成した。
Figure 2005139588
(吸着検査2)
上記の処理液C1〜C4,X6〜X7,Y2〜Y3を用いてナイロン布を同一条件(浸漬時間1分、ピックアップ100%の脱液処理、150℃/2分の乾燥処理)で処理し、処理後の繊維体(ナイロン布)について、吸着検査1と同様に蛍光度と染色濃度を調べた。
上表10から明らかなように、リン脂質ポリマーと絹タンパクを混合した処理液C1〜C4で処理したものは蛍光度が何れも「強」であり、絹タンパクの吸着量が高いことが確認された。これは絹タンパクのヒドロキシ基などがリン脂質極性基にエステル結合したものと考えられる。但し、染色濃度には大きな差異はみられなかった。尚、図1〜図9には吸着検査2の結果(蛍光顕微鏡の写真)を示す。
以上のように、絹タンパクはLMFと相性が良く、両者の組み合わせによって種々の繊維体に対して機能性の長期保持(耐洗濯性など)が可能となり、好適な相乗効果を生むことが確認された。
本発明に係る処理剤の水溶液(1%MF7+1%絹タンパク)で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 本発明に係る処理剤の水溶液(1%MF7+3%絹タンパク)で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 本発明に係る処理剤の水溶液(2%MF7+1%絹タンパク)で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 本発明に係る処理剤の水溶液(2%MF7+3%絹タンパク)で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 MF7の1%水溶液で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 MF7の2%水溶液で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 絹タンパクの1%水溶液で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 絹タンパクの3%水溶液で処理したナイロン布の蛍光顕微鏡写真 未加工ナイロン布の蛍光顕微鏡写真

Claims (8)

  1. セリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、Lipidure−MF(商品名、日本油脂株式会社製)とを混合して成る繊維処理剤。
  2. セリシン及び/又はフィブロインから成る絹タンパクと、ホスホリルコリンなどのリン脂質極性基をもつ生体膜類似構造のリン脂質ポリマーとを有して成る繊維処理剤。
  3. 絹タンパクが熱湯中で繭毛羽を煮詰めることにより得られるものである請求項1、又は2記載の繊維処理剤。
  4. リン脂質ポリマーがホスホリルコリン基含有モノマーと、親水基をもつ親水性モノマー及び/又は疎水基をもつ疎水性モノマーとの共重合体である請求項2記載の繊維処理剤。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維処理剤により、繊維体の表面をコーティングして成る機能性繊維体。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維処理剤を水溶液とし、その水溶液に糸、布、又は衣類などの繊維体を浸漬し、次いでその繊維体を脱液、乾燥することを特徴とする機能性繊維体の製造方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維処理剤を0.1〜5重量%の絹タンパクを含んだ水溶液とし、その水溶液に糸、布、又は衣類などの繊維体を浸漬し、次いでその繊維体にピックアップ50〜300%の脱液処理を施した後、該繊維体を70〜180℃の雰囲気下で乾燥させることを特徴とする機能性繊維体の製造方法。
  8. 繊維処理剤の水溶液に繊維体を浸漬した後、その繊維体を液状樹脂溶液に浸漬するか、又は繊維処理剤を液状樹脂を含んだ水溶液とすることを特徴とする請求項6、又は7記載の機能性繊維体の製造方法。
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