JP4534090B2 - 繊維処理剤、繊維の処理方法及び繊維製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌に接する繊維製品の表面処理剤に関する。また、本発明は、肌荒れ、かゆみ、免疫性などの改善に有効な肌の生理的保護効果が恒久的に得られるための繊維処理剤、このような繊維処理剤を用いた繊維の処理方法及び繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アトピー性皮膚炎が増加しており、社会的に問題となっているが、アトピーの主な原因は生活の高度化にともなう居住環境の変化などにより、皮膚のバリア機能の異常や角質の保温能低下などを招いていることによるものと考えられている。
【0003】
アトピー性皮膚炎の原因となる免疫性の低下は、肌着などの衣類による肌への刺激によっても湿疹やかゆみの影響が大きいとされている。このため肌に直接に接する衣類に皮膚のバリヤ機能の改善や角質の保湿機能が付与され、肌の免疫性や肌荒れかゆみなどの抑制に有効な肌の生理的保護効果を付与することができれば非常に有益と考えられるが、未だこれらの機能を有する繊維処理剤は存在していなかった。
【0004】
従来、皮膚角質の保湿にはコラーゲンが有効とされているが、ウレタン樹脂に天然コラーゲンを分散した皮膜とすることによって汗のべトツキ感のない高透質性、高吸放湿性としたもの(特開平4−82974号公報)、コラーゲン水解物と界面活性剤からなる保湿性衛生製品用カバー不織布の表面処理剤(特開昭62−90375号公報)があるが、コラーゲンはべとつきがあり、これで処理しても肌着の表面感触が満足できるものではなく、そのまま繊維処理剤として用いることに無理があった。
【0005】
一方、自然界に広く、豊富に存在し、無脊椎動物や菌類などに蛋白質との複合体として存在するキチンやキチン誘導体を皮膚障害を起こさない抗菌効果を発揮するための繊維処理剤として使用することによって吸水性水分拡散性、さらには防水性や透湿性をも改善することも公知(特開平3−76871号公報)であるが、キチン系化合物が繊維間に分散しているだけであるので、得られる繊維製品は洗濯によりキチン系化台物が溶出したり、脱落したりして、耐久性に問題があった。
【0006】
一方、第4級アンモニウム塩を含む処理液で繊維を処理することも知られており、柔軟な風合いを現出するもの(特開平7−82668号公報)、撥水・撥油性の改善(特開平7−145119号公報)、抗菌・消臭性、吸水加工性の改善(特開平8−311769号公報)、帯電防止処理(特開平9−173961号公報、特開平10−37071号公報)、光沢性、風合いの改善(特開平10−237771号公報)などがあるが、いずれも生理的保護効果を示すものではなかった。
【0007】
また、コラーゲン及びキトサン第4級アンモニウム塩を併用するものも知られており、例えばポリエステル繊維表面にコラーゲン及び/又は抗菌剤をグラフト重合して抗菌性、吸放湿性、吸水性に優れた改質ポリエステル繊維を得るもの(特開平7−300770号公報)があるが、本技術は大規模での前記物性を有する繊維の製造方法であり、繊維の後加工技術に関するものではなく、しかも、本発明で得られる繊維におけるような着用感や生理的保護効果の面で満足のいくものではなかった。
【0008】
さらに、絹蛋白質主体の繊維処理剤、例えばシルク微粒子による繊維の表面処理(特開平8−49161号公報)や、セリシンで処理することによって繊維の親水性を改善する処理(特開平9−322911号公報)、肌と接する表面部にセリシンを配した繊維質肌当て用品、例えばオムツ、眼帯、化粧パック、ウェットナッブなど(特開平10−1872号公報)も知られるが、肌への着用感や角質の保湿の面で満足すべきものではなかった。また、繭の加水分解物より抽出した蛋白質成分の液状又は粉末状のものと合成樹脂バインダーとを混合して繊維に固着する技術も知られているが、バインダーの包埋効果によりセリシン成分が肌に作用し難くなっており、期待するような生理的保護劾果が十分に得られないこと、バインダー使用により皮膚刺激を与え難くなる欠点がある上に、肌着やタオル類は頻繁に洗浄されたときの、洗濯耐久性の面で満足できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膚のバリヤ機能の回復や角質の保湿機能を図ることができる繊維処理剤、繊維の処理方法、及び繊維製品を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、セリシン及び任意成分としてコラーゲン及びフィブロインからなる群から選ばれる少なくとも1種を有する動物蛋白質;キトサン又はその塩;及び少なくとも1種の第4級アンモニウム塩を含有してなる繊維処理剤を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、セリシン及び任意成分としてコラーゲン及びフィブロインからなる群から選ばれる少なくとも1種を有する動物蛋白質1部に対してキトサン又はその塩1〜3部の重量比を混合加熱してなるA液と、動物蛋白質1部に対して第4級アンモニウム塩1〜3部の重量比を混合加熱してなるB液よりなる処理液を用いて繊維に含浸することを特徴とする繊維の処理方法を提供するものである。
【0012】
さらに本発明は、セリシン、コラーゲン、キトサン及び少なくとも1種の第4級アンモニウム塩を繊維の表面或いは内部に含む繊維製品を提供するものである。
【0013】
本発明の動物蛋白質としては、天然コラーゲン、アテロコラーゲン、セリシン、フイブロインが好ましく例示され、これらは、加水分解により、分子量を5,000 〜100,000程度の範囲に調整したものがより好ましい。動物蛋白質の好ましい具体例としては、動物の皮膚骨より抽出される天然コラーゲン、アテロコラーゲンの加水分解物で分子量が5,000 〜100,000 の抽出物、又はセリシン、フイブロインの加水分解物で分子量が5,000 〜100,000 の抽出物が好ましく用いられる。例えば、絹より得られるセリシンについては、塩酸を用いて50℃で1〜2時間程度処理して分子量を5,000 〜100,000 程度にして、苛性ソーダで中和して活性炭層及び限外ろ過膜を通したろ液を用いることができる。この方法で得られたろ液の成分濃度は0.2%程度であるが、さらに濃縮して用いてもよい。従来、絹より除去されるセリシンは廃棄されていたが、自然界を汚染するので、廃棄公害対策としてもセリシンの利用は有効である。絹のフイブロインについても同様に加水分解して分子量5,000 〜100,000 として用いることができる。動物蛋白質加水分解抽出物の分子量が大きくなりすぎると、角質の保湿効果や皮膚のバリヤー効果が低下するので、分子量100,000程度以下であるのが好ましい。
【0014】
本発明の好ましい実施態様では、動物蛋白質は、キトサン又はその塩、好ましくはキトサン乳酸塩と混合して加熱することにより、動物蛋白質をキトサンに担持させる。
【0015】
得られたものは、乾燥によってジェル状になり、処理した繊維表面に造膜するが、これだけではジェル膜は繊維に対して吸着性がなく、耐洗濯性が得られない。しかしながら、後述するように添加成分として特定の第4級アンモニウム塩を用いることにより耐洗濯性を大幅に改善することが可能となった。
【0016】
本発明では、キトサンの塩として、塩酸、硫酸等の無機酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸等の有機酸との塩が例示され、好ましくは乳酸、ピロリドンカルボン酸等の有機酸との塩、特に乳酸塩が挙げられる。
【0017】
本発明の好ましい実施態様では、動物蛋白質と第4級アンモニウム塩を混合・加熱することにより、動物蛋白質を第4級アンモニウム塩に担持させるものである。得られた生成物の性状は、第4級アンモニウム塩の分子量により相違するが、グアニジン系アンモニウム塩系ではアルキル・トリメチルアンモニウム系を併用した方がキトサン又はその塩の固着効果に有効である。さらに、本発明で用いる第4級アンモニウム塩は、動物蛋白質を担持して繊維に固着するのみでなく、キトサン又はその塩と蛋白質加水分解物のジェル膜を繊維に固着する機能も果たす。このようにアルキル・トリメチルアンモニウム系、ベタイン系アンモニウム塩又はグアニジン系アンモニウム塩より選ばれた第4級アンモニウム塩によって、肌着類に耐洗濯性を有する吸着と柔軟平滑性と抗菌住を付与することができる。
【0018】
上記第4級アンモニウム塩のアルキル・トリメチルアンモニウム系のものは、アルキル基としてドデシル、ヤシアルキル、ヘキサデシル、ラウリル、ミリスチル、セチル、ステアリル、オレイルのものを用いるのがよい。また、ベタイン系アンモニウム塩としては、トリメチルグリシンが使用できる。ベタイン系アンモニウム塩は、繊維に吸着するとともに柔軟平滑性に優れ、髪のリンスとして用いられる程であり、人体に対して安全であるからである。さらに、グアニジン系アンモニウム塩としては、Triethoxysi1y1propy1 grafted Po1yhexamethy1enguanidine Hydroch1oride (韓国;SK株式会社製品、YSB-TX)が有効である。
【0019】
なお、本発明で用いる第4級アンモニウム塩は、肌に優しいものであれば、上記に限定されるものではない。
【0020】
【発明の実施の態様】
本発明は、動物蛋白質、キトサン又はその塩及び、1種又は2種以上の第4級アンモニウム塩が含有されてなる繊維処理液によって、繊維を処理することによりこれら成分を衣類に固着させるものである。本発明の好ましい実施態様では、動物蛋白質1部とキトサン又はその塩1〜3部を混台して60℃で2時間攪拌し、A液を得る。別に動物蛋白質1部とアルキル・トリメチル型、ベタイン型又はグアニジン型より選ばれた第4級アンモニウム塩1〜3部を混合して60℃で2時間攪拌してB液を得る。次いでA液にB液を配合して繊維処理液とし、この処理液を衣類に固着させるものである。本発明では、上記のようにA液とB液を用いることなく、各成分を混合して繊維処理液としてもよい。
【0021】
動物性蛋白質の必須成分であるコラーゲンとしては、天然コラーゲン及びアテロコラーゲンが例示され、これらを単独で又は混合して用いることができる。
【0022】
動物蛋白質には、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ロイシン、フェニルアラニン、グリシン、バリン、プロリン、グルタミン酸又はアスパラギン酸などのアミノ酸が含有されるので、生理的に免疫性や肌荒れを改善する効果が大きい。
【0023】
本発明において有効な繊維素材としては、綿、レイヨン、アセテート、麻、キュプラレイヨン、アクリル又はナイロンなどがあり、ポリエステル繊維ポリプロピレン繊維などには補助的にウレタン系バインダーを併用するとよい。本発明の繊維処理剤は、単独又は従来の繊維仕上剤に併用して繊維に処理することができる。
【0024】
本発明の繊維処理液は、動物蛋白質の腐敗防止及び繊維表面の雑菌防止の上で、パラベン類などの殺菌剤を便用することなく抗菌力を保持させるので、このような本発明の繊維処理剤を用いた結果として、皮膚に刺激の少ない素材となり、得られた肌着は好ましい柔軟平滑性を有し、肌荒れ、かゆみ、免疫性などの改善に有効な肌の生理的保護効果の優れたものとなる。
【0025】
本発明の繊維処理剤における綿100%メリヤス布に処理して耐洗濯性のあることを実証するために、日本食品分析センターにおいて該処理綿布の洗濯前と洗濯後のアミノ酸含有量を分析してその測定結果を下記表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004534090
【0027】
なお、下記実施例1では、セリシン加水分解物を用いた綿メリヤス布が得られるが、洗濯50回後においても自然保湿因子成分の各アミノ酸類が含有されており耐洗濯性に優れていることが注目される。 特にアスバラギン酸の多いことがセリシン由来成分の特徴である。10回、50回の洗濯結果に示されているように自然保湿因子成分の含有量は低下しているが、実施例1の表2、実施例2の表3に示すように、保湿効果は十分保持されている。このように自然保湿因子成分が適度に低減することは、僅かな脱落が肌に作用して生理的保護結果をもたらすのに好ましい。
【0028】
本発明では、肌荒れ防止効果をさらに改善するために、上記繊維処理剤にアラントイン、グリチルレチン酸塩、シコン抽出成分、アロエ抽出成分、クチナシ抽出成分、クエン酸、酒石酸、ハマメリス抽出成分、西洋ノコギリ草抽出成分、ユキノシタ抽出成分、ヨモギ抽出成分、ニンジンエキス、ヘチマ抽出成分、マロニエ抽出成分又はオオバク抽出成分などを配合することが好ましい。また、パンティストッキングのような合成繊維には、肌の生理的保護機能と風合を損ねない範囲でウレタン系などのバインダー類を少量添加することは構わない。
【0029】
本発明は、上記皮膚の自然保湿因子成分を含む処理液で肌着類、バスロープ、タオル類、ベッドシーツ、靴下、パンティストッキング又は医療用繊権製品などの織物、編物、不織布を処理することによって肌に優しい柔軟風合と肌荒れやかゆみ、湿疹などの改善に有効な肌の生理的保護効果を発揮させることができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明する。
【0031】
【実施例1】
A液の調製;キトサン2重量%、乳酸2重量%、水96重量%を混合して、50℃で40分間反応させてキトサン乳酸塩溶液を得た。一方、絹より抽出されたセリシン液100 gに10%塩酸100gを加え、50℃で1時間加水分解し、苛性ソーダで中和して中性としてろ紙を用いてろ過し、ろ液をゲルろ過によりふるい分けする。さらに、分子量10,000〜20,000の蛋白質分画を回収・濃縮してセリシン加水分解物成分2%の液を得た。
【0032】
上記キトサン乳酸塩溶液60部と上記セリシン加水分解液40部を混合して60℃で2時間攪拌してA液を得た。
【0033】
B液の調製:第4級アンモニウム塩としてYSB−TX(韓国SK社製品グアニジン系アンモニウム塩30%液)40部、セチルトリメチルアンモニウム塩(30%液)20部及び上記セリシン加水分解物成分液40部を混合して60℃で2時間攪拌してB液を得た。
【0034】
繊維処理液の作成;A液とB液を等量混合し、攪拌し、さらに精製水で10倍に希釈して処理液とした。
【0035】
得られた処理液を綿100%の肌着用メリヤス生地にマングルを用いて生地重量の200%含浸して100 ℃で乾燥した。得られた処理綿布に固定されたアミノ酸の耐洗濯性は、上記表1に示すように優れた耐洗濯性が認められた。
【0036】
また、長袖の肌着の左半分を実施例1によって処理した生地を用い、右半分を従来の普通の綿生地をブランクとして用い、左右で生地素材を異にする肌着を縫製した。該肌着をアトピー性皮膚炎患者により着用試験をした結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0004534090
【0038】
アトピー性皮膚炎患者で胸、背中、上腕を湿疹患部とする10名を対象に着用試験を行った。年齢は15歳から38歳。皮膚炎の重症度は高度3名、中程度7名である。着用試験は6週間から8週間にわたり実施した。一日着用した後は、家庭用電気洗濯機を使用して洗濯した。
【0039】
試験開始日と比較して全般改善度を評価した。かゆみの軽減について自己評価によれば、左側(本発明の処理布)のかゆみ低減を認めている。アトピー性皮膚炎患者が着用する上で安全性の高い肌着ということができる。
【0040】
【実施例2】
A液の調製;キトサン2重量%、乳酸2重量%、水96重量%を混合して50℃で40分反応させてキトサン乳酸塩溶液を得た。一方、絹より抽出されたセリシン液100gに10%塩酸100gを加えて50℃で1時間加水分解した。次に、苛性ソーダで中和して中性とし、ろ紙を用いてろ過する。さらに、ろ液をゲルろ過してふるい分けし、分子量10,000〜20,000の蛋白質分画を回収・濃縮してセリシン加水分解物成分2%の液を得た。上記キトサン・乳酸液60部と上記セリシン加水分解液40部を混合して60℃で2時間攪拌してA液を得た。
【0041】
B液の調製;第4級アンモニウム塩としてヤシアルキル・トリメチルアンモニウム塩(30%液)40部及びトリメチルグリシン5部の溶液に上記セリシン加水分解物成分液40部、水16部を混合して60℃で2時間攪拌してB液を得た。
【0042】
処理液の調製;A液にB液を等量混合し、精製水を加えて10倍に希釈して処理液とした。
【0043】
得られた処理液を綿100%のタオル生地にマングルを用いてタオル重量の200%を含浸した後、120℃で乾燥して柔軟で良好な風合を得た。該処理をしたタオル生地は洗濯50回後も柔軟風合に変化がなく、風合の耐洗濯性が認められた。
【0044】
また、保湿性の効果により吸水性は優れている。抗菌力を評価するために、staphy1ococous Aureus IFO12732を用いて、18時間培養による菌数変化を測定した。
【0045】
測定結果は表3に示すように、50回の洗濯後にも優れた抗菌力が認められた。
【0046】
【表3】
Figure 0004534090
【0047】
【実施例3】
A液の調製;キトサン2重量%、乳酸2重量%及び水96重量%を混含して60℃で、40分間反応させてキトサン乳酸塩溶液を得た。得られたキトサン乳酸塩液60部とコラーゲン原料とする分子量10,000〜20,000の抽出物(2%液)40部を混合し、60℃で2時間加熱してA液を得た。
【0048】
B液の調製;第4級アンモニウム塩としてトリメチルグリシン20部と、ラウリル・トリメチルアンモニウム塩(30%液)30部と上記コラーゲン抽出液50部を混合して60℃で2時間攪拌し、該配合液に補助的にバインダーとしてUPM-Z12HN(商品名、帝国化成株式会社製品、ウレタン系バインダー、30%濃度)20部を混合してB液を得た。
【0049】
A液にB液を等量攪拌配合して精製水により10倍に希釈して処理液とした。
【0050】
得られた処理液にナイロン製のパンティストッキングを含浸して100℃で乾燥した。処理後のストッキングは、風合にはさらっとした柔軟性があり、保湿性のために着用感は従来品よりはるかに優れており、肌の生理的保護効果を有することが確かめられた。
【0051】
【発明の効果】
本発明の繊維処理剤は,皮膚のバリヤ機能の回復や角質の保湿機能を図ることが可能である。本発明では、合成樹脂バインダーを極力用いることなく、各成分を繊維に固着することができるので、従来品に比してはるかに優れた、肌に優しい柔軟風台と保護効果を有する肌着類が得られる。
【0052】
本発明では、動物蛋白質、キトサン又はその塩、第4級アンモニウム塩を用いることにより、合成樹脂バインダーを用いることなく、これらを繊維に固着させることができる。

Claims (5)

  1. セリシン及び/又はコラーゲンからなる動物蛋白質1部に対して、キトサン又はその塩1〜3部の重量比を混合加熱してなるA液と、セリシン及び/又はコラーゲンからなる動物蛋白質1部に対して、下記(a)及び(b)からなる第4級アンモニウム塩1〜3部の重量比
    (a)アルキル・トリメチルアンモニウム塩、
    (b)ベタイン系アンモニウム塩及びグアニジン系アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種
    を混合加熱してなるB液とを、混合してなる処理液を用いて、繊維に含浸することを特徴とする繊維の処理方法。
  2. 動物蛋白質が、分子量10,000 〜20,000 のコラーゲン及び/又は分子量10,000〜20,000 のセリシンからなることを特徴とする請求項1に記載の繊維の処理方法。
  3. 繊維素材として、綿、レイヨン、アセテート、麻、キュプラレイヨン、アクリル及びナイロンから選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維の処理方法。
  4. 繊維素材として、ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維を用い、ウレタン系バインダーを前記処理液と併用することを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維の処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理方法により得られた、セリシン、コラーゲン、キトサン及び下記(a)及び(b)からなる第4級アンモニウム塩
    (a)アルキル・トリメチルアンモニウム塩、
    (b)ベタイン系アンモニウム塩及びグアニジン系アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種
    を、繊維の表面或いは内部に含む繊維製品。
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