JP3749221B2 - 繊維処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維に対して優れた風合いを付与する繊維処理剤、及び着用時に優れた感触、使用感を付与する繊維に関するものである。さらに詳しくは、繊維処理に有用な特定の平均粒径を有する固体粒子の両親媒性脂質を含有する繊維処理剤、この両親媒性脂質が表面に存在してなる繊維及びその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、繊維製品、特に日常着用する繊維製品に、スキンケア化粧料と同様の効果を期待した特殊加工繊維が使用されている。特許文献1には、スキンケア繊維製品として、セリンを含有する蛋白質を付着したスキンケア繊維製品が開示されている。また、特許文献2は、非イオン系両親媒性物質を含有する繊維用仕上げ剤組成物を開示している。さらに詳しくは、該非イオン系両親媒性物質はセラミド類であり、このセラミド類は、他の配合組成物と共に1000nm以下の乳化粒子として存在することが好ましく、これにより、乳化状態の経時安定性が良好で、セラミド類の析出や加工する繊維に対する凝集・付着等の問題がないこと、また、処理された繊維製品は、着用時の皮膚の保湿性を向上させることを開示している。すなわち、このセラミド類は固体として存在させたものではない。
しかしながら、これらの技術では、充分な効果が得られるだけの量を繊維上に残存させにくく、洗濯耐久性も低く、さらに繊維の風合いを同時に向上させることができなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−60547号公報
【特許文献2】
特開2001−146680号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スキンケア効果を有する両親媒性脂質を安定的に繊維へ保持させ、さらに優れた風合い、保湿効果及び着用時の接触する皮膚に対して好感触を付与する繊維処理剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平均粒径が1〜100μmの固体粒子であり、分子中にヒドロキシ基及びアミド基を有する両親媒性脂質を含有する繊維処理剤を提供する。
さらに本発明は、上記繊維処理剤と界面活性剤及び水性媒体から選ばれる1種以上とを含有する繊維処理剤組成物、上記繊維処理剤を繊維に接触させ、上記両親媒性脂質が連続的又は不連続的に繊維表面に存在してなる繊維、上記繊維処理剤が付着してなる繊維、及び上記繊維処理剤又は繊維処理剤組成物と繊維とを接触させる繊維の処理方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
分子中にヒドロキシ基及びアミド基を有する両親媒性脂質(以下(a)成分ともいう)とは、1以上のヒドロキシ基及び1以上のアミド基を有するものであり、天然セラミド類、合成セラミド類及び合成等により得られるそれらの類縁体(擬セラミド)であって室温(25℃)で固体状のものをいう。かかる両親媒性脂質としては、Ceramide H03(Sederma)、CeramideII(Sederma)、Questamide H(Quest)、Ceramide TIC-001(高砂香料)、ソフケアセラミドSL-E(花王)等が挙げられる。ここで、繊維処理剤組成物等とした場合の安定性から、融点30℃以上であるものが好ましく、融点40℃以上であるものがより好ましい。合成により得られるセラミド類縁体の特に好ましい例としては、上記ソフケアセラミドSL−Eを含む次の一般式(1)で表されるアミド誘導体が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】
〔式中、R1及びR2は同一又は異なって、1以上のヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数7〜39の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、リン酸塩残基、硫酸塩残基又は糖残基を示す。ただし、1分子中に1以上のヒドロキシ基を有する。〕
【0009】
一般式(1)において、R1の炭化水素基としては、炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基が好ましく、R2の炭化水素基としては、炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基が好ましく、R3及びR4としては、水素原子が好ましい。
【0010】
上記アミド誘導体(1)の製造法については特開昭62-228048号公報、特開昭63-216852号公報等に詳述されている。
【0011】
両親媒性脂質の平均粒径は1〜100μmの固体粒子であるが、2〜100μm、更に5〜100μm、より更に5〜80μmが好ましく、7〜50μmが特に好ましい。また固体粒子が結晶状態で存在するのが好ましい。
【0012】
両親媒性脂質は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明繊維処理剤組成物中に0.005〜40重量%、より好ましくは0.05〜40重量%、更に5〜40重量%、特に10〜30重量%配合されるのが望ましい。濃厚液の場合は、1〜40重量%、更に5〜40重量%、特に10〜30重量%配合されるのが好ましい。希薄液の場合は、0.005〜1重量%、更に0.01〜0.9重量%、特に0.02〜0.6重量%配合されるのが好ましい。
【0013】
本発明の繊維処理剤組成物に使用される界面活性剤(以下(b)成分ともいう)としては、特に制限はなく、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び陽イオン界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
両親媒性脂質を(b)成分と共に晶析し、繊維処理剤組成物として用いる場合には、(b)成分としては、好ましくは一般に化粧品用として用いられるもの、例えば非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
このうち、非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸又はその塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン及びアミドアミノ酸(イミダゾリン系ベタイン)等が挙げられる。
【0014】
中でも好ましいものとして、非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれるものが好ましい。
【0015】
特に好ましい非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド、例えばアルキル基の炭素数8〜14で糖(グルコース)の縮合度1〜2のもの;ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、例えばアルキル基又はアルケニル基の炭素数8〜18でエチレンオキシドの平均付加モル数4〜25、好ましくは4〜15のもの;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば脂肪酸の炭素数8〜20でエチレンオキシドの平均付加モル数5〜25のもの;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば炭素数8〜20の脂肪酸のモノエステル等が特に好ましい。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩としては、炭素数8〜20でエチレンオキシド平均付加モル数3〜15の酸そのもの又はそのアルカリ金属等の塩が挙げられる。すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸は、中和せず、そのまま用いてもよいし、適宜中和して用いてもよい。
また陽イオン界面活性剤を更に添加することにより、繊維への両親媒性脂質の吸着性を上げることができる。陽イオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩及びピリジニウム塩等が挙げられる。
【0016】
界面活性剤は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明繊維処理剤組成物中に2〜55重量%、好ましくは5〜40重量%配合される。特に晶析工程では上記配合量が好ましい。
【0017】
ここで、両親媒性脂質と界面活性剤の配合比率は、重量比(a)/(b)が90/10〜25/75、更に80/20〜30/70、特に70/30〜40/60が好ましい。特に晶析工程では上記配合比率が好ましい。
【0018】
本発明の繊維処理剤組成物に使用される水性媒体とは、水及び/又は水に可溶な極性有機溶媒をいう。水に可溶な極性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;アセトン等が挙げられる。
水性媒体として好ましくは水及び/又はエタノール、グリコール類があげられ、特に水が好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物は、そのまま、または水及び/又は水に可溶な極性有機溶媒により、あるいは界面活性剤及び水性媒体により、希釈して、繊維処理に適用してもよい。本発明の繊維処理剤組成物が濃厚液の場合は、希釈して適用するのが好ましい。
【0019】
本発明の繊維処理剤は、例えば、(a)成分の両親媒性脂質、(b)成分の界面活性剤及び水の混合物を両親媒性脂質の融点以上(融点〜融点+10℃程度)まで攪拌しながら加熱・融解し、均一状態になった後、攪拌しながら冷却し、(a)成分を晶析させることにより製造することができる。
【0020】
ここで、界面活性剤の種類及び量、冷却速度、攪拌速度等を調整することにより、(a)成分の粒径を制御することができる。(a)成分の平均粒径は、後述の方法による測定値で、1〜100μm、更に2〜100μm、より更に5〜100μm、特に5〜80μm、より特に7〜50μmにするのが好ましい。なお、ここでいう平均粒径は、光学顕微鏡で透過光下で写真撮影した後、写真上で任意に粒子を30個選び、各粒子について、直線距離で最長の部分を計測した際の算術平均値である。
また、本発明の繊維処理剤組成物にはpH調整剤、防腐剤、柔軟仕上げ剤、硬仕上げ剤、帯電防止剤、抗菌防臭加工剤、保湿加工剤等を添加することもできる。
保湿加工剤としては、植物エキス、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、動物油、植物油、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン及びスクワラン等が挙げられる。
植物エキスとは、植物系抽出エキスであり、例えばアロエ、アロエベラ、イチョウ、ウィキョウ、海藻、カッコン、カミツレ、キウイ、キュウリ、ヘチマ、クチナシ、コメヌカ、モモ、ユズ、ハトムギ、ヨモギ、オトギリソウ、茶等が挙げられる。
植物油として、オリーブ油、つばき油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、カルナバロウ、キャンデリアロウ、ホホバ油、サフラワー油、大豆油、シア油、ヒマワリ油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、メドウホーム油、米胚芽油、オレンジオイル等が挙げられる。
動物油として、ミンク油、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
【0021】
本発明で使用される繊維としては、木綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維や、レーヨン、キュプラ、テンセル等の再生繊維、アセテート、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の合成繊維が例示される。また、繊維の形態は特に制限されるものではなく、ステープルファイバー、糸等の材料、不織布、ニット布、織布等の半製品、衣料、寝具等の完成品等、種々のものが挙げられる。
【0022】
また、これらの繊維からなる好ましい繊維製品の例として、パンティーストッキング、タイツ、ランジェリー、ペチコート、キャミソール、ショーツ、シャツ、トランクス、ブリーフ等の肌着、ガードル、ブラジャー、ボディスーツ等のファンデーション、ナイトドレス、パジャマ、バスローブ等のナイトウエア、さらにはレオタード、ソックス、腹巻、手袋、マフラー、マスク、タオル、帽子等の衣料;枕カバー、敷布等の寝具等、直接肌、毛に接触して着用するものが挙げられる。
【0023】
本発明において、繊維を処理する方法として、本発明の繊維処理剤を含有する繊維処理剤組成物と繊維を接触させる方法がある。
繊維処理剤と繊維を接触させる方法には、繊維処理剤組成物中へ繊維を浸漬した後、乾燥させる方法、繊維処理剤組成物を繊維に噴霧し、次いで乾燥させる方法等が挙げられる。このような処理により、繊維表面に両親媒性脂質を連続的又は不連続的に存在させた繊維を得ることができる。また、乾燥は自然乾燥又は加熱乾燥のどちらでもよい。更に、アイロン、ズボンプレッサー等の圧力をかける加熱処理を行ってもよい。
【0024】
具体的な繊維の処理方法は、マングル、ドライヤーを用いたパッド・ドライ法や、ウインス、チーズ染色機、液流染色機等を用いた浸漬法、スプレー法、コーティング法、捺染法や、レーヨン、アクリル繊維等の練り込み法が挙げられる。
【0025】
繊維製品の場合、洗濯を行うに当たり、本発明の繊維処理剤組成物を洗浄、すすぎ、柔軟仕上げ、のりづけ等いずれの工程で用いてもよく、更にはスプレー法等により本発明の繊維処理剤組成物を直接、衣類、寝具等に適用させてもよい。
【0026】
本発明の繊維処理方法において、両親媒性脂質は、繊維重量に対して0.001〜5重量%、更に0.05〜1重量%、特に0.1〜0.8重量%となるように処理することが好ましい。
【0027】
また、繊維を処理するにあたり、バインダーを使用しても、しなくてもよいが、耐洗濯性の点でバインダーを使用することが好ましい。バインダーとして、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が例示される。また、この場合(繊維を処理する場合)、併用する薬剤としてバインダー以外にも、柔軟仕上げ剤、硬仕上げ剤、可縫性向上剤、防炎剤、帯電防止剤、防汚加工剤、抗菌防臭加工剤、起毛剤、スリップ防止剤、保湿加工剤、撥水剤、吸水剤、蛍光染料、グリオキザール等の防縮剤、フィックス剤等が目的に応じ利用可能である。
【0028】
バインダーの使用量は、良好な洗濯耐久性及び繊維処理効果を得る観点から、両親媒性脂質重量に対して、バインダー固形分として10〜500重量%が好ましく、50〜300重量%がより好ましい。
【0029】
本発明における両親媒性脂質は平均粒径が1〜100μmの固体粒子であるため、可溶化又は乳化した両親媒性脂質に比べ、処理された繊維内部に取り込まれにくく、繊維表面上に効率よく付着すると考えられる。また、繊維を処理する際に、洗浄やすすぎの工程がある場合、可溶化又は乳化した両親媒性脂質では容易に洗い流されるのに対し、本発明における両親媒性脂質は適度な粒径の固体粒子であるため、洗い流されにくく、繊維への保持率が向上すると考えられる。これらのことから、本発明の繊維処理剤で処理された繊維は、生地の風合い及び感触に優れると推測される。
【0030】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1(繊維処理剤組成物の調製)
表1の実施例1〜3に示す両親媒性脂質、界面活性剤及び水を80〜90℃に昇温した後、撹拌しながら冷却して両親媒性脂質を晶析させ、更に撹拌しながら室温まで冷却し、繊維処理剤組成物を調製した。得られた繊維処理剤組成物中の両親媒性脂質は、それぞれ平均粒径11.8μm(実施例1)、8.9μm(実施例2)及び16.3μm(実施例3)の針状ないし板状の結晶状態の固体粒子であった(結晶状態はX線回折により確認した)。
比較例1として、実施例1において界面活性剤であるマイドール10の32.0重量部をレオドールTW−S120の23.0重量部と置き換える以外は同様の操作を行って、両親媒性脂質が結晶化せず、乳化粒子として存在する組成物を得た(X線回折により確認した)。
【0031】
【表1】
【0032】
試験例1、比較試験例1〜2
実施例1で得られた繊維処理剤組成物1gを2.0Lの水に分散し、得られた分散液にあらかじめ市販の洗濯用洗剤で5回洗濯した後のパンティーストッキング1足25gを浸漬した。いったん脱水処理し、同量の水でためすすぎをし、再度脱水処理を行ったものを自然乾燥し、本発明の処理繊維を得た。
得られたパンティーストッキングを3足提供し、3日間の着用試験を冬期、乾燥肌で普段パンティーストッキングの着用によりかゆみを感じている女性パネラー5名で行った(試験例1)。
比較のため、比較例1において得られた、両親媒性脂質が結晶化せず、乳化粒子として存在している組成物を用い、同様にパンティーストッキングを処理し、試験例1と同じパネラー5名で着用試験を行った(比較試験例1)。また、繊維処理剤組成物を使用せずに、同様の処理をしたものについても、着用試験を行った(比較試験例2)。
それらの結果を併せて表2に示す。なお、評価項目及び基準は以下の通りである。結果は5名の平均評点で示した。
【0033】
生地の風合い(手触り)
4:とてもよい
3:よい
2:あまりよくない
1:よくない
着用のしやすさ(すべり性)
4:とてもよい
3:よい
2:あまりよくない
1:よくない
着用による肌の感触変化
4:とてもよくなった
3:よくなった
2:変化なし
1:わるくなった
着用による保湿効果
4:とても効果感あり
3:効果感あり
2:やや効果感あり
1:効果感なし
着用後の肌のかゆみ
4:かゆみがなくなった
3:ややかゆみがなくなった
2:変化なし
1:かゆみが強くなった
【0034】
【表2】
【0035】
表2の結果より、本発明の繊維処理剤組成物で処理した繊維は、その生地の風合いに優れ、また着用の際すべり性が良く、肌の感触、保湿効果を向上させ、肌のかゆみも低減されることが明らかである。
【0036】
試験例2〜4
実施例1、2及び3(それぞれ試験例2、3及び4に対応)で得られた各繊維処理剤組成物各々5gを10.0Lの水に分散し、得られた分散液に木綿繊維(木綿布)1.0kgを浸漬した後、木綿繊維をマングルで絞り、55℃、30分間乾燥して、本発明の処理繊維を得た。
男女各5名のパネラーにより、この処理繊維と、本発明の繊維処理剤組成物を使用せずに同様の処理を行った繊維とを手で触り、ブラインド法にて感触を比較し、評価した。結果を表3に示す。評価基準は以下に示し、それぞれ10名の平均評点で示した。
【0037】
感触
5:本発明品の方がとてもよい
4:本発明品の方がよい
3:かわらない
2:未処理品の方がよい
1:未処理品の方がとてもよい
【0038】
【表3】
【0039】
表3の結果より、本発明の繊維処理剤組成物で処理した繊維は、未処理品に比べて、手で触った時の感触が良好であることが明らかである。
【0040】
実施例4
柔軟仕上げ剤組成物へ本発明の繊維処理剤組成物を添加し、柔軟仕上げ時に用いることができる。
繊維処理剤組成物(実施例1) 10.0%
コータミンD86P*1) 3.0%
エマルゲン123P*2) 0.5%
エチレングリコール 1.5%
水 バランス
計 100.0%
*1):ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 花王(株)製(有効分75%)
*2):ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル 花王(株)製
【0041】
実施例5
繊維処理剤組成物(実施例2) 2.5%
香料 適量
水 バランス
計 100.0%
本組成物をスプレー容器へ充填し、良く振ったのち繊維製品へ均一にスプレーする。
【0042】
【発明の効果】
本発明の両親媒性脂質で処理された繊維は、生地の風合い及び触った時の感触が非常に優れたものとなり、この繊維の着用により、接触する皮膚に対して好感触であるとともに、皮膚を保護し、敏感肌でも安心して着用でき、保湿効果があり、肌荒れ等の皮膚疾患の改善効果を得ることができる。
Claims (8)
- 平均粒径が1〜100μmの固体粒子であり、分子中に1以上のヒドロキシ基及び1以上のアミド基を有する天然セラミド類、合成セラミド類及び合成等により得られる擬セラミドであって、室温(25℃)で固体状の、両親媒性脂質からなる繊維処理剤。
- 両親媒性脂質が、界面活性剤及び/又は水性媒体と共に該両親媒性脂質の融点以上に加熱後、晶析工程を経て得られたものである請求項1記載の繊維処理剤。
- 請求項1又は2記載の繊維処理剤を含有する繊維処理剤組成物。
- さらに界面活性剤及び水性媒体から選ばれる1種以上を含有する請求項3記載の繊維処理剤組成物。
- 請求項1又は2記載の繊維処理剤を繊維に接触させることにより上記両親媒性脂質が連続的又は不連続的に繊維表面に存在してなる繊維処理剤処理繊維。
- 請求項1記載の繊維処理剤が付着してなる繊維。
- 請求項1又は2記載の繊維処理剤と繊維を接触させる繊維の処理方法。
- 請求項3又は4記載の繊維処理剤組成物と繊維を接触させる繊維の処理方法。
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