JP2003105666A - 繊維用柔軟剤、繊維の柔軟仕上げ方法、繊維用柔軟剤で処理した繊維製品及び繊維用柔軟剤スプレー - Google Patents

繊維用柔軟剤、繊維の柔軟仕上げ方法、繊維用柔軟剤で処理した繊維製品及び繊維用柔軟剤スプレー

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JP2003105666A
JP2003105666A JP2001301246A JP2001301246A JP2003105666A JP 2003105666 A JP2003105666 A JP 2003105666A JP 2001301246 A JP2001301246 A JP 2001301246A JP 2001301246 A JP2001301246 A JP 2001301246A JP 2003105666 A JP2003105666 A JP 2003105666A
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textile
fiber
softener
fibers
olive oil
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JP2001301246A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Sakai
美明 酒井
Yutaka Tsujimoto
裕 辻本
Akihiro Maruyama
晶弘 丸山
Akio Matsubara
昭夫 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BEEGAN TSUSHO KK
Shikibo Ltd
Original Assignee
BEEGAN TSUSHO KK
Shikibo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カチオン系界面活性剤は繊維への柔軟性付与
効果には優れるが、色落ち、変色等の問題を生じ易いと
ともに、生分解性が低く皮膚刺激性も大きいという問題
があり、また繊維用洗浄剤として広く用いられているア
ニオン系界面活性剤とは相溶性が低いため、両者を一緒
に使用することができなかった。一方、アニオン系界面
活性剤は生分解性が高いが、カチオン系界面活性剤のよ
うな柔軟性付与効果は望めなかった。本発明は低皮膚刺
激性で繊維に対する柔軟性、平滑性付与効果に優れた繊
維用柔軟剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の繊維用柔軟剤は、下記(1)式
で示される化合物(但し式中、RCOは炭素数12〜
32の脂肪酸残基、nは1〜4の数、Xは水素、一価の
金属、二価の金属、アンモニア、アミンのいずれかを示
す。)と、オリーブオイルとを含有することを特徴とす
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低毒性で、繊維製造
工程や繊維仕上げ工程、或いは家庭において繊維や繊維
製品に優れた柔軟性、平滑性、帯電防止能等を付与する
ことのできる繊維用柔軟剤に関する。また本発明はこの
繊維用柔軟剤により繊維を柔軟仕上げ処理する方法に関
する。更に本発明はこの繊維用柔軟剤で柔軟仕上げ処理
した繊維製品に関する。更にまた本発明はこの繊維用柔
軟剤の処理液を充填したスプレーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】界面活
性剤は繊維処理剤として、繊維に柔軟性や平滑性を付与
したり、帯電防止能を付与する等の種々の目的で利用さ
れているが、繊維に柔軟性を付与する目的で用いられて
いる従来の界面活性剤は、例えばカチオン系界面活性剤
であるアルキルジメチルアンモニウムクロライド等のよ
うに皮膚障害や公害問題等を生じる虞れのあるものが多
かった。アトピーなどアレルギー体質の人や肌の敏感な
人は物理的刺激の少ないソフトな衣料が必要であるにも
かかわらず、アルキルジメチルアンモニウムクロライド
等の界面活性剤は皮膚障害の虞れがあるため、繊維の柔
軟処理に用いることができず、このため肌に優しく、か
つ繊維に優れた柔軟性、平滑性を与えて物理的刺激の少
ないソフトな衣料を提供できる繊維用柔軟剤が求められ
ている。
【0003】従来より繊維処理剤としては使用目的に応
じ、カチオン系界面活性剤を使用したり、アニオン系界
面活性剤を使用したり、非イオン系界面活性剤を使用し
たりしているが、カチオン系界面活性剤はアニオン系界
面活性剤や非イオン系界面活性剤に比べて繊維に対する
柔軟性付与効果に優れているため、繊維用柔軟剤として
は主としてカチオン系界面活性剤が用いられている。し
かしながら、カチオン系界面活性剤は、堅牢度低下、色
落ち、変色等の問題を生じ易いという問題に加え、皮膚
刺激性という大きな問題が未だ解決されていない。更に
カチオン系界面活性剤は生分解性が低いため、カチオン
系界面活性剤を含む排水を処理する上で、現在大きな問
題をかかえている。更にカチオン系界面活性剤で処理し
た繊維や繊維製品は吸水性が低いという問題もあった。
【0004】一方、アニオン系界面活性剤、非イオン系
界面活性剤は生分解生が高く、カチオン系界面活性剤の
有する種々の問題を解決することができる。しかしなが
ら、前記したようにアニオン系界面活性剤は繊維洗浄剤
としての効果は優れているものの、繊維に柔軟性を付与
するという面では必ずしも満足できるものではなかっ
た。
【0005】このよう問題を解決するものとして特定の
乳酸エステル誘導体を繊維の柔軟剤として用いることが
提案されている(特開平8−291465号)。本発明
者等は特開平8−291465号に記載されている乳酸
エステル誘導体の柔軟性付与効果を更に向上すべく鋭意
研究した結果、乳酸エステル誘導体とオリーブオイルと
を併用することにより、乳酸エステル誘導体やオリーブ
オイルを単独で用いた場合に比べ、飛躍的に柔軟性付与
効果が向上することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の繊維用柔軟
剤は、下記(1)式で示される化合物(但し式中、R
COは炭素数12〜32の脂肪酸残基、nは1〜4の
数、Xは水素、一価の金属、二価の金属、アンモニア、
アミンのいずれかを示す。)と、オリーブオイルとを含
むことを特徴とする。
【0007】
【化5】
【0008】本発明の繊維用柔軟剤は、下記(1)式で
示される化合物(但し式中、RCOは炭素数12〜3
2の脂肪酸残基、nは1〜4の数、Xは水素、一価の金
属、二価の金属、アンモニア、アミンのいずれかを示
す。)と、オリーブオイルとが、下記(2)式で示す化
合物(但し式中、RCOは炭素数12〜32の脂肪酸
残基を示す。)と、(3)式で示す化合物(但し式中、
Oは炭素数8〜122のアルコール残基、mは1〜
150の数を示す。)とを乳化剤として水に乳化分散さ
れているものを包含する。
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】本発明の繊維の柔軟仕上げ方法は、上記繊
維用殉難剤を含む処理液に繊維を浸漬し、繊維に柔軟を
付与することを特徴とする。本発明方法は、上記繊維用
柔軟剤を含む処理液を繊維にスプレーし、繊維に柔軟剤
を付与する方法を包含する。
【0013】また本発明は上記繊維用柔軟剤で処理した
繊維よりなる繊維製品を包含する。更にまた本発明は、
上記繊維用柔軟剤の処理液を充填したスプレーを包含す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において用いる、(1)式
で示される化合物は、炭素数12〜32の脂肪酸1モル
当たりに対し、1〜4モルの乳酸が脱水縮合した構造の
化合物、またはその塩である(以下、(1)式で示され
る化合物を、単に乳酸エステル誘導体と呼ぶことがあ
る。)。上記(1)式において、Xは水素、一価の金
属、二価の金属、アンモニア、アミンを示すが、本発明
の繊維用柔軟剤に用いる乳酸エステル誘導体は、(1)
式におけるXが、上記したいずれか一種類のものであっ
ても、二種類以上のものが混合していても良い。一価又
は二価の金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アル
カリ土類金属が挙げられる。またアミンとしては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
【0015】上記乳酸エステル誘導体は、(1)式にお
けるXがアミン及び/又は一価の金属である場合、より
柔軟性付与効果に優れる、Xがジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、プロパノールアミンである場合に
は、平滑性付与効果にもすぐれる。またXが一価の金
属、モノエタノールアミンである場合には帯電防止効果
にも優れる。2以上の効果を求める場合には、使用目的
に応じ、Xの種類の異なる乳酸エステル誘導体を混合し
て用いる。但し、低毒性の観点からはXがカリウム、ナ
トリウム、カルシウムであるものが好ましい。
【0016】尚、上記した乳酸エステル誘導体における
Xの種類と仕上げの効果との関係は、より好ましい効果
を得るための一応の目安であり、Xがジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、プロパノールアミンである
場合には、柔軟、平滑性付与効果がより優れているとは
言えるが、Xがジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、プロパノールアミンでなければ柔軟性、滑性付与
効果が得られないということではない。
【0017】上記炭素数12〜32の脂肪酸としては、
例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の直鎖
飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等
の直鎖不飽和脂肪酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸
等が挙げられ、これらは単独又は混合して用いられる。
またこれら脂肪酸の低級アルコールエステルも使用する
ことができる。上記脂肪酸が炭素数18以上の脂肪酸の
場合には、より柔軟性付与効果に優れ、炭素数12〜1
4の脂肪酸の場合には、より平滑性付与効果に優れ、炭
素数12〜18の脂肪酸の場合には、より帯電防止効果
に優れる。
【0018】上記(1)式において、nは1〜4である
ことが必要であるが、好ましくは1〜2である。尚、n
は平均値であるから、整数であるとは限らない。
【0019】上記乳酸エステル誘導体は、乳酸1〜4モ
ルを、100〜110℃で1〜3時間程度攪拌下に脱水
縮合させた後、上記した炭素数12〜32の脂肪酸又は
その低級アルコールエステル1モル及び、上記アルカリ
金属やアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸中和物、或い
は上記アンモニア、アミン等のアルカリ化合物を添加
し、更に160〜200℃で3〜6時間程度攪拌しなが
ら、炭素数12〜32の脂肪酸又はその低級アルコール
エステルと乳酸とを脱水縮合又は脱アルコール縮合させ
る等の方法により得られる。
【0020】本発明の繊維用柔軟剤は上記乳酸エステル
誘導体とともにオリーブオイルを併用したことにより、
乳酸エステル誘導体やオリーブオイルを単独で用いた場
合には得られない、優れた柔軟性付与効果が発現され
る。オリーブオイルとしては、局方オリーブオイル、バ
ージンオリーブオイル、食品用オリーブオイル、粧原基
オリーブオイル、工業用オリーブオイル等が挙げられる
が、局方オリーブオイルが好ましい。乳酸エステル誘導
体とオリーブオイルの配合割合は重量比で、乳酸エステ
ル誘導体:オリーブオイル=9:1〜1:9が好まし
く、特に、5:1〜1:1が好ましい。
【0021】本発明の繊維用柔軟剤は、通常、上記乳酸
エステル誘導体とオリーブオイルとを水に乳化分散して
用いる。乳酸エステル誘導体とオリーブオイルとを、エ
チルアルコール等の低級アルコール、或いは乳酸エステ
ル類、クエン酸エステル類、リンゴ酸エステル類等の低
級アルコールエステル等で希釈したものあっても良い
が、安全性や価格を考慮すると水に乳化分散したものが
好ましい。
【0022】乳酸エステルとオリーブオイルとを水に乳
化分散する場合、通常、乳化剤を併用する。乳化剤とし
ては、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール等
の高級アルコールや、ひまし油、水添ひまし油、脂肪酸
アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸等
の化合物のアルキレンオキシド付加体;ステアリン酸モ
ノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、アルキルポリグリコシド;アルキロイル
グルタミン酸塩、アルキルアシルグルタミン酸塩等のア
ミノ酸系界面活性剤;CMC、カゼイン、レシチン、キ
サンタンガム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子
化合物;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール等の低級アルコール類等が挙げられる。こ
れらは単独または混合して用いることができる。
【0023】本発明の繊維用柔軟剤は、乳酸エステル誘
導体とオリーブオイルとを、乳化剤として、下記(2)
式の化合物と(3)式の化合物を併用して水に乳化分散
したものは乳化状態が良好となり、より優れた柔軟性を
付与することができるため好ましい。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】(2)式で示される化合物は、ソルビタン
脂肪酸エステル型の非イオン系界面活性剤である。この
化合物は1,5−ソルビタンと炭素数12〜33の脂肪
酸とをエステル化反応させることによって得られるが、
脂肪酸としては例えば、ラウリル酸、オレイン酸等の炭
素数12〜22の脂肪酸が好ましい。
【0027】一方、(3)式で示される化合物はポリオ
キシエチレンアルキルエーテル型の非イオン界面活性剤
である。この化合物は炭素数8〜122のアルコール1
モル当たり、エチレンオキシドを1〜150モル付加反
応させることにより得られるが、アルコールとしては例
えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール等の炭素
数8〜22のアルコールが好ましく、またエチレンオキ
シドの付加モル数は、アルコール1モル当たり4〜20
モルが好ましい。
【0028】上記(2)式で示す非イオン界面活性剤
と、(3)式で示す非イオン界面活性剤の混合割合は重
量比で、1:3〜3:1が好ましい。また界面活性剤の
使用量は、オリーブオイルの重量に対して、1〜100
重量%が好ましく、より好ましくは5〜50重量%、更
に好ましくは10〜30重量%である。
【0029】乳酸エステル誘導体とオリーブオイルとを
乳化する際に、必要に応じて上記(2)式で示す非イオ
ン界面活性剤及び(3)式で示す非イオン界面活性剤と
共に、更に他の界面活性剤を併用しても良い。(2)式
及び(3)式で示す界面活性剤と共に併用することので
きる他の界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エス
テル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物等が挙げられ
る。
【0030】本発明の繊維用柔軟剤によって繊維の柔軟
仕上げ処理をする方法としては、本発明の繊維用柔軟剤
の処理液に繊維を浸漬する浸漬法、処理液を繊維に噴霧
するスプレー法の他、コーティング法、刷毛やスポンジ
を用いて繊維に塗布する方法等が挙げられる。これらの
方法のなかでも処理効率の上から浸漬法、スプレー法が
好ましく、特に、スプレー法は柔軟剤の使用量が少ない
場合でも優れた柔軟仕上げ効果が得られるため好まし
い。
【0031】浸漬法で繊維を処理する場合、処理液への
浸漬時間、処理浴温度に特別な制限はないが、通常、浸
漬時間0.1秒〜300秒、処理浴温度10〜40℃で
処理を行う。また浸漬法で処理する場合の処理液として
は、本発明の繊維処理剤の主成分である乳酸エステル誘
導体とオリーブオイルとを合計で、好ましくは0.05
〜20重量%(無水物換算値)、より好ましくは0.1
〜10重量%(無水物換算値)、更に好ましくは0.5
〜5重量%(無水物換算値)含有するものを用いる。繊
維を処理液に浸漬した後、処理液から取り出した繊維を
絞って過剰な処理液を除去するが、この際、繊維の材
質、形態、処理剤中の有効成分の濃度等に応じて適当な
絞り方法、絞り率が採用される。通常、均一な絞り率が
得られるマングル等で絞るのが好ましい。
【0032】本発明の繊維用柔軟剤の繊維に対する付着
量は、繊維重量に対して0.05〜20重量%(乳酸エ
ステル誘導体とオリーブオイルの合計の無水物換算値)
が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%(乳酸
エステル誘導体とオリーブオイルの合計の無水物換算
値)であり、更に好ましくは0.5〜5重量%(乳酸エ
ステル誘導体とオリーブオイルの合計の無水物換算値)
である。
【0033】スプレー法で繊維を処理する場合、本発明
の繊維用柔軟剤の処理液をスプレー容器に充填したスプ
レーを用いることが好適である。スプレー容器の形状は
特に限定されず、公知のものを使用することができる。
例えば代表的な物としては、トリガー式スプレーボト
ル、アトマイザー、霧吹き機、スプレー缶等を例示する
ことができる。スプレー容器に充填する処理液は、本発
明の繊維用柔軟剤の主成分である乳酸エステル誘導体と
オリーブオイルとを、合計で0.1〜30重量%(無水
物換算値)含むよう調整することが好ましく、より好ま
しくは0.5〜15重量%(無水物換算値)含むよう調
整することであり、更に好ましくは2〜10重量%(無
水物換算値)含むよう調整することである。
【0034】上記のようにして本発明の繊維処理剤を繊
維に付与した後、乾燥させる。乾燥は、通常、常温〜2
00℃で行われ、乾燥時間は乾燥温度に応じて適宜選択
される。乾燥方法としては、吊り干し乾燥、熱風乾燥、
プレス乾燥、アイロン乾燥等の方法を採用することがで
きる。
【0035】本発明の繊維用柔軟剤が処理の対象とする
繊維の材質としては、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ル、アセテート等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維、
木綿、麻、ウール、絹等の天然繊維等が挙げられる。
【0036】本発明柔軟剤が処理の対象とする“繊維”
とは、所謂繊維そのものに限られず、上記繊維の一時加
工品である糸、織物、編物、不織布、紙等や、繊維製品
を包含する。
【0037】本発明の繊維製品は、上記繊維用柔軟剤で
処理した繊維よりなるもので、本発明の繊維用柔軟剤で
処理した繊維を用いて製造したものでも、繊維製品を製
造した後、この繊維製品を本発明の繊維用柔軟剤で処理
したものでも良い。繊維製品とは繊維を更に加工して得
たもので、例えば、外衣、中衣、内衣等の衣料、寝装
品、インテリア等の製品を意味する。具体的には、コー
ト、ジャケット、ズボン、スカート、ワイシャツ、ニッ
トシャツ、ブラウス、ナイトウェアー、肌着、セータ
ー、サポーター、靴下、タイツ、ストッキング、帽子、
スカーフ、服の裏地、服の芯地、服の中綿、作業着、ユ
ニホーム、学童用制服等の衣料、カーテン、布団地、布
団綿、布団カバー、シーツ、枕カバー、マット、タオ
ル、ハンカチ、カーペット等が挙げられる。また繊維製
品としては、壁布、フロア外張り材等の産業資材分野で
使用されるものも包含する。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0039】乳酸エステル誘導体とオリーブオイルを水
に乳化して乳化物を調製した。乳酸エステル誘導体とし
ては(1)式におけるRCOがベヘン酸残基(炭素数
21)、nが2、Xがナトリウムであるものを用い、オ
リーブオイルとしては局方オリーブオイルを用いた。乳
化には、(2)式に示す非イオン界面活性剤としてソル
ビタンステアリン酸エステルと、(3)式に示す非イオ
ン界面活性剤としてラウリルアルコールのエチレンオキ
シド50モル付加体とを用いた。得られた柔軟剤乳化物
中の、乳酸エステル誘導体の含有率は3重量%、オリー
ブオイルの含有率は10重量%、ソルビタンステアリン
酸エステルの含有率は1重量%、ラウリルアルコールの
エチレンオキシド50モル付加体の含有率は1重量%で
あった。
【0040】実施例1 目付150g/mの綿100%織物を精錬、漂白、シ
ルケット処理した後、上記柔軟剤乳化物を水で20倍希
釈した処理液に10秒間浸漬した後、マングルで絞り
(絞り率100%)、100℃で2分間乾燥させた。こ
の織物に対する柔軟剤の付着量(乳酸エステル誘導体と
オリーブオイルの合計量)は、繊維重量の0.65重量
%(無水物換算値)である。処理後の織物について表面
摩擦係数の測定及び柔軟性の官能試験を行った。結果を
表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】※1:表面摩擦係数は、風合い測定器KE
S−FB4(カトーテック社製)にて測定した。数値が
小さいほど平滑性が高いことを示す。 ※2:柔軟性の官能試験は20名の試験者が繊維の柔軟
性を以下の基準で評価し、20名の評価の平均値を示し
た。 5・・非常に平滑性がありソフトである。 4・・ソフトである。 3・・少しソフトである。 2・・ソフト性に欠ける。 1・・ソフト性がなく、硬い。
【0043】実施例2 目付150g/mの綿100%織物を精錬、漂白、シ
ルケット処理した後、前記柔軟剤乳化物を水で3倍希釈
した処理液を充填したスプレーを用い、繊維重量の20
重量%の処理液が付着するように織物に処理液をスプレ
ーした後、常温で吊り干し乾燥した。この織物に対する
柔軟剤の付着量(乳酸エステル誘導体とオリーブオイル
の合計量)は、繊維重量の0.87重量%(無水物換算
値)である。乾燥後の織物について、実施例1と同様に
表面摩擦係数の測定及び柔軟性の官能試験を行った。結
果を表1にあわせて示した。
【0044】比較例1 実施例1と同様の綿100%織物を精錬、漂白、シルケ
ット処理した後、柔軟剤の処理液に浸漬せずに水に浸漬
した他は、実施例1と同様の処理を行った。処理後の織
物について表面摩擦係数の測定及び柔軟性の官能試験を
行った。結果を表1にあわせて示した。
【0045】比較例2 実施例2と同様の綿100%織物を精錬、漂白、シルケ
ット処理した後、柔軟剤の処理液をスプレーする代わり
に、水の付着量が繊維重量の20重量%となるように水
をスプレーして乾燥させた他は、実施例2と同様の処理
を行った。処理後の織物について表面摩擦係数の測定及
び柔軟性の官能試験を行った。結果を表1にあわせて示
した。
【0046】比較例3 実施例1と同様の綿100%織物を精錬、漂白、シルケ
ット処理した後、この織物を、オリーブオイルを含まな
い他は実施例1と同様にして調製した乳化物(乳酸エス
テル誘導体含有率3重量%)を20倍希釈した処理液を
用いて実施例1と同様に処理した。乾燥後の織物に対す
る乳酸エステル誘導体の付着量は、繊維重量の0.15
重量%(無水物換算値)である。処理後の織物について
表面摩擦係数の測定及び柔軟性の官能試験を行った。結
果を表1にあわせて示した。
【0047】比較例4 実施例2と同様の綿100%織物を精錬、漂白、シルケ
ット処理した後、比較例3で用いたと同様の乳化物(乳
酸エステル誘導体含有率3重量%)を3倍希釈した処理
液を充填したスプレーを用い、繊維重量の20重量%の
処理液が付着するように処理液をスプレーし、実施例2
と同様に処理した。乾燥後の織物に対する乳酸エステル
誘導体の付着量は、繊維重量の0.2重量%(無水物換
算値)である。処理後の織物について表面摩擦係数の測
定及び柔軟性の官能試験を行った。結果を表1にあわせ
て示した。
【0048】比較例5 実施例1と同様の綿100%織物を精錬、漂白、シルケ
ット処理した後、この織物を、乳酸エステル誘導体を含
まない他は実施例1と同様にして調製した乳化物(オリ
ーブオイル含有率10重量%)を20倍希釈した処理液
を用いて実施例1と同様に処理した。乾燥後の織物に対
するオリーブオイルの付着量は、繊維重量の0.5重量
%である。処理後の織物について表面摩擦係数の測定及
び柔軟性の官能試験を行った。結果を表1にあわせて示
した。
【0049】比較例6 実施例2と同様の綿100%織物を精錬、漂白、シルケ
ット処理した後、比較例5で用いたと同様の乳化物(オ
リーブオイル含有率10重量%)を3倍希釈した処理液
を充填したスプレーを用い、繊維重量の20重量%の処
理液が付着するように処理液をスプレーし、実施例2と
同様に処理した。乾燥後の織物に対するオリーブオイル
の付着量は、繊維重量の0.67重量%である。処理後
の織物について表面摩擦係数の測定及び柔軟性の官能試
験を行った。結果を表1にあわせて示した。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の繊維処理剤
は、特定の乳酸エステル誘導体とオリーブオイルとを併
用したことにより、乳酸エステル誘導体やオリーブオイ
ルを単独で用いた場合には得られない優れた柔軟性とと
もに、平滑性を付与することができ、更に帯電防止性も
付与することができる。また乳酸エステル誘導体とオリ
ーブオイルとを、ソルビタン脂肪酸エステルとアルコー
ルのエチレンオキシド付加体とを併用して乳化して用い
た場合には乳化状態が良好となり、より優れた柔軟性を
付与することができる。更に本発明の柔軟剤は低毒性
で、カチオン系界面活性剤に比べて皮膚に対する刺激が
著しく低い利点がある。更に本発明の繊維処理剤は、ア
ニオン系界面活性剤と一緒に使用することができるた
め、アニオン系界面活性剤を主体とする洗浄剤と併用し
た場合、洗浄と同時に柔軟仕上げ等の処理を同時に施す
ことができる。
【0051】本発明の繊維製品は低皮膚刺激性で、柔軟
性、平滑性、帯電防止性等に優れる効果を有する。また
本発明方法によれば、繊維を効果的に柔軟仕上げするこ
とができ、特に本発明柔軟剤をスプレー法により繊維に
付与した場合には、柔軟剤の使用量が少ない場合でも優
れた柔軟性、平滑性が付与される。また本発明の繊維用
柔軟剤の処理液を充填したスプレーを用いれば、効率良
く繊維の柔軟仕上げ処理を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 裕 兵庫県明石市西明石町3丁目10−15 (72)発明者 丸山 晶弘 千葉県東葛飾郡沼南町大井934−2 5− 304 (72)発明者 松原 昭夫 京都府京都市伏見区深草出羽屋敷町23 フ ァミール伏見A−802 Fターム(参考) 4L033 AC02 BA07 BA14 BA21 CA48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)式で示される化合物(但し式
    中、RCOは炭素数12〜32の脂肪酸残基、nは1
    〜4の数、Xは水素、一価の金属、二価の金属、アンモ
    ニア、アミンのいずれかを示す。)と、オリーブオイル
    とを含有することを特徴とする繊維用柔軟剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記(1)式で示される化合物(但し式
    中、RCOOは炭素数12〜32の脂肪酸残基、nは
    1〜4の数、Xは水素、一価の金属、二価の金属、アン
    モニア、アミンのいずれかを示す。)と、オリーブオイ
    ルとが、下記(2)式で示す化合物(但し式中、R
    Oは炭素数12〜32の脂肪酸残基を示す。)と、
    (3)式で示す化合物(但し式中、ROは炭素数8〜
    122のアルコール残基、mは1〜150の数を示
    す。)とを乳化剤として水に乳化分散されていることを
    特徴とする繊維用柔軟剤。 【化2】 【化3】 【化4】
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の繊維用柔軟剤を含
    む処理液に繊維を浸漬し、繊維に柔軟剤を付与すること
    を特徴とする繊維の柔軟仕上げ方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の繊維用柔軟剤を含
    む処理液を繊維にスプレーし、繊維に柔軟剤を付与する
    ことを特徴とする繊維の柔軟仕上げ方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の繊維処理剤で処理
    した繊維よりなる繊維製品。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の繊維用柔軟剤の処
    理液を充填したスプレー。
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