JP2004124326A - 繊維用処理剤および繊維材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを含有することを特徴とする繊維用処理剤、およびγ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを繊維に固着させたことを特徴とする繊維材料。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚感作性低減を目的とした繊維用処理剤、及び該繊維用処理剤により処理された繊維材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
γ−リノレン酸は、血管拡張作用、降圧作用、血小板凝集抑制作用の他、皮膚の保湿効果、アトピー性皮膚炎の改善効果を有するn−6系の不飽和脂肪酸である。これは通常は食品や健康食品として摂取されるものであるが、繊維製品への応用も試みられている。例えば、特開平8−337918号公報(特許文献1)には、γ−リノレン酸の乳化物を紡糸直前のビスコースに添加・混合し、紡糸したγ−リノレン酸含有レーヨン繊維が開示されており、特開平11−107163号公報(特許文献2)には、乳化またはマイクロカプセル化した油脂にγ−リノレン酸を含ませた繊維処理剤で処理された繊維が開示されており、特開2002−161428号公報(特許文献3)には、γ−リノレン酸に酸化防止剤を併用した乳化液を紡糸溶液に添加し、紡糸したγ−リノレン酸含有繊維が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−337918号公報
【特許文献2】
特開平11−107163号公報
【特許文献3】
特開2002−161428号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術におけるγ−リノレン酸の使用は、γ−リノレン酸が有する皮膚への保湿付与効果等による刺激緩和を目的とするものである。しかしながら、γ−リノレン酸は、n−6系の不飽和脂肪酸であるため、酸、アルカリ、酸素、光による変質を起こし易く、変質を防止するために酸化防止剤を添加したのでは、逆に皮膚への刺激性を招く結果となってしまい、γ−リノレン酸を付与する本来の目的を逸脱してしまう虞がある。また、γ−リノレン酸は脂肪酸であるために、アルカリビルダーが配合された一般的な洗剤を使用した洗濯により容易に除去されてしまい、繊維加工品としての耐久性がなく、さらに脂肪酸独特の臭気、加工変色等の面で改善が要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、γ−リノレン酸を含む脂肪酸とショ糖とのエステル化物を使用することにより、γ−リノレン酸本来の作用を有するだけではなく、皮膚への浸透性を有することにより、他の機能性物質、例えば、抗炎症剤等の経皮吸収促進剤としても働き、またトリエステル以上のポリエステル体を含む脂肪酸(γ−リノレン酸)ショ糖エステルを用いることにより化学的に安定となり、皮膚感作性を低減する効果と、その効果の耐久性を備えた繊維材料の製造が可能となることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0006】
すなわち、本発明は、γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを含有することを特徴とする繊維用処理剤を提供する。
【0007】
本発明に係るこの繊維用処理剤においては、脂肪酸ショ糖エステルが、トリエステル以上のポリエステル体を40〜95質量%含み、脂肪酸中のγ−リノレン酸の含有量が5質量%以上であるのが好ましい。
【0008】
また、本発明は、γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを繊維に固着させたことを特徴とする繊維材料を提供する。
【0009】
本発明に係るこの繊維材料においては、脂肪酸ショ糖エステルが、トリエステル以上のポリエステル体を40〜95質量%含み、脂肪酸中のγ−リノレン酸含有量が5質量%以上であるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる脂肪酸ショ糖エステルは、モノエステル体が10質量%以下、ジエステル体が5〜50質量%、トリエステル以上のポリエステル体が40〜95質量%の組成比の脂肪酸ショ糖エステルであることが好ましく、これらの脂肪酸ショ糖エステルは従来より知られているHass−Snel法、Nebraska−Snell法などにより容易に合成が可能である。脂肪酸ショ糖エステルの原料となるγ−リノレン酸を含む脂肪酸としては、特に制限はないが、例えば、月見草油、ボラージ油、あるいは、ブドウ糖を主原料にして微生物、糸状菌の一種であるMortiella isabellinaから得られるモルティエラ油などに由来する脂肪酸が挙げられる。γ−リノレン酸は精製して用いてもよいが、γ−リノレン酸を含む油脂として用いてもよい。この場合、γ−リノレン酸の濃度としては、5質量%以上であるのが好ましく、10質量%以上であるのが特に好ましい。
【0011】
本発明の繊維用処理剤は、γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを有機溶剤に溶解した溶液の形態であっても本発明が目的とする本来の機能を果たすことが可能ではあるが、環境への負荷等を考慮すると、水系での乳化品、もしくはマイクロカプセル化品として繊維に加工されることが望ましい。乳化品、もしくはマイクロカプセル化品を作成するに当たっては、脂肪酸ショ糖エステル単独で用いてもよく、もしくは他の保湿作用のあるエステル系の化合物と併用してもよい。このとき併用されるエステル系の化合物としては、特に制限はないが、例えば、アルキルベンゾエート、セチルエチルヘキサノエート、イソセチルステアレート、イソセチルネオペンタノエート、トリデシルネオペンタノエート、ミリスチルミリステート、イソプロピルミリステート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルステアレートなどのカルボン酸アルキルエステルや、カプリックトリグリセライド、ペンタエリスリチルテトラカプリレート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、アーモンド油、杏種子油、シア種子油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、アボガド油、ホホバ油、大豆油、ヤシ油などのエステル系油脂等が挙げられる。
【0012】
乳化品にするに当たって使用する乳化剤としては、特に制限はないが、通常以下のような乳化剤を挙げることができる。具体的には、例えば、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、スチレン化アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、スチレン化フェノールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物、油脂のアルキレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物などのポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールまたはソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミドなどの多価アルコール型非イオン界面活性剤、脂肪酸セッケンなどのカルボン酸塩型アニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルポリアルキレングリコールエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィンなどの硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸などのホルマリン縮合物、α−オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、イゲポンT型スルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩などのスルホン酸塩型アニオン界面活性剤、高級アルコールリン酸エステル塩などのリン酸エステル塩型アニオン界面活性剤等がある。
【0013】
さらに安定化剤として、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プロピルセルロース、カルボキメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、デンプン糊などを使用することができる。
【0014】
マイクロカプセル化する方法としては、従来より行われている各種の方法を採用することができるが、水溶性高分子と多価イソシアネート化合物からなるカプセルに包接させる方法が、外的要因、長期間における施行性の面で好ましい。このとき用いられる水溶性高分子としては、特に制限はないが、例えば、ポバール、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、キサンタンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、アラビアゴム、カンテンなどの多糖類や、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン等が挙げられ、これらの水溶性高分子はそれぞれ単独で、または2種以上を併用して用いられてもよい。また、多価イソシアネート化合物とは2個以上のイソシアネート基を有する化合物であって、このようなものとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびそれらのアダクト体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの付加物、およびそれらのプレポリマー類、さらにはそれらのイソシアネートに水溶性を持たせるためにエチレンオキサイドやプロピレンオイサイドを付加させたものなどが挙げられる。これらの多価イソシアネート化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を併用して用いられてもよい。これらの多価イソシアネート化合物と前記水溶性高分子との使用割合については、特に制限はないが、イソシアネート基と水酸基、カルボキシル基またはアミノ基との当量比としては、(−NCO/−OH)(−NCO/−COOH)または(−NCO/−NH2)が0.5〜2になるような割合で用いるのが好ましい。
【0015】
本発明のγ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルは、γ−リノレン酸本来の、血管拡張作用、降圧作用、血小板凝集抑制作用の他、皮膚の保湿効果、アトピー性皮膚炎の改善効果等の作用を有するだけではなく、皮膚への浸透性効果を有することにより、他の機能性物質の経皮吸収促進剤としての作用も有するため、併用する機能性物質の効果をより一層引き出すことが可能である。γ−リノレン酸ショ糖エステルと併用可能な他の機能性物質としては、特に制限はないが、抗炎症剤、抗アレルギー剤、痩身剤、引き締め剤、抗酸化剤、美白剤、血行促進剤等が挙げられる。より具体的には、ε−アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、アラントイン、グリチルリチン酸およびその塩、エラグ酸およびその塩、ウルソール酸およびその塩、オレアノール酸およびその塩、タンニン、カテキン類、アミノ酸誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、酢酸トコフェロール、γ−オリザノール、および植物抽出エキス等が挙げられる。
【0016】
本発明の繊維材料に用いられる繊維に特に制限はなく、綿、絹、ウールなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ビニロン、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアラミド繊維などの合成繊維、およびこれらの繊維の複合繊維等が用いられ、そしてその形態としては糸、編物、織物、不織布などが挙げられる。
【0017】
本発明の繊維用処理剤により前記繊維を処理するに当たってのγ−リノレン酸ショ糖エステルの固着量としては、特に制限はないが、繊維(例えば、目付150g/m2の織物)1m2当たり5〜1000mgであるのが好ましく、10〜600mgであるのが特に好ましい。固着量が5mg未満であると効果の発現が十分でなくなる傾向にあり、一方1000mgを超えても使用量に見合う皮膚感作性低減効果が得られにくく、経済的に不利となる傾向にある。
【0018】
本発明において、γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルの乳化品やマイクロカプセル化品を繊維に固着させる方法は、従来公知の方法でよく、スプレー法、パッド法、浸漬法、コーティング法等により繊維に付着させ、その後乾燥し、場合により熱処理をして固着させることにより、本発明の繊維材料が得られる。さらに、処理効果の耐久性を得るために、必要に応じて、架橋剤やバインダーを併用することもできる。また、柔軟剤、帯電防止剤、抗菌防臭剤などの他の機能を有する繊維用処理剤と併用することにより、多種多用途の繊維加工が可能となる。さらにまた、本発明の繊維用処理剤は、洗濯後のリンス剤として用いることも可能である。
【0019】
本発明により得られる繊維材料の用途としては、特に制限はないが、例えば、下着、ファンデーション、ストッキング、靴下、手袋等の形態が挙げられ、直接肌に触れるような物として使用することが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0021】
実施例において皮膚感作性の評価は、本発明に係るγ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルの乳化品またはマイクロカプセル化品により綿メリヤスを加工し、この綿メリヤスにアレルギー性皮膚炎を起こす起炎物質として知られている塩化ベンザルコニウムを塗布したものについて、24時間のパッチテストを行い、皮膚の状態を観察し、評価を行った。
【0022】
実施例1
γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルとしてCRODESTA GAMMA(クローダ(株)製、トリエステル体64質量%、脂肪酸中のγ−リノレン酸25質量%)100g、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタンエステルであるレオドールTWO−320(花王(株)製)20g、水880gを加え、ラボホモミキサーを用いて3000rpmで撹拌し、脂肪酸ショ糖エステル10質量%の乳化品を得た。この乳化品の平均粒子径は10.5μmであった。この乳化品の1質量%水分散液を、絞り率60質量%で綿メリヤス(目付:150g/m2)に付着させた後、120℃で5分間乾燥した。この加工布1cm×1cmに、1質量%塩化ベンザルコニウム水溶液50μLをスポットし、閉鎖法で対象人数20名に対して、24時間のパッチテストを行い、皮膚感作性を目視で、皮膚炎症の状態により次の5段階評価基準に従って評価した結果を表1に示す。
【0023】
A:反応なし
B:紅斑のみ
C:紅斑、丘疹
D:紅斑、丘疹、小水疱
E:大水疱
実施例2
CRODESTA GAMMA(クローダ(株)製)50g、イソプロピルミリスチン酸エステル50g、ポリビニルアルコールの10質量%水溶液200g、ヘキサメチレンジイソシアネートトライマー50g、水650gを、室温にて、ラボホモミキサーを用いて8000rpmで撹拌し、一次乳化物を得た。次いで、70℃まで昇温し、同温度で5時間反応させ、脂肪酸ショ糖エステルとイソプロピルミリスチン酸エステルの混合物10質量%のマイクロカプセル化品を得た。このマイクロカプセル化品の平均粒子径は2.4μmであった。このマイクロカプセル化品の1質量%分散液を用いて、実施例1と同様に加工し、皮膚感作性を評価した結果を表1に示す。
【0024】
実施例3
CRODESTA GAMMA(クローダ(株)製)50g、イソプロピルミリスチン酸エステル40g、エラグ酸10g、ポリビニルアルコールの10質量%水溶液200g、ヘキサメチレンジイソシアネートトライマー50g、水650gを室温にて、ラボホモミキサーを用いて8000rpmで撹拌し、一次乳化物を得た。次いで70℃まで昇温し、同温度で5時間反応させ、脂肪酸ショ糖エステル、イソプロピルミリスチン酸エステルおよびエラグ酸の混合物10質量%のマイクロカプセル化品を得た。このマイクロカプセル化品の平均粒子径は2.8μmであった。このマイクロカプセル化品の1質量%水分散液を用いて、実施例1と同様にして加工し、皮膚感作性を評価した結果を表1に示す。
【0025】
比較例1
イソプロピルミリスチン酸エステル90g、エラグ酸10g、ポリビニルアルコールの10質量%水溶液200g、ヘキサメチレンジイソシアネートトライマー50g、水650gを、室温にて、ラボホモミキサーを用いて8000rpmで撹拌し、一次乳化物を得た。次いで、70℃まで昇温し、同温度で5時間反応させて、イソプロピルミリスチン酸エステルとエラグ酸の混合物10質量%のマイクロカプセル化品を得た。このマイクロカプセル化品の平均粒子径は5.1μmであった。このマイクロカプセル化品の1質量%水分散液を用いて、実施例1と同様にして加工し、皮膚感作性を評価した結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
閉鎖法のパッチテストの結果から、本発明に係るγ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルで加工した実施例1では、未加工布で同様のパッチテストを行ったものと比較して、炎症が緩和されていることがわかる。また、マイクロカプセル化品を用いた実施例2の結果からも同様の炎症緩和作用があることがわかる。γ−リノレン酸ショ糖エステルと抗炎症剤を併用した実施例3では、抗炎症剤を単独で使用した比較例1の結果との比較から、γ−リノレン酸本来の皮膚保護作用、抗炎症剤の経皮吸収促進作用が相まって、皮膚保護作用が向上していることがわかる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の繊維用処理剤を用いることにより、容易に皮膚保護作用のある繊維製品の製造が可能となる。また、本発明の繊維用処理剤を用いればその繊維材料に固着している皮膚保護性のある化合物を少量ずつ長期にわたり経皮吸収させることができ、アトピー性皮膚炎の人や敏感肌の人が、日常的に用いている化粧品、毛髪洗浄剤、食器洗浄剤などに含まれる界面活性剤によって被る肌トラブルを防止することが期待できる。したがって、本発明の繊維用処理剤を用いた繊維材料は、下着、ファンデーション、ストッキング、靴下、手袋等の直接肌に接するような衣類に対し非常に有用である。
Claims (4)
- γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを含有することを特徴とする繊維用処理剤。
- 脂肪酸ショ糖エステルが、トリエステル以上のポリエステル体を40〜95質量%含み、脂肪酸中のγ−リノレン酸の含有量が5質量%以上である、請求項1に記載の繊維用処理剤。
- γ−リノレン酸ショ糖エステルを含む脂肪酸ショ糖エステルを繊維に固着させたことを特徴とする繊維材料。
- 脂肪酸ショ糖エステルが、トリエステル以上のポリエステル体を40〜95質量%含み、脂肪酸中のγ−リノレン酸の含有量が5質量%以上である、請求項3に記載の繊維材料。
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