JP2019214671A - 振動減衰性樹脂組成物および振動減衰性樹脂組成物の塗工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような振動は、物体を構成する自動車や鉄道車両、船舶、航空機、家電機器、産業用機器、あるいは建造物などにおいて問題となりやすく、振動減衰材料を使用して振動を低減し、これら機器類、建造物における安全性、静粛性を高め、機器類や建造物の長寿命化を図ることが試みられている。
しかしながら、設置すべき機器類や建造物の形状や設置条件などにより、振動減衰材料を密接させる形態に制限を受け、振動減衰効果が十分に発揮されないなどの問題があった。
ただし、本発明では可塑剤を塗工膜の基材ポリマーに添加しているので、塗工膜の強度や硬さなどの機械的特性が低下が避けられないという問題がある。
(a)TEMPO酸化セルロース以外の、パルプやセルロースの少なくとも一方
(b)紙の一般的な薬材として、耐水性を付与するためのサイズ剤や紙力剤の少なくとも一方
(c)所定の物性を得るための前記分散媒に可溶なポリマー
(d)強化剤としての粒子または繊維状のフィラー
(e)所定の物性を得るための粘土鉱物
(f)繊維間で結合させるための、カルボキシル基との相互作用性を有する陽イオンであり、好ましくは2価以上の正電荷又は2以上の配意数を有するイオン
といった添加物の少なくともいずれか一以上若しくは全てを添加して振動板を作製する電気音響変換器用振動板の製造方法が示されている。当該製造方法による振動板は高弾性率で、良好な音質を得ることができるとしている。ただし、TEMPO酸化セルロースは繊維径が4nmとされており、比表面積が大きいことから分散液の増粘効果が著しく、したがっ分散液を塗工可能な粘度範囲に調製するにはTEMPO酸化セルロースの分散液への添加量はごくわずかとなり、TEMPO酸化セルロースの高弾性率化に対する寄与はごく小さいものと考えられる。
[1]組成物全体の中で少なくとも一部において架橋構造を形成可能な合成樹脂を主成分とし、前記合成樹脂に対する添加量が10重量%未満のセルロースナノファイバーを含む振動減衰性樹脂組成物であって、
前記架橋構造を形成可能な合成樹脂は、前記振動減衰性樹脂組成物に架橋剤を含む事によって前記合成樹脂の架橋構造を形成可能とした、または、前記合成樹脂が自己架橋性樹脂であることによって前記合成樹脂の架橋構造を形成可能とした事を特徴とする振動減衰性樹脂組成物。
[2] 前記架橋構造を形成可能な合成樹脂が、未架橋状態で溶媒可溶性または溶媒分散性である、[1]に記載の振動減衰性樹脂組成物。
[3] 前記溶媒が、水または水系溶媒である[2]に記載の振動減衰性樹脂組成物。
[4] 水溶性分散剤をさらに含み、セルロースナノファイバーに前記水溶性分散剤がイオン結合している、[2]〜[3]に記載の振動減衰性樹脂組成物。
[5]前記組成物の塗工膜の、架橋後の測定温度30℃における損失係数が0.1以上であり、かつ架橋後の該塗工膜の比重が1.0〜1.5である、請求項1〜4に記載の振動減衰性樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]に記載の振動減衰性樹脂組成物の主成分である、前記架橋構造を形成可能な合成樹脂が未架橋状態の前記組成物を水に分散させた水分散体を塗布して第一塗工膜を形成する工程、前記第一塗工膜を乾燥して第二塗工膜を形成する工程、及び前記第二塗工膜を架橋して第三塗工膜を形成する工程を含む、[1]〜[5]に記載の振動減衰性樹脂組成物の塗工方法。
塗工膜の内部損失のピーク温度は、該架橋性樹脂又は架橋剤の分子構造、架橋密度(架橋点間距離)、およびセルロースナノファイバーの種類(セルロースナノファイバーの平均径及び長さ、架橋点間距離)によって変化し、架橋性樹脂由来のピーク及びセルロースナノファイバー由来のピークとあわせて2つ以上存在する場合がある。
本発明のセルロースナノファイバーは、その幅(繊維径)が2〜100nm、繊維長は100nm〜5μmのものが好ましく使用できる。セルロースナノファイバーからなるネットワークは振動減衰能を有する。これは、後述する架橋処理により、一部が架橋可能な樹脂とセルロースナノファイバー、セルロースナノファイバー同士の3次元架橋構造におけるゆるやかな架橋点におけるそれぞれの摩擦がもたらす内部損失効果を利用することで振動減衰作用を示すものと発明者らは推測している。
未変性セルロースナノファイバー(以下、未変性セルロースナノファイバーをCNFと呼ぶ)は、後述する高分子量化した分散剤(以下高分子分散剤と呼ぶ)により、水系媒体または水中で均一分散させるのが好ましい。
CNFは、所定量の高分子分散剤及び水系溶媒を添加し、機械的に解繊処理することで、CNFに存在する水酸基に由来する水素結合またはCNF同士の絡み合いがほどけて小さくなり、同時に高分子分散剤がCNFにイオン結合し、該分散剤の静電反発力及び分散剤分子の体積排除効果により、液体媒体中に均一分散させることができる。
本発明における高分子分散剤は水溶性分散剤であり、好ましくはCNFの表面に存在する水酸基などの官能基にイオン結合可能で、その静電反発力または/および体積排除効果によってCNFの分散性及び分散安定性を高め得るような分散剤である。該分散剤としては、前述のように水溶性であれば特に限定されないが、陰イオン性分散剤を好ましく使用できる。陰イオン性分散剤としては、例えば、リン酸基、−COOH基、−SO3H基、これらの金属エステル基、及びイミダゾリン基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体などが挙げられる。陰イオン性分散剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明に用いられる少なくとも一部において架橋構造を形成可能な合成樹脂とは、架橋性基及び架橋性構造から選ばれる少なくとも1種を有し、例えば架橋剤と反応して架橋構造を形成し得る合成樹脂であり、好ましくは、架橋性基及び架橋性構造から選ばれる少なくとも1種を有し、未架橋状態で水溶性又は水分散性を有する合成樹脂である。ここで架橋性基としては特に限定されないが、例えば、エポキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エーテル基(例えばフルオロエチレンエーテル基など)、ヒドロシリル基などが挙げられる。該合成樹脂は、架橋性基の1種又は2種以上を有することができる。これらの架橋性基は、該合成樹脂の主鎖骨格に側鎖の少なくとも一部として結合してもよく、主鎖骨格の末端に結合してもよい。
上記以外の架橋性樹脂としては、水溶性または水分散性のポリウレタン、水溶性または水分散性のエポキシ樹脂、または、水溶性または水分散性のフッ素樹脂などが好適に使用できる。
本発明で使用する架橋剤は、主に架橋性樹脂が有する架橋性基、架橋構造や、CNFがその表面に有する官能基と架橋反応を起こすものである。該架橋反応の結果、架橋性樹脂間、CNF間、架橋性樹脂とCNFとの間の少なくとも1つに、架橋剤に由来する架橋構造が形成され、得られる本発明の振動減衰性樹脂組成物の強度や振動減衰特性が向上する。
本発明で用いるナノファイバーとしては、木質由来パルプまたは竹繊維を物理解繊したCNFが好ましく、分散媒となる液状媒体としては水系媒体が好ましい。
水系溶媒は、水、水溶性溶媒、水と水溶性溶媒との混合溶媒などを含む。水溶性溶媒としては、前述の水溶性溶媒と同じものをいずれも使用でき、水溶性溶媒としては、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール)、グリセリン、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトアミドなどが好ましい。これらの水溶性溶媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい水系溶媒は、水、水と水溶性溶媒との混合溶媒などであり、特別な廃液処理設備が不要で環境汚染をしにくい水が特に好ましい。
また、本発明の振動減衰性樹脂組成物の好ましい特性を損なわない範囲で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末、グラファイト、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤、ヒンダードフェノール、リン酸エステルや亜リン酸エステルなどの酸化防止剤、耐熱安定剤、トリアジン系化合物などの耐候性付与剤等の安定剤、ガラス繊維等の繊維状充填材、顔料、染料等の着色剤、滑剤、揆水剤、アンチブロッキング剤、レベリング剤、消泡剤、金属石鹸、有機シラン、防腐剤などを配合することができる。これらの添加剤は、上記した各成分と共に同時に一段で混合してもよく、また、得られた本発明の振動減衰性樹脂組成物水分散体に添加及び混合してもよい。
予備混合工程では、溶媒と、CNF、未架橋状態で溶媒可溶性または溶媒分散性を示し、架橋可能な合成樹脂、分散剤を、ロッキングミル、ヘンシェルミキサー、インラインミキサー、プロペラ式攪拌機、二軸ニーダー等の混合装置によって予備的に混合する。また、架橋剤を同時に混合しても良い。予備混合工程を経る事により、溶媒内でCNFや、溶媒可溶性または溶媒分散性を示しかつ架橋可能な合成樹脂等が均一に混合され、後の工程である混合分散工程の効率が高くなる。
混合分散工程では、CNF、未架橋状態で溶媒可溶性または溶媒分散性を示し一部が架橋可能な合成樹脂、分散剤、架橋剤等の添加剤を溶媒内で機械的に攪拌する事で混合分散させる。混合分散工程を経る事で、CNF、及び未架橋状態で溶媒可溶性または溶媒分散性を示し一部が架橋可能な合成樹脂、分散剤、架橋剤が溶媒内に分散する。特に分散剤がCNFの溶媒への分散性を向上させる。ここで、例えば、高圧ホモジナイザー、水中カウンターコリジョン、高速回転分散機、ビーズレス分散機、高速撹拌型メディアレス分散機等を用いて、機械的解繊処理を同時に行うと、CNFの凝集が解け、分散剤と効率よく結合して、さらにCNFの分散効率が向上し、望ましい。特にCNFの分散性が高く、不純物の混入が少ないという理由から、高速撹拌型メディアレス分散機が好ましい。
濃度調整工程では、CNF、未架橋状態で溶媒可溶性または溶媒分散性を示す架橋性樹脂、分散剤、架橋剤等の添加剤を溶媒内で混合分散させた分散液を容器に注ぎ入れ、乾燥させ濃度調整する。乾燥手段としては、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などの公知の方法を採用することができる。これらのうち、分散剤による静電反発または/および体積排除効果によりもたらされた水分散体におけるCNFの分散状態を保持したまま水分除去が可能であることから、凍結乾燥が特に望ましい。ここで濃度調整は、溶媒の一部を揮発させ前記樹脂組成物の水分散体の固形分濃度や粘度を調整する方法でもよく、精製水などの水系溶媒を加える方法であっても良い。
乾燥工程で得られた振動減衰性樹脂組成物は、硬化処理や溶融成形により、所望の形状に成形できる。硬化処理は、乾燥工程で得られた濃縮液を、塗工膜状等の所望の形状に成形した後、乾燥や架橋する事により行う。また、溶融成形としては、固形物等の射出成形、圧縮成形等が挙げられる。ここで、CNFは200℃以上の温度で熱劣化が始まるため、過度な加熱を行わずに成形可能な架橋処理が成形工程として特に好ましい。以下に、基材等に前記樹脂組成物の水分散体を塗布して第一塗工膜を形成する塗布工程、前記第一塗工膜を乾燥して第二塗工膜を形成する乾燥工程、及び前記第二塗工膜を架橋処理して第三塗工膜を形成する架橋工程について記載する。なお、前記樹脂組成物の溶融成形を行う場合、CNFの熱劣化が始まる温度以下で溶融成形可能な樹脂を選択する事が、CNFを熱劣化させないため、望ましい。
塗布工程は、例えば、未架橋状態の前記振動減衰性樹脂組成物水分散体を基材表面に塗布して、水を含む前記樹脂組成物からなる第一塗工膜を形成する。塗布方法としては特に限定されず、例えば、スピンコーター法、バーコーター法、スプレーコート法、刷毛、ヘラ、ブラシやローラーによる塗布、ディッピング法、電着塗装法などが挙げられる。
乾燥工程では、前記第一塗工膜を加熱乾燥または自然乾燥などの手段により、水分を除去し塗工膜状成形品である第二塗工膜を得る。
架橋工程では、未架橋状態の前記第二塗工膜を後述する化学的架橋処理または物理的架橋処理により塗工膜内部に3次元架橋構造を形成させ、第三塗工膜を作製する。前記第三塗工膜は、架橋処理により、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐傷つき性、ガスバリア性、自己修復性などが未架橋である第二塗工膜よりも向上する。
前記樹脂組成物の水分散体は、上記の成形工程以外にも、溶液キャスト(流延)法のほか、圧縮成形法、RTM成形法、射出成形法等によって本件発明の樹脂組成物を成形できる。
未架橋状態で水溶性又は水分散性を有する一部が架橋可能な合成樹脂として、下記のものを用いた。
アクリル樹脂 ボンコート CG−5010EF (商品名、DIC(株)製、水系エマルジョン)
フェノール樹脂 スミライトレジン PR−50781 (商品名、住友ベークライト(株)製、自己架橋性液状レゾール樹脂)
ウレタン樹脂 スーパーフレックス 150 (商品名、第一工業製薬(株)製、水系エマルジョン)
CNF(商品名、BiNFi−s BMa−10010、(株)スギノマシン製、未変性セルロースナノファイバー)は、固形分5重量%の水分散液を用いた。
CNFの分散剤として、アロン A‐6012 (商品名、東亞合成(株)製、水溶性アクリルスルホン酸系共重合体)を使用した。
高速撹拌型メディアレス分散機として、アペックスディスパーザーZERO(商品名、(株)広島メタル&マシナリー製)を用いた。
未架橋状態で水溶性又は水分散性を有する一部が架橋可能な合成樹脂の架橋成分として多官能アリル系モノマー(トリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成(株)製)、および両末端ポリイソシアネート型ポリカルボジイミド(カルボジライト VS−02、日清紡ケミカル(株)製)を用いた。
以下、水溶液又は水分散液の形態で用いた成分の配合量を固形分量で示すが、これらはもちろん水を含んでいる。
未架橋状態で水溶性又は水分散性を有する一部が架橋可能な合成樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(エスレック KW−01、積水化学工業(株)製、固形分20重量%の水溶液、表1では「PVB樹脂」と表記する。)を用いた。この溶液の固形分に対し、架橋剤として多官能アリル系モノマー(トリアリルイソシアヌレート、TAIC、日本化成(株)製)を3重量%、CNFを固形分換算で0.1重量%、分散剤をCNFの固形分に対し4重量%加え、実験用卓上攪拌機で予備混合し、予備混合物を調製した。
ゲル分率(%)=[(不溶解分重量)/(初期乾燥重量)]×100
実施例1において、CNFの添加量を1重量%とした以外は実施例1と同様に操作し、振動減衰性樹脂組成物の水分散体(2)を調製し、塗工液とした。実施例1と同様に該塗工液の分散性を評価した。さらにPETフィルム及びアルミ板に該塗工膜を塗工し、前記架橋処理により第三塗工膜(2)を作製し、比重、分散性、ゲル分率、損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、CNFの添加量を5重量%とした以外は実施例1と同様に操作して振動減衰性樹脂組成物の水分散体(3)を作製し塗工液とし、第三塗工膜(3)を作製後、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜3において、架橋性の水溶性又は水分散性を有する樹脂を、PVB樹脂に代えてアクリル樹脂(固形分45重量%の水溶液に精製水を添加し20重量%に調整)とした以外は同様に操作して振動減衰性樹脂組成物の水分散体(4)、(5)、(6)を作製し、それぞれ塗工液とした後、第三塗工膜(4)、(5)、(6)を作製して、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜3において、水架橋性の水溶性又は水分散性を有する樹脂を、PVB樹脂に代えてフェノール樹脂(固形分64重量%の水溶液に精製水を添加し20重量%に調整)とし、かつ架橋剤を加えない以外は同様に操作して振動減衰性樹脂組成物の水分散体(7)、(8)、(9)を作製し、それぞれ塗工液とした後、、第三塗工膜(7)、(8)、(9)を作製して、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜3において、水架橋性の水溶性又は水分散性を有する樹脂を、PVB樹脂に代えてウレタン樹脂(固形分30重量%の水溶液に精製水を添加し20重量%に調整)とし、架橋剤をカルボジイミドとした以外は同様に操作して振動減衰性樹脂組成物の水分散体(10)、(11)、(12)を作製し、それぞれ塗工液とした後、、第三塗工膜(10)、(11)、(12)を作製して、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、CNFおよび分散剤を添加しない以外は、実施例1と同様に操作し、振動減衰性樹脂組成物の水分散体(13)を調製しそれぞれ塗工液とした後、該分散液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、前記架橋処理後に、、第三塗工膜(13)を作製して、該塗工膜の比重、粘度、ゲル分率、分散性および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、架橋性の水溶性又は水分散性を有する樹脂をPVB樹脂からアクリル樹脂(固形分45重量%の水溶液に精製水を添加し20重量%に調整)に代え、CNFおよび分散剤を添加しない以外は、実施例1と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(14)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該分散液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(14)を作製して、塗工膜の比重、粘度、ゲル分率、分散性および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、架橋性の水溶性又は水分散性を有する樹脂をPVB樹脂からフェノール樹脂(固形分64重量%の水溶液に精製水を添加し20重量%に調整)に代え、CNF、分散剤、及び架橋剤を添加しない以外は、実施例1と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(15)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該分散液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(15)を作製して、塗塗工膜の比重、粘度、ゲル分率、分散性および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、架橋性の水溶性又は水分散性を有する樹脂をPVB樹脂からウレタン樹脂(固形分30重量%の水溶液に精製水を添加し20重量%に調整)に代え、CNFおよび分散剤を添加せず、架橋剤をカルボジライトとした以外は、実施例1と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(16)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(16)を作製して、塗工膜の比重、粘度、ゲル分率、分散性および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、CNF、分散剤、および架橋剤を添加しない以外は、実施例1と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(17)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布した後は風乾のみを行い、第二塗工膜(17)を作製して、塗工膜の比重、粘度、ゲル分率、分散性および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例3において、CNF、分散剤、および架橋剤を添加しない以外は、実施例1と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(18)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布した後は風乾のみを行い、第二塗工膜(18)を作製して、塗工膜の比重、粘度、ゲル分率、分散性および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、CNFの添加量を10重量%とした以外は実施例1と同様に操作し、減衰性塗装用樹脂組成物の水分散体(19)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該分散体を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(19)を作製して、塗工膜の比重、ゲル分率、分散性、および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例6において、CNFの添加量を10重量%とした以外は実施例6と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(20)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(20)を作製して、塗工膜の比重、ゲル分率、分散性、および損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例9において、CNFの添加量を10重量%とした以外は実施例9と同様に操作し、樹脂組成物の水分散体(21)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(21)を作製して、該塗工膜の比重、ゲル分率、分散性、損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例12において、CNFの添加量を10重量%とした以外は実施例12と同様に操作し、減衰性樹脂組成物の水分散体(22)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いてPETフィルム及びアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(22)を作製して、該塗工膜の比重、ゲル分率、分散性、損失係数を評価した。結果を表1に示す。
実施例3において、さらに添加剤としてCNF以外に転炉スラグ粉末(商品名、てんろ石灰、ミネックス(株)製)をPVB樹脂固形分に対して200重量部添加した以外は、実施例13と同様に操作し、樹脂組成物の水分散体(23)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いて同様にアルミ板に膜厚1mmの塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(23)の比重、および損失係数を評価した。
実施例3において、さらに添加剤としてCNF以外に中空ガラスビーズ(商品名、ガラスバルーン Q−CEL5020、ポッターズバロティーニ(株)製)をPVB樹脂固形分に対して5重量部添加した以外は、実施例13と同様に操作し、全水性樹脂組成物の水分散体(24)を調製し、それぞれ塗工液とした後、該塗工液を用いて同様にアルミ板に塗工膜を塗布し、架橋処理後、第三塗工膜(24)の比重、および損失係数を評価した。
Claims (6)
- 組成物全体の中で少なくとも一部において架橋構造を形成可能な合成樹脂を主成分とし、前記合成樹脂に対する添加量が10重量%未満のセルロースナノファイバーを含む振動減衰性樹脂組成物であって、
前記架橋構造を形成可能な合成樹脂は、前記振動減衰性樹脂組成物に架橋剤を含む事によって前記合成樹脂の架橋構造を形成可能とした、または、前記合成樹脂が自己架橋性樹脂であることによって前記合成樹脂の架橋構造を形成可能とした事を特徴とする振動減衰性樹脂組成物。 - 前記架橋構造を形成可能な合成樹脂が、未架橋状態で溶媒可溶性または溶媒分散性である、請求項1に記載の振動減衰性樹脂組成物。
- 前記溶媒が、水または水系溶媒である請求項1〜2に記載の振動減衰性樹脂組成物。
- 水溶性分散剤をさらに含み、セルロースナノファイバーに前記水溶性分散剤がイオン結合している、請求項1〜3に記載の振動減衰性樹脂組成物水分散体。
- 前記組成物の塗工膜の、架橋後の測定温度30℃における損失係数が0.1以上であり、かつ架橋後の該塗工膜の比重が1.0〜1.5である、請求項1〜4に記載の振動減衰性樹脂組成物。
- 請求項1〜5に記載の振動減衰性樹脂組成物の主成分である、前記架橋構造を形成可能な合成樹脂が未架橋状態の前記組成物を水に分散させた水分散体を塗布して第一塗工膜を形成する工程、第一塗工膜を乾燥して第二塗工膜を形成する工程、及び第二塗工膜を架橋して第三塗工膜を形成する工程を含む、請求項1〜5に記載の振動減衰性樹脂組成物の塗工方法。
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- 2018-06-13 JP JP2018112393A patent/JP2019214671A/ja active Pending
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